特許第6542488号(P6542488)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フォアベルク ウント コー. インターホールディング ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングの特許一覧

特許6542488清掃用ロボットを使用して床を清掃するためのシステムおよび方法
<>
  • 特許6542488-清掃用ロボットを使用して床を清掃するためのシステムおよび方法 図000002
  • 特許6542488-清掃用ロボットを使用して床を清掃するためのシステムおよび方法 図000003
  • 特許6542488-清掃用ロボットを使用して床を清掃するためのシステムおよび方法 図000004
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6542488
(24)【登録日】2019年6月21日
(45)【発行日】2019年7月10日
(54)【発明の名称】清掃用ロボットを使用して床を清掃するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/28 20060101AFI20190628BHJP
【FI】
   A47L9/28 E
   A47L9/28 Z
【請求項の数】14
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-558422(P2018-558422)
(86)(22)【出願日】2017年5月9日
(65)【公表番号】特表2019-514600(P2019-514600A)
(43)【公表日】2019年6月6日
(86)【国際出願番号】EP2017060999
(87)【国際公開番号】WO2017194505
(87)【国際公開日】20171116
【審査請求日】2018年12月26日
(31)【優先権主張番号】102016108513.8
(32)【優先日】2016年5月9日
(33)【優先権主張国】DE
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515277735
【氏名又は名称】フォアベルク ウント コー. インターホールディング ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Vorwerk & Co. Interholding GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100095614
【弁理士】
【氏名又は名称】越川 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】ヘンドリック ケツ
【審査官】 柿沼 善一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−058624(JP,A)
【文献】 特開2014−183491(JP,A)
【文献】 特開2005−211565(JP,A)
【文献】 特開2012−200462(JP,A)
【文献】 特開2014−147569(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/018437(WO,A1)
【文献】 特開2015−195035(JP,A)
【文献】 特表平06−502558(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0207280(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0032260(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
床を清掃するシステムであって、
− 少なくとも1つの清掃用ロボット(2)を有し、
− 前記清掃用ロボット(2)を制御する制御手段(50)を有する、
システムであって、
− 前記床の少なくとも一部分について、増大した汚染発生を伴う少なくとも1つのイベントを検出する通信手段(52、54)を特徴とし、
− 前記制御手段(50)は、前記床の少なくとも一部分を清掃するための前記清掃用ロボット(2)の使用の強度を、増大した汚染発生を伴う少なくとも1つのイベントの強度に応じて設定する、
システム。
【請求項2】
