特許第6543142号(P6543142)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6543142
(24)【登録日】2019年6月21日
(45)【発行日】2019年7月10日
(54)【発明の名称】放送受信装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/462 20110101AFI20190628BHJP
   H04N 21/436 20110101ALI20190628BHJP
   H04N 5/76 20060101ALI20190628BHJP
【FI】
   H04N21/462
   H04N21/436
   H04N5/76
【請求項の数】7
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2015-172439(P2015-172439)
(22)【出願日】2015年9月2日
(65)【公開番号】特開2017-50698(P2017-50698A)
(43)【公開日】2017年3月9日
【審査請求日】2018年7月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】313006647
【氏名又は名称】セイコーソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096655
【弁理士】
【氏名又は名称】川井 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100091225
【弁理士】
【氏名又は名称】仲野 均
(72)【発明者】
【氏名】中村 征幸
【審査官】 松元 伸次
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2005/036880(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0037269(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11B20/10−20/16
27/00−27/06
H04N5/38−5/46
5/76−5/775
5/80−5/956
7/10
7/14−7/173
7/20−7/56
21/00−21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送データを受信する受信手段と、
前記受信した放送データを視聴する視聴手段と、
複数の端末装置との間での無線通信を接続する通信接続手段と、
前記受信手段による放送データを出力する出力手段と、
視聴予約番組と、当該視聴予約番組に対して視聴装置として設定された1の端末装置を、視聴予約情報として記憶する視聴予約情報記憶手段と、
前記記憶された視聴予約番組の開始に応じて、前記受信手段による受信を当該視聴予約番組の放送データに変更する予約手段と、を備え、
前記出力手段は、前記視聴予約番組の放送データについては、当該視聴予約番組の前記視聴装置を出力先として出し、前記視聴予約番組以外の放送データについては、前記受信手段による放送データの受信を最後に選択した端末装置を出力先として出力する
ことを特徴とする放送受信装置。
【請求項2】
前記予約手段は、前記記憶された視聴予約番組の開始の際に、前記通信接続手段により前記視聴装置との無線通信が接続されている場合に、前記受信手段による受信を当該視聴予約番組の放送データに変更する、
ことを特徴とする請求項1に記載の放送受信装置。
【請求項3】
前記受信手段で受信した放送データを録画データとして保存する録画手段を備え、
前記出力手段は、前記端末装置からの要求に基づいて、前記保存された録画データを当該端末装置に出力する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の放送受信装置。
【請求項4】
前記視聴予約番組が開始する所定時間前において、前記出力手段により出力されている前記端末装置、及び前記視聴装置に、当該視聴予約番組の開始を通知する通知手段を備える、
ことを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載の放送受信装置。
【請求項5】
前記視聴予約番組の開始から所定時間前の視聴予約確認時間に到達した場合、当該視聴装置に視聴予約番組を視聴するか否かを問い合わせる視聴確認手段を備え、
前記視聴確認手段による問合せに対して前記端末装置から視聴する旨の回答を受信した場合に、前記予約手段は、前記受信手段による受信を当該視聴予約番組の放送データに変更し、前記出力手段は、当該視聴予約番組の放送データの出力先として前記視聴装置を選択する、
ことを特徴とする、請求項1から請求項4のうちのいずれか1の請求項に記載の放送受信装置。
【請求項6】
前記視聴確認手段による問合せに対して前記視聴装置から視聴しない旨の回答を受信した場合に、当該視聴予約情報を前記視聴予約情報記憶手段から削除する削除手段を備える、
ことを特徴とする請求項5に記載の放送受信装置。
【請求項7】
前記視聴予約番組が開始する前に、前記出力手段により選択されている前記端末装置、及び前記視聴装置に送信していた状態を視聴予約開始前状態として記憶する視聴予約開始前状態記憶手段、を備え、
前記予約手段と前記出力手段は、前記視聴装置に送信した視聴予約番組の放送データが終了した場合に、前記視聴予約開始前状態記憶手段に記憶した視聴予約開始前状態に戻す、
ことを特徴とする請求項1から請求項6のうちのいずれか1の請求項に記載の放送受信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送受信装置に係り、視聴忘れを防止するための視聴予約機能を備えた放送受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビ放送やラジオ放送の電波を受信し、受信した画像や音声を出力するテレビ受像器やラジオ受信機などの放送受信装置が広く普及している。
放送受信装置に対し、視聴したい番組の視聴し忘れを防止するために、予めチャンネル(以下、CHという)や時間等を指定することで視聴予約する技術が提案されている(特許文献1)。この技術によれば放送受信装置は、指定した時間に到達した際、視聴予約されたCHに自動で切り替えるようにしている。これによって、ユーザは他の番組を見ていた場合であっても、そのことが原因で見たい番組を見逃すということが防止される。
【0003】
放送受信装置には、受信した放送データを他のスマートフォン(以下スマホという)等の端末装置に送信(転送)する機能を備えたものも存在している。これにより、チューナを備えていない端末装置であっても、放送受信装置から送信される放送データを受信し、視聴することが可能になる。
【0004】
図14は、放送データの送信中に視聴予約時間になった場合の、放送受信装置と端末装置での表示画面の変化を表したものである。
いま、放送受信装置(以下、TV装置という)では、予め02CHの番組が予約されていると共に、その予約時間前において端末装置であるスマホから放送受信装置に対して02CHの視聴要求がされているものとする。
この場合、TV装置は、スマホからの要求に基づいて自装置のチューナで受信した01CHをスマホに送信する。これによりスマホでは送信される01CHのリアルタイム視聴が行われる。
一方、01CHの受信データを端末装置に送信しているので、TV装置では、デジタル写真等のスライドショーや録画済みの放送データ等、チューナで受信中の放送データ以外を出力するか、又は画面を消灯することになる。
そして、視聴予約の時間になると(ステップ81T;Y)、TV装置はスマホへのCHデータの送信を終了すると共に、受信CHを01CHから予約済みの02CHに変更し、その出力対象をスマホからTV装置に切り替える(ステップ82T)。
一方、スマホ側ではTV装置からCHデータを受信しているかを監視し(ステップ81S)、TV装置からのデータ送信が終了すると(ステップ81S;N)、「表示がTV側に切り替わりました。」等の視聴停止画面を表示する(ステップ82S)。これによりスマホ側では、TV装置側での表示に切り替わったことがスマホユーザに報知される。
【0005】
このように、視聴予約を設定したTV装置が放送データを送信し、これをスマホで視聴していた場合、指定した時間に到達すると視聴予約を設定したTV装置で放送データを表示(テレビ視聴を開始)してしまう。これは、放送データをリアルタイムに視聴する場合、1チューナに対して1端末での視聴に制限されているためである。
このため、スマホで放送データを視聴していたユーザは途中で視聴を中止されてしまい、かつ、視聴予約をした番組を見逃してしまうという問題がある。
ユーザが視聴予約した番組を視聴するためには、切り替えられたTV装置まで移動してTV装置で視聴するか、又は、スマホからTV装置に対して再度出力対象を切り替える操作をスマホで行う必要があった。
【0006】
