特許第6543009号(P6543009)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6543009
(24)【登録日】2019年6月21日
(45)【発行日】2019年7月10日
(54)【発明の名称】リナロール含有無色透明飲料
(51)【国際特許分類】
   A23L 2/00 20060101AFI20190628BHJP
【FI】
   A23L2/00 B
【請求項の数】3
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2019-31395(P2019-31395)
(22)【出願日】2019年2月25日
(62)【分割の表示】特願2018-549598(P2018-549598)の分割
【原出願日】2018年9月11日
(65)【公開番号】特開2019-92521(P2019-92521A)
(43)【公開日】2019年6月20日
【審査請求日】2019年4月18日
(31)【優先権主張番号】特願2017-174411(P2017-174411)
(32)【優先日】2017年9月11日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】309007911
【氏名又は名称】サントリーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100163784
【弁理士】
【氏名又は名称】武田 健志
(72)【発明者】
【氏名】本坊 瑞穂
(72)【発明者】
【氏名】安井 洋平
(72)【発明者】
【氏名】水戸 美香
(72)【発明者】
【氏名】指宿 大悟
(72)【発明者】
【氏名】友清 貴哉
【審査官】 市島 洋介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−127336(JP,A)
【文献】 国際公開第2017/141708(WO,A1)
【文献】 特開2017−012016(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/080007(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 2/00−2/84
CAplus/FSTA/WPIDS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
50〜14000ppbのリナロールとゲラニオールとを含有する飲料であって、以下の条件(i)〜(v)を満たす前記飲料:
(i)波長660nmにおける吸光度が0.06以下であり、
(ii)純水を基準とした場合のΔE値(色差)が3.5以下であり、
(iii)甘味度が3〜10であり、
(iv)pHが4.0〜7.0であり、そして
(v)ゲラニオールの含有量が5〜2000ppbであり、かつ、ゲラニオール含有量の、リナロール含有量に対する重量比(ゲラニオール含有量/リナロール含有量)が0.001以上0.29以下である。
【請求項2】
ラニオール含有量の、リナロール含有量に対する重量比(ゲラニオール含有量/リナロール含有量)が0.0014以上である、請求項1に記載の飲料。
【請求項3】
50〜14000ppbのリナロールを含有し、以下の条件(i)〜(iv):
(i)波長660nmにおける吸光度が0.06以下であり、
(ii)純水を基準とした場合のΔE値(色差)が3.5以下であり、
(iii)甘味度が3〜10であり、そして
(iv)pHが4.0〜7.0である、
を満たす飲料の製造方法であって、
ゲラニオールの含有量を、以下の条件を満たすように調整する工程を含む、前記方法:
当該飲料中のゲラニオールの含有量が5〜2000ppbであり、かつ、ゲラニオール含有量の、リナロール含有量に対する重量比(ゲラニオール含有量/リナロール含有量)が0.001以上0.29以下である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リナロールを含有する無色透明飲料及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、消費者の健康意識や天然・自然志向を背景に、フレーバードウォーター(flavored water)の人気が高まっている。フレーバードウォーターとは、ミネラルウォーター(ナチュラルミネラルウォーター含む)などの水に香料やエキス、果汁などの原料を加えた適度な甘味を有する飲料で、ニアウォーターとも呼ばれる水のような無色透明な外観の飲料である。フレーバードウォーターは、一般に、pHを4未満にすることですっきりとした味わいを実現し、水と同程度、或いはそれ以上に飲みやすいという特徴を有している。一方、pHが4以上のフレーバードウォーターは、これまでほとんど市場ではみられなかった。
【0003】
リナロールは様々な植物の精油中にみられる成分である。特許文献1には、果実風味が付与された飲料が開示されており、当該飲料はリナロールを含有する。また、特許文献2には、リナロールを含有するビール風味発泡性飲料が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】WO2015/156282
【特許文献2】特開2013−42675号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
