特許第6542894号(P6542894)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6542894
(24)【登録日】2019年6月21日
(45)【発行日】2019年7月10日
(54)【発明の名称】衣類処理装置
(51)【国際特許分類】
   D06F 58/10 20060101AFI20190628BHJP
   D06F 58/24 20060101ALI20190628BHJP
   D06F 95/00 20060101ALI20190628BHJP
【FI】
   D06F58/10 Z
   D06F58/24
   D06F95/00
【請求項の数】16
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-532853(P2017-532853)
(86)(22)【出願日】2015年12月18日
(65)【公表番号】特表2018-503429(P2018-503429A)
(43)【公表日】2018年2月8日
(86)【国際出願番号】KR2015013985
(87)【国際公開番号】WO2016099219
(87)【国際公開日】20160623
【審査請求日】2017年8月15日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0184785
(32)【優先日】2014年12月19日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100109841
【弁理士】
【氏名又は名称】堅田 健史
(74)【代理人】
【識別番号】230112025
【弁護士】
【氏名又は名称】小林 英了
(74)【代理人】
【識別番号】230117802
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【弁理士】
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【弁理士】
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ジョンニョル
(72)【発明者】
【氏名】リム,ヒュンギュ
(72)【発明者】
【氏名】ユン,テジュン
【審査官】 石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】 韓国公開特許第10−2009−0050621(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 1/00−19/00
D06F 27/00−31/00
D06F 35/00
D06F 39/00−39/10
D06F 41/00−51/02
D06F 58/00−58/26
D06F 59/00−60/00
D06F 95/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースを備えた衣類処理装置であって、
前記ケースは、
衣類を収容するように構成された処理チャンバー;
前記ケース内に配置され、スチームを生成するように構成されたスチームユニット;及び
前記ケース内に配置され、前記処理チャンバー内にスチームを噴射するように構成されたスチーム噴射装置を備えてなり、
前記スチーム噴射装置は、
本体空間を形成する本体部;
前記本体の一部を構成し、かつ、前記本体空間(S)の上側を形成する上部本体;
前記本体の一部を構成し、かつ、前記本体空間(S)の下側を形成する下部本体;
前記本体部に配置され、前記本体空間(S)に形成され、前記本体空間(S)を第1空間(S1)と第2空間(S2)に区画する障壁;
前記障壁は、前記第1空間(S1)と前記第2空間(S2)とを連結する間隔(P)を形成するものであり、
前記下部本体に連結されて前記第1空間(S1)と連通し、前記スチームユニットによって生成されたスチームが前記第1空間(S1)に入るように構成された流入部;
前記上部本体に連結されて前記第2空間(S2)と連通し、前記第2空間(S2)内のスチームを前記処理チャンバー内に吐き出すように構成されたノズル部;及び
前記下部本体に連結され、凝縮水を前記本体空間から排出するように構成された凝縮水排出部;を備えてなる、衣類処理装置。
【請求項2】
前記流入部は前記第1空間に位置し、前記ノズル部は前記第2空間に位置する、請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項3】