さらに、複数のスマホa、b、…をCHデータの出力対象として設定できるようにし、リアルタイムのCHデータを1台のスマホに送信する放送受信システムとして構成した場合、CHデータを視聴中のスマホaのユーザは、途中でCHデータの受信が終了することで、視聴予約した番組の開始を知ることが可能である。
ところが、録画データを視聴中のスマホbのユーザは、視聴予約された番組が開始しても、録画データが継続してTV装置から送信されるため、視聴予約した番組の開始を知ることもできず、視聴予約番組を見逃してしまう可能性が高くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−33548号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、視聴予約した番組を、視聴したい端末装置で見逃すことなく、また、複雑な操作なしで視聴予約番組の視聴を継続することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)請求項1に記載の発明では、放送データを受信する受信手段と、前記受信した放送データを視聴する視聴手段と、複数の端末装置との間での無線通信を接続する通信接続手段と、前記受信手段による放送データを出力する出力手段と、視聴予約番組と、当該視聴予約番組に対して視聴装置として設定された1の端末装置を、視聴予約情報として記憶する視聴予約情報記憶手段と、前記記憶された視聴予約番組の開始に応じて、前記受信手段による受信を当該視聴予約番組の放送データに変更する予約手段と、を備え、前記出力手段は、前記視聴予約番組の放送データについては、当該視聴予約番組の前記視聴装置を出力先として出し、前記視聴予約番組以外の放送データについては、前記受信手段による放送データの受信を最後に選択した端末装置を出力先として出力する、ことを特徴とする放送受信装置を提供する。
(2)請求項2に記載の発明では、前記予約手段は、前記記憶された視聴予約番組の開始の際に、前記通信接続手段により前記視聴装置との無線通信が接続されている場合に、前記受信手段による受信を当該視聴予約番組の放送データに変更する、ことを特徴とする請求項1に記載の放送受信装置を提供する。
(3)請求項3に記載の発明では、前記受信手段で受信した放送データを録画データとして保存する録画手段を備え、前記出力手段は、前記端末装置からの要求に基づいて、前記保存された録画データを当該端末装置に出力する、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の放送受信装置を提供する。
(4)請求項4に記載の発明では、前記視聴予約番組が開始する所定時間前において、前記出力手段により出力されている前記端末装置、及び前記視聴装置に、当該視聴予約番組の開始を通知する通知手段を備える、ことを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載の放送受信装置を提供する。
(5)請求項5に記載の発明では、前記視聴予約番組の開始から所定時間前の視聴予約確認時間に到達した場合、当該視聴装置に視聴予約番組を視聴するか否かを問い合わせる視聴確認手段を備え、前記視聴確認手段による問合せに対して前記端末装置から視聴する旨の回答を受信した場合に、前記予約手段は、前記受信手段による受信を当該視聴予約番組の放送データに変更し、前記出力手段は、当該視聴予約番組の放送データの出力先として前記視聴装置を選択する、ことを特徴とする、請求項1から請求項4のうちのいずれか1の請求項に記載の放送受信装置を提供する。
(6)請求項6に記載の発明では、前記視聴確認手段による問合せに対して前記視聴装置から視聴しない旨の回答を受信した場合に、当該視聴予約情報を前記視聴予約情報記憶手段から削除する削除手段を備える、ことを特徴とする請求項5に記載の放送受信装置を提供する。
(7)請求項7に記載の発明では、前記視聴予約番組が開始する前に、前記出力手段により選択されている前記端末装置、及び前記視聴装置に送信していた状態を視聴予約開始前状態として記憶する視聴予約開始前状態記憶手段、を備え、前記予約手段と前記出力手段は、前記視聴装置に送信した視聴予約番組の放送データが終了した場合に、前記視聴予約開始前状態記憶手段に記憶した視聴予約開始前状態に戻す、ことを特徴とする請求項1から請求項6のうちのいずれか1の請求項に記載の放送受信装置を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、視聴予約番組が開始する場合、当該視聴予約番組に対して設定された視聴装置を出力先として当該視聴予約番組の放送データを出力するので、視聴予約番組を視聴したい端末装置で見逃すことなく、また、複雑な操作なしで視聴予約番組の視聴を継続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態が適用される放送受信装置の外観構成と、放送データ受信システムの構成についての説明図である。
図2】TV装置の構成図である。
図3】視聴予約開始前における、放送データをTV装置とスマホの何れか一方で表示するストリーミング処理の動作の一部を表したフローチャートである。
図4】視聴予約開始前における、放送データをTV装置とスマホの何れか一方で表示するストリーミング処理の動作の残りを表したフローチャートである。
図5】ストリーミング処理における、TV装置の画面状態を表した説明図である。
図6】ストリーミング処理における、スマホの画面状態を表した説明図である。
図7】予約操作における各種操作に応じた画面遷移を表したものである。
図8】TV装置のストリーミングプログラムによる視聴予約出力処理について表したフローチャートである。
図9】視聴予約出力処理におけるLCDとスマホの表示画面を表した説明図である。
図10】スマホのストリーミングアプリによる視聴予約出力処理について表したフローチャートである。
図11】第2実施形態におけるTV装置の視聴予約出力処理について表したフローチャートである。
図12】第2実施形態におけるスマホの視聴予約出力処理について表したフローチャートである。
図13】録画予約出力処理について表したフローチャートである。
図14】従来の放送受信装置と端末装置での表示画面の変化を表した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の放送受信装置における好適な実施形態について、図1から図13を参照して詳細に説明する。
(1)実施形態の概要
図1(b)に示す様に、本実施形態の放送受信装置1は、複数の端末装置2a、2b、2c、…(以下、個別の端末装置を指す場合にはa、b…の添え字を付し、何れか1の端末装置を指す場合には添え字無しで符号を付ける)、とWi−Fi通信等の各種無線通信手段により接続可能である。放送受信装置1は、端末装置2からの要求に応じて、要求されたチャンネルの放送データを受信して当該端末装置2に送信する。但し、放送受信装置1で受信する放送データをリアルタイムで視聴することができるのは、放送受信装置1及び全端末装置2のうちの、1チューナ当たり1台だけである。
本実施形態の放送受信装置1では、放送データの受信を選択(指定)をした装置(放送受信装置1又は何れかの端末装置2)に対して視聴権を認め、放送データの出力対象を当該装置に切り替えて出力する。
【0013】
例えば、放送受信装置1で放送データを表示している状態で、特定の端末装置2aから別CH(チャンネル)の視聴要求があると、放送受信装置1は、受信中のCHの変更と、端末装置2aへの出力対象(出力先)の切り替えを行い、放送データを端末装置2aに送信する。この出力対象の切り替えに伴い、放送受信装置1の画面は、スライドショーや消灯状態となる。
その後、他の端末装置2bから視聴要求があれば、放送受信装置1は、出力対象を端末装置2aから新しく視聴要求があった当該端末装置2bに切り替え、要求されたCHの放送データを端末装置2bに送信する。この際、放送受信装置1は、出力対象の切り替えにより、放送データ端末装置2aへの送信が終了するが、出力対象の切り替えの際に、端末装置2aに対して切り替え通知(放送データの送信終了を意味する)を通知する。
【0014】
更に、放送データを端末装置2に送信中において、放送データに関する入力操作(放送データ受信の選択)が放送受信装置1で行われると、放送受信装置1は、現在の出力対象(出力先)である端末装置2に切り替え通知をし、出力対象を端末装置2から自装置(LCD61)への出力に切り替える。
切り替え通知を受信した端末装置2では、放送受信装置1からの放送データが送信されなくなるため、放送データの受信ができなくなると、視聴可能な録画リストを画面表示する。この録画リストは、放送受信装置1が録画した放送データのリストであり、各端末装置2が録画リストを所定タイミング毎に放送受信装置1から受信し、保存しておいたものである。但し、切り替え通知と共に最新の録画リストを放送受信装置1から受信する様にしてもよい。
【0015】
本実施形態では、視聴予約を行う際に、当該視聴予約番組の放送データの出力対象として、放送受信装置1又は端末装置2を視聴装置として選択し、選択した視聴装置の識別番号を予約情報に含めて登録しておく。本明細書では、この予約情報に含まれる識別番号に対応する端末装置2を視聴装置という。