フレーバードウォーターのような無色透明飲料は、その性質上、配合成分や配合量に様々な制限がある。特に、無色透明であるという性質を保つために、エキスや果汁の添加量が著しく制限される。そのため、フレーバードウォーターのような無色透明飲料は、味の厚みや広がりを高めるために、またトップの香り立ちを強めるために、少量のリナロールを添加することがある。
【0006】
しかしながら、pHが4.0以上の無色透明飲料にリナロールを添加すると、飲用時に舌にざらつきを感じるという問題が生じることが新たに見出された。その原因は、pHが中性に近づくほど酸味が弱くなるため、リナロール特有の舌に残る味わいが際立ち、さらにそこに甘味成分の甘さが相まって、舌にまとわりつくざらつきとなって感じるものと考えられる。
【0007】
そこで本発明は、リナロールを含有するpHが4.0〜7.0の無色透明飲料において、飲用時に感じられる舌のざらつきを軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、リナロールを含有するpHが4.0〜7.0の無色透明飲料に、ゲラニオール、サリチル酸メチル、β-ダマセノン、ベンズアルデヒド、デカン酸、ラウリン酸、ブチル酸、オクタン酸、およびパルミチン酸からなる群より選択される少なくとも一種の香気成分を添加することが有用であることを見出し、本発明を完成させた。
【0009】
即ち、本発明は、以下のものに関するが、これらに限定されない。
(1)50〜14000ppbのリナロールと、
ゲラニオール、サリチル酸メチル、β−ダマセノン、ベンズアルデヒド、デカン酸、ラウリン酸、ブチル酸、オクタン酸、およびパルミチン酸からなる群より選択される少なくとも一種とを含有する飲料であって、以下の条件(i)〜(v)を満たす前記飲料:
(i)波長660nmにおける吸光度が0.06以下であり、
(ii)純水を基準とした場合のΔE値(色差)が3.5以下であり、
(iii)甘味度が3〜10であり、
(iv)pHが4.0〜7.0であり、そして
(v)以下の条件(ア)〜(ケ)のうちいずれか一以上を満たす:
(ア)ゲラニオールの含有量が5〜2000ppbである;
(イ)サリチル酸メチルの含有量が1〜200ppbである;
(ウ)β−ダマセノンの含有量が1〜100ppbである;
(エ)ベンズアルデヒドの含有量が5〜300ppbである;
(オ)デカン酸の含有量が5〜5000ppbである;
(カ)ラウリン酸の含有量が5〜5000ppbである;
(キ)ブチル酸の含有量が5〜5000ppbである;
(ク)オクタン酸の含有量が5〜5000ppbである;
(ケ)パルミチン酸の含有量が5〜5000ppbである。
(2)以下の条件の内の少なくとも一つを満たす、(1)に記載の飲料。
条件(ア)を満たし、かつ、ゲラニオール含有量の、リナロール含有量に対する重量比(ゲラニオール含有量/リナロール含有量)が0.0014以上である;
条件(イ)を満たし、サリチル酸メチル含有量の、リナロール含有量に対する重量比(サリチル酸メチル含有量/リナロール含有量)が、0.00007以上である;
条件(ウ)を満たし、β−ダマセノン含有量の、リナロール含有量に対する重量比(β−ダマセノン含有量/リナロール含有量)が0.00028以上である;
条件(エ)を満たし、ベンズアルデヒド含有量の、リナロール含有量に対する重量比(ベンズアルデヒド含有量/リナロール含有量)が、0.0003以上である;
条件(オ)を満たし、デカン酸含有量の、リナロール含有量に対する重量比(デカン酸含有量/リナロール含有量)が、0.0003以上である;
条件(カ)を満たし、ラウリン酸含有量の、リナロール含有量に対する重量比(ラウリン酸含有量/リナロール含有量)が、0.0003以上である;
条件(キ)を満たし、ブチル酸含有量の、リナロール含有量に対する重量比(ブチル酸含有量/リナロール含有量)が、0.0003以上である;
条件(ク)を満たし、オクタン酸含有量の、リナロール含有量に対する重量比(オクタン酸含有量/リナロール含有量)が、0.0003以上である;
条件(ケ)を満たし、パルミチン酸含有量の、リナロール含有量に対する重量比(パルミチン酸含有量/リナロール含有量)が、0.0003以上である。
(3)50〜14000ppbのリナロールを含有し、以下の条件(i)〜(iv):
(i)波長660nmにおける吸光度が0.06以下であり、
(ii)純水を基準とした場合のΔE値(色差)が3.5以下であり、
(iii)甘味度が3〜10であり、そして
(iv)pHが4.0〜7.0である、
を満たす飲料の製造方法であって、
ゲラニオール、サリチル酸メチル、β−ダマセノン、ベンズアルデヒド、デカン酸、ラウリン酸、ブチル酸、オクタン酸、およびパルミチン酸からなる群より選択される少なくとも一種の含有量を、以下の(ア)〜(ケ)のうちいずれか一以上を満たすように調整する工程を含む、前記方法:
(ア)当該飲料中のゲラニオールの含有量が5〜2000ppbである;
(イ)当該飲料中のサリチル酸メチルの含有量が1〜200ppbである;
(ウ)当該飲料中のβ−ダマセノンの含有量が1〜100ppbである;
(エ)当該飲料中のベンズアルデヒドの含有量が5〜300ppbである;
(オ)当該飲料中のデカン酸の含有量が5〜5000ppbである;
(カ)当該飲料中のラウリン酸の含有量が5〜5000ppbである;
(キ)当該飲料中のブチル酸の含有量が5〜5000ppbである;
(ク)当該飲料中のオクタン酸の含有量が5〜5000ppbである;