前記凝縮水排出部は前記第2空間に位置する、請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項4】
前記凝縮水排出部は前記空間のうち第1空間を除いた前記本体空間の一部に位置する、請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項5】
前記隔壁は前記上部本体に配置され、前記下部本体とともに前記間隔を形成する、請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項6】
前記隔壁は前記流入部の上側に位置する、請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項7】
前記流入部は前記隔壁の下側に位置し、及び
前記障壁は、前記第1空間(S1)と前記第2空間(S2)とを水平方向に区画するものである、請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項8】
前記流入部は、前記本体空間(S)に突出した部分を形成し、スチームを吐き出すように構成され、前記第1空間に向かって開放する、前記部分に配置された出口を形成する、請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項9】
前記出口は、スチームを吐き出すように構成され、前記本体空間を形成して前記隔壁の側面部と対向する前記本体部の側面部に向かって開放する、請求項8に記載の衣類処理装置。
【請求項10】
前記第2空間に前記ノズル部が位置し、
前記出口は、スチームを吐き出すように構成され、前記ノズル部の反対方向に向かって開放する、請求項8に記載の衣類処理装置。
【請求項11】
前記ノズル部は前記第2空間上に配置され、
前記出口は、スチームを吐き出すように構成され、前記第2空間の反対方向に向かって開放する、請求項8に記載の衣類処理装置。
【請求項12】
前記出口は、スチームを吐き出すように構成され、第1空間に位置する出口を備えてなり、
前記ノズル部は前記第2空間に位置する、請求項8に記載の衣類処理装置。
【請求項13】
前記出口は前記第1空間と対向して前記第2空間の反対側の方向に開放するように構成される、請求項12に記載の衣類処理装置。
【請求項14】
前記出口は前記第1空間と対向して前記ノズル部の反対側の方向に開放するように構成される、請求項12に記載の衣類処理装置。
【請求項15】
前記出口は前記間隔内に位置する、請求項12に記載の衣類処理装置。
【請求項16】
前記下部本体は凝縮水を前記凝縮水排出部に案内するように構成された傾斜面を備えてなり、
前記隔壁は前記傾斜面の上側に位置する、請求項1に記載の衣類処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は衣類処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
衣類処理装置は家庭内又はランドリーなどで衣類の洗濯、乾燥、しわ改善などのように衣類を管理するためのあらゆる装置を意味する。
【0003】
例えば、衣類処理装置は、衣類の洗濯のための洗濯機、衣類の乾燥のための乾燥機、洗濯機能と乾燥機能を兼ねる乾燥兼用洗濯機、衣類のリフレッシュのためのリフレッシャー(Refresher)、衣類の不要なしわを改善させるスチーマー(Steamer)などがある。
【0004】
リフレッシャーは衣類の状態を快適で新鮮にするための装置で、衣類を乾燥させるとか、衣類に香を供給するとか、衣類の静電気発生を防止するとか、衣類のしわを改善させるなどの機能をする。
【0005】
スチーマーは一般的に単純に衣類にスチームを供給して衣類のしわを除去する装置で、一般的なアイロンとは違い、衣類に直接熱を加えずに衣類のしわを除去する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、水がノズルを通じて処理チャンバーの内部に噴射されることを防止する衣類処理装置を提供することである。
【0007】
