(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
モバイルデバイスにより実行可能な命令を記憶した非一時的コンピュータ読み取り可能媒体であって、当該命令は実行されると前記モバイルデバイスに方法を実行させるものであり、
当該方法は、
セルラーネットワークを経由した前記モバイルデバイスからメディア再生システムへの1つ又は複数の通信経路を通じて前記メディア再生システムに接続するステップ、
ここで、前記メディア再生システムは、前記モバイルデバイスが前記メディア再生システムに接続されている間、前記モバイルデバイスによって制御可能な1つ又は複数の再生デバイスを備える、
前記モバイルデバイスが前記メディア再生システムに接続されて、前記1つ又は複数の再生デバイスが前記モバイルデバイスによって制御可能なときに、前記モバイルデバイスが前記メディア再生システムの閾値近接範囲外であることを検出するステップ、及び
前記モバイルデバイスが前記メディア再生システムの閾値近接範囲外であることを検出し、且つ、前記モバイルデバイスが前記セルラーネットワークに接続中のときに、前記モバイルデバイスに前記メディア再生システムとの接続を切断させるステップ、
を有する、非一時的コンピュータ読み取り可能媒体。
前記モバイルデバイスが前記メディア再生システムの閾値近接範囲外であることを検出するステップは、前記モバイルデバイスと無線ローカルエリアネットワークとの切断を検出することを含む、
ここで、前記無線ローカルエリアネットワークは、前記モバイルデバイスが前記メディア再生システムに接続されている間、前記モバイルデバイスと前記1つ又は複数の再生デバイスとを相互接続するものである、
請求項1に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能媒体。
前記モバイルデバイスが前記メディア再生システムの閾値近接範囲外であることを検出するステップは、前記モバイルデバイスが前記1つ又は複数の再生デバイスの物理的近接範囲外であることを検出することを含む、
請求項1に記載の非一時的コンピュータ読み取り可能媒体。
前記モバイルデバイスが前記メディア再生システムの閾値近接範囲外であることを検出するステップは、前記モバイルデバイスと無線ローカルエリアネットワークとの切断を検出することを含む、
ここで、前記無線ローカルエリアネットワークは、前記モバイルデバイスが前記メディア再生システムに接続されている間、前記モバイルデバイスと前記再生デバイスとを相互接続するものである、
請求項8に記載の再生デバイス。
前記モバイルデバイスが前記メディア再生システムの閾値近接範囲外であることを検出するステップは、前記モバイルデバイスが前記再生デバイスの物理的近接範囲外であることを検出することを含む、
請求項8に記載の再生デバイス。
セルラーネットワークを経由したモバイルデバイスからメディア再生システムへの1つ又は複数の通信経路を通じて前記モバイルデバイスを前記メディア再生システムに接続するステップ、
ここで、前記メディア再生システムは、前記モバイルデバイスが前記メディア再生システムに接続されている間、前記モバイルデバイスによって制御可能な1つ又は複数の再生デバイスを備える、
前記モバイルデバイスが前記メディア再生システムに接続されて、前記1つ又は複数の再生デバイスが前記モバイルデバイスによって制御可能なときに、前記モバイルデバイスが前記メディア再生システムの閾値近接範囲外であることを検出するステップ、及び
前記モバイルデバイスが前記メディア再生システムの閾値近接範囲外であることを検出し、且つ、前記モバイルデバイスが前記セルラーネットワークに接続中のときに、前記モバイルデバイスに前記メディア再生システムとの接続を切断させるステップ、
を有する、方法。
前記モバイルデバイスが前記メディア再生システムの閾値近接範囲外であることを検出するステップは、前記モバイルデバイスと無線ローカルエリアネットワークとの切断を検出することを含む、
ここで、前記無線ローカルエリアネットワークは、前記モバイルデバイスが前記メディア再生システムに接続されている間、前記モバイルデバイスと前記1つ又は複数の再生デバイスとを相互接続するものである、
請求項14に記載の方法。
前記モバイルデバイスが前記メディア再生システムの閾値近接範囲外であることを検出するステップは、前記モバイルデバイスが前記1つ又は複数の再生デバイスの物理的近接範囲外であることを検出することを含む、
請求項14に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0007】
さらに、図面はいくつかの例示的な実施形態を説明することを目的としているが、本開示は図面に示した配置および手段に限定されるものではないことが理解される。
【0008】
I.概要
本明細書に記載の実施形態は、メディア再生システムが使用しているセキュアなローカルネットワークに直接アクセスせずに、モバイルデバイスを使用してメディア再生システムを制御できるようにする、シンプル且つセキュアな方法を提供する。モバイルデバイスは、携帯電話、タブレット、又は任意の他の携帯型コンピュータデバイスなどである。メディア再生システムは、本願においてネットワークメディアシステムとも呼ばれ、1つ又は複数の再生デバイスを備える。再生デバイスは、場合により、グループに編成されている。このような構成は、メディア再生システムがセキュアなローカルネットワーク(例えば、セキュアなLAN)を使用するときに可能である。本明細書の実施形態は、セキュアなローカルネットワークへのアクセスがパスワードで保護されていて、セキュアなローカルネットワークの管理者(例えば、メディア再生システムの所有者)が、メディア再生システムの限られた制御をモバイルデバイスの使用者に提供するが、その使用者にネットワークのパスワードを提供せず、これによって、セキュアなローカルネットワークに接続されている他のデバイスへの一般的なアクセスを提供しないことを望むという、例示的なシナリオのために提供される。
【0009】
ある実施形態において、ユーザは、上述したメディア再生システムによるメディア再生を体験したいが、メディア再生システムが使用するセキュアなローカルネットワークにアクセスできない。これは、例えば、友達の家、レストラン、コーヒーハウス、又はメディア再生システムデバイスの販売場所で起こる。このような事例において、ユーザはモバイルデバイスを携帯していて、3G又は4Gネットワークなどのセルラーネットワークにアクセスできる場合がある。一例では、メディア再生システムは、対応するクイックレスポンス(QR)コードを持っている。その場合、ユーザは、QRコードをスキャンすることによって、メディア再生システムを識別するのに使用されるシステム識別子を取得することができる。QRコードは、グループ化されてメディア再生システムを形成する1つ又は複数の再生デバイスに設けられる。これに代えて、QRコードは他の位置に設けられても良い。例えば、メディア再生システムの所有者によって提供される1枚の紙に設けられても良い。他の例では、ユーザは、モバイルデバイスのインタフェース上で、メディア再生システムを識別するのに使用されるコードを手入力する。他の例では、ユーザは、モバイルデバイスを使用して、メディア再生システムの識別を可能にするリンク先を直接閲覧する必要がある。さらに他の例では、ユーザはコードを含むテキスト情報を所定番号に送信し、それに応じてメディア再生システムの識別を可能にするリンク情報を受信する必要がある。
【0010】
モバイルデバイスがシステム識別子を取得すると、モバイルデバイスは上述したセルラーネットワークを介してリモートサーバと通信する。リモートサーバは、SONOS(登録商標)サーバなどであり、所有者のメディア再生システムとさらに他のメディア再生システムとも通信することができる。モバイルデバイスとリモートサーバとの通信は、モバイルデバイスによる、メディア再生システムへの接続を要求するリクエストを含む。リモートサーバは、モバイルデバイスが取得したシステム識別子をリクエストと共に受信し、そのシステム識別子を使用して、対応するメディア再生システムを識別する。その結果、リモートサーバは、メディア再生システムの設定情報をモバイルデバイスに提供する。その後、モバイルデバイスは、提供された情報を使用して、セルラーネットワークを介してメディア再生システムに接続する(場合によっては、モバイルデバイスとメディア再生システムとの間の媒介装置としてサーバを使用し続ける)。その結果、モバイルデバイスは、メディア再生システムの1つ又は複数の機能を制御することができる。モバイルデバイスによって制御されるメディア再生システムの限られた機能は、デフォルトで設定されても良いし、メディア再生システムの所有者によって予め決められても良い。
【0011】
メディア再生システムの制御は、他の態様において制限されても良い。ある事例では、モバイルデバイスは、所定期間後に、メディア再生システムとの接続を切る又は接続を切られるように構成される。このような事例において、ユーザが、モバイルデバイスをメディア再生システムに再接続することを望む場合、モバイルデバイスは、リクエストをリモートサーバに送信し、上述したプロセスと同一のプロセスを使用して、メディア再生システムに再接続する。他の事例では、モバイルデバイスを携帯するユーザがメディア再生システムの近辺から離れたときに、モバイルデバイスの地理的な位置がメディア再生システムに物理的に近接した距離の範囲内ではなくなったと判断する。言い換えると、メディア再生システムは、再生デバイスから離れた制限された距離で特定されるトポロジー領域を持ち、モバイルデバイスはその領域の範囲内でメディア再生システムを制御する。一例では、トポロジー領域は、メディア再生システムが接続するセキュアなローカルネットワークがサービスを提供する範囲である。モバイルデバイスがトポロジー領域内に存在しなくなると、モバイルデバイスはメディア再生システムとの接続を切られる。
設定情報は、メディア再生システムのトポロジー領域を示す情報を含み、方法は、モバイルデバイスの地理的な位置を測定するステップ、メディア再生システムのトポロジー領域とモバイルデバイスの地理的な位置とに基づいて、モバイルデバイスがメディア再生システムに物理的に近接した距離の範囲内にあるかどうかを判断するステップを含む。
【0012】
モバイルデバイスは、コントロールアプリケーションを使用して、メディア再生システムの1つ又は複数の機能を制御する。モバイルデバイスがメディア再生システム又はSONOS(登録商標)が販売している任意の他の再生デバイスを以前にも制御していた場合、コントロールアプリケーションは既にモバイルデバイス内にある。コントロールアプリケーションがモバイルデバイス内にない場合、コントロールアプリケーションは、セルラーネットワークを介してリモートサーバからモバイルデバイスにダウンロードされる。一例では、コントロールアプリケーションはQRコードのスキャンに応じてダウンロードされる。ダウンロードされたコントロールアプリケーションは、モバイルデバイスがメディア再生システムとの接続を切った後も、モバイルデバイス内で保持される。よって、モバイルデバイスは、後に、コントロールアプリケーションを使用して、メディア再生システム又はSONOS(登録商標)が販売している他の再生デバイスを制御することができる。
【0013】
