(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
【0011】
[実施形態1]実施形態1は、内燃機関(エンジン)を搭載する自動車等の車両に搭載される蒸発燃料処理装置について例示する。車両は、内燃機関(エンジン)及び燃料タンクを搭載している。
図1は蒸発燃料処理装置を示す構成図である。
【0012】
図1に示すように、蒸発燃料処理装置12は、自動車等の車両のエンジンシステム10に備えられている。エンジンシステム10は、エンジン14と、エンジン14に供給される燃料を貯留する燃料タンク15とを備えている。燃料タンク15には、インレットパイプ16が設けられている。インレットパイプ16は、その上端部の給油口から燃料を燃料タンク15内に導入するパイプであって、給油口にはタンクキャップ17が着脱可能に取付けられている。また、インレットパイプ16の上端部内と燃料タンク15内の気層部とは、ブリーザパイプ18により連通されている。
【0013】
燃料タンク15内には燃料供給装置19が設けられている。燃料供給装置19は、燃料タンク15内の燃料を吸入しかつ加圧して吐出する燃料ポンプ20、燃料の液面を検出するセンダゲージ21、大気圧に対する相対圧としてのタンク内圧を検出するタンク内圧センサ22等を備えている。燃料ポンプ20により燃料タンク15内から汲み上げられた燃料は、燃料供給通路24を介してエンジン14、詳しくは各燃焼室に対応するインジェクタ(燃料噴射弁)25を備えるデリバリパイプ26に供給された後、各インジェクタ25から吸気通路27内に噴射される。吸気通路27には、エアクリーナ28、エアフロメータ29、スロットルバルブ30等が設けられている。
【0014】
蒸発燃料処理装置12は、ベーパ通路31とパージ通路32とキャニスタ34とを備えている。ベーパ通路31の一端部(上流側端部)は、燃料タンク15内の気層部と連通されている。ベーパ通路31の他端部(下流側端部)は、キャニスタ34内と連通されている。また、パージ通路32の一端部(上流側端部)は、キャニスタ34内と連通されている。パージ通路32の他端部(下流側端部)は、吸気通路27におけるスロットルバルブ30よりも下流側通路部と連通されている。また、キャニスタ34内には、吸着材としての活性炭(不図示)が装填されている。燃料タンク15内の蒸発燃料は、ベーパ通路31を介してキャニスタ34内の吸着材(活性炭)に吸着される。
【0015】
燃料タンク15内の気層部において、ベーパ通路31の上流側端部には、ORVR弁(On Board Refueling Vapor Recovery valve)35及びフューエルカットオフバルブ (Cut Off Valve)36が設けられている。ORVR弁35は、燃料の浮力によって開閉するフロート弁で構成された満タン規制バルブであり、燃料タンク15の燃料液面が満タン液面以下では開弁状態で、給油によって燃料液面が満タン液面まで上昇するとフロート弁が閉弁することによりベーパ通路31が遮断される。ORVR弁35によりベーパ通路31が遮断されると、燃料がインレットパイプ16まで満たされ、給油ガンのオートストップ機構が動作し、給油が停止される。また、フューエルカットオフバルブ36は、燃料の浮力によって開閉するフロート弁で構成され、通常は開弁状態に保持されており、車両の横転時に閉弁することによって燃料タンク15内の燃料のベーパ通路31への流出を阻止する。
【0016】
ベーパ通路31の途中には封鎖弁38が介装されている。すなわち、ベーパ通路31は、その途中で燃料タンク15側の通路部31aとキャニスタ34側の通路部31bとに分断され、その通路部31a,31bの相互間に封鎖弁38が配置されている。封鎖弁38は、電動弁52及びリリーフ弁54を備えている。電動弁52は、電気的な制御により通路を開閉することにより、ベーパ通路31を流れる蒸発燃料を含むガス(「流体」という)の流量を調整する。電動弁52は、エンジン制御装置(以下、「ECU」という)45から出力される駆動信号により開閉制御される。また、リリーフ弁54は、電動弁52をバイパスするバイパス通路(後述する)の途中に介装されている。リリーフ弁54は、電動弁52の閉弁時における燃料タンク15内の圧力を適正圧力に保つためのものである。なお、封鎖弁38については後で説明する。
【0017】
パージ通路32の途中にはパージ弁40が介装されている。パージ弁40は、ECU45により算出されたパージ流量に応じた開弁量で開閉制御いわゆるパージ制御される。また、パージ弁40は、例えば、ステッピングモータを備えかつバルブ体のストロークを制御することで開弁量を調整可能である。なお、パージ弁40には、電磁ソレノイドを備え、非通電状態では閉弁し、通電によって開弁する電磁弁を用いてもよい。
【0018】
キャニスタ34には大気通路42が連通されている。大気通路42の他端部は大気に開放されている。また、大気通路42の途中にはエアフィルタ43が介装されている。