前記通信手段(52、54)が、前記通信手段(52、54)に接続可能なカレンダーのエントリを、増大した汚染発生を伴うイベントとして識別することを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記通信手段(52、54)が、データベースからの気象情報の項目を、増大した汚染発生を伴うイベントとして識別することを特徴とする、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記通信手段(52、54)が、降雨イベントの継続期間または強度を、増大した汚染発生を伴うイベントの前記強度として検出することを特徴とする、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記通信手段(52、54)が、前記少なくとも1つの気象イベントの数および/または強さを、増大した汚染発生を伴うイベントの前記強度として検出することを特徴とする、請求項3または4に記載のシステム。
【請求項6】
前記制御手段(50)が、前記清掃用ロボット(2)の前記使用の前記強度を、前記清掃の頻度および/または強度を変更することにより設定することを特徴とする、請求項1〜5の何れか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記通信手段(52)が、前記清掃用ロボット(2)に配置されて前記制御手段(50)に接続されること、および前記通信手段(52)が、ワイヤレス通信リンクによってネットワークに接続されることを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記通信手段(54)が、前記清掃用ロボット(2)の外部に配置されてネットワークに接続されること、および前記通信手段(54)が、ワイヤレス通信リンクによって前記制御手段(50)に接続されることを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載のシステム。
【請求項9】
清掃用ロボットを使用して床を清掃する方法であって、
− 前記床の少なくとも一部分について、増大した汚染発生を伴う少なくとも1つのイベントが検出され、
− 前記床の少なくとも一部分を清掃するための前記清掃用ロボットの使用の強度が、増大した汚染発生を伴う少なくとも1つのイベントの強度に応じて設定される、
方法。
【請求項10】
前記通信手段に接続可能なカレンダーのエントリが、増大した汚染発生を伴うイベントとして識別される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
データベースからの気象情報の項目が、増大した汚染発生を伴うイベントとして識別される、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
降雨イベントの継続期間または強度が、増大した汚染発生を伴うイベントの前記強度として検出される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つのイベントの数および/または強さが、増大した汚染発生を伴うイベントの前記強度として検出される、請求項9〜12の何れか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記清掃用ロボットの前記使用の前記強度は、前記清掃の頻度および/または強度を変更することにより設定される、請求項9〜13の何れか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの清掃用ロボットを使用して床を清掃するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
清掃用ロボットは、吸引掃除用ロボット、掃き掃除用ロボット、および拭き掃除用ロボットの形態の、独立して移動および進行するロボットユニットとして周知である。このために、そうした清掃用ロボットは、電動の吸引ファンユニット、および/または電気モータ式のブラシおよび/または剛毛ローラおよび/または拭き掃除用構成要素、ならびに塵埃およびごみの収集区画を有する。
【0003】
清掃用ロボットは、吸引空気流によって、さらに必要な場合は機械式のブラシによって、寄木張り床、ラミネート床、タイル張りの床または石床などの硬質床ならびに布製の床敷物から塵埃および粗い物質を独立して清掃することができる。他方、掃き掃除用ロボットは、空気吸引流を使用せずブラシおよび収集容器によって純粋に機械的に清掃を行う。拭き掃除用ロボットの事例では、通常は水性の洗剤によってごみを床から取り去り通常は高い頻度で動かされる拭き掃除用構成要素も含まれる。
【0004】
床で清掃用ロボットを移動させるために、少なくとも3つの車輪のうちの少なくとも1つを駆動する少なくとも1つのモータ手段が提供される。通常、互いに独立して2つの駆動輪を駆動する2つの電気モータが設けられ、第3の従属輪は清掃用ロボットを安定させるために設けられる。
【0005】