なお、この視聴予約を行うのは放送受信装置1である。従って、放送データの受信を選択(指定)した装置が放送受信装置1なので、原則的には、視聴予約番組の放送データの視聴権は放送受信装置1(出力対象が放送受信装置1)となる。
しかし、本実施形態の視聴予約処理において、視聴予約時間に到達した場合、放送受信装置1は、出力対象を原則通り放送受信装置1に切り替えるのではなく、出力対象を選択された視聴装置(放送受信装置1又は端末装置2)に切り替える。
これにより、ユーザは視聴予約したCHを見逃すことなく、また、面倒な操作をすることなく、視聴予約の際に選択した装置での視聴が可能になる。
なお、視聴予約処理において、放送受信装置1は、切り替え通知と同様に、端末装置2に対して視聴の終了や視聴予約番組の開始を報知するために、視聴予約時間から所定時間(n分)前の視聴予約確認時間に到達したら視聴予約通知を行う。この視聴予約通知の対象は、現在放送データを受信中である端末装置2と、当該視聴予約の設定において選択された視聴装置(端末装置2)である。
【0016】
本実施形態の機能によれば、放送受信装置1と無線通信可能な複数の端末装置2の内の何れか1台の装置において放送データを視聴することができる。視聴予約の際に放送受信装置1を含め視聴装置を設定することで、当該視聴装置において、視聴予約した番組以外の番組や録画データを見ていたことが原因で、視聴予約をした見たい番組を見逃すことを防ぐことがでる。
また、視聴予約を設定した番組が開始するタイミングで視聴予約をした放送受信装置1でテレビ放送を視聴しているか、もしくは、別の端末装置2でテレビ放送を視聴しているかに関係なく、視聴予約時に設定した視聴装置である端末装置2において視聴予約番組を確実に視聴することができる。
【0017】
(2)実施形態の詳細
図1は本実施形態が適用される放送受信装置の外観構成と、放送受信装置を利用した放送データ受信システムの構成について表したものである。
図1(a)に示すように、本実施形態の放送受信装置1はタブレット型の受信装置である。放送受信装置1は、テレビ放送やラジオ放送等の各種放送を受信するアンテナ41を備え、受信したテレビ放送などの画像を表示する表示画面(LCD)61と、視聴予約等の各種操作を行う本体キー71が配設されている。
なお、以下の実施形態では、テレビ放送を受信する場合を例に説明し、放送受信装置1としてTV装置1と表記することとする。
【0018】
図1(b)に示すように、放送データ受信システムは、テレビ塔や衛星から送信される放送データなどを受信する本実施形態のTV装置1と、複数の端末装置2a、2b、2c、…により構成されている。端末装置2としては、TV装置1との間で通信可能なスマートフォンや携帯電話、タブレット端末などの各種携帯端末装置が使用される。
本実施形態では端末装置2として、スマートフォンを使用する場合について説明する。以下端末装置2をスマホ2として説明する。
【0019】
TV装置1と各スマホ2とは、各種規格の通信により接続可能に構成されている。通信方式としては、Wi−Fi(Wireless Fidelity(登録商標))通信や、IMT−2000(International Mobile Telecommunication 2000)規格に準拠した3Gや、IMT−Advanced 規格に準拠した4Gにより接続される。
これにより、各スマホ2からは、メールや自装置で撮影した写真データ等がTV装置1に送信されたり、視聴したい放送データや録画データがTV装置1に要求されたりする。
一方、TV装置1からは、スマホ2の要求に基づく放送データや録画データがスマホ2に送信される。
本実施形態では、TV装置1とスマホ2間で放送データや録画データを送受信する場合には、Wi−Fi通信による場合を例に説明するが、基地局を経由した3Gや4Gによることも可能である。
【0020】
図2はTV装置1の構成を表したものである。
図2に示されるように、TV装置1は、本実施形態における視聴予約制御や、受信中の放送データを何れか1のスマホ2に送信(転送)するストリーミング制御のほか、入力操作に対応する制御等の装置全体を各種制御する制御部10を備えている。
制御部10は、本実施形態における放送データの受信、転送、及び、録画に関する各種制御、保存されている静止画データを使用してスライドシーを行う制御、外部装置との通信制御、その他の各種制御をプログラムに従って行うCPUと、基本プログラムが保存されるROM、各種制御を行う場合の作業領域としてのRAM等を備えている。
この制御部10には、時計20、記憶部30、チューナ部40、通信制御部50、出力部60、入力部70が接続されている。
【0021】
時計20は、時刻情報として現在の日時を年月日時分秒の単位で計測し、計測した時刻情報を制御部10に供給する。時刻情報については、所定タイミング毎に供給するようにしてもよく、制御部10からの要求に応じて供給するようにしてもよい。
【0022】
記憶部30は、ハードディスクや不揮発性メモリ等の各種記憶媒体で構成されている。この記憶部30には、プログラム31、予約リスト32、録画データ33、登録視聴端末情報34、その他のデータが保存される。
プログラム31には、予約プログラム、ストリーミングプログラム、その他の各種プログラムが記憶される。
予約プログラムは、視聴や録画を希望する時刻やCH(チャンネル)を指定することで視聴予約や録画予約を行うプログラムである。
ストリーミングプログラムは、スマホ2からの要求により指定されたCHの放送データを受信してスマホ2に転送するプログラムである。なお、視聴予約プログラムにより視聴予約された番組の出力対象(出力先)の決定、切り替え等については、ストリーミングプログラムにより処理される。
【0023】
その他のプログラムとしては、例えば、TV装置1や他の通信機器から送信される静止画等の受信及び保存を行うとともに、入力操作にしたがい保存した画像をスライドショーとして順次表示するスライドショープログラム等がある。
なお、記憶部30に保存される各種プログラムについては、通信により適宜バージョンアップ可能に構成されているが、その全体又は一部(機能部分)をROMに保存するようにしてもよい。
【0024】
予約リスト32は、視聴予約や録画予約の操作がされる毎に保存される予約情報のリストである。
この予約情報としては、視聴予約又は録画予約された番組(放送データ)の放送CH(CH)、放送開始時間T1、放送終了時間T2、番組名等の番組情報、視聴予約と録画予約を区別する区別情報(録画予約フラグ、視聴予約フラグ)、識別番号(視聴予約の場合)が保存される。
ここで、放送開始時間T1が視聴予約時間や録画予約時間となるが、放送開始時間T1よりも所定時間T1a(例えば、1分)だけ前の時間を視聴予約時間、録画予約時間としてもよい。また、放送終了時間T2が視聴終了時間や録画終了時間となるが、放送終了時間T2よりも所定時間T2aだけ後の時間を視聴終了時間、録画終了時間としてもよい。この場合、所定時間T1a、T2aについては、開始、終了に要する時間を考慮し、視聴予約と録画予約とで異なる時間を規定するようにしてもよい。
【0025】
なお、予約リスト32には、視聴予約情報のリストと、録画予約情報のリストを別々に保存するようにしてもよく、この場合には区別情報の保存は不要である。
【0026】
視聴予約、録画予約は、TV装置1が放送データに含まれる電子番組表(EPG:Electronic Program Guide)を画面表示し、ユーザが希望する番組の選択操作を行うことで予約が行われる。TV装置1は、選択された番組の電子番組情報から、予約情報を予約リスト32に保存する。
【0027】
録画データ33は、録画予約された番組を含め、受信した放送データが保存される。各録画データ33には、放送データの他に、録画情報が保存される。録画情報は録画済みの放送データを選択して視聴する際に、録画一覧としてリスト表示される(図6(ハ)参照)。録画情報としては、予約情報と同一内容が保存される。
【0028】
登録視聴端末情報34は、視聴予約処理において登録および使用される、視聴予約した放送データの出力対象として選択可能なスマホ2に関する情報である。この登録視聴端末情報34には、登録したスマホ2の識別番号と、これに対応するボタン番号、端末名称が保存される。
ボタン番号と端末名称は、視聴予約処理において表示される視聴予約者表示画面(図7(e)参照)を表示するために使用され、この画面でユーザに選択された端末名称に対応する識別番号が、視聴予約した放送データの出力対象として、予約リスト32の予約情報に保存される。
【0029】
記憶部30に保存されるその他のデータとしては、スライドショーで使用される画像データとしての静止画像や動画像の画像データ等がある。
この画像データは、スマホ2や携帯電話等の外部装置から受信する場合のほか、TV装置1が備える撮像装置(カメラ)で撮像する場合が含まれる。この画像データは、TV装置1に表示される場合のほか、TV装置1が放送データと同様にスマホ2に送信(転送)することで、スマホ2に表示することも可能である。
