特許第6542469号(P6542469)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6542469無線通信システムにおける端末のV2X(vehicle−to−everything)信号の送受信方法及び前記方法を利用する端末
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6542469
(24)【登録日】2019年6月21日
(45)【発行日】2019年7月10日
(54)【発明の名称】無線通信システムにおける端末のV2X(vehicle−to−everything)信号の送受信方法及び前記方法を利用する端末
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/02 20090101AFI20190628BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20190628BHJP
   H04W 4/40 20180101ALI20190628BHJP
【FI】
   H04W72/02
   H04W72/04 132
   H04W4/40
【請求項の数】17
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2018-510381(P2018-510381)
(86)(22)【出願日】2016年8月24日
(65)【公表番号】特表2018-525938(P2018-525938A)
(43)【公表日】2018年9月6日
(86)【国際出願番号】KR2016009398
(87)【国際公開番号】WO2017034324
(87)【国際公開日】20170302
【審査請求日】2018年2月23日
(31)【優先権主張番号】62/209,307
(32)【優先日】2015年8月24日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100159259
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 実
(72)【発明者】
【氏名】リ ソンミン
(72)【発明者】
【氏名】ソ ハンピョル
【審査官】 ▲高▼木 裕子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−172345(JP,A)
【文献】 特開2004−153759(JP,A)
【文献】 特開2003−289577(JP,A)
【文献】 特表2013−527652(JP,A)
【文献】 特開2003−284115(JP,A)
【文献】 NEC,Deployment scenarios of LTE-based V2X[online], 3GPP TSG-RAN WG1#82 R1-154194,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_82/Docs/R1-154194.zip>,2015年 8月28日,Pages 1-5
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 − 7/26
H04W 4/00 − 99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおける端末のV2X(vehicle−to−everything)信号の送信又は受信方法であって
第1の領域及び第2の領域に共通に設定された第1の搬送波を介してV2X制御信号を送信又は受信し、
スケジューリング情報に基づいて、前記第1の領域に設定された第2の搬送波または前記第2の領域に設定された第3の搬送波を介してV2Xデータを送信又は受信
前記V2X制御信号は、前記第2の搬送波及び前記第3の搬送波のそれぞれを介して送信又は受信する、前記V2Xデータの前記スケジューリング情報を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の領域及び前記第2の領域は、隣接した互いに異なる地理的な領域である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の搬送波は、前記V2X制御信号の送信又は受信、及び前記V2Xデータの送信又は受信が両方とも許容されるように設定された搬送波である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の搬送波及び前記第3の搬送波の各々は、前記V2Xデータの送信又は受信のみが許容されるように設定された搬送波である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記端末は、前記第1の領域と前記第2の領域の境界に位置する端末である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記端末は、前記第1の領域及び前記第2の領域に設定された搬送波の個数より少ない個数の送信チェーンまたは受信チェーンを備える制限された能力の端末である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記端末が前記第1の搬送波及び前記第3の搬送波を介してV2X信号を同時に送信するように設定されたメッセージを受信した場合、
前記第1の搬送波を介して前記V2X信号を送信した後、前記送信チェーン更し、前記第3の搬送波を介して前記V2X信号を送信する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記端末が前記第1の搬送波及び前記第3の搬送波を介してV2X信号を同時に受信するように設定されたメッセージを受信した場合、
前記第1の搬送波を介して前記V2X信号を受信した後、前記受信チェーン更し、前記第3の搬送波を介して前記V2X信号を受信する、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記端末がV2X信号の送信動作を実行する搬送波の混雑度が閾値以上である場合、異なる搬送波で前記V2X信号の送信動作を実行するように指示するメッセージを受信することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記メッセージを受信すると、前記端末は、前記異なる搬送波で前記V2X信号の送信動作を実行する、求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記端末が特定の搬送波で前記V2X信号を受信している異なる搬送波で、前記特定の搬送波の前記V2X信号より高い優先順位を有するV2X信号を異なる端末が送信していることを検出する
受信チェーンスイッチング後、高い優先順位を有するV2X信号は前記異なる搬送波で受信される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の領域、前記第2の領域及び第3の領域は、V2Xエンティティのカバリッジに基づいて決定される、請求項1に記載の方法
【請求項13】
送信/受信の前に前記第1の搬送波を優先的にモニタすることをさらに含む、請求項1に記載の方法
【請求項14】
前記端末が、前記第1の領域又は前記第2の領域にあるかを決定することをさらに含む、請求項1に記載の方法
【請求項15】
前記端末が、前記決定に関わらず、前記第1の搬送波を介して前記V2X制御信号を送信又は受信する、請求項14に記載の方法
【請求項16】
前記端末が、前記端末は特定の領域にいると決定する時、前記端末は特定の搬送波を介して前記V2Xデータを送信又は受信し、
前記特定の領域は、前記第1の領域又は前記第2の領域であり、
前記端末が前記端末は前記第1の領域にいると決定する時、前記特定の搬送波は、前記第2の搬送波であり、
前記端末が前記端末は前記第2の領域にいると決定する時、前記特定の搬送波は、前記第3の搬送波である、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
V2X(vehicle−to−everything)信号を送信及び受信する端末であって
無線信号を送信及び受信するRF(Radio Frequency)部と、
前記RF部と結合して動作するプロセッサとを含み、
前記プロセッサは、
第1の領域及び第2の領域に共通に設定された第1の搬送波を介してV2X制御信号を送信又は受信し、
スケジューリング情報に基づいて、前記第1の領域に設定された第2の搬送波または前記第2の領域に設定された第3の搬送波を介してV2Xデータを送信又は受信するように設定され
前記V2X制御信号は、前記第2の搬送波及び前記第3の搬送波のそれぞれを介して送信又は受信する、前記V2Xデータの前記スケジューリング情報を含む、端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信に関し、より詳しくは、無線通信システムにおける端末のV2X信号送受信方法及び前記方法を利用する端末に関する。
【背景技術】
【0002】
ITU−R(International Telecommunication Union Radio communication sector)では、3世代以後の次世代移動通信システムであるIMT(International Mobile Telecommunication)−Advancedの標準化作業が進行している。IMT−Advancedは、停止及び低速移動状態で1Gbps、高速移動状態で100Mbpsのデータ送信率でIP(Internet Protocol)ベースのマルチメディアサービスのサポートを目標とする。
