(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記出力電圧の低下に応じて前記電源電圧が低下して所定の下限電圧に達すると、前記制御回路は、前記帰還電流に基づき前記電源電圧を低下させようとすると共に、前記電源電圧が前記下限電圧を下回らないよう制限するような電圧低下制限制御を開始し、
前記電圧低下制限制御を第1の所定時間継続すると、前記制御回路は、前記電源電圧安定化制御を開始する、ことを特徴とする請求項3に記載のスイッチング電源装置。
前記フィードバック回路は、前記分圧抵抗調整部と前記出力電圧の分圧後の電圧に基づき1次側帰還電流を生成する電圧検出部とを有した電流制御部と、前記1次側帰還電流に応じた前記帰還電流を生じさせるフォトカプラと、を備えることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載のスイッチング電源装置。
前記電源電圧安定化制御が行われているときに、前記フィードバック回路によって所定の前記帰還電流が生成されると、これを検出した前記制御回路は、動作状態を前記通常動作に復帰させることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のスイッチング電源装置。
二つの前記スイッチング素子から構成されて入力電圧が一端に印加されるブリッジ構造にその一端が接続される共振コンデンサを更に備え、前記制御回路は周波数変調によって前記スイッチング素子をスイッチングする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のスイッチング電源装置であって、
前記電源電圧安定化制御のときに前記制御回路は断続的なスイッチング制御を行うことを特徴とするスイッチング電源装置。
前記断続的なスイッチング制御が行われるとき、スイッチング期間における一方の前記スイッチング素子をオンとする期間の総和と他方の前記スイッチング素子をオンとする期間の総和とを一致させていることを特徴とする請求項8に記載のスイッチング電源装置。
二つの前記スイッチング素子から構成されて入力電圧が一端に印加されるブリッジ構造にその一端が接続される共振コンデンサを更に備え、前記制御回路は周波数変調によって前記スイッチング素子をスイッチングする請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のスイッチング電源装置であって、
前記トランスは密結合であって、前記2次巻線と直列に接続された第1コイルと、前記第1コイルと密結合された第2コイルとを更に備え、
前記補助巻線と前記第2コイルとの直列接続構成に生じる電圧は前記整流平滑回路によって整流平滑されることを特徴とするスイッチング電源装置。
前記検出部は、前記フィードバック回路を介して前記帰還電流を生成することにより、前記蓄電部の充電量が充分であることを前記制御回路に通知することを特徴とする請求項12に記載の電気機器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のスイッチング電源装置では、出力電圧を低くして動作させる場合に、帰還電流によって電力が消費されるという問題があった。例えば帰還構成としてフォトカプラを用いた場合、フォトカプラの感度によっては例えば1次側の帰還電流として150μAが流れる場合に2次側の帰還電流として1次側の3倍である450μAが流れることがあった。
【0006】
上記問題点に鑑み、本発明は、低出力電圧動作のときの消費電力を抑えることが可能となるスイッチング電源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明の一態様に係るスイッチング電源装置は、
1次巻線と、2次巻線と、前記1次巻線側に設けられた補助巻線とを有したトランスと、
前記1次巻線の経路上に設けられた少なくとも一つのスイッチング素子と、を備えたスイッチング電源装置であって、
前記補助巻線に発生する電圧に基づく電圧を整流平滑する整流平滑回路と、
前記スイッチング電源装置の出力電圧に基づき帰還電流を生成するフィードバック回路と、
前記整流平滑回路の出力電圧に基づく電源電圧が印加される電源端子と、前記帰還電流に基づく電圧が印加されるフィードバック端子とを有し、前記スイッチング素子をスイッチング制御する制御回路と、を備え、
前記帰還電流に基づき前記制御回路により前記出力電圧を一定とすべく前記スイッチング素子をスイッチング制御する通常動作から、前記制御回路により前記帰還電流は用いずに前記電源電圧の検出信号に基づくフィードバック制御によって前記電源電圧を一定とすべく前記スイッチング素子のスイッチングを行う電源電圧安定化制御による低電圧出力動作への移行が可能であり、
前記電源電圧安定化制御のときに前記フィードバック回路は前記帰還電流を遮断する構成としている(第1の構成)。
【0008】
また、上記構成において、前記低電圧出力動作への移行のときに、前記フィードバック回路は、前記出力電圧を低下させるような前記帰還電流を生成することとしてもよい(第2の構成)。
【0009】
また、上記第2の構成において、前記出力電圧の低下に応じて前記電源電圧が低下して所定の下限電圧に達すると、前記制御回路は、前記帰還電流に基づき前記電源電圧を低下させようとすると共に、前記電源電圧が前記下限電圧を下回らないよう制限するような電圧低下制限制御を開始し、
前記電圧低下制限制御を第1の所定時間継続すると、前記制御回路は、前記電源電圧安定化制御を開始することとしてもよい(第3の構成)。
【0010】
また、上記第3の構成において、前記電源電圧安定化制御が第2の所定時間継続すると、前記フィードバック回路は前記帰還電流を遮断することとしてもよい(第4の構成)。
【0011】
また、上記第2〜第4のいずれかの構成において、前記フィードバック回路は、前記出力電圧を分圧するための分圧抵抗を調整する分圧抵抗調整部を有しており、
前記分圧抵抗調整部による前記分圧抵抗の調整によって、前記出力電圧を低下させるような前記帰還電流が生成されることとしてもよい(第5の構成)。
【0012】
