(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明を実施するための形態(以下、実施形態という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態における再生可能エネルギー発電システムである風力発電システムの全体構成を示す図である。
図1は、風力発電システム1000と、電力系統2000と、電力会社3000と、少なくとも2つの気象情報配信サービス4000(4000a、4000b)で構成される。気象情報配信サービス4000は、総称するときに符号4000、個別に指すときに符号4000a,4000bを用いる。この点については他についても同様である。
【0019】
風力発電システム1000は、少なくとも1つの風力発電装置100(100a、100b)と、少なくとも1つの蓄電装置200と、系統連系変圧器300と、監視制御装置400で構成される。なお、風力発電装置100と蓄電装置200が接続される地点を連系点500とした。
【0020】
電力会社3000は、電力系統2000を運用しており、電力系統2000における電力の需要と供給のバランスを取る責任を負う。
【0021】
気象情報配信サービス4000(4000a、4000b)は、風力発電システム1000を含む地域の、風速、風向等を含む気象情報を通信等の手段により定期的に配信する機能を有する。気象情報は、例えば気象庁の提供する時系列予報などを配信するサービスを用いることができる。
【0022】
次に、風力発電システム1000を構成する各部について説明する。
風力発電装置100(100a、100b)は、風力発電機110(110a、110b)と、風力発電装置用変圧器120(120a、120b)と、風車制御部130(130a、130b)で構成される。
【0023】
風力発電機110は、風力を電力にエネルギー変換する。風力発電装置用変圧器120は、風力発電機110を電力系統2000に接続するために、風力発電機110の端子電圧を昇圧して連系点500の電圧に一致させる。風車制御部130は、風力発電機110のピッチ角又は回転数を制御して、風力発電機110の発電電力を減少させる機能を有する。
【0024】
蓄電装置200は、蓄電池210と、電力変換器220と、蓄電装置用変圧器230と、蓄電池制御部240で構成される。蓄電池210は、風力発電装置100(100a、100b)が発電した電力を充電し、また電力系統2000に電力を放電する。なお、蓄電池210は、鉛蓄電池、ナトリウム硫黄電池、レドックスフロー電池、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、リチウムイオンキャパシタのいずれか一種類、あるいはこれらの組み合わせにより構成される。また、蓄電装置200は、電気二重層キャパシタを用いる形態、二次電池と電気二重層キャパシタとを組み合わせる形態、あるいは、他の蓄電要素を組み合わせる形態などであっても良い。さらに、フライホイールなど電気エネルギーを運動エネルギーとして蓄積するものであっても良い。
【0025】
電力変換器220は、蓄電池210が充電するために風力発電装置100が発電した交流電力を直流電力に変換し、また蓄電池210が放電する直流電力を電力系統2000に送るために交流電力に変換する。さらに、蓄電池制御部240から指令される充放電出力目標値に追従するように、蓄電池210の充放電出力を制御する。
【0026】
蓄電装置用変圧器230は、蓄電装置200を電力系統2000に接続するために、電力変換器220の電力系統側の端子電圧を昇圧して連系点500の電圧に一致させる。
蓄電池制御部240は、電力変換器220に充放電出力目標値を送る。また、蓄電池210の充電率(SOC:State Of Charge)を取得する。系統連系変圧器300は、風力発電装置100及び蓄電装置200を電力系統2000に連系するため、連系点500の電圧を昇圧して電力系統2000の電圧と一致させる。
【0027】
