(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ピッキング用スイッチが、前記棚入れユニットからの1つ以上の在庫品の除去を検出するためのレーザスキャナを備え、前記レーザスキャナが、前記ピッキングの完了を示す前記信号を前記管理モジュールにさらに伝え、または
前記ピッキング用スイッチが、前記棚入れユニットからの1つ以上の在庫品の除去を検出する無線周波数識別(RFID)スキャナを備え、前記RFIDスキャナは、前記ピッキングの完了を示す前記信号を前記管理モジュールにさらに伝える、
請求項2に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本開示の例は、概略的には、自動倉庫に関し、具体的には、倉庫内のロボット及び棚入れ構成要素の機能性を高めるためのモジュール式システムに関する。棚入れ構成要素は、ベース及び棚入れユニットを含むことができる。ロボットは、複数の電気コネクタを備えて、ベースの相補的なコネクタと接続するようにでき、これは次に棚入れユニットに接続してもよい。いくつかの例では、ベース、棚入れユニット、及び/またはロボットに追加の機能性を提供するために、様々な電子部品をベース及び/または棚入れユニットに設置することができる。
【0006】
いくつかの例では、ロボットは、例えば注文または補充を成し遂げるために、1つまたは複数の在庫品を含む棚入れユニットを回収して、ワークステーションにそれを運送することができる。次に、ロボットは棚入れユニットを戻し、ロボットアームやカメラツールなどのベースツールをピッキングし、ロボットを恒久的に変更することなく追加の操作を実行することができる。追加として、または別法として、ワークステーション及び/または棚入れユニットは、ロボット(またはシステム)が、様々なタスク、例えば非制限的に、1つまたは複数のロボットアームを介してアイテムを移動させること、1つまたは複数のセンサを介して周囲の状況や特徴を感知すること、1つまたは複数のアクチュエータを介してベース及び/または棚入れユニットに関連するアイテムを調整または移動すること、1つまたは複数のライトを介して範囲を照らすこと、及び1つまたは複数のカメラを介して範囲を撮影することを実行するために利用できるさらなる装備を含み得る。ロボット、棚入れユニット、及びベースのモジュール性により、システム内のどのロボットも、任意の棚入れユニット及び任意のベースツールに接続してそこに搭載された構成要素を運ぶことができる。
【0007】
説明を簡略化し明確にするために、本開示は、倉庫ロボット及び棚入れ構成要素が倉庫内で追加の作業を実行することを可能にするシステム、装置、及び方法により、本明細書で説明されている。しかし、当業者は、本開示がそれに限定されないことを認識するであろう。システムは、例えば、倉庫を管理するシステムとして記述することができるが、システムは、組立ライン、配送、及びその他の多くの環境で使用されるロボットに対してもまさに容易に使用できるということを理解されたい。さらに、システムは本明細書では倉庫ロボットと共に使用するように記載されているが、例えば鉄道修理車両や土運搬装置などの異なる形状の要素を使用する他の車両にも適用することができる。
【0008】
本開示の様々な要素を構成する以下に説明される装置、方法、及びシステムは、例示的なものであり、限定的ではないものと意図している。本明細書に記載のシステムと同じまたは類似の機能を果たす多くの適切な車両、エネルギー源、ナビゲーション支援、及びネットワークは、本開示の範囲内に包含されることが意図される。このような本明細書に記載されていない他のシステム、装置、及び方法は、本開示の開発時点より後に開発された車両、システム、ネットワーク、及び技術を含むことができるが、これらに限定されない。
【0009】
図1は、在庫管理制御システム100を示す。在庫管理制御システム100は、管理モジュール115、1つ以上の可動式駆動ユニットまたはロボット120、1つまたは複数の在庫コンテナ、ポッド、または貯蔵棚130、及び1つまたは複数の在庫ワークステーション150を含むことができる。ロボット120は、貯蔵棚130を、倉庫170内の諸ポイント間で、それ自体でまたは管理モジュール115が通信するコマンドに応答して、運送することができる。各貯蔵棚130は、1つまたは複数のタイプの在庫品140を格納し得る。結果として、在庫管理制御システム100は、保管施設や倉庫170などの作業空間内にある場所の間で在庫品140を移動させて、在庫管理制御システム100から在庫品140を入れ、処理及び/または除去し、さらに在庫品140に関与する他のタスクを完了することを促進し得る。
【0010】
管理モジュール115は、在庫管理制御システム100の適切な構成要素にタスクを割当て、タスクを完了する際に様々な構成要素の操作を調整することができる。これらのタスクは、在庫品の移動及び処理と、在庫管理制御システム100の構成要素の管理及び保全との両方に関連し得る。管理モジュール115は、例えば、ロボット120用のパーキングスペースとして倉庫170の一部分を割当てることができ、ロボット120のバッテリの予定された再充電または交換、貯蔵棚130またはベースツール405(以下に説明する)の保管、または在庫管理制御システム100及びその様々な構成要素に関連する他のいずれかの動作を割当てることができる。
【0011】
管理モジュール115は、在庫管理制御システム100の構成要素を選択してこれらのタスクを実行し、適切なコマンド及び/またはデータを選択された構成要素に伝達して、これらの動作の完了を促すことができる。
図1に単一の分離した構成要素として示しているが、管理モジュール115は、複数の構成要素を表すことができ、ロボット120、貯蔵棚130、または在庫管理制御システム100の他の要素の一部を表すか、含むことができる。その結果、以下で説明する特定のロボット120と管理モジュール115との間の相互作用のいずれかまたはすべては、例えば、そのロボット120と1つ以上の他のロボット120との間のピアツーピア通信を表してもよく、例えば、ロボット120のメモリに基づく内部のコマンドを含み得る。
【0012】
上述したように、ロボット120は、倉庫170内にある場所の間で貯蔵棚130を移動するために使用することができる。ロボット120は、在庫管理制御システム100の貯蔵棚130及び/または他の要素の特徴と構成に基づき、在庫管理制御システム100での使用に適した多くのタイプの装置または構成要素を、表すことができる。在庫管理制御システム100の特定の実施形態では、ロボット120は、倉庫170を自由に動き回るように構成される、例えば、車輪付ロボットまたは追跡されるロボットまたはロボットカートなどの独立した自己電力装置を表すことができる。このような在庫管理制御システムの例は、“SYSTEM AND METHOD FOR POSITIONING A MOBILE DRIVE UNIT”と題され2012年6月7日に公開された米国特許公開第2012/0143427号、及び2012年10月2日に発行された“METHOD AND SYSTEM FOR TRANSPORTING INVENTORY ITEMS”と題されている米国特許第8,280,547号に開示されている。これらの開示全体は、参照により本明細書に援用される。
【0013】
他の例では、ロボット120は、トラック、レール、ケーブル、クレーンシステム、または倉庫170を横切る他の誘導または支持要素に沿って貯蔵棚130を移動するように構成された進路誘導ロボットを備えることができる。この構成では、ロボット120は、例えば電力の供給されるレール、スロット、またはトラックなどの誘導要素へ接続することを介して、電力、通信、及び/またはサポートを受けてよい。さらに、在庫管理制御システム100のいくつかの例では、ロボット120は、倉庫170内及び/または倉庫170の別々の部分の間で移動するために代替運送装置を利用するように構成し得る。
【0014】
さらに、ロボット120は、管理モジュール115と通信して、タスク、貯蔵棚130の割当てを受信し、それらの位置または他のロボット120の位置を送信し、または操作している間管理モジュール115またはロボット120が使用すべき他の適切な情報を交換することができてよい。ロボット120は、例えば、無線、有線、または他の接続を使用して管理モジュール115と通信し得る。いくつかの例では、ロボット120は、例えば802.11規格の無線送信(例えば、b/g/n)、Bluetooth(登録商標)、無線周波数(RF)、赤外線データ協会(IrDA)規格、または他の適切な無線通信プロトコルを使用しながら、管理モジュール115及び/または互いと通信してもよい。
【0015】
トラックを使用する在庫管理制御システム100などの他の例では、ロボット120が移動するトラックまたは他の誘導要素(例えば、スロットまたはレール)に配線して、ロボット120と在庫管理制御システム100の他の構成要素との間の通信を促進し得る。さらに、上述したように、ロボット120は、例えば、プロセッサ、モジュール、メモリ、及びトランシーバなどの管理モジュール115の構成要素を含み得る。したがって、この明細書及びその後の特許請求の範囲では、管理モジュール115と特定のロボット120との間の通信は、特定のロボット120内の構成要素間の通信を表し得る。一般に、ロボット120は、特定の在庫管理制御システム100の構成及び特徴に基づいて、多くの方法で、電力供給、推進、及び制御することができる。
【0016】
貯蔵棚130は、在庫品を保管するために使用され、在庫管理制御システム100の一部としてさらなる特性を含むことができる。いくつかの例では、貯蔵棚130の各々は、保管貯蔵棚130内に複数の区画を作成するための複数の仕切りを含むことができる。この構成では、各保管貯蔵棚130は、各区画に1つ以上のタイプの在庫品140を格納することができる(例えば、各貯蔵棚130はすべての区画に同じ在庫品140を格納してもよく、各区画で異なる在庫品140を格納してもよく、区画をもたずに1種類のアイテム140のみを格納するのでもよい)。さらに、特定の例では、在庫品140は、貯蔵棚130内または貯蔵棚130のフックまたはバーから垂れ下がってもよい。一般に、貯蔵棚130は、貯蔵棚130の内側及び/または貯蔵棚130の外側に、適切な様式で在庫品140を格納できる。
