(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記選定手段は、前記第1のランクが最下位であり、前記第1期間における産業用機械の保守に関する実績が、前記第2期間における産業用機械の保守に関する実績を上回る顧客を、注目顧客としてさらに選定するように構成されている、
請求項1又は2に記載の営業活動支援システム。
前記ランク設定手段により設定された前記顧客のランク及び産業用機械の種類毎の保有台数に基づいて、ランクに関する指標及び産業用機械の種類毎の保有台数に関する指標を顧客毎に生成する指標生成手段と、
前記指標生成手段によって生成された前記ランクに関する指標及び前記産業用機械の種類毎の保有台数に関する指標に基づく顧客分析結果情報を出力する第3出力手段と、
をさらに備える、
請求項1乃至5の何れかに記載の営業活動支援システム。
前記指標生成手段は、顧客に対する売上予測を目的変数とし、顧客のランク及び産業用機械の種類毎の保有台数を説明変数として重回帰分析を実行して前記説明変数の係数を取得し、取得された前記説明変数の係数に基づいて、前記ランクに関する指標及び前記産業用機械の種類毎の保有台数に関する指標を生成するように構成されている、
請求項6に記載の営業活動支援システム。
前記第3出力手段は、前記ランクに関する指標及び前記産業用機械の種類毎の保有台数を互いに直交する座標軸とする座標空間において、前記ランクに関する指標に対して設定される第1基準値と前記産業用機械の種類毎の保有台数に関する指標に対して設定される第2基準値とによって規定される複数の領域の何れに顧客が属するかを示す前記顧客分析結果情報を出力するように構成されている、
請求項6又は7に記載の営業活動支援システム。
前記指標生成手段は、設定された業界に属する顧客について、前記ランクに関する指標及び前記産業用機械の種類毎の保有台数に関する指標を生成するように構成されている、
請求項6乃至9の何れかに記載の営業活動支援システム。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す各実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための方法及び装置を例示するものであって、本発明の技術的思想は下記のものに限定されるわけではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において種々の変更を加えることができる。
【0022】
(実施の形態1)
本実施の形態の営業活動支援システムは、顧客に対する産業用機械の保守に関する営業活動を支援するためのものである。ここで、産業用機械としては、レシプロ圧縮機、スクリュー圧縮機、ターボ圧縮機、真空成膜装置、タイヤ試験機、連続混練機、及びゴム混練機等、様々なものが想定される。これらの産業用機械は、工場等の生産施設に設置され、製品の製造に供される。産業用機械は、長期間に亘って使用されるため、修理、点検、部品の交換、技術指導等の保守サービスが必須である。かかる保守サービスは、産業用機械の製造メーカによって提供される。また、製造メーカの営業担当者は、顧客に対して営業活動を行い、顧客が保守サービスを適切に受けるように促す。
【0023】
[営業活動支援システムの構成]
本実施の形態において、営業活動支援システムは、1台のサーバで実現されている。
図1は、そのサーバ及びその通信接続先の構成を示す模式図である。サーバ1は、社内LAN等のコンピュータネットワークを介して端末機2,2,…と通信可能に接続されている。これらの端末機2,2,…は、産業用機械の製造メーカの営業担当者によって使用される。
【0024】
次に、サーバ1の詳細な構成について説明する。
図2は、サーバ1の構成を示すブロック図である。サーバ1は、コンピュータ1aによって実現される。
図2に示すように、コンピュータ1aは、本体11と、画像表示部12と、入力部13とを備えている。本体11は、CPU11a、ROM11b、RAM11c、ハードディスク11d、読出装置11e、入出力インタフェース11f、通信インタフェース11g、及び画像出力インタフェース11hを備えており、これらのCPU11a、ROM11b、RAM11c、ハードディスク11d、読出装置11e、入出力インタフェース11f、通信インタフェース11g、及び画像出力インタフェース11hは、バス11jによって接続されている。
【0025】
CPU11aは、RAM11cにロードされたコンピュータプログラムを実行することができる。営業活動支援用のコンピュータプログラム14aをCPU11aが実行することにより、コンピュータ1aがサーバ1として機能する。
【0026】
ROM11bは、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、又はEEPROM(Electrically Erasable PROM)等によって構成されており、CPU11aにより実行されるコンピュータプログラム及びこれに用いるデータ等が記録されている。
【0027】
RAM11cは、SRAM又はDRAM等によって構成されている。RAM11cは、ハードディスク11dに記録されている種々のコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、RAM11cは、CPU11aがコンピュータプログラムを実行するときに、CPU11aの作業領域として利用される。
【0028】
ハードディスク11dは、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラム等、CPU11aに実行させるための種々のコンピュータプログラム及び当該コンピュータプログラムの実行に用いられるデータがインストールされている。営業活動支援用のコンピュータプログラム14aも、このハードディスク11dにインストールされている。
【0029】
読出装置11eは、フレキシブルディスクドライブ、CD−ROMドライブ、又はDVD−ROMドライブ等によって構成されており、可搬型記録媒体14に記録されたコンピュータプログラム又はデータを読み出すことができる。この可搬型記録媒体14には、コンピュータ1aをサーバ1として機能させるためのコンピュータプログラム14aが格納されている。コンピュータ1aは、読出装置11eを用いて可搬型記録媒体14からコンピュータプログラム14aを読み出し、そのコンピュータプログラム14aをハードディスク11dにインストールする。
【0030】
なお、コンピュータプログラム14aは、可搬型記録媒体14によって提供されるのみならず、電気通信回線(有線、無線を問わない)によってコンピュータ1aと通信可能に接続された外部の機器から当該電気通信回線を通じて提供することも可能である。例えば、コンピュータプログラム14aがインターネット上のサーバコンピュータのハードディスク内に格納されており、このサーバコンピュータにコンピュータ1aがアクセスして、当該コンピュータプログラム14aをダウンロードし、これをハードディスク11dにインストールすることも可能である。
【0031】
さらにハードディスク11dには、顧客情報管理データベース(DB)101、顧客満足度調査結果データベース(DB)102、納入機械装置情報データベース(DB)103、受注実績データベース(DB)104、ランク分け結果データベース(DB)105、教材コンテンツデータベース(DB)106、営業担当者情報データベース(DB)107、及び営業計画データベース(DB)108が設けられている。各データベースの詳細については後述する。
【0032】
入出力インタフェース11fは、例えばUSB、IEEE1394、又はRS-232C等のシリアルインタフェース、SCSI、IDE、又は IEEE1284等のパラレルインタフェース、及びD/A変換器、A/D変換器等からなるアナログインタフェース等から構成されている。入出力インタフェース11fには、キーボード及びマウスからなる入力部13が接続されており、ユーザが当該入力部13を使用することにより、コンピュータ1aにデータを入力することが可能である。
【0033】
通信インタフェース11gは、Ethernet(登録商標)インタフェースである。通信インタフェース11gは、無線アクセスポイントAPを介して、端末機2,2,…に接続されている。コンピュータ1aは、通信インタフェース11gにより、所定の通信プロトコルを使用して、無線アクセスポイントAPに接続された端末機2,2,…との間でデータの送受信を行う。
【0034】
画像出力インタフェース11hは、LCD又はCRT等で構成された画像表示部12に接続されており、CPU11aから与えられた画像データに応じた映像信号を画像表示部12に出力する。画像表示部12は、入力された映像信号に従って、画像(画面)を表示ずる。
【0035】
次に、上述した各データベースの詳細について、図を参照しながら説明する。
(a)顧客情報管理DB101
顧客情報管理DB101は、顧客に関する情報を格納するためのデータベースである。
図3は、その顧客情報管理DB101の構成を示す概念図である。