また、上記第5の構成において、前記フィードバック回路は、前記分圧抵抗調整部と前記出力電圧の分圧後の電圧に基づき1次側帰還電流を生成する電圧検出部とを有した電流制御部と、前記1次側帰還電流に応じた前記帰還電流を生じさせるフォトカプラと、を備えることとしてもよい(第6の構成)。
【0013】
また、上記第1〜第6のいずれかの構成において、前記電源電圧安定化制御が行われているときに、前記フィードバック回路によって所定の前記帰還電流が生成されると、これを検出した前記制御回路は、動作状態を前記通常動作に復帰させることとしてもよい(第7の構成)。
【0014】
また、上記第1の構成において、前記制御回路へ通知するための電流を流すフォトカプラを前記フィードバック回路とは別に備え、
前記フォトカプラに流れる電流が遮断されたことを前記制御回路が検出すると、前記制御回路は前記電源電圧安定化制御を開始することとしてもよい(第8の構成)。
【0015】
また、二つの前記スイッチング素子から構成されて入力電圧が一端に印加されるブリッジ構造にその一端が接続される共振コンデンサを更に備え、前記制御回路は周波数変調によって前記スイッチング素子をスイッチングする上記第1〜第8のいずれかの構成のスイッチング電源装置であって、
前記電源電圧安定化制御のときに前記制御回路は断続的なスイッチング制御を行うこととしてもよい(第9の構成)。
【0016】
また、上記第9の構成において、前記断続的なスイッチング制御が行われるとき、スイッチング期間における一方の前記スイッチング素子をオンとする期間の総和と他方の前記スイッチング素子をオンとする期間の総和とを一致させていることとしてもよい(第10の構成)。
【0017】
また、二つの前記スイッチング素子から構成されて入力電圧が一端に印加されるブリッジ構造にその一端が接続される共振コンデンサを更に備え、前記制御回路は周波数変調によって前記スイッチング素子をスイッチングする上記第1〜第10のいずれかの構成のスイッチング電源装置であって、
前記トランスは密結合であって、前記2次巻線と直列に接続された第1コイルと、前記第1コイルと密結合された第2コイルとを更に備え、
前記補助巻線と前記第2コイルとの直列接続構成に生じる電圧は前記整流平滑回路によって整流平滑されることとしてもよい(第11の構成)。
【0018】
また、本発明の別態様に係る電気機器は、上記第5又は第6の構成としたスイッチング電源装置と、前記分圧抵抗調整部を制御する制御部と、を備えることとしている(第12の構成)。
【0019】
また、本発明の別態様に係る電気機器は、上記第8の構成としたスイッチング電源装置と、前記フォトカプラに流す電流を制御する制御部と、を備えることとしている(第13の構成)。
【0020】
また、本発明の別態様に係る電気機器は、上記第1〜第11のいずれかの構成としたスイッチング電源装置と、前記スイッチング電源装置の出力側に接続された蓄電部と、前記蓄電部の充電状態を検出する検出部と、を備え、
前記電源電圧安定化制御が行われているときに前記検出部により前記蓄電部の充電量は充分であることが検出されると、前記制御回路は前記電源電圧安定化制御を解除すると共に前記スイッチング素子のスイッチングを停止することとしている(第14の構成)。
【0021】
また、上記第14の構成において、前記検出部は、前記フィードバック回路を介して前記帰還電流を生成することにより、前記蓄電部の充電量が充分であることを前記制御回路に通知することとしてもよい(第15の構成)。
【0022】
また、上記目的を達成するために本発明の別態様に係るスイッチング電源装置は、
1次巻線と、2次巻線とを有したトランスと、
前記トランスの1次側に配された二つの前記スイッチング素子から構成されて入力電圧が一端に印加されるブリッジ構造と、
前記ブリッジ構造にその一端が接続される共振コンデンサと、
周波数変調によって前記スイッチング素子をスイッチングする制御回路と、を備えたスイッチング電源装置であって、
前記制御回路は、断続的なスイッチング制御を行うことで低電圧出力動作を行い、その際、スイッチング期間における一方の前記スイッチング素子をオンとする期間の総和と他方の前記スイッチング素子をオンとする期間の総和とを一致させている構成としている(第16の構成)。
【0023】
また、上記第16の構成において、前記入力電圧を生成する力率改善回路と、当該スイッチング電源装置の出力電圧に応じた帰還信号を前記制御回路に与えるフィードバック回路と、を更に備え、
前記低電圧出力動作を行う際に通常動作時よりも前記力率改善回路の出力電圧の設定値が高く設定されることとしている(第17の構成)。
【0024】
また、上記第16の構成において、前記入力電圧を生成する力率改善回路と、当該スイッチング電源装置の出力電圧に応じた帰還信号を前記制御回路に与えるフィードバック回路と、を更に備え、
前記低電圧出力動作を行う際に通常動作時よりも前記力率改善回路の出力電圧の設定値が低く設定される、又は前記力率改善回路の動作が停止されることとしてもよい(第18の構成)。
【0025】
また、上記第16〜第18のいずれかの構成において、前記スイッチング期間における周波数は、周波数変調の最高制御周波数であることとしてもよい(第19の構成)。
【0026】
また、上記第16〜第19のいずれかの構成において、前記トランスは1次側に補助巻線を更に有して密結合であり、
前記2次巻線と直列に接続された第1コイルと、
前記第1コイルと密結合される第2コイルと、
前記補助巻線と前記第2コイルとの直列接続構成に生じる電圧を整流平滑する整流平滑回路と、を更に備え、
前記整流平滑回路の出力電圧に基づく電源電圧が前記制御回路に供給されることとしてもよい(第20の構成)。
【発明の効果】
【0027】
本発明によると、低出力電圧動作のときの消費電力を抑えることが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
<第1実施形態>
以下に本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。本発明の第1実施形態に係るスイッチング電源装置の構成を
