(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施形態は、インクジェット印刷、エアロゾルジェット印刷、フレキソグラフィー印刷、グラビア印刷およびスクリーン印刷を含む異なる印刷技術に対処するために、汎用的なレオロジーを改質する増粘剤を含む銀ナノ粒子を含むインクを提供する。異なる印刷技術は、異なる粘度範囲を有するインクを必要とするため、インク配合物の主な課題の1つは、適切なレオロジーを得ることである。本発明の実施形態は、粘度調整剤の量を単純に変えることによって、上述のあらゆる印刷技術のために銀ナノ粒子インクの粘度を調整することができる汎用的な添加剤(または粘度調整剤)を提供する。従って、汎用的なアミノメチルシラン増粘剤を用い、粘度を約数センチポイズ〜約数千センチポイズ(25℃)に調整することができる銀ナノ粒子インクが提供される。インクは、一般的に、複数の銀ナノ粒子と、アミノメチルシラン増粘剤と、炭化水素溶媒とを含む。
【0009】
銀ナノ粒子は、粒径が、例えば、約100nm未満、約50nm未満、約25nm未満、または約10nm未満であってもよい。粒径は、安定化剤を除外した銀ナノ粒子の平均有効直径として、透過型電子顕微鏡(「TEM」)によって決定されるように本明細書で提供される。一般的に、複数の粒径は、調製物から得られる銀ナノ粒子中に存在していてもよい。いくつかの実施形態において、異なる大きさの銀含有ナノ粒子の存在が許容され得る。例えば、銀ナノ粒子は、二峰型の分布を有していてもよく、相対的に小さい方の粒子は、大きさが約3nm〜約20nmであり、相対的に大きい方の粒子は、大きさが約50nm〜約100nmである。
【0010】
ある実施形態において、銀ナノ粒子は、安定化される。本明細書で使用する場合、「安定化され」は、ナノ粒子が、一般的に、互いに凝集していないことを意味する。銀含有ナノ粒子が液体中で凝集するのを最低限にするか、または防ぎ、場合により、液体中で銀含有ナノ粒子の溶解性または分散性を与えるという機能を有する、任意の適切な安定化剤を使用してもよい。それに加え、安定化剤は、熱によって除去可能であり、熱によって除去可能とは、安定化剤を特定の条件で、例えば、加熱によって、銀含有ナノ粒子表面から解離させることができることを意味する。通常の大気圧条件、または例えば、数mbar〜約10
−3mbarの減圧で、特定の温度まで、例えば、約250℃未満、または約200℃未満の温度までの加熱を達成してもよい。例えば、約250℃未満の温度での銀含有ナノ粒子からの安定化剤の熱による解離によって、安定化剤が蒸発するか、または安定化剤を気体形態で分解させてもよい。
【0011】
いくつかの実施形態において、安定化剤は、有機安定化剤であってもよい。「有機安定化剤」の「有機」という用語は、炭素原子の存在を指すが、有機安定化剤は、1つ以上の非金属ヘテロ原子、例えば、窒素、酸素、硫黄、ケイ素、ハロゲンなどを含んでいてもよい。例示的な有機安定化剤としては、例えば、チオールおよびその誘導体、アミンおよびその誘導体、カルボン酸およびそのカルボキシレート誘導体、ポリエチレングリコールおよび他の有機界面活性剤が挙げられる。いくつかの実施形態において、有機安定化剤は、チオール、例えば、ブタンチオール、ペンタンチオール、ヘキサンチオール、ヘプタンチオール、オクタンチオール、デカンチオールおよびドデカンチオール;アミン、例えば、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミンおよびドデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オレイルアミンなど;ジチオール、例えば、1,2−エタンジチオール、1,3−プロパンジチオールおよび1,4−ブタンジチオール;ジアミン、例えば、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン;チオールとジチオールの混合物;およびアミンとジアミンの混合物からなる群から選択される。銀含有ナノ粒子を安定化することができるピリジン誘導体(例えば、ドデシルピリジン)および/または有機ホスフィンを含有する有機安定化剤も、本実施形態の安定化剤として含まれる。
【0012】
いくつかの実施形態において、安定化剤は、有機アミン、例えば、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ヘキサデシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ジアミノペンタン、ジアミノヘキサン、ジアミノヘプタン、ジアミノオクタン、ジアミノノナン、ジアミノデカン、ジアミノオクタン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、メチルプロピルアミン、エチルプロピルアミン、プロピルブチルアミン、エチルブチルアミン、エチルペンチルアミン、プロピルペンチルアミン、ブチルペンチルアミン、トリブチルアミントリヘキシルアミンなど、またはこれらの混合物である。
【0013】
1種類、2種類、3種類またはもっと多種類の安定化剤を使用してもよい。いくつかの実施形態において、2種類以上の安定化剤を使用する場合、それぞれの安定化剤は、任意の適切な重量比またはモル比で、例えば、約99(第1の安定化剤):1(第2の安定化剤)〜約1(第1の安定化剤):99(第2の安定化剤)で存在していてもよい。使用される安定化剤の量は、例えば、銀化合物1モルあたり約1モル当量以上、または銀化合物1モルあたり約2モル当量以上、または銀化合物1モルあたり約10モル当量以上、または銀化合物1モルあたり約25モル当量以上である。
【0014】
いくつかの実施形態において、銀含有ナノ粒子は、安定化剤と化学結合を生成してもよい。本明細書で提供される安定化剤の化学名は、銀含有ナノ粒子との任意の化学結合を生成する前のものである。安定化剤の性質は、化学結合の生成に伴い変化する場合があるが、簡便のために、化学結合の生成前の化学名を使用することを注記する。
【0015】
銀含有ナノ粒子と安定化剤との引力は、化学結合および/または物理的な接続であってもよい。化学結合は、例えば、共有結合、水素結合、配位錯体結合、またはイオン結合、または異なる化学結合の組み合わせの形態をしていてもよい。物理的な接続は、例えば、ファンデルワールス力または双極子−双極子相互作用、または異なる物理的な接続の組み合わせの形態をしていてもよい。