図3に示すとおり、顧客情報管理DB101は、顧客を特定するための顧客ID、顧客名称、顧客が所属する業界及び市場に関する業界情報、顧客を担当する営業担当者を特定するための営業担当者ID、及び顧客の所在地を示すエリア情報を有している。
【0036】
(b)顧客満足度調査結果DB102
顧客満足度調査結果DB102は、顧客満足度のアンケート調査を実施した結果を格納するためのデータベースである。
図4は、その顧客満足度調査結果DB102の構成を示す概念図である。
図4に示すように、顧客満足度調査結果DB102は、顧客ID、顧客満足度調査を実施した年月日を示す調査日、及び顧客満足度を有している。顧客満足度は、例えば複数の質問項目のそれぞれについて5段階評価をする顧客満足度調査を実施し、全質問の評価値の平均値を、調査実施時における顧客の満足度としたものである。なお、上記の顧客満足度は一例にすぎず、顧客満足度を数値で示す情報であれば、他の形式の調査を実施した結果とすることも可能である。
【0037】
(c)納入機械装置情報DB103
納入機械装置情報DB103は、顧客に納入された産業用機械に関する情報を格納するためのデータベースである。
図5は、その納入機械装置情報DB103の構成を示す概念図である。
図5に示すように、納入機械装置情報DB103は、顧客に納入された産業用機械(以下、「納入機械装置」という)を特定する納入機械装置ID、納入機械装置の納入先の顧客を特定する納入先顧客ID、納入機械装置の種別を示す納入機械装置種別、及び納入日を有する。納入機械装置種別は、例えば、産業用機械が圧縮機の場合、納入された圧縮機の種別が、スクリュー式、レシプロ式、及びターボ式の何れであるかを示す情報である。
【0038】
(d)受注実績DB104
受注実績DB104は、産業用機械の保守に関する受注実績情報を格納するためのデータベースである。受注実績DB104には、受注案件毎に、受注実績に関する情報が格納される。ここで、受注案件には、納入機械装置の部品の購入、設備点検、修理、及び技術指導のための技術者派遣が含まれ、1回の部品購入、設備点検、修理、又は技術者派遣が、1案件とされる。
【0039】
図6は、その受注実績DB104の構成を示す概念図である。
図6に示すように、受注実績DB104には、受注実績データを特定するための受注オーダ番号、受注先顧客を特定するための受注先顧客ID、受注の対象となる納入機械装置を特定するための対象納入機械装置ID、受注金額、売益金額、受注品名、受注種別、受注内容詳細、及び受注日を有している。受注品目は、部品購入の場合は購入された部品名とされ、設備点検の場合には、納入機械装置における点検された箇所名又は点検の種類名とされ、修理の場合には、納入機械装置における修理された箇所名とされ、技術者派遣の場合は「技術者派遣」とされる。受注種別には、「部品購入」、「設備点検等工事」、及び「その他」がある。部品購入の場合の受注種別は「部品購入」であり、設備点検及び修理の場合の受注種別は「設備点検等工事」であり、技術者派遣及び技術情報提供の場合は「その他」である。受注内容詳細は、受注案件の内容を示すテキストデータである。
【0040】
(e)ランク分け結果DB105
ランク分け結果DB105は、顧客をランク分けした結果に関する情報を格納するためのデータベースである。本営業活動支援システムでは、顧客のランク分けを実施する。ランク分けは、ある期間の顧客の受注実績に応じて、顧客に対して1乃至5のランク値を割り当てることで行われる。ランク値1が最上位ランクであり、ランク値が大きくなるほど下位ランクとなる。また、顧客はその特性に応じて複数のグループに分類される。ランク分けは、グループ毎に実施される。ランク分けの対象となる期間(以下、「対象受注期間」という)は、開始日と終了日とが指定されることによって特定される。ランク分けの処理についての詳細は、後述する。
【0041】
図7は、ランク分け結果DB105の構成を示す概念図である。
図7に示すように、ランク分け結果DB105には、顧客ID、対象受注期間の開始日を示す対象受注期間開始日、対象受注期間の終了日を示す対象受注期間終了日、顧客が割り当てられたグループを特定するグループID、ランク分け結果を示すランク値、ランク分け実施日、ランク分け実施時における顧客満足度、対象受注期間における総受注金額、対象受注期間における納入機械装置1台当たりの総受注金額、対象受注期間における納入機械装置1台当たりの総売益金額、対象受注期間における納入機械装置1台当たりの総案件数、対象受注期間における総ポイント値、及びランク分け実施時において顧客が保有する納入機械装置の台数である総機械装置台数を有している。ここで、ランク分け実施時における顧客満足度とは、ランク分け実施時において最新の顧客満足度である。また、対象受注期間における納入機械装置1台当たりの総受注金額とは、対象受注期間における顧客からの総受注金額を納入機械装置の台数で平均した値であり、対象受注期間における納入機械装置1台当たりの総売益金額とは、対象受注期間における顧客からの総売益金額を納入機械装置の台数で平均した値であり、対象受注期間における納入機械装置1台当たりの総案件数とは、対象受注期間における顧客からの受注案件の総数を納入機械装置の台数で平均した値である。また、総ポイント値については後述する。
【0042】
(f)教材コンテンツDB106
教材コンテンツDB106は、産業用機械の保守に関する教材コンテンツを格納するためのデータベースである。
図8は、その教材コンテンツDB106の構成を示す概念図である。
図8に示すように、教材コンテンツDB106は、教材コンテンツを特定するための教材コンテンツID、教材コンテンツのタイトル、教材コンテンツの概要、教材コンテンツの実体データ、教材内容種別、及び対象機械装置種別を有している。教材コンテンツの概要は、教材コンテンツに関連するキーワードを列記したものである。また、教材コンテンツの実体データは、例えばPDF(Portable Document Format)ファイル等の文書ファイル、動画像又は静止画像の映像ファイル、音声ファイル、図面データ等である。教材内容種別は、教材コンテンツの種別を示すものであり、「製品知識」、「部品知識」、「点検知識」、「工事知識」、「機能強化・改善知識」等である。また、対象機械装置種別は、教材コンテンツが対象とする産業用機械の種別を示すものである。
【0043】
(g)営業担当者情報DB107
営業担当者情報DB107は、営業担当者に関する情報を格納するためのデータベースである。
図9は、その営業担当者情報DB107の構成を示す概念図である。
図9に示すように、営業担当者情報DB107は、営業担当者ID、営業担当者氏名、営業担当者が担当するエリアを特定する担当エリア情報、営業担当者の営業活動の技能レベルを示す営業スキル値を有している。営業スキル値は、営業活動の技能レベルを3段階で評価した値であり、「初級」、「中級」、「上級」がある。
【0044】
(h)営業計画DB108
営業計画DB108は、営業担当者が作成した営業販売計画を格納するためのデータベースである。
図10は、その営業計画DB108の構成を示す概念図である。
図10に示すように、営業計画DB108は、営業担当者ID、顧客ID、グループID、ランク値、ランク分け実施日、及び営業販売計画情報を有している。営業販売計画は、顧客のランク分けをした結果を用いて、営業担当者によって作成される。グループIDは、営業担当者が顧客に対する営業販売計画を作成した時点において顧客が属するグループを特定するIDである。また、ランク値は、営業担当者が顧客に対する営業販売計画を作成した時点における最新の顧客のランク値である。ランク分け実施日は、営業担当者が顧客に対する営業販売計画を作成した時点における最新のランク分け実施日である。営業販売計画情報は、営業担当者が作成した営業販売計画のテキストデータである。
【0045】
[営業活動支援システムの動作]
次に、上述したように構成された営業活動支援システムの動作について、フローチャートを参照しながら説明する。
【0046】
<1>ランク設定処理
営業活動支援システム(サーバ1)は、定期的(例えば1年毎)又は不定期的に、顧客のランク分けを実施する。
【0047】
図11は、本発明の実施の形態の営業活動支援システム(サーバ1)が実行するランク設定処理の処理手順を示すフローチャートである。ランク設定処理を実行するとき、オペレータは、サーバ1の入力部13を操作して、対象受注期間の開始日及び終了日、対象受注期間の長さ、ランク分けの実施日をサーバ1に入力する。なお、入力部13からサーバ1にこれらの情報を入力するのではなく、端末機2を使用してサーバ1に上記情報を入力してもよい。サーバ1は、対象受注期間の開始日及び終了日、対象受注期間の長さ、ランク分けの実施日の入力を受け付ける(S101)。
【0048】
次に、サーバ1のCPU11aは、顧客情報管理DB101から登録されている全ての顧客IDを読み出す(S102)。CPU11aは、読み出した顧客IDをキーとして、納入機械装置情報DB103を検索し、顧客毎に納入機械装置の設置台数と、納入機械装置の種別毎の比率とを集計する(S103)。