【0017】
貯蔵棚130は、ロボット120が運搬、回転、及び/または、さもなければ動かすよう構成できる。またいくつかの例では、貯蔵棚130は、例えば複数の貯蔵棚130を移動させるときにロボット120により与えられる、補うべき推進力を提供することもできる。さらに、各貯蔵棚130は複数の側面を含んでよく、各々の貯蔵棚は、貯蔵棚130の1つ以上の側面を介してアクセスできてよい。例えば、特定の実施形態では、貯蔵棚130は4つの側面を含む。このような実施形態では、2つの側面の角にて特定される貯蔵棚130は、それらの2つの側面のいずれかを介してアクセス可能であってよいが、他の貯蔵棚の各々は4つの側面のうちの1つにある開口部を通じてアクセス可能であり、自立式貯蔵棚130は、4つ全ての側面からアクセス可能であってよい。ロボット120は、適切な時間に貯蔵棚130を回転させて、特定の面及びその面と関連性のある棚または仕切りを、在庫管理制御システム100のオペレータまたは他の構成要素に提示して、取り出し、保管、計数、または在庫140に対して行う他の操作を促すように構成し得る。
【0018】
特定の例では、在庫管理制御システム100は、1つ以上の在庫ワークステーション150も含んでよい。在庫ワークステーション150は、在庫品に関与する特定のタスクを完了するための、指定された場所を表す。そのようなタスクは、在庫品140の除去、在庫品の追加または再補充、在庫品140の計数、在庫品140(例えば、パレットまたはケースの大きさの類から、個々の在庫品まで)の開梱、貯蔵棚130間での在庫品140の統合、及び/または他のいずれかの適切な方法による在庫品140の処理または取扱いを含み得る。ワークステーション150は、物理的位置、及び作業台、梱包具とサプライ、在庫管理制御システム100に出入りする在庫品の流れを監視するためのスキャナ、管理モジュール115と通信するためのインターフェース、及び/または任意の他の適切な構成要素などの、在庫品を処理または取扱うための任意の適切な設備の両方を表し得る。在庫ワークステーション150は、人間のオペレータが全体または一部を制御するのでもよく、部分的または完全に自動化されているのでもよい。
【0019】
操作中、管理モジュール115は、特定のタスクを完了するために適切な構成要素を選択し、タスク割当て118を、選択された構成要素に送信する。これらのタスクは、在庫品の取り出し、保管、補充、及び計数、及び/またはロボット120、貯蔵棚130、在庫ワークステーション150、及び在庫管理制御システム100の他の構成要素の管理に関連し得る。構成要素及び完了すべきタスクに応じて、特定のタスク割当て118は、対応するタスクに関連する位置、構成要素、及び/または動作、及び/または割当てられたタスクを完了する際に関連する構成要素が使用する他の任意の適切な情報を、特定し得る。
【0020】
特定の例では、管理モジュール115が在庫管理制御システム100の他の構成要素から、及び/または管理モジュール115と通信する外部構成要素から受信した在庫要求に部分的に基づいて、管理モジュール115はタスク割当て118を生成する。例えば、特定の例では、在庫要求は、顧客によって購入され、顧客への出荷のため在庫管理制御システム100から回収されるべき特定の在庫品を指定する出荷注文を表し得る。また、管理モジュール115は所定のスケジュールに従って(例えば、毎日のスタートアップまたは清掃ルーチンの一部として)、または在庫管理制御システム100の構成及び特徴に基づいて、任意の適切な時間に、特定の事象の発生に応答して(例えば、停止するスペースを要求するロボット120に応答して)タスク割当て118を生成してよい。
【0021】
また、管理モジュール115は、特定の例で、ロボット120の1つまたは複数の行き先を含む、ロボット120へのタスク割当て118を、通信してよい。この場合、管理モジュール115は、ロボット120の位置または状態、ロボット120が以前に割当てられたタスクを完了させているという表示、所定のスケジュール、及び/または他のいずれかの適切な考慮事項に基づいてロボット120を選んでよい。例えば、タスク割当ては、回収される貯蔵棚130の位置、訪問される在庫ワークステーション150、他のタスクを受信するまでロボット120が停まるべき保管場所、または在庫管理制御システム100全体、または在庫管理制御システム100の個々の構成要素の構成、特徴、及び/または状態に基づいて、他の適切な任意のタスクに関連する場所を規定し得る。
【0022】
これらのタスクを完了するための一環として、ロボット120は、倉庫170内の様々な貯蔵棚130とドッキングし得る。ロボット120は、貯蔵棚130に接続し、貯蔵棚130を持ち上げ、及び/または貯蔵棚130と相互作用することによって、貯蔵棚130とドッキングしてよく、ドッキングしたら、ロボット120は、貯蔵棚130に連結され、倉庫170内の貯蔵棚130を移動できるようになる。以下の説明は、特定の方法でドッキングするように構成されたロボット120及び貯蔵棚130の特定の例に焦点を当てているが、ロボット120と貯蔵棚130の代替の例は、ロボット120が貯蔵棚130を倉庫170内に移動させるのに適した任意の方法でドッキングするように構成してよい。
【0023】
在庫管理制御システム100の構成要素は、それらの現在の状態、それらが対話している在庫管理制御システム100の他の構成要素の状態、及び/または在庫管理制御システム100の動作に関連する他の状態に関する情報を、管理モジュール115に提供してよい。これにより、管理モジュール115は、関連する構成要素からのフィードバックを利用してアルゴリズムパラメータを更新し、ポリシーを調整し、さもなければ動作条件の変化または特定の事象の発生に応じてその意思決定を変更し得る。さらに、管理モジュール115は、在庫管理制御システム100の構成要素の動作の様々な態様を管理するように構成し得るが、特定の例では、構成要素自体も、その動作の特定の態様に関するいくつかの意思決定を担い、それによって、管理モジュール115の処理負荷を軽減することができる。
【0024】
また、いくつかの例では、システム100は、ロボット120が使用する1つまたは複数のモジュラーツール160を備えることもできる。ツール160は、例えば、ライト、撮像装置(例えば、カメラ)、ロボットアーム、センサ、アクチュエータ、及びモジュラーまたは万能型ベースに取付けられる他のツール、またはツールの組み合わせなどを含むことができる。この様式では、ロボット120のうちの任意のものは、まさにツール160をピッキングしてツール160と電子的に連結することによって、ツール160のいずれかを使用することができる。この様式では、単一のロボット120(または任意のロボット120)を使用して床を掃き、次にロボットアームで物体を操作し、例えばまさに様々なモジュラーツールを使用することによって在庫品をピッキングして運送することができる。
【0025】
いくつかの実施形態では、ツール160はすべて、倉庫170内の指定された場所または既知の場所に停まることができる。これにより、ロボット120は、貯蔵棚130をどのように配置するかということと同様に、それらの場所によりツール160を配置することが可能になる。他の例では、ツール160は、ロボット120が、例えば、カメラまたは他のセンサを使用してツール160を配置することを可能にするために、ホーミング信号、マーキング、視覚的識別子、位置識別子、または他の手段を含むことができる。
【0026】
いくつかの例では、
図2A及び
図2Bに示すように、ロボット120は、いくつかの特性を備えることができる。ロボット120は、例えば、ロボット120を倉庫170内で動かすための1つ以上の駆動ユニット205を備えることができる。駆動ユニット205は、例えば、1つ以上のホイール、ボール、トラック、またはエアクッションを備えることができる。上述のように、いくつかの例では、駆動ユニット205は、倉庫内の誘導トラックに従うような大きさと形状にすることができる。誘導トラックは、例えば、鉄道線路、磁気ストライプ、塗装されたストライプ、または電子マーカー、可視マーカーを含むことができる。この構成では、駆動ユニット205は、光、磁気、または他のセンサを使用してトラックに従うことができる。他の例では、駆動ユニット205は、駆動ホイールまたは他の手段を含むことができ、倉庫170の床にあるスロットまたは電気的経路に従うピンを含む。
【0027】
事故を防止し、欠陥を検出し、誘導及びナビゲーションを提供するために、ロボット120にいくつかのセンサを装備することができる。いくつかの例では、ロボット120は、1つ以上の近接センサ210を備えることができる。近接センサ210は、ロボット120が他のロボット120、ロボットの経路内の障害物(例えば、倉庫170の床に落ちた商品や、倉庫170内の作業員)を検知できるようにし得る。ロボット120は、撮像装置、カメラ225、またはレーザスキャナ215を含むが、それに限定されない1つまたは複数の追加のセンサを備えることもできる。カメラ225は、例えば、ビデオカメラ、赤外線カメラまたはインフラグリーンカメラ、または紫外線(UV)カメラを含み得る。いくつかの例では、ロボット120は、例えば全地球測位システム(GPS)受信機及び無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)またはセルラートランシーバなどの追加の機器を備えることもできる。
【0028】
いくつかの例では、ロボット120は、1つまたは複数の追加の入力装置230も備えることができる。入力装置230は、例えば、貯蔵棚130の底部に位置するタグを読み取るため、あるいは貯蔵棚、他のロボット120、及び/または環境条件(例えば、温度センサ、電圧センサ、バッテリレベル指示器など)に関する追加の入力及びデータを提供するための、例えば、カメラ、レーザバーコードスキャナ、RFIDリーダ、または他の手段を備えることができる。以下により詳細に説明するように、これにより、ロボット120はとりわけ、要求された製品を含む貯蔵棚130の位置を特定し、保全を要請し、問題を特定することができる。さらに他の実施形態では、ロボット120は、ロボット120と他の物体との間の衝突を防止するために、例えば隆起部または近接センサ250などの追加の動作センサを備えることもできる。
