(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6542471
(24)【登録日】2019年6月21日
(45)【発行日】2019年7月10日
(54)【発明の名称】箔ラミネーションユニットを有する枚葉箔押機
(51)【国際特許分類】
B41F 19/00 20060101AFI20190628BHJP
B41F 16/00 20060101ALI20190628BHJP
【FI】
B41F19/00
B41F16/00 Z
【請求項の数】15
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-517342(P2018-517342)
(86)(22)【出願日】2016年11月3日
(65)【公表番号】特表2018-532618(P2018-532618A)
(43)【公表日】2018年11月8日
(86)【国際出願番号】IB2016056617
(87)【国際公開番号】WO2017077477
(87)【国際公開日】20170511
【審査請求日】2018年4月3日
(31)【優先権主張番号】15193276.1
(32)【優先日】2015年11月5日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591031371
【氏名又は名称】カーベーアー−ノタシ ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ギギ,マティアス
(72)【発明者】
【氏名】バウアー,レジナ
(72)【発明者】
【氏名】クリーゲ,ビョルン
【審査官】
中村 博之
(56)【参考文献】
【文献】
特表2000−515440(JP,A)
【文献】
特表2010−521319(JP,A)
【文献】
独国特許出願公開第04407618(DE,A1)
【文献】
特開2005−059340(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2005/0263253(US,A1)
【文献】
特表2007−533506(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41F 19/00
B41F 16/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一連のシート(S)上に箔材料を転写またはラミネートできるように設計された箔付けユニット(2*)を含む枚葉箔押機(10*)であって、
箔材料が、箔供給システム(3)により供給される箔キャリア(FC)の形態で前記箔付けユニット(2*)に供給され、
前記箔付けユニット(2*)が、スタンピングシリンダ(21)と、複数のカウンタ圧力ユニット(25)とを備え、
前記スタンピングシリンダ(21)が、その外周に少なくとも1の外周スタンピング部(210)を有するとともに、前記スタンピングシリンダ(21)の外周のまわりに順々に配列された一連のスタンピングセグメント(211*;211**)を含み、前記スタンピングシリンダ(21)が、シート移送シリンダとしても機能するとともに、複数のシート保持ユニット(21a)を含み、それらシート保持ユニットが、前記スタンピングシリンダ(21)の外周のまわりに配列され、かつ一連のシート(S)を前記スタンピングシリンダ(21)の外周に押し付けて保持するように設計されており、
前記複数のカウンタ圧力ユニット(25)が、前記スタンピングシリンダ(21)の外周の一部分の周囲に配置されるとともに、前記スタンピングセグメント(211*;211**)の外面に一連のシート(S)および箔キャリア(FC)を押し付けるように設計されており、箔キャリア(FC)が、前記箔供給システム(3)によりシート(S)と前記スタンピングセグメント(211*;211**)との間に供給されるものであり、
各カウンタ圧力ユニット(25)が、前記スタンピングシリンダ(21)の外周スタンピング部(210)と協働するように配置された少なくとも1の外周押圧要素(255)を有するシリンダユニット(250,255)として設計されており、
前記カウンタ圧力ユニット(25)が、少なくとも1の専用駆動装置(26)によって回転駆動され、
前記スタンピングシリンダ(21)が、前記スタンピングシリンダ(21)の外周上に設けられた複数の外周スタンピング部(210)を備え、前記複数の外周スタンピング部(210)が、複数の軸方向位置で前記スタンピングシリンダ(21)の回転軸に沿って軸方向に配列されており、
各カウンタ圧力ユニット(25)には、前記スタンピングシリンダ(21)の外周スタンピング部(210)の軸方向位置に対応する複数の軸方向位置に、前記シリンダユニット(250,255)の回転軸に沿って軸方向に配列された複数の外周押圧要素(255)が設けられ、
前記箔供給システム(3)が、前記外周スタンピング部(210)の軸方向位置に対応する複数の軸方向位置に箔キャリア(FC)を供給するように構成されており、
前記スタンピングシリンダ(21)の外周に対する各カウンタ圧力ユニット(25)の距離が調節可能であることを特徴とする枚葉箔押機。
【請求項2】
請求項1に記載の枚葉箔押機(10*)において、
前記カウンタ圧力ユニット(25)が、共通の駆動装置によって回転駆動されるか、または各カウンタ圧力ユニット(25)が、個別の駆動装置(26)によって回転駆動されることを特徴とする枚葉箔押機。
【請求項3】
請求項1または2に記載の枚葉箔押機(10*)において、