【0049】
CPU11aは、顧客IDをキーとして、受注実績DB104を検索し、顧客毎に以下の項目を集計する(S104)。
(1)対象受注期間における総受注金額
(2)対象受注期間における納入機械装置1台当たりの総受注金額
(3)対象受注期間における納入機械装置1台当たりの総売益金額
(4)対象受注期間における納入機械装置1台当たりの総案件数
(5)対象受注期間における部品購入受注比率
(6)対象受注期間における工事受注比率
なお、部品購入受注比率とは、総受注金額に対する総部品購入金額の割合の百分率であり、工事受注比率とは、総受注金額に対する総設備点検等工事金額(設備点検及び修理等の工事の受注金額の総和)の割合の百分率である。
【0050】
CPU11aは、S104において算出した総受注金額を用いて、総受注金額ポイントを算出する(S105)。総受注金額ポイントは、総受注金額が閾値A
max以上であるか否かによって場合分けをし、以下の式により算出される。
<総受注金額がA
max未満の場合>
総受注金額ポイント=総受注金額÷A
max×A
range
<総受注金額がA
max以上の場合>
総受注金額ポイント=A
range
ここで、A
rangeは、総受注金額ポイントの上限値である。例えば、A
maxが5億円、A
rangeが150である場合において、総受注金額が3億円であれば、総受注金額ポイントは90となり、総受注金額が6億円であれば、総受注金額ポイントは150となる。
【0051】
CPU11aは、S104において算出した納入機械装置1台当たりの総受注金額(以下、「装置別受注金額」という)を用いて、装置別受注金額ポイントを算出する(S106)。装置別受注金額ポイントは、装置別受注金額が閾値B
max以上であるか否かによって場合分けをし、以下の式により算出される。
<装置別受注金額がB
max未満の場合>
装置別受注金額ポイント=装置別受注金額÷B
max×B
range
<装置別受注金額がB
max以上の場合>
装置別受注金額ポイント=B
range
ここで、B
rangeは、装置別受注金額ポイントの上限値である。
【0052】
CPU11aは、S104において算出した納入機械装置1台当たりの総売益金額(以下、「装置別売益金額」という)を用いて、装置別売益金額ポイントを算出する(S107)。装置別売益金額ポイントは、装置別売益金額が閾値C
max以上であるか否かによって場合分けをし、以下の式により算出される。
<装置別売益金額がC
max未満の場合>
装置別売益金額ポイント=装置別売益金額÷C
max×C
range
<装置別売益金額がC
max以上の場合>
装置別売益金額ポイント=C
range
ここで、C
rangeは、装置別売益金額ポイントの上限値である。
【0053】
CPU11aは、S104において算出した納入機械装置1台当たりの総案件数(以下、「装置別案件数」という)を用いて、装置別案件数ポイントを算出する(S108)。装置別案件数ポイントは、装置別案件数が閾値D
max以上であるか否かによって場合分けをし、以下の式により算出される。
<装置別案件数がD
max未満の場合>
装置別案件数ポイント=装置別案件数÷D
max×D
range
<装置別案件数がD
max以上の場合>
装置別案件数ポイント=D
range
ここで、D
rangeは、装置別案件数ポイントの上限値である。
【0054】
CPU11aは、S105乃至S108において算出した各ポイントを用いて、顧客のランク分けを実行する(S109)。具体的には、各顧客の総受注金額ポイント、装置別受注金額ポイント、装置別売益金額ポイント、及び装置別案件数ポイントを積算して得られた総ポイント値が、以下の基準の何れに該当するかによってランク分けが行われる。
ランク1:総ポイント値 ≧ X
range×0.8
ランク2:総ポイント値 ≧ X
range×0.6
ランク3:総ポイント値 ≧ X
range×0.4
ランク4:総ポイント値 ≧ X
range×0.2
ランク5:総ポイント値 < X
range×0.2
ここで、総ポイント上限値X
rangeは下式により与えられる。
X
range=A
range+B
range+C
range+D
range
【0055】
次にCPU11aは、S103において集計した納入機械装置の設置台数及び納入機械装置の種別毎の比率、並びにS104において算出した部品購入受注比率及び工事受注比率を用いて、顧客を複数のグループに分類する(S110)。
【0056】
S110のグループ分けについて説明する。以下の3つの観点によってグループ分けが行われる。ここで、納入機械装置がA,B,Cの3種類存在することとする。
<観点1>顧客が保有する納入機械装置の構成
(1)Aを主体に構成される(Aの保有台数が全体の70%以上)。
(2)Bを主体に構成される(Bの保有台数が全体の70%以上)。
(3)Cを主体に構成される(Cの保有台数が全体の70%以上)。
(4)複数機種により構成される(上記(1)乃至(3)以外)
<観点2>納入機械装置の設置台数
(1)納入機械装置の設置台数が少ない(納入機械装置の設置台数が5以下)。
(2)納入機械装置の設置台数がやや多い(納入機械装置の設置台数が6以上15以下)。
(3)納入機械装置の設置台数が多い(納入機械装置の設置台数が16以上)。
<観点3>保守に関する注文内容
(1)主に、交換部品を注文する(部品購入受注比率が70%以上)。
(2)主に、設備点検工事を注文する(工事受注比率が70%以上)。
(3)交換部品と設備点検工事の両方を注文する(上記(1)及び(2)以外)。
【0057】
S110では、CPU11aが上記の3つの観点に基づく36のグループに顧客を分類する。以上により、36のグループ毎に、5つのランクに顧客がランク分けされる。
【0058】
次にCPU11aは、顧客IDをキーとして、顧客満足度調査結果DB102を検索し、顧客毎に最新の顧客満足度の調査結果を取得する(S111)。さらにCPU11aは、以上の処理によって得られたランク分けの結果を、ランク分け結果DB105に登録し(S112)、ランク設定処理を終了する。
【0059】
<2>営業販売活動計画作成支援処理
営業活動支援システム(サーバ1)は、営業販売活動計画の作成支援機能を有している。営業担当者は、営業活動支援システムの営業販売活動計画作成支援機能を用いて、営業販売活動計画を作成する。
【0060】
図12は、本発明の実施の形態の営業活動支援システム(サーバ1)が実行する営業販売活動計画作成支援処理の処理手順を示すフローチャートである。営業販売活動計画作成支援処理は、営業活動における注目顧客を選定する注目顧客選定処理(S200)と、注目顧客に対する売上目標値を出力する売上目標値出力処理(S300)と、参考技術情報提示処理(S400)と、参考営業計画情報提示処理(S500)と、営業計画登録処理(S600)とを含んでいる。
【0061】
<2−1>注目顧客選定処理
図13は、本発明の実施の形態の営業活動支援システム(サーバ1)が実行する注目顧客選定処理の処理手順を示すフローチャートである。注目顧客選定処理を実行するとき、営業担当者は、端末機2に自分の営業担当者IDを入力し、サーバ1に注目顧客選定処理の実行指示を与える。これにより、サーバ1に営業担当者IDが送信される。なお、端末機2からサーバ1に営業担当者IDを与えるのではなく、サーバ1の入力部13を操作してサーバ1に営業担当者IDを入力してもよい。サーバ1は、営業担当者IDを受け付ける(S201)。
【0062】
CPU11aは、受け付けた営業担当者IDをキーとして、顧客情報管理DB101を検索し、営業担当者が担当する顧客の顧客情報を取得する(S202)。
【0063】
CPU11aは、S202において取得された顧客IDをキーとして、ランク分け結果DB105を検索し、顧客別に、今回(最新)のランク分け結果情報、及び前回のランク分け結果情報を取得する(S203)。なお、ここでいう「ランク分け結果情報」とは、ランク分け結果DB105の1レコードに含まれる各項目の情報をいう。
【0064】
CPU11aは、ランク値、総受注金額、装置別受注金額、装置別売益金額、及び装置別案件数のそれぞれについて、今回のランク分け結果情報と前回のランク分け結果情報との間における差分値を算出する(S204)。なお、差分値は、今回値−前回値によって求められる。つまり、今回値が前回値よりも大きい場合には、差分値は正の数となり、今回値が前回値よりも小さい場合には、差分値は負の数となる。
【0065】
CPU11aは、S202において取得された顧客IDをキーとして、納入機械装置情報DB103を検索し、顧客別に最も古い納入年月日を取得し、得られた納入年月日から、顧客との関係構築年数(最も古い納入年月日から現在までの年数)を算出する(S205)。
【0066】
CPU11aは、S203乃至S205により得られた情報により、営業担当者のための顧客ランク分け結果画面を表示するための情報を生成し、営業担当者が営業販売活動支援処理の指示入力に用いた端末機2に情報を送信して、前記端末機2に顧客ランク分け結果画面を表示させる(S206)。