【0019】
ECU45には、タンク内圧センサ22、封鎖弁38の電動弁52、パージ弁40の他、リッドスイッチ46、リッドオープナー47、表示装置49等が接続されている。リッドオープナー47には、給油口を覆うリッド48を手動で開閉するリッド手動開閉装置(不図示)が連結されている。リッドスイッチ46は、ECU45に対してリッド48のロックを解除するための信号を出力する。また、リッドオープナー47は、リッド48のロック機構で、ECU45からロックを解除するための信号が供給された場合、又は、リッド手動開閉装置に開動作が施された場合に、リッド48のロックを解除する。なお、タンク内圧センサ22は本明細書でいう「タンク内圧検出手段」に相当する。また、ECU45は本明細書でいう「制御手段」に相当する。
【0020】
次に、蒸発燃料処理装置12の基本的動作について説明する。通常時において、封鎖弁38のリリーフ弁54は閉弁状態にあるものとする。
【0021】
(1)[車両の駐車中]車両の駐車中は、封鎖弁38の電動弁52が閉弁状態に維持される。したがって、燃料タンク15の蒸発燃料がキャニスタ34内に流入されることがない。また、キャニスタ34内の空気が燃料タンク15内に流入されることもない。このとき、パージ弁40が閉弁状態に維持される。なお、車両の駐車中等の電動弁52の閉弁時において、燃料タンク15内の圧力は、封鎖弁38のリリーフ弁54(後述する)によって適正圧力に保たれるようになっている。
【0022】
(2)[車両の走行中]車両の走行中において、ECU45は、所定のパージ条件が成立する場合に、キャニスタ34に吸着されている蒸発燃料をパージさせる制御を実行する。この制御では、パージ弁40が開閉制御される。パージ弁40が開弁されると、エンジン14の吸気負圧がパージ通路32を介してキャニスタ34内に作用する。その結果、キャニスタ34内の蒸発燃料が、大気通路42から吸入される空気とともに吸気通路27にパージされることによりエンジン14で燃焼される。また、ECU45は、蒸発燃料のパージ中に限り、封鎖弁38の電動弁52を開弁状態とする。これにより、燃料タンク15のタンク内圧が大気圧近傍値に維持される。
【0023】
(3)[給油中]車両の停車中において、リッドスイッチ46が操作されると、ECU45が封鎖弁38の電動弁52を開弁状態とする。この際、燃料タンク15のタンク内圧が大気圧より高圧であれば、封鎖弁38の電動弁52が開弁すると同時に、燃料タンク15内の蒸発燃料が、ベーパ通路31を通ってキャニスタ34内の吸着材に吸着される。これにより、蒸発燃料が大気に放出されることが防止される。これにともない、燃料タンク15のタンク内圧は大気圧近傍値に低下する。また、燃料タンク15のタンク内圧が大気圧近傍値にまで低下すると、ECU45は、リッド48のロックを解除する信号をリッドオープナー47に出力する。その信号を受けたリッドオープナー47がリッド48のロックを解除することにより、リッド48の開動作が可能となる。そして、リッド48が開けられ、タンクキャップ17が開けられた状態で、燃料タンク15への給油が開始される。また、ECU45は、給油の終了(具体的にはリッド48が閉じられる)まで、封鎖弁38の電動弁52を開弁状態に維持する。このため、給油の際に、燃料タンク15内の蒸発燃料がベーパ通路31を通ってキャニスタ34内の吸着材に吸着される。
【0024】
次に、封鎖弁38を説明する。
図2は封鎖弁を示す斜視図、
図3は同じく左側面図、
図4は同じく平面図、
図5は同じく下面図、
図6は
図3のVI−VI線矢視断面図、
図7は
図4のVII−VII線矢視断面図、
図8は
図4のVIII−VIII線矢視断面図、
図9は
図8のIX−IX線矢視断面図である。封鎖弁38は、例えば車両の床下に設置されるものであるから、車両の前後左右上下方向に対応して各方向を定めるが、封鎖弁38の配置方向を特定するものではない。なお、封鎖弁38は本明細書でいう「流量制御弁」に相当する。
【0025】
図2に示すように、封鎖弁38は、電動弁52及びリリーフ弁54を収容する弁ケーシング56を備えている。弁ケーシング56は、樹脂製で、第1管部57と第2管部58と第1収容筒部60と第2収容筒部61と取付部63とを有している。第1管部57は、前後方向に延びる中空円管状に形成されている。
【0026】
図6に示すように、第1収容筒部60は、第1管部57の前端部(
図6において上端部)から前方(同、上方)へ向かって段階的に径を大きくする段付円筒状に形成されている。第1管部57と第1収容筒部60とは同心状に形成されている。第1収容筒部60の後端部内に弁室(「第1弁室」という)65が形成されている。第2管部58は、第1収容筒部60の第1弁室65から右方(
図6において左方)へ延びる中空円管状に形成されている。なお、第1収容筒部60は本明細書でいう「電動弁収容筒部」に相当する。