画像データが静止画像である場合には、スライドショーとして画像データが順次表示、送信される。
【0030】
チューナ部40は、各種放送データを受信するアンテナ(本実施形態ではテレビアンテナ41)が接続されている。チューナ部40は、テレビアンテナ41を介して受信した放送データのうち、ユーザが選局したCHの放送データを視聴可能にする。制御部10は、視聴可能になった放送データを出力部60に出力し、また、スマホ2に転送し、録画データ33に保存する。
【0031】
通信制御部50は、各種外部機器との間で所定の規格に応じた通信を行うための制御部であり、本実施形態では3G又は/及び4G通信用の3G/4Gアンテナ51と、Wi−Fi通信用のWi−Fiアンテナ52が接続されている。
本実施形態の通信制御部50では、制御部10による制御のもと、チューナ部40で受信した放送データをWi−Fiアンテナ52を介して、いずれか1台のスマホ2に送信(転送)することで、放送データ送信手段の一部として機能している。
【0032】
出力部60は、LCD61とスピーカ62を備えている。
LCD61は、受信した放送データ、録画データ、スライドショー等の画像を表示する液晶表示装置である。LCD61は、TV装置1の各種機能に応じて必要な各種操作を行うための操作キーを画像表示する。
【0033】
スピーカ62は、受信した放送データや録画データなどの音声を出力する音声出力装置である。
この本実施形態のスピーカ62からは、録画予約や視聴予約を行う際にLCD61に表示される操作画面に対応した、設定操作の音声ガイダンスが出力されるが、音声ガイダンス機能は搭載しないことも可能である。
【0034】
放送データや録画データの実際の出力対象は、画像がLCD61で、音声がスピーカ62である。但し、説明を簡略するために、以下の説明では、放送データ等の出力対象をLCD61として説明することとする。
【0035】
入力部70は、各種設定操作を行うための入力装置として、本体キー71、リモコン72、タッチパネル73、マイクを備えている。
本体キー71は、図1(a)に示すように、各種入力、選択操作を行うための操作キーとして、TV選択キー、メニューキー、戻るキー、OKキー、上下左右方向の各移動キーが、LCD61側の本体面に配置されている。
また、図示しないが、本体キー71として、電源のオンオフを行う電源キーが本体側面に配設されている。
【0036】
リモコン72は、近距離無線通信によりTV装置1の入力操作を行う入力機器である。
タッチパネル73は、LCD61の表面に配置される入力機器で、LCD61に画面表示された各種操作キーに対応した、ユーザのタッチ位置を特定し、当該タッチ位置に対応して表示された操作キーの入力を受け付ける。
【0037】
なお、TV装置1が備える撮像装置(カメラ)で動画を撮像する場合用に、入力部70は、音声を入力するためのマイク(図示しない)を備えている。
この本実施形態のTV装置1には存在しない機能ではあるが、3G/4G通信を使用し、携帯電話やスマートフォンなどの外部機器との間で通話を行う通話機能を搭載するようにしてもよい。この場合には、マイクが通話用のマイクとしても使用される。
【0038】
次に、放送データ受信システムを構成するスマホ2について説明する。
スマホ2は、その構成としてCPU、ROM、RAMを備えた制御部、TV装置1との間で通信や通話機能を実現するための通信部、各種画像を表示する画像表示部、記憶部、各種操作を行う入力部を備えている。
スマホ2の記憶部には、各種のアプリケーションソフトが記憶されるほか、電話機能に関連して保存される電話帳情報、通話履歴情報、TV装置1から受信した録画情報や番組情報などが記憶される。スマホ2の記憶部に記憶されるアプリケーションソフトとしては、TV装置1と共に放送データ受信システムを構成するためのプログラム(以下、ストリーミングアプリという)が記憶される。このストリーミングアプリは、商品出荷時においてプリインストールされている場合と、インターネット等を経由してインストールされる場合とがある。
【0039】
スマホ2の通信部は、通話用のアンテナの他、Wi−Fiアンテナを備えており、TV装置1とWi−Fi通信を行うことで、放送データ受信要求に関する情報を送信し、また、送信される放送データを受信するようになっている。
この放送データの受信に関連する各種動作は、ユーザによって選択されたストリーミングアプリに従ってスマホ2の制御部により実行される。
【0040】
本実施形態では端末装置2の一例としてスマホ2の構成を説明したが、上述したように携帯電話や電子フォトフレーム等の他の端末装置も使用可能である。
この場合の端末装置の構成としては、各端末装置固有の機能部分を除き、ほぼスマホ2と同一である。すなわち、少なくとも端末装置として、TV装置1との間でWi−Fi等の無線通信が可能であり、制御部がストリーミングアプリを実行することで、TV装置1から送信される放送データを受信し、その映像や音声を出力するための構成をスマホ2と同様に備える。
【0041】
次に、以上の通り構成された、TV装置1とスマホ2からなる放送データ受信システムの動作について説明する。
図3図4は、視聴予約開始前における、放送データをTV装置1とスマホ2の何れか一方で表示するストリーミング処理の動作を表したフローチャートである。
図5は、ストリーミング処理における、TV装置1の画面状態を表した説明図である。
図6は、ストリーミング処理における、スマホ2の画面状態を表した説明図である。
このストリーミング処理の前提として、TV装置1とスマホ2は相互にWi−Fi接続が完了しているものとし、両者間の通信はWi−Fiによるものとする。
【0042】
いまTV装置1は、TV装置1の操作により指定されたCHの放送データ(以下、CHデータという)を受信しているものとする。この状態では、スマホ2からの要求がないため、TV装置1は、受信したCHデータを出力部60のLCD61とスピーカ62から出力する。これにより、図5(a)に示すように、TV装置1のLCD61にCHデータが表示され、ユーザは、TV装置1においてCHデータ(サッカー中継)の視聴中となる(ステップ11T)。
【0043】
一方、スマホ2側では制御部が、ストリーミングアプリが起動されたか否かを監視している(ステップ11S)。
ストリーミングアプリは、図6(イ)に示すように、スマホ2の画像表示部161のトップ画面(ホーム画面/待ち受け画面)に表示されている各種アプリアイコンの中から、ストリーミングアプリアイコン162をユーザが選択する事で起動される。
スマホ2の制御部では、ストリーミングアプリが起動されると(ステップ11S;Y)、起動完了までの間、図6(ロ)に示すように、起動画面を画像表示部161に表示する(ステップ12S)。
【0044】
そして、ストリーミングアプリが起動されると、スマホ2の制御部は、図6(ハ)に示すように、スマホ2で視聴可能な録画データのリスト173bを一覧表示する(ステップ13S)。
なお、フローチャートには示していないが、本実施形態では、ストリーミングアプリを起動した直後にスマホ2がTV装置1に視聴可能な録画データを要求し、TV装置1から送信される録画データを記憶部に保存した上で、図6(ハ)の一覧表示を行うようになっている。
但し、起動時において既に録画データが記憶部に保存されている場合には保存済みの録画データを表示し、保存されていない場合や最後の登録から所定時間N時間(例えばN=24時間)が経過している場合には、ストリーミングアプリが起動した後にTV装置1に問い合わせるようにしてもよい。
また、TV装置1において、新規追加や削除により録画データの内容に変更があった場合に、TV装置1がWi−Fi接続された際にスマホ2に送信するようにしてもよい。
【0045】
次に、スマホ2の制御部は、図6(ハ)に示す録画一覧画面においてユーザの選択操作を監視する(ステップ14S)。すなわちスマホ2の制御部は、画像表示部161の上部に表示されているテレビアイコン173a、又は、録画データのリスト173bの何れが選択されたかについて監視する。
【0046】
ユーザにより何れかの録画データが選択された場合(ステップ14;N)、スマホ2の制御部は、選択された録画データの再生処理を行う(ステップ15S)。
すなわち、スマホ2の制御部は、選択された録画データを特定する特定情報をTV装置1に送信することで、当該録画データの送信を要求する。これに対してTV装置1では、要求された録画データの再生を行いながら再生データをスマホ2に送信する。この再生データの送信は、放送データ(CHデータ)のストリーミング送信ではないので、TV装置1では、出力中(視聴中)のCHデータの出力(視聴)が継続される。
【0047】
一方、ユーザによりテレビアイコン173aが選択されると(ステップ14S;Y)、スマホ2の制御部は、出力対象切り替え要求を行う(ステップS16S)。すなわち、スマホ2の制御部は、TV装置1に対して切り替え要求と選択されたCH情報(CHを特定する情報)を送信する。なお、CH情報は送信せず、切り替え要求だけを送信するようにしてもよい。この場合、TV装置1で出力されているCHまたは、現在設定されているCHのCHデータが送信される。
