(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6543163
(24)【登録日】2019年6月21日
(45)【発行日】2019年7月10日
(54)【発明の名称】折り畳み式水切りラック
(51)【国際特許分類】
A47L 19/04 20060101AFI20190628BHJP
【FI】
A47L19/04
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-208997(P2015-208997)
(22)【出願日】2015年10月23日
(65)【公開番号】特開2017-79868(P2017-79868A)
(43)【公開日】2017年5月18日
【審査請求日】2018年8月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】390020019
【氏名又は名称】レック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100075948
【弁理士】
【氏名又は名称】日比谷 征彦
(74)【代理人】
【識別番号】100181928
【弁理士】
【氏名又は名称】日比谷 洋平
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 悠介
【審査官】
石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】
欧州特許出願公開第2181638(EP,A1)
【文献】
特開2004−41664(JP,A)
【文献】
国際公開第2001/80702(WO,A2)
【文献】
登録実用新案第3092116(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 15/00−21/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
脚棒部を有する底面部と、該底面部の周囲に回動可能に係止した第1及び第2の側枠部とから構成され、
一対から成り、対向する前記第1の側枠部と、一対から成り、対向する前記第2の側枠部とは、組立て時の高さが一致し、互いが前記底面部に対し直角状になるように前記底面部に回動可能に係止されている折り畳み式水切りラックであって、
前記第1の側枠部は、平行する第1の側辺部間を掛け渡す引掛部を備え、該引掛部は前記第1の側辺部から左右へ突出し、先端が屈曲する端部を備え、
前記第2の側枠部は、平行する第2の側辺部間を掛け渡すガイド棒部を備え、該ガイド棒部は両端から逆V字状の係止部と、該係止部の先端間に、前記平行する第2の側辺部間で形成する面に対して直交するように連結した台形状の掛渡棒部とを含むことを特徴とする折り畳み式水切りラック。
【請求項2】
前記第1及び第2の側枠部が折り畳まれた状態から、前記第2の側枠部を起立した後に、前記第1の側枠部を起立される場合に、前記引掛部の端部は、前記第1の側枠部の水平状へ張り出した前記掛渡棒部の内側を通り抜けて、前記係止部に当接することを特徴とする請求項1に記載の折り畳み式水切りラック。
【請求項3】
前記係止部に当接した端部が係止部の頂部を乗り越えることで、組立てた状態となることを特徴とする請求項2に記載の折り畳み式水切りラック。
【請求項4】
前記底面部は、平行する一対の前記脚棒部の両端部間を掛け渡す一対の長辺部を備え、該長辺部の両端は直角状に起立しており、先端はリング状に屈曲したリング部を備えており、
前記第2の側枠部は前記リング部に挿通した固定部を軸にして回動することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の折り畳み式水切りラック。
【請求項5】
前記固定部は前記第2の側辺部の端部から連続し、直角状に内側に延在しており、
前記固定部と連続し、前記第2の側辺部と平行する方向へ直角状に延在する先端部が、前記長辺部に当接することで前記第2の側枠部の外側への回動を規制することを特徴する請求項4に記載の折り畳み式水切りラック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、台所等に設置し、洗浄した食器等の水切りをする金属製の折り畳み式水切りラックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
台所に設置し、洗浄した食器等の水切りを行うために、金属棒を組立てて成る水切りラックは、一般的な構造として箱形状をしており、空気の通りが良く、水切りを良くするように金属棒の間隔を大きくしている。この種の水切りラックは嵩張るために、運搬時や不使用時に折り畳みが可能なものが存在する。
【0003】