(ケ)当該飲料中のパルミチン酸の含有量が5〜5000ppbである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、飲用時の舌のざらつきが軽減された、リナロールを含有するpHが4.0〜7.0の無色透明飲料を提供することができる。また、本発明では、飲用時の舌のざらつきの軽減とともに、リナロールにより得られる味の厚みや広がり、及びトップの香り立ちを感じるpHが4.0〜7.0の無色透明飲料を提供することができる。なお、本明細書において「ざらつき」とは、舌全体で感じるざらつきであり、特に舌にまとわりつくような物理的な感触がある状態を意味する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の飲料及び関連する方法について、以下に説明する。
特に断りがない限り、本明細書において用いられる「ppb」は、重量/容量(w/v)のppbを意味する。また、本明細書において下限値と上限値によって表されている数値範囲、即ち「下限値〜上限値」は、それら下限値及び上限値を含む。例えば、「1〜2」により表される範囲は、1及び2を含む。
【0012】
(リナロール)
本発明の飲料は、リナロールを含有する。本発明の飲料に含有されるリナロールの由来は限定されず、リナロールは植物などの天然原料に由来するものでもよいし、合成品であってもよい。
【0013】
本発明の飲料は、リナロールを50〜14000ppb、好ましくは150〜12000ppb、より好ましくは300〜10000ppb含有する。飲料中のリナロールの含有量が50ppbより著しく少ない場合は、リナロールによる味の厚みや広がり、及びトップの香り立ちが感じられにくい傾向にあり、一方、リナロールの含有量が14000ppbを超えると舌に感じるざらつきが強くなりすぎる傾向にある。
【0014】
(ざらつきを軽減する成分)
本発明の飲料は、ゲラニオール、サリチル酸メチル、β−ダマセノン、ベンズアルデヒド、デカン酸、ラウリン酸、ブチル酸、オクタン酸、およびパルミチン酸からなる群より選択される少なくとも一種を含有する。これらの成分は、二種以上、三種以上、四種以上、五種以上、六種以上、七種以上、又は八種以上が含まれていてもよく、或いは九種全てが含まれていてもよい。なお、本発明に用いられるこれらの成分の由来は限定されず、それらは植物などの天然原料に由来するものでもよいし、合成品であってもよい。
【0015】
本発明の飲料中のゲラニオールの含有量は5〜2000ppb、好ましくは5〜1800ppb、より好ましくは10〜1600ppb、さらに好ましくは15〜1500ppb、さらに好ましくは500〜1500ppbである。飲料中のゲラニオールの含有量が上記の範囲内であることにより、飲用時に感じられるリナロールに起因する舌のざらつきを効果的に軽減することができる。
【0016】
また、本発明の飲料におけるゲラニオール含有量の、リナロール含有量に対する重量比(ゲラニオール含有量/リナロール含有量)は、特に限定されないが、例えば0.001以上であり、好ましくは0.005以上、より好ましくは0.01以上である。また、当該重量比は、特に限定されないが、例えば50以下であり、好ましくは40以下、より好ましくは30以下である。当該重量比は、特に限定されないが、例えば0.001〜50であり、好ましくは0.005〜40、より好ましくは0.01〜30である。
【0017】
本発明の飲料中のサリチル酸メチルの含有量は1〜200ppb、好ましくは10〜200ppb、より好ましくは20〜200ppb、より好ましくは50〜150ppbである。飲料中のサリチル酸メチルの含有量が上記の範囲内であることにより、飲用時に感じられるリナロールに起因する舌のざらつきを効果的に軽減することができる。
【0018】
また、本発明の飲料におけるサリチル酸メチル含有量の、リナロール含有量に対する重量比(サリチル酸メチル含有量/リナロール含有量)は、特に限定されないが、例えば0.00007以上であり、好ましくは0.0005以上、より好ましくは0.001以上である。また、当該重量比は、特に限定されないが、例えば5以下であり、好ましくは3以下、より好ましくは1以下である。当該重量比は、特に限定されないが、例えば0.00007〜5であり、好ましくは0.00007〜3、より好ましくは0.0005〜3、さらに好ましくは0.001〜1である。
【0019】
本発明の飲料中のβ−ダマセノンの含有量は1〜100ppb、好ましくは5〜100ppb、より好ましくは5〜80ppbである。飲料中のβ−ダマセノンの含有量が上記の範囲内であることにより、飲用時に感じられるリナロールに起因する舌のざらつきを効果的に軽減することができる。
【0020】
また、本発明の飲料におけるβ−ダマセノン含有量の、リナロール含有量に対する重量比(β−ダマセノン含有量/リナロール含有量)は、特に限定されないが、例えば0.0002以上であり、好ましくは0.0005以上、より好ましくは0.0008以上である。また、当該重量比は、特に限定されないが、例えば3以下であり、好ましくは2以下、より好ましくは1以下である。当該重量比は、特に限定されないが、例えば0.0002〜3であり、好ましくは0.0005〜2、より好ましくは0.0008〜1である。
【0021】
本発明の飲料中のベンズアルデヒドの含有量は5〜300ppb、好ましくは10〜250ppb、より好ましくは15〜200ppbである。飲料中のベンズアルデヒドの含有量が上記の範囲内であることにより、飲用時に感じられるリナロールに起因する舌のざらつきを効果的に軽減することができる。
【0022】