その後、スマホ2の制御部は、切り替え要求に応じてTV装置1からCHデータが送信されるまでのあいだ、図6(ニ)に示すように、切り替え待ち画面を表示し(ステップ17S)、CHデータの受信を監視する(ステップ18S)。
【0048】
TV装置1の制御部10では、テレビ視聴中かスライドショーの出力中かにかかわらず、スマホ2から切り替え要求が送信されたか否かを常時監視している(ステップ12T)。
切り替え要求を受信すると(ステップ12T;Y)、制御部10は、切り替え予告表示を行う(ステップ13T)。
すなわち、図5(a)に示すように、TV装置1でテレビ視聴中である場合において、CHデータをストリーミング表示(出力)できるのは1画面だけであるため、スマホ2からの要求により、視聴対象(出力対象)の切り替えを行う必要がある。そこで、TV装置1の制御部10は、切り替える前に、LCD61の表示画面上に、例えば図5(b)に示すように「専用アプリ側が視聴を開始したため、テレビ視聴を終了します。スライドショーに切り替えます。」と表示することで、テレビ視聴の終了を告知する(ステップ13T)。
なお、本実施形態のTV装置1では、テレビ視聴中において切り替え要求を受信した場合のデフォルト処理としてスライドショーへの切り替えが規定されているため、上記告知内容が表示されるが、切り替えにより画面の消灯をデフォルトの設定としてもよい。また、スライドショーと画面消灯の何れかをデフォルト処理とし、ユーザが他方に設定を切り替えられるようにしてもよい。
【0049】
次に、TV装置1の制御部10は、CHデータの出力対象をLCD61からスマホ2(通信制御部50を介しての送信)に切り替える(ステップ14T)。これにより、チューナ部40で受信したCHデータは、通信制御部50、Wi−Fiアンテナ52を介してスマホ2に送信(転送)される。
なお、切り替え要求にCH(CH)の指定がある場合、TV装置1の制御部10は、チューナ部40で受信するCHを指定されたCHに変更した後にCHデータをスマホ2に送信する。CHの指定が無い場合には、現在受信中のCHデータをスマホ2に送信する。
【0050】
TV装置1の制御部10は、出力対象を切り替えた後、図5(c)に示すように、注意画面をLCD61に表示する(ステップ15T:図4)。
そして、制御部10は、注意画面に表示したOKボタンがユーザによって選択(画面タッチ)されたか否かを監視する(ステップ16T)。
OKボタンが選択されると(ステップ16T;Y)、制御部10は、デフォルトの設定に従い、図5(d)に示すように、静止画を順次表示するスライドショーをLCD61に表示する。
【0051】
一方、スマホ2では、TV装置1から送信されるCHデータを受信すると(ステップ18S;Y)、制御部は、図6(ホ)に示すように、受信したCHデータを画像表示部161に表示する。
図6(ホ)に示した例では、TV装置1でサッカー中継を視聴中であったのに対し、ステップ16Sで他CH(△TVのCH)を指定したことにより、当該CHで現在放送中の数学の学習が表示されている。
なお、TV装置1からはCHデータと共に電子番組表がスマホ2に送信され、スマホ2の制御部は、図6(ホ)に示すように、CHデータ(放送データ)161aを画面表示するほか、受信する電子番組表に従い、現在視聴中のCH情報161bと、CH情報173cを表示する。
【0052】
図3、4のフローチャートには表示していないが、スマホ2に表示されているCH情報173cで、現在視聴中のCH以外のCHがユーザにより選択されると、スマホ2の制御部は、選択されたCHへの変更要求をTV装置1に送信し、TV装置1では要求されたCHに変更したCHデータをスマホ2に送信する。
これによりスマホ2では、例えば、図6(ホ)の数学の学習から、図6(ヘ)の野球中継に変更される。
【0053】
このようにTV装置1からCHデータを送信することでスマホ2でテレビ視聴をしている状態において、TV装置1では入力部70による操作がされたか否かを監視している(ステップ17T)。
操作が選択され、その操作がテレビ視聴の選択でない場合(ステップ17T;N)、制御部10は、操作内容に対応した表示を行う(ステップ18T)。例えば、制御部10は、選択操作に応じて画面を消灯したり、図5(d)に示すようにスライドショーを表示したり、録画データを再生表示したりする。
【0054】
一方、ユーザによる選択操作がテレビ視聴の選択である場合(ステップ17T;Y)、TV装置1の制御部10は、チューナ部40で受信中のCHデータの出力対象を、スマホ2側からTV装置1側に切り替える(ステップ19T〜21T)。
すなわち、TV装置1の制御部10は、最初にスマホ2に対して切り替え通知(ステップ19T)をした後、所定時間tの経過後にCHデータの出力対象をスマホ2からLCD61に切り替える(ステップ20T)。本実施形態の場合、所定時間tとして10秒が設定されているが、ユーザ変更可能なn秒としてもよい。
この出力対象の切り替えにより、TV装置1の通信制御部50からスマホ2に送信されていたCHデータの送信が終了する。
そして、LCD61には、図5(e)に示されるように、切り替え直前にスマホ2に送信していたCHデータ、即ち野球中継のCHデータが表示される。
なお、ステップ14T(図3)において出力対象をLCD61からスマホ2に切り替える際に、それまでTV装置1で視聴していたCHをRAMに記憶しておき、ステップ20T(図4)で出力対象をLCD61に戻す際には、RAMに記憶しておいたCHに戻したうえでLCD61に出力するようにしてもよい。この場合、LCD61に表示されるのは、野球中継ではなく、図5(a)に示すサッカー中継が出力される。
【0055】
一方、スマホ2の制御部では、TV装置1から送信されるCHデータを視聴しているあいだ、TV装置1からの切り替え通知を受信したか否かを監視しており(ステップ20S)、切り替え通知がなければ(ステップ20S;N)、TV装置1から送信されるCHデータの表示を継続する(ステップ19S)。
そして、TV装置1からの切り替え通知を受信すると(ステップ20S;Y)、スマホ2の制御部は、TV装置1からのCHデータ送信が終了するまでの間、画像表示部161に切り替え通知を表示する(ステップ21S)。切り替え通知の表示としては、例えば、図6(ト)に示すように、「TV装置がテレビ視聴を開始しました。視聴を中止します。」等の表示を行う。
【0056】
そして切り替え通知の後にTV装置1からのCHデータ送信が終了するので、スマホ2の制御部は、CHデータを受信できなくなった時点で、録画一覧表示を行う(ステップ22S)。この録画一覧画面は、ステップ13S(図3)で表示した録画一覧と同様であるが、この間に録画情報が更新されていれば最新の録画一覧が表示される。
以後、ステップ13S以降の動作と同様である。
なお、TV装置1装置からの切り替え通知を受信した場合、切り替え通知を表示した後に、ストリーミングアプリを終了するようにしてもよい。
【0057】
以上説明したように、チューナ部40で受信したCHデータのリアルタイムでの表示については、TV装置1のLCD61と、スマホ2の画像表示部161の何れか一方に出力対象を切り替えて表示される。そして、CHデータの表示対象(切り替え先)は、TV装置1とスマホ2のうち、CHデータの視聴の操作を最後にした側に切り替えられる。
【0058】
次に、TV装置1における視聴予約及び録画予約を行う場合の予約処理について説明する。この予約処理は、記憶部30の予約プログラムに従って行われる。
図7は、予約操作における各種操作に応じた画面遷移を表したものである。
予約操作は、例えば図7(a)に示すように番組を視聴している状態や、スライドショーの表示状態などの各種状態において、ユーザが予約番組の指定を行う。
すなわち、ユーザが本体キー71(図1参照)のメニューボタンを選択すると、制御部10は、LCD61に「番組表ボタン」を含む操作メニューを一覧表示する。このメニュー一覧で、ユーザにより番組表ボタンが選択されると、制御部10は、図7(b)の番組表を表示する。
図7(b)に示すように番組表には、予約番組の放送日欄61a、CH表示欄61b、番組欄61cが表示される。
CH表示欄の左右に表示されているCH変更ボタン「<」「>」を選択(タッチ)することで、又は、本体キー71の左右ボタン「←」「→」を選択(押下)することで、他のCHに変更することができる。制御部10は、変更されたCHで放送される各番組を番組欄61cに放送時間順にリスト表示する。
CHに対して表示されている番組の変更や選択(決定)については、本体キー71の操作による。すなわち、図7(b)の例では、他の番組と背景色により区別されている「探偵△△△」が仮選択されているが、「○○ニュース」などの他番組を選択する場合には本体キー71の上下ボタン「↑」「↓」を選択する。
予約したい番組を仮選択した状態で本体キー71の「OK」ボタンを選択することで予約番組が決定される。
【0059】
OKボタンが選択されると、制御部10は、選択された番組の番組情報をRAMに一時記憶する。そして、制御部10は、図7(c)に示されるように、番組情報を詳細に示す番組詳細画面61dを表示すると共に、タッチパネル入力用のソフトボタンである「録画予約」ボタン61d1と「視聴予約」61d2ボタンを画面の下方に表示する。