【0029】
ロボット120はまた、持ち上げ機構235を備えることができる。持ち上げ機構235は、例えば、ねじジャッキ、油圧ジャッキ、または電気ジャッキを備えることができる。退縮態勢(
図2A)では、ロボットは、ベースの下、または貯蔵棚130の1つの底部の下を移動することができる。貯蔵棚130の下に入ると、ロボット120は、例えば、レーザバースキャナ230を使用して、貯蔵棚130のタグをスキャンして、それが確実に正しい位置に来るようにする。次に、ロボット120は、
図2Bに示すように、持ち上げ機構235を作動させ、貯蔵棚130を床から持ち上げる(例えば、約5cm)ことができる。いくつかの例では、持ち上げ機構235は、ラッチ、スロット、磁石、ツイストロック、ソケット、または貯蔵棚130と機械的に係合するための他の手段を含むこともできる。
【0030】
以下により詳細に説明するように、いくつかの例では、持ち上げ機構235は、ロボット120とツール160との間に電気的、光学的、または機械的接続を提供する1つまたは複数のカプラ240を備えることもでき、ロボット120がツール160と通信し、ツール160に電力を供給し、動作させ、保持させ、及び/又は連結することを可能にする。いくつかの例では、カプラ240は、例えば、貯蔵棚130、ツール160または他の物体がロボット120から落下するのを防止するために、ラッチまたは電磁石を備えることができる。他の例では、カプラ240は、ロボット120とツール160との間で電力供給及び/または通信するための電気的、電気光学的または機械的コネクタを備えることができる。言い換えれば、カプラ240は、ロボット120とツール160間において、一方向または双方向性での電力供給及び/または通信をもたらすことができ、例えばロボット120のツール160の制御及び/または電力供給や、その逆を可能にし得る。この構成において、ロボット120は、例えば、ツール160の電源がロボット120を充電している間に、ツール160を制御することができる。当然、他の組み合わせ及び並べ替えも可能であり、それらが本明細書で企図される。
【0031】
図3Aに示されるように、貯蔵棚130は、ベース305と1つ以上の棚入れユニット310とを備えることができる。いくつかの例では、棚入れユニット310はモジュール式であり得、互いの上に積み重ねることができ、高さを調節可能にする。いくつかの例では、ベース305は、バーコード、RFIDタグ、または他のラベリング手段を含むことができ、ロボット120が正しい貯蔵棚130を特定したことを保証することができる。換言すれば、ロボット120は、貯蔵棚130の倉庫170における物理的位置を提供し、貯蔵棚130のもとに移動して、ラベルにより正しい貯蔵棚130を特定したことを確認することができる。これは、とりわけ間違った位置に戻された貯蔵棚130や間違った貯蔵棚130に格納された製品を迅速に識別するのに役立つ。図示されているように、貯蔵棚130は、例えば食品、部品、商品、及びファイルを含む、一般に倉庫に入れられる多くのアイテムを含み得る在庫品140を格納するために、使用することができる。
【0032】
本開示の例は、貯蔵棚130にさらなる特性を追加するためのシステム300を提供することによって、貯蔵棚130とロボット120の両方の機能性を高めることができる。この様式では、貯蔵棚130またはベース305は、本質的にロボット120のモジュラーツールとなり得る。結果として、ロボット120は、ロボット120を永続的に物理的に変更する(例えば、追加の構成要素を永続的に設置する)ことなく、多数の追加の機能を実行することができる。これは、例えば、ロボット120の重量及び/または複雑さを永続的に増加していくことなく、ロボット120が高次の機能を有するようにし得る。
【0033】
いくつかの例では、棚入れユニット310またはベース305は、1つまたは複数のカメラ、スキャナ、ライト、センサ、アクチュエータ、または他の電子機器または電気機械機器315を取付けることができる。いくつかの例では、電子機器または電気機械機器315は、例えばロボット120が貯蔵棚130をピッキングしたときにオンにされて、貯蔵棚130の元の位置とワークステーション150との間にある倉庫170の領域を監視できるようにする、1つまたは複数の撮像装置またはカメラ315aを含み得る。これにより、システム300は、例えば、床に落ちた商品を識別することができ、または倉庫170の床での従業員の動きを監視することができる。いくつかの例では、カメラ315aは、場所を次々と移動するとき、倉庫170内の貯蔵棚130の高解像度の写真を撮り、リアルタイムの在庫管理制御を含む視覚的な在庫管理を可能にする。換言すれば、従業員または自動化されたシステムは、カメラ315aから得た1つまたは複数の写真を見直して、棚入れユニット310の商品を識別し、計数することができる。この様式では、システム300は在庫管理の精度を高め、誤ラベルまたは間違った場所の商品を特定することができる。
【0034】
他の例では、電子機器または電気機械装置315は、1つまたは複数のスキャナ315b(例えば、レーザスキャナ)を備えることができる。レーザスキャナ315bは、システム300が、例えば貯蔵棚130から突出している商品140、または倉庫の床に落ちた商品140を検出することを可能にし得る。いくつかの例では、レーザスキャナ315bは、製品が貯蔵棚130から引っ張られたとき、つまり「ピッキング」がなされたときに自動的に検出して、システム300のピッキングの状態を更新することができる。
【0035】
さらに他の例では、電子機器または電気機械装置315は、1つ以上のライト315cを備えることができる。いくつかの例では、ライト315cを使用して貯蔵棚130の周囲の領域を照らすことができる。これにより、例えば移動するときにロボット120が倉庫をより良くスキャンすることが可能になり得る。他の例では、貯蔵棚130がピッキングのために識別された(例えば、貯蔵棚130が倉庫から命令された商品140を含むということ)という信号を管理モジュール115から受信すると、ライト315cが点灯することができる。
【0036】
さらに他の例では、貯蔵棚130は、1つまたは複数の指示器320を備えることもできる。いくつかの例では、指示器320は、例えば、発光ダイオード(LED)、電球、ホーン、サイレン、または音源を含むことができる。指示器320は、貯蔵棚130が、例えば、ロボット、ピッキングをする者、保全要員からの注意が必要なことを示すことができる。例えば、貯蔵棚130が破損した構成要素を有するか、1つ以上の在庫品140が不足しているか、ピッキング用に指定されている場合、指示器320が作動し得る。いくつかの例では、指示器320は、例えば、複数のライトを含むことができ、またバッテリレベル、無線接続強度、または全重量に関する情報を、とりわけ提供することもできる(すなわち、点灯する指示器320が多いほど、バッテリまたは接続強度が優れている)。
【0037】
いくつかの例では、貯蔵棚130は、1つまたは複数のスイッチ330を備えることもできる。スイッチ330は、指示器320をオンまたはオフにするために使用できる。いくつかの例では、スイッチ330は、例えば、ピッキングが完了したことを示すために指示器320を停止するピッキング用スイッチ330を備えることができる。他の例では、スイッチ330は、例えば、貯蔵棚130が保全を必要とすること、または貯蔵棚130に在庫品140が不足していることを示すために、職員が起動することができる。
【0038】
貯蔵棚130が管理モジュール115によってピッキング用に識別された場合、例えば、管理モジュール115は、貯蔵棚130にコマンドを送信して、指示器320をオンにすることができる。指示器320は、例えば、正しい貯蔵棚130を持ち上げて移動させているという、ロボット120に対する追加の確認をすることができる。次いで、貯蔵棚130は、ワークステーション150に運送することができ、そこでピッキングをする者が適切な商品140を取り出すことができる。ピッキングが完了したとき、システム300は自動的に例えばレーザスキャナ315bを使用してピッキングが完了したことを検出できるか、ピッキング用スイッチ330を作動させる(及び指示器320を停止する)ことによってピッキングが完了したことを、ピッキングをする者が示すことができる。
【0039】
いくつかの例では、貯蔵棚130は、オンボードの電源325も備えることができる。電源325は、例えば、電子機器または電気機械機器315をロボット120からの電力なしで使用することを可能にするためのバッテリまたはコンデンサを含むことができる。いくつかの例では、以下に説明するように、ロボット120は、電源325を再充電することができ、またはその逆も可能である。したがって、電源325は、貯蔵棚130及び/またはロボット120用のバックアップ電源を備えることができる。他の例では、ロボット120は、貯蔵棚の唯一の電源とすることができる。言い換えると、この構成では、貯蔵棚130は電源325を有さず、ロボット120に接続されたときにのみ電力を有する。
【0040】
当然、指示器320、ピッキング用スイッチ330、電源325、及び他の構成要素は、
図3Aに特定の構成で示されているが、他の構成も可能である。いくつかの例では、貯蔵棚130の各棚310は、例えば、指示器320を備えることができる。この様式では、指示器320は、商品が特定されて迅速に識別される貯蔵棚130及び棚310の両者を表すことができる。同様に、いくつかの構成では、ピッキング用スイッチ330は、例えば、ロボット120が貯蔵棚130をピッキングしてそれを戻すときに、ピッキング用スイッチ330が自動的に作動するように、ベース305の底部に配置することができる。結果として、