モバイルデバイスの単一のユーザは、セルラーネットワークを介してメディア再生システムを制御する。しかし、モバイルデバイスを持つ複数のユーザが、メディア再生システムへのアクセスが可能な範囲内にいる場合がある。そのような場合、1つ又は複数のモバイルデバイスはメディア再生システムを同時に制御するように構成されても良い。1つ又は複数のモバイルデバイスは、システムを制御しているときに、1つ又は複数のオーディオトラックをメディア再生システムの再生キューに送信する。1つ又は複数のオーディオトラックは、プレイリストとしてリモートサーバに格納される。プレイリストは、モバイルデバイスがメディア再生システムを制御中の任意の時点で、モバイルデバイスによって読み出される。
【0014】
上述したように、本明細書は、メディア再生システムが使用しているセキュアなローカルネットワークに直接アクセスせずに、ユーザがモバイルデバイスを使用してメディア再生システムを制御できるようにする、シンプル且つセキュア(信頼でき確実)な方法を提供する。一態様では、方法が提供される。その方法は、モバイルデバイスによってメディア再生システムのシステム識別子を受信するステップを含む。メディア再生システムは、リモートサーバと通信する。メディア再生システムは、セキュアなローカルネットワーク上で通信する1つ又は複数の再生デバイスを備える。システム識別子の受信に応じて、セルラー(携帯)ネットワークを介してモバイルデバイスからリモートサーバに、メディア再生システムとの接続を要求するリクエストを送信する。リクエストは、メディア再生システムのシステム識別子を含む。方法は、さらに、リモートサーバからのメディア再生システムの設定情報を受信するステップを含む。設定情報は、メディア再生システムに接続するための情報を含む。方法は、さらに、セルラーネットワークを介してモバイルデバイスをメディア再生システムに接続するステップと、それに応じて、モバイルデバイスからメディア再生システムに、セルラーネットワークを介して、メディア再生システムを制御するための1つ又は複数のコマンドを送信するステップと、を含む。
【0015】
他の態様では、非一時的コンピュータ読み取り可能メモリが提供される。非一時的コンピュータ読み取り可能メモリは、コンピュータにより実行可能な命令を記憶しており、当該命令は実行されるとコンピュータに機能を発揮させるものである。当該機能には、モバイルデバイスによってメディア再生システムのシステム識別子を受信するステップが含まれる。メディア再生システムは、リモートサーバと通信する。メディア再生システムは、セキュアなローカルネットワーク上で通信する1つ又は複数の再生デバイスを備える。システム識別子の受信に応じて、セルラーネットワークを介してモバイルデバイスからリモートサーバに、メディア再生システムとの接続を要求するリクエストを送信する。リクエストは、メディア再生システムのシステム識別子を含む。当該機能には、さらに、リモートサーバからのメディア再生システムの設定情報を受信するステップが含まれる。設定情報は、メディア再生システムに接続するための情報を含む。当該機能には、さらに、セルラーネットワークを介してモバイルデバイスをメディア再生システムに接続するステップと、モバイルデバイスからメディア再生システムに、セルラーネットワークを介して、メディア再生システムを制御するための1つ又は複数のコマンドを送信するステップと、が含まれる。
【0016】
さらに他の態様では、システムが提供される。そのシステムは、セキュアなローカルネットワーク上で通信する1つ又は複数の再生デバイスを備えたメディア再生システムと、メディア再生システムと通信するリモートサーバと、セルラーネットワークと、モバイルデバイスと、を含む。モバイルデバイスは、メディア再生システムのシステム識別子を受信するように構成される。モバイルデバイスは、システム識別子の受信に応じて、セルラーネットワークを介してリモートサーバに、メディア再生システムとの接続を要求するリクエストを送信する。リクエストは、メディア再生システムのシステム識別子を含む。モバイルデバイスは、さらに、リモートサーバからのメディア再生システムの設定情報を受信するように構成される。設定情報は、メディア再生システムに接続するための情報を含む。モバイルデバイスは、さらに、セルラーネットワークを介してメディア再生システムに接続し、メディア再生システムを制御するための1つ又は複数のコマンドを、セルラーネットワークを介してメディア再生システムに送信するように構成される。
【0017】
以下の説明で議論されるその他の実施形態、あるいは当業者によって理解可能なその他の実施形態も可能である。
【0018】
II.動作環境の例
図面を参照すると、同様のパーツに対しては、複数の図面において同様の符号を付している。
図1は、本明細書で開示される1つ又は複数の実施形態が実行又は実施可能なメディアシステム構成100の例を示している。
【0019】
例示のために、メディアシステム構成100は、複数のゾーンで構成されたホームを示すけれども、ホームは1つのゾーンのみで構成可能であることが理解される。さらに、時間が経過すると1つ又は複数のゾーンをメディアシステム構成100に追加することもできる。ホーム内の各ゾーンは、例えば、オフィス、バスルーム、寝室、キッチン、ダイニングルーム、ファミリールーム、ホームシアタールーム、ユーティリティ又はランドリールーム、およびパティオなどの異なる部屋又はスペースを示してもよい。そのように構成されている場合では、1つのゾーンが複数の部屋又はスペースを含んでいてもよい(本明細書では示していない)。
図1に示すように、ホーム内の各ゾーンに1つ又は複数のゾーンプレーヤー102−124が示されている。ゾーンプレーヤー102−124は、再生デバイス、マルチメディアユニット、スピーカ、プレーヤーなどと呼ばれ、オーディオ、ビデオ、および/又はオーディオビジュアルの出力を行う。(例えば、例示のためにキッチン内に示される)コントローラ130は、メディアシステム構成100の制御を行う。コントローラ130は、ゾーンに固定されていてもよいし、あるいは、コントローラ130は、ゾーンの周りを移動可能な移動体であってもよい。メディアシステム構成100は、複数のコントローラ130を含んでもよく、また、時間が経過するとシステムに新たなコントローラが追加されてもよい。
【0020】
メディアシステム構成100は、例示的なハウスメディアシステム全体を表すが、本明細書に記載の技術は、これらの特定の場所への用途に限定されず、又、
図1のハウスメディアシステム100全体のような広範囲のシステムにも限定されない。
【0021】
a.ゾーンプレーヤーの例
図2A、
図2B、
図2Cは、様々な種類のゾーンプレーヤーの例を示している。例えば、
図2A、
図2B、
図2Cのゾーンプレーヤー200、202、および204は、それぞれ、
図1のゾーンプレーヤー102−124のいずれにも対応できる。ある実施形態では、オーディオが、フルレンジプレーヤー等の単一のゾーンプレーヤーのみから再生されてもよい。ある実施形態では、オーディオは、2つ以上のゾーンプレーヤー、例えば、複数のフルレンジプレーヤーの組み合わせ、又はフルレンジプレーヤーと特定のプレーヤーとの組み合わせ等で再生されてもよい。ある実施形態では、ゾーンプレーヤー200−204はまた、「スマートスピーカ」と呼ばれてもよい。この理由は、オーディオの再生以上の処理能力を備えているからであり、以下に詳細に述べられている。
【0022】
図2Aは、フルレンジサウンドを再生可能なサウンド生成機器208を含むゾーンプレーヤー200を示す。サウンドは、オーディオ信号から得られ、オーディオ信号は、有線データネットワーク上又は無線データネットワーク上でゾーンプレーヤー200によって受信および処理することができる。サウンド生成機器208は、1つ又は複数の内蔵アンプと、1つ又は複数の音響変換器(例えば、スピーカ)を含む。内蔵アンプは、
図4を参照して以下にさらに詳細に述べられている。スピーカ又は音響変換器は、例えば、ツイーター、ミッドレンジドライバ、低域ドライバ、およびサブウーファーのいずれかを含んでいてもよい。ある実施形態では、ゾーンプレーヤー200は、ステレオオーディオ、モノラルオーディオ、又はその両方を再生するように静的に又は動的に構成することができる。ある実施形態では、ゾーンプレーヤー200は、フルレンジサウンドのサブセットを再生するように構成されてもよい。そのような構成は例えば、ゾーンプレーヤー200が他のゾーンプレーヤーとグループ化されてステレオオーディオ、モノラルオーディオ、および/又はサラウンドオーディオを再生するとき、又はゾーンプレーヤー200によって受信したメディアコンテンツがフルレンジより低いときなどに行われてもよい。
【0023】
図2Bは、分離した1セットのスピーカ210に電力を供給する内蔵アンプを含むゾーンプレーヤー202を示す。分離したスピーカは、例えば、任意のタイプのラウドスピーカを含むことができる。ゾーンプレーヤー202は、1つ、2つ、又はそれより多い数の別々のラウドスピーカに電力を供給するように構成されてもよい。ゾーンプレーヤー202は、有線パスを通じてオーディオ信号(例えば、右又は左のチャネルオーディオ又はその構成に応じた数のチャネル)を分離したスピーカ210に対して通信するように構成されている。
【0024】
図2Cは、内蔵アンプを含まないが、データネットワーク上で受信した、オーディオ信号を、内蔵アンプを備えるオーディオ(又は「オーディオ/ビデオ」)受信器214に通信するゾーンプレーヤー204を示している。
【0025】
図1に戻って、ある実施形態では、1つ、いくつか、又は全てのゾーンプレーヤー102から124は、ソースから直接オーディオを取り出すことができる。例えば、ゾーン又はゾーングループにおける特定のゾーンプレーヤーに、再生キュー(又は「待ち行列」)が割り当てられてもよい。再生キューには、関連するゾーン又はゾーングループによって再生されるべき0又は1以上のオーディオアイテムに対応する情報が含まれている。再生キューは、ゾーンプレーヤー又はその他の指定のデバイスのメモリに記憶されてもよい。再生キュー内の各項目は、ユーアールアイ(URI)又はいくつかの他の識別子を含んでいてもよい。URI又は識別子は、特定されたオーディオソースからオーディオアイテムを探すおよび/又は読み出すためにゾーンプレーヤーによって使用可能である。アイテムに応じて、オーディオソースは、インターネット(例えば、クラウド)上で見つけられるかもしれないし、データネットワーク128上の別のデバイス、ゾーンプレーヤー自体に格納されたコントローラ130からローカルに見つかるかもしれないし、又はゾーンプレーヤーと直接通信するオーディオソースから見つかるかもしれない。ある実施形態では、ゾーンプレーヤーは、オーディオそのものを再生できるし、オーディオを再生するために別のデバイスに送信できるし、又はゾーンプレーヤーと1つ又は複数の追加のゾーンプレーヤーとを同期してオーディオを再生することもできる。ある実施形態では、ゾーンプレーヤーは第1のオーディオコンテンツを再生する(又は全く再生しない)一方で、別のゾーンプレーヤーに異なる第2のオーディオコンテンツを再生のために送信することができる。ユーザに対して、再生キュー内の各アイテムは、トラック名、アルバム名、ラジオ局名、プレイリスト又はその他の表示などのエレメントによって、コントローラのインタフェース上に表される。ユーザは、興味のあるオーディオアイテムを再生キューに入力することができる。所望の場合には、ユーザは、再生キューを修正およびクリアにすることができる。
【0026】