また、本発明の飲料におけるベンズアルデヒド含有量の、リナロール含有量に対する重量比(ベンズアルデヒド含有量/リナロール含有量)は、特に限定されないが、例えば0.0003以上であり、好ましくは0.0005以上、より好ましくは0.001以上である。また、当該重量比は、特に限定されないが、例えば8以下であり、好ましくは6以下、より好ましくは4以下である。当該重量比は、特に限定されないが、例えば0.0003〜8であり、好ましくは0.0005〜6、より好ましくは0.001〜4である。
【0023】
本発明の飲料中のデカン酸の含有量は5〜5000ppb、好ましくは10〜4500ppb、より好ましくは15〜4000ppb、より好ましくは20〜3500ppbである。飲料中のデカン酸の含有量が上記の範囲内であることにより、飲用時に感じられるリナロールに起因する舌のざらつきを効果的に軽減することができる。
【0024】
また、本発明の飲料におけるデカン酸含有量の、リナロール含有量に対する重量比(デカン酸含有量/リナロール含有量)は、特に限定されないが、例えば0.0003以上であり、好ましくは0.0005以上、より好ましくは0.001以上である。また、当該重量比は、特に限定されないが、例えば100以下であり、好ましくは80以下、より好ましくは60以下である。当該上限値は、10、5、又は1であってもよい。当該重量比は、特に限定されないが、例えば0.0003〜100であり、好ましくは0.0005〜80、より好ましくは0.001〜60である。また、当該重量比は、0.0003〜10、0.0003〜5、又は0.0003〜1であってもよい。
【0025】
本発明の飲料中のラウリン酸の含有量は5〜5000ppb、10〜4500ppb、より好ましくは15〜4000ppb、より好ましくは20〜3500ppbである。飲料中のラウリン酸の含有量が上記の範囲内であることにより、飲用時に感じられるリナロールに起因する舌のざらつきを効果的に軽減することができる。
【0026】
また、本発明の飲料におけるラウリン酸含有量の、リナロール含有量に対する重量比(ラウリン酸含有量/リナロール含有量)は、特に限定されないが、例えば0.0003以上であり、好ましくは0.0005以上、より好ましくは0.001以上である。また、当該重量比は、特に限定されないが、例えば100以下であり、好ましくは80以下、より好ましくは60以下である。当該上限値は、10、5、又は1であってもよい。当該重量比は、特に限定されないが、例えば0.0003〜100であり、好ましくは0.0005〜80、より好ましくは0.001〜60である。また、当該重量比は、0.0003〜10、0.0003〜5、又は0.0003〜1であってもよい。
【0027】
本発明の飲料中のブチル酸の含有量は5〜5000ppb、好ましくは7.5〜4500ppb、より好ましくは10〜4000ppb、より好ましくは12.5〜3500ppbである。飲料中のブチル酸の含有量が上記の範囲内であることにより、飲用時に感じられるリナロールに起因する舌のざらつきを効果的に軽減することができる。
【0028】
また、本発明の飲料におけるブチル酸含有量の、リナロール含有量に対する重量比(ブチル酸含有量/リナロール含有量)は、特に限定されないが、例えば0.0003以上であり、好ましくは0.0005以上、より好ましくは0.001以上である。また、当該重量比は、特に限定されないが、例えば100以下であり、好ましくは80以下、より好ましくは60以下である。当該上限値は、10、5、又は1であってもよい。当該重量比は、特に限定されないが、例えば0.0003〜100であり、好ましくは0.0005〜80、より好ましくは0.001〜60である。また、当該重量比は、0.0003〜10、0.0003〜5、又は0.0003〜1であってもよい。
【0029】
本発明の飲料中のオクタン酸の含有量は5〜5000ppb、好ましくは7.5〜4500ppb、より好ましくは10〜4000ppb、より好ましくは12.5〜3500ppbである。飲料中のオクタン酸の含有量が上記の範囲内であることにより、飲用時に感じられるリナロールに起因する舌のざらつきを効果的に軽減することができる。
【0030】
また、本発明の飲料におけるオクタン酸含有量の、リナロール含有量に対する重量比(オクタン酸含有量/リナロール含有量)は、特に限定されないが、例えば0.0003以上であり、好ましくは0.0005以上、より好ましくは0.001以上である。また、当該重量比は、特に限定されないが、例えば100以下であり、好ましくは80以下、より好ましくは60以下である。当該上限値は、10、5、又は1であってもよい。当該重量比は、特に限定されないが、例えば0.0003〜100であり、好ましくは0.0005〜80、より好ましくは0.001〜60である。また、当該重量比は、0.0003〜10、0.0003〜5、又は0.0003〜1であってもよい。
【0031】
本発明の飲料中のパルミチン酸の含有量は5〜5000ppb、好ましくは7.5〜4500ppb、より好ましくは10〜4500ppb、より好ましくは100〜4500ppbである。飲料中のパルミチン酸の含有量が上記の範囲内であることにより、飲用時に感じられるリナロールに起因する舌のざらつきを効果的に軽減することができる。
【0032】
また、本発明の飲料におけるパルミチン酸含有量の、リナロール含有量に対する重量比(パルミチン酸含有量/リナロール含有量)は、特に限定されないが、例えば0.0003以上であり、好ましくは0.0005以上、より好ましくは0.001以上である。また、当該重量比は、特に限定されないが、例えば100以下であり、好ましくは80以下、より好ましくは60以下である。当該上限値は、10、5、又は1であってもよい。当該重量比は、特に限定されないが、例えば0.0003〜100であり、好ましくは0.0005〜80、より好ましくは0.001〜60である。また、当該重量比は、0.0003〜10、0.0003〜5、又は0.0003〜1であってもよい。