【0003】
3GPP(3rd Generation Partnership Project)は、IMT−Advancedの要求事項を満たすシステム標準として、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)/SC−FDMA(Single Carrier−Frequency Division Multiple Access)送信方式ベースのLTE(Long Term Evolution)を改善したLTE−Advanced(LTE−A)を用意している。LTE−Aは、IMT−Advancedのための有力な候補のうち一つである。
【0004】
最近、装置間の直接通信をするD2D(Device−to−Device)技術に対する関心が高まっている。特に、D2Dは、公衆安全ネットワーク(public safety network)のための通信技術として注目されている。商業的通信ネットワークは、LTEに速く変化しているが、既存通信規格との衝突問題と費用側面のため、現在の公衆安全ネットワークは、主に2G技術に基づいている。このような技術の間隙と改善されたサービスに対する要求は、公衆安全ネットワークを改善しようとする努力につながっている。
【0005】
公衆安全ネットワークは、商業的通信ネットワークに比べて高いサービス要求条件(信頼度及び保安性)を有し、特に、セルラー通信のカバレッジが届かない場合、または利用可能でない場合、装置間の直接通信、即ち、D2D動作も要求している。
【0006】
D2D動作は、近接した機器間の通信という点で多様な長所を有することができる。例えば、D2D端末は、高い送信率及び低い遅延を有し、データ通信をすることができる。また、D2D動作は、基地局に集まるトラフィックを分散させることができ、D2D端末が中継器の役割をする場合、基地局のカバレッジを拡張させる役割もすることができる。
【0007】
一方、D2D動作は、V2X(vehicle−to−everything)にも適用されることができる。V2Xは、車両と全てのインターフェースを介した通信技術を通称する。V2Xの具現形態は、例えば、V2V(vehicle−to−vehicle)、V2I(vehicle−to−infrastructure)、V2P(vehicle−to−person)、V2N(vehicle−to−network)等、多様である。
【0008】
このようなV2X通信は、単一搬送波で実行されることもできるが、複数の搬送波で実行されることもできる。そして、隣接した領域で互いに異なる複数の搬送波がV2X通信のために設定されることができる。この場合、端末が第1の領域でV2X通信を実行する途中に第2の領域に入る場合、設定された搬送波が変わるため、該当搬送波での信号送受信のために信号の送信チェーン(transmission chain)または受信チェーン(reception chain)をスイッチングしなければならない場合がある。信号送/受信チェーンのスイッチング(または、搬送波スイッチング)には一定な時間がかかるため、V2X通信の連続性に問題が発生できる。
【0009】
また、第1の領域と第2の領域の境界の近くに位置する端末に、例えば、第1の領域に位置するという理由で、第1の領域に設定された搬送波のみを利用してV2X通信を実行するようにすることが非効率的である。例えば、第1の領域の搬送波が著しく混雑したり衝突が頻繁に発生したりする場合も第1の領域の搬送波のみを使用するようにすることは非効率的である。
【0010】
複数の搬送波環境でV2X信号を効率的に送受信できる方法及び装置が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明が解決しようとする技術的課題は、無線通信システムにおける端末のV2X信号の送受信方法及び前記方法を利用する端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
一側面において、無線通信システムにおける端末のV2X(vehicle−to−everything)信号の送受信方法を提供する。前記方法は、第1の領域及び第2の領域に共通に設定された第1の搬送波を介してV2X制御信号を送受信し、及び前記第1の領域に設定された第2の搬送波または前記第2の領域に設定された第3の搬送波を介してV2Xデータを送受信することを特徴とする。
【0013】
前記第1の領域及び前記第2の領域は、隣接した互いに異なる地理的領域である。
【0014】
前記第1の搬送波は、V2X制御信号の送受信及びV2Xデータの送受信が両方とも許容されるように設定された搬送波である。
【0015】
前記第2の搬送波及び前記第3の搬送波の各々は、V2Xデータの送受信のみが許容されるように設定された搬送波である。
【0016】
前記端末は、前記第1の領域と前記第2の領域の境界に位置する端末である。
【0017】
前記端末は、前記第1の領域及び前記第2の領域に設定された搬送波の個数より少ない個数の送信チェーンまたは受信チェーンを備える制限された能力の端末である。
【0018】
前記端末が前記第1の搬送波及び前記第3の搬送波を介してV2X信号を同時に送信するように設定するメッセージを受信した場合、前記第1の搬送波を介してV2X信号を送信した後、送信チェーンの変更を実行し、前記第3の搬送波を介してV2X信号を送信する。
【0019】
前記端末が前記第1の搬送波及び前記第3の搬送波を介してV2X信号を同時に受信するように設定するメッセージを受信した場合、前記第1の搬送波を介してV2X信号を受信した後、受信チェーンの変更を実行し、前記第3の搬送波を介してV2X信号を受信する。
【0020】
前記端末がV2X信号の送信動作を実行する搬送波の混雑度が閾値以上である場合、他の搬送波でV2X信号の送信動作を実行するように指示するメッセージをさらに受信する。
【0021】
前記メッセージを受信する場合、前記端末は、前記他の搬送波でV2X信号の送信動作を実行する。
【0022】
前記端末が特定搬送波でV2X信号を受信している途中に、他の搬送波で前記特定搬送波のV2X信号より高い優先順位を有するV2X信号を他の端末が送信していることを検出する場合、受信チェーンスイッチング後、前記他の搬送波で前記高い優先順位を有するV2X信号を受信する。
【0023】
他の側面で提供されるV2X(vehicle−to−everything)信号を送受信する端末は、無線信号を送信及び受信するRF(Radio Frequency)部及び前記RF部と結合して動作するプロセッサを含み、前記プロセッサは、第1の領域及び第2の領域に共通に設定された第1の搬送波を介してV2X制御信号を送受信し、及び前記第1の領域に設定された第2の搬送波または前記第2の領域に設定された第3の搬送波を介してV2Xデータを送受信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
隣接した2個の領域で、V2X制御信号を送受信することができる搬送波は共有し、V2Xデータを送受信することができる搬送波は独立に設定するため、端末が前記2個の領域で移動してもV2X通信の連続性を保障することができる。また、混雑度が高かったり衝突が発生したりする第1の領域の搬送波の代わりに第2の領域の搬送波を使用することができるため、V2X通信の性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】無線通信システムを示す。
図2】ユーザ平面(user plane)に対する無線プロトコル構造(radio protocol architecture)を示すブロック図である。
図3】制御平面(control plane)に対する無線プロトコル構造を示すブロック図である。
図4】ProSeのための基準構造を示す。
図5】D2Dの動作を実行する端末とセルカバレッジの配置例を示す。
図6】規則#Aによる領域別搬送波設定を例示する。
図7】本発明の一実施例に係る端末のV2X信号送受信方法を示す。
図8】規則#Bによる領域別搬送波設定を例示する。
図9】本発明の他の実施例に係る端末のV2X信号送受信方法を示す。
図10】制限された能力のV2Xエンティティが互いに異なる搬送波で同時に信号を送受信するように設定するメッセージを受信した場合の動作方法を例示する。
図11】制限された能力のV2Xエンティティの動作と多重搬送波送信(/受信)能力を有するV2Xエンティティの動作を比較した図面である。
図12】V2X信号送信の混雑度を低くする端末動作を例示する。
図13図12の方法による時、制限された能力のV2Xエンティティが信号を送信するリソースを例示する。
図14】制限された受信能力を有するV2Xエンティティの動作方法を例示する。
図15図14の方法を適用する時、制限された受信能力V2Xエンティティの動作方法を例示する。
図16】本発明の実施例が具現される端末を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、無線通信システムを示す。
【0027】
これはE−UTRAN(Evolved−UMTS Terrestrial Radio Access Network)、またはLTE(Long Term Evolution)/LTE−Aシステムとも呼ばれる。
【0028】