説明のため、カリフォルニア州サンタバーバラのソノズ・インコーポレイテッドが現在販売提供している「PLAY:5」、「PLAY:3」、「PLAYBAR」、「CONNECT:AMP」、「CONNECT」、および「SUB」と呼ばれるゾーンプレーヤーがある。他の過去、現在、および/又は将来の任意のゾーンプレーヤーは、追加的に又は代替的に本明細書で開示された実施例のゾーンプレーヤーに実装して使用することができる。更に、ゾーンプレーヤーは、
図2A、2B、2Cに示された特定の例又は提供されるソノズ製品に限定されない。例えば、ゾーンプレーヤーは、有線のヘッドホン又は無線のヘッドホンで構成されていてもよい。更に別の例では、ゾーンプレーヤーは、テレビ用のサウンドバーを含んでいてもよい。更に別の例では、ゾーンプレーヤーは、アップル社のiPod(商標)又は同様のデバイス用のドッキングステーションを含むことができるし、又、それらと対話することができる。
【0027】
b.コントローラの例
図3は、ドッキングステーション302内の無線コントローラ300の例を示す。説明のため、コントローラ300は、
図1の制御デバイス130に対応可能である。ドッキングステーション302が備えられ/使用されている場合、ドッキングステーション302は、コントローラ300に電力を提供し、さらにコントローラ300のバッテリーを充電してもよい。ある実施形態では、コントローラ300は、タッチスクリーン304を備えており、ユーザは、タッチスクリーン304をタッチすることでコントローラ300と対話可能となっている。例えば、ユーザは、オーディオコンテンツのプレイリストを取り出し、ナビゲートし、1つ又は複数のゾーンプレーヤーの再生キューを修正し及び/又はクリアにし、1つ又は複数のゾーンプレーヤーの他の動作を制御し、システム構成100の全体を制御することができる。その他の実施形態では、ボイスコントロールのようなその他の入力機構を使用してコントローラ300との交信が行われる。ある実施形態では、任意の数のコントローラを使用して、システム構成100を制御することができる。ある実施形態では、システム構成100を制御可能なコントローラの数を制限することができる。コントローラは、無線コントローラ300のように無線であってもよいし、又はデータネットワーク128に有線で接続されてもよい。
【0028】
ある実施形態では、複数のコントローラが
図1のシステム100に使用される場合、各コントローラは、共通のコンテンツを表示すために調整されてもよいし、1つのコントローラによるシステム100の変更を示すために全てのコントローラを動的に更新してもよい。調整は、例えば、コントローラによって、ゾーンプレーヤーのうちの1つ又は複数から直接又は間接的に状態変数を定期的に要請することによって行われてもよい。状態変数は、システム100についての情報を提供してもよく、例えば、現在のゾーングループ構成、1つ又は複数のゾーンで再生しているもの、ボリュームレベル、および興味のある他の項目などを提供してもよい。状態変数は、必要に応じて、又は多くの場合プログラムされて、ゾーンプレーヤー(および、もし望むのであれば、コントローラ)間のデータネットワーク128上に渡されてもよい。
【0029】
更に、任意のネットワーク対応携帯デバイス、例えば、iPhone(登録商標)、iPad(登録商標)、Android(登録商標)対応電話/タブレット、又は任意の他のスマートフォン若しくはネットワーク対応デバイスなどで実行されるアプリケーションが、コントローラ130として使用できる。ラップトップ又はデスクトップのPC若しくはMac上で実行されるアプリケーションも、コントローラ130として使用される。そのようなコントローラは、データネットワーク128、ゾーンプレーヤー、無線ルータを備えるインタフェースを通じてシステム100に接続されるか、又はいくつかの他の構成された接続パスを使用してシステム100に接続されてもよい。カリフォルニア州サンタバーバラのソノズ・インコーポレイテッドが提供するコントローラの例としては、「コントローラ200」、「SONOS(登録商標) CONTROL」、「iPhone用SONOS(登録商標)コントローラ」、「iPad用SONOS(登録商標)コントローラ」、「Android用SONOS(登録商標)コントローラ」、「Mac又はPC用SONOS(登録商標)コントローラ」を含む。
【0030】
c.データ接続の例
図1のゾーンプレーヤー102−124は、直接又は間接的にデータネットワーク、例えばデータネットワーク128に接続される。コントローラ130は、直接又は間接的にデータネットワーク128に接続されるか、又は個別にゾーンプレーヤーに接続されてもよい。データネットワーク128は、示された他の構成要素から目立つように図中に八角形で示されている。データネットワーク128が1つの場所に示されているが、そのようなネットワークは、システム100の中および周りに拡がっていることが理解される。特に、データネットワーク128は、有線ネットワーク、無線ネットワーク、又は有線ネットワークと無線ネットワークの両方の組み合わせとすることができる。ある実施形態では、ゾーンプレーヤー102−124の1つ又は複数は、専有のメッシュネットワークに基づいて、データネットワーク128に無線で接続されている。ある実施形態では、ゾーンプレーヤーのうちの1つ又は複数は、有線ルータ又は無線ルータのような集中型アクセスポイントを使用して、データネットワーク128に接続される。ある実施形態では、ゾーンプレーヤー102−124の1つ又は複数は、イーサネット(登録商標)又は同様の技術を使用し、データネットワーク128への有線を通じて接続されている。1つ又は複数のゾーンプレーヤー102−124をデータネットワーク128に接続することに加えて、データネットワーク128は、更に、例えば、インターネットなどのワイドエリアネットワークにアクセス可能である。
【0031】
ある実施形態では、ゾーンプレーヤー102−124のいくつか、又はいくつかの他の接続デバイスをブロードバンドルータに接続することによって、データネットワーク128が形成されてもよい。他のゾーンプレーヤー102−124は、その後、データネットワーク128に対して有線で追加することができるか、又は無線で追加することができる。例えば、ゾーンプレーヤー(例えば、ゾーンプレーヤー102−124のいずれか)は、ゾーンプレーヤーに設けられたボタンを単に押すことによって、システム構成100に追加され(又はいくつかの他のアクションを実行し)、データネットワーク128への接続を可能にしている。ブロードバンドルータは、例えば、インターネットサービスプロバイダ(ISP)に接続することができる。ブロードバンドルータは、他のアプリケーション(例えば、ウェブサーフィン)に使用可能なシステム構成100内の別のデータネットワークを形成するために使用することができる。データネットワーク128はまた、そのようにプログラムされている場合にも使用することができる。一例では、第2ネットワークは、サンタバーバラのソノズ・インコーポレイテッドによって開発されたソノズネット・プロトコルを実装してもよい。ソノズネットは、安全で、AES暗号化された、ピア・ツー・ピアの無線メッシュネットワークを表す。あるいは、ある実施形態では、データネットワーク128は、家庭内の他の用途に使用されるネットワーク、例えば従来の有線ネットワーク又は無線ネットワークと同じネットワークである。
【0032】
d.ゾーン構成の例
特定のゾーンは、1つ又は複数のゾーンプレーヤーを含むことができる。例えば、
図1のファミリールームでは、2つのゾーンプレーヤー106および108を含んでおり、一方キッチンでは、1つのゾーンプレーヤー102を備えていることが示されている。別の例では、ホームシアタールームは、5.1チャネル以上のオーディオソースからのオーディオ(例えば、5.1以上のオーディオチャネルにてエンコードされたムービー)を再生する追加のゾーンプレーヤーを有する。ある実施形態では、1つは、ルーム内又はスペース内にゾーンプレーヤーを配置し、コントローラ130を通じてゾーンプレーヤーを新しいゾーンに割り当てるか、又は既存のゾーンに割り当てることができる。そのように、ゾーンが形成されてもよく、別のゾーンと組み合わされてもよく、取り除かれてもよく、特定の名前(例えば、「キッチン」)を与えてもよい。また、望むのならば、コントローラ130でそのようにするようにプログラムされてもよい。さらに、ある実施形態では、ゾーン構成は、コントローラ130又はいくつかの他の機構を使用して構成された後においても動的に変更してもよい。
【0033】
ある実施形態では、「結合されたゾーン」は、2つ以上のゾーンプレーヤー、例えば、ファミリールームにおいて2つのゾーンプレーヤー106および108を含む。2つのゾーンプレーヤー106および108は、同じオーディオソースを同期して再生するように構成することができる。一例では、2つのゾーンプレーヤー106および108は、例えば、左と右のチャネルのように、2つの別のサウンドを再生するようにペアにすることもできる。言い換えれば、サウンドのステレオ効果は、一方を左サウンド用、他方を右サウンド用として使用する2つのゾーンプレーヤー106および108を通して、再現されてもよく、又は強化されてもよい。別の例では、2つ以上のゾーンプレーヤーを音響的に統合し、単一の統合されたゾーンプレーヤーを形成することができる。統合されたゾーンプレーヤーは、追加のスピーカドライバを通ってサウンドが流れるため、(複数の異なったデバイスから構成されている)統合されたゾーンプレーヤーは、統合されていないゾーンプレーヤー又はペアにされたゾーンプレーヤーと比べて、サウンドの処理や再現を異なるように構成することができる。統合されたゾーンプレーヤーは、更に、単一のゾーンプレーヤー又は他の統合されたゾーンプレーヤーとペアにすることができる。統合された再生デバイスのそれぞれの再生デバイスは例えば、統合モードに構成することができる。
【0034】
ある実施形態では、ペアの又は統合されたゾーンプレーヤー(「結合したゾーンプレーヤー」とも呼ばれる)は、同じゾーン又は異なるゾーンにおける他のゾーンプレーヤーと同期してオーディオを再生することもできる。
【0035】
ある実施形態によれば、ユーザは、ゾーンプレーヤーのグループ化、統合、ペアリング等のいずれかを行い続け、所望の構成を完成させることができる。グループ化、統合、およびペアリングの操作は、好ましくは、例えば、コントローラ130を使用するなどの制御インタフェースを通じて行われ、異なる構成を作成するようにスピーカワイヤーを、例えば、個々の、離れたスピーカに物理的に接続および再接続することなく行われる。このように、本明細書に記載されたある実施形態は、より柔軟で動的なプラットフォームを提供し、サウンド再生をエンドユーザに提供することができる。
【0036】
e.オーディオソースの例
ある実施形態では、各ゾーンは、別のゾーンのオーディオソースと同じオーディオソースから再生できる。また、各ゾーンは、それぞれ異なるオーディオソースで再生することもできる。例えば、誰かがパティオ上でグリルしながら(grilling)、ゾーンプレーヤー124を通じてジャズ音楽を聞くことができる。また、誰かがキッチンで食事の準備をしながらゾーンプレーヤー102を通じてクラシック音楽を聞くこともできる。さらに、誰かがオフィスにいながら、パティオ上でゾーンプレーヤー124を通じて再生されているジャズ音楽と同じ音楽を、ゾーンプレーヤー110を通じて聞くこともできる。ある実施形態では、ゾーンプレーヤー110と124を通じて再生されるジャズ音楽が、同期して再生される。複数のゾーン間で再生を同期することで、オーディオを途切れさせることなく(又はほぼ途切れさせることなく)聞きながら、ユーザは、複数のゾーンを移動することができる。さらに、ゾーンを「パーティーモード」とし、連結された全てのゾーンが同期してオーディオを再生することもできる。