本発明の他の目的は、処理チャンバー内に凝縮水が溜まることを防止する衣類処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本出願で説明する主題の革新的な面によると、衣類処理装置はケースを含み、前記ケースは、衣類を収容するように構成された処理チャンバー;前記ケース内に配置され、スチームを生成するように構成されたスチームユニット;及び前記ケース内に配置され、前記処理チャンバー内にスチームを噴射するように構成されたスチーム噴射装置を含み、前記スチーム噴射装置は、本体空間を形成する本体部;前記本体部に連結されて連通し、前記スチームユニットによって生成されたスチームが前記本体空間に入るように構成された流入部;前記本体部に連結されて連通し、前記本体空間内のスチームを前記処理チャンバー内に吐き出すように構成されたノズル部;前記本体部に連結され、凝縮水を前記本体空間から排出するように構成された凝縮水排出部;及び前記本体部に連結されて前記本体空間の少なくとも一部を第1空間と第2空間に区画するように構成され、スチームが前記第1空間から前記第2空間に流動するようにする間隔を形成するように構成され、前記流入部から前記ノズル部に流動するスチームと衝突するように構成された隔壁を含む。
【0009】
前記衣類処理装置は次の選択的な特徴の一つ以上を含むことができる。前記流入部は前記第1空間に位置し、前記ノズル部は前記第2空間に位置する。前記凝縮水排出部は前記第2空間に位置する。前記凝縮水排出部は前記空間のうち第1空間を除いた前記本体空間の一部に位置する。前記隔壁は前記本体の内部上側面から下側に伸びるように構成され、前記本体の内部底面とともに前記間隔を形成する。前記隔壁は前記流入部の上側に位置する。前記隔壁は前記ノズル部より長い。前記流入部は前記隔壁の下側に位置し、前記第1空間及び第2空間内に位置する。
【0010】
前記流入部は、スチームを吐き出すように構成されて前記第1空間に向かって開放する出口を形成する。前記流入部は、スチームを吐き出すように構成され、前記本体空間を形成して前記隔壁の側面部と対向する前記スチーム噴射装置の側面部に向かって開放する出口を形成する。前記ノズル部は前記第2空間に位置し、前記流入部は、スチームを吐き出すように構成され、前記ノズル部の反対方向に向かって開放する出口を含む。前記ノズル部は前記流入部に位置し、前記流入部は、スチームを吐き出すように構成され、前記第2空間の反対方向に向かって開放する出口を含む。前記流入部は、スチームを吐き出すように構成され、第1空間に位置する出口を含み、前記ノズル部は前記第2空間に位置する。前記出口は前記第1空間に向かうように構成される。
【0011】
前記出口は前記第1空間と対向して前記第2空間の反対側の方向に開放するように構成される。前記出口は前記第1空間と対向して前記ノズル部の反対側の方向に開放するように構成される。前記出口は前記間隔内に位置する。前記本体部は、前記ノズル部及び前記隔壁を含む上部本体;及び前記流入部及び前記凝縮水排出部を含み、前記上部本体に結合されて本体空間を形成する下部本体を含み、前記隔壁及び前記下部本体は前記間隔を形成する。前記流入部はスチームを吐き出すように構成され、前記第1空間に向かう方向に開放するように構成された出口を含み、前記ノズル部は前記第2空間内に位置する。前記下部本体は凝縮水を前記凝縮水排出部に案内するように構成された傾斜面を含み、前記隔壁は前記傾斜面の上側に位置する。
【発明の効果】
【0012】
前記衣類処理装置は次のような利点がある。
【0013】
一番目、隔壁が本体部の内部空間から処理チャンバーに向かってスチームが噴射されることを抑制する利点がある。
【0014】
二番目、供給されたスチームが隔壁にぶつかるように流路を形成するから、スチームがノズル部に直接流動することを遮断する利点がある。
【0015】
三番目、スチームが流入する流入部及びスチームが吐き出されるノズル部が隔壁によって互いに異なる空間に配置されるから、凝縮水がノズル部に流動することを抑制する利点がある。
【0016】
四番目、スチームがノズル部又は第2空間の反対方向に吐き出されるから、凝縮水がノズル部又は第2空間に直接流動することを遮断する利点がある。
【0017】
五番目、隔壁が上側に位置し、スチームが流動する間隔が隔壁の下側に位置するから、隔壁に結ぶ凝縮水が自重又は圧力によっての下方に落下する利点がある。
【0018】
六番目、流入部が隔壁の下側に位置し、スチームが吐き出される出口は第1空間に位置するから、第1空間の容積を最大化することができる利点がある。
【0019】
七番目、流入部からノズル部に流動する流路上で隔壁がノズル部を覆う広さで形成されるから、隔壁の広さを最小化することができる利点がある。
【0020】
八番目、流入部の出口が隔壁の下側に位置するから、上側に形成された第1空間に向けてスチームを噴射することができ、これによって第1空間で渦巻を形成することができる利点がある。
【0021】
九番目、凝縮水が処理チャンバー内に噴射されることを防止するから、衣類が凝縮水によって濡れることを防止することができる利点がある。
【0022】