【0016】
銀含有ナノ粒子の表面に安定化剤で被覆される程度は、例えば、安定化剤が溶媒中で銀含有ナノ粒子を安定化させる能力に依存して、例えば、部分的な被覆から完全な被覆までさまざまであってもよい。被覆率は、約85%〜100%であってもよく、90%〜100%、または約95%〜約99%を含む。もちろん、個々の銀含有ナノ粒子の安定化剤の被覆度も同様に変動可能である。
【0017】
いくつかの実施形態において、銀ナノ粒子は、単に銀元素を含んでいてもよく、または他の金属とのコンポジットを含め、銀コンポジットであってもよい。このような金属−銀コンポジットは、(i)1つ以上の他の金属および(ii)1つ以上の非金属のいずれかまたは両方を含んでいてもよい。適切な他の金属としては、例えば、Al、Au、Pt、Pd、Cu、Co、Cr、InおよびNiが挙げられ、特に、例えば、Au、Pt、Pd、Cu、Cr、Niといった遷移金属およびこれらの混合物が挙げられる。例示的な金属コンポジットは、Au−Ag、Ag−Cu、Au−Ag−CuおよびAu−Ag−Pdである。金属コンポジット中の適切な非金属としては、例えば、Si、CおよびGeが挙げられる。銀コンポジットの種々の成分は、例えば、約0.01%〜約99.9重量%、特に、約10%〜約90重量%の範囲の量で存在していてもよい。いくつかの実施形態において、銀コンポジットは、銀と、1種類、2種類またはもっと多種類の他の金属とで構成され、銀が、例えば、ナノ粒子の重量の少なくとも約20%含まれ、特に、ナノ粒子の重量の約50%より多く含まれる、金属アロイである。特記しない限り、銀含有ナノ粒子の成分の本明細書で引用する重量パーセントは、安定化剤を含まない。
【0018】
銀コンポジットで構成される銀ナノ粒子は、例えば、(i)1種類の銀化合物(または複数の銀化合物、特に、銀(I)イオンを含有する化合物)および(ii)場合により、別の金属塩(または塩)または別の非金属(または非金属)の混合物を、安定化剤存在下、還元反応で使用することによって製造することができる。
【0019】
電気用途のための導電性要素を調製するのに適していてもよい銀ナノ粒子インクの調製は、以下の手順のすべてまたは一部を用いて行うことができる。(i)銀含有ナノ粒子の調製からの最終的な還元反応混合物に捕捉剤を添加し、過剰な還元剤を破壊;(ii)溶媒を除去することによって反応混合物を濃縮;(iii)非溶媒に、濃縮した反応混合物を加え(またはその逆)、銀含有ナノ粒子を析出;(iv)濾過または遠心分離によって銀含有ナノ粒子を集め、単離された銀含有ナノ粒子が得られる(銀含有ナノ粒子表面に安定化剤分子を含む);(v)適切な液体中、単離された銀含有ナノ粒子(銀含有ナノ粒子表面に安定化剤の分子を含む)を溶解または分散(例えば、超音波および/または機械攪拌によって補助される)。
【0020】
銀含有ナノ粒子と他の金属または非金属ナノ粒子とを混合することによって、銀含有ナノ粒子組成物を製造することもできる。
【0021】
いくつかの実施形態において、反応混合物から銀ナノ粒子を単離するための上述の手順を必要とすることなく、電気用途のための導電性要素を作成するのに適切な銀ナノ粒子インク(銀ナノ粒子表面に安定化剤分子を含む)を作成することができるだろう。このような実施形態において、反応混合物(場合により、反応混合物に使用される溶媒と同じであっても異なっていてもよい、別の液体を追加したもの)を、粘度を調整するためのレオロジー改変剤を加えるとき、銀ナノ粒子インクの基剤として使用してもよい。
【0022】
いくつかの実施形態において、銀ナノ粒子は、インク中に、約20〜約80重量%、または約20〜約70重量%、または約40〜約70重量%の範囲で存在していてもよく、この間の範囲およびその一部の範囲を含む。
【0023】
いくつかの実施形態において、インクは、アミノメチルシラン増粘剤、例えば、式(I)のアミノメチルシラン増粘剤
【化1】
を含み、式中、R
1、R
2およびR
3は、それぞれ独立して、アルキル、アルコキシ、ハロゲンおよび水素からなる群から選択され、R
1、R
2およびR
3の少なくとも1つは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシおよびクロロからなる群から選択され、R’およびR”は、それぞれ独立して、水素、場合によりアミノ基で置換された脂肪族基、または場合により置換されたフェニル基である。式(i)の例示的な化合物としては、限定されないが、N−(6−アミノヘキシル)アミノメチルトリメトキシシラン、N−ブチル−アザ−2,2−ジメトキシシラシクロペンタン、(シクロヘキシルアミノメチル)トリエトキシシラン、(シクロヘキシルアミノメチル)メチルジエトキシシラン、(N−フェニルアミノメチル)メチルジメトキシシラン、(N−フェニルアミノメチル)メチルジエトキシシラン、(N−フェニルアミノメチル)メチルトリエトキシシラン、ジエチルアミノメチルメチルジエトキシシラン、アミノエチルアミノメチルトリエトキシシラン、アミノエチルアミノメチルメチルジエチルオキシシラン、ピペラジニルメチルメチルジエトキシシラン、モルホリニルメチルトリエトキシシラン、モルホリニルメチルメチルジエトキシシランなどが挙げられる。
【0024】
さらに具体的には、アミノメチルシラン添加剤は、式(II)の構造を有し、式中、R
1、R
2およびR
3は、上述のものと同じであり;R’は、脂肪族基、特に、アミノ基で置換された脂肪族基、例えば、アミノプロピル、アミノブチル、アミノペンチル、アミノヘキシル、アミノヘプチルなどである。
【化2】
【0025】
いくつかの実施形態において、R’はHであり、R”は、アミノ基で場合により置換された脂肪族基である。
【0026】
いくつかの実施形態において、アミノメチルシランは、N−(6−アミノヘキシル)アミノメチルトリエトキシシランまたはN−(6−アミノヘキシル)アミノメチルトリメトキシシランである。
【0027】
式(I)または式(II)の可変置換基は、本明細書で以下に定義される任意の官能基による置換を含んでいてもよい。任意の定義を任意の他の定義と組み合わせて使用し、コンポジット構造基を記述してもよい。慣習により、任意のこのような定義の末端の要素は、親部分に接続する要素である。例えば、コンポジット基のアルキルアミドは、アミド基を介して親分子に接続したアルキル基を表し、アルコキシアルキルという用語は、アルキル基を介して親分子に接続したアルコキシ基を表すだろう。