【0037】
ゾーンプレーヤー102−124によって再生されるオーディオコンテンツのソースは、多数ある。ある実施形態では、ゾーンプレーヤー自体が有するオーディオにアクセスされ、その音楽が再生されてもよい。ある実施形態では、コントローラ上のオーディオは、データネットワーク128を介してアクセスされ、再生される。ある実施形態では、コンピュータ又はネットワーク接続ストレージ(NAS)上に記憶された個人のライブラリから音楽が、データネットワーク128を通じてアクセスされ、再生されてもよい。ある実施形態では、インターネットラジオ局、番組、およびポッドキャストが、データネットワーク128を通じてアクセスされ再生される。ユーザに音楽とオーディオコンテンツを流す、および/又はダウンロードさせる音楽サービス又はクラウドサービスは、データネットワーク128を通じてアクセスできる。さらに、音楽は、例えば、ターンテーブル又はCDプレーヤーなどの従来のソースから、ラインイン接続を通じてゾーンプレーヤーに接続して、得られてもよい。オーディオコンテンツはまた、異なるプロトコル、例えば、アップル社のAirplay(登録商標)ワイヤレス技術を使用して、アクセスすることができる。1つ又は複数のソースから受信されたオーディオコンテンツは、データネットワーク128および/又はコントローラ130を通じて、ゾーンプレーヤー102から124の間で共有することができる。上述したオーディオコンテンツのソースは、本明細書において、ネットワークベースのオーディオ情報ソースと呼ばれる。しかしながら、ネットワークベースのオーディオ情報は、それらに限定されない。
【0038】
ある実施形態では、例示のホームシアターゾーンプレーヤー116、118、120は、テレビ132などのオーディオ情報に接続されている。いくつかの例では、テレビ132が、ホームシアターゾーンプレーヤー116、118、120のためのオーディオソースとして使用されており、一方、他の例においては、テレビ132からのオーディオ情報がオーディオシステム100内のゾーンプレーヤー102−124のいずれかと共有することができる。
【0039】
III.ゾーンプレーヤーの例
図4を参照すると、実施の形態に関連するゾーンプレーヤー400の例示的なブロック図が示されている。
図4のゾーンプレーヤー400は、ネットワークインタフェース402、プロセッサ408、メモリ410、オーディオ処理コンポーネント412、1つ又は複数のモジュール414、オーディオアンプ416、およびスピーカユニット418を含む。スピーカユニット418は、オーディオアンプ416に接続されている。
図2Aは、そのようなゾーンプレーヤーの例を図示している。他のタイプのゾーンプレーヤーは、(例えば、
図2Bに示される)スピーカユニット418又は(例えば、
図2Cに示される)オーディオアンプ416を含まなくてもよい。さらに、ゾーンプレーヤー400は、別のコンポーネントに統合できることが意図されている。例えば、ゾーンプレーヤー400は、屋内又は屋外で使用するテレビ、照明、又はいくつかの他のデバイスの一部として構成することができる。
【0040】
ある実施形態では、ネットワークインタフェース402は、データネットワーク128上のゾーンプレーヤー400と他のデバイスとの間のデータフローを可能にする。ある実施形態では、データネットワーク128上の別のゾーンプレーヤー又はデバイスからオーディオを取得することに加えて、ゾーンプレーヤー400は、オーディオソースから、例えば、ワイドエリアネットワーク上のオーディオソースから、又はローカルネットワーク上のオーディオソースから直接オーディオにアクセスできる。更に、ある実施形態では、ネットワークインタフェース402は、各パケットのアドレス部を扱い、各パケットが正しい宛先に到達するように、ゾーンプレーヤー400に向かうべきパケットを受信する。したがって、ある実施形態では、パケットのそれぞれは、IPベースのソースアドレスだけでなくIPベースの宛先アドレスも含む。
【0041】
ある実施形態では、ネットワークインタフェース402は、無線インタフェース404と有線インタフェース406のどちらか一方又は両方を含むことができる。無線インタフェース404は、無線周波数(RF)インタフェースとも呼ばれ、ゾーンプレーヤー400にネットワークインタフェース機能を提供し、通信プロトコル(例えば、IEEE802.11a、802.11b、802.11g、802.11n、802.11ac、又は802.15、4Gモバイル通信規格などを含む任意の無線規格)に従って他のデバイス(例えば、他のゾーンプレーヤー、スピーカ、受信機、データネットワーク128に関連付けられたコンポーネントなど)と無線で通信する。無線インタフェース404は、1つ又は複数のラジオを含んでもよい。無線信号を受信し、無線信号を無線インタフェース404に提供し、無線信号を送信するため、ゾーンプレーヤー400は、1つ又は複数のアンテナ420を含む。有線インタフェース406は、ネットワークインタフェース機能をゾーンプレーヤー400に提供し、通信プロトコル(例えば、IEEE802.3)に従って他のデバイスと有線で通信する。ある実施形態では、ゾーンプレーヤーは、複数の無線インタフェース404を含む。ある実施形態では、ゾーンプレーヤーは、複数の有線インタフェース406を含む。ある実施形態では、ゾーンプレーヤーは、インタフェース404と406の両方を含む。ある実施形態では、ゾーンプレーヤー400は、無線インタフェース404のみを含むか、又は有線インタフェース406のみを含む。
【0042】
ある実施形態では、プロセッサ408は、クロック駆動の電子デバイスであり、コンピュータのメモリ410に記憶された命令に従って、入力データを処理するように構成されている。メモリ410は、1つ又は複数のソフトウェアモジュール414を搭載することができるデータストレージであり、コンピュータのプロセッサ408によって実行されることで特定のタスクを実行することができる。図示された実施形態では、メモリ410は、有形のコンピュータで読み取り可能な記録媒体であって、プロセッサ408によって実行可能な命令を記憶している。ある実施形態では、タスクとは、ゾーンプレーヤー400が別のゾーンプレーヤー又はネットワーク上のデバイスから(例えば、ユニフォームリソースロケータ(URL)又はいくつかの他の識別子を使用して)オーディオデータを取得することであってもよい。ある実施形態では、タスクは、ゾーンプレーヤー400が別のゾーンプレーヤーにオーディオデータを送信することか、又はネットワーク上のデバイスにオーディオデータを送信することであってもよい。ある実施形態では、タスクは、ゾーンプレーヤー400のオーディオの再生を1つ又は複数の追加のゾーンプレーヤーと同期させることであってもよい。ある実施形態では、タスクは、ゾーンプレーヤー400を1つ又は複数のゾーンプレーヤーとペアにし、マルチチャネルオーディオ環境を作成することであってもよい。追加のタスク又は代替的なタスクは、1つ又は複数のソフトウェアモジュール414およびプロセッサ408を通じて実行することができる。
【0043】
オーディオ処理コンポーネント412は、1つ又は複数のデジタル−アナログ変換器(DAC)、オーディオ前処理コンポーネント、オーディオ強化コンポーネント又はデジタル信号プロセッサなどを含むことができる。ある実施形態では、オーディオ処理コンポーネント412は、プロセッサ408の一部であってもよい。ある実施形態では、ネットワークインタフェース402を通じて取り出されたオーディオは、オーディオ処理コンポーネント412によって処理される、および/又は意図的に変更される。さらに、オーディオ処理コンポーネント412は、アナログオーディオ信号を生成することができる。処理されたアナログオーディオ信号は、オーディオアンプ416に提供され、スピーカ418を通して再生される。また、オーディオ処理コンポーネント412は、ゾーンプレーヤー400から再生するための入力としてアナログ又はデジタル信号を処理し、ネットワーク上の別のゾーンプレーヤーに送信することができる。また、オーディオ処理コンポーネント412は、ネットワーク上の別のデバイスに再生と送信の両方を行うための回路を含むこともできる。入力の例としては、ラインイン接続(例えば、オートディテクティング3.5mmオーディオラインイン接続)を含む。
【0044】
オーディオアンプ416は、1つ又は複数のスピーカ418を駆動できるレベルまでオーディオ信号を増幅するデバイスである。1つ又は複数のスピーカ418は、個々の変換器(例えば、「ドライバ」)又は1つ又は複数のドライバを内包する筐体を含んだ完全なスピーカシステムを含むことができる。特定のドライバは、例えば、サブウーファー(低周波用)、ミッドレンジドライバ(中周波用)、およびツイーター(高周波用)であってもよい。筐体は、例えば、密封することもでき、又は移植することもできる。各トランスデューサは、それ自体の個々の増幅器によって駆動されてもよい。
【0045】
現在、市販されている例として知られているゾーンプレーヤーとして、内蔵アンプとスピーカとを備えるPLAY:5がある。PLAY:5は、例えば、インターネット又はローカルネットワークなどのソースから直接オーディオを取り出すことができる。特に、PLAY:5は、5アンプ、5ドライバ・スピーカシステムであり、それは2つのツイーター、2つのミッドレンジドライバおよび1つのウーファーを含んでいる。PLAY:5を通じてオーディオコンテンツを再生する場合、トラックの左側のオーディオデータは、左側のツイーターと左側のミッドレンジドライバから送られる。トラックの右側のオーディオデータは、右側のツイーターと右側のミッドレンジドライバから送られる。また、モノラル低音は、サブウーファーから送られる。さらに、両方のミッドレンジドライバと両方のツイーターが同じイコライゼーション(又は実質的に同じイコライゼーション)を有してもよい。つまり、これらの両方が同じ周波数だが異なるオーディオチャネルから送信される。PLAY:5は、インターネットラジオ局又はオンライン音楽・ビデオサービスからのオーディオ、ダウンロードされた音楽、アナログオーディオ入力、テレビ、DVDなどを再生することができる。
【0046】
IV.コントローラの例
図5を参照すると、
図1の制御デバイス130に対応可能なコントローラ500の例示的なブロック図が示されている。コントローラ500は、システム内のマルチメディアアプリケーションの制御、自動化およびその他のことを可能にするために使用することができる。特に、コントローラ500は、ネットワーク上にて利用可能な複数のオーディオソースを選択することを可能にすると共に、無線又は有線のネットワークインタフェース508を通じて1つ又は複数のゾーンプレーヤー(例えば、
図1のゾーンプレーヤー102−124)の制御を可能にするように構成することができる。一実施形態によれば、無線通信は、標準規格に基づいている(例えば、赤外線、ラジオ、あるいは、IEEE802.11a、802.11b、802.11g、802.11n、802.11ac、802.15および4Gモバイル通信規格を含む無線規格など)。さらに、特定のオーディオがコントローラ500を通じてアクセスされている場合か、又は特定のオーディオがゾーンプレーヤーを経由して再生されている場合、画像(例えば、アルバムアート)又は他のデータが、オーディオおよび/又はオーディオソースに関連付けられてコントローラ500へ送信され、あるゾーンプレーヤー又は他の電子機器から表示することもできる。