E−UTRANは、端末(User Equipment、UE)10に制御平面(control plane)とユーザ平面(user plane)を提供する基地局(Base Station、BS)20を含む。端末10は、固定されてもよいし、移動性を有してもよく、MS(Mobile station)、UT(User Terminal)、SS(Subscriber Station)、MT(mobile terminal)、無線機器(Wireless Device)等、他の用語で呼ばれることもある。基地局20は、端末10と通信する固定局(fixed station)を意味し、eNB(evolved−NodeB)、BTS(Base Transceiver System)、アクセスポイント(Access Point)等、他の用語で呼ばれることもある。
【0029】
基地局20は、X2インターフェースを介して互いに連結されることができる。基地局20は、S1インターフェースを介してEPC(Evolved Packet Core)30、より詳しくは、S1−MMEを介してMME(Mobility Management Entity)と連結され、S1−Uを介してS−GW(Serving Gateway)と連結される。
【0030】
EPC30は、MME、S−GW及びP−GW(Packet Data Network−Gateway)で構成される。MMEは、端末の接続情報や端末の能力に対する情報を有しており、このような情報は、端末の移動性管理に主に使われる。S−GWは、E−UTRANを終端点として有するゲートウェイであり、P−GWは、PDNを終端点として有するゲートウェイである。
【0031】
端末とネットワークとの間の無線インターフェースプロトコル(Radio Interface Protocol)の階層は、通信システムで広く知られた開放型システム間相互接続(Open System Interconnection;OSI)基準モデルの下位3個階層に基づいてL1(第1の階層)、L2(第2の階層)、L3(第3の階層)に区分されることができ、このうち、第1の階層に属する物理階層は、物理チャネル(Physical Channel)を利用した情報転送サービス(Information Transfer Service)を提供し、第3の階層に位置するRRC(Radio Resource Control)階層は、端末とネットワークとの間に無線リソースを制御する役割を遂行する。そのために、RRC階層は、端末と基地局との間のRRCメッセージを交換する。
【0032】
図2は、ユーザ平面(user plane)に対する無線プロトコル構造(radio protocol architecture)を示すブロック図である。図3は、制御平面(control plane)に対する無線プロトコル構造を示すブロック図である。ユーザ平面は、ユーザデータ送信のためのプロトコルスタック(protocol stack)であり、制御平面は、制御信号送信のためのプロトコルスタックである
【0033】
図2及び図3を参照すると、物理階層(PHY(physical) layer)は、物理チャネル(physical channel)を利用して上位階層に情報転送サービス(information transfer service)を提供する。物理階層は、上位階層であるMAC(Medium Access Control)階層とはトランスポートチャネル(transport channel)を介して連結されている。トランスポートチャネルを介してMAC階層と物理階層との間にデータが移動する。トランスポートチャネルは、無線インターフェースを介して、データが、どのように、どのような特徴にトランスポートされるかによって分類される。
【0034】
互いに異なる物理階層間、即ち、送信機と受信機の物理階層間は、物理チャネルを介してデータが移動する。前記物理チャネルは、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式に変調されることができ、時間と周波数を無線リソースとして活用する。
【0035】
MAC階層の機能は、論理チャネルとトランスポートチャネルとの間のマッピング、及び論理チャネルに属するMAC SDU(service data unit)のトランスポートチャネル上に物理チャネルで提供されるトランスポートブロック(transport block)への多重化/逆多重化を含む。MAC階層は、論理チャネルを介してRLC(Radio Link Control)階層にサービスを提供する。
【0036】
RLC階層の機能は、RLC SDUの連結(concatenation)、分割(segmentation)及び再結合(reassembly)を含む。無線ベアラ(Radio Bearer;RB)が要求する多様なQoS(Quality of Service)を保障するために、RLC階層は、透明モード(Transparent Mode、TM)、非確認モード(Unacknowledged Mode、UM)及び確認モード(Acknowledged Mode、AM)の三つの動作モードを提供する。AM RLCは、ARQ(automatic repeat request)を介してエラー訂正を提供する。
【0037】
RRC(Radio Resource Control)階層は、制御平面でのみ定義される。RRC階層は、無線ベアラの設定(configuration)、再設定(re−configuration)及び解除(release)と関連して論理チャネル、トランスポートチャネル及び物理チャネルの制御を担当する。RBは、端末とネットワークとの間のデータ伝達のために、第1の階層(PHY階層)及び第2の階層(MAC階層、RLC階層、PDCP階層)により提供される論理的経路を意味する。
【0038】
ユーザ平面でのPDCP(Packet Data Convergence Protocol)階層の機能は、ユーザデータの伝達、ヘッダ圧縮(header compression)及び暗号化(ciphering)を含む。制御平面でのPDCP(Packet Data Convergence Protocol)階層の機能は、制御平面データの伝達及び暗号化/完全性保護(integrity protection)を含む。
【0039】
RBが設定されるとは、特定サービスを提供するために、無線プロトコル階層及びチャネルの特性を規定し、それぞれの具体的なパラメータ及び動作方法を設定する過程を意味する。また、RBは、SRB(Signaling RB)とDRB(Data RB)の二つに分けられる。SRBは、制御平面でRRCメッセージを送信する通路として使われ、DRBは、ユーザ平面でユーザデータを送信する通路として使われる。
【0040】
端末のRRC階層とE−UTRANのRRC階層との間にRRC接続(RRC Connection)が確立される場合、端末は、RRC接続(RRC connected)状態になり、そうでない場合、RRCアイドル(RRC idle)状態になる。
【0041】
ネットワークから端末にデータを送信するダウンリンクトランスポートチャネルには、システム情報を送信するBCH(Broadcast Channel)と、ユーザトラフィックや制御メッセージを送信するダウンリンクSCH(Shared Channel)がある。ダウンリンクマルチキャストまたはブロードキャストサービスのトラフィックまたは制御メッセージの場合、ダウンリンクSCHを介して送信されることもでき、または別途のダウンリンクMCH(Multicast Channel)を介して送信されることもできる。一方、端末からネットワークにデータを送信するアップリンクトランスポートチャネルとしては、初期制御メッセージを送信するRACH(Random Access Channel)と、ユーザトラフィックや制御メッセージを送信するアップリンクSCH(Shared Channel)がある。
【0042】
トランスポートチャネル上位にあり、トランスポートチャネルにマッピングされる論理チャネル(Logical Channel)には、BCCH(Broadcast Control Channel)、PCCH(Paging Control Channel)、CCCH(Common Control Channel)、MCCH(Multicast Control Channel)、MTCH(Multicast Traffic Channel)などがある。
【0043】
物理チャネル(Physical Channel)は、時間領域で複数個のOFDMシンボルと周波数領域で複数個の副搬送波(Sub−carrier)とで構成される。一つのサブフレーム(Sub−frame)は、時間領域で複数のOFDMシンボル(Symbol)で構成される。リソースブロックは、リソース割当単位であり、複数のOFDMシンボルと複数の副搬送波(sub−carrier)とで構成される。また、各サブフレームは、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、即ち、L1/L2制御チャネルのために、該当サブフレームの特定OFDMシンボル(例えば、1番目のOFDMシンボル)の特定副搬送波を利用することができる。TTI(Transmission Time Interval)は、サブフレーム送信の単位時間である。
【0044】
RRC状態とは、端末のRRC階層がE−UTRANのRRC階層と論理的接続(logical connection)されているかどうかを意味し、接続している場合はRRC接続状態(RRC_CONNECTED)といい、接続されていない場合はRRCアイドル状態(RRC_IDLE)という。RRC接続状態の端末は、RRC接続が存在するため、E−UTRANは、該当端末の存在をセル単位で把握することができ、したがって、端末を効果的に制御することができる。それに対し、RRCアイドル状態の端末は、E−UTRANが把握することができず、セルより大きい地域単位であるトラッキング領域(Tracking Area)単位でCN(core network)が管理する。即ち、RRCアイドル状態の端末は、大きい地域単位に存在可否のみが把握され、音声やデータのような通常の移動通信サービスを受けるためにはRRC接続状態に移動しなければならない。
