【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の基礎となる技術的解題は、家具、陳列構造等のため、特に、複数の区画を有するラック様の部分のためのモジュラーシステムを提供することから成り、製造および取り付けが簡単でありながら、同時に、組み立てられたモジュールに高度な安定性をもたらすことである。
【0010】
この課題は、請求項1の特徴を有する、家具、陳列構造等のためのモジュラーシステムによって解決される。本発明の、さらなる有利な展開は、従属する請求項の主題を含んでいる。
【0011】
家具、陳列構造等のための、本発明によるモジュラーシステムは、通常、壁モジュールと、壁モジュール用の連結部材とを含む。壁モジュールは、このモジュールが家具のアイテムに組み込まれる場合は、家具または陳列台のアイテムの内壁または外壁の壁部分、もしくはその一部、例えば、ラック区画の壁、床、および/または天井だけでなく、家具のアイテムの床板、天井板、または側壁を形成する構成部品を含むものと理解される。
【0012】
壁モジュールは、その各々が、やはり通常は、互いに対向して配置された壁面と、前面、および前面に対向して配置された後面と、互いに対向して配置された接触領域とを有している。
【0013】
家具または陳列台の、組み立てられたアイテムの内部にある壁の面を画定する領域、特にラック区画の床、天井、および側面は、したがって、壁面として示される。
【0014】
これに対し、本説明によれば、前面とは、家具または陳列台のアイテムが組み立てられた状態で、見る人の方に向いている壁モジュールの面であり、後面とは、前面に対向して配置された面であり、接触領域とは、家具または陳列台のアイテムが組み立てられた状態で、別の壁モジュールの接触領域と接触するようになされた、壁モジュールの面である。
【0015】
念のため、これらの定義は、どの所与の壁モジュールに関しても明らかであることに注意されたい。壁モジュールは、意図的にプレートまたはボードとして形成され、つまり、扁平な直方体の基本形状の本体として形成され、壁面として使用可能な面は、当然、直方体形状の本体の、広い方の両面である。これに加えて、特に連結部材によって、他の壁モジュールとの接触が確立される接触領域は、連結部材によって、前側および後側の面が、互いにいかなる連結もすることができないため、モジュラーシステムから家具、陳列台等のアイテムを組み立てる使用者にとって、および当業者にとっては確実に、明確に区別することができる。
【0016】
家具、陳列構造等のためのモジュラーシステムは、壁モジュールを互いに連結するための連結部材をさらに含み、連結部材の少なくとも1つの断面領域が、L字形、T字形、または十字形である。それらに付与された基本形状は、コネクタが、2つの壁モジュール用であるか、3つ用であるか、あるいは4つ用であるかを規定する。L字形の連結部材は、凹部に挿入する2つの部分を有し、T字形の連結部材は3つの部分を有し、十字形の連結部材は4つの部分を有し、その各々が、Lの2本の腕、Tの3本の腕、または十字の4本の腕で形成されているからである。
【0017】
本発明の基本的なこととして、壁モジュールは、連結部材の1つの部分を、その各々で正確に受けるための少なくとも1つの凹部を有し、連結部材の1つの部分は、凹部の形状に適合し、凹部は、以下の条件を満たす。
第1に、壁モジュールの片側にある接触領域を始点として、それに対向して配置された壁モジュールのもう一方の側の、接触領域の方向に延びる。
第2に、1つの壁面から、それに対向して配置された壁面へと、壁モジュールを通る。
第3に、互いに対向して配置された前面と後面との、部分同士の間に配置される。
【0018】
さらに、連結部材の部分の範囲は、互いに対向して配置された壁モジュールの壁面に垂直な方向に、凹部に挿入されるときに、互いに対向して配置された壁モジュールの、壁面の距離に対応する。この条件は、特に、壁モジュールの凹部に挿入されない面挿入ガイド、またはガイドレールを、壁モジュールの面の少なくとも1つの部分に設ける連結部材と、この連結部材とを区別している。凹部は、特に、連結部材の腕の断面が凹部の断面と適合する場合、または同一の断面が存在する場合に満たされる。
【0019】
この設計は、一連の大きな利点をもたらす。特に、連結部材は、凹部に挿入されて、1つの壁面から反対側に配置された壁面へと壁モジュールを通り、前面と後面との間の総距離のうちのわずかな部分のみを横切って延びるので、負荷の下で、特に、家具または陳列構造のアイテムが組み立てられている間に、壁モジュールが傾けられた場合でも、壁モジュールが破損する危険性が著しく軽減される。
【0020】
同時に、連結部材の部分の形状と凹部との間が相互に適合することによって、一方では、家具または陳列構造のアイテムが組み立てられた状態で、凹部の領域にも平坦で連続的な材料表面が存在することが保証され、これはラックの床として使用される壁モジュールには特に重要である。また他方では、この適合は、連結された状態で、正確に位置が合った、がたつきの少ない連結を生成する。
【0021】
また、連結部材の寸法を、対向して配置された壁モジュールの壁面の距離に適合させることと組み合わせて、この手段によって非常に安定した連結部材がもたらされ、これが壁モジュールと広範に接触する。これは、家具、陳列構造等のアイテムが組み立てられる面に垂直に立っている壁モジュールにとって、とりわけ重要である。地面から離して配置された壁モジュールの負荷は、連結部材の中に伝わることができ、そこから、床に垂直に配置された隣の壁モジュールの方向に伝達されるので、効果的な負荷の伝達が生成され、家具、陳列構造、または部屋構造のアイテムの安定性にとって有利である。