十番目、処理チャンバー内に噴射される凝縮水を最小化し、処理チャンバー内に残留する凝縮水での細菌の繁殖、悪臭誘発などの問題点を最小化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】一例の衣類処理装置の斜視図である。
図2】一例の衣類処理装置を正面から見た斜視図である。
図3】一例のサイクルアセンブリーの分解斜視図である。
図4】一例のサイクルアセンブリーの斜視図である。
図5】一例のスチーム噴射装置の斜視図である。
図6図5の線A−A’に沿って切断した一例の噴射装置の断面斜視図である。
図7図5の線A−A’と直交する方向に切断した一例の噴射装置の断面斜視図である。
図8図5の一例のスチーム噴射装置を構成する一例の下部本体を示した斜視図である。
図9】一例のスチーム噴射装置の一例の下部本体の側面図である。
図10図8の線B−B’に沿って切断した一例の下部本体の断面図である。
図11】一例のスチーム噴射装置を構成する一例の上部本体を示した斜視図である。
図12】一例のスチーム噴射装置の一例の上部本体の平面図である。
図13】一例のスチーム噴射装置の一例の上部本体の底面図である。
図14】一例のスチーム噴射装置の一例の上部本体の側面図である。
図15図11に示した線C−C’に沿って切断した一例の上部本体の断面図である。
図16図16は一例の衣類処理装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1図2及び図16は一例の衣類処理装置を示す。図3及び図4は一例のサイクルアセンブリーを示す。
【0025】
一部の実施例で、衣類処理装置1は、ケース10と、前記ケース10の前面を開閉するドア20とを含む。
【0026】
前記ケース10の内部は分離板11によって上下に区画される。前記分離板11の上側に衣類がつるされる処理チャンバー12が形成される。前記分離板11の下側には機械装置が設けられるサイクルチャンバー14が形成される。
【0027】
前記処理チャンバー12には衣類が吊るされ、スチーム又は空気循環などによって衣類のしわを除去するとか臭いを脱臭する。
【0028】
処理チャンバー12の上部には衣類を掛けるハンガーが吊るされるハンガー支持棒13が備えられる。ハンガー支持棒13はモーターなどの駆動装置によって処理チャンバー12内で前後、上下及び/又は左右方向に運動するように構成されることができ、このような運動は一定の周期を有する往復運動が好ましい。
【0029】
前記処理チャンバー12内には送風口16及びスチーム吐出口17が形成される。
【0030】
一部の実施例では、送風口16及びスチーム吐出口17が吐出パネル15に形成される。
【0031】
一部の実施例では、前記送風口16又はスチーム吐出口17は相異なるパネルに形成可能である。一部の実施例で、前記吐出パネル15はサイクルチャンバー14の一部面を形成する。前記吐出パネル15は分離板11の後方側に位置する。前記吐出パネル15は分離板11と連続した面をなし、前記分離板11に向かって傾くように配置される。
【0032】
送風ユニット30によって押送された空気は前記送風口16を通じて吐き出される。
【0033】
スチームユニット40で生成されたスチームが前記スチーム吐出口17を通じて吐き出される。
【0034】
前記サイクルチャンバー14には、前記処理チャンバー12内の空気を循環させる送風ユニット30と、前記処理チャンバー12にスチームを提供するスチームユニット40と、前記処理チャンバー12の空気を空気調和させる、例えば冷却、加熱及び除湿するヒートポンプユニット50と、前記各ユニット30、40、50を制御する制御ユニット60とが設けられる。
【0035】
前記送風ユニット30、スチームユニット40、ヒートポンプユニット50、制御ユニット60などのように衣類処理装置の各行程を駆動させるための機械装置の組立体を一部の実施例ではサイクルアセンブリーと定義する。
【0036】
前記送風ユニット30は、送風ファン32と吸気口34とを含む。
【0037】
前記吸気口34は前記送風ファン32の吸入側に設けられ、前記処理チャンバー12の内部空気を前記送風ファン32に案内する。
【0038】
前記送風ファン32はファンの回転によって空気を流動させ、前記処理チャンバー12から空気を吸入した後、前記ヒートポンプユニット50に吐き出す。
【0039】
前記スチームユニット40は印加電源によって発熱し、後述する給水タンク80から水を受け、水を蒸気に変換させる。生成されたスチームは処理チャンバー12に吐き出される。
【0040】
一部の実施例では、前記ヒートポンプユニット50を通じて前記処理チャンバー12に流動するように流路が形成される。
【0041】