【0067】
図14は、本実施の形態における顧客ランク分け結果画面の一例を示す図である。
図14に示すように、顧客ランク分け結果画面200には、営業担当者が担当する顧客の一覧表201が含まれる。この一覧表201には、1つの顧客に関する顧客情報を1行として、ランク分けに用いられた総ポイント値が高い顧客から順番に、各顧客情報が並べて表示される。
【0068】
一覧表201に表示される顧客情報には、顧客名称(
図14では「担当顧客名称」)、納入機械装置の設置台数(
図14では「納入機械装置台数」)、ランク値、総受注金額、装置別受注金額(
図14では「一台あたり受注金額」)、装置別売益金額(
図14では「一台あたり売益金額」)、及び装置別案件数(
図14では「総案件数」)が含まれる。また、顧客名称の下には顧客が属する業界の名称(
図14では「業界情報」)が括弧付きで表示される。同様に、納入機械装置の設置台数の下には関係構築年数が、ランク値の下には今回と前回とのランク値の差分値(
図14では「ランク値変化」)が、総受注金額の下には今回と前回との総受注金額の差分値(
図14では「前回からの変化」)が、装置別受注金額の下には今回と前回との装置別受注金額の差分値(
図14では「前回からの変化」)が、装置別売益金額の下には今回と前回との装置別売益金額の差分値(
図14では「前回からの変化」)が、装置別案件数の下には今回と前回との装置別案件数の差分値(
図14では「前回からの変化」)が、それぞれ括弧付きで表示される。
【0069】
再び
図13を参照する。CPU11aは、営業担当者が担当する顧客から、重点的に営業活動を行う対象の顧客である注目顧客を選定し、一覧表201のうち、注目顧客として選定された顧客の行の左側に設けられたチェックボックス203にチェックを入れる(S207)。注目顧客には、以下の(1)及び(2)の選定基準の何れかに合致する顧客が選定される。
<選定基準>
(1)前回からランク値が下がった顧客
(2)前回及び今回のランク値が共に4又は5であり、且つ、総受注金額、装置別受注金額、装置別売益金額、及び装置別案件数の何れか2以上において、今回値が前回値よりも所定以上(例えば、150%以上)増加している顧客
選定基準(1)は、産業用機械の保守に関する実績が下がっている顧客を注目顧客として選定するためのものであり、選定基準(2)は、産業用機械の保守に関する実績が最近増加している顧客を注目顧客として選定するためのものである。
【0070】
また、S207では、営業担当者が注目顧客を選ぶことも可能である。営業担当者は、注目顧客として選定されていない顧客の行のチェックボックス203を選択する操作を行うことで、チェックを入れて注目顧客に設定することができる。また、注目顧客として選定されている顧客の行のチェックボックス203を選択する操作を行って、チェックを解除し、注目顧客から外すことも可能である。
【0071】
図14に示すように、顧客ランク分け結果画面200には、確定ボタン202が設けられている。確定ボタン202は、注目顧客の選定を確定させるためのボタンである。営業担当者は、確定ボタン202を選択する操作を行うことで、注目顧客の選定を確定させ、売上目標値出力処理の開始指示をサーバ1に与えることができる。確定ボタンが選択されると、CPU11aは、注目顧客の顧客IDをRAM11cに記憶し(S208)、注目顧客選定処理を終了する。
【0072】
<2−2>売上目標値出力処理
図15は、本発明の実施の形態の営業活動支援システム(サーバ1)が実行する売上目標値出力処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0073】
図15に示すように、CPU11aは、ランク分け結果DB105から全顧客の最新のランク分け結果情報、即ち、顧客毎にランク分け実施日が最新のレコードを取得する(S301)。CPU11aは、S301において取得したランク分け結果情報を、グループ及びランク値が同一の顧客群毎に分け、顧客群毎に平均受注金額を算出する(S302)。S302の処理では、グループ及びランク値が同一の顧客群毎に、総受注金額の総和を顧客数で除することで平均受注金額が算出される。
【0074】
CPU11aは、注目顧客の顧客IDをキーとして、ランク分け結果DB105を検索し、注目顧客毎に、最新のランク分け実施日におけるグループID及びランク値を取得する(S303)。
【0075】
CPU11aは、下記の(1)及び(2)の設定ルールにより、注目顧客毎に営業活動の目標値を設定する(S304)。
<目標値設定ルール>
(1)注目顧客の最新のランク値が2以下の場合、注目顧客の最新のランク値より1つ上位のランク値を目標ランク値とし、グループが注目顧客と同一であり、且つランク値が注目顧客より1つ上位の顧客群の平均受注金額を売上目標金額とする。
(2)注目顧客の最新のランク値が1の場合、ランク値1を目標ランク値とし、グループ及びランク値の両方が注目顧客と同一である顧客群の平均受注金額を売上目標金額とする。
【0076】
CPU11aは、注目顧客毎に、総受注金額がS304で設定された売上目標金額の±10%以内である顧客をランク分け結果DB105から検索し、検索された顧客を類似顧客候補とし、類似顧客候補の顧客ID、対象受注期間開始日、及び対象受注期間終了日を取得する(S305)。ここで、類似顧客候補の検索対象は、ランク分け実施日が最新の情報だけに限られない。つまり、最新の対象受注期間における総受注金額では類似顧客候補の条件に当てはまらなくても、過去の対象受注期間における総受注金額では同条件に当てはまれば、その顧客は類似顧客候補とされる。S305において取得される対象受注期間開始日及び対象受注期間終了日は、類似顧客候補の条件に当てはまったレコードにおける対象受注期間開始日及び対象受注期間終了日である。
【0077】
CPU11aは、S305において取得された顧客ID、対象受注期間開始日、及び対象受注期間終了日を用いて受注実績DB104を検索し、類似顧客候補毎に、対象受注期間内における受注実績情報を取得する(S306)。
【0078】
CPU11aは、S306において取得された類似顧客候補の受注実績情報から対象納入機械装置IDを抽出し、この対象納入機械装置IDをキーとして納入機械装置情報DB103を検索し、対象納入機械装置IDに対応する納入機械装置種別を取得する(S307)。
【0079】
CPU11aは、注目顧客及び類似顧客候補それぞれの顧客IDをキーとして、顧客満足度調査結果DB102を検索し、注目顧客と各類似顧客候補との間で顧客満足度の差の絶対値を算出し、顧客満足度の差の絶対値が最小の類似顧客候補を、類似顧客として設定する(S308)。
【0080】
CPU11aは、類似顧客の顧客ID、ランク分け実施日、及びランク値をキーとして、営業計画DB108を検索し、類似顧客を担当する営業担当者が作成した営業販売計画を取得する。この営業販売計画は、上記の類似顧客候補の条件に当てはまった対象受注期間におけるランク分け結果を用いて作成されたものである。
【0081】
CPU11aは、S306において取得された受注実績情報から類似顧客の受注実績情報を特定し、特定された受注実績情報を用いて受注種別毎の総受注金額を算出する(S309)。受注種別毎の総受注金額には、受注種別が「部品購入」の総受注金額(以下、「部品総受注金額」という)と、受注種別が「設備点検等工事」の総受注金額(以下、「工事総受注金額」という)とが含まれる。
【0082】
さらにCPU11aは、注目顧客に対する営業活動の目標を提示する目標画面を表示するための情報を生成し、顧客ランク分け結果画面が表示されていた端末機2に情報を送信して、前記端末機2に目標画面を表示させる(S310)。
【0083】
図16は、目標画面の一例を示す図である。
図16に示すように、目標画面300には、注目顧客毎に、目標値に関する目標情報301a,301bが表示される。目標情報301a,301bには、注目顧客名称、納入機械装置の設置台数(
図16では「納入機械装置台数」)、今回のランク値(
図16では「今回ランク値」)、今回の総受注金額(
図16では「今回総受注金額」、目標ランク値、売上目標金額(
図16では「目標総受注金額」)が含まれる。また、注目顧客名称の下には顧客が属する業界の名称(
図16では「業界情報」)が括弧付きで表示される。同様に、納入機械装置の設置台数の下には関係構築年数が、今回のランク値の下には今回と前回とのランク値の差分値(
図16では「ランク値変化」)が、今回の総受注金額の下には今回と前回との総受注金額の差分値(
図16では「前回からの変化」)が、目標ランク値の下には今回のランク値から目標ランク値に到達するのに必要な上昇ランク数が、売上目標金額の下には今回の総受注金額から売上目標金額に到達するのに必要な増額分が、それぞれ括弧付きで表示される。
【0084】
また、目標情報301aの下方には、目標情報301aに係る類似顧客に関する類似顧客情報302aが、目標情報301bの下方には、目標情報301bに係る類似顧客に関する類似顧客情報302bが、それぞれ表示されている。つまり、