図3Aは、単に例示的なものであり、限定するものではないことが意図されている。
【0041】
図3B及び
図3Cに示すように、いくつかの例では、貯蔵棚130は、1つまたは複数のアクチュエータを備えることもできる。いくつかの例では、棚310は、貯蔵棚130に枢動可能に連結でき、傾動機構350に取付け得る。この構成では、傾動機構350は、例えば、各棚310に枢動可能に連結される中心軸355を備えることができる。中心軸355は、例えば、リニアアクチュエータ、電気モータまたは他の手段などのアクチュエータ360を使用して垂直に移動させることができる。
【0042】
この構成において、棚310は、第1の態勢(
図3A)及び第2の態勢(
図3B)を有することができる。
図3Bに示すように、この第1の態勢では、棚310の内側部分310aは、商品140、箱、トートその他のアイテムが貯蔵棚130の中心に向かってスライドするように傾けられ得る(または機構に応じて外側部分310bが上に傾けられる)。これにより、例えば運送中に商品140が、通過する棚310に引っ掛かるのを防止することができ、倉庫内の隆起部や些細な衝突によりアイテムが棚310から落下することを防止することができる。
【0043】
一方、
図3Cに示すように、貯蔵棚130がワークステーション150に到着すると、棚310の内側部分310aが中央で上に傾き(または外側部分310bが機構に応じて下に傾き)、棚310を第2の態勢に傾けることができ、在庫140が貯蔵棚130の外側に滑るようにする。このことは、例えばピッキングをする者が棚310から商品を取り出すこと、在庫の計数または確認を実行すること、及び/または、棚310を再補充することを可能にするのに有用であり得る。また、棚310は、倉庫の在庫管理の操作中にもこの態勢で配置されてよく、例えば通っているロボット120が商品の画像をより容易にスキャンまたは取込むことを可能にする。
【0044】
また、棚310を第1の態勢と第2の態勢との間で動かすことは、棚310にある商品140を真っ直ぐにする、配置する、または固定するのを補助することができる。言い換えれば、様々なサイズのボックス内にある場合がある商品140が、リムまたはストップを含むことができる棚310の外側部分310bまたは内側部分310a中へと滑り込むと、ボックスは位置合わせして真っ直ぐになる傾向がある。いくつかの例では、棚310は、1つまたは複数の中間の態勢に傾けられて、貯蔵棚130との任意の様々な操作または相互作用を促すこともできる。例えば、棚310が実質的に水平である特定の中間の態勢は、例えば、長期間保管するため、棚310及び貯蔵棚130の変形応力を最小限に抑えるのに有用である場合がある。あるいは、各棚310または棚内の区画は、対応する傾動機構350を介して任意の他の棚または区画から独立して制御可能に傾け得る。
【0045】
さらに他の例では、棚310の1つまたは複数、または棚内の区画は、押出し機375を含むこともできる。押出し機375は、例えば、棚310内の商品を移動させるためのリニアアクチュエータを備えることができる。これは、例えば、棚を傾けてもボックスと棚310との間の摩擦が克服できない非常に重い箱を移動させるのに役立ち得る。他の例では、棚310は第1の態勢(または略水平の中間の態勢)に留まらせることができ、例えば押出し機375は、ピッキングされる商品140のみを前進させることができる。言い換えれば、棚にある商品140のすべては後退位置、つまり棚310の縁から離れた位置にあり、それに対してピッキングされる商品140は前方の位置にあることができる。
【0046】
図4に示すように、本開示の例は、システム400の任意のロボット120が使用するためのモジュラーツールを提供するためのシステム400も含むこともできる。いくつかの例では、システム400は、ベース305に搭載される、1つ以上の構成要素410(点線にて全般的に示されている)を有する複数のベースツール405を含むことができる。この様式では、各々の必要な機能(例えば、ロボットアームまたはカメラアレイを有するロボット120)に専用のロボット120を有するのではなく、システム400内の任意のロボット120が、任意のベースツール405のための運送機構として働くことができる。いくつかの例では、ベース305は、棚入れユニット310を支持するために使用するものと同じベース305とすることが可能である。他の例では、ベース305は、その上に搭載される構成要素410のために作ることができる。これは、例えば、追加の強度を必要とする構成要素410、または例えば狭いスペースに適合する必要がある構成要素410(例えば、モップ掛けツール)に必要であり得る。したがって、例えば、以下に説明するロボットアーム用ベースツール505は、ロボットアーム510によりベースに加えられるトルクに耐えるために、構造的に剛性のベース305が必要であり得る。一方、床用ベースツール805は、貯蔵棚130の間または下に嵌まる特別な形を必要とする場合がある。この目的のために、いくつかのベースツール405は、特定のタスクを実行するが、ロボット120とベースツール405間のインターフェースのモジュール性を依然維持するための特別なプラットフォームを有してもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、ロボット120は、ベースツール405を直接制御することができる。言い換えれば、ロボット120のセンサ210、215、250、追加の入力装置230、及びカメラ225は、ロボット120のプロセッサと協働して、ベースツール405を制御して様々な義務を実行するのに使用し得る。したがって、例えば、ロボット120は、管理モジュール115から例えばアイテムの保全を実行するためのコマンドを受信することができる。次いで、ロボット120は、適切なベースツール405を回収し、例えば、1つ以上のセンサ210、215、250、追加の入力装置230、またはカメラ225で特定できる要求された位置に進み、次に、ベースツール405を用いて要求されたタスクを実行することができる。いくつかの例では、ロボット120は、後で使用するために、ベースツール405を所定の位置(例えば、保管用ロッカー)に戻すことができる。他の実施形態では、ロボット120は、使用後にベースツール405を別の場所に戻すことができ、各ベースツール405の位置は、例えば、管理モジュール115またはロボット120が記憶することができる。
【0048】
他の例では、ロボット120は、予めプログラムされたルーチン(例えば、床を掃いて、次いで床にモップを掛けること)に1つ以上のベースツール405を使用することができる。さらに他の実施形態では、ロボット120は、管理モジュール115がベースツール405を遠隔で(例えば、ベースツール405のトランシーバを介して)制御している間に、ベースツール405にただ運ぶ、運送する、及び/または電力を提供することができる。他の実施形態では、ロボット120は、本質的に、ロボット120内の通信リンクを介して管理モジュール115がベースツール405を制御することを可能にするためのリレーとして機能することができる。さらに他の実施形態では、ベースツール405は自律型または半自律型であり得、特定の動作を実行するためのメモリ及びプロセッサを備えることができる。さらに他の実施形態では、ベースツール405は、制御(例えば、掃き担当具)や唯一の電力(例えば、モップ担当具)を必要とせず、ロボット120が、タスクを達成するためにベースツール405を適切なパターンでまさに動かすことができる。
【0049】
いくつかの例で、
図5に示すように、ベースツール405は、ロボットアーム510付きのベース305を含むロボットアーム用ベースツール505を備えることができる。ロボット120が、1つまたは複数のセンサ(例えば、カメラ225)で倉庫170の床にある商品140を特定したら、例えば、ロボット120は、適切なメッセージを管理モジュール115に送信することができる。管理モジュール115は、例えばロボット120(または他のロボット120)にロボットアーム用ベースツール505を回収し、その場所に戻って、床から商品140を回収する指令をすることができる。いくつかの例では、ロボット120は、例えば、適切な貯蔵棚130、ワークステーション150、または専用の「紛失して見つかった」貯蔵棚130に商品140を戻すことができる。
【0050】
いくつかの実施形態では、ロボット120は、ロボットアーム510を直接制御することができる。言い換えれば、ロボット120のセンサ210、215、250、追加の入力装置230、及びカメラ225は、ロボットアーム用ベースツール505を制御して様々な義務を果たすため、ロボット120のプロセッサと共に使用し得る。したがって、例えば、ロボット120は、床にある前述の商品140の位置に戻って、1つまたは複数のセンサ210、215、250、追加の入力装置230、またはカメラ225でそれを特定し、次に、商品140をロボットアーム510で拾うことができる。いくつかの例では、ロボット120は、例えば、適切な貯蔵棚130、ワークステーション150、または紛失して発見された中央のエリアまたは位置に商品140を戻すことができる。
【0051】
他の例では、ロボット120は、予めプログラムされたルーチン(例えば、床を掃く)においてロボットアーム用ベースツール505を使用することができる。さらに他の実施形態では、ロボット120は、管理モジュール115が、ロボットアーム用ベースツール505を制御して(例えば、ロボットアーム用ベースツール505のトランシーバを介して)またはロボット120内の通信リンクを介して、ロボットアーム用ベースツール505を運ぶ、及び/または電力を供給することができる。さらに他の実施形態では、ロボットアーム用ベースツール505は自律型または半自律型であり得、メモリ及び特定の動作を実行するためのプロセッサを含むことができる。
【0052】