【0027】
図2に示すように、第2収容筒部61は、第1管部57の前端部の上側に有底円筒状に形成されている(
図3参照)。第2収容筒部61は、第1管部57の外径の約2倍の外径を有している(
図5参照)。第2収容筒部61は、第1管部57に対して左方(
図5において右方)へ外径の約半分オフセットされている。第2収容筒部61内に弁室(「第2弁室」という)67が形成されている(
図7参照)。なお、第2収容筒部61は本明細書でいう「リリーフ弁収容筒部」に相当する。
【0028】
図2に示すように、取付部63は、第1収容筒部60の左側部にブロック状に形成されている(
図4参照)。取付部63は、上面を取付面とし、前後方向の両端部に金属製の円筒状のカラー69が埋設されている。カラー69の軸線は、上下方向に延在している。取付部63の後端部は、第2収容筒部61に接続されている。
【0029】
図6に示すように、第1管部57と第2管部58とは、同一管径又は略同一管径で形成されている。両管部57,58内は、第1弁室65を介して相互に連通されている。第1管部57の第1弁室65側の開口部は、弁口(「第1弁口」という)71とされている。第1弁口71は、第1管部57の内径よりも少し小さい内径で形成されている。第1弁口71の口縁部が弁座72とされている。第1管部57内は、第1弁口71の軸方向と同方向に沿って延びる第1通路部75とされている。第2管部58内は、第1弁口71の第1通路部75側(後側)とは反対側すなわち前側(
図6において上側)で、第1通路部75の軸方向(前後方向)と異なる方向すなわち右方(
図6において左方)に沿って延びる第2通路部76とされている。第1通路部75と第2通路部76とにより、エルボ状のメイン通路74が形成されている。
【0030】
図7に示すように、第2収容筒部61の下端部には、内径を小さくする段付部78が同心状に形成されている。段付部78内の中空部が、第2収容筒部61内の第2弁室67に連通する弁口(「第2弁口」という)80とされている。第2弁口80は、第1管部57と第2収容筒部61との間の重複する壁部を貫通することにより第1通路部75に連通されている(
図8及び
図9参照)。段付部78の第2弁室67側の端面(上端面)には、金属製の円環板状のバルブシート82が同心状に配置されている。バルブシート82の内径は、段付部78の内径と同一径又は略同一径で形成されている。バルブシート82の外周部は、第2収容筒部61内に埋設されている。
【0031】
図8に示すように、第2収容筒部61の前端部には、上下方向に延びる縦通路部87が形成されている。縦通路部87の上端部は第2弁室67に連通されている。縦通路部87は、バルブシート82を貫通している。また、第1収容筒部60の左端部(
図6において右端部)には、前後方向に延びる横通路部88が形成されている。横通路部88の前端部(
図8において左端部)は、第1弁室65に連通されている。横通路部88の後端部(
図8において右端部)は、縦通路部87の下端部と連通されている。両通路部87,88の接続部を形成する接続壁部86は、第1収容筒部60の底壁部(後壁部)と第2収容筒部61の底壁部(下壁部)との間に膨出状に形成されている(
図2参照)。第2弁口80、第2弁室67、縦通路部87、横通路部88、及び、第1弁室65により、第1弁口71(
図6参照)をバイパスするバイパス通路90が構成されている。
【0032】
縦通路部87は、第2収容筒部61の内壁面に沿う断面円弧状に形成されている(
図6及び
図9参照)。これにより、第2収容筒部61の外径の増大を抑制しつつ、縦通路部87の所要の通路断面積が確保されている。また、横通路部88は、縦通路部87と同様、第1収容筒部60の内壁面に沿う断面円弧状に形成されている。これにより、第1収容筒部60の外径の増大を抑制しつつ、横通路部88の所要の通路断面積が確保されている。したがって、バイパス通路90が、所要の通路断面積を確保しつつメイン通路74に連通されている。
【0033】
次に、電動弁52を説明する。
図10は電動弁の閉弁状態を示す断面図、
図11は同じく開弁状態を示す断面図、
図12はバルブ体、バルブバネ及びバルブガイドを示す分解斜視図である。
図10に示すように、電動弁52は、弁ケーシング56の第1収容筒部60内に収容されている。電動弁52は、ステッピングモータ92とバルブガイド94とバルブ体96とバルブスプリング98とを備えている。
【0034】
ステッピングモータ92は、その軸方向を前後方向(
図10において上下方向)として第1収容筒部60内に設置されている。ステッピングモータ92は、正逆回転可能な出力軸93を有している。出力軸93は、後方(
図10において下方)へ指向されており、第1収容筒部60の第1弁室65内に同心状に配置されている。出力軸93の外周面には雄ネジ部100が形成されている。なお、ステッピングモータ92は本明細書でいう「電動モータ」に相当する。