各カウンタ圧力ユニット(25)の回転速度または角度位置が、前記スタンピングシリンダ(21)の回転速度または角度位置に対して調節可能であることを特徴とする枚葉箔押機。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の枚葉箔押機(10*)において、
各スタンピングセグメント(211*;211**)が、箔キャリア(FC)の対応する部分と接触する1またはそれ以上のスタンピング面(211a*;211a**)を含むことを特徴とする枚葉箔押機。
【請求項5】
請求項4に記載の枚葉箔押機(10*)において、
各スタンピングセグメント(211*)が、一連のシート(S)上に箔材料の連続ストライプを付けるように設計された連続スタンピング面(211a*)を備えるか、または各スタンピングセグメント(211**)が、一連のシート(S)上に箔材料の1またはそれ以上の対応する部分を付けるように設計された1またはそれ以上の個別のスタンピング面(211a**)を備えることを特徴とする枚葉箔押機。
【請求項6】
請求項4または5に記載の枚葉箔押機(10*)において、
前記スタンピングシリンダ(21)の外周に対する各カウンタ圧力ユニット(25)の距離が調節可能であり、各スタンピングセグメント(211*;211**)が、箔キャリア(FC)が存在する領域の外側で一連のシート(S)と接触する任意の支持トラックを有していないことを特徴とする枚葉箔押機。
【請求項7】
請求項1または6に記載の枚葉箔押機(10*)において、
各カウンタ圧力ユニット(25)が偏心ベアリング(27)に取り付けられていることを特徴とする枚葉箔押機。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか一項に記載の枚葉箔押機(10*)において、
前記スタンピングシリンダ(21)の各外周スタンピング部(210)の公称直径(D21)と前記カウンタ圧力ユニット(25)の各外周押圧要素(255)の公称直径(D25)との比(D21/D25)が、整数倍であることを特徴とする枚葉箔押機。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか一項に記載の枚葉箔押機(10*)において、
各外周押圧要素(255)が、前記カウンタ圧力ユニット(25)の共通のシャフト(250)上に支持される押圧リングとして設計されていることを特徴とする枚葉箔押機。
【請求項10】
請求項9に記載の枚葉箔押機(10*)において、
前記共通のシャフト(250)に沿った各押圧リングの軸方向位置が調節可能であることを特徴とする枚葉箔押機。
【請求項11】
請求項9または10に記載の枚葉箔押機(10*)において、
前記カウンタ圧力ユニット(25)の各押圧リングが、一連のシート(S)と接触する外側環状支持部分(255a)と、前記外側環状支持部分(255a)の内側に位置する圧縮可能な弾性材料からなる内側部分(255b)とを備えることを特徴とする枚葉箔押機。
【請求項12】
請求項11に記載の枚葉箔押機(10*)において、
前記外側環状支持部分(255a)が、100N/mm2を超える圧力抵抗または300N/mm2よりも大きい圧力抵抗を有する材料から形成されるか、そのような材料で被覆されていることを特徴とする枚葉箔押機。
【請求項13】
請求項1乃至12の何れか一項に記載の枚葉箔押機(10*)において、
前記カウンタ圧力ユニット(25)が、メンテナンス操作中に前記スタンピングシリンダ(21)から引き離すことができる可動キャリッジ(28)に取り付けられていることを特徴とする枚葉箔押機。
【請求項14】
請求項13に記載の枚葉箔押機(10*)において、
前記可動キャリッジ(28)が、前記スタンピングシリンダ(21)の回転軸と平行な方向に沿ってスライド可能であることを特徴とする枚葉箔押機。
【請求項15】
請求項1乃至14の何れか一項に記載の枚葉箔押機(10*)において、
前記スタンピングシリンダ(21)の回転方向に対して上流端に位置する前記カウンタ圧力ユニット(25)のうちの一つには、変形可能な材料からなる外側コーティングが設けられていることを特徴とする枚葉箔押機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して枚葉箔押機に関する。より詳細には、本発明は、本願の請求項1のプリアンブルに規定された枚葉箔押機に関する。特に、本発明は、紙幣などのセキュリティ文書の製造に適用可能である。
【背景技術】
【0002】
枚葉箔押機、特に箔材料のホットスタンピングを行うように構成された箔押機は、例えば、国際公開第97/35721号、国際公開第97/35794号、国際公開第97/35795号、国際公開第97/36756号、国際公開第03/043823号、国際公開第2005/102733号および国際公開第2008/104904号から従来より知られている。それら刊行物は、その全体が引用により本明細書に援用されるものである。
【0003】
図1は、上記刊行物に記載されているように、符号10で全体的に示された従来の枚葉箔押機の図である。この枚葉箔押機10は、一連のシートS上に箔材料のホットスタンピングを行うように設計されており、一連のシートは、シート供給パイル15から連続的に個々のシートSを供給するシートフィーダ1から供給されて、下流側に位置する箔付けユニット2で処理される。この例では、箔付けユニット2は、一連のシートS上への箔材料のホットスタンピングにより転写できるように設計されており、箔材料は、通常、箔供給システム3によって連続バンドの形態で箔付けユニット2に供給される。より正確には、シートS上に転写される箔材料は、適当な箔キャリアFC上に与えられ、この箔キャリアは、熱と圧力を組み合わせた適用の下で箔キャリアFCからシートS上へ箔材料を転写できるように、シートSの表面と接触する。
【0004】