【0028】
「場合により置換された」という用語は、その後に続く基が置換されていてもよく、または置換されていなくてもよいことを意味する。置換されている場合、「場合により置換された」基の置換基は、限定されないが、以下の基または特定の示された一連の基から、単独で、または組み合わせて、独立して選択される1つ以上の置換基が挙げられるだろう。低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、低級アルカノイル、低級ヘテロアルキル、低級ヘテロシクロアルキル、低級ハロアルキル、低級ハロアルケニル、低級ハロアルキニル、低級ペルハロアルキル、低級ペルハロアルコキシ、低級シクロアルキル、フェニル、アリール、アリールオキシ、低級アルコキシ、低級ハロアルコキシ、オキソ、低級アシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、低級アルキルカルボニル、低級カルボキシエステル、低級カルボキサミド、シアノ、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、低級アルキルアミノ、アリールアミノ、アミド、ニトロ、チオール、低級アルキルチオ、低級ハロアルキルチオ、低級ペルハロアルキルチオ、アリールチオ、スルホネート、スルホン酸、三置換シリル、N
3、SH、SCH
3、C(O)CH
3、CO
2CH
3、CO
2H、ピリジニル、チオフェン、フラニル、低級カルバメートおよび低級尿素が挙げられる。2つの置換基が一緒に接続し、縮合した5員環、6員環または7員環の炭素環または0〜3個のヘテロ原子からなる(例えば、メチレンジオキシまたはエチレンジオキシを生成する)ヘテロ環を生成してもよい。場合により置換された基は、置換されていなくてもよく(例えば、−CH
2CH
3)、完全に置換されていてもよく(例えば、−CF
2CF
3)、一置換されていてもよく(例えば、−CH
2CH
2F)、または完全な置換から一置換までのどこかのレベルで置換されていてもよい(例えば、−CH
2CF
3)。置換基が、置換に対する制限を行わずに引用される場合、置換および非置換の形態を包含する。置換基が、「置換され」ていると制限される場合、その置換された形態を具体的に意図する。さらに、特定の部分に対する異なる任意要素の置換基のセットは、必要な場合に定義されてもよく、これらの場合には、任意要素の置換が、多くは、句「〜で場合により置換された」のすぐ後に定義されることが多い。
【0029】
「アシル」という用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、アルケニル、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロ環、または任意の他の部分に接続したカルボニルを指し、カルボニルに接続する原子は炭素である。「アセチル」基は、−C(O)CH
3基を指す。「アルキルカルボニル」基または「アルカノイル」基は、カルボニル基によって親分子部分に接続したアルキル基を指す。このような基の例としては、メチルカルボニルおよびエチルカルボニルが挙げられる。アシル基の例としては、ホルミル、アルカノイルおよびアロイルが挙げられる。
【0030】
「アルケニル」という用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、1つ以上の二重結合と、2〜20個の炭素原子とを含む直鎖または分枝鎖の炭化水素基を指す。特定の実施形態において、アルケニルは、2〜6個の炭素原子を含むだろう。「アルケニレン」という用語は、2つ以上の位置で接続した炭素−炭素二重結合系、例えば、エテニレン[(−CH=CH−)、(−C::C−)]を指す。適切なアルケニル基の例としては、エテニル、プロペニル、2−メチルプロペニル、1,4−ブタジエニルなどが挙げられる。別段の定めがない限り、「アルケニル」という用語は、「アルケニレン」基を含んでいてもよい。
【0031】
「アルコキシ」という用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、アルキルエーテル基を指し、ここで、アルキルという用語は、以下に定義されるとおりである。適切なアルキルエーテル基の例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、iso−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシなどが挙げられる。
【0032】
「アルキル」という用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、1〜20個の炭素原子を含む直鎖または分枝鎖のアルキル基を指す。特定の実施形態において、アルキルは、1〜10個の炭素原子を含むだろう。さらなる実施形態において、アルキルは、1〜6個の炭素原子を含むだろう。アルキル基は、本明細書に定義されるように場合により置換されていてもよい。アルキル基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、iso−アミル、ヘキシル、オクチル、ノニルなどが挙げられる。「アルキレン」という用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、2つ以上の位置で接続した直鎖または分枝鎖の飽和炭化水素から誘導された飽和脂肪族基、例えば、メチレン(−CH
2−)を指す。別段の定めがない限り、「アルキル」という用語は、「アルキレン」基を含んでいてもよい。
【0033】
「アルキルアミノ」という用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、アミノ基を介して親分子部分に接続したアルキル基を指す。適切なアルキルアミノ基は、モノアルキル化またはジアルキル化されて生成する基、例えば、N−メチルアミノ、N−エチルアミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−エチルメチルアミノなどであってもよい。
【0034】
「アルキリデン」という用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、炭素−炭素二重結合の1個の炭素原子が、アルケニル基が接続する部分に属するアルケニル基を指す。
【0035】