【0045】
ユーザが端末の電源を最初にオンにした時、端末は、まず、適切なセルを探索した後、該当セルでRRCアイドル状態にとどまる。RRCアイドル状態の端末は、RRC接続を確立する必要がある時になって初めてRRC接続過程(RRC connection procedure)を介してE−UTRANとRRC接続を確立し、RRC接続状態に移動する。RRCアイドル状態の端末がRRC接続を確立する必要がある場合は多様であり、例えば、ユーザの通話試みなどの理由で上りデータ送信が必要な場合、またはE−UTRANからページング(paging)メッセージを受信した場合、これに対する応答メッセージ送信などを挙げることができる。
【0046】
RRC階層の上位に位置するNAS(Non−Access Stratum)階層は、セッション管理(Session Management)と移動性管理(Mobility Management)などの機能を遂行する。
【0047】
NAS階層で端末の移動性を管理するために、EMM−REGISTERED(EPS Mobility Management−REGISTERED)及びEMM−DEREGISTEREDの二つの状態が定義されており、この二つの状態は、端末とMMEに適用される。初期端末は、EMM−DEREGISTERED状態であり、この端末がネットワークに接続するために初期連結(Initial Attach)手順を介して該当ネットワークに登録する過程を実行する。前記連結(Attach)手順が成功裏に遂行されると、端末及びMMEは、EMM−REGISTERED状態になる。
【0048】
端末とEPCとの間のシグナリング接続(signaling connection)を管理するために、ECM(EPS Connection Management)−IDLE状態及びECM−CONNECTED状態の二つの状態が定義されており、この二つの状態は、端末及びMMEに適用される。ECM−IDLE状態の端末がE−UTRANとRRC接続を確立すると、該当端末は、ECM−CONNECTED状態になる。ECM−IDLE状態にあるMMEは、E−UTRANとS1接続(S1 connection)を確立すると、ECM−CONNECTED状態になる。端末がECM−IDLE状態にある時、E−UTRANは、端末のコンテキスト(context)情報を有していない。したがって、ECM−IDLE状態の端末は、ネットワークの命令を受ける必要なく、セル選択(cell selection)またはセル再選択(reselection)のような端末ベースの移動性関連手順を実行する。それに対し、端末がECM−CONNECTED状態にある時、端末の移動性は、ネットワークの命令により管理される。ECM−IDLE状態で端末の位置が、ネットワークが知っている位置と異なる場合、端末は、トラッキング領域更新(Tracking Area Update)手順を介してネットワークに端末の該当位置を知らせる。
【0049】
次に、D2D動作に対して説明する。3GPP LTE−Aでは、D2D動作と関連しているサービスを近接サービス(Proximity Services:ProSe)という。以下、近接サービス(ProSe)に対して記述する。以下、ProSeは、D2D動作と同等な概念であり、ProSeはD2D動作と混用されることができる。さて、ProSeについて述べる。
【0050】
ProSeには、ProSe直接通信(communication)とProSe直接発見(direct discovery)がある。ProSe直接通信は、近接した2以上の端末間で実行される通信を意味する。前記端末は、ユーザ平面のプロトコルを利用して通信を実行することができる。ProSe可能端末(ProSe−enabled UE)は、ProSeの要求条件と関連している手順をサポートする端末を意味する。別の言及がない場合、ProSe可能端末は、公用安全端末(public safety UE)と非公用安全端末(non−public safety UE)を両方とも含む。公用安全端末は、公用安全に特化された機能とProSe過程を両方ともサポートする端末であり、非公用安全端末は、ProSe過程はサポートするが、公用安全に特化された機能はサポートしない端末である。
【0051】
ProSe直接発見(ProSe direct discovery)は、ProSe可能端末が、隣接した他のProSe可能端末を発見するための過程であり、このとき、前記2個のProSe可能端末の能力のみを使用する。EPC次元のProSe発見(EPC−level ProSe discovery)は、EPCが2個のProSe可能端末の近接可否を判断し、前記2個のProSe可能端末にそれらの近接を知らせる過程を意味する。
【0052】
以下、便宜上、ProSe直接通信はD2D通信といい、ProSe直接発見はD2D発見という。
【0053】
図4は、ProSeのための基準構造を示す。
【0054】
図4を参照すると、ProSeのための基準構造は、E−UTRAN、EPC、ProSe応用プログラムを含む複数の端末、ProSe応用サーバ(ProSe APP server)、及びProSe機能(ProSe function)を含む。
【0055】
EPCは、E−UTRANコアネットワーク構造を代表する。EPCは、MME、S−GW、P−GW、政策及び課金規則(policy and charging rules function:PCRF)、ホーム加入者サーバ(home subscriber server:HSS)などを含むことができる。
【0056】
ProSe応用サーバは、応用機能を作成するためのProSe能力のユーザである。ProSe応用サーバは、端末内の応用プログラムと通信することができる。端末内の応用プログラムは、応用機能を作成するためのProSe能力を使用することができる。
【0057】
ProSe機能は、下記のうち少なくとも一つを含むことができるが、必ずこれに制限されるものではない。
【0058】
−第3者応用プログラムに向かう基準点を介したインターワーキング(Interworking via a reference point towards the 3rd party applications)
【0059】
−発見及び直接通信のための認証及び端末に対する設定(Authorization and configuration of the UE for discovery and direct communication)
【0060】
−EPC次元のProSe発見の機能(Enable the functionality of the EPC level ProSe discovery)
【0061】
−ProSeと関連した新しい加入者データ及びデータ格納調整、ProSe IDの調整(ProSe related new subscriber data and handling of data storage、and also handling of ProSe identities)
【0062】
−セキュリティ関連機能(Security related functionality)
【0063】
−政策関連機能のためにEPCに向かう制御提供(Provide control towards the EPC for policy related functionality)
【0064】
−課金のための機能提供(Provide functionality for charging(via or outside of EPC、例えば、off line charging))
【0065】
以下、ProSeのための基準構造において、基準点と基準インターフェースを説明する
【0066】
−PC1:端末内のProSe応用プログラムとProSe応用サーバ内のProSe応用プログラムとの間の基準点である。これは応用次元でシグナリング要求条件を定義するために使われる。
【0067】
−PC2:ProSe応用サーバとProSe機能との間の基準点である。これはProSe応用サーバとProSe機能との間の相互作用を定義するために使われる。ProSe機能のProSeデータベースの応用データアップデートが前記相互作用の一例になることができる。
【0068】
−PC3:端末とProSe機能との間の基準点である。端末とProSe機能との間の相互作用を定義するために使われる。ProSe発見及び通信のための設定が前記相互作用の一例になることができる。
【0069】
−PC4:EPCとProSe機能との間の基準点である。EPCとProSe機能との間の相互作用を定義するために使われる。前記相互作用は、端末間に1:1通信のための経路を設定する時、またはリアルタイムセッション管理や移動性管理のためのProSeサービスを認証する時を例示することができる。
【0070】
−PC5:端末間に発見及び通信、中継、1:1通信のために制御/ユーザ平面を使用するための基準点である。
【0071】
−PC6:互いに異なるPLMNに属するユーザ間にProSe発見のような機能を使用するための基準点である。
【0072】
−SGi:応用データ及び応用次元制御情報交換のために使われることができる。
【0073】
D2Dの動作は、端末がネットワーク(セル)のカバレッジ内でサービスを受ける場合や、ネットワークのカバレッジを外れた場合の両方でサポートされることができる。
【0074】
図5は、 D2Dの動作を実行する端末とセルカバレッジの配置例を示す。