代替的には、箔付けユニット2は、例えば、国際公開第2008/104904号(同様に全体が引用により本明細書に援用される国際公開第2009/112989号および国際公開第2010/001317号も参照)に開示されているように、箔材料のラミネーションを可能にするように構成することができる。この場合、箔キャリアFCの少なくとも一部が、与えられる箔材料の一部としてシートS上にラミネートされる。
【0005】
箔付けユニット2は、加熱されたスタンピングシリンダ21を備え、このシリンダは、少なくとも1の、通常は複数の外周スタンピング部210(
図2を参照)を有し、それらスタンピング部が、スタンピングシリンダ21の外周上に設けられている。図示の例では、スタンピングシリンダ21は、実際に、複数(すなわち6つ)の外周スタンピング部210を備え、それらが、スタンピングシリンダの外周上に設けられるとともに、複数の軸方向位置でスタンピングシリンダ21の回転軸に沿って(すなわち、
図2の方向xに沿って)軸方向に配列され、複数の軸方向位置が、シートS上に存在するセキュリティインプリントの異なる列に対応することが分かる。各外周スタンピング部210は、実際に連続的なスタンピングセグメント211を含み、それらセグメントが、スタンピングシリンダ21の外周のまわりに(すなわち、
図2の周方向yに沿って)順々に配置されている。図示の例では、スタンピングシリンダ21は4セグメントシリンダであり、よって、各スタンピング部210が、そのような4つのスタンピングセグメント211を含み、それらセグメントが、通常は、国際公開第2005/102733号に詳述されているように、対応するシリンダピット21bにおいて両端が固定される別個のスタンピングセグメントとして設計されている。
【0006】
図1および
図2に示すように、スタンピングシリンダ21に供給される一連の各シートSの前縁を保持するために、4組のシート保持部21aがスタンピングシリンダ21の外周のまわりに配列されている。これらのシート保持部21aは、具体的に、シートSの前縁を吸引により保持するように設計された吸引ユニットとして構成することができる。図示の例では、シート保持ユニット21aは、
図2に示すように、また、国際公開第2005/102733号に詳述されているように、シリンダピット21bに設けられて固定された複数のブリッジ要素215に一体化されている。
【0007】
箔キャリアFCは、典型的には、箔供給システム3によって箔付けユニット2に供給され、箔供給システムは、箔キャリアFCを供給する1またはそれ以上の供給ロール31と、符号FC
*で示す使用された箔キャリアを巻き取る1またはそれ以上の巻き取りロール32とを備える。箔供給システム3の具体的な構造は、本発明において主要な関連性を持つものではない。箔供給システム3が、シートSと位置合わせして箔キャリアFCを供給するように構成されていることを理解すれば十分である。箔供給システム3の構造および動作に関するより詳細な情報は、例えば国際公開第94/13487号において見出すことができる。この刊行物は、その全体が引用により本明細書に援用される。
【0008】
上述した箔押機では、箔キャリアFCが、箔供給システム3から、スタンピングシリンダ21の外周スタンピング部210と、シートフィーダ1から供給されるシートSとの間に供給されることが理解されよう。
【0009】
図1に示すように、複数のカウンタ圧力ローラ22が、スタンピングシリンダ21の外周の一部分のまわりに設けられている。より正確には、カウンタ圧力ローラ22は、対になって配置されるとともに、スタンピングシリンダ21の外周の下側部分のまわりに配列されており(図示の例では、
図1に示すように、3組のこのようなカウンタ圧力ローラ22が設けられており)、シートSの下面をスタンピングシリンダ21の外周に押し付けて、それにより箔キャリアFCとシートSとの間に適切な圧力を確実に加えて、箔材料をそのキャリアFCからシートS上に転写させる。この転写は、適切な温度に加熱されたスタンピングシリンダ21を介して加えられる熱の適用によっても確実なものとされる。一組のカウンタ圧力ローラ22は、典型的には個別のカウンタ圧力ユニットとして構成され、その各々が、スタンピングシリンダ21の外周に、より正確には外周スタンピング部210の外周に、カウンタ圧力ローラ22を押し付けるように設計された空気圧(または油圧)シリンダまたはピストン23を備える個別のカウンタ圧力ユニットとして構成されている。引用によりその全体が本明細書に援用される欧州特許出願公開第0582178号明細書および国際公開第2005/120832号は、箔押機用のカウンタ圧力ローラシステムのさらに詳細を開示している。
【0010】
上記の場合には、
図2に示すように、外周スタンピング部210の各スタンピングセグメント211が、典型的には、箔キャリアFCと接触する対応する1または複数のスタンピング面211aと、カウンタ圧力ローラ22に連続的な支持を提供するために、箔キャリアFCが存在する領域の外側でシートSと接触する、1または複数のスタンピング面211aの両側に配置された支持トラック211bとを備える。
図2に示すように、支持トラック211bは、ブリッジ要素215と位置合わせされており、それにより、シリンダピット21bの領域を横断してカウンタ圧力ローラー22の途切れない支持が提供されるようになっている。
図2の例では、各スタンピングセグメント211が、複数の個別のスタンピング面211aを含むが、それは、シートS上への箔材料の個々のパッチ付けに典型的なものである。ストライプ付けの場合、各スタンピングセグメント211は、典型的には、箔材料の対応する連続ストライプをシートS上に転写させるための単一の連続的なスタンピング面211aを含む。