図1に示す。
図1は、スイッチング電源装置を含めた電気製品としての構成を示している。
【0030】
図1に示すスイッチング電源装置1は、AC/DCコンバータであって、ダイオードブリッジDB1と、起動抵抗Rstと、キャパシタC1と、トランスT1と、第1ダイオードD1と、第1出力キャパシタCo1と、第2ダイオードD2と、第2出力キャパシタCo2と、分圧抵抗R1及びR2と、スイッチングトランジスタM1と、検出抵抗Rsと、制御回路(制御IC)10と、電流制御部11と、フォトカプラ12を備えている。
【0031】
ダイオードブリッジDB1は、入力される商用交流電圧などの交流電圧Vacを全波整流する。キャパシタC1は、全波整流後の電圧を平滑して直流電圧Vdcを生成する。例えば、Vac=100Vの場合、Vdc=144Vとなる。
【0032】
トランスT1は、1次巻線N1、2次巻線N2、及び1次側に設けられた補助巻線N3を有している。
【0033】
スイッチングトランジスタM1、1次巻線N1、2次巻線N2、第1ダイオードD1、及び第1出力キャパシタCo1は、第1コンバータ(メインコンバータ)を構成する。当該第1コンバータは、フライバック方式のDC/DCコンバータに相当する。
【0034】
第1出力キャパシタCo1の一端は接地される。第1出力キャパシタCo1の他端と2次巻線N2の一端の間に、そのカソードが第1出力キャパシタCo1側となる向きの第1ダイオードD1が設けられる。2次巻線N2の他端は接地される。
【0035】
1次巻線N1の一端には直流電圧Vdcが印加される。NチャネルMOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)であるスイッチングトランジスタM1のドレインは、1次巻線N1の他端に接続される。スイッチングトランジスタM1のソースは、スイッチングトランジスタM1を流れる電流を検出するための検出抵抗Rsを介して接地電位の印加端に接続される。検出抵抗Rsに生じる電圧信号は、制御回路10の電流検出端子CSに入力される。
【0036】
スイッチングトランジスタM1のゲートには、制御回路10の出力端子OUTから出力されるスイッチング信号が入力される。
【0037】
直流電圧Vdcは、スイッチングトランジスタM1によるスイッチング(オン/オフ)によってチョッピング(切り分け)され、トランスT1を介して2次側にエネルギー伝達される。そして、2次側で生じた方形波の交流電圧を第1ダイオードD1及び第1出力キャパシタCo1によって整流平滑することにより、所望の直流電圧である出力電圧Voutが出力端P1に生成される。出力端P1には負荷L1が接続される。
【0038】
また、出力端P1には、電源回路2の入力端に接続される。電源回路2は出力電圧Voutをマイコン3用の電源電圧に変換し、当該電源電圧をマイコン3に供給する。
【0039】
電流制御部11とフォトカプラ12からフィードバック回路が構成される。電流制御部11のより具体的な構成を
図2に示す。
図2に示すように、電流制御部11は、電圧検出部11Aと、分圧抵抗調整部11Bと、抵抗R3と、抵抗R4を備えている。
【0040】
抵抗R3及びR4は、出力電圧Voutを分圧するための抵抗である。分圧抵抗調整部11Bは、マイコン3によって制御され、抵抗R4を含めた合成抵抗を調整する回路である。分圧抵抗調整部11Bは、例えば不図示の各種抵抗と各種スイッチを含んでおり、マイコン3により上記スイッチが切替えられることによって抵抗R4を含めた合成抵抗が調整される。これにより、分圧抵抗としての上記合成抵抗が調整される。
【0041】
抵抗R3と抵抗R4を含めた合成抵抗により出力電圧Voutを分圧した出力電圧Vout’は、電圧検出部11Aに入力される。電圧検出部11Aは、出力電圧Vout’と不図示の基準電圧Vrefとの誤差を検出し、検出された誤差に応じた電流値の2次側帰還電流If2をフォトカプラ12の発光ダイオード12Aに流す。
【0042】
2次側帰還電流If2が流れることによりフォトカプラ12のフォトトランジスタ12Bに流れる1次側帰還電流If1は、制御回路10のフィードバック端子FBを介して流れる。制御回路10は、1次側帰還電流If1に基づき、出力電圧Vout’が基準電圧Vrefと一致するようにパルスが調節されるスイッチング信号を生成し、出力端子OUTから出力したスイッチング信号によってスイッチングトランジスタM1を駆動する。これにより、出力電圧Voutが一定に安定制御される。
【0043】
より具体的には、制御回路10は、フィードバック端子FBに接続されるプルアップ抵抗(不図示)を有しており、1次側帰還電流If1が多く流れるほど、フィードバック端子FBの印加電圧Vfbは低くなる。制御回路10は、上記印加電圧Vfbと電流検出端子CSにより検出される電流に基づき、スイッチング信号を生成する。
【0044】
スイッチングトランジスタM1、補助巻線N3、第2ダイオードD2、及び第2出力キャパシタCo2は、第2コンバータ(補助コンバータ)を構成する。補助巻線N3の一端と、第2出力キャパシタCo2の一端との間には、そのカソードが第2出力キャパシタCo2側を向くように第2ダイオードD2が設けられる。補助巻線N3、及び第2出力キャパシタCo2のそれぞれの他端は接地される。第2ダイオードD2と第2出力キャパシタCo2は整流平滑回路を構成する。
【0045】
制御回路10の電源端子VCCには、第2出力キャパシタCo2の一端が接続される。制御回路10のハイ電圧端子VHは、その一端がダイオードブリッジDB1に接続される起動抵抗Rstの他端に接続される。制御回路10は、ハイ電圧端子VHと電源端子VCCの間に接続される起動回路(不図示)を内蔵する。
【0046】
また、第2出力キャパシタCo2の一端と接地電位の印加端との間には、分圧用の抵抗R1と抵抗R2が直列に接続される。抵抗R1とR2の接続点には、制御回路10の電圧検出端子VSが接続される。
【0047】
次に、以上のような構成であるスイッチング電源装置1の動作について説明する。
【0048】