【0075】
図5(a)を参照すると、端末A及びBは、セルカバレッジ外に位置できる。図5(b)を参照すると、端末Aは、セルカバレッジ内に位置し、端末Bは、セルカバレッジ外に位置できる。図5(c)を参照すると、端末A及びBは、両方とも単一セルカバレッジ内に位置できる。図5(d)を参照すると、端末Aは、第1のセルのカバレッジ内に位置し、端末Bは、第2のセルのカバレッジ内に位置できる。
【0076】
D2Dの動作は、図5に示すようにさまざまな場所にある端末間で行われることができる。
【0077】
<D2D通信(ProSe直接通信)のための無線リソース割当>
【0078】
D2D通信のためのリソースの割り当てには、 次の2つのモードのうち少なくとも一つを利用することができる。
【0079】
1.モード1
【0080】
モード1は、ProSe直接通信のためのリソースを基地局からスケジューリングを受けるモードである。モード1により端末がデータを送信するためにはRRC_CONNECTED状態でなければならない。端末は、送信リソースを基地局に要求し、基地局は、スケジューリング割当及びデータ送信のためのリソースをスケジューリングする。端末は、基地局にスケジューリング要求を送信し、ProSe BSR(Buffer Status Report)を送信することができる。基地局は、ProSe BSRに基づいて、前記端末がProSe直接通信をするデータを有しており、この送信のためのリソースが必要であると判断する。
【0081】
2.モード2
【0082】
モード2は、端末が直接リソースを選択するモードである。端末は、リソースプール(resource pool)で直接ProSe直接通信のためのリソースを選択する。リソースプールは、ネットワークにより設定され、または予め決めることができる。
【0083】
一方、端末がサービングセルを有している場合、即ち、端末が基地局とRRC_CONNECTED状態にある場合、またはRRC_IDLE状態で特定セルに位置した場合、前記端末は、基地局のカバレッジ内にあると見なされる。
【0084】
端末がカバレッジ外にある場合、前記モード2のみ適用されることができる。もし、端末がカバレッジ内にある場合、基地局の設定によってモード1またはモード2を使用することができる。
【0085】
他の例外的な条件がない場合、基地局が設定した時にのみ、端末は、モード1からモード2に、またはモード2からモード1にモードを変更することができる。
【0086】
<D2D発見(ProSe直接発見: ProSe direct discovery)>
【0087】
D2D発見は、ProSe可能端末が、近接した他のProSe可能端末を発見するときに使われる手順を意味し、ProSe直接発見とも呼ばれる。ProSe直接発見に使われる情報を発見情報(discovery information)という。
【0088】
D2D発見のためにPC5インターフェースが使用することができる。PC5インターフェースは、MAC階層、PHY階層と上位階層であるProSe Protocol階層で構成される。上位階層(ProSe Protocol)で発見情報(discovery information)のお知らせ(anouncement:以下、アナウンスメント)及びモニタリング(monitoring)に対する許可を扱い、発見情報の内容は、AS(access stratum)に対して透明(transparent)である。ProSe Protocolは、アナウンスメントのために有効な発見情報のみがASに伝達されるようにする。 MAC階層は、上位階層(ProSe Protocol)から発見情報を受信する。IP階層は、発見情報送信のために使われない。MAC階層は、上位階層から受けた発見情報をアナウンスするために使われるリソースを決定する。MAC階層は、発見情報を伝送するMAC PDU(protocol data unit)を作成して物理階層に送る。MACヘッダは追加されない。
【0089】
発見情報アナウンスメントのために二つのタイプのリソース割当がある。
【0090】
1.タイプ1
【0091】
発見情報のアナウンスメントのためのリソースが、端末特定的でなく割り当てられる方法であり、基地局が端末に発見情報アナウンスメントのためのリソースプール設定を提供する。この設定は、システム情報ブロック(system information block:SIB)に含まれるブロードキャスト方式でシグナリングされることができる。または上記の設定は、端末特定的RRCメッセージに含まれて提供されることができる。または上記の設定は、RRCメッセージのほか、他の層のブロードキャストシグナリングまたは端末特定情報シグナリングになることもある。
【0092】
端末は、指示されたリソースプールから自立的にリソースを選択し、選択したリソースを利用して発見情報をアナウンスする。端末は、各発見周期(discovery period)中に任意に選択したリソースを介して発見情報をアナウンスすることができる。
【0093】
2.タイプ2
【0094】
発見情報のアナウンスメントのためのリソースが、端末特定的に割り当てられる方法である。RRC_CONNECTED状態にある端末は、RRC信号を介して基地局に発見信号アナウンスメントのためのリソースを要求することができる。基地局は、RRC信号で発見信号アナウンスメントのためのリソースを割り当てることができる。端末に設定されたリソースプール内で発見信号モニタリングのためのリソースが割り当てられることができる。
【0095】
RRC_IDLE状態にある端末に対して、基地局は、1)発見信号アナウンスメントのためのタイプ1のリソースプールをSIBで知らせることができる。ProSe直接発見が許容された端末は、RRC_IDLE状態で発見情報アナウンスメントのためにタイプ1のリソースプールを利用する。または、基地局は、2)SIBを介して前記基地局が、ProSe直接発見はサポートすることを知らせるが、発見情報アナウンスメントのためのリソースは提供しない。この場合、端末は、発見情報アナウンスメントのためにはRRC_CONNECTED状態に進入しなければならない。
【0096】
RRC_CONNECTED状態にある端末に対して、基地局は、RRC信号を介して前記端末が発見情報アナウンスメントのためにタイプ1のリソースプールを使用するか、またはタイプ2のリソースを使用するかを設定することができる。
【0097】
以下、本発明に対して説明する。
【0098】
以下では複数個の搬送波上でV2X(VEHICLE−TO−EVERYTHIHG)制御/データメッセージを効率的に送信/受信する方法を提案する。前記複数個の搬送波は、事前に設定されたり端末にシグナリングされたりすることができる。V2Xは、端末対端末間の通信という側面で、前述したD2D動作を適用することができる。
【0099】
まず、V2Xにおいて、‘X’は歩行者(PEDESTRIAN)を意味する。この場合、V2Xは、V2Pで表示することができ、車両(または、車両に設置された装置)と歩行者が有している装置との間の通信を意味する。ここで、歩行者は、必ず歩いて移動する人間に限定されるものではなく、自転車に乗っている人間、(一定速度以下)車両の運転手または乗客も含むことができる。
【0100】
または、V2Xにおいて、‘X’は、車両(VEHICLE)である。この場合、V2Xは、V2Vで表示することができ、車両間の通信を意味する。または、‘X’は、インフラストラクチャ(Infrastructure)/ネットワーク(Network)である。この場合、V2Xは、V2IまたはV2Nで表示することができ、車両とロードサイド装置(ROADSIDE UNIT:RSU)または車両とネットワークとの通信を意味する。ロードサイド装置は、交通関連インフラストラクチャ、例えば、速度を知らせる装置である。ロードサイド装置は、基地局または固定された端末などに具現されることができる。
【0101】
以下、説明の便宜のために、歩行者(または、人間)が有するV2P通信関連デバイスを‘P−UE’といい、車両に設置されたV2X通信関連デバイスを‘V−UE’という。本発明において、‘エンティティ(ENTITY)’という用語は、P−UE、V−UE、RSU、ネットワーク、インフラストラクチャのうち少なくとも一つとして解釈されることができる。
【0102】
本発明において、‘搬送波/セル’は、V2X制御/データメッセージ送信(TX)及び/または受信(RX)用途で事前に設定されたりシグナリングされたりした‘リソースプール(RESOURCE POOL)’と解釈されることができる。
【0103】
V2X制御/データメッセージの衝突(COLLISION)/混雑(CONGESTION)などによるV2X制御/データメッセージの受信/送信関連信頼度減少を緩和するために、事前に定義されたりシグナリングされたりした‘領域(region)’別にV2X制御/データメッセージ送信/受信関連した搬送波/セルが異なるように設定されることができる。
【0104】
ここで、‘領域’とは、(1)地理的に区分された領域、(2)V2Vエンティティ(例えば、基地局(/端末)タイプのRSU)の通信カバレッジにより区分された領域のうち少なくとも一つとして解釈できる。
【0105】
以下、説明の便宜のために、2個の領域を領域#A(REGION#A)、領域#B(REGION#B)といい、領域#A及びBは、互いに隣接した状況を仮定する。このような状況下で、領域別V2X制御/データメッセージ送信/受信関連搬送波/セルは、下記のように設定されることができる。
【0106】