【0033】
(成分の定量方法)
本発明に関する、飲料(試料溶液)中のリナロールと、ゲラニオール、サリチル酸メチル、β−ダマセノン、及びベンズアルデヒドの含有量又は濃度は、特に断りがない限り、GC/MS測定装置を用いて、以下の方法により測定する。
【0034】
バイアル瓶(容量20ml)に試料溶液を5g量り取り、1.5gのNaClを加えて溶解し、40℃で20分間攪拌した後、気相を1ml採取してGC/MS測定に供する。各成分の保持時間は標準品分析で確認し、定量値は標準添加法で算出する。GC/MS測定条件は以下の通りである。
装置:GC:Agilent Technologies社製 GC7890B
MS:Agilent Technologies社製 5977A
カラム: DB WAX 60m×0.25mmi.d. df=0.25μm
定量イオン:リナロール m/z=93
ゲラニオール m/z=69
サリチル酸メチル m/z=120
β−ダマセノン m/z=121
ベンズアルデヒド m/z=106
温度条件:40℃(5分)〜5℃/分〜240℃
キャリアガス流量:He 1.2ml/分
注入口温度:250℃
インターフェイス温度:250℃
イオン源温度:230℃
【0035】
本発明に関する、飲料(試料溶液)中の、デカン酸、ラウリン酸、ブチル酸、オクタン酸及びパルミチン酸については、GCもしくはLC/MSを用いた、公知の方法にて測定できる。
【0036】
(無色透明飲料)
本発明の飲料は、無色である。飲料が無色であることは、測色色差計(ZE2000(日本電色工業株式会社製)など)を用いて純水を基準として測定した際の透過光のΔE値(色差)をもって規定することができる。具体的には、本発明の飲料は、純水を基準とした場合のΔE値が3.5以下である。ΔE値は、好ましくは2.3以下である。
【0037】
また、本発明の飲料は、透明である。「飲料が透明である」とは、いわゆるスポーツドリンクのような白濁や、混濁果汁のような濁りがなく、水のように視覚的に透明な飲料であることをいう。飲料の透明度は、液体の濁度を測定する公知の手法を用いることにより、数値化することができる。例えば紫外可視分光光度計(UV−1600(株式会社島津製作所製)など)を用いて測定した波長660nmにおける吸光度をもって飲料の透明度を規定することができる。具体的には、本発明の飲料は、波長660nmの吸光度が0.06以下である。
【0038】
(甘味度)
本発明の飲料の甘味度は、甘味度が3〜10である。pHが4.0〜7.0の無色透明飲料にリナロールを添加すると、飲用時に舌にざらつきを感じるという問題が生じるが、特に当該飲料の甘味度が上記範囲内となった場合に、舌のざらつきが顕著に感じられるものと考えられる。甘味度は好ましくは3〜9であり、より好ましくは3〜8、さらに好ましくは3〜7である。甘味度が3より少ないと、無色透明飲料の甘味が弱すぎて飲料としての味を損ねる傾向にあり、一方、甘味度が10を超える場合は、無色透明飲料の甘味が強くなりすぎるとともに、舌に感じるざらつきが強くなりすぎる傾向にある。
【0039】
本明細書における甘味度とは、飲料100g中にショ糖1g含有する飲料の甘さを「1」とした、飲料の甘味を表す指標である。当該飲料の甘味度は、各甘味成分の含有量を、ショ糖の甘味1に対する当該甘味成分の甘味の相対比に基づいて、ショ糖の相当量に換算して、次いで当該飲料に含まれる全ての甘味成分のショ糖甘味換算量(果汁やエキス等由来の甘味成分も含む)を総計することによって求められる。ショ糖の甘味1に対する各種代表的な甘味成分の甘味の相対比は、表1に示す。表1に記載のない甘味成分については、当該甘味成分を製造あるいは販売しているメーカーが提示する甘味度を用いたり、官能評価より甘味度を求めたりすることができる。
【0040】
【表1】
【0041】
本発明の飲料では、甘味成分を用いて飲料の甘味度を調整することができる。甘味成分としては、例えば、表1に記載されている甘味成分を用いることができるが、それ以外の甘味成分を用いてもよい。好ましい甘味成分は、果糖、砂糖、異性化糖(果糖55%)、ぶどう糖、ショ糖、乳糖、アセスルファムカリウム、スクラロース、アスパルテーム、ステビア、エリスリトール、マルチトールであり、特に好ましい甘味成分は、ショ糖である。本発明においては、飲料中にこれら甘味成分を甘味料として直接配合してもよいし、甘味成分を含有する果汁やエキス等を配合してもよい。
【0042】
(pH)
本発明の飲料のpHは4.0〜7.0である。リナロールを含有する無色透明な飲料のpHがこの数値範囲内にある場合、飲用時の舌のざらつきが感じられるようになる。そのようなpH範囲で、本願発明の効果が特に有益となる。本発明の飲料のpHは、4.3〜6.5、4.5〜6.0、又は4.8〜5.5であってもよい。
【0043】
(酸味料)
本発明の飲料は、酸味料を含有してもよい。本発明の飲料のpHは、酸味料の配合により調整可能である。本発明において用いられる酸味料は、特に限定されないが、典型的な酸味料の例は、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、リン酸、酒石酸、グルコン酸、及びそれらの塩である。特に、クエン酸、リンゴ酸、リン酸、及びそれらの塩が好ましい。本発明の飲料は、一種の酸味料だけを含有してもよいし、二種以上の酸味料を含有してもよい。なお、本発明に関して「酸味料」との用語を用いる場合、酸味料には、食品添加物だけでなく、果汁由来の酸も含まれる。具体的には、当該飲料が果汁を含有し、果汁が例示された上記の酸を含有する場合、その酸も酸味料とみなされる。