ユーザによる電源投入(交流電圧Vacのオン)時に、制御回路10が備える起動回路(不図示)は、起動抵抗Rst、ハイ電圧端子VH、及び電源端子VCCを介して充電電流を流すことにより、第2出力キャパシタCo2を充電し、制御回路10を起動させる。起動後は、第2出力キャパシタCo2に生じる電圧が電源電圧として電源端子VCCに印加される。なお、第2出力キャパシタCo2の充電電圧が所定電圧に達したときに起動回路は充電電流を遮断する。
【0049】
制御回路10は、起動するとスイッチングトランジスタM1のスイッチングを開始し、1次側帰還電流If1に基づくスイッチング制御を継続し、出力電圧Voutが上昇する。そして、出力電圧Voutが通常動作用の目標電圧に達すると、フィードバック回路による帰還電流に基づき制御回路10は出力電圧Voutが上記目標電圧となって安定化するようスイッチングトランジスタM1をスイッチング制御する。通常動作時には、マイコン3の制御により、分圧抵抗調整部11Bは、抵抗R4を含めた合成抵抗を通常動作用の抵抗値に調整する。これにより、通常動作時には、抵抗R3と上記調整された抵抗R4を含めた合成抵抗により出力電圧Voutを分圧した出力電圧Vout’に基づき帰還電流が生成され、出力電圧Voutは上記目標電圧に安定制御される。
【0050】
次に、このような通常動作から低電圧出力動作へ移行する場合について、
図3のタイミングチャート、及び
図4のフローチャートも参照して説明する。
【0051】
軽負荷状態においてマイコン3は、低電圧出力動作へ移行させるべく、分圧抵抗調整部11Bを制御して、抵抗R4を含めた合成抵抗を通常動作時よりも大きく調整する。これにより、出力電圧Vout’は高めに設定され、2次側帰還電流If2及び1次側帰還電流If1が最大値に設定される(
図3のタイミングt1)。このとき、フィードバック端子FBの印加電圧Vfbは最小値に設定される。これにより、スイッチングトランジスタM1のスイッチングはオフが維持され、出力電圧Voutは低下する。
【0052】
出力電圧Voutの低下に応じて電源端子VCCに印加される電源電圧Vccも低下する。そして、電源電圧Vccが所定の下限電圧に達したことを電圧端子VSにより検出すると、制御回路10は電源電圧Vccが上記下限電圧を下回らないよう制限すべくスイッチング制御を行う(タイミングt2)。以降、1次側帰還電流If1(印加電圧Vfb)により電源電圧Vccを低下させようとすると共に、電源電圧Vccが上記下限電圧を下回らないよう制限するような制御(電圧低下制限制御)が行われる(
図4のステップS1)。これにより、電源電圧Vccが異常に低くなって制御回路10が動作を停止することを防止できる。
【0053】
このような電圧低下制限制御が所定時間T1(
図3のタイミングt2からt3の期間)だけ継続すると、制御回路10はスタンバイ状態へ移行し(
図3のICスタンバイ状態)、1次側帰還電流If1(印加電圧Vfb)は用いずに、電圧検出端子VSにより検出される電圧(電源電圧Vccの検出電圧)を用いたフィードバック制御により電源電圧Vccを一定電圧とすべくスイッチングを行う制御(電源電圧安定化制御)を開始する(ステップS2)。なお、上記一定電圧は、上記下限電圧と同一とすることが望ましい。
【0054】
このような電源電圧安定化制御が所定時間T2(
図3のタイミングt3からt4の期間)だけ継続すると、マイコン3は、分圧抵抗調整部11Bを制御することにより抵抗R4を含めた合成抵抗を低めに設定し、出力電圧Vout’を低めに設定する。これにより、2次側帰還電流If2、及び1次側帰還電流If1はほぼゼロに設定される(印加電圧Vfbは最大値)(ステップS3)。従って、電源電圧安定化制御が行われている間、1次側、2次側ともに帰還電流が遮断されて、帰還電流による消費電力をほぼゼロとすることが可能となる。
【0055】
また、電源電圧安定化制御の継続中に負荷状態が軽負荷から復帰した場合、マイコン3は、分圧抵抗調整部11Bを制御することにより、抵抗R4を含めた合成抵抗を高めに設定する。これにより、出力電圧Vout’を高めに設定することで、1次側帰還電流If1を最大値とする(タイミングt5)。その後、マイコン3は、分圧抵抗調整部11Bを制御することで、抵抗R4を含めた合成抵抗を低めに戻し、1次側帰還電流If1を最小値に戻す(タイミングt6)。
【0056】
このようなパルス状の1次側帰還電流If1により生じるパルス状の印加電圧Vfbを検出すると(復帰トリガーの検出、ステップS4のY)、制御回路10は、1次側帰還電流If1を用いたスイッチングを行う通常動作に復帰する(スタンバイ状態の解除)。これにより、出力電圧Voutは上昇して通常動作用の目標電圧で安定化される。なお、このとき、マイコン3は、分圧抵抗調整部11Bを制御することで、抵抗R4を含めた合成抵抗を通常動作用に調整している。
【0057】
このような本実施形態によれば、低電圧出力動作における消費電力を大きく抑制することが可能となる。また、特に、本実施形態であれば、分圧抵抗調整部11Bによって合成抵抗を調整することで低電圧出力動作への移行や通常動作への復帰が可能となる。即ち、出力電圧Voutの安定化に用いるフィードバック回路の一系統で電源動作モードの切替えが可能となる。
【0058】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本発明の第2実施形態に係るスイッチング電源装置の構成を
図5に示す。
図5は、スイッチング電源装置を含めた電気製品としての構成を示している。
【0059】
図5に示すスイッチング電源装置21の上記第1実施形態との違いは、フィードバック用のフォトカプラ241とは別に、動作モード切替用のフォトカプラ242を設けたことである。電流制御部23は、
図2で示した第1実施形態に係る電流制御部11と同様の構成であり、内部に不図示の分圧抵抗調整部と電圧検出部を有している。
【0060】
また、マイコン25は、電流制御部23を制御すると共に、フォトカプラ242の発光ダイオード242Aに動作モード切替用の2次側電流I2を流すことが可能である。フォトカプラ242のフォトトランジスタ242Bには、制御回路22の動作モード切替端子MSが接続される。2次側電流I2に応じた1次側電流I1が動作モード切替端子MS及びフォトトランジスタ242Bを介して流れる。
