(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記遅延情報取得部は、前記無線通信部により送信された下りリンクの無線フレームに応じて前記端末装置から送信されて前記無線通信部により受信された上りリンクの無線フレームの送信タイミングの補正値に基づいて、前記情報を取得する、
請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の基地局装置。
前記遅延情報取得部は、前記端末装置が自装置に最初にアクセスする際に送信するランダムアクセスチャネルに対して前記無線通信部により前記端末装置へ送信される前記送信タイミングの補正値に基づいて前記情報を取得する、
請求項3に記載の基地局装置。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る無線通信システム1の概略的な構成を示すブロック図である。
無線通信システム1は、基地局装置11と、端末装置31−1〜31−3(「ユーザ」等と呼ばれてもよい)を備える。
基地局装置11は、当該基地局装置11の通信エリア21に存在する端末装置31−1〜31−3と無線接続して収容し、当該端末装置31−1〜31−3と無線により通信する。
各端末装置31−1〜31−3は、例えば、スマートフォン等の携帯電話端末装置などである。
【0019】
なお、
図1では、1個の基地局装置11を示したが、無線通信システム1は複数の基地局装置を備える。
また、
図1では、3個の端末装置31−1〜31−3を示したが、通常は、無線通信システム1はさらに多数の端末装置を備える。
本実施形態では、LTE(Long Term Evolution)のシステムを想定しており、基地局装置11はeNB(evolved Node B)であり、各端末装置31−1〜31−3はUE(User Equipment)である。
【0020】
図2は、本発明の一実施形態に係る基地局装置11の概略的な構成を示すブロック図である。
基地局装置11は、無線通信部101と、有線通信部102と、入出力部103と、記憶部104と、制御部105を備える。制御部105は、遅延情報取得部121と、周波数判定部122と、キャリアアグリゲーション実行部123と、負荷分散実行部124を備える。
【0021】
無線通信部101は、端末装置31−1〜31−3と無線により通信する。
有線通信部102は、他の基地局装置あるいは上位の装置と有線により通信する。なお、この通信は、無線により行われてもよい。
入出力部103は、情報を入力すること、および、情報を出力することを行う。
一例として、入出力部103は、操作部を有しており、オペレータ(人)が当該操作部に対して行った操作に応じた情報を入力する。一例として、入出力部103は、他の装置から情報を入力する。なお、オペレータは、例えば、通信事業者であってもよく、または、それ以外の一般のユーザであってもよい。
一例として、入出力部103は、表示部を有しており、当該表示部の画面に情報を表示する。一例として、入出力部103は、音出力部を有しており、当該音出力部から音の情報を出力する。一例として、入出力部103は、他の装置に情報を出力する。
記憶部104は、情報を記憶する。
【0022】
制御部105は、基地局装置11における各種の処理の制御を行う。制御部105は、本実施形態で示される制御以外の制御を行ってもよい。
遅延情報取得部121は、自装置(基地局装置11)と端末装置31−1〜31−3との無線通信で発生する遅延に関する情報(本実施形態において、「遅延情報」という)を取得する。
周波数判定部122は、端末装置31−1〜31−3に関して、遅延情報取得部121により取得された遅延情報に基づいて、当該端末装置31−1〜31−3との無線通信に割り当てる周波数を判定する。
キャリアアグリゲーション実行部123は、キャリアアグリゲーションの処理を実行する。
負荷分散実行部124は、負荷分散の処理を実行する。
【0023】
図3は、本発明の一実施形態に係るキャリアアグリゲーションおよび負荷分散に関する端末装置31−1〜31−3ごとの可否を格納したテーブル1011の一例を示す図である。
テーブル1011は、記憶部104に記憶される。
テーブル1011は、端末装置31−1〜31−3の識別情報(本実施形態において、「端末ID」という)と、当該端末装置31−1〜31−3のキャリアアグリゲーションの可否(本実施形態において、「CA可否」という)と、当該端末装置31−1〜31−3の負荷分散の可否(本実施形態において、「MLB可否」という)と、を対応付けて格納している。また、当該テーブル1011は、CA可否およびMLB可否の欄において、当該端末装置31−1〜31−3により無線通信に使用することが可能な周波数を格納している。
【0024】