【0044】
(ミネラル)
本発明の飲料は、好ましくはミネラルを含有する。本発明の飲料は、特に限定されるわけではないが、夏場やスポーツの際に引用する水分補給用飲料とするのに適している。その際、ミネラルの濃度を適度な範囲に調整することにより、発汗時のミネラル補給用の飲料とすることができる。ミネラルとしては、これらに限定されないが、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、鉄等を挙げることができ、これらを飲食品に用いることができる塩の形態で、或いはこれらを豊富に含む海洋深層水、海藻エキスなどを本発明の飲料に添加することができる。本発明の飲料において、ミネラルは一種のみを単独で用いてもよく、或いは二以上を組み合わせて用いてもよい。本発明の飲料に用いられるミネラルは、好ましくはナトリウムとマグネシウムである。飲料中のナトリウムの好ましい濃は1〜50mg/100mlであり、マグネシウムの好ましい濃度は1〜20mg/100mlである。ミネラルが塩の形態にある場合は、これを遊離体(フリー体)に換算した上で前記の含有量を算出するものとする。本発明の飲料においては、ICP発光分析装置を用いて公知の方法によりミネラルの濃度を測定することができる。
【0045】
(タンニン)
本発明の飲料は、特に限定されないが、タンニンが多量に含まれると、飲料の着色が生じることから、飲料中のタンニンの含有量が150ppm以下であることが好ましい。飲料中のタンニンの含有量が150ppmを超えると、飲料の着色が生じ、無色透明を維持できなくなるおそれがある。また、タンニンには特有の渋味があり、タンニンが多量にふくまれると、飲料としての美味しさを損なうおそれがある。
【0046】
(カフェイン)
本発明の飲料には、好ましくはカフェインを含有する。飲料中のカフェインの好ましい濃度は100〜200ppmである。適度なカフェインの刺激により、本発明の効果をより顕著に感じられるが、カフェインの濃度が200ppmを超えると、カフェインの苦味により、飲料としての美味しさを損なうおそれがある。
【0047】
(その他)
本発明の飲料には、上記に示した各種成分に加えて、通常の飲料に用いられる香料、糖類、栄養強化剤(ビタミン類など)、酸化防止剤、乳化剤、保存料、エキス類、食物繊維、pH調整剤、品質安定剤などを、本発明の効果を損なわない範囲で添加することができる。特に、本発明の飲料は、無色透明であるという特徴上、エキスや果汁などの添加量が著しく制限されるため、それを補うために香料が添加されていることが好ましい。より好ましい香料は、紅茶フレーバーである。
【0048】
(飲料)
本発明の飲料の種類は、本発明が対象とする無色透明飲料である限り特に限定されず、清涼飲料であればよい。栄養飲料、機能性飲料、フレーバードウォーター(ニアウォーター)系飲料、茶系飲料(紅茶、ウーロン茶、緑茶、ブレンド茶等)、炭酸飲料などいずれであってもよいが、フレーバードウォーターが好ましい。当該飲料は、茶風味を有する飲料であることが好ましく、紅茶風味飲料であることがより好ましく、ミルク紅茶風味飲料であることが特に好ましい。一方、アルコール分を1%以上含有するアルコール飲料は、含有されるアルコール分が本発明の効果を阻害するおそれがあるため、好ましくない。また、ビール風味のアルコールテイスト飲料は、アルコール分の有無に関わらず、ビール特有の香気成分が本発明の効果を阻害するおそれがあるため、好ましくない。
【0049】
本発明の飲料は、加熱殺菌をされ、容器に詰められた状態の容器詰飲料であることが好ましい。容器としては、特に限定されず、例えば、PETボトル、アルミ缶、スチール缶、紙パック、チルドカップ、瓶などを挙げることができる。なかでも、無色透明な容器、例えばPETボトルを用いると、本発明の飲料に特徴的な無色透明な外観を容器詰めの状態で確認できることから、好ましい。加熱殺菌を行う場合、その種類は特に限定されず、例えばUHT殺菌及びレトルト殺菌等の通常の手法を用いて行うことができる。加熱殺菌工程の温度は特に限定されないが、例えば65〜130℃、好ましくは85〜120℃で、10〜40分である。ただし、上記の条件と同等の殺菌価が得られれば適当な温度で数秒、例えば5〜30秒での殺菌でも問題はない。
【0050】
(方法)
本発明は、別の側面では、50〜14000ppbのリナロールを含有し、以下の条件(i)〜(iv):
(i)波長660nmにおける吸光度が0.06以下であり、
(ii)純水を基準とした場合のΔE値(色差)が3.5以下であり、
(iii)甘味度が3〜10であり、そして
(iv)pHが4.0〜7.0である、
を満たす飲料の製造方法である。当該方法は、ゲラニオール、サリチル酸メチル、β−ダマセノン、ベンズアルデヒド、デカン酸、ラウリン酸、ブチル酸、オクタン酸、およびパルミチン酸からなる群より選択される少なくとも一種の含有量を、以下の(ア)〜(エ)のうちいずれか一以上を満たすように調整する工程を含む:
(ア)当該飲料中のゲラニオールの含有量が5〜2000ppbである;
(イ)当該飲料中のサリチル酸メチルの含有量が1〜200ppbである;
(ウ)当該飲料中のβ−ダマセノンの含有量が1〜100ppbである;
(エ)当該飲料中のベンズアルデヒドの含有量が5〜300ppbである;