前記ヒートポンプユニット50は、圧縮器、凝縮器、蒸発器及び膨脹バルブを含む冷凍サイクルで構成される。前記ヒートポンプユニット50は、作動モードによって、前記処理チャンバー12の内部に冷却空気又は加熱空気を吐き出すことができる。
【0042】
一部の実施例で、前記ヒートポンプユニット50は冷媒との熱交換によって加熱された前記凝縮器周辺の空気が前記送風ユニット30によって処理チャンバー12内に供給されることができる。このように、処理チャンバー12内に供給された高温の空気はハンガー支持棒13に吊るされた衣類を処理するのに使われる。一部の実施例で、前記ヒートポンプユニット50は作動せずに前記送風ユニットのみ作動する場合、処理チャンバー12内には常温の空気が供給される。また、前記蒸発器によって冷却された空気が送風ユニット50によって処理チャンバー12内に供給されることも可能である。
【0043】
前記ヒートポンプユニット50は前記処理チャンバー12内の水分を除湿することもできる。
【0044】
前記サイクルチャンバー14の前方には水を貯蔵するタンクモジュール70が設けられる。前記タンクモジュール70は、前記スチームユニット40に水を供給する給水タンク80と、前記処理チャンバー12で生成された凝縮水を集めて貯蔵するドレインタンク90とを含む。
【0045】
前記給水タンク80には前記給水タンク80に貯蔵された水の水位を感知する給水水位センサー81が設けられる。前記ドレインタンク90には前記ドレインタンク90に貯蔵された水の水位を感知するドレイン水位センサー91が設けられる。
【0046】
給水タンク80の水は給水ポンプ45によってスチームユニット40に流動する。
【0047】
処理チャンバー12で生成された凝縮水は自重によって処理チャンバーの下側に流動した後、ドレインポンプ46によってドレインタンク90に流動する。前記ヒートポンプユニット50で生成された凝縮水も前記ドレインポンプ46によってドレインタンク90に流動する。
【0048】
前記給水ポンプ46又はドレインポンプ46は制御ユニット60によって制御される。
【0049】
一部の実施例では、前記吸気口34の前方側にタンクモジュールフレーム71が設けられる。
【0050】
前記タンクモジュールフレーム71及びドア20の間にはタンク設置空間73が形成される。前記タンクモジュールフレーム71は前記分離板11と結合して前記サイクルチャンバー14を外部から分離させる。
【0051】
前記タンク設置空間73の前方側には給水タンク80又はドレインタンク90の中で少なくともいずれか一つと互いに干渉するタンク支持バー75が設けられる。
【0052】
前記タンク支持バー75は、前記給水タンク80又はドレインタンク90がタンク設置空間73から意図に反して分離されることを防止する。前記タンク支持バー75は前記給水タンク80及びドレインタンク90の前方を支持する。
【0053】
それで、ドア20の開閉時、前記給水タンク80及びドレインタンク90がタンク設置空間73から離脱することを抑制する。
【0054】
一部の実施例で、前記給水タンク80の下端は前記タンク支持バー75の上端に掛けられる。前記ドレインタンク90の下端は前記タンク支持バー75の上端に掛けられる。
【0055】
給水タンク80又はドレインタンク90の中で少なくともいずれか一つには前記タンク支持バー75と互いに干渉するタンク支持端79が形成される。
【0056】
前記タンク支持端79は凹むように陥没して形成される。
【0057】
前記タンク支持端79によって前記タンク支持バー75及び給水タンク80の前面は連続した面をなすことができる。前記タンク支持端79によって前記タンク支持バー75及びドレインタンク90の前面は連続した面をなすことができる。
【0058】
前記給水タンク80及びドレインタンク90はタンク設置空間73に配置され、左右に並列配置される。前記給水タンク80及びドレインタンク90はドア20の開放時に使用者に露出される。
【0059】
前記給水タンク80及びドレインタンク90は使用者が引き出すことができる。
【0060】
前記給水タンク80及びドレインタンク90はタンクモジュールフレーム71から分離可能である。前記給水タンク80及びドレインタンク90はタンク設置空間73に着脱可能である。
【0061】
前記給水タンク80は前記スチームユニット40と連結されて水を供給し、前記ドレインタンク90は前記処理チャンバー12と連結され、前記処理チャンバー12又はヒートポンプユニット50から流入した水が貯蔵される。
【0062】
前記ドレインタンク90は前記給水タンク80と機能的に同一である。前記ドレインタンク90は前記給水タンク80と並んで配置される。