V2X制御/データメッセージ送信/受信関連搬送波/セルは、プライマリ搬送波(/セル)#A(これをP−搬送波(/セル)#Aで表示)、セカンダリ搬送波(/セル)#B、(S−搬送波(/セル)#Bで表示)、セカンダリ搬送波(/セル)#C、セカンダリ搬送波(/セル)#Dで構成された状況を仮定する。
【0107】
(規則#A)隣接した領域である領域#A、領域#Bで、P−搬送波(/セル)#AがV2X制御/データメッセージ送信/受信用途で共通に設定されることができる。
【0108】
それに対し、S−搬送波(/セル)#BとS−搬送波(/セル)#Cは、領域#A及び領域#BにV2Xデータ/制御メッセージ送信/受信用途で各々独立に設定されることができる。これは異なる(または、隣接した)領域間にV2X制御/データメッセージ送信/受信関連一部搬送波/セルが独立に(または、異なるように)設定されたと解釈できる。
【0109】
P−搬送波(/セル)#A上では‘V2X制御メッセージ送信/受信’と‘V2Xデータメッセージ送信/受信)’が両方とも許容されるように設定され、S−搬送波(/セル)#BとS−搬送波(/セル)#C上では‘V2Xデータメッセージ送信/受信’のみが許容されるように設定されることができる。例えば、P−搬送波(/セル)で送信されたり受信されたりするV2X制御メッセージがS−搬送波(/セル)で送信/受信されるV2Xデータメッセージに対するスケジューリング情報を知らせる形態になることができる。
【0110】
図6は、規則#Aによる領域別搬送波設定を例示する。
【0111】
図6を参照すると、領域#AにはP−搬送波#A及びS−搬送波#Bが設定されることができる。領域#BにはP−搬送波#A及びS−搬送波#Cが設定されることができる。前述したように、P−搬送波#Aを介してはV2X制御信号及びV2Xデータの送受信が両方とも許容されるように設定され、S−搬送波#B及びS−搬送波#Cを介してはV2Xデータの送受信のみが許容されるように設定されることができる。P−搬送波#A、S−搬送波#B、S−搬送波#Cは、互いに異なる帯域の搬送波である。図6では、便宜上、搬送波と表示したが、搬送波は、セルと表示されることもできる。
【0112】
図7は、本発明の一実施例に係る端末のV2X信号送受信方法を示す。
【0113】
図7を参照すると、端末は、第1の領域及び第2の領域に共通に設定された第1の搬送波を介してV2X制御信号(及び/またはV2Xデータ)を送受信する(S110)。
【0114】
また、端末は、前記第1の領域に設定された第2の搬送波または前記第2の領域に設定された第3の搬送波を介してV2Xデータを送受信する(S120)。
【0115】
前記方法を図6の例示に適用すると、端末は、領域#A及び領域#Bに共通に設定された搬送波、即ち、P−搬送波#Aを介してV2X制御信号(及び/またはV2Xデータ)を送受信し、領域#Aに設定されたS−搬送波#Bまたは領域#Bに設定されたS−搬送波#Cを介してV2Xデータを送受信することができる。
【0116】
このような(規則#A)が適用される場合、V2Xエンティティ、例えば、V−UE、P−UEは、‘事前に定義されたりシグナリングされたりした周期値によって周期的に’または‘優先的に’P−搬送波(/セル)#Aをモニタリングすることで、異なる(または、隣接した)領域境界にある時または異なる(または、隣接した)領域の境界を通過する時にも、異なる(または、隣接した)領域関連V2X通信を効率的に持続することができる。
【0117】
(規則#B)領域#AにP−搬送波(/セル)#AとS−搬送波(/セル)#BがV2X制御(/データ)メッセージ送信(/受信)用途で設定され、領域#BにS−搬送波(/セル)#CとS−搬送波(/セル)#DがV2X制御(/データ)メッセージ送信(/受信)用途で設定されることができる。即ち、異なる(または、隣接した)領域間にV2X制御/データメッセージ送信/受信関連搬送波/セルが全て独立に(または、異なるように)設定されたと解釈できる。一例として、P−搬送波(/セル)#A(領域#A)、S−搬送波(/セル)#C(領域#B)上では‘V2X制御メッセージ送信/受信’と‘V2Xデータメッセージ送信/受信’が両方とも許容されるように設定され、S−搬送波(/セル)#B(領域#A)とS−搬送波(/セル)#D(領域#B)上では‘V2Xデータメッセージ送信/受信’のみが許容されるように設定されることができる。
【0118】
例えば、P−搬送波(/セル)#A及びS−搬送波(/セル)#Cで送信/受信されるV2X制御メッセージがS−搬送波(/セル)#B及びS−搬送波(/セル)#Dで送信/受信されるV2Xデータメッセージに対するスケジューリング情報を各々知らせる形態になることができる。
【0119】
図8は、規則#Bによる領域別搬送波設定を例示する。
【0120】
図8を参照すると、領域#AにはP−搬送波#A及びS−搬送波#Bが設定されることができる。領域#BにはS−搬送波#C及びS−搬送波#Dが設定されることができる。そのとき、領域#AではP−搬送波#Aを介してはV2X制御信号及びV2Xデータの送受信が両方とも許容されるように設定され、領域#BではS−搬送波#Cを介してのみV2X制御信号及びV2Xデータの送受信が両方とも許容されるように設定されることができる。S−搬送波#B及びS−搬送波#Dを介してはV2Xデータの送受信のみが許容されるように設定されることができる。P−搬送波#A、S−搬送波#B、S−搬送波#C、S−搬送波#Dは、互いに異なる帯域の搬送波である。図8では、便宜上、搬送波と表示したが、搬送波は、セルと表示されることもできる。
【0121】
一例として、(規則#B)が適用される場合、V2Xエンティティ、例えば、V−UE及びP−UEは、自分が属する領域のV2X制御/データメッセージ受信/送信関連搬送波(/セル)(例:P−搬送波(/セル)#A及び/またはS−搬送波(/セル)#B(領域#A)、S−搬送波(/セル)#C(及び/またはS−搬送波(/セル)#D)(領域#B))を‘事前に定義されたりシグナリングされたりした周期値によって周期的に’または‘優先的に’P−搬送波(/セル)#Aをモニタリングすることができる。
【0122】
V2X送信エンティティが異なる(または、隣接した)領域の境界にある時または異なる(または、隣接した)領域の境界を通過する時に自分が属する(既存)領域関連(V2X制御/データメッセージ送信/受信搬送波(/セル)だけでなく、隣接した(または、異なる)領域関連(V2X制御/データメッセージ送信/受信)搬送波(/セル)でもV2X(制御/データ)メッセージ送信動作を実行するように設定されることができる。
【0123】
他の一例として、V2X受信エンティティをして、自分が属する領域関連(V2X制御/データメッセージ受信/送信)搬送波(/セル)だけでなく、隣接した(または、異なる)領域関連(V2X制御/データメッセージ受信/送信)搬送波(/セル)も‘事前に定義されたりシグナリングされたりした周期値によって周期的に’モニタリングするように設定されることができる。
【0124】
図9は、本発明の他の実施例に係る端末のV2X信号送受信方法を示す。
【0125】
図9を参照すると、端末は、第1の領域と第2の領域の境界に位置するかどうかを判断する(S210)。
【0126】
第1の領域と第2の領域の境界に位置する場合、端末は、自分が属する領域でない他の領域に設定された搬送波も利用してV2X信号を送受信する(S220)。
【0127】
前記方法が適用される場合、たとえ、異なる(または、隣接した)領域間にV2X制御/データメッセージ送信/受信関連搬送波/セルが全て独立に(または、異なるように)設定されるとしても、異なる(または、隣接した)領域関連V2X通信(ら)が連続的にまたは効率的に実行されることができる。
【0128】
前記説明した一部または全ての規則(例えば、規則#A、規則#B)が適用されるとき、V2Xエンティティ(例:V−UE、P−UE)をして、自分が属する領域関連V2X制御/データメッセージ受信搬送波(/セル)上で事前に定義されたりシグナリングされたりした相対的に高い優先順位のV2X制御/データメッセージ(これを‘HP_RXMSG’という)を受信(または、自分が属する領域関連V2X制御/データメッセージ送信搬送波(/セル)上で事前に定義されたりシグナリングされたりした相対的に高い優先順位のV2X制御/データメッセージ(これを‘HP_TXMSG’という)を送信)している場合には、隣接した(または、異なる)領域関連V2X制御/データメッセージ受信搬送波(/セル)上で(HP_RXMSG(または、HP_TXMSG)より)相対的に低い優先順位のV2X制御/データメッセージ受信(または、送信)動作(または、相対的に低い優先順位のV2X制御/データメッセージを受信(または、送信)するための‘受信チェーンスイッチング’(または、‘送信チェーンスイッチング’)動作)を実行しないように設定されることができる。
【0129】
このような規則は、V2X制御/データメッセージ受信(/送信)用途で設定された搬送波/セルの個数が自分の‘受信チェーン能力’(または、‘送信チェーン能力’)より多いV2X受信(/送信)エンティティにのみ限定的に適用されるように設定されることができる。以下、このようなエンティティを‘制限された能力V2Xエンティティ’、より具体的に‘制限された受信能力V2Xエンティティ’または‘制限された送信能力V2Xエンティティ’ということができる。
【0130】