【0022】
連結部材は、その単純な形状ゆえに、連結部材の製造に関しても、壁モジュールに凹部を導入することに関しても、特に低コストに抑えることができる。連結部材は、互いに連結されるL字形、T字形、または十字形の部分の形状に、棒状部分を有することが好ましい。したがって、前述の形状の連結部材は、これもまた、鋳造または金属射出成形等で生成された1つの部品で形成され、相互に連結できる部分を有していることに注意しなければならない。
【0023】
したがって、1つの部分は、その延長方向に真っ直ぐに、かつその延長方向に垂直に延び、少なくとも一部に、長方形の長辺の、長方形の短辺に対する比率が<5、好ましくは<2の長方形の断面、または正方形の断面を有する場合に、特に棒状である。しかしながら、部分が棒状であるためには、その断面に垂直な方向に、その部分に接する断面と平行な面を有することが、絶対に必要というわけではない。特に、この面は、曲面または半円形でもよく、その他の形状を有していてもよい。
【0024】
さらにこの設計によれば、連結部材の棒状部分の長方形断面の範囲は、長方形の一辺の方向において、互いに対向して配置された壁ユニットの壁面の距離に対応し、かつ長方形のもう一方の辺の方向において、前面と後面との直接連結の方向で凹部の範囲に対応し、前面と後面との間の総距離のごくわずか、特に1/4未満であることが望ましい。
【0025】
壁モジュールと連結部材との間の取り付けは、したがって、異なる方法で達成することができる。原則として、連結部材が、その部分の1つによって意図された通りに壁モジュールの凹部に挿入される場合、連結部材の1つの部分は、壁モジュールの前面と後面との間の直接連結の方向に延びる穴を有していれば十分である。次に、ねじが、前述の穴と係合するか、または穴に導入されるために、壁モジュールを通ることができる。対応する穴が、このために壁モジュールに有利に設けられるが、これもまた、組み立て中に最初に生成することができる。
【0026】
代替的で好ましい可能性は、壁モジュールの凹部に、接触領域間の直接連結の方向に延びるほぞを設けることと、連結部材が、ほぞを正確に受けるための穴を有する少なくとも1つの部分を備えることである。ほぞの中に穴が、特にねじ穴が付加的に配置される場合は、壁モジュールの、対向して配置された壁面同士の間の連結の直線方向に延びる、円錐形の挿入部を有することが特に好ましく、穴でほぞを受ける連結部材のこの部分は、連結部材を壁モジュールに意図したように配置する、対応する穴を有する。この穴は、壁モジュールの、対向して配置された壁面同士の間の連結の直線方向に延び、その結果、壁モジュールと連結部材との間の連結は、これらの穴を通して、例えば、ねじがねじ込まれることによって固定することができる。これにより、挿入して、予め穿孔された(ねじ山をつけた)穴の中でねじを用いて固定するだけでよいため、組み立て中に、壁モジュールを非常に簡単に固定することができる。
【0027】
特に、壁モジュールにねじ込まれるペグをほぞとして用いることができ、これは例えば、Scheulenburgdirekt GmbH&Co.KGから入手することができる。
【0028】
本発明の特に好ましい実施形態で、少なくとも1つの連結部材が、ねじに配置された家具の足や、陳列台の足を調節可能に受けるためのねじ穴を備えていることが規定されている。これは、家具の足、または陳列台の足用の個別の受け具を不要にし、さらに、非常に簡単な方法で、家具や陳列構造のアイテムが、平らでない地面の上でも、その個別のラックまたは区画が水平になるように組み立てられることを可能にする。
【0029】
特に、本発明によるモジュラーシステムを用いれば、2つの所与の壁モジュールを互いに組み合わせ、その各々が、1つの連結部材のみを使用すれば十分である。そのため、凹部が、壁モジュールの前面および後面から等距離に配置されている場合は、特に便利である。
【0030】
接触領域がくさび形で、壁モジュールの壁面を始点として、45度の角度で前述の壁面から外向きに延びて、互いに収束するサブ領域を備えていると、特に有利である。これは特に、受けられるべき関連する連結部材の、棒状部分の対応する長さに凹部を適合させることによって、家具または陳列構造のアイテムが組み立てられると、異なるモジュールのサブ領域同士の間に接触が生成され、接触領域のこの形状によって、特に、区画用の足として使用されている壁モジュールに加えられた力が、それに対して垂直に延びる、支持している壁モジュールに伝達されるのに有利となるためである。
【0031】
本発明による家具のアイテム、または本発明による陳列構造は、家具または陳列構造のアイテムが、少なくとも部分的に、本発明による家具、陳列構造等のためのモジュラーシステムに基づいているということによって区別される。
【0032】
特に好ましいのは、以下のような家具または陳列構造のアイテムである。家具または陳列構造のアイテムが立っている床に垂直に配置された壁モジュールの負荷が、床に向かう方向で連結部材に渡され、連結部材は、各壁モジュールを、床に垂直に配置された隣接する壁モジュールに連結している。そして、負荷は、連結部材から、この隣接する壁モジュールへと伝達される。
【0033】
異なる壁モジュールの接触領域のサブ領域が、互いに支持されている場合、家具または陳列構造のアイテムの安定性に関して、特に有利である。
【0034】
本発明は、図面に基づいて以下でさらに詳細に説明され、図面は本発明の特定の実施形態を示す。