図6に示すように、他の例では、ベースツール405は、1つ以上の撮像装置またはカメラ615を備えた固定または調整可能な(例えば、入れ子式またははさみ式の)マウント610を含むカメラ用ベースツール605を備えることができる。いくつかの例では、前述のようにカメラ用ベースツール605を使用して倉庫170の在庫確認及び/または計数を行うことができる。これは、貯蔵棚130自体の位置及び構成を確認し、貯蔵棚130内の商品140を確認及び/または計数することを含むことができる。他の例では、カメラ用ベースツール605を定期的に使用して倉庫170を「巡回して」、例えば侵入者を検出し、紛失した商品を見つけ出し、動作を監視することができる。
【0053】
いくつかの例では、カメラ用ベースツール605は、1つまたは複数のRFIDスキャナ615を備えることができる。したがって、ロボット120が倉庫170を動き回ると、ロボット120は、ロボット120の近くで商品をスキャンすることができる。RFIDは比較的限定された範囲(例えば、10フィート未満)を備えるよう設計し得るため、RFIDタグは、正確な在庫データを提供するために使用することができ、また在庫の場所に関するデータを提供することもできる。言い換えれば、商品140は、読み取られるRFIDスキャナ615の範囲内になければならないので、その位置は、少なくともRFIDシステムの範囲(例えば、10フィート)であるとわかる。その結果、スキャナ615は、ロボット120の棚のタグ及び10フィート以内の他の棚の任意のタグを読み取ることができる。
【0054】
しかし、ロボット120が動いているとき、ロボット120が運んでいる商品140のRFIDタグは範囲内に留まり、一方で他の棚に位置するタグは入ってきたり範囲外に出たりする。その結果、ロボット120(または管理モジュール115)は、ロボット120が移動する際商品が範囲内に留まるため、ロボット120がどの商品を運んでいるかを判定することができる。さらに、管理モジュール115は、ロボット120が倉庫内を移動するときに、ロボット120から得る速度及び方向の情報を使用して、商品140の位置をさらに確認することもできる。言い換えれば、商品140は、スキャナ615の範囲内に最初に入った位置と、スキャナ615の範囲から外れた位置との間に概ね位置してよい。
【0055】
他の例では、カメラ用ベースツール605は、例えば、異常な熱源を識別するために赤外線カメラ615を備えることもできる。これにより、隣接する製品間の望ましくない化学反応、例えば、自然発生的な燃焼や電気的な問題などの特定が促され得る。当然、カメラ615は、多くのタイプの可視及び不可視のスペクトル検出器、センサ、レーザ、及び他の構成要素を備えることができる。
【0056】
図7に示すように、さらに他の例で、ベースツール405は、1つまたは複数のライト715、つまりはフラッシュを含むライトツール705を備えることができる。ライト715は、例えば停電の場合にロボット120が緊急照明を提供することを可能にする。また、ライトツール705は、倉庫170の修理のため、在庫画像の取込みのため、または特定の貯蔵棚130(例えば、破損しているもの)へ従業員を誘導するガイドとして、照明を提供することもできる。いくつかの例では、ライト715は、固定式または調節可能な(例えば、入れ子式の)ベース710によって支持され得る。
【0057】
図8に示すように、いくつかの実施形態で、ベースツール405は、床用ベースツール805を含むこともできる。名前が示唆するように、床用ベースツール805は、倉庫170内の床を清掃、塗装、または他の方法で保全するためのツールを含むことができる。この目的のために、いくつかの例では、床用ベースツール805は、床掃除付属物810を備えることができる。床掃除付属物810は、例えば、箒付属物、モップ付属物、バッファ、真空、またはワックスを含むことができる。以下に説明するように、床用ベースツール805は、専用の床用マシン(例えば、自動床洗浄機)を必要とすることなく、ロボット120が倉庫の床を清掃することを可能にし得る。
【0058】
他の例では、床用ベースツール805は、倉庫170内を移動する間に、ロボット120がその位置を識別できるように、倉庫170内の床を塗装、ストライプ付け、シール貼付、継ぎ合わせ、さもなければ保全するためのツールを含むことができる。いくつかの例では、倉庫170の床は、例えば、誘導のため、ロボット120が使用するために床に塗装または接着された磁気または高視認性のストライプを含むことができる。加えて、マーキングを設けて排除ゾーンを作成し、作業員がロボット120に干渉することなく、またロボット120に当たることなく、倉庫170を通り抜けることを可能にする。この構成では、床用ベースツール805を使用して、必要なマーキングを設置及び/または維持して、保全の費用と時間を削減できる。
【0059】
ベースツール405とは無関係に、いくつかの例では、ベースツール405は、ロボット120が制御することができる。例えば、ロボットアーム用ベースツール505は、本質的に、ロボット120にその使用のためのアームを提供することができ、ロボットのセンサ、スキャナ、及び他の入力装置210、215、230、250及び/またはカメラ225と共に、ロボット120のプロセッサによって制御されてもよい。この様式では、ロボット120は、アームを備えたロボット120の機能性を含むことができるが、ロボット120にロボットアーム510を恒久的に設置しているわけではない。結果として、ロボット120の各々は、専門化(例えば、恒久的に設置されたアームを有するロボット120は、貯蔵棚130をピッキングすることができない場合がある)することなく、多目的に使用することができる。
【0060】
他の実施形態では、ロボット120は、運送、連通路及び/またはベースツール405用の電力としてまさに機能することができ、ベースツール405は、管理モジュール115が直接(またはロボット120を介して)制御することができる。したがって、例えば、管理モジュール115は、ロボット120に床用ベースツール805を回収するように命令し、次いで、倉庫170または倉庫170の一部を掃くかモップ掛けをするためにロボット120にターンバイターンで方向を提供することができる。さらに他の実施形態では、管理モジュール115とロボット120との間で処理を共有することができる。この構成では、管理モジュール115は、ロボット120に(1)床用ベースツール805を回収し、(2)倉庫170を掃くかモップ掛けをする、ように命令することができる。次に、ロボット120は、床全体を網羅するために、予め設定されたパターンまたはランダムなパターンを使用して倉庫170を動き回ることができる。この様式では、管理の一部は管理モジュール115によって制御され(例えば、清掃のタイミング及び場所)、管理の残りはロボット120によって制御される(例えば、従うパターン、速度など)。
【0061】
同様に、任意のロボット120は、それ自体の目的のためにカメラ用ベースツール605を使用することができ(例えば、ロボット120のカメラ225よりも高い視座を提供するために)、またはカメラ用ベースツール605を使って倉庫170の全部または一部の画像を取込むために使用することができる。上述したように、これは、例えば、在庫確認及び/または計数を行うために、またはセキュリティまたはパトロールの目的で使用することができる。前述のように、いくつかの実施形態では、ロボット120は本質的に「ダム端末」として機能することができ、管理モジュール115からのコマンドだけに基づいて動作することができる。この構成では、管理モジュール115は、ロボット120にカメラ用ベースツール605の位置に行き、それをピッキングし、次に管理モジュール115によって提供されるパターンまたは経路で倉庫170を横切る命令を出し得る。他の例では、ロボット120は自律的または半自律的であり得、管理モジュール115は「在庫確認を行う」ようにまさにロボット120にコマンドを送信することができる。次に、ロボット120は、カメラ用ベースツール605の事前に設定された位置に移動し、(または)カメラ用ベースツール605(を探し)、カメラ用ベースツール605をピッキングし、倉庫170全体または倉庫170の一部を網羅するように設計された事前設定されたパターンまたはランダムなパターンに従うことができる。さらに他の実施形態では、ロボット120及び管理モジュール115は、制御及びコマンドを共有することが可能であり、管理モジュール115が在庫確認を遂行する場所(例えば、倉庫170の北西のクォッドラント)を指定し、ロボット120が、それに必要なパターンを決定する。
【0062】
図9A及び
図9Bに示すように、いくつかの例では、ベースツール405は、ベース305に配置された電源によって電力供給され得る。ベース305は、例えば、1つまたは複数のバッテリ、コンデンサ、燃料電池、または1つ以上のベースツール405に電力を供給するための他の電源を含み得る。他の例では、ベースツール405は、ロボット120の電源によって電力を供給され得る。この目的で、
図9A及び
図9Bに示すように、持ち上げ機構235及びベース305は、相補的な電力及び/またはデータ通信接続を含むことができる。いくつかの例では、持ち上げ機構235は、接続部(複数可)の1つの部分(例えば、雄または雌)を備えることができる(
図9A)が、接続部の他の部分はベースに配置することができる(
図9B)。接続は、例えば、ボールグリッドアレイ905、3プロング電源ソケット910、1つまたは複数のUSBコネクタ915、または円形の多ピンコネクタ920を含むことができる。当然、他のタイプのデータ通信接続は、絶縁された光/光ファイバ通信接続、短距離RF(例えば、Bluetooth(登録商標))、近距離通信、自動車スタイルのコネクタ、及びバネ式コネクタ(例えば、「ポゴ」コネクタ)を含み得るが、これらに限定されない。同様に、例えば、誘導式の補助変速機、接触板、及び他の接触及び非接触での電力伝達接続を含む、他のタイプの電力接続も可能である。
【0063】
いくつかの例では、データ通信及び/または電力転送は、ボールグリッドアレイ905によって提供することができる。
図9A及び