(オ)当該飲料中のデカン酸の含有量が5〜5000ppbである;
(カ)当該飲料中のラウリン酸の含有量が5〜5000ppbである;
(キ)当該飲料中のブチル酸の含有量が5〜5000ppbである;
(ク)当該飲料中のオクタン酸の含有量が5〜5000ppbである;
(ケ)当該飲料中のパルミチン酸の含有量が5〜5000ppbである。
【0051】
また、当該方法は、当該飲料を飲用したときに感じられるリナロールに起因する舌のざらつきを軽減することができるため、本発明は、当該飲料におけるリナロールに起因する舌のざらつき感を軽減する方法にも関する。
【0052】
飲料中の成分の種類、その含有量、成分の重量比、吸光度、色差、pH、甘味度、及びその好ましい範囲、並びにその調整方法については、本発明の飲料に関して上記した通りであるか、それらから自明である。そのタイミングも限定されない。例えば、上記工程を、吸光度の調整工程、色差の調整工程、pHの調整工程、甘味度の調整工程、リナロール含有量の調整工程などの他の工程と同時に行ってもよいし、別々に行ってもよいし、それらの工程の順番を入れ替えてもよい。最終的に得られた飲料が、上記の条件を満たせばよい。
【実施例】
【0053】
以下に実施例に基づいて本発明の説明をするが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0054】
(試験例1)
下記の表に示した量で砂糖及びリナロールを水と混合し、リン酸及びクエン酸三ナトリウムによりpHを調整して、飲料を作製した。得られた飲料について、分光光度計(UV−1600(株式会社島津製作所製))により波長660nmにおける吸光度を測定し、測色色差計(ZE2000(日本電色工業株式会社製))により純水に対する透過光のΔEを測定した。全ての飲料において、吸光度は0.06以下であり、純水に対する透過光のΔEは3.5以下であった。
【0055】
各飲料について、3名の専門パネラーにより、舌のざらつきを感じるかどうかの官能評価試験を実施した。具体的には、舌のざらつきを感じる場合を1点、舌のざらつきを感じない場合を6点として、1〜6点の6段階で評価した。具体的な評価基準を以下に示す。
6点:舌のざらつきを感じない
5点:舌のざらつきをほとんど感じない
4点:注意深く確認すると舌のざらつきをわずかに感じる
3点:注意深く確認すると舌のざらつきをやや感じる
2点:舌のざらつきを明らかに感じる
1点:舌のざらつきを強く感じる
【0056】
評価の平均点を下記の表に示す。なお、パネラー間では、評価基準となるサンプルを使用して舌のざらつきの強さとそれに対応する点数との関係を確認し、点数付けがなるべく共通化するようにしてから評価試験を実施した。また、この官能評価方法は他の試験例でも用いた。
【0057】
【表2】
【0058】
上記の表から明らかなとおり、pHが3.5の飲料と比較して、pHが5.5の飲料においては、リナロールが飲料中に存在することにより舌のざらつきの課題が顕在化することが見出された。
【0059】
(試験例2)
下記の表に示した量で原料を水と混合して飲料を調製した。飲料のpHは、リン酸とクエン酸三ナトリウムを用いて調整した。なお、試作品21ではリン酸とクエン酸三ナトリウムは使用しなかった。試験例1と同様にして波長660nmにおける吸光度と、純水に対する透過光のΔEを測定した。全ての飲料において、吸光度は0.06以下であり、純水に対する透過光のΔEは3.5以下であった。
【0060】
各飲料について、試験例1と同様にして官能評価試験を実施した。その評価の平均点を下記の表に示す。
【0061】
【表3A】
【0062】
【表3B】
【0063】
上記の表から明らかなとおり、pH4.0〜7.0、甘味度3〜10の範囲で、ゲラニオールは舌のざらつきを軽減した。また、ゲラニオールの含有量と、ゲラニオール/リナロールの重量比が特定範囲にあると、特に優れた効果が得られた。
【0064】
(試験例3)
下記の表に示した量で原料を水と混合して飲料を調製した。飲料のpHは、リン酸とクエン酸三ナトリウムを用いて調整した。なお、試作品38ではリン酸とクエン酸三ナトリウムは使用しなかった。試験例1と同様にして波長660nmにおける吸光度と、純水に対する透過光のΔEを測定した。全ての飲料において、吸光度は0.06以下であり、純水に対する透過光のΔEは3.5以下であった。
【0065】
各飲料について、試験例1と同様にして官能評価試験を実施した。その評価の平均点を下記の表に示す。
【0066】
【表4A】
【0067】
【表4B】
【0068】
上記の表から明らかなとおり、pH4.0〜7.0、甘味度3〜10の範囲で、サリチル酸メチルは舌のざらつきを軽減した。また、サリチル酸メチルの含有量と、サリチル酸メチル/リナロールの重量比が特定範囲にあると、特に優れた効果が得られた。
【0069】
(試験例4)
下記の表に示した量で原料を水と混合して飲料を調製した。飲料のpHは、リン酸とクエン酸三ナトリウムを用いて調整した。なお、試作品55ではリン酸とクエン酸三ナトリウムは使用しなかった。試験例1と同様にして波長660nmにおける吸光度と、純水に対する透過光のΔEを測定した。全ての飲料において、吸光度は0.06以下であり、純水に対する透過光のΔEは3.5以下であった。
【0070】
各飲料について、試験例1と同様にして官能評価試験を実施した。その評価の平均点を下記の表に示す。
【0071】
【表5A】
【0072】
【表5B】
【0073】