【0061】
次に、本実施形態に係る動作モード切替制御について
図6に示すタイミングチャートも参照して説明する。
【0062】
まず、スイッチング電源装置21は通常動作を行っているとする。通常動作では、出力電圧Voutに応じて電流制御部23により、フォトカプラ241の発光ダイオード241Aに流れる2次側帰還電流If2が生成され、フォトカプラ241のフォトトランジスタ241Bには2次側帰還電流If2に応じて1次側帰還電流If1が流れる。制御回路22は、フィードバック端子FBを介して流れる1次側帰還電流If1(フィードバック端子FBの印加電圧Vfb)に基づいてスイッチングトランジスタM1のスイッチング制御を行い、出力電圧Voutを目標電圧で一定となるよう制御する。
【0063】
通常動作時にマイコン25は、通常動作モードを表す所定レベルの2次側電流I2を流し、2次側電流I2に応じたレベルの1次側電流I1が流れる。また、マイコン25は、電流制御部23の分圧抵抗調整部(不図示)を制御することで、分圧抵抗としての合成抵抗(
図2であれば抵抗R4を含めた合成抵抗に相当)を通常動作用に調整する。
【0064】
ここで、軽負荷状態においてマイコン25が通常動作から低電圧出力動作へモード切替を行うべく、2次側電流I2を遮断する(
図6のタイミングt1)。これにより、1次側電流I1が遮断され、制御回路22がこれを検出すると、制御回路22は、1次側帰還電流If1(印加電圧Vfb)は用いずに、電圧検出端子VSにより検出される電圧(電源電圧Vccの検出電圧)を用いたフィードバック制御により電源電圧Vccを一定電圧とすべくスイッチングを行う制御(電源電圧安定化制御)を開始する。これにより、電源電圧Vccは低下し、所定の低電圧で安定化される。これに伴って出力電圧Voutは低電圧に制御される。
【0065】
このとき、マイコン25は、電流制御部23における分圧抵抗調整部(不図示)を制御して、分圧抵抗としての合成抵抗を低めに調整することで、2次側帰還電流If2を遮断させる。これにより、1次側帰還電流If1も遮断される。
【0066】
また、低電圧出力動作から通常動作へ復帰させる場合、マイコン25は、上記所定レベルの2次側電流I2を流すことで、1次側電流I1を流す(タイミングt2)。制御回路22は、1次側電流I1を検出すると、電源電圧安定化制御を解除し、1次側帰還電流If1(印加電圧Vfb)に基づいてスイッチングトランジスタM1のスイッチングを行う制御を開始する。これにより、出力電圧Voutは上昇し、目標電圧で安定化される。このとき、マイコン25は、電流制御部23の分圧抵抗調整部(不図示)を制御することで、分圧抵抗としての合成抵抗を通常動作用に調整する。
【0067】
このような本実施形態によれば、低電圧出力動作において1次側、2次側の帰還電流を遮断させることができ、消費電力を大きく抑えることが可能となる。また、本実施形態では、動作モード切替はフィードバック回路とは別系統を用いて行うので、制御を容易とすることができる。
【0068】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態に係るスイッチング電源装置の構成を
図7に示す。本実施形態は、第1実施形態に基づく変形例となる。
【0069】
図7に示すスイッチング電源装置31を含めた製品構成としては、電源回路2の出力端にマイコン35と共に蓄電池36が接続される。マイコン35は、電流制御部33を制御可能である。電流制御部33は、第1実施形態(
図2)の電流制御部11と同様の構成である。また、マイコン35は、スイッチSW1を介してフォトカプラ34の発光ダイオード34Aの一端に接続されると共に、スイッチSW2を介して発光ダイオード34Aの他端に接続される。マイコン35は、スイッチSW1、SW2をオンオフさせる。
【0070】
本実施形態では、通常動作から低電圧出力動作への移行に関する制御については、第1実施形態(
図3)で説明したものと同様である。即ち、本実施形態では、
図8に示すフローチャートにおけるステップS11〜S13が行われる。
【0071】
ここで、
図3のタイミングt4以降のように、低電圧出力動作状態において、制御回路32は電源電圧安定化制御を行い、2次側帰還電流If2及び1次側帰還電流If1が遮断されている状態で(ステップS13)、マイコン35が蓄電池36の充電量が充分であることを検出したとする。例えば蓄電池36のSOC(State of charge)を算出することにより、SOCが所定の閾値を超えた場合に蓄電池36の充電量が充分であると判断してもよい。
【0072】
すると(ステップS15のY)、マイコン35は、スイッチSW1及びスイッチSW2をオンとした後、オフとすることで、発光ダイオード34Aにパルス状の通知用電流Icを流す。これにより、フィードバック端子FB及びフォトトランジスタ34Bを介して通知用電流Icに応じたパルス状の1次側帰還電流If1が流れる。これを検出すると制御回路32は、電源電圧安定化制御を解除し、スイッチングトランジスタM1のスイッチングを停止して、オフを維持する。これにより、蓄電池36に蓄電されたエネルギーに依存できる場合に無駄な消費電力を抑えることができる。
【0073】
なお、通常動作への復帰用のパルス状の1次側帰還電流If1(
図3のタイミングt5〜t6)との区別をするために、例えばパルスの長さを異ならせるとよい。復帰用のパルス状の1次側帰還電流If1を制御回路32が検出した場合は(ステップS14のY)、通常動作へ復帰する。
【0074】
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態に係るスイッチング電源装置41の構成を
図9に示す。本実施形態は、第2実施形態に基づく変形例となる。
【0075】
図9に示すスイッチング電源装置41を含めた製品においては、第2実施形態との相違点として、電源回路2の出力端にマイコン43と共に蓄電池44が接続されている。
【0076】
本実施形態では、通常動作から低電圧出力動作への移行に関する制御は第2実施形態(