【0035】
図12に示すように、バルブガイド94は、円筒状の筒壁部102と、筒壁部102の前端開口部を閉鎖する端壁部103とを有している。筒壁部102の前端部には、外径を大きくする張出部104が段付き円筒状に形成されている。端壁部103の中央部には、円筒状の筒軸部105が同心状に形成されている。筒軸部105の後端開口部は閉鎖されている。
図10に示すように、筒軸部105の内周面には雌ネジ部106が形成されている。端壁部103には、複数個の貫通孔107が周方向に等間隔で形成されている。
【0036】
バルブガイド94は、第1弁室65内に対して軸方向すなわち前後方向(
図10において上下方向)に移動可能に配置されている。バルブガイド94は、第1弁室65の周壁部(第1収容筒部60)に対して、回り止め手段(不図示)により軸回り方向に回り止めされている。バルブガイド94の張出部104は、第1弁室65の内壁面に対して所定の隙間を隔てて嵌合されている。筒軸部105の雌ネジ部106は、ステッピングモータ92の出力軸93の雄ネジ部100にネジ合わされている。したがって、出力軸93の正逆回転に基いて、バルブガイド94が軸方向(前後方向)に移動される。なお、出力軸93の雄ネジ部100とバルブ体96の雌ネジ部106とにより送りネジ機構110が構成されている。
【0037】
弁ケーシング56の弁座72とバルブガイド94の張出部104との間には、コイルバネからなる補助バネ112が介装されている。補助バネ112は、筒壁部102に嵌合されている。補助バネ112は、バルブガイド94を常に前方(
図10において上方)へ付勢することにより、送りネジ機構110のバックラッシュを抑制する。筒壁部102の後端面は、弁座72に対して当接可能に対向されている。
【0038】
図12に示すように、バルブ体96は、円筒状の筒状部114と、筒状部114の後端開口部を閉鎖する弁板部115とを有している。弁板部115には、ゴム状弾性材からなる円環状のシール部材(「第1シール部材」という)117が装着されている。
【0039】
図10に示すように、バルブ体96は、バルブガイド94内に同心状にかつ前後方向(
図10において上下方向)に移動可能に配置されている。第1シール部材117は、弁座72に対して当接可能に対向されている。バルブガイド94とバルブ体96との間には、両部材94,96を軸方向(前後方向)に所定範囲内で移動可能に連結する連結手段120が設けられている。連結手段120は、周方向に等間隔で複数組(例えば4組)配置されている。連結手段120は、バルブ体96の筒状部114に設けられた係合突起122と、バルブガイド94の筒壁部102に設けられた係合溝124とにより構成されている。
【0040】
図12に示すように、係合突起122は、バルブ体96の筒状部114の外周面の前端部から半径方向外方に向けて突出されている。バルブガイド94の筒壁部102の内周面には、略U字状の溝形成壁126が突出状に形成されている。溝形成壁126により、筒壁部102内に開口しかつ前後方向に延びる係合溝124が形成されている。溝形成壁126の一方の側壁部は端壁部103に接続されている。溝形成壁126の他方の側壁部と端壁部103との間には、開口部127が形成されている。係合突起122は、溝形成壁126の開口部127から係合溝124内に係合されている。これにより、バルブガイド94にバルブ体96が周方向に回り止めされた状態で、軸方向(全後方向)に所定の移動量をもって移動可能に連結されている(
図10参照)。なお、係合突起122は本明細書でいう「連結凸部」に相当する。また、係合溝124は本明細書でいう「連結凹部」に相当する。
【0041】
図10に示すように、バルブスプリング98はコイルバネからなる(
図12参照)。バルブスプリング98は、バルブガイド94の端壁部103とバルブ体96の弁板部115との間に同心状に介装されている。バルブスプリング98は、バルブガイド94に対してバルブ体96を常に後方(
図10において下方)すなわち閉方向へ付勢している。なお、バルブスプリング98は本明細書でいう「バルブ体付勢手段」に相当する。
【0042】
次に、リリーフ弁54を説明する。
図7には両リリーフ弁機構の閉弁状態が示されている。
図7に示すように、リリーフ弁54は、弁ケーシング56の第2収容筒部61に配置されている。リリーフ弁54は、正圧リリーフ弁機構130及び負圧リリーフ弁機構132を同心状に有している。正圧リリーフ弁機構130の弁部材(「第1弁部材」という)134、及び、負圧リリーフ弁機構132の弁部材(「第2弁部材」という)136は、第2収容筒部61の第2弁室67内に同心状にかつ上下動可能に配置されている。
【0043】