さらに、周知の清掃用ロボットは、清掃用ロボットの周辺の部屋を観測するために、少なくとも1つのセンサ、特に複数のセンサを有する。清掃用ロボットは、センサによって周辺エリアを検出することができ、清掃用ロボットは、ほとんど、何れの壁または物体とも接触することなく進行することができる。
【0006】
清掃用ロボットには、電気部品、特に電気モータ、センサおよび制御装置を動作させるために充電式電池により電力が供給される。家庭用主電源に接続された固定ベースステーションは、充電式電池を充電するため、さらに必要な場合は機器内部の容器に収集されたごみまたはくずの処分のためにも、清掃用ロボットに割り当てられる。
【0007】
清掃用ロボットは、例えば、無線誘導および/または光信号誘導、またはベースステーションと清掃用ロボットとの間の無線通信によって、ベースステーションを自動的に発見する。ベースステーションに行くようにというリクエストは自動的に、要するに、例えばベースステーションと清掃用ロボットとの間の無線通信により達成可能である。同様に清掃用ロボットは、機器内部のごみ容器の充満度に応じて、かつ/または充電式電池の充電状態に応じて、独力でベースステーションに行くことができる。さらに、例えば指定された床エリアの清掃など実施すべきタスクを完了した後、清掃用ロボットは自動的にベースステーションに行くことができる。
【0008】
清掃用ロボットは、清掃用ロボットの前述したアクションを制御する制御手段を有する。制御手段は、入力信号および/または記憶されたデータによって清掃用ロボットのアクションを制御するデータ処理ユニットを有するコンピュータ手段として設計される。
【0009】
記載されている清掃用ロボットは、事前に指定された時間に清掃用ロボットが清掃動作を実施するようにプログラム可能である。清掃用ロボットは、手動でも同様に起動することができる。さらに、部屋のうち清掃動作が実施される一定のエリアを指定することができる。部屋のうちのこのエリアは、部屋の移動可能なエリア全体とすること、またはその一部分のみとすることができる。したがって、この清掃用ロボットの使用は、ユーザによるデータ入力にのみ基づいて制御可能である。
少なくとも清掃用ロボット、制御手段、および通信手段を備えるシステムは、米国特許出願公開第2014/0207280(A1)号から周知である。システムには、固定センサならびにセンサが設けられ、これらは清掃用ロボット上に配置され、スマートフォン上で部屋についてユーザの過去の利用プロファイルを表示する。その後、ユーザはどの日にどの部屋が清掃されるべきか選択することができる。ユーザは、清掃用ロボットが清掃を開始する前にスマートフォンを介して通知を受ける。スマートフォンによって、清掃用ロボットにより集積されたごみの量、または清掃用ロボットが清掃した最も汚い部屋がユーザに表示される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明は、清掃用ロボットを用いてより柔軟に、改善された清掃結果を伴って、床を清掃するシステムおよび方法を設計することの技術的課題に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前に明記した技術的課題は、本発明によれば、最初に言及したシステムにより、清掃用ロボットを制御する制御手段を提供することにより、さらに床の少なくとも一部分について増大した汚染発生を伴う少なくとも1つのイベントを検出する通信手段を提供することにより解決され、制御手段は、増大した汚染発生を伴う少なくとも1つのイベントの強度に応じて床の少なくとも一部分を清掃する清掃用ロボットの使用の強度を設定する。
【0012】
よって、本発明によれば、清掃用ロボットのアクションの設定されているプログラミングとは独立して、一定のイベントが通信手段により識別されると床清掃を強化することが提案される。そのようなイベントが存在すれば、制御手段は、清掃用ロボットを追加的にアクティブ化することができ、その結果、増大した汚染発生の間または後に、場合によっては事前に指定された時間スケジュールによるよりも早く、床が清掃される。
【0013】
増大した汚染発生を伴う少なくとも1つのイベントを検出するために実行可能なことは様々ある。
【0014】
例えば、通信手段は、通信手段に接続可能な電子カレンダーのエントリを、増大した汚染発生を伴うイベントとして識別することができる。その目的で、好適には、特に「家で」、「庭」、「居間」、などに関連する「パーティ」、「食事」、「集会」、「会議」、「フットボール」などの一定の重要用語を少なくとも1つのカレンダーの中で検索可能である。そのようなイベントは、居住エリアのより集中的な使用が原因で増大した汚染に関連する。その結果、システムは、例えば「家で」の「パーティ」の後に、プログラムされているかもしれない通常の時間スケジュールとは独立して、またはそれと調整して、清掃用ロボットによる追加の清掃動作を、例えばやはり夜間に、または翌朝に設定することができる。