図16の例において、類似顧客情報302aは、目標情報301aの注目顧客「T社」に対して選定された類似顧客「X社(2009年ランク分け時)」に関する情報であり、類似顧客情報302bは、目標情報301bの注目顧客「Y社」に対して選定された類似顧客「A社(2012年ランク分け時)」に関する情報である。類似顧客情報302a,302bには、類似顧客の名称、ランク分け実施年、納入機械装置種別、部品総受注金額303a,303b、及び工事総受注金額304a,304bが含まれる。
【0085】
部品総受注金額303a,303bは、各々の部品総受注金額の明細情報を呼び出すためのリンクである。端末機2において部品総受注金額303a,303bが選択される操作が行われると、部品総受注金額明細画面が表示される。また、工事総受注金額304a,304bは、各々の工事総受注金額の明細情報を呼び出すためのリンクである。端末機2において工事総受注金額304a,304bが選択される操作が行われると、工事総受注金額明細画面が表示される。
【0086】
図17は、部品総受注金額明細画面の一例を示す図である。
図17には、X社(2009年ランク分け時)の部品総受注金額303aが選択された場合に表示される部品総受注金額明細画面が示されている。部品総受注金額明細画面310には、類似顧客において、受注種別が「部品購入」である受注金額の内訳が示される。
図17の例では、6,000,000円の部品総受注金額のうち、「○○部品(△△予備用)」の受注金額が4,000,000円であり、「□□部品(○△の交換)」の受注金額が2,000,000円である。
【0087】
図18は、工事総受注金額明細画面の一例を示す図である。
図18には、X社(2009年ランク分け時)の工事総受注金額304aが選択された場合に表示される工事総受注金額明細画面が示されている。工事総受注金額明細画面320には、類似顧客において、受注種別が「設備点検等工事」である受注金額の内訳が示される。
図18の例では、2,500,000円の工事総受注金額の全てが、「○○点検工事一括請負(10年目年次点検)」の受注金額である。
【0088】
再び
図16を参照する。目標画面300において、目標情報301a,301bそれぞれの右方には、営業販売計画の入力画面を呼び出すためのボタン305a,305bと、営業販売計画の作成の参考となる技術情報を呼び出すためのボタン306a,306bと、営業販売計画の作成の参考となる過去の営業販売計画を呼び出すためのボタン307a,307bとが設けられている。ボタン305aは、目標情報301aの注目顧客「T社」に対する営業販売計画の入力画面を呼び出すためのものであり、ボタン305bは、目標情報301bの注目顧客「Y社」に対する営業販売計画の入力画面を呼び出すためのものである。また、ボタン306aは、目標情報301aの注目顧客「T社」に対する営業販売計画作成の参考となる技術情報を呼び出すためのものであり、ボタン306bは、目標情報301bの注目顧客「Y社」に対する営業販売計画作成の参考となる技術情報を呼び出すためのものである。ボタン307aは、目標情報301aの注目顧客「T社」の類似顧客「X社(2006年ランク分け時)」に対して作成された営業販売計画を呼び出すためのものであり、ボタン306bは、目標情報301bの注目顧客「Y社」の類似顧客「A社(2012年ランク分け時)」に対して作成された営業販売計画を呼び出すためのものである。
【0089】
上記のような目標画面300を表示することで、営業担当者は、注目顧客と、その注目顧客に対する営業販売活動の目標値とを確認することができる。以上により、CPU11aは、売上目標出力処理を終了する。
【0090】
<2−3>参考技術情報提示処理
図19は、本発明の実施の形態の営業活動支援システム(サーバ1)が実行する参考技術情報提示処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0091】
営業担当者は、端末機2の表示部に表示されている目標画面300のボタン306a又は306bを選択する操作を行うことで、参考技術情報画面の表示要求を営業活動支援システム(サーバ1)に与えることができる。このような操作が行われると、CPU11aは、参考技術情報画面の表示要求を受け付ける(S401)。
【0092】
CPU11aは、参考技術情報画面の表示要求に対応する類似顧客、即ち、ボタン306aが選択された場合には注目顧客「T社」の類似顧客である「X社(2006年ランク分け時)」、ボタン306bが選択された場合には注目顧客「Y社」の類似顧客である「A社(2012年ランク分け時)」の部品受注及び工事受注の受注実績情報を、受注実績DB104から取得する(S402)。
【0093】
CPU11aは、S402において取得された部品受注及び工事受注の受注実績情報から、受注品名及び受注内容詳細に対して形態素解析を実施し、キーワードを抽出する(S403)。
【0094】
CPU11aは、S403において抽出されたキーワード及び機械装置種別を用いて教材コンテンツDB106を検索し、タイトル又は概要に前記キーワードが含まれる教材コンテンツを特定する(S404)。
【0095】
CPU11aは、S404において特定された教材コンテンツの「タイトル」、「実体データ」、及び「教材内容種別」の各データを教材コンテンツDB106から取得する(S405)。さらにCPU11aは、参考技術情報画面を表示するための情報を生成し、同画面の表示要求元である端末機2に情報を送信して、前記端末機2に参考技術情報画面を表示させる(S406)。
【0096】
図20は、参考技術情報画面の一例を示す図である。
図20に示すように、参考技術情報画面330には、S403において複数の教材コンテンツが特定された場合、各教材コンテンツに関する情報が、縦に並べられて表示される。1つの教材コンテンツに関する情報には、タイトル、教材内容種別、及びその教材コンテンツを呼び出すためのボタン331(332)が含まれる。
【0097】
営業担当者は、端末機2の表示部に表示されている参考技術情報画面330のボタン331又は332を選択する操作を行うことで、対応する教材コンテンツの表示要求を営業活動支援システム(サーバ1)に与えることができる。ボタン331,332のそれぞれは、左に表示されているタイトルの教材コンテンツを呼び出すためのものである。つまり、
図20において、ボタン331は、タイトルが「○○部品使用について」である教材コンテンツを呼び出すためのものであり、ボタン332は、タイトルが「Aタイプ装置の点検工事時期について」である教材コンテンツを呼び出すためのものである。
【0098】
再び
図19を参照する。ボタン331又は332を選択する操作が行われ、教材コンテンツの出力要求が発せられると、CPU11aは、要求された教材コンテンツの実体データを用いて教材コンテンツを再生又は出力する(S407)。以上により、CPU11aは参考技術情報提示処理を終了する。
【0099】
<2−4>参考営業計画情報提示処理
図21は、本発明の実施の形態の営業活動支援システム(サーバ1)が実行する参考営業計画情報提示処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0100】
営業担当者は、端末機2の表示部に表示されている目標画面300のボタン307a又は307bを選択する操作を行うことで、参考営業計画画面の表示要求を営業活動支援システム(サーバ1)に与えることができる。このような操作が行われると、CPU11aは、参考営業計画画面の表示要求を受け付ける(S501)。
【0101】
CPU11aは、参考営業計画画面の表示要求に対応する類似顧客、即ち、ボタン307aが選択された場合には注目顧客「T社」の類似顧客である「X社(2006年ランク分け時)」、ボタン307bが選択された場合には注目顧客「Y社」の類似顧客である「A社(2012年ランク分け時)」の過去(X社にあっては2006年ランク分け時、A社にあっては2012年ランク分け時)に作成された営業販売計画と、その営業販売計画を作成した営業担当者の営業担当者IDとを営業計画DB108から取得する(S502)。
【0102】
CPU11aは、S502において取得された営業担当者IDをキーとして営業担当者情報DB107を検索し、その営業担当者IDに対応する営業担当者氏名、担当エリア情報、及び営業スキル値を取得する(S503)。S503において取得される担当エリア情報及び営業スキル値は、最新(現時点)のものである。さらにCPU11aは、参考営業計画画面を表示するための情報を生成し、同画面の表示要求元である端末機2に情報を送信して、前記端末機2に参考営業計画画面を表示させる(S504)。
【0103】
図22は、参考営業計画画面の構成を示す図である。
図22に示すように、参考営業計画画面340には、営業担当者氏名と、担当エリアと、営業スキル値とが表示される。さらに、営業担当者氏名、担当エリア、及び営業スキル値の下方に、営業販売計画の表示エリア341が設けられている。
【0104】
以上により、CPU11aは参考営業計画情報提示処理を終了する。