図6)と同様である。ここで、2次側電流I2が遮断されて低電圧出力動作へ移行し、制御回路42が電源電圧安定化制御を行っているとする。この状態でマイコン43が蓄電池44の充電量が充分であることを検出すると、マイコン43はパルス状の2次側電流I2を流す。これにより、動作モード切替端子MS及びフォトトランジスタ242Bを介してパルス状の1次側電流I1が流れる。これを検出すると制御回路42は、電源電圧安定化制御を解除し、スイッチングトランジスタM1のスイッチングを停止し、オフを維持する。従って、蓄電池44に蓄電されたエネルギーに依存できる場合に無駄な消費電力を抑えることができる。
【0077】
<第5実施形態>
上記第1実施形態(
図1)の構成の変形例として、
図10に示すように、第2出力キャパシタCo2の出力側に安定化電源回路Rgを配置し、安定化電源回路Rgの出力端に電源端子VCCを接続すると共に、抵抗R1の一端を接続するようにしてもよい。安定化電源回路Rgとしては、例えば3端子レギュレータを用いることができる。これにより、電源端子VCCに安定な電源電圧Vccを供給することができる。
【0078】
また、抵抗R1及びR2については、安定化電源回路Rgの入力端と接地電位の印加端との間に直列接続してもよい。また、電圧検出端子VSを設けず、抵抗R1及びR2を制御回路10の内部に設け、電源端子VCCと接地電位の印加端の間に抵抗R1とR2を直列接続してもよい。これにより、制御回路10の端子数を削減できる。
【0079】
なお、安定化電源回路を用いた上記変形実施例については、第2実施形態(
図5)、第3実施形態(
図7)、及び第4実施形態(
図9)に適用することも同様に可能である。
【0080】
<第6実施形態>
次に、本発明の第6実施形態について
図11を用いて説明する。
図11に示す本実施形態に係るスイッチング電源装置61は、いわゆるLLC共振型のDC/DCコンバータを用いた構成としている。
【0081】
スイッチング電源装置61は、ダイオードブリッジDB1と、PFC回路(力率改善回路)62と、平滑コンデンサC11と、MOSFETで構成されるスイッチング素子Q1及びQ2と、共振コンデンサCrと、トランスTr11と、ダイオードD11及びD12と、コンデンサC12と、電流制御部11と、フォトカプラ12と、制御回路63と、ダイオードD13と、出力キャパシタC13と、抵抗R11及びR12を備えている。
【0082】
PFC回路62は昇圧型であり、不図示の昇圧コイル、スイッチング素子、ダイオード、制御部等を備えている。PFC回路62は、ダイオードブリッジDB1によって整流後の電圧を昇圧して、PFC回路62の出力側に配される平滑コンデンサC11の一端に直流電圧である入力電圧Vinを発生させる。このとき、PFC回路62は、電流波形を電圧波形に近似させる力率改善動作も行う。
【0083】
ハイサイドのスイッチング素子Q1とローサイドのスイッチング素子Q2は、入力電圧Vinの印加端と接地電位の印加端の間に直列接続され、ハーフブリッジ構造を構成する。スイッチング素子Q1とQ2の接続点には、共振コンデンサCrの一端が接続される。共振コンデンサCrの他端は、トランスTr11の1次巻線N11の一端に接続される。1次巻線N11の他端は、接地電位の印加端に接続される。
【0084】
トランスTr11の2次巻線N12の一端は、ダイオードD11のアノードに接続され、他端はダイオードD12のアノードに接続される。ダイオードD11及びD12の各カソードは、コンデンサC12の一端に接続され、その接続点に出力端P11が接続される。コンデンサC12の他端は、接地電位の印加端に接続される。
【0085】
また、トランスTr11の1次側に配される補助巻線N13の一端は接地電位の印加端に接続され、他端はダイオードD13のアノードに接続される。ダイオードD13のカソードには、出力キャパシタC13の一端が接続され、出力キャパシタC13の他端は接地電位の印加端に接続される。ダイオードD13と出力キャパシタC13は整流平滑回路を構成する。ダイオードD13のカソードと出力キャパシタC13との接続点には、制御回路63の電源端子VCCが接続される。また、上記接続点と接地電位の印加端の間には抵抗R11とR12が直列に接続され、その接続点には制御回路63の電圧検出端子VSが接続される。
【0086】
また、出力端P11には電流制御部11が接続される。電流制御部11とフォトカプラ12から成るフィードバック回路の構成については第1実施形態と同様である。
【0087】
制御回路63は、出力端子OUT1及びOUT2からそれぞれ駆動電圧をスイッチング素子Q1及びQ2の各ゲートに印加することで、各スイッチング素子をオンオフ駆動する。入力電圧Vinをスイッチング素子Q1及びQ2の相補的なスイッチングによって周波数変調することでスイッチング波形を生成し、生成されたスイッチング波形を共振コンデンサCr及び1次巻線N11に供給する。ここで、トランスTr11を疎結合とすることで、共振コンデンサCrと直列に不図示のリケージインダクタンス(漏れインダクタンス)と励磁インダクタンスが接続される共振回路が構成される。なお、トランスTr11を密結合として、別途、共振用のコイルを設けるようにしてもよい。
【0088】
上記共振回路によって1次巻線N11に交流電圧が発生し、その交流電圧はトランスTr11によって2次側へ変換され、ダイオードD11及びD12によって整流され、コンデンサC12によって平滑されて出力端P11に出力電圧Voutが発生する。出力電圧Voutは負荷L1と共に電源回路2に供給される。
【0089】
通常動作時には、マイコン3によって電流制御部11は通常動作用の設定がされ、電流制御部11によって出力電圧Voutに応じた帰還電流(If2、If1)が生成され、制御回路63のフィードバック端子FBに印加電圧Vfbが生じる。制御回路63は、出力電圧Voutを安定化すべく、印加電圧Vfbに応じてスイッチング素子Q1及びQ2による周波数変調の制御周波数を制御する。
【0090】
ここで、制御周波数と電圧変換比(入力電圧Vinと出力電圧Voutの比)の関係の一例を