【0063】
図5図7は一例のスチーム噴射装置を示す。図8図10は一例のスチーム噴射装置の一例の下部本体を示す。図11図15は一例のスチーム噴射装置の一例の上部本体を示す。
【0064】
スチーム噴射装置300はスチームユニット40で生成されたスチームを受け、処理チャンバー12内にスチームを噴射する。
【0065】
スチーム噴射装置300は、スチームが流入する流入部110と、前記流入部110を通じて流入したスチームを処理チャンバー12内に吐き出すノズル部220と、前記流入部110及びノズル部220を連結する空間Sが形成され、前記流入部110を通じて供給されたスチームを前記ノズル部220に案内する本体部310と、前記空間Sに形成され、前記流入部110からノズル部220に流動するスチームと衝突する隔壁211と、前記本体部310に形成され、前記空間Sの凝縮水を排出する凝縮水排出部130とを含む。
【0066】
前記流入部110はスチームユニット40と連結される。前記流入部110はスチームユニット40で生成されたスチームを前記空間Sに案内する流路を形成する。
【0067】
前記流入部110は内側でスチームが流動する管の形態である。一部の実施例で、前記流入部110は少なくとも一部が本体部310内に形成された空間Sに突出する。一部の実施例で、前記流入部110は空間Sの内部に突出しなくても構わない。
【0068】
前記流入部110は、前記空間Sに突出した部分111にスチームが吐き出される出口111hが形成される。また、前記流入部110はスチームが流入する入口が本体部310の外側に形成され、ホース、管などの流路形成部材が結合することができる。前記流路形成部材が前記スチームユニット40と連結可能である。
【0069】
前記本体部310は内部に空間Sが形成される。前記本体部310は、流入部110、ノズル部220及び凝縮水排出部130を除いた他の部分が密閉される。
【0070】
前記本体部310は単一部材で形成可能である。一部の実施例では、スチーム噴射装置300が下部本体100と上部本体200とからなる。
【0071】
前記スチーム噴射装置300は、下部本体100の底部121、側面部122及び上部本体200のカバー部210によって形成される。前記底部121には凝縮水が集水され、側面部122は底部121の周縁から上側に伸びる。
【0072】
前記隔壁211は本体部310内の空間Sを少なくとも二つに区画する。前記隔壁211は前記空間Sの一部のみ区画し、残りは連結する。
【0073】
前記隔壁211は流動するスチームに対して干渉を引き起こす。前記隔壁211は最短距離で流動しようとするスチームに対して干渉を引き起こし、これによってスチームの移動経路を複雑にする。
【0074】
前記隔壁211は前記空間Sの凝縮水が前記ノズル部220に直接移動することを防止するための構成である。前記隔壁211は圧力によって凝縮水がノズル部220に流動することを抑制する。
【0075】
前記隔壁211は、前記空間Sを、前記流入部110が位置する第1空間S1と、ノズル部220が位置する第2空間S2とに区画する。前記隔壁211による区画は、第1空間S1及び第2空間S2のスチーム流動を全く遮断するものではなく、スチームが流動することができる間隔Pを形成する。
【0076】
前記隔壁211は底部121との間に間隔Pをなし、第1空間S1及び第2空間S2は前記間隔Pを介して互いに連通する。一部の実施例では、隔壁211を底部121まで伸ばさずに間隔Pを形成する。一部の実施例では、底部121からも隔壁211が突出する場合、カバー部210から伸びた隔壁及び底部121から伸びた隔壁の間に前記間隔Pが形成されることもできる。
【0077】
また、前記カバー部210及び底部121を連結する隔壁が配置されることができ、前記隔壁の内部にホール又は開口部を形成することによってスチームを流動させることができる。
【0078】
このように、前記隔壁211は多様な形態に製作可能である。
【0079】
一部の実施例で、前記第1空間S1に流入部110が配置され、前記第2空間S2に凝縮水排出部130が配置される。前記凝縮水排出部130は前記空間Sの中で第1空間S1を除いた空間に配置できる。
【0080】
前記第1空間S1に凝縮水排出部130が形成される場合、凝縮水及びスチームが一緒に排出できるからである。
【0081】
前記本体310を基準に、前記隔壁211は前記空間Sの一部を左右に区画する。
【0082】
前記隔壁211はカバー部210の一部にのみ形成される。一部の実施例で、前記隔壁211は前記本体部310を基準に、ノズル部220が形成された後方側に位置する。
【0083】