「アルキルチオ」という用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、アルキルチオエーテル(R−S−)基を指し、ここで、アルキルという用語は、上に定義されるとおりであり、硫黄は、1回または2回酸化されていてもよい。適切なアルキルチオエーテル基の例としては、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオ、iso−ブチルチオ、sec−ブチルチオ、tert−ブチルチオ、メタンスルホニル、エタンスルフィニルなどが挙げられる。
【0036】
「アルキニル」という用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、1つ以上の三重結合と、2〜20個の炭素原子を含む直鎖または分枝鎖の炭化水素基を指す。特定の実施形態において、アルキニルは、2〜6個の炭素原子を含む。さらなる実施形態において、アルキニルは、2〜4個の炭素原子を含む。「アルキニレン」という用語は、2つの位置で接続した炭素−炭素三重結合、例えば、エチニレン(−C:::C−、−C≡C−)を指す。アルキニル基の例としては、エチニル、プロピニル、ヒドロキシプロピニル、ブチン−1−イル、ブチン−2−イル、ペンチン−1−イル、3−メチルブチン−1−イル、ヘキシン−2−イルなどが挙げられる。別段の定めがない限り、「アルキニル」という用語は、「アルキニレン」基を含んでいてもよい。
【0037】
「アミド」および「カルバモイル」という用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、カルボニル基を介して親分子部分に接続した、以下に記載されるようなアミノ基、またはその逆に、アミノ基を介して親分子部分に接続した、以下に記載されるようなカルボニル基を指す。「C−アミド」という用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、−C(=O)−NR
2基を指し、Rは、本明細書に定義されるとおりである。「N−アミド」という用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、RC(=O)NH−基を指し、Rは、本明細書に定義されるとおりである。「アシルアミノ」という用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、アミノ基を介して親部分に接続したアシル基を包含する。「アシルアミノ」基の一例は、アセチルアミノ(CH3C(O)NH−)である。
【0038】
「アミノ」という用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、−NRRを指し、ここで、RおよびR’は、独立して、水素、アルキル、アシル、ヘテロアルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、いずれか自体が、場合により置換されていてもよい。さらに、RとR’を合わせてヘテロシクロアルキルを生成してもよく、いずれかが、場合により置換されていてもよい。
【0039】
「アリール」という用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、1個、2個または3個の環を含有し、このような多環式環系が一緒に縮合している炭素環状芳香族系を意味する。「アリール」という用語は、芳香族基、例えば、フェニル、ナフチル、アントラセニルおよびフェナントリルを包含する。
【0040】
「アリールアルケニル」または「アラルケニル」という用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、アルケニル基を介して親分子部分に接続したアリール基を指す。
【0041】
「アリールアルコキシ」または「アラルコキシ」という用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、アルコキシ基を介して親分子部分に接続したアリール基を指す。
【0042】
「アリールアルキル」または「アラルキル」という用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、アルキル基を介して親分子部分に接続したアリール基を指す。
【0043】
「アリールアルキニル」または「アラルキニル」という用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、アルキニル基を介して親分子部分に接続したアリール基を指す。
【0044】
「アリールアルカノイル」または「アラルカノイル」または「アロイル」という用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、アリール置換アルカンカルボン酸から誘導されるアシル基、例えば、ベンゾイル、ナフトイル、フェニルアセチル、3−フェニルプロピオニル(ヒドロシンナモイル)、4−フェニルブチリル、(2−ナフチル)アセチル、4−クロロヒドロシンナモイルなどを指す。
【0045】
アリールオキシという用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、オキシを介して親分子部分に接続したアリール基を指す。
【0046】
「ベンゾ」および「ベンズ」という用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、ベンゼンから誘導される二価の基C
6H
4を指す。例としては、ベンゾチオフェンおよびベンズイミダゾールが挙げられる。
【0047】
「カルバメート」という用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、窒素末端または酸末端のいずれかから親分子部分に接続してもよく、場合により、本明細書に定義されるように置換されていてもよいカルバミン酸(−NHCOO−)のエステルを指す。
【0048】
「O−カルバミル」という用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、−OC(O)NRR’基を指し、RおよびR’は、本明細書に定義されるとおりである。
【0049】
「N−カルバミル」という用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、ROC(O)NR’−基を指し、RおよびR’は、本明細書に定義されるとおりである。