この番組詳細画面61dにおいて、ユーザが「視聴予約」ボタン61d2を選択すると、制御部10は、図7(e)に示すように、視聴予約者表示画面61fを表示する。
【0060】
図7(e)に示した視聴予約者表示画面61fでは、デフォルトで登録されているTV装置1(0番)と、既に登録されている4台の視聴装置(1番〜4番)に対応するスマホ2の端末名称ボタンが表示されている。
ユーザにより何れかのボタンが選択されると、TV装置1の制御部10は、選択された端末名称ボタンに対応する識別番号を、RAMに一時記憶しておいた番組情報、視聴予約フラグと共に予約情報として予約リスト32に保存する。
【0061】
なお、視聴装置の登録は次のようにして行われる。
スマホ2を視聴装置として登録する場合には、前提として登録するスマホ2とTV装置1とをWi−Fi接続させておく。
視聴装置が未登録の場合、視聴予約者表示画面61fには、TV装置ボタンと新規追加ボタンだけが表示されている。
視聴予約者表示画面61fにおいて、ユーザによって新規追加ボタンが選択されると、TV装置1の制御部10は、視聴端末登録画面(図示しない)を表示する。この視聴端末登録画面には、ボタン番号欄、端末名称入力欄、及び、文字と数字の入力キーが表示される。
この状態で入力キーからボタン番号と、端末名称が入力され、OKボタンが選択されると、TV装置1の制御部10は、現在Wi−Fi接続されている端末装置2を調べ、各端末装置2の識別番号を表示する。
そして、TV装置1の制御部10は、ユーザにより選択された識別番号を、入力されたボタン番号、端末名称と共に、記憶部30の登録視聴端末情報34に保存する。
【0062】
上述の通り、図7(e)の視聴予約者表示画面61fにおいて、何れか1の端末名称ボタンが選択され、予約情報を予約リスト32に保存した後、TV装置1の制御部10は、図7(f)に示すように、視聴予約完了画面61gに「視聴予約しました」と所定時間t2だけ表示した後、予約処理を終了する。
【0063】
一方、図7(c)の番組詳細画面61dにおいて、ユーザが「録画予約」ボタン61d1を選択すると、制御部10は、図7(d)の録画予約設定画面61eを表示し、繰り返し予約に関する設定、画質に関する設定、「OK」「キャンセル」の選択を求める。繰り返し予約「1回」と画質「フルセグ(低)」がデフォルトとして設定されており、変更する場合にユーザは、該当する設定箇所をタッチする。
この録画予約設定画面61eで「OK」ボタン61e1が選択されると、制御部10は、RAMに一時記憶しておいた番組情報と録画予約フラグとを予約情報として予約リスト32に保存し、予約処理を終了する。
なお、図7(e)の視聴予約完了画面61fと同様に、「録画予約しました」と録画予約完了画面を所定時間t3だけ表示した後に終了するようにしてもよい。
【0064】
図7(d)の録画予約設定画面61eにおいて、「キャンセル」ボタン61e2が選択された場合、制御部10は、RAMに一時記憶した番組情報を削除し、予約操作を終了する。
【0065】
次に、スマホ2でCHデータを視聴中に視聴予約時間になった場合の視聴予約出力処理について説明する。
図8図10は、TV装置1とスマホ2のストリーミングプログラム/アプリによる視聴予約出力処理について表したフローチャートである。
図9は、視聴予約出力処理におけるLCD61とスマホ2の表示画面を表した説明図である。
前提として、TV装置1は何れか1のスマホ2にCHデータ(CH:01のサッカー中継)を送信中であり、当該スマホ2の画像表示部161には、図9(イ)に示すように、サッカー中継が表示されているものとする。また、TV装置1は、他のスマホ2に録画データを送信中であり、当該他のスマホ2には送信される録画データが表示(図示しない)されているものとする。さらに、CH:02の数学の学習(△TVの△×□)が視聴予約され、予約リスト32に保存されているものとする。
この状態において、TV装置1のLCD61では、図9(a)に示すように、画面消灯もしくはスライドショーが表示されているものとする。
【0066】
TV装置1の制御部10は、ストリーミングプログラムに従い、時計20から取得した時間が、視聴予約確認時間に到達したか否かを監視している(図8、ステップ31)。この視聴予約確認時間は、予約リスト32に保存されている視聴予約番組の視聴予約時間から所定時間mだけ前の時間であり、本実施形態では所定時間mとして1分が規定されている。
従って、TV装置1の制御部10は、予約リスト32の視聴予約時間を予め読み込んでRAMに保存しておき、視聴予約時間から所定時間m前に到達したか否かを監視する。
なお、所定時間mについては、デフォルト値をm=1分とし、視聴予約の設定操作においてユーザ操作により所定時間mを変更できるようにしてもよい。これにより、ユーザは自分の仕事や生活のペース、時間帯等に合わせて自由に視聴予約の確認をすることができる。
【0067】
視聴予約確認時間に到達した場合(ステップ31;Y)、制御部10は、TV装置1以外の何れかの他端末装置2でCHデータ等(CHデータ、録画データ、以下同じ)を視聴中であったか否かを確認する(ステップ32)。すなわち、制御部10は、現在何れかのスマホ2にCHデータを送信していれば視聴中である(;Y)と判断し、送信していなければ視聴中でない(;N)と判断する。
何れの他端末装置2(スマホ2)でも視聴中でない場合(但し、この場合は上記前提以外の場合である。ステップ32;N)、制御部10は、視聴予約時間に視聴予約番組(CH:02の数学の学習)にCHを変更し、LCD61に出力する(ステップ33)。
これにより、画面消灯もしくはスライドショーを表示していたLCD61は、図9(b)に示すように、視聴予約していた番組のCH:02の数学の学習が表示される。
【0068】
なお、視聴予約したCHデータの出力対象としてスマホ2が選択されている(予約情報としてスマホ2の識別番号が保存されている)が、視聴予約確認時間よりも更に所定時間前において、視聴装置であるスマホ2に対してストリーミングアプリの起動を要求するようにしてもよい。
この要求に基づいて、当該スマホ2のストリーミングアプリの起動が視聴予約確認時間までに完了すれば、TV装置1はステップ34に移行し、起動しなければステップ33に移行するようにする。
【0069】
一方、他端末装置2(スマホ2)で視聴中である場合(ステップ32;Y)、TV装置1の制御部10は、視聴装置(スマホ2=Rとする)と、現在CH:01のサッカー中継を視聴中である端末装置2(=Vとする)を確認する(ステップ34)。ここで、録画データを視聴しているスマホ2が確認対象となるのは、視聴装置(=R)である場合だけである。
次に、TV装置1の制御部10は、確認した視聴装置(=R)と、視聴中の端末装置2に対して、視聴予約通知を行う(ステップ35)。この視聴予約通知では、各スマホ(R、V)に対して、視聴予約された番組情報(CH:02)と、視聴装置の識別番号が送信される。
そして、視聴予約通知(R、V)をした後に、TV装置1の制御部10は、視聴予約時間になったか否かを監視する(ステップ36)。
【0070】
一方、図10に示すように、TV装置1から送信されるCHデータ(CH:01のサッカー中継)を視聴中であるスマホ2、又は/及び、画像データを視聴中であるスマホ2の制御部は、TV装置1から視聴予約通知がされたか否かを監視している(ステップ41)。
視聴予約通知を受信すると(ステップ41;Y)、視聴予約通知を受信したスマホ2の制御部は、当該通知に含まれる識別番号から、自装置が視聴装置(R)に該当するか否かを判断する(ステップ42)。
【0071】
自装置が視聴装置でない場合(≠R、ステップ42;N)、当該スマホ2の制御部は、TV装置1から受信中であるCH:01のサッカー中継の画面上に視聴終了の予告をポップアップ表示する(ステップ43)。
この視聴終了の予告は、視聴予約番組の視聴開始時間から所定時間前(例えば、10秒前)になった時点で出力する。スマホ2の制御部は、例えば「他機で視聴予約を開始するため10秒後に視聴を終了します。」等の表示を行う。
その後、当該スマホ2の制御部は、このポップアップ表示をした状態でTV装置1からCHデータの送信が終了すると、視聴可能な録画データのリスト173b(図6(ハ)参照)を一覧表示する(ステップ44)。
【0072】
一方、自装置が視聴装置である場合(=R、ステップ42;Y)、当該スマホ2の制御部は、TV装置1から受信中であるCH:01のサッカー中継の画面上、又は、録画データの表示画面上に、視聴予約の予告をポップアップ表示する(ステップ45)。
この視聴予約の予告は、視聴終了の予告と同様に、視聴予約番組の視聴開始時間から所定時間前(例えば、10秒前)になった時点で出力する。スマホ2の制御部は、例えば「あと10秒で予約番組を視聴開始します。」等の表示と、番組情報(番組名と放送時間等)の表示を行う。