【0105】
<2−5>営業計画登録処理
図23は、本発明の実施の形態の営業活動支援システム(サーバ1)が実行する営業計画登録処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0106】
営業担当者は、端末機2の表示部に表示されている目標画面300のボタン305a又は305bを選択する操作を行うことで、営業計画入力画面の表示要求を営業活動支援システム(サーバ1)に与えることができる。このような操作が行われると、CPU11aは、営業計画入力画面の表示要求を受け付ける(S601)。
【0107】
CPU11aは、営業計画入力画面の表示要求に対応する注目顧客、即ち、ボタン305aが選択された場合には注目顧客「T社」、ボタン305bが選択された場合には注目顧客「Y社」、に対する営業販売計画を入力するための営業計画入力画面を表示するための情報を生成し、同画面の表示要求元である端末機2に情報を送信して、前記端末機2に参考営業計画画面を表示させる(S602)。
【0108】
図24は、営業計画入力画面の構成を示す図である。
図24に示すように、営業計画入力画面350には、テキスト入力ボックス351と、ボタン352とが設けられている。営業担当者は、テキスト入力ボックス351に、注目顧客に対する営業販売計画を文字情報として入力する。ボタン352は、入力された営業販売計画を営業計画DB108に登録するためのものである。
【0109】
再び
図23を参照する。営業担当者は、営業販売計画を入力すると、ボタン352を選択する操作を行うことで、営業販売計画の登録要求を営業活動支援システム(サーバ1)に与えることができる。このような操作が行われると、CPU11aは、営業販売計画の登録要求を受け付ける(S603)。営業販売計画の登録要求を受け付けると、CPU11aは、営業販売計画を営業計画DB108に登録し(S604)、営業計画登録処理を終了する。
【0110】
以上の如く構成したことにより、営業活動支援システムは、今回のランク値が前回のランク値よりも下がっている顧客を注目顧客に選定することで、産業用機械の保守に関する実績が以前よりも落ちている顧客、即ち、保守作業の実施頻度が落ちている顧客を注目顧客にすることができる。したがって、かかる顧客に対して営業活動を集中的に実施することにより、保守作業の実施を促し、保守作業の実施頻度を適正にすることができる。
【0111】
(実施の形態2)
本実施の形態に係る営業活動支援システム(サーバ1)のハードディスク11dには、顧客情報管理データベース(DB)101、顧客満足度調査結果データベース(DB)102、納入機械装置情報データベース(DB)103、受注実績データベース(DB)104、ランク分け結果データベース(DB)105、教材コンテンツデータベース(DB)106、営業担当者情報データベース(DB)107、及び営業計画データベース(DB)108に加え、顧客分析結果データベース(DB)109が設けられている。
【0112】
図25は、顧客分析結果DB109の構成を示す概念図である。顧客分析結果DB109は、顧客を後述するように分析した結果の情報を格納するためのデータベースである。
図25に示すとおり、顧客分析結果DB109は、顧客ID、顧客シェア相当値、競争優位性相当値、及び顧客が属する象限を示す象限情報を有している。
【0113】
本実施の形態に係る営業活動支援システムのその他の構成は、実施の形態1に係る営業活動支援システムの構成と同様であるので、その説明を省略する。
【0114】
次に、本実施の形態に係る営業活動支援システムの動作について説明する。
【0115】
なお、以下に述べる顧客分析処理及び顧客分析結果出力処理を除いて、本実施の形態に係る営業活動支援システムの動作は、実施の形態1に係る営業支援システムの動作と同様である。
【0116】
<1−2>顧客分析処理
営業活動支援システム(サーバ1)は、ランク設定処理を実行した後、顧客分析処理を実行する。この顧客分析処理は、ランク設定処理と同様に、定期的(例えば1年毎)又は不定期的に実行される。
【0117】
図26は、本発明の実施の形態の営業活動支援システム(サーバ1)が実行する顧客分析処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0118】
サーバ1のCPU11aは、顧客情報管理DB101から登録されている全ての顧客IDを読み出す(S151)。CPU11aは、読み出した顧客IDをキーとして、納入機械装置情報DB103を検索し、顧客分析処理実施日(つまり、ランク分け実施日)における各顧客の納入機械装置種別毎の納入機械装置の設置台数を集計する(S152)。また、CPU11aは、顧客IDをキーとして、ランク分け結果DB105を検索し、対象受注期間における総受注金額及び顧客のランク値を読み出す(S153)。
【0119】
なお、ここでは顧客分析処理実施日及びランク設定処理と同じ対象受注期間を顧客分析処理に用いる構成について述べたが、これに限定されるものではない。顧客分析処理実施日ではなく、オペレータから指定された分析対象日における顧客の納入機械装置種別毎の納入機械装置の設置台数を集計し、ランク設定処理の対象受注期間とは関係なく、分析対象日から所定期間遡った期間における総受注金額を取得し、分析対象日における顧客のランク値を取得してもよい。
【0120】
CPU11aは、対象受注期間における総受注金額を予測売上額である目的変数とし、納入機械装置種別毎の納入機械装置の設置台数及びランク値を説明変数とした売上予測重回帰式を設定し、この売上予測重回帰式による重回帰分析処理を行って、各説明変数の係数(a〜d)を算出する(S154)。売上予測重回帰式は、以下のようなものである。
y=ax
1+bx
2+cx
3+dx
4+e
ここで、yは売上予測を、x
1は納入機械装置種別A(スクリュー式)の設置台数を、x
2は納入機械装置種別B(レシプロ式)の設置台数を、x
3は納入機械装置種別B(ターボ式)の設置台数を、x
4はランク値を、eは確率誤差を示している。なお、納入機械装置種別が3以外の場合は、その数に応じて説明変数及びその係数を増減すればよい。
【0121】
次に、CPU11aは、下式にしたがって顧客シェア相当値S及び競争優位性相当値Tを顧客毎に算出する(S155)。
S=aM
1α+bM
2α+cM
3α
T=dL
α
ここで、M
1αは納入機械装置種別Aの顧客αにおける設置台数を、M
2αは納入機械装置種別Bの顧客αにおける設置台数を、M
3αは納入機械装置種別Cの顧客αにおける設置台数を、L
αは顧客αのランク値を示している。顧客シェア相当値Sは、納入機械装置種別毎の保有台数に関する指標であり、競争優位性相当値Tは、顧客のランク値に関する指標である。競争優位性相当値Tは、営業者の顧客との関係の主観的なイメージに近い指標であるのに対して、顧客シェア相当値Sは装置種別毎の保有台数という客観的情報に基づく指標である。
【0122】
次に、CPU11aは、エリア及び業界別に顧客をグループ分けし、エリア及び業界毎に最低顧客シェア相当値S
minを設定する(S156)。この最低顧客シェア相当値S
minは、対象受注期間における総受注額が基準値(例えば、1億円)となるような顧客シェア相当値である。この最低顧客シェア相当値S
minは、総受注額が優良な顧客と十分に高くない顧客とを区分するための値である。つまり、顧客シェア相当値Sが最低顧客シェア相当値S
min以上の顧客は、総受注額が優良な顧客と評価でき、顧客シェア相当値Sが最低顧客シェア相当値S
min未満の顧客は、総受注額が十分でない顧客と評価できる。
【0123】
ここで、エリアは例えば日本、米国、中国等の国のような経済圏毎に定められる。また、納入機械装置が圧縮機の場合、業界は圧縮機を利用する技術の分野毎、つまり圧縮機の用途毎に定められる。エリア毎に経済状況は異なるので、同じ総受注金額であってもエリアが異なれば製品の価格設定等が異なる場合がある。したがって、同じ総受注金額でも、あるエリアでは優良な顧客と評価される一方で、別のエリアでは総受注金額が十分に高くない顧客と評価されることがある。また、業界によっても、多数の圧縮機を利用する業界と、多くの圧縮機を利用しない業界とがある。したがって、同じ総受注金額でも、ある業界では優良な顧客と評価される一方で、別の業界では総受注金額が十分に高くない顧客と評価されることがある。このため、本実施の形態では、顧客を相対的に評価するため、エリア及び業界毎に最低顧客シェア相当値S
minを設定している。なお、業界毎に総受注金額の差が大きくなければ、エリア毎に最低顧客シェア相当値S
minを設定してもよい。また、エリア間での総受注金額の差が大きくなければ、業界毎に最低顧客シェア相当値S
minを設定してもよい。エリア及び業界間での総受注金額の差が大きくなければ、全エリア及び全業界で1つの最低顧客シェア相当値S
minを設定してもよい。
【0124】
次に、CPU11aは、エリア及び業界毎に最低競争優位性相当値T
minを設定する(S157)。この最低競争優位性相当値T