図9Bに示すように、ボールグリッドアレイ905は、持ち上げ機構235の複数のボール905aと、ベース305の複数の半球状のソケット905b(またはその逆)とを備えることができる。この様式では、ボール905aはソケット905b内で自動整列する傾向があるので、接続を行うのに要求される精度は低くなる。さらに、可能な接続数が多いため、いくつかの例では、ボールグリッドアレイ905の部分的な誤整列が許容でき、ロボット120は、正しい電力及び通信経路を識別し、マッピングし得る。言い換えると、必要よりも著しく多くの接続が存在する場合、部分的な位置合わせだけが必要であり、ロボット120は各接続を識別し、それらを適切に接続することができる。
【0064】
いくつかの例では、ベース305とロボット120との間の接続(コネクタに関係ない)は、1つ以上の低電力接続(例えば、電子機器用の5V DC)及び1つ以上の高電力接続(例えば24V DCまたは110V AC)を含み得る。接続はまた、ベース305とロボット120との間の1つ以上のデータ通信接続を含むことができる。いくつかの例では、データ通信接続は、ケーブルエリアネットワーク(CAN)、LAN、及び他の有線接続を含むことができる。他の例では、データ通信接続は、近距離無線接続、WLAN、または他の無線接続を含むことができる。さらに他の例では、すべてのデータ通信接続が無線(例えばWLAN)であってもよく、すべての電力接続が無線(例えば、誘導式の補助変速機)であってもよい。
【0065】
ロボット120(持ち上げ機構235を介して)と、ベースツール405及び貯蔵棚130との間の電力及びデータ通信接続(例えば、ボールグリッドアレイ905)により、ロボット120がベースツール405と貯蔵棚130に電力を供給することが可能になり、その逆も可能になり得る。また、いくつかの例で、それらの接続は、ロボット120がベースツール405を制御できるようにし得る。言い換えれば、ロボットアーム用ベースツール505は、ロボット120により係合される(例えば、持ち上げられる)ときに、本質的に「ロボット120のアーム」になることができる。この様式では、ロボット120のうちの任意のものは、機能性の向上のため必要なときロボットアーム用ベースツール505を追加することができ、重量と複雑さを減らすために必要でないときにそれを取り外すことができる。同様に、接続により、使用中に必要に応じてロボット120がカメラ315a、615、スキャナ315b、ライト315c、715、掃き担当具/モップ担当具810、センサ、アクチュエータ及び他のベースツール405を制御することが可能になる。
【0066】
他の実施形態では、ロボット120は、管理モジュール115とベースツール405間でのまさに電力供給及び/または通信をもたらすことができる。いくつかの例では、管理モジュール115は、ベースツール405のトランシーバで直接通信し、コマンドを与えることができる。他の実施形態では、管理モジュール115は、ロボット120のトランシーバを介してベースツール405と通信することができ、1つ以上の接続を介してロボット120からベースツール405に通信が伝達される。
【0067】
さらに他の実施形態では、ベースツール405及び/または貯蔵棚130は、自己完結型及び/または自動化されていてもよい。この様式では、ロボット120は、ベースツール405または貯蔵棚130のための運送を提供するだけである。この構成では、ベースツール405または貯蔵棚130は、(1)オンボードの電力によって電力供給され、管理モジュール115によって制御されるか、(2)オンボードの電源で電力供給し、オンボードのプロセッサ/ロジックを使用して自律的または半自律的に動作し得る。さらに他の例では、持ち上げ機構235は、1つ以上の重量センサまたは荷重センサ925をさらに備えることができる。荷重センサ925は、例えば、圧力トランスデューサまたはひずみゲージを備えることができ、荷の全重量及び/または荷重の分布に関する情報を提供できる。荷重センサ925は、例えば荷重が不均衡になったときにロボット120が感知することを可能にし、荷を完全にはピッキングしないか、中心から外れている荷をピッキングして、荷が倒れないようにし得る。いくつかの実施形態では、荷重センサ925は、ロボット120が、例えばその運搬能力を超える貯蔵棚130をピッキングするのを防ぐこともできる。これにより、倉庫内での(例えば、荷の落下による)損傷の危険性を低減し、とりわけロボット120の保全を低減することができる。
【0068】
図10に示すように、本開示の例は、ロボット及びベースツール(または貯蔵棚)を用いて様々な保全動作を実行するための方法1000も含むことができる。方法1000は、1005に示すように、ロボットが管理モジュールからの保全命令または要求を受信することから始めることができる。保全要求は、障害物または置き違えた商品のために倉庫をスキャンすること、在庫管理制御用のイメージやスキャンを取込むこと、倉庫の清掃またはその他の保全、及び他の保全プロジェクトに対しライトを提供することなどのいくつかのタスクを含み得るが、それらに限定されない。
【0069】
次いで、管理モジュールは、1010に示すように、コマンドをロボットに送信することができる。いくつかの例では、コマンドは、ベースツールに最も近いロボット、管理モジュールに最も近いロボット、またはまさに現在使用されていないロボットに送信することができる。命令は、例えば、完了すべきタスク、タスクに必要なベースツール、ベースツール及びタスクの位置、及び完了予想時間を含むことができる。したがって、例えば、コマンドはロボットに、カメラ用ベースツールを使用して倉庫全体をスキャンするよう指示し、カメラツールは倉庫の北西の角にあり、ロボットは約1時間ですべての貯蔵棚を撮像しながらすべての通路を行き来するということを指令できる。
【0070】
次に、命令、ホーミング信号、トラック、視覚的識別子、位置識別子、または他の手段に基づいて、ロボットは、1015に示すように、ジョブに必要なベースツールを見つけることができる。いくつかの例では、各ベースツールは、使用後に同じ場所または別の場所に戻すことができ、それぞれの位置は、例えば管理モジュールまたはロボットが記憶することができる。上述したように、ベースツールは、例えば、カメラ用ベースツール、ライト用ベースツール、またはロボットアーム用ベースツールを含むことができる。いくつかの例では、システムは、同じベースに2つ以上の構成要素(例えば、ライト及びカメラ)を含む「スイスアーミーナイフ」式ベースツールを含むこともできる。他の例では、コマンドは、追加の構成要素を含む貯蔵棚の位置をロボットに指示することができる。この場合、貯蔵棚は、商品をピッキングしたり収納したりするのではなく、貯蔵棚に設置された機器(例えば、カメラ及び/またはライト)を利用するために使用される。あるいは、コマンドは、貯蔵棚からピッキングされるか貯蔵棚に格納される在庫に関する命令と、貯蔵棚に設置される他の機器または構成要素に関する命令との両方を、連続的に、または平行して実行することを含むことができる。
【0071】
次に、ロボットは、1020に示すように、ベースツールを持ち上げて接続することができる。上述したように、接続は、電力及び/またはデータ通信接続を含むことができる。例えば、ベースツールがロボットアーム用ベースツールである場合、接続は、ロボットがアームに電力を供給するための電源接続、及び/またはアームを制御するためのロボット(または管理モジュール)用のデータ通信接続を含むことができる。これにより、ロボットは倉庫を動き回り、例えば倉庫の床から障害物を取り除くことができ、さもなければロボットアームを使用して物体またはアイテムを操作することができる。
【0072】
一旦接続されると、ロボットは、1025に示すように、保全場所に移動することができる。いくつかの例では、管理モジュールからのメッセージにて位置情報を提供することができる。他の例では、特定のタスクの位置情報をロボットに記憶することができる。例えば、倉庫全体を障害物のためにスキャンしたり、床用ベースツールを使用して倉庫内の床を清掃したりする場合、ロボットは管理モジュールによる入力/制御の有無にかかわらず、すべての通路の所定の経路を辿って行き来することができるか、操作を行う間にロボットが経路を決定することができる。
【0073】
次いで、ロボットは、1030に示すように、要求されたアイテムの保全を実行することができる。上述したように、いくつかの実施形態では、ロボットは、実質的に自律的であり得、ベースツール(例えば、ロボットがロボットアーム用ベースツールを直接制御することができる)、パターン、アイテムの保全の全体的な手順を制御することができる。他の実施形態では、管理モジュールはロボットをツールとして制御することができ、ロボットはベースツールへの運送、電力及び/またはデータ通信リンクを単に提供する。さらに他の実施形態では、管理モジュールは、ロボットが他の部分を制御できる間に、アイテムの保全の特定の部分を制御することができる。タスクが完了すると、ロボットは、例えば、1035に示すように、ベースツールをその通常の位置または他の場所に戻し、その後、他の活動を再開することができる。
【0074】
図11に示すように、システムのモジュール性のために、本開示の実施形態は、同じロボットで複数のタスクを実行する方法1100を含むこともできる。言い換えれば、貯蔵棚130、ベースツール405、及び棚310は本質的にモジュール式であるので、特別なロボット120は必要なく、単一タイプのロボットが複数のタスクを実行することができる。方法1100は、例えば、1105に示すように、管理モジュールが製品要求を受信することから開始できる。いくつかの例では、管理モジュールは、例えば、電子商取引のウェブサイトに接続され、要求を直接受信することができる。他の例では、注文は外部のウェブサイト、コールセンター、またはアプリケーションによって処理され、その後管理モジュールに送ることができる。
【0075】
次いで、管理モジュールは、1110に示すように、倉庫内のロボットにメッセージを送信することができる。メッセージは、例えば、要求された商品を含む貯蔵棚の位置、商品がピッキングされるワークステーションの位置、及び貯蔵棚自体の詳細を含むことができる。例えば、貯蔵棚に追加の電子機器が含まれている場合、メッセージは、一度接続された貯蔵棚のカメラまたはスキャナを使用するようロボットに指示することもできる。また、メッセージは、ピッキングが完了した後などに、貯蔵棚を元の場所、別の場所に持っていく、保全、または再補充するようにロボットに指示することもできる。