その後、スマホ2の制御部は、TV装置1から送信される視聴予約されたCHデータ(CH:02の数学の学習)を表示する。すなわち、スマホ2ではストリーミングアプリに従い、TV装置1から送信されるCHデータを表示するので、スマホ2の画像表示部161は、CH:01のサッカー中継(図9(イ))又は録画データから、視聴予約していたCH:02の数学の学習(図9(ロ))に自動的に切り替わる。
【0073】
図8に戻り、TV装置1の制御部10は、監視中の視聴予約時間になると(ステップ36;Y)、チューナ部40の受信CHを視聴予約のCHに変更する(ステップ37)。すなわち、TV装置1の制御部10は、それ以前に受信していたサッカー中継のCH:01から、視聴予約された数学の学習のCH:02に変更する。
さらにTV装置1の制御部10は、視聴装置(=R)が視聴中の端末装置2(=V)と一致するか否かを判断し(ステップ38)、一致する場合(R=V、ステップ38;Y)には出力対象をそのままにする。
そして一致しない場合(R≠V)、制御部10は、出力対象の切り替えを行う(ステップ39)。すなわち、制御部10は、CHデータの出力対象を、RAMに保存した予約情報の識別番号に対応するスマホ2に切り替える(ステップ39)。
これにより、TV装置1からは、視聴装置であるスマホ2(=R)に対して視聴予約されたCH:02の数学の学習が送信され、それ以前にCH:01のサッカー中継を送信していたスマホ2(=V≠R)への送信が終了する。
【0074】
以上説明したように、本実施形態によれば、視聴予約時間以前からCH:01のサッカー中継や録画データを視聴していたスマホ2(視聴装置)では、視聴予約時間の到達によりTV装置1からCH変更して送信されるCH:02の数学の学習の視聴が可能になる。すなわち、視聴装置であるスマホ2で別CHや録画データを見ていたとしても、予約時間に自動的に視聴予約番組に切り替わるため、ユーザは予約番組を見逃すことがない。
また、TV装置1の制御部10は、視聴予約番組の開始がTV装置1によるCH変更の処理に基づくものであるが、スマホ2からの操作が無くても、CHデータの出力対象をTV装置1のLCD61に切り替えず、視聴装置であるスマホ2にするので、視聴予約番組をスマホ2側に切り替えるといった操作が不要になる。
【0075】
次に、スマホ2でCHデータを視聴中に視聴予約時間になった場合の視聴予約出力処理の第2実施形態について説明する。
図8図10で説明した視聴予約出力処理では、視聴予約通知をした後、視聴予約時間に到達したら直ちに視聴装置であるスマホ2に対して視聴予約番組のCHデータを送信する場合について説明した。
これに対して、第2実施形態では、視聴予約通知がされた視聴装置であるスマホ2のユーザに対して、ポップアップ表示等により、視聴予約番組の視聴を行うか否かを選択させるようにしたものである。
【0076】
図11図12は、第2実施形態における、TV装置1とスマホ2のストリーミングプログラム/アプリによる視聴予約出力処理について表したフローチャートである。
なお、第2実施形態における図11、12のフローチャートは、図8図10で説明した第1実施形態の処理と同一部分に同一のステップ番号を付すことでその説明を適宜省略し、第2実施形態に固有な処理を中心に説明する。
また第2実施形態においても、第1実施形態と同様の前提条件で説明する。
【0077】
図11に示すように、TV装置1の制御部10は、視聴予約通知をスマホ2(RとV)にした(ステップ35)後、視聴装置であるスマホ2(R)から、視聴予約番組を視聴するか否かの選択結果が送信されるのを監視する(ステップ352)。
【0078】
一方、図12に示すように、視聴予約通知を受信した視聴装置であるスマホ2(R)の制御部は、図9(ハ)に示すように、視聴予約開始確認画面を画像表示部161にポップアップ表示させる(ステップ46)。
なお、この視聴予約開始確認画面において、視聴予約番組を視聴するかしないかをユーザが選択する必要があるため、視聴終了の予告(ステップ43)が視聴予約時間の10秒前に表示されるのと異なり、ステップ41、42の判断後直ちに表示する。すなわち、ほぼ、視聴予約時間から所定時間mだけ前の時刻に表示される。
従ってスマホ2の制御部は、視聴予約開始確認画面では、図9(ハ)に示されるように、その旨の報知「あと1分で予約番組を視聴開始します。」と、番組名やCH、時間等の番組簡易情報を表示すると共に、この視聴予約番組を視聴するかしないかを確認するための選択キー、すなわち、「視聴しない」キーと「視聴する」キーを表示する。
【0079】
スマホ2の制御部は、この視聴予約開始確認画面において、ユーザにより選択されたキーを監視する(ステップ47)。
そしてスマホ2の制御部は、「視聴しない」キーが選択された場合(ステップ47;N)には視聴しない旨の通知を、「視聴する」キーが選択された場合(ステップ47;Y)には視聴する旨の通知を、それぞれユーザによる選択結果としてTV装置1に通知する(ステップ48、49)。
スマホ2の制御部は、「視聴しない」を選択結果として送信(ステップ48)した場合、TV装置1から継続して送信されるCH:01のサッカー中継又は録画データを受信して表示等をする。
【0080】
図11に戻り、選択結果の送信を監視中のTV装置1の制御部10は、スマホ2から送信された選択結果が「視聴しない」旨の通知である場合(ステップ352;N)、TV装置1の制御部10は、現在送信中であるCHデータ(CH:01のサッカー中継)の送信を継続する。これにより当該視聴予約はキャンセルされることになる。
この場合、TV装置1では、継続してCH:01のサッカー中継を送信するので、TV装置1のLCD61には、視聴予約番組であるCH:02の数学の学習を表示することはなく、図9(a)に示すように画面消灯もしくはスライドショーの表示が継続される。
なお、視聴しない旨の通知である場合、TV装置1は、記憶部30の予約リスト32から該当する視聴予約のデータを削除する。
【0081】
一方、スマホ2から送信される選択結果が「視聴する」旨の通知である場合(ステップ352;Y)、TV装置1の制御部10は、RAMに格納した当該視聴予約番組の視聴予約時間に到達したか否かを監視する(ステップ36)。
視聴予約時間に到達した場合(ステップ36;Y)、TV装置1の制御部10は、チューナ部40で受信しているCHを、視聴予約CHに変更すると共に、現在状態をRAMに記憶する(ステップ372)。この現在状態は、視聴予約番組が終了した際に、TV装置1の制御部10が、視聴予約番組の開始前にスマホ2で動作していた状態(テレビ視聴や、録画データの再生)に自動的に戻すために記憶するものである。制御部10は、現在状態として、視聴中のCH又は録画データとその再生箇所を記憶する。
【0082】
その後、TV装置1の制御部10は、第1実施形態と同様に、R=Vの判断(ステップ38)と出力を切り替え(ステップ39)ることで、視聴予約されたCH:02の数学の学習をスマホ2に送信する。
一方、スマホ2の画像表示部161には、TV装置1に「視聴する」を通知(ステップ49)しているので、図9(ロ)に示されるように、TV装置1から送信されるCH:02の数学の学習が表示される(図12)。
以上のTV装置1の制御部10による視聴予約番組の送信と、スマホ2の制御部による視聴予約番組の出力については、当該視聴予約番組が終了するまで継続される。
【0083】
そして、TV装置1の制御部10は、視聴予約番組が終了したか否かを監視する(ステップ392)。番組の終了については、その番組の番組情報から終了時間に到達したか否かにより判断する。
視聴予約番組が終了した場合(ステップ392;Y)、TV装置1の制御部10は、視聴予約を開始する前の状態に戻す(ステップ393)。すなわち、TV装置1の制御部10は、RAMに記憶した現在状態(CH又は録画データとその再生箇所)を読み出し、現在状態としてCHが記憶されていれば、チューナ部40を当該CHの受信に戻す。また現在状態が、録画データとその再生箇所であれば、制御部10は、当該録画データの再生箇所以降の録画データを送信する。但し、再生箇所から所定時間だけ前の箇所からの画像データを送信するようにしてもよい。
【0084】
一方、視聴装置であるスマホ2では、ストリーミングアプリに従い、TV装置1から現在状態(元の状態)に戻って送信される、CHデータ(CH:01のサッカー中継(視聴予約番組中に終了していれば同CHの放送データ))又は、画像データの続きを受信して画像表示部161に表示する。
【0085】
次に、スマホ2でCHデータを視聴中に録画予約時間になった場合の録画予約出力処理について説明する。
この録画予約出力処理では、スマホ2へのCHデータの送信を終了し、録画予約された場合をTV装置1の録画データ33に録画するものである。
図13は、録画予約出力処理について表したフローチャートである。
この録画予約出力処理についても、視聴予約出力処理の場合と同様に前提として、スマホ2側では、TV装置1から送信されるCH:01のサッカー中継(図9(イ))を視聴し、TV装置1側では画面消灯もしくはスライドショーを視聴(図9(a))しているものとする。そして、予約リスト32には、CH:02の数学の学習が録画予約されているものとする。
【0086】