minは、ランク値が所定の基準値(例えば、)以上となるような顧客シェア相当値である。この最低競争優位性相当値T
minは、ランク値、即ち営業担当者(又は製造メーカ)との関係性が優良な顧客と不十分な顧客とを区分するための値である。つまり、競争優位性相当値Tが最低競争優位性相当値T
min以上の顧客は、営業担当者(又は製造メーカ)と優良な関係性を持つ優良な顧客と評価でき、競争優位性相当値Tが最低競争優位性相当値T
min未満の顧客は、営業担当者(又は製造メーカ)との間で優良な関係性を十分に構築できていない顧客と評価できる。最低顧客シェア相当値S
minがエリア毎に設定される場合は、最低競争優位性相当値T
minもエリア毎に設定される。また、最低顧客シェア相当値S
minが業界毎に設定される場合は、最低競争優位性相当値T
minも業界毎に設定される。全エリア及び全業界で1つの最低顧客シェア相当値S
minが設定される場合は、全エリア及び全業界で1つの最低競争優位性相当値T
minが設定される。
【0125】
図27は、あるエリアのある業界における顧客シェア相当値S及び競争優位性相当値Tについての顧客の分布を示す散布図である。
図27において、縦軸は顧客シェア相当値Sを示し、横軸は競争優位性相当値Tを示している。
図27に示すように、顧客シェア相当値Sと競争優位性相当値Tとの直交座標空間は、最低顧客シェア相当値S
minと最低競争優位性相当値T
minとによって4つの象限(領域)に分割される。
【0126】
第1象限は、顧客シェア相当値Sが最低顧客シェア相当値S
min以上であり、且つ、競争優位性相当値Tが最低競争優位性相当値T
min以上である。この第1象限に属する顧客は、納入機械装置の保有台数が多く、営業担当者(又は製造メーカ)との関係性が良好な優良顧客である。第1象限に属する顧客は、さらなる売上規模拡大が期待される。
【0127】
第2象限は、顧客シェア相当値Sが最低顧客シェア相当値S
min以上であり、且つ、競争優位性相当値Tが最低競争優位性相当値T
min未満である。この第2象限に属する顧客は、納入機械装置の保有台数が多く、営業担当者(又は製造メーカ)との関係性が弱い顧客である。第2象限に属する顧客は、関係性を向上させることで、売上規模拡大が期待される。
【0128】
第3象限は、顧客シェア相当値Sが最低顧客シェア相当値S
min未満であり、且つ、競争優位性相当値Tが最低競争優位性相当値T
min以上である。この第3象限に属する顧客は、納入機械装置の保有台数は少ないが、営業担当者(又は製造メーカ)との関係性が良好な顧客である。第3象限に属する顧客は、現在良好な関係を構築していることで、一定以上の売上規模を確保している顧客である。
【0129】
第4象限は、顧客シェア相当値Sが最低顧客シェア相当値S
min未満であり、且つ、競争優位性相当値Tが最低競争優位性相当値T
min未満である。この第4象限に属する顧客は、納入機械装置の保有台数が少なく、営業担当者(又は製造メーカ)との関係性も弱い顧客である。第4象限に属する顧客は、売上規模拡大のために、営業戦略を検討する必要がある顧客である。
【0130】
CPU11aは、顧客毎にその顧客が属する象限を判定し、顧客が属する象限を示す象限情報を取得する(S158)。
【0131】
CPU11aは、以上の処理によって得られた顧客の分析結果、即ち、顧客毎の顧客シェア相当値S、競争優位性相当値T、及び象限情報を、顧客分析結果DB109に登録し(S159)、エリア及び業界毎の最低顧客シェア相当値S
min及び最低競争優位性相当値T
minをハードディスク11dに記憶し(S160)、顧客分析処理を終了する。
【0132】
<2−6> 顧客分析結果提示処理
本実施の形態における営業販売活動計画作成支援処理は、顧客分析結果提示処理を含んでいる。顧客分析結果提示処理は、上記のようにして得られた顧客の分析結果を出力する処理である。
図28は、本発明の実施の形態の営業活動支援システム(サーバ1)が実行する顧客分析結果提示処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0133】
本実施の形態に係る営業活動支援システムは、注目顧客選定処理において、顧客ランク分け結果画面を端末機2に表示させる。
【0134】
図29は、本実施の形態における顧客ランク分け結果画面の一例を示す図である。
図29に示すように、顧客ランク分け結果画面250には、顧客の一覧表251の各行に顧客分析ボタン252が設けられている。顧客分析ボタン252は、その行の顧客情報に対応している。顧客ランク分け結果画面250のその他の構成は、実施の形態1において説明した顧客ランク分け結果画面200の構成と同様であるので、その説明を省略する。
【0135】
営業担当者は、端末機2の表示部に表示されている顧客ランク分け結果画面250の顧客分析ボタン252を選択する操作を行うことで、その顧客分析ボタン252に対応する顧客IDを含む顧客分析結果画面の表示要求を営業活動支援システム(サーバ1)に与えることができる。このとき、営業担当者は、顧客分析処理の結果を確認したい顧客に対応する顧客分析ボタン252を選択する。このような操作が行われると、CPU11aは、顧客分析結果画面の表示要求を受け付ける(S251)。
【0136】
CPU11aは、顧客情報管理DB101を検索して、顧客分析結果画面の表示要求に含まれる顧客IDと業界情報及びエリア情報が共通する全ての顧客の顧客IDを取得する(ステップS252)。以下、CPU11aは、顧客分析結果画面の表示要求に含まれる顧客IDに対応するエリア及び業界を、分析対象のエリア及び業界とする。
【0137】
なお、顧客ランク分け結果画面において顧客の一覧表251の各行に顧客分析ボタン252を設け、選択された顧客分析ボタン252に対応するエリア及び業界を分析対象のエリア及び業界とする構成について述べたが、これに限定されるものではない。顧客ランク分け結果画面に1つの顧客分析ボタン252を設け、顧客分析ボタン252が選択されると予め定められたエリア及び業界を分析対象としてもよいし、営業担当者からエリア及び業界の指定を受け付け可能とし、指定されたエリア及び業界を分析対象としてもよい。
【0138】
CPU11aは、S252(又はS263)において取得された顧客IDをキーとして、ランク分け結果DB105を検索し、顧客別に、今回(最新)のランク分け結果情報、及び前回のランク分け結果情報を取得する(S253)。
【0139】
CPU11aは、ランク値、総受注金額、装置別受注金額、装置別売益金額、及び装置別案件数のそれぞれについて、今回のランク分け結果情報と前回のランク分け結果情報との間における差分値を算出する(S254)。
【0140】
CPU11aは、S252(又はS263)において取得された顧客IDをキーとして、納入機械装置情報DB103を検索し、顧客別に最も古い納入年月日を取得し、得られた納入年月日から、顧客との関係構築年数(最も古い納入年月日から現在までの年数)を算出する(S255)。
【0141】
CPU11aは、総受注額の今回と前回との差分値を、今期からの売上増分の予測値とし、顧客別に来期の売上予測値を算出する(S256)。S256では、CPU11aが、今期からの売上増分の予測値(即ち、総受注額の今回と前回との差分値)を今期の総受注額に加算し、これを来期の売上予測値とする。
【0142】
次にCPU11aは、S252(又はS263)において取得された顧客IDをキーとして、顧客分析結果DB109を検索し、ステップS252において取得された全顧客IDに対応する顧客シェア相当値S、競争優位性相当値T、及び象限情報を取得する(ステップS257)。また、CPU11aは、分析対象のエリア及び業界に対応する最低顧客シェア相当値S
min及び最低競争優位性相当値T
minをハードディスク11aから読み出す(S258)。
【0143】
CPU11aは、S257及びS258により得られた情報により、
図27に示す散布図を表示するための情報を生成し、営業担当者が顧客分析結果画面の表示の指示入力に用いた端末機2に情報を送信して、前記端末機2に散布図を表示させる(S259)。営業担当者は、この散布図を確認することで、どの象限に属する顧客が多く、どの象限に属する顧客が少ないかなど、大局的な視野で顧客の分布状態を把握することができる。
【0144】
また、CPU11aは、S253乃至S257により得られた情報により、顧客分析結果画面を表示するための情報を生成し、営業担当者が顧客分析結果画面の表示の指示入力に用いた端末機2に情報を送信して、前記端末機2に顧客分析結果画面を表示させる(S260)。
【0145】
図30は、顧客分析結果画面の一例を示す図である。
図30に示すように、顧客分析結果画面400には、分析対象のエリアの情報を表示するための表示部401と、分析対象の業界の情報を表示するための表示部402とが設けられている。表示部401及び402は、ドロップダウンリスト形式のコントロールであり、操作することによってエリア及び業界を変更することができる。
【0146】