【0050】
「カルボニル」という用語は、本明細書で使用する場合、単独の場合、ホルミル[−C(O)H]を含み、組み合わせた場合、−C(O)−基である。
【0051】
「カルボキシル」または「カルボキシ」という用語は本明細書で使用する場合、−C(O)OH、または例えば、カルボン酸塩の中にあるような対応する「カルボキシレート」アニオンを指す。「O−カルボキシ」基は、RC(O)O−基を指し、Rは、本明細書に定義されるとおりである。「C−カルボキシ」基は、−C(O)OR基を指し、Rは、本明細書に定義されるとおりである。
【0052】
「シアノ」という用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、−CNを指す。
【0053】
「シクロアルキル」または「炭素環」という用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、飽和または部分的に飽和の単環、二環または三環のアルキル基を指し、それぞれの環状部分は、3〜12個の炭素原子環員を含み、場合により、本明細書に定義されるように場合により置換されたベンゾ縮合した環系であってもよい。特定の実施形態において、シクロアルキルは、5〜7個の炭素原子を含むだろう。このようなシクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、オクタヒドロナフチル、2,3−ジヒドロ−1H−インデニル、アダマンチルなどが挙げられる。「二環」および「三環」は、本明細書で使用する場合、縮合した環系(例えば、デカヒドロナフタレン、オクタヒドロナフタレン)および多環状の(多中心の)飽和または部分的に不飽和型の両方を含むことを意図している。後者の種類の異性体は、一般的に、ビシクロ[1,1,1]ペンタン、ショウノウ、アダマンタンおよびビシクロ[3,2,1]オクタンによって例示される。
【0054】
「エステル」という用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、炭素原子で接続する2個の部分を架橋するカルボキシ基を指す。
【0055】
「エーテル」という用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、炭素原子で接続する2個の部分を架橋するオキシ基を指す。
【0056】
「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を指す。
【0057】
「ハロアルコキシ」という用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、酸素原子を介して親分子部分に接続するハロアルキル基を指す。
【0058】
「ハロアルキル」という用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、1つ以上の水素がハロゲンと置き換わった、上に定義されるような意味を有するアルキル基を指す。具体的には、モノハロアルキル基、ジハロアルキル基およびポリハロアルキル基が包含される。モノハロアルキル基は、一例として、基の中にヨウ素原子、臭素原子、塩素原子またはフッ素原子を含んでいてもよい。ジハロアルキル基およびポリハロアルキル基は、2個以上の同じハロ原子または異なるハロ基の組み合わせを含んでいてもよい。ハロアルキル基の例としては、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、ジフルオロクロロメチル、ジクロロフルオロメチル、ジフルオロエチル、ジフルオロプロピル、ジクロロエチルおよびジクロロプロピルが挙げられる。「ハロアルキレン」は、2個以上の位置で接続したハロアルキル基を指す。例としては、フルオロメチレン(−CFH−)、ジフルオロメチレン(−CF
2−)、クロロメチレン(−CHCl−)などが挙げられる。
【0059】
「ヘテロアルキル」という用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、完全に飽和した、または1〜3の不飽和部を含有し、述べられている数の炭素原子と、O、NおよびSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子とからなり、窒素原子および硫黄原子が、場合により酸化されていてもよく、窒素ヘテロ原子が、場合により四級化されていてもよい、安定な直鎖または分枝鎖の、または環状の炭化水素基、またはこれらの組み合わせを指す。ヘテロ原子O、NおよびSは、ヘテロアルキル基の任意の内側の位置に配置されていてもよい。2個までのヘテロ原子が連続していてもよい(例えば、−CH
2−NH−OCH
3)。
【0060】
「ヘテロアリール」という用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、3〜7員環の不飽和ヘテロ単環、または縮合環の少なくとも1つが芳香族であり、O、SおよびNからなる群から選択される少なくとも1つの原子を含む、縮合した単環、二環または三環の環系を指す。特定の実施形態において、ヘテロアリールは、5〜7個の炭素原子を含むだろう。この用語は、ヘテロ環がアリール環と縮合したもの、ヘテロアリール環が他のヘテロアリール環と縮合したもの、ヘテロアリール環がヘテロシクロアルキル環と縮合したもの、またはヘテロアリール環がシクロアルキル環と縮合したもののような、縮合した多環基も包含する。ヘテロアリール基の例としては、ピローリル、ピロリニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアゾリル、ピラニル、フリル、チエニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、インドリル、イソインドリル、インドリジニル、ベンズイミダゾリル、キノリル、イソキノリル、キノキサリニル、キナゾリニル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾピラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、クロモニル、クマリニル、ベンゾピラニル、テトラヒドロキノリニル、テトラゾロピリダジニル、テトラヒドロイソキノリニル、チエノピリジニル、フロピリジニル、ピロロピリジニルなどが挙げられる。例示的な三環状ヘテロ環基としては、カルバゾリル、ベンジドリル、フェナントロリニル、ジベンゾフラニル、アクリジニル、フェナントリジニル、キサンテニルなどが挙げられる。