【0047】
コントローラ500には、スクリーン502と入力インタフェース514が設けられている。これにより、ユーザはコントローラ500と対話し、例えば、多くのマルチメディアアイテムのプレイリストをナビゲートしたり、1つ又は複数のゾーンプレーヤーの動作を制御することができる。コントローラ500上のスクリーン502は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)スクリーンとすることができる。スクリーン502は、マイクロコントローラ(例えば、プロセッサ)506によって制御されるスクリーンドライバ504と通信すると共に、コマンドを受信する。メモリ510は、1つ又は複数のアプリケーションモジュール512をロードすることができる。アプリケーションモジュール512が、ユーザインタフェース514を介したユーザ入力を使用して又は使用せずに、マイクロコントローラ506によって実行されることによって、特定のタスクを実現できる。ある実施形態では、アプリケーションモジュール512は、選択された複数のゾーンプレーヤーをゾーングループにグループ化することを容易に、ゾーングループ内のゾーンプレーヤー間で同期した再生を容易にするように構成されている。ある実施形態では、アプリケーションモジュール512は、ゾーングループ内のゾーンプレーヤーのオーディオサウンド(例えば、ボリューム)を制御するように構成されている。動作中において、マイクロコントローラ506がアプリケーションモジュール512の1つ又は複数を実行するとき、スクリーンドライバ504は、スクリーン502を駆動するための制御信号を生成し、特定のユーザインタフェースにアプリケーションを表示する。
【0048】
コントローラ500は、有線又は無線でゾーンプレーヤーと通信できるネットワークインタフェース508を含む。ある実施形態では、ボリュームコントロールおよびオーディオ再生同期などのコマンドは、ネットワークインタフェース508を通じて送信される。ある実施形態では、保存されたゾーングループ構成がネットワークインタフェース508を通じてゾーンプレーヤーとコントローラとの間に転送される。コントローラ500は、1つ又は複数のゾーンプレーヤー、例えば、
図1のゾーンプレーヤー102−124などを制御することができる。特定のシステム用に複数のコントローラを利用することができる。各コントローラは別のコントローラと共通の情報を共有することができる。又は、ゾーンプレーヤーが構成データ(例えば、状態変数など)を格納している場合、ゾーンプレーヤーから共通の情報を取り出すことができる。さらに、コントローラは、ゾーンプレーヤーに統合することできる。
【0049】
他のネットワーク対応デバイス、例えば、iPhone、iPad若しくは他の任意のスマートフォン又はネットワーク対応デバイス(例えば、PC又はMac(登録商標)などのネットワーク化されたコンピュータなど)は、特定の環境内のゾーンプレーヤーと対話するためのコントローラ、又は制御するためのコントローラとしても使用できることに留意すべきである。ある実施形態では、ソフトウェアアプリケーション又は更新は、ネットワーク対応デバイス上にダウンロードされ、本明細書で述べられている機能を実行できる。
【0050】
ある実施形態では、ユーザは、コントローラ500から少なくとも2つのゾーンプレーヤーを含むゾーングループ(結合されたゾーンとも呼ばれる)を作成することができる。ゾーングループ内のゾーンプレーヤーは、同期化された方法でオーディオを再生し、ゾーングループ内の全てのゾーンプレーヤーが同一のオーディオソースを再生する方法か、試聴遅延がないか又は音が途切れない(試聴遅延がほぼないか又は音の途切れがほぼない)ように同期する方法で、同一のオーディオソースのリストを再生することができる。同様に、ある実施形態では、ユーザがコントローラ500からグループのオーディオボリュームを大きくするとき、グループのオーディオボリュームを大きくする信号又はデータが、ゾーンプレーヤーの1つに送信され、グループ内の他のゾーンプレーヤーのボリュームを一緒に大きくする。
【0051】
ユーザは、コントローラ500を通じて、「Link Zones」(「ゾーンをリンク」)又は「Add Zone」(「ゾーンを追加」)のソフトボタンをアクティブにすることによってゾーンプレーヤーをゾーングループにグループ化することができ、又ユーザは、「Unlink Zones」(「ゾーンをリンク解除」)又は「Drop Zone」(「ゾーンをドロップ」)ボタンをアクティブにすることによってゾーングループをグループ解除することができる。例えば、オーディオを再生するためにゾーンプレーヤーを一緒に「参加させる」ための1つの機構は、複数のゾーンプレーヤーをリンクしてグループを形成することである。複数のゾーンプレーヤーをリンクするために、ユーザは、手動でそれぞれのゾーンプレーヤー又は部屋を次々にリンクすることができる。例えば、バスルーム、寝室、書斎、ダイニングルーム、ファミリールーム、及び玄関の各ゾーンを含むマルチゾーンシステムがあると想定する。ある実施形態では、ユーザは、例えば、単一のゾーンで始めて、その後手動でそれぞれのゾーンをそのゾーンにリンクすることによって、6つのゾーンプレーヤーのうち任意の数のゾーンプレーヤーだけをリンクすることができる。
【0052】
ある実施形態では、ゾーンは、コマンドを使用して共に動的にリンクし、(最初にゾーンシーンを作成した後に)ゾーンシーン又はテーマを作成することができる。例えば、「Morning」(「朝」)ゾーンシーンコマンドは、寝室、オフィス、およびキッチンゾーンを1つの動作で一緒にリンクすることができる。この単一のコマンドがないと、ユーザは、各ゾーンを手動で個別にリンクする必要がある。単一のコマンドは、マウスクリック、ダブルマウスクリック、ボタンを押すこと、ジェスチャー、又はいくつかの他のプログラム/学習された動作を含んでもよい。時間が経過すると、他の種類のゾーンシーンをプログラム/学習することもできる。
【0053】
ある実施形態では、ゾーンシーンは、時間(例えば、アラームクロック機能)に基づいてトリガーすることができる。例えば、ゾーンシーンは、午前8:00に適用されるように構成することができる。システムは、適切なゾーンに自動的にリンクして、特定の音楽を再生し、決まった期間の後にその音楽を停止して、ゾーンを前の構成に戻すように構成することができる。任意の特定のゾーンが時間に基づいて状態を「オン」又は「オフ」にトリガーすることができるが、例えば、ゾーンシーンは、シーンとリンクされた任意のゾーンが、予め定義されたオーディオ(例えば、お気に入りの曲、予め定義されたプレイリスト)を、特定の時間に、および/又は特定の期間で再生可能なようにしている。何らかの理由により、スケジュールされた音楽の再生を失敗した(例えば、プレイリストが空である、共有への接続がない、ユニバーサルプラグアンドプレイ(UPnP)の失敗、インターネットラジオ局へのインターネット接続がないなどの)場合、バックアップブザーが鳴るようにプログラムすることができる。ブザーとして、例えば、ゾーンプレーヤーに格納されたサウンドファイルを含むことができる。
【0054】
V.再生キュー
上述のように、ある実施形態では、ゾーンプレーヤーは当該ゾーンプレーヤーで再生するための1つ又は複数のメディアアイテムを特定する、あるいは特定しない再生キューに割り当てられる。再生キューで識別されるメディアアイテムは、コントローラ上のインタフェースを介してユーザに表示される。当該表示において例えば、ゾーンプレーヤーがどのように再生キューを使用しているかを、「再生中」アイテムを強調表示すこと、以前に再生されたアイテムをグレー表示すること、再生すべきアイテムを強調表示すこと等により、ユーザ(又は複数のコントローラがシステムに接続されている場合は、複数のユーザ)に示してもよい。
【0055】
ある実施形態では、単一のゾーンプレーヤーが再生キューに割り当てられる。例えば、
図1のバスルーム内のゾーンプレーヤー114は、「バスルーム」再生キューにリンクされる、あるいは割り当てられる。ある実施形態では、「バスルーム」の再生キューは、ユーザがゾーンプレーヤー114をバスルームに指定した結果により、システムによって確立される。このため、「バスルーム」の再生キューに入力され特定されたコンテンツは、ゾーンプレーヤー114(バスルームゾーン)を介して再生することができる。
【0056】
ある実施形態では、ゾーン又はゾーングループは、再生キューに割り当てられる。例えば、
図1のファミリールーム内のゾーンプレーヤー106、108は、「ファミリールーム」の再生キューにリンクされる、あるいは割り当てられる。別の例では、ファミリールームのゾーンおよびダイニングルームのゾーンがグループ化された場合には、新たなグループがファミリールーム+ダイニングルームの再生キューにリンクされる、あるいは割り当てられる。ある実施形態では、ファミリールーム+ダイニングルームの再生キューは、グループの作成に基づいて確立される。ある実施形態では、新たなグループが確立されると、ファミリールーム+ダイニングルームの再生キューは、ファミリールーム若しくはダイニングルームのいずれか又はその両方に関連する再生キューのうちの1つ(又は両方)のコンテンツを自動的に含める。一例では、ユーザがファミリールームから開始してダイニングルームを追加した場合、ファミリールームの再生キューのコンテンツは、ファミリールーム+ダイニングルームの再生キューのコンテンツとなる。別の例では、ユーザがファミリールームから開始してダイニングルームを追加した場合、ファミリールームの再生キューは、ファミリールーム+ダイニングルームの再生キューに再指定される。新たなグループが「グループ解除」された場合には、ファミリールーム+ダイニングルームの再生キューは、システムから削除される、および/又は複数のゾーンのうちの1つに再指定される(例えば、「ファミリールーム」又は「ダイニングルーム」に指定される)。グループ解除した後、ファミリールームおよびダイニングルームのそれぞれは、別々の再生キューに割り当てられる。ゾーン又はゾーングループ内のゾーンプレーヤーのうちの1つ又は複数が、関連する再生キューをメモリに記憶していてもよい。
【0057】
このため、ゾーン又はゾーングループがコントローラを介してユーザによって動的に「グループ化」又は「グループ解除」される場合、ある実施形態では、各ゾーン又は各ゾーングループを再生キューに割り当てるため、システムはそれぞれの再生キューを確立又は削除/再指定する。すなわち、再生キューは、割り当てられたゾーンによって再生されるメディアアイテムを入力可能な枠として機能する。ある実施形態では、再生キュー内で特定されるメディアアイテムを操作することができる(例えば、再配置、追加、削除など)。
【0058】
例示として、
図6は、メディアコンテンツを再生するための例示的なネットワーク600を示す。図示するように、例示的なネットワーク600は、例示的なゾーンプレーヤー612、614と、例示的なオーディオソース662、664と、例示的なメディアアイテム620とを備える。メディアアイテム620は、プレイリスト622と、音楽トラック624と、お気に入りインターネットラジオ局626と、プレイリスト628、630と、アルバム632とを備える。一実施形態では、ゾーンプレーヤー612、614は、