第1弁部材134は、円環板状の弁板138と、内外二重筒状をなす内筒部139及び外筒部140と同心状に有している。弁板138の外周部は、第2収容筒部61のバルブシート82に対応する弁部(「第1弁部」という)141とされている。第1弁部141は、バルブシート82から上方に離座するときは第2弁口80を開き、その状態からバルブシート82に着座することにより第2弁口80を閉じる。なお、バルブシート82は本明細書でいう「第1弁座」に相当する。
【0044】
内筒部139及び外筒部140は、弁板138上に立設されている。弁板138と内筒部139との接続部分には、弁板138を上下方向に貫通するとともに内筒部139を半径方向に貫通する複数(
図7では2個を示す)の連通孔143が形成されている。第1弁部141の外周縁部の下面には、複数のストッパ片145が周方向に等間隔で形成されている(
図8参照)。ストッパ片145は、第1弁部材134の閉弁時においてバルブシート82に当接する。これにより、第1弁部材134の閉弁位置が規定される。弁板138の内周部が負圧リリーフ弁機構132の弁座147とされている。
【0045】
第2収容筒部61の上端開口部には、キャップ150及び抜け止め部材152が配置されている。キャップ150は、樹脂製で、円板状に形成されている。キャップ150は、第2収容筒部61の上端開口部を嵌合により閉鎖している。抜け止め部材152は、樹脂製で、円環状に形成されている。抜け止め部材152は、第2収容筒部61の上端部に溶着等により接合されている。抜け止め部材152は、キャップ150の外周部に係合されている。これにより、キャップ150が抜け止め部材152により抜け止めされている。
【0046】
第1弁部材134の弁板138とキャップ150との対向面間には、第1コイルバネ154が同心状に配置されている。第1コイルバネ154は、第1弁部材134を下方すなわち閉弁方向に付勢している。第1コイルバネ154は、第1弁部材134の外筒部140内に嵌合されている。なお、第1コイルバネ154は本明細書でいう「第1付勢手段」に相当する。
【0047】
第2弁部材136は、円板状の弁板156と、丸軸状の軸部157とを有している。第2弁部材136は、軸部157が第1弁部材134の内筒部139内にその下方から嵌合されている。弁板156は、第1弁部材134の弁座147から下方に離座するときは連通孔143を開き、その状態から弁座147に着座することにより連通孔143を閉じる。軸部157の先端部(上端部)には、円環板状のバネ受け部材159が取付けられている。バネ受け部材159は、第2弁部材136の開弁時において第1弁部材134の内筒部139に当接する。これにより、第2弁部材136の最大開弁量が規定される。
【0048】
第1弁部材134の弁板138とバネ受け部材159との対向面間には、第2コイルバネ161が同心状に配置されている。第2コイルバネ161内に、第1弁部材134の内筒部139が配置されている。第2コイルバネ161は、第2弁部材136を上方すなわち閉弁方向に付勢している。第2コイルバネ161と第1コイルバネ154とは、内外二重環状に配置されている。第2コイルバネ161のコイル径、コイル長及びコイル線径は、第1コイルバネ154のコイル径、コイル長及びコイル線径よりも小さく設定されている。したがって、第2コイルバネ161の付勢力は、第1コイルバネ154の付勢力に比べて小さい。なお、第2コイルバネ161は本明細書でいう「第2付勢手段」に相当する。
【0049】
第1弁部材134の弁板138の下面には、ゴム状弾性材からなる円環状のシール部材(「第2シール部材」という)163が接着等により装着されている。第2シール部材163は、ゴム等のゴム状弾性材により形成されており、下面側に内外二重環状に突出する内外の両シール部164,165を有している。内周側のシール部164は、第2弁部材136の弁板156に対向されている。第2弁部材136の閉弁時には、第2弁部材136が第2コイルバネ161の付勢力によって上方へ付勢されることにより、弁板156が内周側のシール部164に弾性的に接触すなわち密着される。また、外周側のシール部165は、弁ケーシング56のバルブシート82に対向されている。第1弁部材134の閉弁時には、第1弁部材134が第1コイルバネ154の付勢力によって下方へ付勢されることにより、外周側のシール部165がバルブシート82に弾性的に接触すなわち密着される。
【0050】
正圧リリーフ弁機構130(
図7参照)において、第1コイルバネ154によって正圧側の開弁圧が設定されている。第2弁口80側の圧力(燃料タンク側)の圧力が正圧側の開弁圧以上になるときに、第1弁部材134が第1コイルバネ154の付勢に抗して上昇されることにより、正圧リリーフ弁機構130が開弁される(
図13参照)。このとき、外周側のシール部165は、バルブシート82から離れ、自由状態となる。
【0051】
負圧リリーフ弁機構132(