また、顧客分析結果画面400には、分析対象のエリア及び業界に属する顧客の情報が、第1象限〜第4象限に分類されて表示される。つまり、顧客分析結果画面400には、第1象限〜第4象限の各領域が設けられており、第1象限の領域411には第1象限に属する顧客の情報が表示され、第2象限の領域412には第2象限に属する顧客の情報が表示され、第3象限の領域には第3象限に属する顧客の情報が表示され、第4象限の領域には第4象限に属する顧客の情報が表示される。なお、
図30に示す例では、第3象限及び第4象限の領域を図示していない。
【0147】
各象限の領域において、1つの顧客に関する顧客情報を1行として一覧表示される。1つの象限の領域には、S256において算出された来期の売上予測値が高い顧客から順番に、各顧客情報が並べて表示される。
【0148】
各象限の領域に表示される顧客情報には、来期の売上予測値、顧客名称(
図30では「担当顧客名称」)、納入機械装置の設置台数(
図30では「納入機械装置台数」)、ランク値、総受注金額、装置別受注金額(
図30では「一台あたり受注金額」)、装置別売益金額(
図30では「一台あたり売益金額」)、及び装置別案件数(
図30では「総案件数」)が含まれる。また、来期売上予測値の下には今期からの売上増分の予測値(
図30では「今期からの増分」)が括弧付きで表示される。同様に、顧客名称の下には顧客が属する業界の名称(
図30では「業界情報」)が、納入機械装置の設置台数の下には関係構築年数が、ランク値の下には今回と前回とのランク値の差分値(
図30では「ランク値変化」)が、総受注金額の下には今回と前回との総受注金額の差分値(
図30では「前回からの変化」)が、装置別受注金額の下には今回と前回との装置別受注金額の差分値(
図30では「前回からの変化」)が、装置別売益金額の下には今回と前回との装置別売益金額の差分値(
図30では「前回からの変化」)が、装置別案件数の下には今回と前回との装置別案件数の差分値(
図30では「前回からの変化」)が、それぞれ括弧付きで表示される。
【0149】
また、顧客分析結果画面400では、上述した選定基準(1)及び(2)の何れかに合致する顧客があった場合に、その顧客名称の左に二重丸マークが表示される。二重丸マークは、その顧客が選定基準により選定された注目顧客であることを示すマークである。
【0150】
また、営業担当者が顧客ランク分け結果画面250においてチェックを入れて注目顧客として選定した顧客が存在する場合、その顧客名称の左に黒い星マークが表示される。黒い星マークは、その顧客が営業担当者により選定された注目顧客であることを示すマークである。
【0151】
営業担当者は、上記のような顧客分析結果画面を確認することで、各象限にどの顧客が属するかを確認することができる。例えば、第2象限に自分の担当する顧客が属する場合、さらに顧客との関係性を向上させるような営業活動を行うことで、営業成績の向上が期待できる。また、第3象限に自分の担当する顧客が属する場合、顧客との関係は良好であるので、積極的な営業活動が可能であり、そのような営業活動を行うことで、営業成績の向上が期待できる。また、二重丸マークが付された顧客がどの象限に属するかを確認することで、どのような営業活動を行えばよいかの判断材料となる。また、象限の情報を、どの顧客を注目顧客とするかの判断材料として利用することもできる。
【0152】
営業担当者は、顧客分析結果画面400に設けられたOKボタン420を選択することで、顧客分析結果画面400を閉じることができる。このような操作を受け付けると、端末機2は、顧客分析結果画面400を閉じ、顧客分析処理の終了要求をサーバ1に送る。CPU11aは、終了要求を受け付けたか否かを判定し(S261)、終了要求を受け付けた場合には(S261においてYES)、顧客分析処理を終了する。
【0153】
また、営業担当者は、顧客分析結果画面400の表示部401,402を操作することで、分析対象のエリア又は業界を再設定することも可能である。このような入力が行われた場合、端末機2から指定されたエリア又は業界の情報を含む画面更新要求がサーバ1に送られる。
【0154】
CPU11は、終了要求を受け付けなかった場合(S261においてNO)、画面更新要求を受け付けたか否かを判定する(S262)。画面更新要求を受け付けなかった場合(S262においてNO)、CPU11aは、S261に処理を戻す。
【0155】
一方、画面更新要求を受け付けた場合(S262においてYES)、CPU11aは、顧客情報管理DB101を検索して、指定された業界及びエリアの全ての顧客の顧客IDを取得し(ステップS263)、ステップS253へ処理を戻し、指定された業界及びエリアを分析対象とした分析結果画面に端末機2の表示を更新させる。
【0156】
(その他の実施の形態)
上述した実施の形態1及び2では、注目顧客の最新のランク値が2以下の場合、注目顧客の最新のランク値より1つ上位のランク値を目標ランク値としたが、これに限定されるものではない。注目顧客の最新ランク値より2以上上位のランク値を目標ランク値に設定してもよい。つまり、注目顧客の目標とするランク値は、注目顧客自身のランク値よりも上位のランク値であればよい。
【0157】
また、上述した実施の形態1及び2では、注目顧客の最新のランク値が2以下の場合、ランク値が注目顧客より1つ上位の顧客群の平均受注金額を売上目標金額としたが、これに限定されるものではない。注目顧客よりランク値が2以上上位の顧客群の平均受注金額を売上目標金額としてもよい。つまり、注目顧客の目標とする売上金額は、注目顧客自身のランク値よりも上位の顧客群の平均受注金額であればよい。また、注目顧客より上位の全てのランクの顧客の平均受注金額を売上目標金額としてもよいし、注目顧客より上位の複数のランクに属する顧客群の平均受注金額を売上目標金額としてもよい。例えば、注目顧客の最新のランク値が5の場合に、ランク値が1乃至4の全顧客の平均受注金額を売上目標金額とすることもできるし、ランク値が3及び4の顧客群の平均受注金額を売上目標金額とすることもできる。
【0158】
また、上述した実施の形態1及び2では、目標画面に、目標ランク値と、売上目標金額とを目標値として表示する構成について述べたが、これに限定されるものではない。目標ランク値のみ、又は売上目標金額のみを目標値として表示するようにしてもよい。また、売上目標金額に代えて、又は売上目標金額と共に、納入機械装置1台当たりの売上目標金額、納入機械装置1台当たりの目標売益金額、納入機械装置1台当たりの目標案件数を表示してもよい。さらに他の営業活動に関する目標値を出力する構成とすることもできる。例えば、注目顧客への訪問回数を目標値として出力してもよい。
【0159】
また、上述した実施の形態1及び2では、対象受注期間における納入機械装置1台当たりの総受注金額と、対象受注期間における納入機械装置1台当たりの総売益金額との両方を、ランク設定に用いる構成について述べたが、これに限定されるものではない。対象受注期間における産業用機械1台当たりの保守に関する受注に基づく金額の総和を、ランク設定に用いていればよい。つまり、対象受注期間における納入機械装置1台当たりの総受注金額と、対象受注期間における納入機械装置1台当たりの総売益金額との何れか1つを用いて、ランク設定を行ってもよい。
【0160】
また、上述した実施の形態1及び2では、営業担当者別で注目顧客を選定定する構成について述べたが、これに限定されるものではない。業界別又はエリア別で注目顧客を選定する構成とすることも可能である。
【0161】
また、上述した実施の形態1及び2では、営業担当者の営業スキル値によらず、営業販売計画を作成する構成について述べたが、これに限定されるものではない。営業スキル値別に、営業販売計画を作成する構成としてもよい。
【0162】
また、上述した実施の形態1及び2では、1つの注目顧客につき、1つの類似顧客を設定する構成について述べたが、これに限定されるものではない。1つの注目顧客につき、複数の類似顧客を設定するようにしてもよい。この場合、総受注金額が、注目顧客の売上目標金額に近い順に、類似顧客を並べて表示するようにしてもよい。
【0163】
また、上述した実施の形態2においては、顧客ランク分け結果画面250に顧客分析結果画面を呼び出すための顧客分析ボタン252を設ける構成について述べたが、これに限定されるものではない。目標画面の各顧客の情報に対応付けて、顧客分析ボタンを設け、この顧客分析ボタンを営業担当者が選択することで、当該顧客のエリア及び業界を分析対象とした顧客分析結果画面を表示する構成とすることもできる。また、顧客ランク分け結果画面の各顧客情報に、象限の情報を付加する構成としてもよい。これにより、営業担当者は、顧客ランク分け結果画面を確認するだけで、各顧客がどの象限人属するかを把握することができ、注目顧客の選定に役立てることができる。
【0164】
また、上述した実施の形態1及び2では、単一のコンピュータ1aによってコンピュータプログラム14aのすべての処理が実行される構成について述べたが、本発明はこれに限定されるものではなく、当該コンピュータプログラム14aと同様の処理を、複数の装置(コンピュータ)により分散して実行する分散システムとすることも可能である。