【0076】
貯蔵棚が電源及び追加の電子構成要素を有する場合などのいくつかの例では、管理モジュールは、1115に示すように貯蔵棚にメッセージを送信することもできる。いくつかの例では、メッセージにより貯蔵棚にその指標をオンするように指令し得る。他の例では、メッセージで貯蔵棚にビーコンを起動するよう指示し、ロボットが貯蔵棚を特定するのを助けることができる。貯蔵棚には、ライト、カメラ、スキャナ、センサ、アクチュエータ、またはロボットの到着前に起動されるべき他の機器も含まれていてもよい。さらに他の例では、貯蔵棚がオンボードの電源を有していなくてもよく、管理モジュールは、貯蔵棚がロボットに取付けられた後にのみメッセージを送信してもよい。
【0077】
次に、ロボットは、1120に示すように、倉庫内の貯蔵棚を見つけることができる。上述したように、位置情報は、ロボットへのメッセージに含めても、ロボットにオンボードに記憶してもよい。ロボットは、GPS、セル方式の位置特定サービス、ホーミングビーコン、視覚的識別子、位置識別子、床のトラック及び/またはスロット、または現在の位置から貯蔵棚に移動するための他の適切な手段を使用することができる。いくつかの例では、ロボットは貯蔵棚をスキャンして、正しい貯蔵棚を見つけたことを確認することもできる。
【0078】
次に、ロボットは、1125に示すように、貯蔵棚を床からわずかに持ち上げて、貯蔵棚が確実にロボット上で十分に平衡な状態でいるようにし、貯蔵棚をピッキングするために適切なワークステーションに運ぶことができる。また、いくつかの例では、貯蔵棚を持ち上げることは、貯蔵棚とロボットとの間の例えば電力及び/またはデータ通信を含む1つまたは複数の電気的接続を確立できる。これにより、ロボットは貯蔵棚の任意のオンボードの電源に電力を送ることができ、その逆も可能である。また、電気的接続でロボットが貯蔵棚の任意の電気機器からデータを利用、送信、及び/またはダウンロードすることが可能になり得る。いくつかの例では、貯蔵棚の電気機器は、ロボットが貯蔵棚に接続されている場合にのみ電力を供給することができる。上述したように、これにより、ロボットは、他の操作またはタスクの間に貯蔵棚の位置からワークステーションに移動し、戻る際に倉庫をスキャンまたは撮像することができる。
【0079】
ワークステーションでは、1130に示すように、従業員または「ピッキングをする者」が、要求された商品を貯蔵棚から取り除くことができる。いくつかの例では、ピッキングをする者は、1135に示すように、貯蔵棚のピッキング用スイッチを手動で起動(または停止)し得る。他の例では、例えば、レーザスキャナまたはカメラがピッキングを検出し、貯蔵棚のピッキング用スイッチを作動させることができる。いくつかの例では、ピッキング用スイッチは貯蔵棚の指示器をオフにすることができる。また、他の例では、ピッキング用スイッチは、貯蔵棚及び/またはロボットから、ピッキングが完了した管理モジュールに、メッセージを送ることもできる。さらに他の例では、ピッキング用スイッチは貯蔵棚の電気機器を停止させることができる。その後、ロボットは、1140に示すように、必要に応じて、貯蔵棚を元の場所、別の場所、保全、または補充に戻すことができる。
【0080】
上述したように、システムのモジュール性により、次いで同じロボット120は、1145に示すように、管理モジュールから保全作業を実行する要求を受信することができる。前述のように、保全要求は、障害物や置き違えた商品のため倉庫内をスキャンすること、在庫管理制御のため画像や写真やスキャンを取込むこと、環境の特徴の感知、他の保全プロジェクトに対してライトを提供することなどのいくつかのタスクを含み得るが、これらに限定されない。
【0081】
次いで、管理モジュールは、1150に示すように、コマンドをロボットに送信することができる。いくつかの例では、コマンドは、ベースツールに最も近いロボット、管理モジュールに最も近いロボット、またはまさに現在使用されていないロボットに送信することができる。命令は、例えば、完了すべきタスク、タスクに必要なベースツール、ベースツール及びタスクの位置、及び完了予想時間を含むことができる。したがって、例えば、コマンドによりロボットに、カメラ用ベースツールを使用して倉庫全体をスキャンするよう指示し、カメラツールは倉庫の北西の角にあり、ロボットはすべての貯蔵棚を撮像しながらすべての通路を約1時間で行き来することを指令できる。
【0082】
コマンド、ホーミング信号、トラック、視覚的識別子、位置識別子、または他の手段に基づいて、ロボットは次いで、1155に示すように、ジョブに必要なベースツールを見つけることができる。いくつかの例では、各ベースツールは、使用後に同じ場所または別の場所に戻すことができ、例えばそれぞれの場所をロボットに記憶することができる。上述したように、ベースツールは、例えば、カメラ用ベースツール、ライト用ベースツール、またはロボットアーム用ベースツールを含むことができる。いくつかの例では、システムは、同じベース(例えば、ライト、センサ、アクチュエータ、及びカメラ)に2つ以上の構成要素を含む「スイスアーミーナイフ」式ベースツールを含むこともできる。他の例では、コマンドは、追加の構成要素を含む貯蔵棚の位置をロボットに指示することができる。この場合、貯蔵棚は、商品をピッキングするのではなく、貯蔵棚に設置された機器(例えば、カメラ、スキャナ、センサ、アクチュエータ及び/またはライト)を使用するために利用される。
【0083】
次いで、ロボットは、1160に示すように、ベースツールを持ち上げて接続することができる。上述したように、接続は、電力及び/またはデータ通信接続を含むことができる。例えば、ベースツールがロボットアーム用ベースツールである場合、接続は、ロボットがアームに電力を供給するための電源接続、及び/またはロボット(または管理モジュール)がアームを制御するためのデータ通信接続を含むことができる。これにより、例えばロボットが倉庫に入り、倉庫の床から障害物を取り除くことができる。
【0084】
一旦接続されると、1165に示すように、ロボットは保全場所に移動することができる。いくつかの例では、管理モジュールからのメッセージで位置情報を提供することができる。他の例では、特定のタスクの位置情報をロボットに記憶することができる。例えば、倉庫全体を障害物のためにスキャンしたり、床用ベースツールを使用して倉庫の床を清掃したりするタスクであれば、ロボットは所定の経路に沿ってすべての通路を行き来することができる。
【0085】
その後、ロボットは、1170に示すように、要求されたアイテムの保全を実行することができる。上述したように、いくつかの実施形態では、ロボットは、実質的に自律的であり得、ベースツール(例えば、ロボットがロボットアーム用ベースツールを直接制御することができる)、パターン、アイテムの保全の全体的な手順を制御することができる。他の実施形態では、管理モジュールがロボットをツールとして制御することができ、ロボットは運送、ベースツールへの電力供給、及び/またはデータ通信リンクを単に提供する。さらに他の実施形態では、管理モジュールは、ロボットが他の部分を制御できる間に、アイテムの保全の特定の部分を制御することができる。完了すると、ロボットは、1175に示すように、ベースツールをその保管場所または別の場所に戻し(または、維持すべく保全する)、次に別のタスク(例えば、別のピッキングまたは別の保全タスク)に進むことができる。
【0086】
管理モジュールは、例えば保全作業員に照明を提供するために、ロボットに「通路4を照らす」ように命令することができる。その後ロボットは、例えば、定まった場所から、または視覚的にそれを位置決めして、またはホーミングビーコンを使用することなどによって、ライト用ベースツールを回収し、次にロボットのメモリに記憶された場所であり得る通路4に移動し、ライト用ベースツールを作動させることができる。完了すると、ロボットは、ライト用ベースツール(または他のベースツール405または貯蔵棚130)を元の、または他の適切な位置に戻すことができる。いくつかの例では、ベースツール405または貯蔵棚130は、定まった「ホーム」位置を有することができる。他の例では、管理モジュールは、ロボットがベースツールを特定の場所に戻すための第2のコマンドを送信することができる。さらに、システムのモジュール性のため、どのロボットでも任意のベースツールを使用することができ、1つのロボットは1つのベースツールを使用して、それを戻すか接続を断ち、次いで別のベースツールを使用することができる。
【0087】
さらに他の例では、管理モジュール115は、ロボット120及びベースツール405を直接制御することができる。言い換えれば、いくつかの実施形態では、ロボット120は、管理モジュール115から段階式の命令を受信して第1の位置に移動し、ベースツール405をピッキングし、次いで第2の位置に移動することができる。次に、管理モジュール115は、1つまたは複数の操作を実行するために(直接またはロボット120を介して)、ベースツール405にコマンドを送信することができる。次に、管理モジュール115は、ロボット120に、第1の態勢に戻り、ベースツール405を戻す(例えば、置く)段階式の命令を送信することができる。当然、ロボット120と管理モジュール115の間の他の荷または制御の共有の組み合わせは、本発明の精神から逸脱することなく使用することができる。
【0088】
いくつかの可能な例が上記に開示されているが、本開示の例はそれに限定されない。例えば、倉庫ロボット用のモジュラーツールのシステムが開示されているが、本開示の精神から逸脱することなく、他のツール及び他のロボットを選択することができる。さらに、本開示の例の様々な特性、例えば貯蔵棚の位置及び形状、ロボットのタイプ、及び倉庫のレイアウト用に使用される場所及び構成は、例えば、大きさや構成規約、必要とされるロボットの種類、または重量や電力の制約のために、わずかな変異を必要とする特定の倉庫、在庫、またはロボットに応じて、変わり得るものである。そのような変更は、本開示の範囲内に包含されることが意図される。