TV装置1の制御部10は、ストリーミングプログラムに従い、時計20から取得した時間が、録画予約確認時間に到達したか否かを監視している(ステップ51T)。この録画予約確認時間は、予約リスト32に保存されている録画予約の録画予約時間から所定時間m2だけ前の時間であり、本実施形態では所定時間m2として、視聴予約出力処理の場合の所定時間m1と同様に1分が規定されている。但し、視聴予約出力処理と異なりスマホ2側での選択はないので、録画予約の場合の所定時間m2は、所定時間m1より短い時間、例えば、m2=30秒を規定するようにしてもよい。この所定時間m2についても、所定時間m1と同様に、ユーザが変更できるようしてもよい。
【0087】
録画予約確認時間に到達した場合(ステップ51T;Y)、TV装置1の制御部10は、スマホ2に対して録画予約通知を行うと共に、自装置のLCD61に録画予約表示(図9(c)参照)をポップアップ表示する(ステップ52T)。スマホ2に対する録画予約通知については、視聴予約通知の場合と異なり、録画予約された番組情報は送信しない。
なお、録画予約確認時間になった場合に、第2実施形態(図10:ステップ42T)と同様に、他CHで視聴中か否かを判断し、視聴中であればスマホ2への録画予約通知と録画予約表示を行い(ステップ52T)、視聴中でなければスマホ2への録画予約通知をせずに録画予約表示(図9(c))だけをするようにしてもよい。
【0088】
一方、TV装置1から送信されるCHデータ(CH:01のサッカー中継)を視聴中であるスマホ2では、TV装置1から録画予約通知がされたか否かを監視している(ステップ51S)。
録画予約通知を受信すると(ステップ51S;Y)、スマホ2の制御部は、図9(ニ)に示すように、現在視聴中の画面(CH:01のサッカー中継)に、視聴停止予告画面をポップアップ表示する(ステップ52S)。
この視聴停止予告画面では、図9(ニ)に示されるように、その旨の表示「録画予約時間になりました。TV装置がテレビ録画を開始するため、視聴を終了します。」を行う。
そしてスマホ2の制御部では、TV装置1からのCHデータの送信が終了したか否かを監視する(ステップ53S)。
【0089】
TV装置1の制御部10は、ステップ52Tの後、録画予約時間に到達したか否かを監視し、録画予約時間に到達した場合(ステップ53T;Y)、CHデータの出力対象をスマホ2から自装置のLCD61に切り替えると共に、チューナ部40の受信CHを録画予約CHに変更する(ステップ54T)。
この出力対象の切り替えにより、TV装置1からスマホ2に送信されていたCHデータの送信が終了する。
そして、CHデータの出力対象の切り替えにより、TV装置1の制御部10は、録画予約CHのCHデータをLCD61に出力すると共に、録画データ33に保存する。
なお、録画中のCHデータについては、TV装置1のLCD61に出力しないようにしてもよく、録画しながらTV装置1のLCD61で視聴をするか否かを録画予約の際にユーザが選択するようにしてもよい。
【0090】
視聴予約出力処理の第3実施形態と同様に、録画終了後に、TV装置1の制御部10は、出力対象を再度LCD61からスマホ2に切り替えて、スマホ2へのCHデータの送信を再開するようにしてもよい。
この場合も、第3実施形態と同様に、TV装置1の制御部10部は、元のCH、すなわち、録画を開始するために出力対象を切り替える(ステップ54T)前にスマホ2に送信していたCHを録画予約開始前情報としてRAMに一時記憶しておく。
そしてTV装置1の制御部10は、録画終了後にチューナ部40による受信CHを元のCHに戻すと共に、出力対象をスマホ2に切り替える(戻す)。
【0091】
一方、スマホ2の制御部では、CHデータの送信終了によりCHデータを受信しなくなった場合(ステップ53S;Y)、図6(ハ)に示すように、スマホ2で視聴可能な録画データのリスト173bを一覧表示する(ステップ54S)。
この録画一覧を表示した後の処理は、図3のステップ13Sで録画一覧を表示した後と同じである。
【0092】
以上説明したように本実施形態の放送受信装置によれば、端末装置で放送データを視聴中に視聴予約の時間になった場合であっても、視聴予約した番組を端末装置で見逃すことなく、また、面倒な操作をすることなく継続して予約番組を継続して視聴することができる。
すなわち本実施形態の放送受信装置によれば、原則としてCHデータの視聴は、最後に視聴の処理をした端末が視聴権を取得し、視聴権のある端末で視聴できるようにCHデータの出力対象を切り替えるのに対し、本実施形態では、端末装置でCHデータの視聴をしている際に視聴予約時間になった場合には、TV装置1は、視聴権を移動させずに、CHデータを現在視聴中の端末装置に移譲する。
これにより、スマホ2等の端末装置で放送データを視聴中に視聴予約の時間になった場合であても、視聴予約した番組を端末装置で見逃すことなく、また、面倒な操作をすることなく継続して予約番組を継続して視聴することができる。
【0093】
以上、本発明のTV装置1における各実施形態について説明したが、本発明は説明した実施形態に限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲において各種の変形を行うことが可能である。
例えば、説明した実施形態の視聴予約出力処理では、視聴装置であるスマホ2でCHデータ又は録画データを視聴中に視聴予約確認時間となった際に、視聴予約された番組を当該スマホ2に継続して送信する場合について説明した。
これに対して、視聴予約確認時間となった際に、既に視聴装置であるスマホ2でCHデータ又は録画データを視聴している場合だけでなく、TV装置1からはデータ受信をしていないがWi−Fi接続はされている場合においても、実施形態の視聴予約出力処理を適用するようにしてもよい。
【0094】
また、Wi−Fi接続はされているが、ストリーミングアプリが起動していない場合には、TV装置1の制御部10は、視聴装置であるスマホ2の制御部に対してストリーミングアプリの起動を要求し、起動後に視聴予約番組のCHデータをスマホ2に送信するようにしてもよい。
この場合、スマホ2におけるストリーミングアプリの起動時間分だけ視聴予約番組が見られなくなる可能性があるので、TV装置1の制御部10は、起動時間に要する時間よりも所定時間t4(例えば、10秒)前に、起動要求を送信する。
そして、TV装置1は視聴予約番組が終了した時点で、元の状態に戻すためにスマホ2に対してストリーミングアプリの終了を要求する。
但し、視聴予約したCHのCHデータを継続して視聴するか否かを、スマホ2の視聴者に問い合わせ、TV装置1の制御部10は、「継続する」が選択されればそのままCHデータの送信を継続し、「終了する」が選択された場合にストリーミングアプリの終了をスマホ2に要求する。なお、この視聴者に対する問合せ等の処理については、全てスマホ2側のストリーミングアプリの処理として行うようにしてもよい。
【0095】
また、説明した第2実施形態では、視聴予約番組が終了した場合に、視聴予約番組開始前の元の状態に戻す場合について説明したが、元の状態に戻さないようにしてもよい。
この場合、TV装置1の制御部10は、図11のステップ372におい現在状態として視聴中CH又は録画データとその再生箇所を記憶すること、及び、ステップ392、393の処理は不要である。
これにより、TV装置1の制御部10は、視聴装置であるスマホ2に対して、視聴予約番組が終了した後も、視聴予約番組と同一CHであるCH:02の放送データの送信を継続する。
一方、視聴装置であるスマホ2では、CH:02の放送データを継続してTV装置1から受信して出力することになる。
【0096】
上述したように、放送データをリアルタイムで視聴できるのは、放送受信装置1及び、全端末装置2のうち1チューナ当たり1台であり、本実施形態では、1つのチューナ部40を備える場合について説明したが、p(p>2)のチューナ部を備えることも可能である。
この場合、リアルタイムでCHデータを出力することが可能な出力対象の数はpであるが、その出力先は次の優先順位に従って決定する。最優先は、視聴予約番組に対して設定されたq(≦p)台の視聴装置である。判断時点における視聴装置の数qがp以下である場合、放送受信装置1に対して放送データの受信を最後に要求した端末装置2から順番(放送データの受信要求が新しい順)に、p−q台の端末装置2を出力対象とする。
そして、新しい視聴予約番具が開始する際に通知する視聴予約通知は、上記優先順にp台の端末装置2以外であり現在放送データを視聴中である端末装置2と、現在放送データ又は録画データを視聴中である当該新視聴予約番組の視聴装置(=R)が通知対象となる。
【符号の説明】
【0097】
1 放送受信装置、TV装置
10 制御部
20 時計
30 記憶部
31 プログラム
32 予約リスト
33 録画データ
34 登録視聴端末情報
40 チューナ部
41 テレビアンテナ
50 通信制御部
51 3G/4Gアンテナ
52 Wi−Fiアンテナ
60 出力部
61 LCD
62 スピーカ
70 入力部
71 本体キー
72 リモコン
73 タッチパネル
2 端末装置、スマホ
図1
図2
図3
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