図3の例では、端末IDが001である端末装置(例えば、端末装置31−1)は、キャリアアグリゲーションが可能であり、キャリアアグリゲーションにおいて周波数f1と周波数f2(f1とf2とは異なる値)を使用することが可能であり、負荷分散が可能であり、負荷分散において周波数f1と周波数f2を使用することが可能である。
また、端末IDが002である端末装置(例えば、端末装置31−2)についても、端末IDが001である端末装置と同様である。
また、端末IDが003である端末装置(例えば、端末装置31−3)は、キャリアアグリゲーションが不可であり、負荷分散が不可であり、周波数f1のみを使用することが可能である。
【0025】
なお、本実施形態では、各端末装置31−1〜31−3において、キャリアアグリゲーションと負荷分散とで、使用することが可能な周波数が異なり得るとしており、実施の可否および使用することが可能な周波数を別々に管理している。
他の構成例として、各端末装置31−1〜31−3において、キャリアアグリゲーションと負荷分散とで、使用することが可能な周波数が同じである構成が用いられてもよい。この構成では、基地局装置11では、各端末装置31−1〜31−3について、キャリアアグリゲーションと負荷分散とで、実施の可否および使用することが可能な周波数を、まとめて共通に管理してもよい。
【0026】
ここで、テーブル1011に格納される情報は、例えば、基地局装置11と各端末装置31−1〜31−3とがはじめに無線接続するときに、当該各端末装置31−1〜31−3から当該基地局装置11に送信される。これにより、当該基地局装置11の制御部105は、当該情報を取得して、テーブル1011に格納する。
【0027】
図4は、本発明の一実施形態に係る端末装置31−1〜31−3ごとの遅延時間および距離を格納したテーブル1021の一例を示す図である。
テーブル1021は、記憶部104に記憶される。
テーブル1021は、端末装置31−1〜31−3の識別情報(端末ID)と、当該端末装置31−1〜31−3との無線通信で発生する遅延時間と、当該遅延時間に対応する距離と、を対応付けて格納している。当該距離は、基地局装置11と各端末装置31−1〜31−3との距離であり、推定値でもよい。
ここで、通常、遅延時間が大きい方が距離が大きく、遅延時間が小さい方が距離が小さい。
【0028】
図4の例では、端末IDが001である端末装置(例えば、端末装置31−1)は、遅延時間が0.1(単位は秒などであり、以下も同様)であり、距離が5(単位はメートルなどであり、以下も同様)である。
また、端末IDが002である端末装置(例えば、端末装置31−2)は、遅延時間が0.3であり、距離が15である。
また、端末IDが003である端末装置(例えば、端末装置31−3)は、遅延時間が0.2であり、距離が10である。
図4の例では、遅延情報取得部121は、遅延時間と距離とが比例する関係式を用いて、遅延時間から距離を算出する。他の構成例として、比例以外の関係式が用いられてもよい。
【0029】
ここで、テーブル1021に格納される遅延時間の情報は、例えば、基地局装置11と各端末装置31−1〜31−3とがはじめに無線接続するときに、当該基地局装置11の遅延情報取得部121がUL Timing補正値(TA Command)を用いて取得して、テーブル1021に格納する。また、遅延情報取得部121は、遅延時間の情報に基づいて、距離の情報を算出して、テーブル1021に格納する。
【0030】
図5は、本発明の一実施形態に係る遅延時間および距離と使用可能周波数との対応を格納したテーブル1031の一例を示す図である。
テーブル1031は、記憶部104に記憶される。本実施形態では、テーブル1031に格納される情報は、例えば、あらかじめ設定されて記憶される。また、テーブル1031に格納される情報は、例えば、上位の装置などから受信されて、設定(書き換えでもよい)されて記憶されてもよい。
【0031】
テーブル1031は、遅延時間と、距離と、キャリアアグリゲーションの可否およびキャリアアグリゲーションにおいて使用することが可能な周波数(本実施形態において、「使用可能周波数(CA)」という)と、負荷分散の可否および負荷分散において使用することが可能な周波数(本実施形態において、「使用可能周波数(MLB)」という)と、を対応付けて格納している。
ここで、遅延時間と距離との関係式としては、
図4に示されるテーブル1021に格納される遅延時間と距離との関係式と同じ式が用いられる。
【0032】
図5の例では、基地局装置11と端末装置31−1〜31−3との無線通信における遅延時間が0.21を超える場合(当該基地局装置11と当該端末装置31−1〜31−3との距離が10.5を超える場合)には、その距離の観点から、当該基地局装置11と当該端末装置31−1〜31−3との無線通信では周波数f2のみを使用することが可能であり、キャリアアグリゲーションが不可であり、負荷分散が不可である。