【0011】
箔付けユニット2の下流には、典型的には、スタンピングシリンダ21から、シートSと、シートSにまだ付着している箔キャリアFCとを搬送するためのコンベヤシステム4が設けられている。このコンベヤシステム4は、通常、コンベヤベルトまたはバンド41と、冷却ローラ42とを備え、この冷却ローラの外周のまわりを、シートSおよび箔キャリアFCが移動することにより、シートSおよび箔キャリアFCを冷却し、それにより箔キャリアFCの分離前に、シートS上への箔材料の接着性を向上させるようにしている。箔分離装置45は、シートSから箔キャリアFCを分離するために、典型的には、コンベヤシステム4の経路に沿って設けられる。使用された箔キャリアFC
*は、その後、1または複数の巻き取りロール32に巻き取られるか、場合によっては、箔付けユニット2の上流に再び供給される(これは典型的にはパッチ付けの場合に行われる−国際公開第94/13487号を再度参照)。
【0012】
コンベヤシステム4の下流側端部には、典型的には吸引ドラム46が設けられ、この吸引ドラムが、区別のために符号S
*で示す処理されたシートを移送および送出するために、下流側に位置する箔押機10のシート送出ユニット5のチェーングリッパシステムと協働する。より詳細には、チェーングリッパシステムは、チェーンホイール51,52から構成され、チェーンホイールは、それらの間に延びる一対の無端チェーン53を駆動し、無端チェーンは、間隔を空けて設けられたグリッパバー54を保持し、グリッパバーは、処理されたシートS
*をその前縁で保持するとともに、処理されたシートS
*を個別に移送して、シート送出パイル55の上に送出する。複数の送出パイル55を設けることもできる。
【0013】
上述した枚葉箔押機の問題点は、シートSの下面に押し付けられるカウンタ圧力ローラ22がシートSに制動力を及ぼすという事実にあり、この制動力により、スタンピングシリンダ21の外周に対してシートSの望ましくない移動または滑りを生じることがある。このようなシートSの移動または滑りは、箔キャリアFCに応力を生じさせ、かつ/またはシートSに対する箔材料の適切な位置合わせに影響を及ぼすことから、望ましくない。
【0014】
このため、従来の枚葉箔押機を改良する必要性がある。
【発明の概要】
【0015】
したがって、本発明の全体的な目的は、従来の枚葉箔押機を改良することである。
【0016】
より正確には、本発明の目的は、シート移送および箔付けが改善されるような枚葉箔押機を提供することである。
【0017】
これらの目的は、特許請求の範囲に規定された枚葉箔押機により達成される。
【0018】
このため、一連のシート上に箔材料を転写またはラミネートできるように設計された箔付けユニットを含む枚葉箔押機が提供されており、箔材料が、箔供給システムにより供給される箔キャリアの形態で箔付けユニットに供給される。箔付けユニットは、スタンピングシリンダを備え、このスタンピングシリンダが、その外周に少なくとも1の外周スタンピング部を有するとともに、スタンピングシリンダの外周のまわりに順々に配列された一連のスタンピングセグメントを含み、スタンピングシリンダが、シート移送シリンダとしても機能するとともに、複数のシート保持ユニットを含み、それらシート保持ユニットが、スタンピングシリンダの外周のまわりに配列され、かつスタンピングシリンダの外周に押し付けて一連のシートを保持するように設計されている。箔付けユニットはさらに、複数のカウンタ圧力ユニットを備え、それらカウンタ圧力ユニットが、スタンピングシリンダの外周の一部分の周囲に配置されるとともに、スタンピングセグメントの外面に一連のシートおよび箔キャリアを押し付けるように設計されており、箔キャリアが、箔供給システムによりシートとスタンピングセグメントとの間に供給される。本発明によれば、各カウンタ圧力ユニットが、スタンピングシリンダの外周スタンピング部と協働するように配置された少なくとも1の外周押圧要素を有するシリンダユニットとして設計されており、カウンタ圧力ユニットが、少なくとも1の専用駆動装置によって回転駆動される。
【0019】
好ましくは、カウンタ圧力ユニットは、共通の駆動装置によって回転駆動される。代替的には、各カウンタ圧力ユニットは、個別の駆動装置によって回転駆動される。
【0020】
有利には、各カウンタ圧力ユニットの回転速度または角度位置が、スタンピングシリンダの回転速度または角度位置に対して調節可能であり、それにより、カウンタ圧力ユニットの動作を調整してシートの移送を改善し、箔キャリヤからシートへの箔材料の転写を最適化するのを補助する。
【0021】
複数のインプリントの列を含むシート上に印刷された複数のセキュリティインプリントのマトリクス配列がシートに設けられている用途では、スタンピングシリンダが、スタンピングシリンダの外周上に設けられた複数の外周スタンピング部を備えるように構成されており、複数の外周スタンピング部が、複数の軸方向位置でスタンピングシリンダの回転軸に沿って軸方向に配列されている。また、各カウンタ圧力ユニットには、スタンピングシリンダの外周スタンピング部の軸方向位置に対応する複数の軸方向位置に、シリンダユニットの回転軸に沿って軸方向に配列された複数の外周押圧要素が設けられている。さらに、箔供給システムは、外周スタンピング部の軸方向位置に対応する複数の軸方向位置に箔キャリアを供給するように構成されている。
【0022】
各スタンピングセグメントは、箔キャリアの対応する部分と接触する1またはそれ以上のスタンピング面を含むことができる。一実施例では、各スタンピングセグメントが、一連のシート上に箔材料の連続ストライプを付けるように設計された連続スタンピング面を備える。別の実施例では、各スタンピングセグメントが、一連のシート上に箔材料の1またはそれ以上の対応する部分を付けるように設計された1またはそれ以上の個別のスタンピング面を備える。