【0089】
特定の構成、材料の選択、及び様々な要素のサイズ及び形状は、本開示の原理に従って構成されたデバイス、システムまたは方法を必要とする特定の設計の仕様または制約に従って変更することができる。そのような変更は、本開示の範囲内に包含されることが意図される。したがって、今現在開示されている例は、すべての点で例示的であり、限定的ではないと考えられる。本開示の範囲は、上記の明細書ではなく、添付の特許請求の範囲によって示され、その等価物の意味及び範囲内に入るすべての変更は、その中に包含されることが意図される。
【0090】
条項1 システムであって、
前記システムの1つ以上の構成要素を指示する管理モジュールと、
ロボットであって、
前記ロボットを倉庫内で移動させるための駆動システムと、
少なくとも前記ロボットまたは前記管理モジュールにデータを提供する1つ以上のセンサと、
前記システムの前記1つ以上の構成要素を前記倉庫の床から持ち上げるための退縮態勢と伸張態勢を有する持ち上げ機構であって、前記駆動システムを介して、前記倉庫内の前記システムの前記1つ以上の構成要素を移動する前記伸張態勢にある前記持ち上げ機構と、
前記ロボットと前記システムの前記1つ以上の構成要素との間で、電力を送り、通信を提供する1つ以上の接続と、
を備える、前記ロボットと、
ロボットアーム用ベースツールであって、
前記ロボットアーム用ベースツールと前記ロボットとの間で、電力を送り、通信を提供するための1つ以上の相補的な接続を含むベースと、
前記ベースに連結され、前記1つ以上の相補的な接続のうちの少なくとも1つに接続されるロボットアームと、
を含む、前記ロボットアーム用ベースツールと、
を含む、前記システムであって、
前記ロボットは、前記ロボットアーム用ベースツールから切り離されたときに第1の動作を実行し、前記ロボットアーム用ベースツールに連結されたときに前記ロボットアームと共に第2の異なる動作を実行するように構成される、前記システム。
【0091】
条項2 前記ロボットが、前記1つ以上の接続を提供するボールグリッドアレイの第1の部分をさらに備え、
前記ロボットアーム用ベースツールが、前記ボールグリッドアレイの第2の部分をさらに備え、前記1つ以上の相補的な接続を提供する、条項1に記載のシステム。
【0092】
条項3 前記ロボットが、前記管理モジュールと通信するための無線トランシーバをさらに備え、
前記管理モジュールが、前記1つ以上の接続、及び前記1つ以上の相補的な接続を介して前記ロボットアームを制御する、条項1に記載のシステム。
【0093】
条項4 前記1つ以上の接続及び前記1つ以上の相補的な接続が、前記ロボットと前記ロボットアーム用ベースツールとの間に、前記伸張態勢にある前記持ち上げ機構で接続され、
前記1つ以上の接続及び前記1つ以上の相補的な接続が、前記退縮態勢にある前記持ち上げ機構で、前記ロボットと前記ロボットアーム用ベースツールとの間で切断される、条項1に記載のシステム。
【0094】
条項5 前記ロボットが、前記管理モジュールと通信するための無線トランシーバをさらに備え、
前記管理モジュールが、前記無線トランシーバを介して前記ロボットに1つ以上のコマンドを送信し、
前記ロボットが、前記1つ以上の接続及び前記1つ以上の相補的な接続を介して前記ロボットアームを制御する、条項1に記載のシステム。
【0095】
条項6 システムであって、
ロボットであって、
環境内で前記ロボットを動かすための駆動システムと、
前記環境内の前記システムの1つ以上の構成要素に接続するための退縮態勢と伸張態勢を有する持ち上げ機構と、
前記ロボットと前記システムの前記1つ以上の構成要素との間で電力を送るまたは通信を提供するための1つ以上の接続と、
を含む、前記ロボット、及び
ベースツールであって、
前記ベースツールと前記ロボットとの間で電力を送るまたは通信を提供するための1つ以上の相補的な接続を含むベースと、
前記ベースに配置され、前記1つ以上の相補的な接続のうちの少なくとも1つに連結されるツールと、
を含む、前記ベースツールを含む、前記システムであって、
前記1つ以上の接続及び前記1つ以上の相補的な接続が、前記伸張態勢で前記ロボットと前記ベースツールとの間に接続され、
前記1つ以上の接続及び前記1つ以上の相補的な接続が、前記退縮態勢で前記ロボットと前記ベースツールとの間で切断される、前記システム。
【0096】
条項7 前記ベースツールが第1のベースツールであり、前記ベースが第1のベースであり、前記ツールが第1のツールであり、
第2の異なるベースツールをさらに含み、
前記第2の異なるベースツールは、
前記第2のベースツールと前記ロボットとの間で電力を送るまたは通信を提供するための1つ以上の第2の相補的な接続を含む第2のベースと、
前記第2のベースに配置され、前記1つ以上の第2の相補的な接続の少なくとも1つに連結された第2の異なるツールと、を含み、
前記ロボットが前記第1のベースツールに接続して第1の動作を実行し、
前記ロボットが前記第2のベースツールに接続して第2の異なる動作を実行する、条項6に記載のシステム。
【0097】
条項8 前記ベースツールが、物体をつかむ、移動する、操作する、または持ち上げることのうちの少なくとも1つのために構成されたロボットアームを含むロボットアーム用ベースツールを含む、条項6に記載のシステム。
【0098】
条項9 前記ベースツールが、前記環境の1つ以上の画像を取込むように構成された1つ以上のカメラを含むカメラ用ベースツールを備える、条項6に記載のシステム。
【0099】
条項10 前記ベースツールが、前記ロボットに近接する領域を照らすように構成された1つ以上の光源を含むライト用ベースツールを含む、条項6に記載のシステム。
【0100】
条項11 前記ベースツールが、前記環境の床の少なくとも一部を保全するように構成された1つ以上の床用ツールを含む、条項6に記載のシステム。
【0101】
条項12 システムであって、
ロボットであって、
環境内で前記ロボットを動かすための駆動システムと、
前記環境内の前記システムの1つ以上の構成要素に選択的に接続するための退縮態勢と伸張態勢を有する持ち上げ機構と、
前記ロボットと前記システムの前記1つ以上の構成要素との間で電力またはデータを送るための1つ以上の接続と、
を含む、前記ロボットと、
第1のベースと、第1のツールと、前記第1のベースツールと前記ロボットとの間で電力またはデータを送るための1つ以上の第1の相補的な接続と、を含む第1のベースツールと、
棚入れユニットと、前記第2のベースツールと前記ロボットとの間で電力またはデータを送るための1つ以上の第2の相補的な接続と、を含む第2の異なるベースツールであって、
各棚が、在庫品を格納するための内側部分及び外側部分を含む1つ以上の棚と、
前記1つ以上の第2の相補的な接続に接続された1つ以上の電子部品と、
を含む、前記第2の異なるベースツールと、
を含む、前記システムであって、
前記1つ以上の接続及び前記1つ以上の第1の相補的な接続または前記1つ以上の第2の相補的な接続は、前記伸張態勢において、前記ロボットと前記第1のベースツールまたは前記第2のベースツールとの間にそれぞれ接続され、
前記1つ以上の接続及び前記1つ以上の第1の相補的な接続または前記1つ以上の第2の相補的な接続は、前記退縮態勢において、前記ロボットと前記第1のベースツールまたは前記第2のベースツールとの間でそれぞれ切断され、
前記ロボットは、前記第1のベースツールに接続して、前記第1のベースツールを使用して第1の動作を実行し、
前記ロボットは、前記第2のベースツールに接続して、前記第2のベースツールを使用して第2の異なる動作を実行する、前記システム。
【0102】
条項13 前記棚入れユニットは、前記1つ以上の棚の第1の棚を、第1の態勢と第2の態勢との間で移動させるための1つ以上のアクチュエータをさらに備え、
前記第1の態勢では、前記第1の棚の前記内側部分が前記第1の棚の前記外側部分の下方にあるように前記第1の棚が傾けられて、前記第1の棚の前記在庫品を前記棚入れユニットの中心位置に移動させ、
前記第2の態勢では、前記第1の棚の前記内側部分が前記第1の棚の前記外側部分の上方にあるように前記第1の棚が傾けられて、前記第1の棚の前記在庫品を前記棚入れユニットの外側位置に移動させる、条項12に記載のシステム。
【0103】
条項14 前記1つ以上の棚の第1の棚は、前記第1の棚の前記内側部分と前記第1の棚の前記外側部分との間で在庫品を移動させるための押出し機をさらに備える、条項12に記載のシステム。
【0104】
条項15 前記第2のベースツールが、
前記棚入れユニットがピッキングのペンディングを有することを示すための1つ以上のライトと、
前記1つ以上のライトをオフにするように構成されたピッキング用スイッチと、
をさらに含む、条項12に記載のシステム。
【0105】
条項16 前記ピッキング用スイッチは、前記ピッキングの完了を示す信号を管理モジュールにさらに伝える、条項15に記載のシステム。
【0106】
条項17 前記ピッキング用スイッチが、前記棚入れユニットからの1つ以上の在庫品の除去を検出するためのレーザスキャナを備え、
前記レーザスキャナが、前記ピッキングの完了を示す信号を管理モジュールにさらに伝える、条項15に記載のシステム。
【0107】
条項18 前記ピッキング用スイッチが、前記棚入れユニットからの1つ以上の在庫品の除去を検出する無線周波数識別(RFID)スキャナを備え、
前記RFIDスキャナは、前記ピッキングの完了を示す信号を管理モジュールにさらに伝える、条項15に記載のシステム。
【0108】
条項19 前記第1のベースツールまたは前記第2のベースツールの少なくとも1つが、光源、撮像装置、センサ、アクチュエータ、床保全用装置、電源またはロボットアームの少なくとも2つを含む、条項12に記載のシステム。
【0109】
条項20 前記持ち上げ機構が、前記持ち上げ機構の荷の不均衡または過負荷の少なくとも1つを検出するように構成された1つ以上のセンサをさらに備える、条項12に記載のシステム。