図7参照)において、第2コイルバネ161によって負圧側の開弁圧が設定されている。第2弁口80側の圧力(燃料タンク側)の圧力が負圧側の開弁圧以下になるときに、第2弁部材136が第2コイルバネ161の付勢に抗して下降されることにより、負圧リリーフ弁機構132が開弁される(
図14参照)。このとき、内周側のシール部164は、第2弁部材136の弁板156から相対的に離れ、自由状態となる。
【0052】
前記した封鎖弁38は、車両(不図示)に搭載される蒸発燃料処理装置12(
図1参照)におけるベーパ通路31に介装される。すなわち、
図6に示すように、弁ケーシング56の第1管部57にベーパ通路31の燃料タンク15側の通路部31aが接続されるとともに、第2管部58にベーパ通路31のキャニスタ34側の通路部31bが接続される。これにより、ベーパ通路31の両通路部31a,31bが弁ケーシング56のメイン通路74を介して相互に連通されている。このため、メイン通路74は、ベーパ通路31の一部を構成している。また、
図3に示すように、弁ケーシング56の取付部63は、車両の床下側の固定側部材167に対してボルト等の締結により固定される。これにより、リリーフ弁54(
図7参照)の軸線が天地方向に向くように、封鎖弁38が車両に搭載される。
【0053】
次に、封鎖弁38における電動弁52の動作について説明する。いま、リリーフ弁54の正圧リリーフ弁機構130及び負圧リリーフ弁機構132が閉弁状態(
図7参照)にあるものとする。
【0054】
(1)[電動弁52の開弁状態]
図11に示すように、電動弁52の開弁状態においては、バルブガイド94及びバルブ体96(第1シール部材117を含む)が第1収容筒部60の弁座72から前方(
図11において上方)に離れている。また、バルブガイド94に対してバルブ体96がバルブスプリング98の弾性により後方(
図11において下方)へ付勢されており、バルブガイド94の係合溝124の溝底部(溝形成壁部126の前端部)にバルブ体96の係合突起122が当接されている。このため、バルブガイド94とバルブ体96とが連結手段120を介して連結されている。
【0055】
また、ECU45(
図1参照)によるステッピングモータ92の駆動制御に基いて、送りネジ機構110を介してバルブガイド94が軸方向にストローク制御される。これにより、バルブガイド94とともにバルブ体96が前後方向(
図11において上下方向)に移動されることにより、バルブ体96の開弁量(リフト量)が調整される。また、開弁状態において、ステッピングモータ92の通電をオフ(OFF)にしても、ステッピングモータ92のディテントトルク、送りネジ機構110のリード角等によって開弁状態を保持することができる。
【0056】
(2)[電動弁52の閉弁作動時]電動弁52の開弁状態(
図11参照)において、ステッピングモータ92が閉弁作動されると、出力軸93が閉弁方向に回転されることにより、送りネジ機構110を介してバルブガイド94及びバルブ体96が後方(
図11において下方)へ移動されていく。すると、バルブ体96(詳しくは第1シール部材117)が弁座72に着座することにより、バルブ体96の後方への移動が規制される。続いて、バルブガイド94がさらに後方へ移動されていく。これにともない、バルブ体96の係合突起122に対してバルブガイド94の係合溝124の溝底部(溝形成壁部126の前端部)が前方へ移動していく。このため、連結手段120によるバルブガイド94とバルブ体96との連結が解除される。
【0057】
そして、バルブガイド94の筒壁部102が弁ケーシング56の弁座72に近接又は当接したときに、ECU45によりステッピングモータ92の閉弁作動が停止される(
図10参照)。この状態が閉弁状態である。なお、バルブガイド94の筒壁部102が弁ケーシング56の弁座72に当接してから、ステッピングモータ92を所定量開弁作動させることにより、バルブガイド94を弁座72に近接させた状態としてもよい。
【0058】
(3)[電動弁52の閉弁状態]電動弁52の閉弁状態(
図10参照)では、バルブ体96がバルブスプリング98の付勢力によって弁ケーシング56の弁座72に着座した状態に弾性的に保持される。また、バルブ体96と弁座72との間は第1シール部材117によって弾性的にシールされる。また、閉弁状態において、ステッピングモータ92の通電をオフ(OFF)にしても、ステッピングモータ92のディテントトルク、送りネジ機構110のリード角等によって閉弁状態を保持することができる。
【0059】
(4)[電動弁52の開弁作動時]電動弁52の閉弁状態(