【0023】
本発明の特に好ましい実施形態によれば、スタンピングシリンダの外周に対する各カウンタ圧力ユニットの距離が調節可能であり、これは、各カウンタ圧力ユニットを偏心ベアリングに取り付けることによって、好適に達成することができる。
【0024】
スタンピングシリンダの外周に対するカウンタ圧力ユニットの距離のそのような調節は、箔キャリアが存在する領域の外側で一連のシートと典型的には接触するスタンピングセグメント上の支持トラックが、もはや必要ではなく、それを省くことができる点において、特に有利である。
【0025】
本発明の別の有利な実施形態によれば、スタンピングシリンダの各外周スタンピング部の公称直径とカウンタ圧力ユニットの各外周押圧要素の公称直径との比が、整数倍である。これは、望ましくないシートの品質不良を引き起こし得る、1または複数の外周押圧要素の表面上のシートからの残留物(インク残渣など)がシートの異なる位置に戻されるという危険性がないという点において有利である。
【0026】
好ましくは、各外周押圧要素は、カウンタ圧力ユニットの共通のシャフトに支持された押圧リングとして設計される。この場合、カウンタ圧力ユニットの各押圧リングは、有利には、一連のシートと接触する外側環状支持部分と、外側環状支持部分の内側に位置する圧縮可能な弾性材料からなる内側部分とを備えることができ、内側部分が、外周スタンピング部の厚さの僅かな変動の吸収を補助することができる。外側環状支持部分は、好適には、100N/mm
2を超える圧力抵抗、好ましくは300N/mm
2よりも大きい圧力抵抗を有する材料から形成されるか、そのような材料で被覆されている。適当な材料は、具体的には、独国ブッパタール所在のSachsenroder有限合資会社から市販されているGesadur(登録商標)である(Gesadur(登録商標)は、Fa.G.H.Sachsenroder社の登録商標である)。
【0027】
本発明の好ましい実施形態によれば、カウンタ圧力ユニットは、メンテナンス操作中に、スタンピングシリンダから引き離すことができる可動キャリッジに取り付けられ、その可動キャリッジが、好ましくは、スタンピングシリンダの回転軸と平行な方向に沿ってスライド可能である。
【0028】
本発明のさらに別の好ましい実施形態によれば、スタンピングシリンダの回転方向に対して上流端に位置するカウンタ圧力ユニットのうちの一つには、ゴムまたはポリウレタンのような変形可能な材料からなる外側コーティングが設けられている。
【0029】
本発明のさらに有利な実施形態を以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本発明のその他の特徴および利点は、本発明の実施形態の以下の詳細な説明を読むことにより、より明確になるであろう。それら実施形態は、非限定的な例として単に提示され、添付の図面によって例示されるものである。
【
図2】
図2は、
図1の箔押機に使用される従来のスタンピングシリンダの部分斜視図である。
【
図3】
図3は、本発明の好ましい実施形態に係る箔押機の概略図である。
【
図4】
図4aは、本発明において箔材料のストライプ付けに適したスタンピングセグメントの概略図であり、
図4bは、本発明において箔材料のパッチ付けに適したスタンピングセグメントの概略図である。
【
図5】
図5は、本発明の箔押機のカウンタ圧力システムの一部として使用するのに適した好ましいカウンタ圧力ユニットの概略部分斜視図である。
【
図6】
図6aおよび
図6bは、
図3の箔押機の箔付けユニットの改良をそれぞれ示す概略的な側面図および上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
紙幣のようなセキュリティ文書の製造用の枚葉箔押機の特定の状況において、本発明を説明することとする。この場合、シートは、典型的には、シート上に印刷される複数のセキュリティインプリントのマトリックス配列を備える。
【0032】
図3は、本発明の好ましい実施形態に係る枚葉箔押機10
*の概略図である。枚葉箔押機10
*の関連するサブグループは、基本的に、
図1に示した枚葉箔押機10の対応するサブグループ、すなわち、シートフィーダ1、箔供給システム3、コンベヤシステム4および送出ユニット5と同じである。
図1と同じ符号で示されている
図3の箔押機10
*の構成要素は再び説明しないが、それら構成要素の一部は、本発明に直接影響しないことを理解されたい。具体的に、
図3に概略的に示すコンベヤシステム4および送出ユニット5の構成は、本発明に直接影響を与えるものではなく、箔押機10
*のスタンピングシリンダ21からのシートSおよび箔キャリアFCの移送を確実にするために、その他の解決策も考えられる。
【0033】
図3の箔押機10
*は、具体的に、
図1のスタンピングシリンダ21と基本的に類似のスタンピングシリンダ21を含む、符号2
*で示す箔付けユニットを備えることを特徴とする。このスタンピングシリンダ21は、スタンピングシリンダ21の外周に設けられた少なくとも1の外周スタンピング部210を同様に有し、スタンピングシリンダ21の外周のまわりに順々に配列された一連のスタンピングセグメント211
*または211
**(
図4aおよび
図4bに概略的に示されている)を備える。
図1および
図2の従来例の場合と同様に、スタンピングシリンダ21は4セグメントシリンダであり、シート移送シリンダとして機能する。このため、スタンピングシリンダ21は同様に、複数のシート保持ユニット21aを備え、それらシート保持ユニットが、スタンピングシリンダ21の外周のまわりに分布し、一連のシートSをスタンピングシリンダ21の外周に押し付けて保持するように設計されている。