【0061】
「ヘテロシクロアルキル」および相互に置き換え可能であるが、「ヘテロ環」という用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、それぞれが、少なくとも1つのヘテロ原子を環原子として含む、飽和、部分的に不飽和、または完全に不飽和の単環、二環または三環のヘテロ環基を指し、それぞれのヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択されてもよい。特定の実施形態において、ヘテロシクロアルキルは、環原子として1〜4個のヘテロ原子を含むだろう。さらなる実施形態において、ヘテロシクロアルキルは、環原子として1〜2個のヘテロ原子を含むだろう。特定の実施形態において、ヘテロシクロアルキルは、それぞれの環に3〜8個の環原子を含むだろう。さらなる実施形態において、ヘテロシクロアルキルは、それぞれの環に3〜7個の環原子を含むだろう。なおさらなる実施形態において、ヘテロシクロアルキルは、それぞれの環に5〜6個の環原子を含むだろう。「ヘテロシクロアルキル」および「ヘテロ環」は、スルホン、スルホキシド、三級窒素環原子のN−オキシドおよび炭素環に縮合した環系およびベンゾ縮合した環系を含むことを意図しており、さらに、両方の用語は、ヘテロ環が、本明細書に定義されるようなアリール基またはさらなるヘテロ環基に縮合したものも含む。ヘテロ環基の例としては、アジリジニル、アゼチジニル、1,3−ベンゾジオキソリル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロイソキノリニル、ジヒドロシンノリニル、ジヒドロベンゾジオキシニル、ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[4,5−b]ピリジニル、ベンゾチアゾリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロピリジニル、1,3−ジオキサニル、1,4−ジオキサニル、1,3−ジオキソラニル、イソインドリニル、モルホリニル、ピペラジニル、ピロリジニル、テトラヒドロピリジニル、ピペリジニル、チオモルホリニルなどが挙げられる。ヘテロ環基は、明確に禁止されていない限り、場合により置換されていてもよい。
【0062】
「ヒドラジニル」という用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、単結合によって接続した2個のアミノ基、すなわち、−N−N−を指す。
【0063】
「ヒドロキシ」という用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、−OHを指す。
【0064】
「ヒドロキシアルキル」という用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、アルキル基を介して親分子部分に接続したヒドロキシ基を指す。
【0065】
「イミノ」という用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、=N−を指す。
【0066】
「イミノヒドロキシ」という用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、=N(OH)および=N−O−を指す。
【0067】
「主鎖に」という句は、本明細書に開示するいずれかの式の化合物に対する基の接続点から始まる、最も長い連続した炭素原子の鎖または隣接した炭素原子の鎖を指す。
【0068】
「イソシアナト」という用語は、−NCO基を指す。
【0069】
「イソチオシアナト」という用語は、−NCS基を指す。
【0070】
「原子の直鎖」という句は、炭素、窒素、酸素および硫黄から独立して選択される原子の最も長い直鎖を指す。
【0071】
「低級」という用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、他の意味であると明確に定義されていない場合には、1個から6個の炭素原子を含むことを意味する。
【0072】
「低級アリール」という用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、フェニルまたはナフチルを意味し、提供されるように場合により置換されていてもよい。
【0073】
「低級ヘテロアリール」という用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、(1)5個または6個の環原子を含み、そのうち1〜4個の環原子が、O、SおよびNからなる群から選択されるヘテロ原子であってもよい単環のヘテロアリール、または(2)縮合環のそれぞれが5個または6個の環原子を含み、その間にO、SおよびNからなる群から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む、二環状ヘテロアリールのいずれかを意味する。
【0074】
「低級シクロアルキル」という用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、3〜6個の環原子を含む単環シクロアルキルを意味する。低級シクロアルキルは、不飽和であってもよい。低級シクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが挙げられる。
【0075】
「低級ヘテロシクロアルキル」という用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、3〜6個の環原子を含み、そのうち1〜4個がO、SおよびNからなる群から選択されるヘテロ原子であってもよい、単環のヘテロシクロアルキルを意味する。低級ヘテロシクロアルキルの例としては、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニルおよびモルホリニルが挙げられる。低級ヘテロシクロアルキルは、不飽和であってもよい。
【0076】