図10参照)において、ステッピングモータ92が開弁作動されると、出力軸93が開弁方向に回転されることにより、送りネジ機構110を介してバルブガイド94が前方(開方向)へ移動されていく。これにともない、バルブガイド94の係合溝124がバルブ体96の係合突起122に沿って上方へ移動していく。これにともない、バルブスプリング98及び補助バネ112がその弾性復元力により伸長する。そして、係合溝124の溝底部(溝形成壁部126の前端部)がバルブ体96の係合突起122に当接する。これにより、バルブガイド94とバルブ体96との相対移動が規制される。このため、バルブガイド94とバルブ体96とが連結手段120を介して連結される。続いて、バルブガイド94及びバルブ体96がさらに上昇されていく。これにともない、補助バネ112がその弾性復元力により伸長する。これにより、バルブ体96(詳しくは第1シール部材117)が弁ケーシング56の弁座72から離座することにより、開弁状態となる(
図11参照)。
【0060】
次に、封鎖弁38におけるリリーフ弁54の動作について説明する。いま、封鎖弁38の電動弁52が閉弁状態(
図10参照)にあるとともに、リリーフ弁54の両リリーフ弁機構130,132が閉弁状態(
図7参照)にあるものとする。この状態において、燃料タンク15側に開弁圧以上の正圧が生じると、正圧リリーフ弁機構130が開弁される(
図13参照)。第2弁口80と第2弁室67が連通される。このため、燃料タンク15側からの流体が、第1通路部75からバイパス通路90(
図8参照)を通り、第2通路部76からキャニスタ34側へと流れる。これにより、燃料タンク15内の圧力が低下される。このときの流体の流れが
図13に矢印で示されている。
【0061】
また、燃料タンク15側に負圧リリーフ弁機構132の開弁圧以下の負圧が生じると、第2弁部材136が開弁される(
図14参照)。このため、キャニスタ34側からの流体が、第2通路部76からバイパス通路90を通り、第1通路部75から燃料タンク15側へと流れる。これにより、燃料タンク15内の圧力が上昇される。このときの流体の流れが
図14に矢印で示されている。
【0062】
ところで、電動弁52の閉弁状態(
図10参照)において、バルブ体96がバルブスプリング98の付勢力によって弁ケーシング56の弁座72に着座した状態に弾性的に保持されている。そして、リリーフ弁54(
図7参照)の正圧リリーフ弁機構130の故障時において、燃料タンク15側の圧力が正圧リリーフ弁機構130の開弁圧よりも所定値以上となる場合には、バルブスプリング98の付勢に抗してバルブ体96が開方向(前方)へ移動される。これにより、バルブ体96が開かれ、燃料タンク15側の圧力がキャニスタ34側へリリーフされることによって、燃料タンク15側の圧力が過大圧力以上に上昇することを抑制することができる。
【0063】
なお、電動弁52の閉弁状態(
図10参照)において、バルブガイド94の筒壁部102が弁ケーシング56の弁座72に当接している場合には、燃料タンク15側の圧力は、バルブガイド94とバルブ体96との半径方向の間、及び、バルブガイド94の貫通孔107を前方(
図10において上方)へ通り抜けた後、第1弁室65の周壁面とバルブガイド94との半径方向の間を後方(
図10において下方)へ通って、第2通路部76すなわちキャニスタ34側へとリリーフされる。また、電動弁52の閉弁状態(
図10参照)において、バルブガイド94の筒壁部102が弁ケーシング56の弁座72に近接している場合には、燃料タンク15側の圧力は、筒壁部102と弁座72との間の隙間を通じて、キャニスタ34側へリリーフされる。
【0064】
前記した蒸発燃料処理装置12(
図1参照)によると、電動弁52の閉弁状態において、バルブ体96がバルブスプリング98の付勢力によって弁ケーシング56の弁座72に着座した状態に弾性的に保持されている(
図10参照)。そして、リリーフ弁54(
図7参照)の正圧リリーフ弁機構130の故障時において、燃料タンク15側の圧力が正圧リリーフ弁機構130の開弁圧よりも所定値以上となる場合には、バルブスプリング98の付勢に抗してバルブ体96が開方向(前方)へ移動される。これにより、バルブ体96が開かれ、燃料タンク15側の圧力がキャニスタ34側へリリーフされることによって、燃料タンク15側の圧力が過大圧力以上に上昇することを抑制することができる。
【0065】
また、正圧リリーフ弁機構130と負圧リリーフ弁機構132を有するリリーフ弁54(
図7参照)が構成され、リリーフ弁54と電動弁52とが封鎖弁38として一体化されている(
図2参照)。したがって、電動弁52及びリリーフ弁54を、封鎖弁38としてコンパクトに集約することができる。
【0066】
[実施形態2]実施形態2は、実施形態1に変更を加えたものであるから、その変更部分について説明し、重複する説明は省略する。
図15は電動弁の閉弁状態を示す断面図、
図16は電動弁の送りネジ機構の一部を示す断面図である。
図15に示すように、本実施形態の電動弁(符号、170を付す)では、実施形態1(
図10参照)における電動弁52におけるバルブガイド94及び補助バネ112、及び、バルブ体96の係合突起122が省略されている。バルブ体96の弁板部115には、前方(