【0015】
居住エリアで開催されるパーティなど、イベント開始前でも居住エリアの向上した清潔度を必要とする、増大した汚染発生を伴うイベントが特定された場合には、イベント開始前でも追加の清掃動作を実施するために清掃用ロボットをアクティブ化できる。
【0016】
さらに、好適には、通信手段は、データベースからの気象情報の項目を、増大した汚染発生を伴うイベントとして識別することができる。このために、例えばネットワーク、特にインターネットにおいて、1つ以上の気象データベースにある現在の気象情報が読み出される。次に、増大した汚染発生を伴うイベントを識別するために、検出された気象データにおいて、「雨」、「雪」、「泥」、「風」、「嵐」などの重要用語が検索されることが可能である。他方、気象レポート、または季節のカレンダーをこのために使用できる。
【0017】
例えば、季節のカレンダーを使用する場合、スケジュールされた清掃サイクルは、増大した降雨発生を伴う季節には短縮され、減少した降雨発生を伴う季節には延長されることが可能である。
【0018】
特に、通信手段は、降雨イベントの継続期間または強度を、増大した汚染発生を伴うイベントの強度として検出することができる。これは、降雨イベントが、住宅が汚くなる速度および集中度に最も強い影響力を有するからである。
【0019】
好適には、通信手段は、少なくとも1つのイベントの数および/または強さを、増大した汚染発生を伴うイベントの強度として検出する。その後、短期間内にいくつかのイベントが発生すれば、制御手段は、イベントのうちの最後のものの後、追加の清掃動作のために清掃用ロボットをアクティブ化することができ、したがって、清掃用ロボットの使用の強度を、清掃用ロボットの過剰使用をもたらすことなく実用的な形で増大させることができる。
【0020】
他方、より大きな時間間隔を伴ういくつかのイベントが識別されれば、制御手段は清掃用ロボットを数回アクティブ化して追加の清掃動作を実施することができる。清掃用ロボットの使用の強度はこのような形でも増大される。
【0021】
他方、高い強度の単一イベントが識別されれば、清掃用ロボットによる、次にスケジュールされている清掃動作または追加の清掃動作の強度を、より遅い移動速度および/または増加した清掃サイクル数によって増大可能である。
【0022】
さらに、制御手段が、頻度および/または清掃効果の強度(吸引力、清掃ブラシの回転)を変更することにより清掃用ロボットの使用の強度を設定することが好ましい。頻度とは、清掃用ロボットの別々の使用の数、または清掃用ロボットの使用中に一定の居住エリアで移動が行われる回数などを意味することができる。清掃の強度は、この場合もやはり、清掃用ロボットの移動速度および/または清掃威力、特に吸引力を調整することにより設定可能である。清掃の強度は、例えば玄関のドアのエリアまたは居間のうちパーティが開催されたエリアにおいてなど、居住エリアの一部分のみに対して増大されることもできる。
【0023】
システムは、データ収集を伴う通信手段が清掃用ロボットに配置され、制御手段に接続されるように、さらに通信手段がワイヤレス通信リンクによってネットワークに接続されるように設計可能である。よって、清掃用ロボットは、データ収集および制御自体の全体を内蔵している。したがって、かかるシステムはかなりの程度まで自律的に使用可能である。通信手段は例えば、ベースステーションに、または別個のデバイスに統合可能である。
【0024】
あるいは、データ収集を伴う通信手段は、清掃用ロボットの外部に配置されてネットワークに接続されることが可能であり、通信手段は、ワイヤレス通信リンクによって制御手段に接続可能である。この事例において、システムは、2つ以上の清掃用ロボットを有することができると考えられ、それらはすべて、同じ通信手段を介して制御のために重要な情報を提供される。
【0025】
上記で開示された技術的課題は、床の少なくとも一部分について増大した汚染発生を伴う少なくとも1つのイベントが検出され、増大した汚染発生を伴う少なくとも1つのイベントの強度に応じて床の少なくとも一部分を清掃するための清掃用ロボットの使用の強度が設定される、清掃用ロボットを使用して床を清掃する方法によっても解決される。
【0026】
本方法および後に記載されるその実施形態は、システムについて前述したのと同じ特性および利点を有する。したがって、前の記載が参照される。
【0027】
記載された方法は、
− 通信手段に接続可能なカレンダーのエントリが、増大した汚染発生を伴うイベントとして識別され、かつ/または