上記の表から明らかなとおり、pH4.0〜7.0、甘味度3〜10の範囲で、β−ダマセノンは舌のざらつきを軽減した。また、β−ダマセノンの含有量と、β−ダマセノン/リナロールの重量比が特定範囲にあると、特に優れた効果が得られた。
【0074】
(試験例5)
下記の表に示した量で原料を水と混合して飲料を調製した。飲料のpHは、リン酸とクエン酸三ナトリウムを用いて調整した。なお、試作品72ではリン酸とクエン酸三ナトリウムは使用しなかった。試験例1と同様にして波長660nmにおける吸光度と、純水に対する透過光のΔEを測定した。全ての飲料において、吸光度は0.06以下であり、純水に対する透過光のΔEは3.5以下であった。
【0075】
各飲料について、試験例1と同様にして官能評価試験を実施した。その評価の平均点を下記の表に示す。
【0076】
【表6A】
【0077】
【表6B】
【0078】
上記の表から明らかなとおり、pH4.0〜7.0、甘味度3〜10の範囲で、ベンズアルデヒドは舌のざらつきを軽減した。また、ベンズアルデヒドの含有量と、ベンズアルデヒド/リナロールの重量比が特定範囲にあると、特に優れた効果が得られた。
【0079】
(試験例6)
下記の表に示した量で原料を水と混合して飲料を調製した。飲料のpHは、リン酸とクエン酸三ナトリウムを用いて調整した。なお、試作品89ではリン酸とクエン酸三ナトリウムは使用しなかった。試験例1と同様にして波長660nmにおける吸光度と、純水に対する透過光のΔEを測定した。全ての飲料において、吸光度は0.06以下であり、純水に対する透過光のΔEは3.5以下であった。
【0080】
各飲料について、試験例1と同様にして官能評価試験を実施した。その評価の平均点を下記の表に示す。
【0081】
【表7A】
【0082】
【表7B】
【0083】
上記の表から明らかなとおり、pH4.0〜7.0、甘味度3〜10の範囲で、デカン酸は舌のざらつきを軽減した。また、デカン酸の含有量と、デカン酸/リナロールの重量比が特定範囲にあると、特に優れた効果が得られた。
【0084】
(試験例7)
下記の表に示した量で原料を水と混合して飲料を調製した。飲料のpHは、リン酸とクエン酸三ナトリウムを用いて調整した。なお、試作品106ではリン酸とクエン酸三ナトリウムは使用しなかった。試験例1と同様にして波長660nmにおける吸光度と、純水に対する透過光のΔEを測定した。全ての飲料において、吸光度は0.06以下であり、純水に対する透過光のΔEは3.5以下であった。
【0085】
各飲料について、試験例1と同様にして官能評価試験を実施した。その評価の平均点を下記の表に示す。
【0086】
【表8A】
【0087】
【表8B】
【0088】
上記の表から明らかなとおり、pH4.0〜7.0、甘味度3〜10の範囲で、ラウリン酸は舌のざらつきを軽減した。また、ラウリン酸の含有量と、ラウリン酸/リナロールの重量比が特定範囲にあると、特に優れた効果が得られた。
【0089】
(試験例8)
下記の表に示した量で原料を水と混合して飲料を調製した。飲料のpHは、リン酸とクエン酸三ナトリウムを用いて調整した。なお、試作品123ではリン酸とクエン酸三ナトリウムは使用しなかった。試験例1と同様にして波長660nmにおける吸光度と、純水に対する透過光のΔEを測定した。全ての飲料において、吸光度は0.06以下であり、純水に対する透過光のΔEは3.5以下であった。
【0090】
各飲料について、試験例1と同様にして官能評価試験を実施した。その評価の平均点を下記の表に示す。
【0091】
【表9A】
【0092】
【表9B】
【0093】
上記の表から明らかなとおり、pH4.0〜7.0、甘味度3〜10の範囲で、ブチル酸は舌のざらつきを軽減した。また、ブチル酸の含有量と、ブチル酸/リナロールの重量比が特定範囲にあると、特に優れた効果が得られた。
【0094】
(試験例9)
下記の表に示した量で原料を水と混合して飲料を調製した。飲料のpHは、リン酸とクエン酸三ナトリウムを用いて調整した。なお、試作品140ではリン酸とクエン酸三ナトリウムは使用しなかった。試験例1と同様にして波長660nmにおける吸光度と、純水に対する透過光のΔEを測定した。全ての飲料において、吸光度は0.06以下であり、純水に対する透過光のΔEは3.5以下であった。
【0095】
各飲料について、試験例1と同様にして官能評価試験を実施した。その評価の平均点を下記の表に示す。
【0096】
【表10A】
【0097】
【表10B】
【0098】
上記の表から明らかなとおり、pH4.0〜7.0、甘味度3〜10の範囲で、オクタン酸は舌のざらつきを軽減した。また、オクタン酸の含有量と、オクタン酸/リナロールの重量比が特定範囲にあると、特に優れた効果が得られた。
【0099】
(試験例10)
下記の表に示した量で原料を水と混合して飲料を調製した。飲料のpHは、リン酸とクエン酸三ナトリウムを用いて調整した。なお、試作品157ではリン酸とクエン酸三ナトリウムは使用しなかった。試験例1と同様にして波長660nmにおける吸光度と、純水に対する透過光のΔEを測定した。全ての飲料において、吸光度は0.06以下であり、純水に対する透過光のΔEは3.5以下であった。
【0100】
各飲料について、試験例1と同様にして官能評価試験を実施した。その評価の平均点を下記の表に示す。
【0101】
【表11A】
【0102】
【表11B】
【0103】
上記の表から明らかなとおり、pH4.0〜7.0、甘味度3〜10の範囲で、パルミチン酸は舌のざらつきを軽減した。また、パルミチン酸の含有量と、パルミチン酸/リナロールの重量比が特定範囲にあると、特に優れた効果が得られた。