「低級アミノ」という用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、−NRR’を指し、RおよびR’は、独立して、水素、低級アルキルおよび低級ヘテロアルキルからなる群から選択され、そのいずれかが場合により置換されていてもよい。さらに、低級アミノ基のRおよびR’を合わせ、5員環または6員環のヘテロシクロアルキルを生成してもよく、いずれかが場合により置換されていてもよい。
【0077】
「メルカプチル」という用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、RS−基を指し、Rは、本明細書で定義されるとおりである。
【0078】
「ニトロ」という用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、−NO
2を指す。
【0079】
「オキシ」または「オキサ」という用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、−O−を指す。
【0080】
「オキソ」という用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、=Oを指す。
【0081】
「ペルハロアルコキシ」という用語は、すべての水素原子がハロゲン原子と置き換わったアルコキシ基を指す。
【0082】
「ペルハロアルキル」という用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、すべての水素原子がハロゲン原子と置き換わったアルキル基を指す。
【0083】
「スルホネート」、「スルホン酸」および「スルホン酸〜」という用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、−SO
3H基、およびスルホン酸が塩生成に用いられる場合にはそのアニオンを指す。
【0084】
「スルファニル」という用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、−S−を指す。
【0085】
「スルフィニル」という用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、−S(O)−を指す。
【0086】
「スルホニル」という用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、−S(O)
2−を指す。
【0087】
「N−スルホンアミド」という用語は、RS(=O)
2NR’−基を指し、RおよびR’は、本明細書に定義されるとおりである。
【0088】
「S−スルホンアミド」という用語は、−S(=O)
2NRR’基を指し、RおよびR’は、本明細書に定義されるとおりである。
【0089】
「チア」および「チオ」という用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、−S−基、または酸素が硫黄と置き換わったエーテルを指す。チオ基の酸化された誘導体、すなわち、スルフィニルおよびスルホニルは、チアおよびチオの定義に含まれる。
【0090】
「チオール」という用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、−SH基を指す。
【0091】
「チオカルボニル」という用語は、本明細書で使用する場合、単独の場合、チオホルミル−C(S)Hを含み、組み合わせて、−C(S)−基である。
【0092】
「N−チオカルバミル」という用語は、ROC(S)NR’−基を指し、RおよびR’は、本明細書に定義されるとおりである。
【0093】
「O−チオカルバミル」という用語は、−OC(S)NRR’基を指し、RおよびR’は、本明細書に定義されるとおりである。
【0094】
「チオシアナト」という用語は、−CNS基を指す。
【0095】
「トリハロメタンスルホンアミド」という用語は、X
3CS(O)
2NR−基を指し、Xはハロゲンであり、Rは、本明細書に定義されるとおりである。
【0096】
「トリハロメタンスルホニル」という用語は、X
3CS(O)
2−基を指し、Xはハロゲンである。
【0097】
「トリハロメトキシ」という用語は、X
3CO−基を指し、Xはハロゲンである。
【0098】
「三置換シリル」という用語は、本明細書で使用する場合、単独で、または組み合わせて、置換アミノの定義の下で本明細書に列挙されるような基でその3つの自由原子価で置換されたシリコーン基を指す。トリメチルシリルの例としては、tert−ブチルジメチルシリルトリフェニルシリルなどが挙げられる。
【0099】
一般的に、インクは、銀ナノ粒子、炭化水素溶媒、例えば、デカリン、ビシクロヘキシル、テトラヒドロナフタレン、トルエン、トリメチルベンゼン、ブチルベンゼン、ペンチルベンゼンなどと、非常に少量の、例えば、インク中の銀の合計重量を基準として、約0.01〜約3.0重量%(約0.01〜約1.5重量%、または約0.05〜約1.0重量%、または約0.1〜約1.0重量%を含む)アミノシラン添加剤とを含む。このアミノシランは、粘度を調整するのに効果的であり、粘度に大きな影響を与えるのに必要な量が非常に少量である。大量の増粘剤は、最終的なアニーリングした銀ナノ粒子の導電性特徴の導電性に悪い影響を与える場合があるので、このことは、下流での印刷された導電性特徴におけるこのようなインクの典型的な使用に十分にふさわしい。最後に、本明細書に開示するアミノメチルシラン増粘剤を使用し、有機アミン以外の安定化剤を含む、他の金属ナノ粒子インクまたは銀ナノ粒子を含む銀インクの粘度を調整することができることを注記すべきである。
【0100】
いくつかの実施形態において、アミノメチルシラン増粘剤は、複数の銀ナノ粒子の約0.01重量%〜約1.5重量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、粘度は、下流の印刷用途に依存して、約5cP〜約5,000cPの範囲である。典型的には、インクの粘度は、インクジェット印刷の場合には、約5〜約20cPの範囲であってもよく、またはフレキソグラフィー印刷の場合には約20〜約500cPであってもよく、またはグラビア印刷の場合には約30〜約1,200cPであってもよく、時に、約3,000cPより大きくてもよく、または、スクリーン印刷の場合には、約10,000cPより大きくてもよい。いくつかの実施形態において、インクジェットインク、エアロゾルジェットインク、フレキソグラフィーインク、グラビアインクまたはスクリーンインクを得るために、インクの粘度を調整する。