【0034】
主な相違点は、スタンピングシリンダ21と協働してシートSに圧力を加えるために使用されるカウンタ圧力システムの構造および動作にある。好ましい実施形態では、複数(すなわち、図示の例では3つ)のカウンタ圧力ユニット25が、スタンピングシリンダ21の外周の一部分の周囲に配置されている。これらのカウンタ圧力ユニット25は、スタンピングシリンダ21の回転軸と平行に延在し、一連のシートSと箔キャリアFCとをスタンピングセグメント211
*/211
**の外面に押し付けるように設計されている。従来の解決策とは対照的に、各カウンタ圧力ユニット25は、スタンピングシリンダ21の外周スタンピング部210と協働するように配置された少なくとも1の外周押圧要素255(すなわち、外周スタンピング部210と同じ数の外周押圧要素255)を有するシリンダユニット250/255(
図5を参照)として設計されている。
図5に概略的に示すように、各カウンタ圧力ユニット25の外周押圧要素255は、好ましくは、共通のシャフト250に支持された押圧リングとして設計され、その回転軸が、スタンピングシリンダ21の回転軸と平行になっている。これに関連して、共通のシャフト250に沿った各押圧リングの軸方向位置は、有利なことに、スタンピングシリンダ21の外周スタンピング部210の軸方向位置に応じて各外周押圧要素255の位置決めを可能にするように調整可能である。
【0035】
これに代えて、外周押圧要素255は、カウンタ圧力ユニット25として機能するシリンダ本体に取り付けられた適切なスリーブまたはプレート部材の外周に設けられた複数の押圧部として設計することができる。これに関連して、スリーブまたはプレート部材には、例えば、外周押圧要素として機能し、かつその目的に適した材料からなる複数のレリーフ部分(relief portions)を設けることができる。そのような材料は、具体的には、独国ブッパタール所在のSachsenroder有限合資会社から市販されているGesadur(登録商標)材料とすることができる(Gesadur(登録商標)は、Fa.G.H.Sachsenroder社の登録商標である)。
【0036】
スタンピングシリンダ21が、スタンピングシリンダ21の外周上に設けられた複数の外周スタンピング部210を含み、外周スタンピング部210が、複数の軸方向位置でスタンピングシリンダ21の回転軸に沿って軸方向に配列される場合には、各カウンタ圧力ユニット25に、同様に、複数の外周押圧要素255が設けられ、それら外周押圧要素が、スタンピングシリンダ21の外周スタンピング部210の軸方向位置に対応する複数の軸方向位置でシリンダユニット250/255の回転軸に沿って軸方向に配列される(例えば、
図6bを参照)。そのような状況では、箔供給システム3は、外周スタンピング部210の軸方向位置に対応する複数の軸方向位置で複数の箔キャリアFCを供給するように構成される。
【0037】
本発明によれば、カウンタ圧力ユニット25は、少なくとも1の専用駆動装置によって回転駆動される。これは、すべてのカウンタ圧力ユニット25を駆動する共通の駆動装置であってもよく、または好ましくは
図3に概略的に示すように、対応するカウンタ圧力ユニット25の一つをそれぞれ駆動するサーボモータなどの個別の駆動装置26であってもよい。有利には、各カウンタ圧力ユニット25の回転速度または角度位置は、スタンピングシリンダ21の回転速度または角度位置に対して調整可能である。これは、カウンタ圧力ユニット25の動作を調整してシートSの搬送を改善し、箔キャリアFCからシートS上への箔材料の最適な転写を確実にするのを補助する。これにより、(必要に応じて)あるスタンピングセグメント211
*/211
**から次のスタンピングセグメントへと個々のカウンタ圧力ユニット25を適切に再配置することが可能になる。
【0038】
図4aおよび
図4bに示すように、各スタンピングセグメント211
*/211
**は、シートS上に転写される箔材料に対応する箔キャリアFCの対応する部分と接触する1またはそれ以上のスタンピング面211a
*/211a
**を含む。
図4aは、ストライプ付けに使用されるスタンピングセグメント211
*の構造を示している。この場合、スタンピングセグメント211
*は、一連のシートS上に箔材料の連続ストライプを与えるように設計された連続スタンピング面211a
*を含む。
図4bは、パッチ付けに使用されるスタンピングセグメント211
**の構造を示している。この例では、スタンピングセグメント211a
**が、一連のシートS上に箔材料の1または複数の対応する部分(またはパッチ)を与えるように設計された1またはそれ以上の個別のスタンピング面211a
**を備える。図示の例では、6つの個別のスタンピング面211a
**が設けられているが、これは、6列のセキュリティインプリントを保持するシートSへのパッチ付けに都合が良い。関連するスタンピング面の数および位置は、処理されるシートSの具体的なレイアウトに依存することが理解されよう。
【0039】
好ましくは、従来の解決策とは対照的に、スタンピングシリンダ21の外周に対する各カウンタ圧力ユニット25の距離は調節可能である。すなわち、各カウンタ圧力ユニット25は、従来の解決策のように、空気圧システムまたは油圧システムの動作下でスタンピングシリンダ21の外周に押し付けられるのではなく、スタンピングシリンダ21の外周に対する各カウンタ圧力ユニット25自体の位置が調整される。換言すれば、各カウンタ圧力ユニット25によって結果として加えられる圧力は、スタンピングシリンダ21に対するシリンダユニット250/255の実際の位置と、カウンタ圧力ユニット25とスタンピングシリンダ21との間に介在するシートSと箔キャリアFCの合計厚さとに依存する。スタンピングシリンダ21の外周に対するカウンタ圧力ユニット25の距離のそのような調整は、好ましくは、