図15において上方)へ突出する円筒状の筒軸部172が同心状に形成されている。筒軸部172の内周面には雌ネジ部173が形成されている。筒軸部172の雌ネジ部173は、ステッピングモータ92の出力軸93の雄ネジ部100にネジ合わされている。したがって、出力軸93の正逆回転に基いて、バルブ体96が軸方向(
図15において上下方向)に移動される。なお、出力軸93の雄ネジ部100とバルブ体96の雌ネジ部173とにより送りネジ機構175が構成されている。
【0067】
図16に示すように、送りネジ機構175において、出力軸93の雄ネジ部100と筒軸部172の雌ネジ部173とは、軸方向(前後方向)に所定範囲内で移動可能にネジ合わされている。すなわち、雄ネジ部100のネジ山部100aと雌ネジ部173のネジ山部173aとの間には、軸方向のクリアランスCが設定されている。バルブスプリング98(
図15参照)によるバルブ体96の後方(
図15において下方)への付勢によって、雄ネジ部100のネジ山部100aに対して雌ネジ部173のネジ山部173aが後方(
図16において下方)へ押し付けられた状態に保持されている。また、バルブスプリング98は、バルブ体96の弁板部115と、その弁板部115に対向するステッピングモータ92の固定側壁部(不図示)との間に介装されており、バルブ体96を常に後方(閉方向)へ付勢している。
【0068】
前記した電動弁170において、ステッピングモータ92により送りネジ機構175を介してバルブ体96が軸方向にストローク制御される。これにより、バルブ体96が前後方向に移動されることにより、バルブ体96の開弁量(リフト量)が調整される。ステッピングモータ92が閉弁作動されると、出力軸93が閉弁方向に回転されることにより、送りネジ機構175を介してバルブ体96が後方(
図15において下方)へ移動されていく。これにともない、バルブスプリング98がその弾性復元力によりバルブ体96を後方へ付勢したまま伸長されていく。すると、バルブ体96(詳しくは第1シール部材117)が弁ケーシング56の弁座72に着座することにより、バルブ体96の下方への移動が規制されるとともに、ステッピングモータ92の閉弁作動が停止される。この状態が閉弁状態である(
図15参照)。
【0069】
また、電動弁170の閉弁状態において、ステッピングモータ92が開弁作動されると、出力軸93が開弁方向に回転されることにより、送りネジ機構175を介してバルブ体96が前方(
図15において上方)へ移動されていく。このとき、バルブスプリング98はその弾性に抗して短縮される。これにより、バルブ体96の第1シール部材117が弁ケーシング56の弁座72から離座することにより、開弁状態となる。
【0070】
ところで、電動弁170の閉弁状態において、バルブ体96がバルブスプリング98の付勢力によって弁ケーシング56の弁座72に着座した状態に弾性的に保持されている(
図15参照)。そして、リリーフ弁54(
図7参照)の正圧リリーフ弁機構130の故障時において、燃料タンク15側の圧力が正圧リリーフ弁機構130の開弁圧よりも所定値以上となる場合には、バルブスプリング98の付勢に抗してバルブ体96が開方向(
図15において上方)へ移動される。すなわち、雄ネジ部100のネジ山部100aと雌ネジ部173のネジ山部173aとの間の軸方向のクリアランスC(
図16参照)を利用して、バルブ体96がステッピングモータ92の出力軸93に対して前方(
図15において上方)へ移動される。これにより、バルブ体96が開かれ、燃料タンク15側の圧力がキャニスタ34側へリリーフされることによって、燃料タンク15側の圧力が過大圧力以上に上昇することを抑制することができる。
【0071】
[他の実施形態]本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、封鎖弁38としての流量制御弁は、蒸発燃料処理装置12に限らず、その他の必要な装置に適用してもよい。また、封鎖弁38の電動弁の電動モータには、ステッピングモータ92の他、回転方向、回転速度及び回転量が制御可能なDCモータを用いることができる。また、DCモータの場合、バルブガイド94の位置を検出するストロークセンサを用いて原点位置の初期化を行うとよい。また、電動モータは、送りネジ機構を内蔵することで軸方向に移動する出力軸を備えたものでもよい。この場合、出力軸にバルブガイド94を一体化すればよい。また、電動弁52には、電磁ソレノイドを備え、非通電状態では閉弁し、通電によって開弁する電磁弁を用いてもよい。また、連結手段120の組数は適宜増減してもよい。また、連結手段120の係合突起122と係合溝124は、逆配置すなわち係合突起122をバルブガイド94に設け、係合溝124をバルブ体96に設けてもよい。また、ステッピングモータ92等の出力軸にバルブ体96を送りネジ機構110を介して連結することにより、バルブガイド94及び補助バネ112を省略してもよい。