− データベースからの気象情報の項目が、増大した汚染発生を伴うイベントとして識別され、かつ/または
− 降雨イベントの継続期間または強度が、増大した汚染発生を伴うイベントの強度として検出され、かつ/または
− 少なくとも1つのイベントの数および/または強さが、増大した汚染発生を伴うイベントの強度として検出され、かつ/または
− 清掃用ロボットの使用の強度が、清掃の頻度および/または強度を変更することにより設定される、
一連のアクションによりさらに拡張できる。
【0028】
以下、図面を参照しながら本発明を例示的な実施形態によって説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明による清掃用ロボットの例示的な実施形態を上からの斜視図で示す。
図2図1に示された清掃用ロボットを下からの斜視図で示す。
図3】本発明による床を清掃するシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
吸引掃除用ロボット2の形態の、本発明による清掃用ロボットが図1および図2に示されている。吸引掃除用ロボット2は、ハウジング4、ハウジング4の下側に配置されたランニングギア6、ハウジング4を取り囲むエリアを検出するセンサシステム8、およびランニングギア6を自動的に駆動する制御装置を有する。
【0031】
ランニングギア6は、ハウジング4の下側に配置され、清掃される床エリアに面する。ランニングギア6は、2つの電気モータ式駆動輪10および従属輪11を有するので、清掃される床エリア上で床清掃用ロボット2の三点支持が得られる。2つの駆動輪10を別様に制御することにより、吸引掃除用ロボット2は任意の方向に移動可能であり、図1によると矢印rの方向の前進移動が実施される。その場での回転、および矢印rの反対方向の後退移動も同様に可能である。
【0032】
特に図2から明らかになるように、ハウジング4の下側では、下端を越えて突き出る電気モータ式ブラシ12が吸引口14の内部に配置されている。さらに、同じく電動式の吸引ファンモータ(図示せず)も設けられる。ちり取りのような傾斜部16も設けられ、これを介して、ブラシで持ち上がったごみの粒子が、容器のような置き場(図示せず)に運び込まれる。
【0033】
電力は、充電式電池(図示せず)によって、吸引掃除用ロボット2の個々の部品、すなわち駆動輪10の電気モータ、ブラシ12の電気駆動装置、吸引ファン、および制御装置のさらなる電子装置に供給される。
【0034】
周囲環境、部屋境界および考えられる障害物を識別できるように、さらに特に、吸引掃除用ロボット2が動けなくなるのを防ぐために、既に言及した、センサリー障害物検出システムとして設計されるセンサシステム8が設けられる。これは、図1に示されたセンサシステム8にいずれも統合される、光送信ユニットおよび光受信ユニットからなる。この例示的な実施形態において、センサシステム8は、図1に矢印cを用いて示されるとおり、ハウジング4の垂直軸xの周りを回転可能に配置される。超音波センサおよび/または赤外線センサとして設計されたさらなるセンサ20、22、および24が存在する。さらに、ユーザに対し情報を表示し、必要な場合は動作コマンドの入力支援としての機能を果たす、ディスプレイ26が設けられる。
【0035】
次に図3は、2つの部屋32および34を有する例示的な住宅30の環境における、例えば図1および図2に示された吸引掃除用ロボットとして設計可能な、少なくとも1つの清掃用ロボット2を有する、床を清掃するための本発明によるシステムを示す。図3はさらに、壁36、玄関のドア38および部屋のドア39、ならびに窓40を備えた住宅の間取り図を示す。
【0036】
吸引掃除用ロボット2は部屋32内に位置し、吸引掃除用ロボット2に設けられた少なくとも1つの電池44を主電源電圧を用いて充電するためにベースステーション42につながれる。ベースステーション42は、部屋32の中に置かれ、電源コンセント46につながれる。
【0037】
吸引掃除用ロボット2は、吸引掃除用ロボット2を制御する制御手段50と、床の少なくとも一部分について増大した汚染発生を伴う少なくとも1つのイベントを検出する通信手段52とを有する。通信手段52は、部屋32に通信手段54として配置された送受信デバイスとのワイヤレス通信のための送受信デバイスを有する。ワイヤレス通信は、WLANまたはBluetooth(登録商標)などの標準化された手続きにより行われる。
【0038】
さらに、通信手段52はモバイル無線デバイスも有することができ、その結果、この事例では通信手段54は必要ない。
【0039】
通信手段52、および必要な場合は通信手段54は、増大した汚染発生を伴うイベントについての情報を検出するために、ローカルまたは外部のネットワーク、特にインターネットに、ケーブル接続によってまたはワイヤレスで接続可能である。