前記規則の適用は、特定V2X受信(/送信)エンティティが(V2X制御(/データ)メッセージ受信(/送信)用途で設定された)特定搬送波(/セル)上で事前に定義された(または、シグナリングされた)相対的に高い優先順位のV2X制御(/データ)メッセージを受信(または、送信)している場合には、他の(V2X制御(/データ)メッセージ受信(/送信))搬送波(/セル)上で相対的に低い優先順位のV2X制御(/データ)メッセージ受信(または、送信)動作(または、相対的に低い優先順位のV2X制御(/データ)メッセージを受信(または、送信)するための‘RXチェーンスイッチング’(または、‘TXチェーンスイッチング’)動作)を実行しないと解釈されることができる。
【0131】
一例として、規則#B及び/または規則#Aが適用されるとき、もし、‘制限された送信(/受信)能力V2Xエンティティ’が自分の属する領域(領域#A)関連V2X制御(/データ)メッセージ送信(/受信)搬送波(/セル)だけでなく、隣接した(または、異なる)領域(領域#B)関連V2X制御(/データ)メッセージ送信(/受信)搬送波(/セル)上でもV2X制御(/データ)メッセージを(同時に)送信(/受信)しなければならない場合、‘送信(/受信)チェーンスイッチング時間’(または、‘搬送波スイッチング時間’)を考慮し、‘TDM’形態で実行するように設定されることができる。
【0132】
図10は、制限された能力のV2Xエンティティが互いに異なる搬送波で同時に信号を送受信するように設定するメッセージを受信した場合の動作方法を例示する。
【0133】
図10を参照すると、第1の領域に位置する‘制限された能力のV2Xエンティティ’が第1の領域に設定された第1の搬送波及び第2の領域に設定された第2の搬送波を介して信号の同時送/受信を設定するメッセージを受信することができる(S310)。
【0134】
制限された能力のV2Xエンティティは、第1の領域に設定された第1の搬送波で信号の送/受信実行後、送/受信チェーンスイッチングを実行する(S320)。
【0135】
制限された能力のV2Xエンティティは、第2の領域に設定された第2の搬送波で信号の送/受信を実行する(S330)。
【0136】
このような規則は、該当‘制限された送信(/受信)能力V2Xエンティティ’が異なる(または、隣接した)領域の境界にある時(または、異なる(または、隣接した)領域の境界を通過する時)にのみ限定的に適用するように設定されることができる。
【0137】
一方、規則#B及び/または規則#Aが適用されるとき、もし、‘多重−V2X送信(/受信)搬送波送信(/受信)能力’を有するV2X送信(/受信)エンティティが自分の属する領域(領域#A)関連V2X制御(/データ)メッセージ送信(/受信)搬送波(/セル)(これを‘ORI_TXCC’という)だけでなく、隣接した(または、異なる)領域(領域#B)関連V2X制御(/データ)メッセージ送信(/受信)搬送波(/セル)(これを‘NEG_TXCC’という)上でもV2X制御(/データ)メッセージを(同時に)送信(/受信)しなければならない場合、‘TDM’形態でなく、ORI_TXCCとNEG_TXCC上で同時送信(/受信)を実行するように設定されることができる。
【0138】
図11は、制限された能力のV2Xエンティティの動作と多重搬送波送信(/受信)能力を有するV2Xエンティティの動作を比較した図面である。
【0139】
図11を参照すると、領域#AにV2X制御(/データ)メッセージ送信(/受信)関連P−搬送波(/セル)#AとS−搬送波(/セル)#Bが設定され、領域#BにV2X制御(/データ)メッセージ送信(/受信)関連S−搬送波(/セル)#CとS−搬送波(/セル)#Dが設定されることができる。
【0140】
例えば、自分が属する領域の搬送波(/セル)と隣接した他の領域の搬送波(/セル)とを介して同時にV2X信号を送信するように設定されたメッセージを受信した場合、制限された能力のV2Xエンティティは、TDM形態で動作するが、多重搬送波送信(/受信)能力を有するV2Xエンティティは、同時送信を実行することができる。即ち、制限された能力のV2Xエンティティは、P−搬送波(/セル)#Aのサブフレーム#2で信号を送信して搬送波スイッチング(1msと仮定、送信チェーンスイッチングともいう)後、S−搬送波(/セル)#Cのサブフレーム#4を介してV2X信号を送信するようになる。それに対し、多重搬送波送信(/受信)能力を有するV2Xエンティティは、P−搬送波(/セル)#Aのサブフレーム#9で信号を送信すると同時にS−搬送波(/セル)#Cのサブフレーム#9を介してV2X信号を同時送信することができる。このような動作は、受信観点でも同様である。
【0141】
一方、V2X制御/データメッセージ送信用途で設定された特定搬送波(/セル)(これを‘CONGEST_CC’という)上でV2X制御/データメッセージ送信動作を実行するV2Xエンティティに、該当CONGEST_CC関連‘混雑(/負荷)レベル’を緩和させるために、事前に定義された(LTE)サービング基地局(または、ITS(Internet Transaction Server)サーバまたはV2X機能)がV2Xデータ(/制御)メッセージ送信動作のみを(V2Xデータ(/制御)メッセージ送信用途で設定された)他の搬送波(/セル)に移動(/スイッチング)するように指示できる。
【0142】
または、前記V2Xデータ(/制御)メッセージ送信関連搬送波(/セル)移動(/スイッチング)動作は、V2Xエンティティが該当CONGEST_CCの‘混雑(/負荷)レベル’をエネルギー検出動作などで直接的に把握した後、把握された‘混雑(/負荷)レベル’が事前に定義されたりシグナリングされたりした閾値より高い場合に事前に定義されたりシグナリングされたりした搬送波(/セル)移動(/スイッチング)順序によって、実行するように設定されることができる。
【0143】
‘V2Xデータメッセージ’送信動作のみが他の搬送波(/セル)(これを‘DATASW_CC’という)に移動(/スイッチング)される場合、CONGEST_CC上で送信される‘V2X制御メッセージ’には該当制御(/スケジューリング)情報がどの搬送波(/セル)上の‘V2Xデータメッセージ’送信と関連したかを知らせる‘搬送波(/セル)指示フィールド’が含まれることができる。
【0144】
CONGEST_CC上で送信される‘V2X制御メッセージ’の‘リソース割当フィールド’の大きさは、‘CONGEST_CCの(V2X通信関連)システム帯域幅’と‘DATASW_CCの(V2X通信関連)システム帯域幅’のうち相対的に大きい(または、小さい)ことによって決定されるように設定されることができる。
【0145】
一方、前記提案規則(例:規則#A、規則#B)が適用されるとき、P−UE(S)をして、自分が属する領域の(LTE)サービング基地局(または、RSU)から事前に定義された指示子(これを‘NGMONI_INDI’という)を受信した場合にのみ、自分が属する領域関連V2X(制御/データ)メッセージ受信搬送波(/セル)及び/または)隣接した(または、異なる)領域関連V2X(制御/データ)メッセージ受信搬送波(/セル)上でV2X(制御/データ)メッセージモニタリング動作を実行するように設定(または、事前に定義されたりシグナリングされたりした周期値によって周期的に自分が属する領域関連V2X(制御/データ)メッセージ受信搬送波(/セル)及び/または隣接した(または、異なる)領域関連V2X(制御/データ)メッセージ受信搬送波(/セル)上でV2X(データ/データ)メッセージモニタリング動作を実行するように設定)されることができる。
【0146】
前記提案規則(例:規則#A、規則#B)が適用される場合、事前に定義された(LTE)サービング基地局(または、ITSサーバまたはV2X機能)は、‘制限された送信能力V2Xエンティティ’に(V2X制御/データメッセージ送信用途で設定された)特定搬送波(/セル)の‘混雑(/負荷)レベル’(これを‘HCG_CC’という)を低くするために、(該当HCG_CCでの)V2Xデータメッセージ送信動作のみを(V2Xデータ(/制御)メッセージ送信用途で設定された)他の搬送波(/セル)に移動(/スイッチング)するように指示できる。
【0147】
前記V2Xデータメッセージ送信関連搬送波(/セル)移動(/スイッチング)動作は、V2Xエンティティが該当HCG_CCの‘混雑(/負荷)レベル’をエネルギー検出動作などで直接的に把握した後、把握された‘混雑(/負荷)レベル’が事前に定義されたりシグナリングされたりした閾値より高い場合に事前に定義されたりシグナリングされたりした搬送波(/セル)移動(/スイッチング)順序によって、実行するように設定されることができる。
【0148】
図12は、V2X信号送信の混雑度を低くする端末動作を例示する。
【0149】
図12を参照すると、端末が位置する領域でない他の領域に設定された搬送波を介してV2Xデータメッセージ送信動作を実行することを指示するメッセージをサービング基地局から受信することができる(S410)。
【0150】
端末は、第1の領域に設定された第1の搬送波で信号の送信後、送信チェーンスイッチングを実行し(S420)、第2の領域に設定された第2の搬送波で信号の送信を実行することができる(S430)。
【0151】
図13は、図12の方法による時、制限された能力のV2Xエンティティが信号を送信するリソースを例示する。
【0152】
図13を参照すると、制限された送信能力のV2Xエンティティは、P−搬送波(/セル)#Aのサブフレーム#2でV2X信号を送信する途中に、サービングセルからP−搬送波(/セル)#Aの混雑度/負荷レベルを低くするためにS−搬送波(/セル)#BでV2X信号送信動作の実行に対する指示を受けることができる。前記指示にはS−搬送波(/セル)#Bを指示するフィールドが含まれることができる。前記V2Xエンティティは、搬送波スイッチング(送信チェーンスイッチング)後、S−搬送波(/セル)#Bのサブフレーム#4、5、6でV2X信号を送信することができる。