図12に概略的に示している。
図12に示すように負荷の大きさに応じて制御周波数と電圧変換比の関係は変化する。通常動作時には例えば
図12に示す制御周波数f1付近での周波数での制御を行う。より具体的には、出力電圧Voutが設定値(目標値)よりも高くなると、制御周波数を高くして出力電圧Voutを下げ、出力電圧Voutが設定値よりも低くなると、制御周波数を低くして出力電圧Voutを上昇させる。
【0091】
そして、本実施形態に係るスイッチング電源装置61においても、第1実施形態と同様に、通常動作から軽負荷時の低電圧出力動作へ移行することが可能となっている。ここでの動作としては第1実施形態で説明したものと類似したものとなるが、以下説明する。
【0092】
軽負荷状態となると、マイコン3によって電流制御部11の設定が行われ、2次側帰還電流If2及び1次側帰還電流If1が最大値に設定され、フィードバック端子FBの印加電圧Vfbは最小値に設定される。これにより、スイッチング素子Q1及びQ2のスイッチングはオフが維持され、出力電圧Voutが低下する。そして、電源電圧Vccが低下して所定の下限電圧に達したことを電圧検出端子VSにより検出すると、制御回路63は電源電圧Vccが上記下限電圧を下回らないようにスイッチング素子Q1及びQ2を制御する(電圧低下制限制御)。
【0093】
そして、このような電圧低下制限制御が第1の所定時間だけ継続すると、制御回路63はスタンバイ状態へ移行し、印加電圧Vfbは用いずに、電圧検出端子VSにより検出される電圧を用いたフィードバック制御により電源電圧Vccを一定とすべくスイッチング素子Q1及びQ2のスイッチングを行う制御を開始する(電源電圧安定化制御)。そして、このような電源電圧安定化制御が第2の所定時間だけ継続すると、マイコン3による電流制御部11の設定によって2次側帰還電流If2及び1次側帰還電流If1がほぼゼロに設定される。従って、帰還電流による消費電力をほぼゼロとすることが可能となる。
【0094】
このように、本実施形態に係るスイッチング電源装置61においても、軽負荷時における低電圧出力動作のときの消費電力を抑えることが可能となる。
【0095】
<第7実施形態>
次に、本発明の第7実施形態について説明する。本実施形態に係る構成としては、
図11に示したスイッチング電源装置61と同様であり、LLC共振型のDC/DCコンバータを用いたものである。
【0096】
本実施形態においては、通常動作において軽負荷状態となると以下説明するような動作となることを特徴としている。軽負荷状態となるとマイコン3によって電流制御部11の設定が行われ、出力電圧Voutの設定値(目標値)が通常動作時よりも低い電圧に設定される。
【0097】
これにより、電流制御部11によって生成される2次側帰還電流If2及び1次側帰還電流If1(印加電圧Vfb)に基づき、制御回路63はスイッチング素子Q1及びQ2による周波数変調の制御周波数を上昇させ、出力電圧Voutを低下させてゆく。そして、制御周波数が最高値(最高制御周波数)に達して充分に高くなっても出力電圧Voutが設定値まで低下しないと、制御回路63は、それまでの連続的なスイッチング制御から断続的なスイッチング制御へ切替える。
【0098】
断続的なスイッチング制御によるスイッチング波形の一例を
図13に示す。
図13においてハイレベルがスイッチング素子Q1のオン(Q2のオフ)、ローレベルがスイッチング素子Q1のオフ(Q2のオン)、中間レベルがスイッチング素子Q1及びQ2のオフを示す。
図13に示すように、断続的なスイッチングを行う単位期間である断続スイッチング単位期間Timは、オンオフを実施するスイッチング期間Tswと、スイッチングを停止する停止期間Tstとから構成される。スイッチング期間Tswにおける周波数としては、上記の最高制御周波数とすることが望ましいが、これに限らず、例えば通常動作時の制御周波数としてもよい。このように断続的なスイッチング制御を行うことにより、スイッチング損失を抑制し、軽負荷時の低電圧出力動作における効率を向上させることができる。
【0099】
なお、
図13の下方のスイッチング波形については、上方のスイッチング波形よりも更に負荷が軽負荷である場合を示している。下方のスイッチング波形では、上方と同じ断続スイッチング単位期間Timにおいて、スイッチング期間Tswの周波数を変えずにパルス数を減少させて、停止期間Tstを長くしている。
【0100】
また、特に本実施形態においては、
図14に示すスイッチング波形(
図13の上方に対応)のように、スイッチング期間Tswにおいて、スイッチング素子Q1をオン(Q2をオフ)とする期間(ハッチング部)の総和と、スイッチング素子Q2をオン(Q1をオフ)とする期間(黒塗り部)の総和を一致させるようにしている。このようにすることで、共振コンデンサCrの印加電圧とトランスTr11の磁束に偏りが生じることを抑え、安定的な出力電圧Voutを生成することが可能となる。
【0101】
なお、スイッチング期間Tswにおいて上記のように各期間の総和同士を一致させるスイッチング波形は上記以外の種々の形態での実施が可能であり、例えば、
図15に示すように、スイッチング素子Q1をオンとする各期間の間に、その期間の2倍の長さのスイッチング素子Q1をオフとする期間を配するスイッチング波形としてもよい。
【0102】
ここで、PFC回路62について特に説明すれば、軽負荷時の低電圧出力動作のときにPFC回路62の出力電圧(入力電圧Vin)の設定値は通常動作時のときの設定値と同じであってもよいが、低電圧出力動作時の出力電圧Voutの設定値によっては、PFC回路62の出力電圧の設定値を通常動作時よりも高い値としてもよい。これによれば、低電圧動作時の出力電圧Voutの設定値が高めである場合に、上記の断続的なスイッチング制御へ確実に移行することが可能となり、効率の低下を抑制することができる。
【0103】
また、軽負荷時の低電圧出力動作のときの出力電圧Voutの設定値が低めである場合は、PFC回路62の出力電圧の設定値を通常動作時よりも低くしたり、PFC回路62の動作を停止させてもよい(なお、PFC回路62の動作停止時はダイオードブリッジDB1による整流後の電圧が平滑コンデンサC11によって平滑されて入力電圧Vinが生成される)。これによっても、上記の断続的なスイッチング制御へ確実に移行することが可能となり、効率の低下を抑制することができる。