一方、基地局装置11と端末装置31−1〜31−3との無線通信における遅延時間が0.21以下である場合(当該基地局装置11と当該端末装置31−1〜31−3との距離が10.5以下である場合)には、その距離の観点から、当該基地局装置11と当該端末装置31−1〜31−3との無線通信では周波数f1および周波数f2を使用することが可能であり、キャリアアグリゲーションが可能であり、負荷分散が可能である。
【0033】
ここで、本実施形態では、キャリアアグリゲーションが可能か否かを判定する遅延時間に関する第1閾値が0.21(距離に関する第1閾値が10.5)である。
また、本実施形態では、負荷分散が可能か否かを判定する遅延時間に関する第2閾値が0.21(距離に関する第2閾値が10.5)である。
本実施形態では、キャリアアグリゲーションに関する第1閾値と、負荷分散に関する第2閾値とで、同じ値が用いられるが、他の構成例として、異なる値が用いられてもよい。
【0034】
なお、本実施形態では、キャリアアグリゲーションと負荷分散とで、その可否が異なり得るとしており、実施の可否を別々に管理している。
他の構成例として、キャリアアグリゲーションと負荷分散とで、その可否が同じである構成が用いられてもよい。この構成では、基地局装置11では、キャリアアグリゲーションと負荷分散とで、実施の可否を、まとめて共通に管理してもよい。
【0035】
また、本実施形態では、任意の端末装置31−1〜31−3について、
図5に示されるテーブル1031に格納される情報が共通に適用され得るとしている。他の構成例として、基地局装置11では、
図5に示されるテーブル1031のような複数種類のテーブルを記憶しておき、各端末装置31−1〜31−3ごとに、複数種類のうちで対応する1個のテーブルに格納された情報を参照する、構成が用いられてもよい。
【0036】
図6は、本発明の一実施形態に係る距離と使用可能周波数との対応を説明するための図である。
図6には、基地局装置11と、当該基地局装置11の全体の通信エリア21と、当該全体の通信エリア21のうちで近傍の通信エリア(近傍通信エリア211)および遠方の通信エリア(遠方通信エリア221)と、2個の端末装置31−1、31−2を示してある。
【0037】
ここで、全体の通信エリア21は、
図1に示されるものと同じである。
全体の通信エリア21のうちで、基地局装置11からの距離が所定の閾値以下である部分の領域を近傍通信エリア211としてある。また、全体の通信エリア21のうちで、基地局装置11からの距離が当該所定の閾値を超える部分の領域を遠方通信エリア221としてある。近傍通信エリア211と遠方通信エリア221とを合わせた領域が全体の通信エリア21となる。ここで、距離に関する当該所定の閾値は、
図5に示されるテーブル1031の例では、10.5(遅延時間では0.21)である。
【0038】
図6の例では、端末装置31−1は基地局装置11の近傍通信エリア211に存在する。一方、端末装置31−2は基地局装置11の遠方通信エリア221に存在する。
一般に、低い周波数を使用する無線通信の方が、高い周波数を使用する無線通信と比べて、遠方の領域まで通信が可能となる。
本実施形態では、周波数f1=2GHzとし、周波数f2=800MHzとする。そして、本実施形態では、基地局装置11と近傍通信エリア211に存在する端末装置31−1(他の端末装置についても同様)とは、周波数f1および周波数f2のうちの任意の周波数を使用して無線通信を行うことが可能であるとする。また、本実施形態では、基地局装置11と遠方通信エリア221に存在する端末装置31−2(他の端末装置についても同様)とは、周波数f2のみを使用して無線通信を行うことが可能であるとする。この情報は、例えば、あらかじめまたは任意のタイミングで、計算あるいは測定により決められて、
図5に示されるテーブル1031に設定される。
【0039】
図7は、本発明の一実施形態に係る基地局装置11と端末装置31−1とが無線接続を確立する処理の手順の一例を示すシーケンス図である。なお、端末装置31−1以外の端末装置についても同様である。
ここで、本シーケンスとしては、一般に知られているシーケンスが用いられてもよい。
【0040】
(処理T1)
基地局装置11は、自装置(当該基地局装置11)のセル(通信エリア)の配下に存在する端末装置31−1に対して、ランダムアクセスチャネル(RACH:Random Access Channel)に関連するパラメータを報知する。端末装置31−1は、当該パラメータを受信する。
(処理T2)
端末装置31−1は、受信されたパラメータを用いて、基地局装置11に対してRACHを送信する。基地局装置11は、当該RACHを受信する。これにより、基地局装置11では、遅延情報取得部121は、端末装置31−1との無線通信における遅延量(本実施形態では、往復遅延量)を検出することが可能である。
(処理T3)