前記隔壁211は前記ノズル部220の前後方向の長さより長く形成される。前記隔壁211は前記ノズル部220を覆うことができる長さで形成される。
【0084】
前記隔壁211の前方では第1空間S1及び第2空間S2が連結される。
【0085】
一部の実施例で、前記隔壁211は前記出口111hより高く位置する。
【0086】
前記流入部110から吐き出されたスチームは第1空間S1から第2空間S2に流動するうちに隔壁211とぶつかる。この時、スチーム中に含まれた凝縮水が隔壁211の表面に吸着されるとかぶつかり、自重によって隔壁211の下側に落下する。
【0087】
前記隔壁211にぶつかる凝縮水は本体部310の底部(つまり、下部本体200の底部121)に落ちる。すなわち、隔壁211はスチームの流動に対する抵抗として作用し、前記隔壁211の表面には流入部110から吐き出された凝縮水及び前記空間Sで生成された凝縮水も吸着できる。
【0088】
凝縮水排出部130は本体部310の内部から凝縮水を排出する。前記凝縮水排出部130は前記空間Sと連通する。
【0089】
凝縮水排出部130は内側に凝縮水が流動する通路を提供する管の形態である。好ましくは、凝縮水が流入する入口が本体部310の底部121上に形成され、本体部310の外側に(例えば、下側に)伸びた部分に凝縮水が排出される出口が形成される。
【0090】
流入部110は、本体部310内の空間Sのうち、第1空間S1にスチームを吐き出す。一部の実施例で、前記流入部110の出口111hは側面部122に向かって開口する。前記流入部110の出口111hはノズル部220に向かわない方向に設けられることができる。前記流入部110の出口111hは第2空間S2に向かわない方向に設けられることができる。前記流入部110から吐き出されたスチームが前記隔壁211と干渉してから前記第2空間S2に流動するように前記出口111hの方向が形成される。
【0091】
前記出口111hは前記ノズル部220の反対方向に形成される。
【0092】
前記出口111hは前記第2空間S2の反対方向に形成される。
【0093】
前記出口111hは側方向に向かうように形成される。
【0094】
前記出口111hは前記第1空間S1に位置する。流入部110は第1空間S1及び第2空間S2にわたって配置されても前記出口111hは前記第1空間S1に位置することで、吐き出されたスチームが第2空間S2に直接移動することを遮断する。
【0095】
前記流入部110から吐き出されたスチームがすぐ隔壁211に向かって流動しなく、第1空間S1内で流路抵抗(例えば、側面部122又は隔壁211)と干渉するから、前記空間Sで凝縮水をより効率的に収集することができる。
【0096】
一部の実施例で、前記ノズル部220は前記第2空間S2に形成される。前記ノズル部220は前記隔壁211を基準に、前記第1空間S1の反対側に位置する。
【0097】
前記底部121は、凝縮水排出部130の入口が形成された収集面121aと、収集面121aに向かって下向きに傾く傾斜面121bを含むことができる。
【0098】
本体部310内において、凝縮水は底部121に落下した後、凝縮水排出部130の入口に流入する。特に、凝縮水が傾斜面121bに沿って収集面121a側に下がるから、凝縮水排出部130による凝縮後の排出が活発になることができる。
【0099】
前記隔壁211の下に前記傾斜面121bが位置することができる。傾斜面121bは少なくとも一部が隔壁211の下側に位置することができる。
【0100】
ノズル部220は本体部310から上側に伸び、内側にスチームが流動する通路を形成する。前記通路は本体部310からスチームが流入する入口から処理チャンバー12内にスチームを噴射する出口221まで伸びる。
【0101】
前記ノズル部220は多数の出口221を含むことができる。この場合、前記通路内にはスチームの流動方向に伸びたリブ222が形成可能であり、スチームがリブ222の間に形成された流路に沿ってそれぞれの出口221に案内された後、スチーム吐出口17を通じて処理チャンバー12内に吐き出されることができる。
【0102】
前記ノズル部220の入口は傾斜面121bの上側に位置することが好ましい。高温のスチームは上昇しようとする性向が強いから、スチームが傾斜面121bに沿ってノズル部220に上昇しながら案内されることが流動の観点でより有利である。
【0103】
前記スチーム噴射装置300は少なくとも二つの部品で形成可能である。一部の実施例で、前記スチーム噴射装置300は、流入部110及び凝縮水排出部130が形成される下部本体100と、下部本体100と結合されて空間Sをなし、スチームが吐き出されるノズル部220が形成される上部本体200とを含む。