【0104】
なお、力率改善が不要である製品のためのスイッチング電源装置であってPFC回路62を設けない構成であっても、本実施形態は有効に機能する。
【0105】
また、先述した第6実施形態において、軽負荷時の低電圧出力動作へ移行するときに、制御回路63はスタンバイ状態へ移行し、フィードバック端子FBの印加電圧Vfbは用いずに、電圧検出端子VSにより検出される電圧を用いたフィードバック制御により電源電圧Vccを一定とすべくスイッチング素子Q1及びQ2のスイッチングを行う制御を開始するが、このときに上記の断続的なスイッチング制御を適用することも可能である。これにより、第6実施形態において、低電圧出力動作時に効率を向上させることが可能となる。
【0106】
<第8実施形態>
次に、本発明の第8実施形態について説明する。本実施形態に係るスイッチング電源装置の構成を
図16に示す。
図16に示すスイッチング電源装置71は、LLC共振型のDC/DCコンバータを用いたものである。先述した第6実施形態及び第7実施形態の構成(
図11)との構成の相違について以下特に説明する。
【0107】
スイッチング電源装置71はトランスTr21を備えており、トランスTr21は1次巻線N21、2次巻線N22、及び1次側に補助巻線N23を有している。1次巻線N21は、共振コンデンサCrの一端と接地電位の印加端の間に接続される。2次側では、ダイオードD21のアノードとダイオードD22のアノードの間には、2次巻線N22とコイルL21が直列に接続される。ダイオードD21及びダイオードD22の各カソードは、出力端P21と共にコンデンサC21の一端に接続される。ダイオードD21のアノードにはダイオードD23のカソードが接続され、ダイオードD22のアノードにはダイオードD24のカソードが接続される。ダイオードD23及びD24の各アノードとコンデンサC21の他端は、接地電位の印加端に接続される。
【0108】
アノードが接地電位の印加端に接続されたダイオードD25及びD26の各カソード間には、補助巻線N23と、コイルL21と密結合されたコイルL22とが直列に接続される。ダイオードD25のカソードにはダイオードD27のアノードが、ダイオードD26のカソードにはダイオードD28のアノードがそれぞれ接続される。コンデンサC22の一端は接地電位の印加端に接続され、他端はダイオードD27及びD28の各カソードに接続される。コンデンサC22とダイオードD27及びD28の接続点には、制御回路72の電源端子VCCが接続される。ダイオードD25〜D28とコンデンサC22は整流平滑回路を構成する。また、上記接続点と接地電位の印加端の間には、抵抗R21と抵抗R22が直列に接続される。抵抗R21とR22の接続点には、制御回路72の電圧検出端子VSが接続される。
【0109】
トランスTr21は密結合として高効率化を図っているので、2次側においてトランスTr21とは別途にコイルL21を共振用に設けている。制御回路72によってスイッチング素子Q1及びQ2が駆動される。入力電圧Vinをスイッチング素子Q1及びQ2の相補的なスイッチングによって周波数変調することでスイッチング波形を生成する。生成されたスイッチング波形が共振コンデンサCr、トランスTr21、及びコイルL21からなる共振回路に供給されることで交流電圧が発生し、発生した交流電圧をダイオードD21〜D24によって全波整流してコンデンサC21によって平滑することで出力端P21に出力電圧Voutが生成される。出力電圧Voutは、負荷L1及び電源回路2に供給される。
【0110】
また、補助巻線N23及びコイルL22に発生する交流電圧をダイオードD25〜D28によって全波整流し、コンデンサC22によって平滑することで電源電圧Vccを生成して電源端子VCCに印加させる。
【0111】
ここで、トランスTr21は密結合とし、コイルL21とコイルL22も密結合としている。そのため、補助巻線N23に生じる電圧は、2次巻線N22に生じる電圧と2次巻線N22と補助巻線N23の巻数比によって決定され、コイルL22に生じる電圧は、コイルL21に生じる電圧とコイルL21とコイルL22の巻数比によって決定される。従って、補助巻線N23とコイルL22の直列接続構成に生じる電圧は、2次巻線N22とコイルL21の直列接続構成に生じる電圧と比例関係となる。
【0112】
このような構成である本実施形態において、第6実施形態との関係を説明すれば、本実施形態に係るスイッチング電源装置71においても、第6実施形態と同様に、軽負荷時の低電圧出力動作へ移行するときに、制御回路72はスタンバイ状態へ移行し、フィードバック端子FBの印加電圧Vfb(帰還電流)は用いずに、電圧検出端子VSにより検出される電圧を用いたフィードバック制御により電源電圧Vccを一定とすべくスイッチング素子Q1及びQ2のスイッチングを行う制御を開始することが可能である。このとき、上記のような電圧の比例関係があるため、電源電圧Vccを一定に制御することで、2次側からの帰還信号不要で出力電圧Voutを安定化することが可能となる。
【0113】
また、本実施形態における第7実施形態との関係を説明すれば、本実施形態に係るスイッチング電源装置71においても、第7実施形態と同様に、軽負荷時に帰還信号に応じてスイッチング素子Q1及びQ2の断続的なスイッチング制御を行うことで低電圧出力動作を行うことが可能である。このように出力電圧Voutが低電圧で一定に制御されていれば、上記のような電圧の比例関係があるので、制御回路72用の電源電圧Vccも安定化することが可能となる。
【0114】
なお、本明細書中に開示された種々の技術的特徴については、上記実施形態の他、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。即ち、上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。