【0101】
いくつかの実施形態において、インクを膜中でアニーリングする場合、この膜は、導電性が約1.0×10
4S/cm〜約1.6×10
5S/cmの範囲にあり、約5.0×10
4S/cm〜約1.6×10
5S/cm、または約1.0×10
5S/cm〜約1.6×10
5S/cmを含む。
【0102】
いくつかの実施形態において、複数の銀ナノ粒子、アミノメチルシラン増粘剤および炭化水素溶媒を含むインクを提供することと、このインクを用い、基材に画像を印刷することと、基材の上で画像をアニーリングすることとを含む方法が提供される。いくつかの実施形態において、印刷工程は、インクジェット印刷、フレキソグラフィー印刷またはグラビア印刷によって達成されてもよい。いくつかの実施形態において、アニーリングは、高温で、例えば、約80℃〜約200℃(約80℃〜約160℃、または約100℃〜約140℃を含む)で行われてもよい。
【0103】
いくつかの実施形態において、画像は、
プリント回路および/または導電性トレースである。例示的な
回路または導電性トレースは、トランジスタ、ダイオードおよびコンデンサのための電極;トランジスタ、レジスタ、ダイオードおよびコンデンサのための相互接続;アンテナのための導電性トレースなどであってもよい。導電性トレースの厚みは、印刷方法の種類によって変わってもよい。
【0104】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示するアミノメチルシラン増粘剤は、複数の銀ナノ粒子の約0.01重量%〜約1.5重量%の量で存在する。印刷する場合、インクは、粘度が約5cP〜約1000cPである。
【0105】
ある実施形態において、有機アミンで安定化された銀ナノ粒子と、増粘剤としてのN−(6−アミノヘキシル)アミノメチルトリエトキシシランと、炭化水素溶媒とを含む、インクが提供される。このようないくつかの実施形態において、インクは、インクジェット印刷、フレキソグラフィー印刷またはグラビア印刷のための粘度を有し、N−(6−アミノヘキシル)アミノメチルトリエトキシシランは、複数の銀ナノ粒子の約0.01重量%〜約1.5重量%の量で存在する。
【0106】
アミノメチルシラン増粘剤を使用する本明細書に例示されるインクは、インクの粘度を調整するのに非常に効果的であり、インクジェット印刷、フレキソグラフィー印刷およびグラビア印刷のためにインクを製造することができた。さらに、使用する量が少量であるため、増粘剤は、最終的なアニーリングされた銀膜の導電性に影響を与えなかった。
【0107】
アミノメチルシラン増粘剤を他の粘度調整剤および/または表面張力調整剤、接着促進剤などと一緒に使用することができることを注記すべきである。例えば、粘度をさらに上げるため、またはずり減粘指数を調節するために、ポリマー添加剤をアミノメチルシラン増粘剤と一緒に使用してもよい。インク組成物は、さらに、レベリング剤、湿潤剤、界面活性剤、分散安定化剤、沈降防止剤、pH制御剤、増粘剤、すべり剤、起泡剤、のり、接着剤、チキソトロピー剤、酸化防止剤、架橋剤、皮張り防止剤、へこみ防止剤、可塑剤、乾燥剤、難燃剤、ブロッキング防止剤、腐食抑制剤、カップリング剤、フローティング剤および染料から選択される1つ以上の添加剤を含んでいてもよい。レベリング剤としては、ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル修飾されたポリジメチルシロキサン、ポリエーテル修飾されたシロキサンなどを含むシロキサン系レベリング剤が挙げられるだろう。
【実施例】
【0108】
(実施例1)
この実施例は、N−(6−アミノヘキシル)アミノメチルトリエトキシシランを含む例示的な銀ナノ粒子インクの調製を記載する。
【0109】
米国特許第7,270,694号および第8765025号および係属中の米国出願第13/866,704号に記載される銀ナノ粒子を使用し、例示的なインクを作成し、この調製物は、約71重量%のドデシルアミンで安定化された銀ナノ粒子が、6:1のデカリンとビシクロヘキシルの溶媒混合物に分散したものを含む。最終的なインクは、銀含有量が約65重量%であった。インク中の銀の重量を基準として、N−(6−アミノヘキシル)アミノメチルトリエトキシシランを粘度調整剤として0.1〜0.5重量%加えた。
図1は、異なる量のアミノメチルシラン添加剤を含むインクの粘度を示す。このアミノメチルシランは、効果的な粘度調整剤であることがわかり、非常に少量の使用量で、数センチポイズから1000cPを超える値までインクの粘度を調整することができる。このインクは、少量(0.1〜0.3重量%)の添加剤を使用したとき、ニュートン挙動を示し、粘度は、低いままであった(8〜22cP)。これらのインクは、インクジェット印刷のための良好な候補物質である。調整可能な粘度によって、異なる印刷ヘッドのためのインクジェット可能インクを製造することができた。アミノメチルシラン増粘剤が0.4重量%および0.5重量%であった場合、インクは、非ニュートン流体になり、それぞれ、低剪断速度での粘度が、229〜1086cPであり、高剪断速度での粘度が71〜167cPであった。この粘度範囲およびずり減粘特徴は、このインクが、フレキソグラフィー印刷技術およびグラビア印刷技術のための良好な候補物質であることを示した。
【0110】
上のインクを薄膜に堆積させ、添加剤が導電性に悪影響を与えるかどうかを調べた。同様の厚みを有するサンプルについて、同じ温度(120℃)で20分間アニーリングしたとき、アミノメチルシラン添加剤を含むサンプルは、1.0〜1.6×10
5S/cmの高い導電性を示すコントロールサンプル(増粘剤を含まない)と同じ導電性を示した。
【0111】
コントロール例1:インク配合物を実施例1と同様の様式で製造した。このコントロール例では、γ−アミノプロピルシランを使用し、実施例1のアミノメチルシランと置き換えた。具体的には、N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、またはN(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシランを0.5重量%で加えた。しかし、インクについて粘度変化はまったく観察されないか、またはほとんど観察されず、γ−アミノプロピルシランは、銀ナノ粒子インクの効果的な粘度調整剤ではないことを示している。