特許文献1には、折り畳み可能な水切りラックであって、長方形の底板の各辺に連結する側面板を起立させることで、組立可能な水切りラックが開示されている。この特許文献1の水切りラックは、最初に底板の短辺に連結した一対の短側面を起立させ、続いて底板の長辺に連結した一対の長側面を起立させる。そして、最後に短側面の角部に設けた環状部材に、長側面の角部に設けた鉤状部材を引っ掛けることで固定することにより、組立てた状態となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−41664号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の従来の折り畳み式水切りラックは、一対の短側面の起立した状態を維持したまま、長側面を起立しなければならず、両手だけで素早く組立てることができないという問題がある。
【0006】
また、狭い台所において組立てる際に、台所面に対して底板の長辺方向の作業以外に、底板の短辺方向に対して十分に作業するだけのスペースを確保しなければならない。
【0007】
本発明の目的は、上述の課題を解消し、狭い場所であっても簡便に組立て得る金属製の折り畳み式水切りラックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明に係る折り畳み式水切りラックは、 脚棒部を有する底面部と、該底面部の周囲に回動可能に係止した第1及び第2の側枠部とから構成され、一対から成り、対向する前記第1の側枠部と、一対から成り、対向する前記第2の側枠部とは、組立て時の高さが一致し、互いが前記底面部に対し直角状になるように前記底面部に回動可能に係止されている折り畳み式水切りラックであって、前記第1の側枠部は、平行する第1の側辺部間を掛け渡す引掛部を備え、該引掛部は前記第1の側辺部から左右へ突出し、先端が屈曲する端部を備え、前記第2の側枠部は、平行する第2の側辺部間を掛け渡すガイド棒部を備え、該ガイド棒部は両端から逆V字状の係止部と、該係止部の先端間に、前記平行する第2の側辺部間で形成する面に対して直交するように連結した台形状の掛渡棒部とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る折り畳み式水切りラックは、一対から成る第1の側枠部を起立させた後に、一対から成る第2の側枠部を起立させるだけで簡便に組立てることができる。
【0010】
また、組み立てた状態で、水平方向から多少の衝撃を受けたとしても、不時に折り畳まれることがない。そして、組立てと逆の手順で作業を行うことで、簡単に折り畳むこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】組立てた状態の折り畳み式水切りラックの斜視図である。
【
図5】長側枠部を起立した状態の組立て途中の斜視図である。
【
図6】短側枠部を起立させる途中の状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
図1は折り畳み式水切りラック1を組立てた状態の斜視図、
図2は側面図、
図3は
図1の斜視図の手前角部を拡大した拡大斜視図である。
【0013】
折り畳み式水切りラック1はアルミニウムやステンレス等の直径2.5〜5mmの金属棒体を適宜に折曲、溶接して組合わせて成っている。水切りラック1の組立時の大きさは、縦20cm、横30cm、高さ10cm程度であり、台所のスペースに応じて、適宜のサイズのものを選択することが好ましい。
【0014】
水切りラック1は脚棒部を有する底面部2と、この底面部2の周囲に回動可能に係止したそれぞれ一対ずつの短側枠部3及び長側枠部4とから構成されている。一対から成り、対向する短側枠部3と、一対から成り、対向する長側枠部4とは、組立て時の高さが略一致し、互いが底面部2に対し直角状になるように底面部2に回動可能に係止されている。
【0015】
また、
図1及び
図2に示すように、水切りラック1を組立てた状態では、一対の短側枠部3は側面から見て逆八字状になるように対向して起立している。
【0016】
底面部2は、平行する一対の脚棒部2a、2bと、これらの脚棒部2a、2bの両端部間を掛け渡す一対の長辺部2dと、これらの長辺部2d間にあって、脚棒部2a、2b間を長辺部2dと平行して掛け渡す多数本の水切棒2cとを備えている。これらの水切棒2cは等間隔に配置されている。
【0017】
脚棒部2a、2bは主棒部2eと、この主棒部2eの両端から直角状に下方に延在する脚片部2fとから成り、水切棒2cには、主棒部2eと平行し水切棒2cの略中央を横切る補強棒2iが設けられている。長辺部2dの両端は、直角状に起立し、更に上端にはリング状に屈曲したリング部2gが形成されており、長辺部2dの中央部には、皿等の滑りを防止するための台形状の止め棒2hが取り付けられている。
【0018】
短側枠部3は、上辺部3aと、この上辺部3aの両端から直角状に下方に延在する側辺部3b、3cと、これらの平行する側辺部3b、3c間を掛け渡す引掛部3dと、引掛部3dと平行し側辺部3b間を掛け渡す補強部3eとから成っている。
【0019】
側辺部3b、3cの先端には、リング状に屈曲したリング部3fがそれぞれ形成されており、これらの一対のリング部3fに主棒部2eがそれぞれ挿通している。また、リング部3fは主棒部2eの長辺部2dと、隣接する水切棒2cとの中間位置の主棒部2eに係止されている。