基地局装置11は、端末装置31−1に対して、UL Timing補正値(TA Command)を送信する。端末装置31−1は、当該UL Timing補正値を受信する。
(処理T4)
端末装置31−1は、基地局装置11に対して、ULデータを送信する。基地局装置11は、当該ULデータを受信する。
ここで、UL Timing補正値(TA Command)は、基地局装置11と端末装置31−1との無線通信における往復遅延量を補正するためのコマンドである。基地局装置11がUL Timing補正値を端末装置31−1に送信することで、端末装置31−1から基地局装置11への上り(UL:Up Link)の信号の送信タイミングの調整を行う。
基地局装置11では、遅延情報取得部121は、UL Timing補正値に基づいて、端末装置31−1との距離を検出することが可能である。なお、UL Timing補正値と、距離との関係は、例えば、あらかじめ設定されて記憶部104に記憶されてもよい。
【0041】
このように、本実施形態では、遅延情報取得部121は、無線通信部101により送信された下りリンクの無線フレームに応じて、端末装置31−1から送信されて無線通信部101により受信された上りリンクの無線フレームの送信タイミングの補正値(本実施形態では、UL Timing補正値)に基づいて、情報を取得する。また、遅延情報取得部121は、端末装置31−1が自装置(基地局装置11)に最初にアクセスする際に送信するランダムアクセスチャネル(RACH)に対して無線通信部101により端末装置31−1へ送信される送信タイミングの補正値に基づいて情報を取得する。遅延情報取得部121は、送信タイミングの補正値に基づいて端末装置31−1についての往復遅延時間(往復遅延量)を算出し、当該往復遅延時間に基づいて情報を取得する。
【0042】
図8は、本発明の一実施形態に係る基地局装置11において行われる処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図8の例では、基地局装置11と端末装置31−1とで通信を行う場合を示すが、他の端末装置31−2〜31−3についても同様である。
【0043】
(ステップS1)
基地局装置11において、制御部105は、端末装置31−1との無線通信によって、当該端末装置31−1に関する情報(本実施形態において、「端末情報」という)を取得する。当該端末情報には、例えば、端末IDの情報、キャリアアグリゲーションに使用することが可能な周波数の情報、負荷分散に使用することが可能な周波数の情報が含まれてもよい。制御部105は、取得された端末情報を、
図3に示されるテーブル1011に格納する。
【0044】
(ステップS2)
基地局装置11において、遅延情報取得部121は、端末装置31−1との無線通信における遅延情報を取得する。遅延情報取得部121は、取得された遅延情報を、
図4に示されるテーブル1021に格納する。
【0045】
(ステップS3)
基地局装置11において、周波数判定部122は、
図3に示されるテーブル1011に格納された情報と、
図4に示されるテーブル1021に格納された情報と、
図5に示されるテーブル1031に格納された情報に基づいて、端末装置31との無線通信において、所定の処理に使用することが可能な周波数を判定する。
ここで、本実施形態では、当該所定の処理として、キャリアアグリゲーションの処理と、負荷分散の処理が用いられている。
【0046】
(ステップS4)
基地局装置11において、キャリアアグリゲーション実行部123は、端末装置31−1について、周波数判定部122によりキャリアアグリゲーションの処理に使用することが可能であると判定された周波数を使用して、キャリアアグリゲーションの処理を実行する。
また、基地局装置11において、負荷分散実行部124は、端末装置31−1について、周波数判定部122により負荷分散の処理に使用することが可能であると判定された周波数を使用して、負荷分散の処理を実行する。
【0047】
以上のように、本実施形態に係る無線通信システム1における基地局装置11では、キャリアアグリゲーションあるいは負荷分散を行うことが可能な遅延(または、距離でもよい)をあらかじめ設定しておく。そして、基地局装置11では、各端末装置31−1〜31−3との無線通信における遅延(または、距離でもよい)を検出し、その検出の結果に基づいて、キャリアアグリゲーションあるいは負荷分散に使用することが可能な周波数を判定する。
これにより、本実施形態に係る無線通信システム1における基地局装置11では、各端末装置31−1〜31−3ごとに、異周波数のMeasurementをせずに異周波数の割り当てを行うことができる。そして、基地局装置11では、キャリアアグリゲーションあるいは負荷分散を行うことが可能な端末装置については、これらを実行することが可能である。このように、異周波数のMeasurementの省略が可能となることにより、当該Measurementに要する処理時間の短縮化が可能であり、端末装置において当該Measurementに要する電力消費を省略することが可能である。