【0040】
制御手段50は、通信手段52に接続され、この接続を介して1つ以上のイベントに関するデータを受信する。制御手段50は、床の少なくとも一部分を清掃するための吸引掃除用ロボット2の使用の強度を、増大した汚染発生を伴う少なくとも1つのイベントの強度に応じて設定する。
【0041】
イベントの一例は、通信手段52が、通信手段52、および必要な場合は通信手段54、に接続可能なカレンダーのエントリを、増大した汚染発生を伴うイベントとして識別することにある。このカレンダーは、住宅に住んでいる人の個人的なカレンダー、数人の人々のためのいわゆる家族カレンダー、またはその他何らかのカレンダーとすることができる。カレンダーの管理の方式は、種々のプログラムまたはサービスプロバイダにより実施可能である。
【0042】
通信手段52は、「パーティ」、「食事」、「集会」、「会議」、「フットボール」、などの事前に指定された重要用語を、場合によっては用語「家で」、「庭」、「居間」と組み合わせて、カレンダーのエントリの中で検索する。これらの用語の1つまたは用語の組み合わせを発見すると、通信手段52は、増大した汚染発生を伴うイベントを特定する。これは、対応するカレンダーのエントリが、住宅または住宅の一部の集中的な使用を示すためである。
【0043】
言及されたイベントの事例では、住宅内の向上した清潔度も重要であり、結果として制御手段50は、イベントの前に追加の清掃動作を実施するように吸引掃除用ロボット2をアクティブ化することもできる。
【0044】
さらに、または代わりに、通信手段52は、データベースからの気象情報の項目を、増大した汚染発生を伴うイベントとして識別することができる。通信手段52はこのためにワイヤレスリンクを介して、ネットワークから、好適にはインターネットからの、気象データにアクセスする。
【0045】
通信手段52は、事前に指定された重要用語を気象データの中で検索し、その後の期間における地域の気象イベントを検出する。用語「雨」、「雪」、「泥」、「風」、「嵐」またはこれらの用語の組み合わせを重要用語として使用できる。さらに、全般的な気象傾向を検出するために、少なくとも1つの季節のカレンダーも使用可能である。
【0046】
通信手段52は、記載した識別された気象データから、特に、降雨イベントの継続期間または強度を、増大した汚染発生を伴うイベントの強度として検出することができる。これは、住宅の通常使用の過程において、雨または雪のイベントは特に、増大した汚染をもたらすからである。
【0047】
通信手段52は、さらにまたは代わりに、気象イベントの数および/または強さを、増大した汚染発生を伴うイベントの強度として検出することができる。この情報は、住宅の汚染の度合いを推定できるための機能も果たす。
【0048】
上述した制御手段50は、検出されたイベントのデータに応じて清掃の頻度および/または強度を変更することにより、吸引掃除用ロボット2の使用の強度を設定する。したがって、住宅30は、入力された計画済みの時間スケジュールに加えて、吸引掃除用ロボット2によってより頻繁に、かつ/またはより集中的に清掃可能である。時間スケジュールが入力されていなければ、制御装置は、住宅30の清掃を他と関係なく計画および実施できる。
【0049】
さらに、住宅30の清掃の空間的範囲もイベントデータにより設定できる。例えば、居間(図3の部屋32)で数名の人々が訪問するイベントが開催されることになっていると検出されれば、制御装置50は、吸引掃除用ロボット2に、場合によっては追加として、このイベントの後に部屋30(寝室)でなく部屋32のみ清掃させることができる。他方、例えば雨のイベントが特定されれば、制御装置50は、玄関のドア38の正面のエリアが住宅30内の他のエリアよりも集中的に清掃されるように、吸引掃除用ロボット2をアクティブ化することができる。
【0050】
システムは、通信手段52が吸引掃除用ロボット2に配置されて制御手段50に接続されるように、かつ通信手段52がワイヤレス通信リンクによってデバイス54を介してネットワークに接続されるように前述された。結果として、吸引掃除用ロボット2は、データの読み出し、評価、および制御に関して自律的である。
【0051】
さらに、通信手段54が吸引掃除用ロボット2の外部に配置されてネットワークに接続され、通信手段54が通信手段52を介してワイヤレス通信リンクによって制御手段50に接続されることも可能である。この事例では、データの読み出しは吸引掃除用ロボット2の外部で行われる。その結果、当該システムは、2つ以上の吸引掃除用ロボット2にイベントデータを提供し、図3に示されるよりも大きな居住エリアを整理する可能性を与える。
図1
図2
図3