図1、2、4に示す任意のゾーンプレーヤーである。ゾーンプレーヤー612、614は例えば、ファミリールーム内のゾーンプレーヤー106、108である。
【0059】
一例では、オーディオソース662、664およびメディアアイテム620は、
図8に関連して後述するように、クラウドネットワーク上に部分的に記憶されてもいる。あるケースでは、オーディオソース662、664およびメディアアイテム620の一部が、ゾーンプレーヤー612、614のうちの1つ又はその両方にローカルに記憶されている。一実施形態では、プレイリスト622、お気に入りインターネットラジオ局626およびプレイリスト630はローカルに記憶されており、音楽トラック624、プレイリスト628およびアルバム632はクラウドネットワーク上に記憶されている。
【0060】
メディアアイテム620のそれぞれは、ゾーンプレーヤーによって再生可能なメディアアイテムのリストであってもよい。一実施形態では、メディアアイテムは、他の場所(オーディオソース662、664等)に記憶されたメディアアイテムに関する基礎データへのリンク又はポインタ(すなわち、URI)の集合体であってもよい。別の実施形態では、メディアアイテムは、ローカルゾーンプレーヤー上、ローカルネットワークの別のゾーンプレーヤー上、あるいはローカルネットワークに接続されたコントローラデバイス上に記憶されたメディアコンテンツへのポインタを含む。
【0061】
図示するように、ネットワーク600は、ゾーンプレーヤー612に関連付けられたキュー602と、ゾーンプレーヤー614に関連付けられたキュー604とを備える。キュー606が存在する場合には、ゾーンプレーヤー612、614を含むグループに関連付けられてもよい。キュー606は新たなキューを含む、あるいは、キュー602又はキュー604の再指定バージョンとして存在してもよい。ある実施形態では、グループ内において、ゾーンプレーヤー612、614はキュー606に割り当てられる一方で、キュー602、604はその時に利用できない場合がある。ある実施形態では、グループが存在しないときには、キュー606は使用できない。それぞれのゾーンプレーヤー、ゾーンプレーヤーのネットワークにおけるゾーンプレーヤーのそれぞれの組合せ(
図1に示される組合せあるいはゾーンプレーヤー612、614の組合せなど)および組合せ616は、対応する再生キューに一意的に割当てられてもよい。
【0062】
再生キュー602―606などの再生キューは、対応するゾーンプレーヤー又はその組み合わせによって再生されるメディアコンテンツの識別情報を含んでもよい。このため、再生キューに追加されるメディアアイテムは、対応するゾーンプレーヤー又はゾーンプレーヤーの組み合わせによって再生が予定されるものである。ゾーンプレーヤーは、再生キュー内のアイテムを特定の順序(例えば、アイテムが追加された順)、ランダムな順序又は他の順序に従って再生するように構成される。
【0063】
再生キューは、キューに追加されたプレイリストおよびその他のメディアアイテムの組み合わせを含んでもよい。一実施形態では、ゾーンプレーヤー612によって再生される再生キュー602内のアイテムは、オーディオソース662、664からのアイテム、又はメディアアイテム622―632のいずれかを含む。再生キュー602はまた、ゾーンプレーヤー612上にローカルに記憶されているアイテム又はゾーンプレーヤー614からアクセス可能なアイテムを含んでもよい。再生キュー602は例えば、インターネットラジオ626、アルバム632、オーディオソース662からのアイテムおよびゾーンプレーヤー612上に記憶されたアイテムを含む。
【0064】
メディアアイテムがコントローラのインタフェースを介してキューに追加されると、当該アイテムへのリンクがキューに追加されてもよい。キューにプレイリストを追加する場合、プレイリスト内のメディアアイテムへのリンクをキューに提供してもよい。再生キュー602は例えば、インターネットラジオ626およびアルバム632からのポインタ、オーディオソース662上のアイテムへのポインタ、およびゾーンプレーヤー612上のアイテムへのポインタを含む。別のケースでは例えば、プレイリスト内のメディアアイテムへのリンクではなく、プレイリストへのリンクがキューに提供され、ゾーンプレーヤー又はその組み合わせは、当該プレイリストを介してメディアアイテムにアクセスすることによってプレイリスト内のメディアアイテムを再生する。アルバム632は例えば、オーディオソース662上に記憶されたアイテムへのポインタを含む。オーディオソース662上のアイテムへのリンクを追加するのではなく、アルバム632へのリンクを再生キュー602に追加することで、ゾーンプレーヤー612がアルバム632内のポインタを介してアイテムにアクセスして、オーディオソース662のアイテムを再生するようにしてもよい。
【0065】
あるケースにおいては、ある時点で再生キューに存在するコンテンツは、プレイリストとして保存され、同じキューに後で又は別のキューに追加される。例えば、特定の時点における再生キュー602内のコンテンツはプレイリストとして保存される、ゾーンプレーヤー612上にローカルに記憶される、および/又はクラウドネットワーク上に記憶される。保存されたプレイリストは、ゾーンプレーヤー614によって再生するための再生キュー604に追加される。
【0066】
VI.例示的なアドホックネットワーク
再生ネットワークへの接続を容易にする特定の実施形態を説明するために、
図7に関連していくつかの例が提供される。
図7は、アドホックネットワーク710とも称されるネットワークブランチを形成する3つのゾーンプレーヤー702、704、706とコントローラ708が存在することを示している。ネットワーク710は、有線技術、無線技術又はこれらの組み合わせであってもよい。一般に、アドホック(又は「自発的」)ネットワークは、全てのトラフィックに関するアクセスポイントが通常は存在しないローカルエリアネットワーク又はその他の小ネットワークである。確立されたアドホックネットワーク710において、デバイス702、704、706、708は全て、例えば「ピアツーピア」の通信方式により互いに通信可能である。また、ネットワーク710においてデバイスが追加/削除されてもよく、ネットワーク710は、ユーザによる再設定がなくとも自動的にネットワーク710自体を再設定してもよい。
図7ではアドホックネットワークを示したが、アドホックネットワークとは完全に異なる又は部分的に異なる種類のネットワークに基づく再生ネットワークであってもよい。
【0067】
アドホックネットワーク710を使用することで、デバイス702、704、706、708は、1つ又は複数のオーディオソースを共有又は交換するとともに、同一の又は異なるオーディオソースを再生するように動的にグループ化(又はグループ解除)が可能である。例えば、デバイス702、704が1曲の音楽を再生するようにグループ化されると同時に、デバイス706は別の音楽を再生する。言い換えれば、デバイス702、704、706、708は、
図7に示すように、オーディオを配信および/又は音声を再生するHOUSEHOLD(ハウスホールド)を形成する。本明細書で使用されるHOUSEHOLD(ユーザの居住地と明確に区別するために大文字で表される)という用語は、アプリケーション又はサービスを提供するように協働するネットワークデバイスの集合体を表すものとして使用される。HOUSEHOLDの一例は、ハウスホールド710(又はハウスホールド識別子)により特定されるが、それとは異なる領域や場所によってHOUSEHOLDが特定されてもよい。
【0068】
ある実施形態では、ハウスホールド識別子(HHID)は、固有であることを保証するためにコンピュータで生成された短い文字列や識別子である。よって、ネットワーク710は、固有のHHIDと、チャネル(例えば、各周波数バンド)、サービスセット識別子(SSID)(無線ネットワークの名称である一連の英数字)およびWEPキー(有線同等プライバシー又はその他のセキュリティキー)などの構成変数やパラメータの固有セットと、によって特徴付けることができる。ある実施形態では、SSIDは、HHIDと同じになるように設定される。
【0069】
ある実施形態では、各HOUSEHOLDには、コントロールポイント(CP)とゾーンプレーヤー(ZP)の2種類のネットワークノードがある。コントロールポイントは、必要なネットワークパラメータ(例えば、セキュリティキー)の自動生成を行い、ネットワーク全体のセットアッププロセスおよびそのシーケンシングを制御する。ある実施形態では、CPは、ハウスホールド設定用のユーザインタフェースをユーザに提供する。CP機能は例えば、CPアプリケーションモジュールを実行しているコンピュータによって、又は、CPアプリケーションモジュールを実行しているハンドヘルドコントローラ(例えば、コントローラ308)によって提供することができる。ゾーンプレーヤーは、自動設定プロセスに参加するために配置されているネットワーク上のその他のデバイスである。本明細書で使用する表記としてのZPは例えば、コントローラ308又はコンピューティングデバイスを含む。ある実施形態では、CPとZPの両方における機能又はその一部が、単一のノードで組み合わされる(例えば、ZPがCPを含む、あるいはCPがZPを含む)。
【0070】
ある実施形態では、HOUSEHOLDの設定は、複数のCPおよびZPを含み、これらのCPおよびZPは、通信用の標準ネットワークプロトコル(例えば、有線又は無線のイーサネットにおけるIP)が使用可能となる既知の設定を集合および確立するものである。ある実施形態では、イーサネット802.3およびワイヤレス802.11gの2種類のネットワーク/プロトコルが採用される。CPとZP間の相互接続には、ネットワーク/プロトコルのいずれも使用することができる。HOUSEHOLDのメンバーであるシステム内のデバイスは、両方のネットワークに同時に接続することができる。
【0071】
両方のネットワークが使用中である環境においては、システム内における少なくとも1つのデバイスがブリッジデバイスとしてその両方に接続されることが想定され、これにより、有線/無線のネットワーク間における他人とのブリッジングサービスを提供する。
図7のゾーンプレーヤー706は例えば、両方のネットワークに接続されるように示されている。ネットワーク712への接続はイーサネットおよび/又は無線に基づく一方で、所望の場合には、他のデバイス702、704、708への接続は無線およびイーサネットに基づいている。
【0072】
しかしながら、ある実施形態では、各ゾーンプレーヤー706、704、702は、ブリッジデバイスを介してクラウド(例えば、インターネット)からメディアを取得するときに、インターネットにアクセスすることができる。ゾーンプレーヤー702は例えば、クラウド内の特定のオーディオトラックへのアドレスを指定するユニフォームリソースロケータ(URL)を含む。URLを使用することで、ゾーンプレーヤー702はクラウドからオーディオトラックを取得し、最終的には1つ又は複数のゾーンプレーヤーから音声を再生する。
【0073】
VII.システム構成の他の例