【0104】
一部の実施例で、前記隔壁211は上部本体200から下部本体100に向かって下側に伸びることができ、その下端部が下部本体100から離隔することができる。
【0105】
前記ノズル部220は前記カバー部210を貫くように形成される。
【0106】
前記ノズル部220の入口は前記上部本体200の空間Sを覆うカバー部210の底面213(図13参照)に形成される。前記ノズル部220の出口221はカバー部210の上面212から上側に延設される。
【0107】
上部本体200と下部本体100は分離可能に結合することができる。このために、上部本体200と下部本体100のいずれか一方には突起128が形成され、他方には突起128によって拘束される締結部218が形成可能である。突起128と締結部218間の結合は一種のフック結合である。一部の実施例で、前記上部本体200と下部本体100が樹脂材の射出物で形成され、突起128及び締結部218は多少の弾性を有するから、両者間の結合又は分離が容易になることができる。
【0108】
図7を参照すると、下部本体100には側面部122の上端に沿って伸びる溝126が形成可能であり、上部本体200にはカバー部210から下方に突出したリブ216が溝126と対応するように形成可能である。リブ216が溝126内に位置する状態で、突起128及び締結部218が互いに締結され、下部本体100及び上部本体200が結合する。
【0109】
参照符号125、215はそれぞれ下部本体100と上部本体200に形成された締結孔形成部で、ネジ、ボルトなどの締結部材が通過する締結孔を形成する。前記締結部材を前記締結孔に通過させた後、ケース10内の固定された部分に締結することによってスチーム噴射装置100が固定可能である。
【0110】
スチームの流動過程をより詳細に説明すると次のようである。
【0111】
まず、流入部110を通じて供給されたスチームは出口111hから本体310の内部に形成された空間Sに吐き出される。前記出口111hから吐き出されたスチームは第1空間S1に吐き出された後、第1空間S1に接する側面部122とぶつかって流動方向が転換される。
【0112】
前記流入部110を通じて吐き出されるスチームは下側から上側に流動するから、出口111hから吐き出されるスチームも全体的な流動方向が下側から上側に形成される。
【0113】
前記側面部122にぶつかったスチームは側面部122に沿ってカバー部210の底面213に流動し、前記隔壁211にぶつかる。前記隔壁211はカバー部210から下側に形成されるから、隔壁211にぶつかったスチームは下側に再び流動方向が転換される。
【0114】
前記スチームが前記隔壁211にぶつかるとき、スチームに含まれた凝縮水は第1空間S1に接する隔壁211に沿って落下する。前記凝縮水は自重によって落下するだけでなくスチームの流動圧力も受ける。すなわち、前記隔壁211に結ぶ凝縮水はスチームの流動圧力によって底部121に速かに落下することができる。
【0115】
前記出口111hから吐き出されたスチームは第1空間S1で渦巻(vortex)を形成することができる。前記渦巻の形成によって凝縮水を効果的に落下させることができる。
【0116】
前記第1空間S1のスチームは圧力差によって第2空間S2に流動することができる。前記第2空間S2に流動するスチームは隔壁211及び底部121の間に形成された間隔Pを通じて進入する。
【0117】
ここで、前記第2空間S2にスチームが流動する過程で前記隔壁211によって凝縮水が分離されるから、前記第2空間S2に流動する凝縮水を最小化させることができる。
【0118】
前記第2空間S2に流動したスチームは圧力によってノズル部220に流動し、前記ノズル部220に沿って本体部310の外部に吐き出される。
【0119】
前記ノズル部220から吐き出されたスチームはスチーム吐出口17を通じて処理チャンバー12の内部に供給される。
【0120】
前記ノズル部220は垂直方向に形成されるから、前記第2空間S2に少量の凝縮水があっても凝縮水の自重、本体部310との表面張力などによって吐き出されることを最小化することができる。
【0121】
前記隔壁211から落下した凝縮水は底部121に沿って凝縮水排出部130に流動する。前記凝縮水排出部130に流動した凝縮水はドレイン流路に沿ってドレインタンク90に案内される。
【0122】
前記ドレイン流路の凝縮水はドレインポンプ46によってドレインタンク90に貯蔵される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16