図3に符号27で概略的に示す適切な偏心ベアリングに各カウンタ圧力ユニットを取り付けることによって達成される。
【0040】
スタンピングシリンダ21の外周に対するカウンタ圧力ユニット25の位置の調整は、
図4aおよび
図4bに示すように、スタンピングセグメント211
*/211
**に(
図2に示す支持トラック211bのような)支持トラックを設ける必要がない点において、特に有利である。すなわち、
図2に示す従来技術の既知のスタンピングセグメント211とは対照的に、本発明の各スタンピングセグメント211
*/211
**は、有利なことに、箔キャリアFCが存在する領域の外側に一連のシートSと接触する如何なる支持トラックも有していない。実際のところ、そのような場合には、スタンピングシリンダ21の外周に対する(より正確には外周スタンピング部210の外周に対する)シリンダユニット250/255の連続的な支持は、もはや必要ではない。これにより、非常に興味深いことに、シートSとの接触面が著しく減少して、それに付随する摩擦も著しく減少し、それが、箔材料の貼付中にシートSの望ましくない動きまたは滑りを低減ひいては防止するのに役立ち、さらには、箔材料がシートS上に適用される領域の外側の両方でシートSの表面との望ましくない相互作用を抑制することができる。
【0041】
本発明の特に好ましい実施形態によれば、カウンタ圧力ユニット25の各外周押圧要素255の公称直径D
25に対するスタンピングシリンダ21の各外周スタンピング部210の公称直径D
21の比は、好ましくはかつ有利には、整数倍である。図示の例では、この比D
21/D
25が4に等しい。これは、(スタンピングシリンダ21およびカウンタ圧力ユニット25が同期して回転するか、または各スタンピングセグメント211
*/211
**のスタートで再配置されると仮定した場合に)1または複数の外周押圧要素255の外周とスタンピングシリンダ21の各セグメントとの間に一対一の関係が存在するという点において、すなわち、1または複数の外周押圧要素255の外周の各点が常にシートの表面上の同じ点に対応するという点において、特に有利である。このため、シートSから1または複数の外周押圧要素255の表面上に残留物(インク残渣など)の望ましくない移動が生じ、それがシートSの異なる位置に戻されて、シートSの望ましくない品質不良をもたらすという危険性はない。
【0042】
さらに、好ましくは、
図5に概略的に示すように、カウンタ圧力ユニット25の(外周押圧要素255として機能する)各押圧リングは、有利には、一連のシートSと接触する外側環状支持部分255aと、外側環状支持部分255aの内側に位置する圧縮可能な弾性材料からなる内側部分255bとを備える。外側環状支持部分255aは、有利には、100N/mm
2を超える圧力抵抗、好ましくは300N/mm
2よりも大きい圧力抵抗を有する材料から形成されるか、そのような材料で被覆されている。これに対する適切な材料は、独国ブッパタール所在のSachsenroder有限合資会社から市販されているGesadur(登録商標)材料であり(
http://www.sachsenroeder.com − Gesadur(登録商標)は、Fa.G.H.Sachsenroder社の登録商標である)、この材料は300N/mm
2程度の圧力抵抗を示す。Gesadur(登録商標)材料は、その材料特性、特に安定性、耐久性および防汚特性に関して、本発明に理想的に適している。
【0043】
図6aおよび
図6bに示す本発明の別の好ましい実施形態によれば、カウンタ圧力ユニット25は、メンテナンス操作中にスタンピングシリンダ21から引き離すことができる可動キャリッジ28に(関連する駆動装置26とともに)取り付けられている。
図3の箔押機の箔付けユニット2
*の改良の概略的な側面図および上面図である
図6aおよび
図6bにおいて、可動キャリッジ28は、スタンピングシリンダ21の回転軸に平行な方向に沿って(すなわち、
図6bの方向xに沿って)スライド可能であり、これにより、箔押機10
*からスタンピングシリンダ21を取り外す必要なく、カウンタ圧力ユニット25をスタンピングシリンダ21から引き離すことができる(
図6bでは、符号28
*が、スタンピングシリンダ21から離れた後退位置に移動した可動キャリッジ28を示している)。これにより、特に外周押圧要素255として機能する各押圧リングの位置を調節する目的、あるいは押圧リングの何れか一つを交換する目的で、関連するカウンタ圧力ユニット25にアクセスするのが非常に容易となる。
【0044】
本発明の更なる改良として、スタンピングシリンダ21の回転方向に対して上流端に配置されたカウンタ圧力ユニット25の少なくとも一つ(すなわち、
図3または
図6aにおいて最も右側のカウンタ圧力ユニット25)に、(
図5に示す構成の代わりに)ゴムまたはポリウレタンのような変形可能な材料からなる外側コーティングを設けることができ、それにより、スタンピングシリンダ21の外周に対してシートSを適切に押し付けるとともに、シートSと箔キャリアFCと外周スタンピングセグメント211
*/211
**の関連するスタンピング面211a
*/211a
**との間に捕捉され得る空気を強制的に排出し、それにより、箔材料のシートSの表面への貼り付けを改善することができる。適切なポリウレタン材料は、具体的に、Felix Bottcher有限合資会社(
http://www.boettcher.de)から入手することができる。