図8は、クラウドベースのネットワークおよび少なくとも1つのローカル再生ネットワークを含んだ複数の相互接続ネットワークを備えるシステム800を示す。ローカル再生ネットワークは、複数の再生デバイス又は再生プレーヤーを含むが、再生デバイスを1つのみ含むものであってもよい。ある実施形態では、それぞれのプレーヤーが再生用コンテンツを検索する能力を有する。制御およびコンテンツの検索は例えば、分散又は集中して行ってもよい。入力には、ローカルでの配信および再生のためにクラウドに対して行う、ストリーミングコンテンツプロバイダによる入力、サードパーティアプリケーションによる入力、モバイルデバイスによる入力、ユーザによる入力、および/又はその他の再生ネットワークによる入力が含まれてもよい。
【0074】
図8の例示的なシステム800によって示されるように、複数のコンテンツプロバイダ820―850を、クラウドおよび/又はその他のネットワーク810を通じて、1つ又は複数のローカル再生ネットワーク860―870に接続することができる。クラウド810、マルチメディアオーディオシステムサーバ820(例えば、ソノズ(商標))、モバイルデバイス830、サードパーティアプリケーション840およびコンテンツプロバイダ850などを使用して、ローカル再生ネットワーク860、870にマルチメディアコンテンツを提供することができる。オーディオコンテンツを再生するために、ローカル再生ネットワーク860、870において、コントローラ862、872および再生デバイス864、874のそれぞれを使用することができる。
【0075】
VIII.モバイルデバイスをメディア再生システムに接続する例
上述のように、本明細書に記載の実施形態は、メディア再生システムが使用しているセキュアなローカルネットワークに、モバイルデバイスが直接アクセスせずに、ユーザがモバイルデバイスを使用してメディア再生システムを制御できるようにする、シンプル且つセキュアな方法を提供する。説明したように、本発明は、セキュアなローカルネットワークへのアクセスがパスワードで保護されていて、メディア再生システムの所有者が、モバイルデバイスの使用者にメディア再生システムの限られた制御を提供し、その使用者にネットワークのパスワードを提供せず、又はセキュアなローカルネットワークに接続されている他のデバイスへのユーザアクセスを提供しないことを望む状況において、有用である。
【0076】
図9は、本明細書に記載の少なくともいくつかの実施形態による、モバイルデバイスをメディア再生システムに接続するための例示的なフロー図を示す。
図9に示す方法900は、ある方法の実施形態を表すものであり、当該方法は、環境100、600、700、800において実行可能である。環境100、600、700、800は、システム200、202、204、300、400、500を有するとともに、例えば
図2−
図5に示すような1つ又は複数のデバイスと通信する。方法900は、ブロック902―908のうちの1つ又は複数によって示される1つ又は複数の操作、機能又は動作を含む。ブロックは順番に示されているが、これらのブロックは並行して、および/又は本明細書に記載した順序とは異なる順序で実行されてもよい。各ブロックは所望の形態に基づいて、より少ない数のブロックに統合しても、更なるブロックに分割しても、および/又は除去してもよい。
【0077】
さらに、方法900並びに本明細書に開示されるその他のプロセスおよび方法に関して、フローチャートは、本実施形態の実現可能な1つの形態にかかる機能および動作を示している。この点に関して、各ブロックは、モジュールやセグメントを表してもよく、あるいは、プロセスにおける特定の論理機能又はステップを実施するようにプロセッサによって実行可能な1つ又は複数の命令を含むプログラムコードの一部を表すことができる。プログラムコードは、ディスクやハードドライブなどのストレージデバイスを含む任意の種類のコンピュータ読み取り可能媒体に記憶されてもよい。コンピュータ読み取り可能媒体は例えば、レジスタメモリ、プロセッサキャッシュおよびランダムアクセスメモリ(RAM)のようなデータを短期間記憶するコンピュータ読み取り可能な媒体などの非一時的コンピュータ読み取り可能媒体を含んでもよい。コンピュータ読み取り可能媒体は例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、光ディスク若しくは磁気ディスク又はコンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD−ROM)などの二次的又は永続的長期ストレージのような、非一時的媒体を含んでもよい。コンピュータ読み取り可能媒体は、その他の任意の揮発性又は不揮発性のストレージシステムであってもよい。コンピュータ読み取り可能媒体は例えば、有形ストレージデバイスのようなコンピュータ読み取り可能記憶媒体と見なすことができる。さらに、方法900並びに本明細書に開示される他のプロセスおよび方法に関して、
図9の各ブロックは、プロセスにおける特定の論理機能を実行するように配線された回路を表してもよい。
【0078】
方法900は、モバイルデバイスによって、リモートサーバと通信するメディア再生システムのシステム識別子を受信するステップを含む(ブロック902)。一例において、メディア再生システムは、セキュアなローカルネットワーク上で通信する1つ又は複数の再生デバイスを備える。説明のために、以後に説明する再生デバイスは、
図2A−
図2Cに関して上述したようなゾーンプレーヤーである。この場合、再生デバイスは、
図1について説明し且つ図示したような、ネットワークメディアシステムにおいて、1グループに構成された複数の再生デバイスのうちの一つ(メディア再生システムとも呼ぶ。)である。
【0079】
図10にモバイルデバイス1000が示されている。モバイルデバイス1000は、携帯電話、タブレット、又は任意の他の携帯型コンピュータデバイスなどである。モバイルデバイス1000は、
図8に関して上述したモバイルデバイス830、及び/又は
図3に関して上述したコントローラ300であっても良く、
図1の制御デバイス130に対応するものであっても良い。上述したように、メディア再生システム1002は、有線データネットワーク、無線データネットワーク、又は有線と無線の両方のデータネットワークによって、相互接続された1つ又は複数の再生デバイスを備える。このような構成は、メディア再生システム1002が、
図10に示すローカルエリアネットワーク(LAN)などのセキュアなローカルネットワークを使用する場合に、可能である。セキュアなローカルネットワークは、
図7に関して上述したネットワーク710に対応しても良いし、又は
図8に関して上述したネットワーク860,870に対応しても良い。
【0080】
図10にはさらにセルラーネットワーク1004が示されている。セルラーネットワーク1004は、例えば、3G又は4Gのネットワークである。
図10にはさらにサーバ1006が示されている。サーバ1006は、
図8に関して上述したマルチメディアオーディオシステムサーバ820に対応しても良い。
図10の説明欄1008は、
図10に示すセルラーネットワーク1004を介して生じる様々な通信経路を視覚的に区別し易くするために使用するものである。より具体的には、説明欄1008は、経路1、経路2、及び経路3を示している。経路1は、セルラーネットワークを介した、モバイルデバイス1000からサーバ1006への通信経路に対応する。経路2は、サーバ1006からモバイルデバイス1000への通信経路に対応する。経路3は、モバイルデバイス1000からメディア再生システム1002への通信経路に対応する。
【0081】
モバイルデバイス1000は、セルラーネットワーク1004を介してインターネットアクセスを行う。モバイルデバイス1000をメディア再生システム1002に接続するために、モバイルデバイス1000は、メディア再生システム1002を識別するのに使用するシステム識別子を取得する必要がある。一例として、
図11Aは、モバイルデバイス1000と再生デバイス1100を示していて、再生デバイス1100は、メディア再生システム1002内の複数の再生デバイスのうちの一つである。また、クイックレスポンス(QR)コード1102も図示されている。QRコード1102は、再生デバイスのうちの1つ又は複数に設けられる。モバイルデバイス1000のユーザは、QRコードをスキャンすることによって、
図11Aに示されるようなシステム識別子を取得することができる。これに代えて、QRコードは他の位置に設けられても良い。例えば、メディア再生システム1002の所有者によって提供される1枚の紙に設けられても良い。
【0082】
別の例では、システム識別子は、
図11Bに示されるようにして取得されても良い。より具体的には、ユーザ1104は、モバイルデバイス1000のインタフェース上で、メディア再生システムを識別するのに使用されるコードを手入力する。コードは、メディア再生システム1002の所有者によって、ユーザ1104に提供される。さらに別の例では、ユーザ1104は、モバイルデバイス1000を使用して、メディア再生システム1002の識別を可能にするリンク先を、セルラーネットワーク1004を介して、直接閲覧する必要があっても良い。
【0083】
方法900に示すように、モバイルデバイスによってセルラーネットワークを介してリモートサーバに、メディア再生システムとの接続を要求するリクエストを送信するステップを含む(ブロック904)。リクエストは、メディア再生システムのシステム識別子を含む。言い換えると、モバイルデバイス1000は、システム識別子を取得すると、
図10に示す経路1を介して、リモートサーバ1006と通信しても良い。リモートサーバ1006は、所有者のメディア再生システム1002と、SONOS(登録商標)によって提供される他のメディア再生システム及び再生デバイスと通信しても良い。モバイルデバイス1000とリモートサーバ1006との通信は、モバイルデバイス1000によるメディア再生システム1002との接続を要求するリクエストを含む。リモートサーバ1006は、モバイルデバイス1000が取得したシステム識別子をリクエストと共に受信し、そのシステム識別子を使用して、メディア再生システム1002を正しく識別する。
【0084】
方法900に示すように、リモートサーバからのメディア再生システムの設定情報を受信するステップを含む(ブロック906)。設定情報は、メディア再生システムに接続するための情報を含む。言い換えると、リモートサーバ1006は、経路2を介して、メディア再生システム1002の設定情報をモバイルデバイス1000に提供する。モバイルデバイス1000は、受信した設定情報を使用して、セルラーネットワーク1004を介して、メディア再生システム1002に接続する(ブロック908)。
【0085】
方法900に示すように、モバイルデバイスからメディア再生システムに、セルラーネットワークを介して、メディア再生システムを制御するための1つ又は複数のコマンドを送信するステップを含む(ブロック910)。言い換えると、モバイルデバイス1000がメディア再生システム1002に接続した結果として、モバイルデバイス1000は、経路3を介して、メディア再生システムの1つ又は複数の機能を制御することができる。モバイルデバイス1000によって制御されるメディア再生システム1002の限られた機能は、デフォルトで設定されても良いし、メディア再生システム1002の所有者によって予め決められても良い。
【0086】
メディア再生システム1002の制御は、他の態様において制限されても良い。ある事例では、
図12Aに示すように、モバイルデバイス1000は、所定期間後に、メディア再生システムとの接続を切るように構成される。この接続を切った状態が、