【0153】
具体的には、P−搬送波(/セル)#Aのサブフレーム#2ではV2X制御メッセージが送信され、該当V2X制御メッセージは、(A)‘P−搬送波(/セル)#Aのサブフレーム#2で(V2X制御メッセージと共に)送信されるV2Xデータメッセージ’と(B)‘S−搬送波(/セル)#Bのサブフレーム#4、サブフレーム#5、サブフレーム#6で送信されるV2Xデータメッセージ’に対するスケジューリング情報を含むことができる。‘送信(/受信)チェーンスイッチング時間’(または、‘搬送波スイッチング時間’)は‘1ms’と仮定した。
【0154】
図13において、S−搬送波(/セル)#Bに対する受信能力がないV2Xエンティティは、‘P−搬送波(/セル)#Aのサブフレーム#2で送信されるV2X制御メッセージとV2Xデータメッセージのみ’を受信するようになり、S−搬送波(/セル)#Bに対する受信能力があるV2Xエンティティは、‘P−搬送波(/セル)#Aのサブフレーム#2で送信されるV2X制御メッセージとV2Xデータメッセージ’だけでなく、‘S−搬送波(/セル)#Bのサブフレーム#4、サブフレーム#5、サブフレーム#6で送信されるV2X制御メッセージ’も受信することができる。即ち、S−搬送波(/セル)#Bに対する受信能力がないV2Xエンティティに比べてV2Xメッセージ受信性能が向上することができる。
【0155】
前記提案規則(例:規則#A、規則#B)が適用されるとき、‘制限された受信能力V2Xエンティティ’が(V2X制御/データメッセージ受信用途で設定された)特定搬送波(/セル)(例:P−搬送波(/セル)#A)上で特定V2Xエンティティ(V2X ENTITY#A)関連V2Xメッセージを受信している途中に、(V2X制御/データメッセージ受信用途で設定された)他の搬送波(/セル)(例:S−搬送波(/セル)#B)上で相対的に高い優先順位の他のV2Xエンティティ(V2X ENTITY#B)がV2Xメッセージを送信するということを把握(/検出)するようになる場合、‘受信チェーンスイッチング’(または、‘搬送波スイッチング’)動作を実行した後に、相対的に高い優先順位の他のV2Xエンティティ(V2X ENTITY#B)が送信するV2Xメッセージを受信するように設定されることができる。
【0156】
相対的に高い優先順位のV2Xエンティティは、事前に定義されたりシグナリングされたりした相対的に高い優先順位のV2Xメッセージ(例えば、‘緊急状況発生通知メッセージ’が‘位置情報送信メッセージ’に比べて優先順位が高い。‘周期的メッセージ(例:CAM)’より‘イベントトリガリングされたメッセージ(例:DENM)’の優先順位が高い)を送信すると設定されたり、またはV2Xメッセージ受信の優先順位側面で事前に定義されたりシグナリングされたりした相対的に高い優先順位のV2Xエンティティ(例:‘RSU’が‘V−UE’に比べて優先順位が高い)に設定されることができる。
【0157】
前記提案方法は、前記提案規則(例:規則#A、規則#B)が適用されるとき、‘制限された受信能力V2Xエンティティ’が(V2X制御/データメッセージ受信用途で設定された)特定搬送波(/セル)(例)P−搬送波(/セル)#A)上で特定V2Xメッセージを受信している途中に、(V2X制御/データメッセージ受信用途で設定された)他の搬送波(/セル)(例)S−搬送波(/セル)#B)上で相対的に高い優先順位の他のV2Xメッセージが送信されるということを把握(/検出)するようになる場合、‘受信チェーンスイッチング’(または、‘搬送波スイッチング’)動作を実行した後に、相対的に高い優先順位の他のV2Xメッセージを受信する形態で拡張されることもできる。
【0158】
図14は、制限された受信能力を有するV2Xエンティティの動作方法を例示する。
【0159】
図14を参照すると、制限された受信能力を有するV2Xエンティティ(端末)が第1の搬送波でV2Xメッセージを受信することができる(S510)。制限された受信能力を有するV2Xエンティティ(端末)が第2の搬送波で他のV2Xエンティティが相対的に高い優先順位のV2Xメッセージを送信することを検出することができる(S520)。前記V2Xエンティティは、受信チェーンスイッチング後、前記第2の搬送波で前記他のV2Xエンティティが送信するV2Xメッセージを受信する(S530)。
【0160】
図15は、図14の方法を適用する時、制限された受信能力V2Xエンティティの動作方法を例示する。
【0161】
図15を参照すると、‘制限された受信能力V2Xエンティティ(V2Xエンティティ#Cと仮定する)’が(V2X制御/データメッセージ受信用途で設定された)特定P−搬送波(/セル)#Aのサブフレーム#2、サブフレーム#3上で‘相対的に低い優先順位のV2Xエンティティ#A関連V2X(制御/データ)メッセージ’を受信している途中に、(V2X制御/データメッセージ受信用途で設定された)他のS−搬送波(/セル)#Bのサブフレーム#5、サブフレーム#6、サブフレーム#7上で‘相対的に高い優先順位の他のV2Xエンティティ#BがV2X(制御/データ)メッセージ’を送信するということをP−搬送波(/セル)#Aのサブフレーム#3でV2Xエンティティ#Bが送信するV2X(制御(/データ))メッセージ受信(/検出)を介して把握できる。そのとき、制限された受信能力V2Xエンティティ(V2Xエンティティ#C)は、‘受信チェーンスイッチング’(または、‘搬送波スイッチング’)動作を実行(‘送信(/受信)チェーンスイッチング時間’(または、‘搬送波スイッチング時間’)は、‘1ms’と仮定)した後に、相対的に高い優先順位の他のV2Xエンティティ#Bが送信するV2X(データ(/制御))メッセージを受信するようになる。
【0162】
したがって、制限された受信能力V2Xエンティティ(V2Xエンティティ#C)が実際に受信するV2Xメッセージは、P−搬送波(/セル)#Aのサブフレーム#2、サブフレーム#3、及びS−搬送波(/セル)#Bのサブフレーム#5、サブフレーム#6、サブフレーム#7になる。P−搬送波(/セル)#Aのサブフレーム#4では送信チェーンスイッチングによりV2Xエンティティ#A関連V2X(制御/データ)メッセージを受信することができない。
【0163】
他の一例として、‘制限された受信能力’のV2Xエンティティであるが、複数個(例:2)の受信チェーンを有している場合、図15の状況下で、一つの(専用)受信チェーンをP−搬送波(/セル)#Aに割り当てることによって、V2Xエンティティ#Aが送信するV2Xメッセージ(P−搬送波(/セル)#Aサブフレーム#2、サブフレーム#3、サブフレーム#4、サブフレーム#5)、V2Xエンティティ#Bが送信するV2Xメッセージ(P−搬送波(/セル)#Aサブフレーム#3)を(持続的に)受信し、残りの一つの受信チェーンを(RXチェーンスイッチング(または、搬送波スイッチング)動作を介して)S−搬送波(/セル)#B(または、V2X制御(/データ)メッセージ受信用途で設定された残りの搬送波(/セル))に割り当てることによって、V2Xエンティティ#Bが送信するV2Xメッセージ(S−搬送波(/セル)#Bサブフレーム#5、サブフレーム#6、サブフレーム#7)を受信することもできる。
【0164】
前記説明した提案方式に対する一例も本発明の具現方法のうち一つとして含まれることができるため、一種の提案方式と見なされることは明白な事実である。また、前記説明した提案方式は、独立に具現されることもできるが、一部提案方式の組み合わせ(または、併合)形態で具現されることもできる。一例として、本発明では、説明の便宜のために、3GPP LTE/LTE−Aシステムに基づいて提案方式を説明したが、提案方式が適用されるシステムの範囲は、3GPP、LTEシステム外に他のシステムにも拡張可能である。一例として、本発明の提案方式は、D2D通信のためにも拡張適用可能である。ここで、一例として、D2D通信は、端末が他の端末と直接無線チャネルを利用して通信することを意味し、ここで、一例として、端末は、ユーザの端末を意味するが、基地局のようなネットワーク装備が端末間の通信方式によって信号を送/受信する場合にも一種の端末と見なされる。
【0165】
図16は、本発明の実施例が具現される端末を示すブロック図である。
【0166】
図16を参照すると、端末1100は、プロセッサ1110、メモリ1120及びRF部(radio frequency unit)1130を含む。プロセッサ1110は、提案された機能、過程及び/または方法を具現する。
【0167】
RF部1130は、プロセッサ1110と連結されて無線信号を送信及び受信する。
【0168】
プロセッサは、ASIC(application−specific integrated circuit)、他のチップセット、論理回路及び/またはデータ処理装置を含むことができる。メモリは、ROM(read−only memory)、RAM(random access memory)、フラッシュメモリ、メモリカード、格納媒体及び/または他の格納装置を含むことができる。RF部は、無線信号を処理するためのベースバンド回路を含むことができる。実施例がソフトウェアで具現される時、前述した技法は、前述した機能を遂行するモジュール(過程、機能など)で具現されることができる。モジュールは、メモリに格納され、プロセッサにより実行されることができる。メモリは、プロセッサの内部または外部にあり、よく知られた多様な手段でプロセッサと連結されることができる。
図1
図2
図3
図4
図5(a)】
図5(b)】
図5(c)】
図5(d)】
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16