【0048】
一構成例として、端末装置(
図1の例では、端末装置31−1〜31−3)と無線により通信する無線通信部(
図2の例では、無線通信部101)と、無線通信部により端末装置と無線により通信する信号の遅延に関する情報を取得する遅延情報取得部(
図2の例では、遅延情報取得部121)と、遅延情報取得部により取得された情報に基づいて端末装置により通信に使用することが可能な周波数を判定する周波数判定部(
図2の例では、周波数判定部122)と、を備える基地局装置(
図1の例では、基地局装置11)である。
一構成例として、基地局装置において、遅延に関する情報と通信に使用することが可能な周波数との対応(
図5の例では、テーブル1031に格納された情報)を記憶する対応記憶部(
図2の例では、記憶部104)を備え、周波数判定部は、対応記憶部により記憶された対応に基づいて、周波数を判定する。
一構成例として、基地局装置において、遅延情報取得部は、無線通信部により送信された下りリンクの無線フレームに応じて端末装置から送信されて無線通信部により受信された上りリンクの無線フレームの送信タイミングの補正値に基づいて、情報を取得する。
一構成例として、基地局装置において、遅延情報取得部は、端末装置が自装置(当該基地局装置)に最初にアクセスする際に送信するランダムアクセスチャネル(RACH)に対して無線通信部により端末装置へ送信される送信タイミングの補正値に基づいて情報を取得する。
一構成例として、基地局装置において、遅延情報取得部は、送信タイミングの補正値に基づいて端末装置についての往復遅延時間を算出し、当該往復遅延時間に基づいて情報を取得する。
一構成例として、基地局装置において、遅延に関する情報は、距離の情報である。
一構成例として、基地局装置において、周波数判定部により判定された周波数を使用して、キャリアアグリゲーションの処理を実行するキャリアアグリゲーション実行部(
図2の例では、キャリアアグリゲーション実行部123)を備え、周波数判定部は、遅延が所定の第1閾値以下である場合に、キャリアアグリゲーションに使用される周波数を、端末装置により通信に使用することが可能な周波数として、判定する。
一構成例として、基地局装置において、周波数判定部により判定された周波数を使用して、負荷分散の処理を実行する負荷分散実行部(
図2の例では、負荷分散実行部124)を備え、周波数判定部は、遅延が所定の第2閾値以下である場合に、負荷分散に使用される周波数を、端末装置により通信に使用することが可能な周波数として、判定する。
【0049】
一構成例として、無線通信部が、端末装置と無線により通信し、遅延情報取得部が、無線通信部により端末装置と無線により通信する信号の遅延に関する情報を取得し、周波数判定部が、遅延情報取得部により取得された情報に基づいて端末装置により通信に使用することが可能な周波数を判定する、基地局装置における通信方法(
図1の例では、基地局装置11において行われる通信方法)である。
一構成例として、基地局装置が備えるコンピュータに、端末装置と無線により通信するステップと、端末装置と無線により通信する信号の遅延に関する情報を取得するステップと、取得された情報に基づいて端末装置により通信に使用することが可能な周波数を判定するステップと、を実行させるためのプログラム(
図1の例では、基地局装置11において実行されるプログラム)である。
【0050】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0051】
また、以上に示した実施形態に係る各装置(例えば、基地局装置11、端末装置31−1〜31−3など)の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、処理を行ってもよい。
なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、オペレーティング・システム(OS:Operating System)あるいは周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disk)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
さらに、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記のプログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)あるいは電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上記のプログラムは、前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。