図12Aの「切断された」経路3によって示されている。当該所定期間は、いくつかある可能性の中でも特に、デフォルトで設定されても良いし、メディア再生システム1002の所有者によって選択されても良い。モバイルデバイス1000のユーザがメディア再生システム1002に再接続することを望む場合、モバイルデバイス1000は、経路1を介して、リクエストをリモートサーバ1006に送信し、
図10に関して上述したプロセスと同一のプロセスを使用して、メディア再生システム1002に再接続する。
【0087】
他の事例では、
図12Bに示すように、モバイルデバイス1000の地理的な位置がメディア再生システム1002に対する物理的に近接した距離の範囲内ではなくなったと判断しても良い。言い換えると、メディア再生システム1002は、再生デバイスから離れた制限距離を画定するトポロジー領域1200を持ち、モバイルデバイス1000はその領域の範囲内でメディア再生システム1002にアクセスして制御する(限られた制御である)。一例では、トポロジー領域1200は、セキュアなローカルネットワーク(LAN)がサービスを提供する範囲であって、そのローカルネットワーク(LAN)にメディア再生システム1002が接続されている。モバイルデバイス1000が
図12Bに示すようなトポロジー領域1200内に存在しなくなると、モバイルデバイス1000はメディア再生システム1002との接続を切られる。この接続を切られた状態が、
図12Bの「切断された」経路3によって示されている。
【0088】
図13Aは、リモートサーバ1006からモバイルデバイス1000への、経路2を介した、コントロールアプリケーション1300のダウンロードを示している。コントロールアプリケーション1300は、
図3に関して上述したアプリケーションであっても良い。さらに、コントロールアプリケーション1300は、
図8に関して上述したように、いくつかある可能性の中でも特にSpotify、Pandora、又はRhapsodyなどのサードパーティアプリケーション840に関連付けて使用されても良い。モバイルデバイス1000は、コントロールアプリケーション1300を使用して、メディア再生システム1002の1つ又は複数の機能を制御する。モバイルデバイス1000がメディア再生システム1002又はSONOS(登録商標)が提供している任意の他の再生デバイスを以前にも制御していた場合、コントロールアプリケーション1300は既にモバイルデバイス1000内にある。コントロールアプリケーション1300がモバイルデバイス1000内にない場合、コントロールアプリケーションは経路2を介してリモートサーバ1006からモバイルデバイス1000にダウンロードされる。ある事例では、コントロールアプリケーションは、上述したQRコードのスキャンに応じてダウンロードされる。
【0089】
図13Bに示すように、ダウンロードされたコントロールアプリケーション1300は、モバイルデバイス1000がメディア再生システム1002との接続を切られた後も、モバイルデバイス1000内で保持される。この接続が切られた状態は、
図13Bの「切断された」経路3によって示されている。モバイルデバイス1000が、後に、コントロールアプリケーション1300を使用することによって、メディア再生システム1002又はSONOS(登録商標)が提供している他の再生デバイスを制御することができる。ここでSONOS(登録商標)デバイスは、ユーザがメディア再生システム1002を体験した後に、そのユーザによって購入されてもよい。
【0090】
ある単一のユーザ1104のモバイルデバイス1000だけが存在していれば、そのモバイルデバイスにより、セルラーネットワーク1004を介してメディア再生システム1002を制御する。しかし、複数のユーザが存在し、複数のモバイルデバイス1000が、メディア再生システム1002のトポロジー領域内に同時に存在している場合があり、1つ又は複数のそれぞれのモバイルデバイスが、上述したように、セルラーネットワークを介して、メディア再生システム1002と接続している可能性がある。モバイルデバイス1000を含む1つ又は複数のそれぞれのモバイルデバイスは、
図8に関連付けて最も良く説明したように、メディア再生システム1002を制御するように構成されている。1つ又は複数のモバイルデバイスは、システムを制御しているときに、
図6に関連付けて上述したように、1つ又は複数のオーディオトラックをメディア再生システム1002の再生キューに送信しても良い。すると、
図14Aに示すように、プレイリスト1400が生成され、そのプレイリスト1400は1つ又は複数のオーディオトラックを含む。プレイリスト1400は、
図6に関連付けて上述したように、複数のまたは一つのプレイリストであってもよい。プレイリスト1400は、
図14Bに示すように、リモートサーバ1006に格納されてもよい。さらに、
図14Cに示すように、モバイルデバイス1000がメディア再生システム1002と接続した後、いつでも、モバイルデバイス1000は、経路2を介して、プレイリスト1400を読み出すことができる。他の例も可能である。
【0091】
IX.結論
本明細書では、様々な例示のシステム、方法、装置、および生産物は、他のコンポーネントの中で、ハードウェア上で実行されるファームウェアおよび/又はソフトウェアを含むことが開示されている。しかしながら、そのような例は、単なる例示であり、これにより限定されるものではない。例えば、これらのファームウェアコンポーネント、ハードウェアコンポーネント、および/又はソフトウェアコンポーネントのいくつか又は全てが、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、ファームウェアのみ、又はハードウェア、ソフトウェア、および/又はファームウェアの任意の組み合わせにおいて具現化可能であることが意図されている。したがって、例示のシステム、方法、装置、および/又は生産物を説明しているが、提供されるそれらの例は、それらのシステム、方法、装置、および/又は生産物を実施する唯一の方法ではない。
【0092】
上述したように、本願は、メディア再生システムが使用しているセキュアなローカルネットワークに直接アクセスせずに、ユーザがモバイルデバイスを使用してメディア再生システムを制御できるようにする、シンプル且つセキュアな方法を提供する。一態様では、方法が提供される。その方法は、モバイルデバイスによってメディア再生システムのシステム識別子を受信するステップを含む。メディア再生システムは、リモートサーバと通信する。メディア再生システムは、セキュアなローカルネットワーク上で通信する1つ又は複数の再生デバイスを備える。システム識別子の受信に応じて、セルラーネットワークを介してモバイルデバイスからリモートサーバに、メディア再生システムとの接続を要求するリクエストを送信する。リクエストは、メディア再生システムのシステム識別子を含む。方法は、さらに、リモートサーバからのメディア再生システムの設定情報を受信するステップを含む。設定情報は、メディア再生システムに接続するための情報を含む。方法は、さらに、セルラーネットワークを介してモバイルデバイスをメディア再生システムに接続するステップと、それに応じて、モバイルデバイスからメディア再生システムに、セルラーネットワークを介して、メディア再生システムを制御するための1つ又は複数のコマンドを送信するステップと、を含む。
【0093】
他の態様では、非一時的コンピュータ読み取り可能メモリが提供される。非一時的コンピュータ読み取り可能メモリは、コンピュータにより実行可能な命令を記憶しており、当該命令は実行されるとコンピュータに機能を発揮させるものである。当該機能には、モバイルデバイスによってメディア再生システムのシステム識別子を受信するステップが含まれる。メディア再生システムは、リモートサーバと通信する。メディア再生システムは、セキュアなローカルネットワーク上で通信する1つ又は複数の再生デバイスを備える。システム識別子の受信に応じて、セルラーネットワークを介してモバイルデバイスからリモートサーバに、メディア再生システムとの接続を要求するリクエストを送信する。リクエストは、メディア再生システムのシステム識別子を含む。当該機能には、さらに、リモートサーバからのメディア再生システムの設定情報を受信するステップが含まれる。設定情報は、メディア再生システムに接続するための情報を含む。当該機能には、さらに、セルラーネットワークを介してモバイルデバイスをメディア再生システムに接続するステップと、モバイルデバイスからメディア再生システムに、セルラーネットワークを介して、メディア再生システムを制御するための1つ又は複数のコマンドを送信するステップと、が含まれる。
【0094】
さらに他の態様では、システムが提供される。そのシステムは、セキュアなローカルネットワーク上で通信する1つ又は複数の再生デバイスを備えたメディア再生システムと、メディア再生システムと通信するリモートサーバと、セルラーネットワークと、モバイルデバイスと、を含む。モバイルデバイスは、メディア再生システムのシステム識別子を受信するように構成される。モバイルデバイスは、システム識別子の受信に応じて、セルラーネットワークを介してリモートサーバに、メディア再生システムとの接続を要求するリクエストを送信する。リクエストは、メディア再生システムのシステム識別子を含む。モバイルデバイスは、さらに、リモートサーバからのメディア再生システムの設定情報を受信するように構成される。設定情報は、メディア再生システムに接続するための情報を含む。モバイルデバイスは、さらに、セルラーネットワークを介してメディア再生システムに接続し、メディア再生システムを制御するための1つ又は複数のコマンドを、セルラーネットワークを介してメディア再生システムに送信するように構成される。
【0095】
さらに、本明細書での「実施形態」の言及は、実施形態に関連して述べられた特定の特徴、構造、又は特性が、発明の少なくとも1つの実施形態に含まれ得ることを意味する。本明細書の様々な場所でこの語句が用いられているが、その全てが必ずしも同じ実施形態を言及するものではなく、又、他の実施形態に対して相互排他的な別個の実施形態又は代替の実施形態でもない。このように、本明細書で述べられた実施形態に関して他の実施形態との組合せが可能であることが、当業者によって明示的および暗黙的に理解される。
【0096】
本明細書は、環境、システム、手順、ステップ、論理ブロック、処理、および他のシンボル表現に関して広く示されており、それらはネットワークに接続されるデータ処理デバイスの動作に直接又は間接的に類似するものである。これらの処理説明および表現は、一般的に当業者によって使用され、それらの仕事の内容を他の当業者に最も効率良く伝えることができる。本開示を理解するために、多くの具体的な内容が提供されている。しかしながら、本開示のある実施形態が特定の具体的な詳細なしに実施され得ることが当業者に理解される。他の例では、実施形態を不必要に曖昧にすることを避けるために、周知の方法、手順、コンポーネント、および回路を詳細に説明していない。したがって、本開示の範囲は、上記した実施形態よりむしろ添付された特許請求の範囲によって定義される。
【0097】
添付の特許請求の範囲のいずれかがソフトウェアおよび/又はファームウェアへの実装を純粋にカバーするように読み取れる場合には、少なくとも1つの例における要素の1つ又は複数が、ソフトウェアおよび/又はファームウェアを記憶するメモリ、DVD、CD、Blu−ray(登録商標)等の有形媒体を含むように、本明細書で明示的に定められる。