【0020】
上辺部3aよりも長い引掛部3dは、側辺部3b、3cから左右へ突出する端部3gを備え、これらの端部3gの先端は側辺部3bが延在する下方向に屈曲している。そして、これらの屈曲個所には、合成樹脂製のクッション材3hがそれぞれ挿通されている。
【0021】
長側枠部4は、長辺部2dよりも若干長い上辺部4aと、この上辺部4aの両端から直角状に下方に延在する側辺部4b、4cと、これらの側辺部4b、4cの端部から連続し、上辺部4aと平行するように直角状に内側に延在する固定部4dと、更にこれらの固定部4dと連続し、側辺部4b、4cと平行する下方向に直角状に延在する先端部4eとを備えている。
【0022】
固定部4dは長辺部2dのリング部2gに挿通しており、先端部4eの長さを長辺部2dから起立するリング部2gの長さよりも長くなっている。所定の長さの先端部4eを設けることで、組み立てに際して先端部4eが長辺部2dに当接することで回動が規制され、90度以上外側に長側枠部4が回動することはない。
【0023】
平行する側辺部4b、4c間には、これらを掛け渡すガイド棒部4fが設けられている。このガイド棒部4fは両端から逆V字状の係止部4gと、この係止部4gの先端から上辺部4aに平行して延在する平行棒部4hとを有しており、更に平行棒部4hの先端間は外側に張り出す台形状の掛渡棒部4iにより連結されている。
【0024】
この台形状の掛渡棒部4iは、平行する側辺部4b、4c間で形成する面に対して直交するように配置されている。なお実施例では、平行棒部4hを設けているが、平行棒部4hを設けずに係止部4gの先端間に掛渡棒部4iを配置するようにしても支障はない。
【0025】
長側枠部4におけるガイド棒部4fの取り付け位置及び短側枠部3における引掛部3dの取り付け位置は、組立てたときに短側枠部3の端部3gが係止部4gを乗り越えて係止される程度の位置にそれぞれ固定されている。
【0026】
図4〜
図6は水切りラック1の組立て手順の説明図であり、
図4は折り畳んだ状態の斜視図、
図5は長側枠部4を起立した状態の組立て途中の斜視図、
図6は短側枠部3を起立させる途中の状態の斜視図である。
【0027】
図4に示すように水切りラック1は、内側に折り畳んだ短側枠部3上に長側枠部4が重なるように内側に折り畳まれている。組立てに際しては、先ず対向して折り畳まれた長側枠部4を外側に開くようにして引き起こす。
【0028】
長側枠部4はリング部2gに挿通した固定部4dを軸にして回動し、前述のように先端部4eが長辺部2dにより外側への回動を規制されることで、
図5に示す長側枠部4の起立状態が保持される。また、折り畳み時に垂直方向に張り出していた掛渡棒部4iは、長側枠部4が起立すると同時に水平方向に張り出すことになる。
【0029】
次に、長側枠部4と同様に、対向して折り畳まれた短側枠部3を外側に開くようにして引き起こすと、短側枠部3はリング部3fに挿通した主棒部2eを軸にして回動を開始する。
【0030】
長側枠部4を起立したときに、底面部21を介して対向する係止部4g間の長さよりも、引掛部3dの長さは若干長く、対向する掛渡棒部4iの張り出した個所間の長さより、引掛部3dの長さは若干短くしてある。
【0031】
そして、引掛部3dの端部3gは、短側枠部3の起立動作に応じて水平状に張り出した掛渡棒部4iの内側を通り抜けて、
図6に示すようにクッション材3hが係止部4gに当接する。
【0032】
なお、掛渡棒部4iが台形状ではなく直線である場合では、端部3gが掛渡棒部4iに引っ掛かってしまい、短側枠部3を起立させることができないが、掛渡棒部4iを台形状にすることで、端部3gが引っ掛かることなく内側を通り抜けて短側枠部3を起立させることができる。
【0033】
最後に係止部4gに当接した短側枠部3を更に引き起こすと、逆V字状の係止部4gの頂部を端部3gが乗り越えて、
図1に示すように水切りラック1の組立てた状態となる。この際に、端部3gに設けたクッション材3hにより、端部3gと係止部4gとの接触による摩耗等から保護されることになる。
【0034】
端部3gが係止部4gを乗り越えることで形状が保持されることになる。従って、水切りラックは水平方向からの衝撃を受けることが多いが、本実施例の水切りラック1が水平方向からの多少の衝撃を受けたとしても、係止部4gから端部3gが外れることはなく、不時に折り畳まれるようなことはない。
【0035】
折り畳む際には、逆の手順、つまり
図1の状態から強い力で短側枠部3を内側へ押すと、保持した形状が解除され、
図6、
図5、
図4の手順で、折り畳むことができる。このように、組立て、折り畳み作業が容易であり、素早く組立て、折り畳むことが可能である。
【符号の説明】
【0036】
1 折り畳み式水切りラック
2 底面部
2a、2b 脚棒部
2d 長辺部
2g リング部
3 短側枠部
3b、3c、4b、4c 側辺部
3d 引掛部
3g 端部
3h クッション材
4 長側枠部
4d 固定部
4e 先端部
4f ガイド棒部
4g 係止部
4i 掛渡棒部