【0045】
上述した実施形態には、様々な変更および/または改良を加えることができる。特に、上述した実施形態では、個別の駆動装置によってそれぞれ回転駆動される複数のカウンタ圧力ユニットからなるカウンタ圧力システムが採用されているが、すべてのカウンタ圧力ユニットを回転駆動する共通の駆動装置も考えられる。そのような場合においても、カウンタ圧力ユニットの回転速度または角度位置の個々の調整を可能にする手段を設けることができる。
【0046】
さらに、外周押圧要素は、任意の適切な形態をとることができ、特に、上述したようなカウンタ圧力ユニットとして機能するシリンダ本体に取り付けられた適切なスリーブまたはプレート部材の外周に設けられた複数の押圧部として設計することができる。
【0047】
さらに、
図6aに示す可動キャリッジ28は、代替的には、スタンプシリンダ21の回転軸に垂直な方向に沿ってスタンプシリンダ21から引き離すことができるように設計することもできる。
【符号の説明】
【0048】
10 枚葉(加熱)箔押機(従来技術−
図1)
10
* 枚葉(加熱)箔押機(本発明の好ましい実施形態−
図3)
1 シートフィーダ
15 シート供給パイル
S 一連のシート
S
* 箔材料が付けられた一連のシート(処理されたシート)
2 箔付けユニット(従来技術−
図1)
2
* 箔付けユニット(本発明の好ましい実施形態−
図3)
FC シートS上に付けられる箔材料(例えば、ホットスタンプ箔)を担持または形成する箔キャリア
FC
* 使用された箔キャリア
21 スタンピングシリンダ(例えば、4セグメントシリンダ)
21a スタンピングシリンダ21の外周のまわりに配置され、一連のシートSをスタンピングシリンダ21上に保持するシート保持ユニット
21b シート保持ユニット21aが配置されるシリンダピット
210 スタンピングシリンダ21の外周に設けられ、周方向yに延在する外周スタンピング部/複数の外周スタンピング部が、複数の軸方向位置においてスタンピングシリンダ21の回転軸(横断方向x)に沿って軸方向に分布している
D
21 スタンピングシリンダ21の公称直径、すなわち外周スタンピング部210の公称直径
211 スタンピングシリンダ21の外周のまわりに順々に配置され、外周スタンピング部210を共同で形成する複数(例えば、4つ)の一連のスタンピングセグメント(従来技術−
図1)
211a スタンピングセグメント211の1または複数のスタンピング面(これは箔キャリアFCと接触する)
211b スタンピングセグメント211の支持トラック(これはシートSと接触して、カウンタ圧力ローラ22を連続的に支持する)
215 あるスタンピングセグメント211から次のスタンピングセグメントまでカウンタ圧力ローラの連続支持を確実にするためにシリンダピット21bに設けられたブリッジ要素(従来技術−
図1)
211
* 外周スタンピング部210のスタンピングセグメント形成部分(本発明の実施形態−
図4a)
211a
* スタンピングセグメント211
*の連続スタンピング面(ストライプ付け用)
211
** 外周スタンピング部210のスタンピングセグメント形成部分(本発明の実施形態−
図4b)
211a
** スタンピングセグメント211
**の個々のスタンピング面(パッチ付け用)
22 カウンタ圧力ローラ(従来技術−
図1)
23 カウンタ圧力ローラ22をスタンピングシリンダ21の外周に押し付けるように設計された空気圧シリンダ(従来技術−
図1)
25 カウンタ圧力ユニット/シリンダユニット(本発明の好ましい実施形態−
図3)
250 外周押圧要素255として機能する押圧リングを支持するカウンタ圧力ユニット25の共通シャフト
255 スタンピングシリンダ21の外周スタンピング部210と協働するように配置されたカウンタ圧力ユニット25の外周押圧要素/例えば、外周押圧要素255として機能する複数の押圧リングは、複数の軸方向位置において、カウンタ圧力ユニット25の回転軸(横断方向x)に沿って軸方向に分布している
255a 一連のシートSに接触する外周押圧要素255として機能する押圧リングの外側環状支持部分
255b 圧縮性材料からなる外周押圧要素255として機能する押圧リングの内側部分であり、この内側部分255bは、外側環状支持部分255aの内面に配置されている
D
25 カウンタ圧力ユニット25の公称直径、すなわち外周押圧要素255の公称直径(外側環状支持部分255aの公称直径−D
21/D
25は整数倍である)
26 カウンタ圧力ユニット25を回転駆動するために使用される駆動装置(例えば、サーボモータ)(本発明の好ましい実施形態−
図3)
27 カウンタ圧力ユニット25の偏心ベアリング
28 メンテナンス操作中にスタンピングシリンダ21から引き離すことができる、カウンタ圧力ユニット25を支持する可動キャリッジ(例えば、軸方向にスライド可能なキャリッジ)
28
* 後退位置(
図6b)にある可動キャリッジ28
3 箔供給システム
31 箔キャリアFCを供給する供給ロール
32 使用されたキャリアFC
*を巻き取る巻き取りロール
4 シートSおよび箔キャリアFCをスタンピングシリンダ21から送出するためのコンベヤシステム
41 コンベヤベルト/バンド
42 冷却ローラ
45 箔分離装置
46 吸引ドラム
5 シート送出ユニット
51,52 チェーンホイール
53 チェーンホイール51,52間に延びる無端チェーン
54 無端チェーン53により駆動される間隔を空けて設けられたグリッパバー
55 シート送出パイル
x 横断/軸方向(スタンピングシリンダ21およびカウンタ圧力ユニット25の回転軸と平行)
y 周方向(シート移送方向)