監視制御装置400は、制御装置410と、監視装置420で構成される。制御装置410は、気象情報配信サービス4000から風速予測値と、風車制御部130から風力発電装置100の発電出力と、蓄電池制御部240から蓄電装置200の充電率を受信する。そして、受信したデータから風力発電システム1000の発電計画値を演算し、発電計画値を電力会社3000に送信する。また、発電計画に応じて風力発電装置100及び蓄電装置200の制御指令を演算し、風車制御部130・蓄電池制御部240に制御指令を送信する。監視装置420は、制御装置410の入出力データ及び演算処理の中間データをモニタに表示する。
【0028】
次に、制御装置410の機能について説明する。
図2は、第1実施形態における制御装置の構成を示す図である。
図2を用いて、制御装置410の機能ブロックについて説明する。なお、以下に説明するような機能を有する制御装置410は、それぞれのブロックを専用のハードウェア制御回路で構成することにより実現することもできる。また、その一部のブロックを一つ又は複数のマイクロプロセッサで構成して実現することもできるし、あるいは、全体を一つ以上のコンピュータで構成して実現することもできる。
【0029】
制御装置410は、気象予測取得部411と、充電率取得部412と、発電出力取得部413と、発電予測値演算部414(発電予測部)と、気象予測誤差指標演算部415と、発電計画決定部416と、制御指令決定部417で構成される。
【0030】
気象予測取得部411は、気象情報配信サービス4000から風速予測値WSF(第1風速予測値WSF1、第2風速予測値WSF2)を取得する。充電率取得部412は、蓄電装置200の蓄電池制御部240から充電率を取得する。発電出力取得部413は、風力発電装置の発電実績値PGAを取得する。発電予測値演算部414は、第1風速予測値WSF1、第2風速予測値WSF2に対応する風力発電装置100の第1発電予測値PGF1、第2発電予測値PGF2を算出する。例えば、発電予測値演算部414は、風力発電装置100に対して予め定まる風速と発電出力の相関関係に基づいて風力発電装置100の発電出力を予測する。
【0031】
図3は、第1実施形態における気象予測誤差指標Rの計算方法を説明するためのグラフであり、(a)は風速予測値WSFの時間変化、(b)は発電予測値PGFの時間変化、(c)は気象予測誤差指標Rの時間変化である。気象予測誤差指標演算部415は、
図3(a)に示す異なる方式の少なくとも2つの風速予測値WSFである第1風速予測値WSF1、第2風速予測値WSF2から、
図3(b)に示す第1風速予測値WSF1、第2風速予測値WSF2に対応する第1発電予測値PGF1、第2発電予測値PGF2を計算する。そして、第1発電予測値PGF1、第2発電予測値PGF2における相互の差分(|PGF1−PGF2|)を、
図3(c)に示す気象予測誤差指標Rとして算出するように構成される。
【0032】
ここで、第1風速予測値WSF1は、対象のウィンドファームを含む広域気象予報によって得られる。例えば、広域気象予報では、地球全体をカバーする全球モデルを用いて風速を予測する。全球モデルの格子間隔は20kmであり、1週間先までの風速予測が可能である。
【0033】
一方、第2風速予測値WSF2は、ウィンドファーム地点の局所気象予報によって得られる。例えば、局所気象予報では、地形データと、統計データと、広域気象予報に基づく第1風速予測値WSF1等を入力とする気象予測システムを用いて風速を予測する。気象予測システムの格子間隔は2.5kmであり、数日先までの風速予測が可能である。
【0034】
一般的に、第1風速予測値WSF1に対応する第1発電予測値PGF1と第2風速予測値WSF2に対応する第2発電予測値PGF2の差分(|PGF1−PGF2|)が大きい時刻は、広域の20km格子間隔内の気象条件の変動が速く風速予測誤差が大きくなりやすい。
【0035】
そこで、本実施形態では、第1発電予測値PGF1と第2発電予測値PGF2の乖離の大きさが予め設定した閾値より大きい時刻は、気象予測の信頼性が低いと判定する。なお、気象予測誤差指標R、発電予測値PGF、及び発電実績値の過去データに基づいて、閾値を更新しても良い。例えば、気象予測誤差指標Rが閾値以下となった各時間断面の発電予測値PGFと発電実績値から予測誤差を計算し、予測誤差が蓄電装置200の定格出力以下となる時間断面が全体の95%となるように閾値を調整する。
【0036】
図2に戻り、発電計画決定部416は、発電予測値演算部414で算出された風力発電装置100の発電予測値PGF(第1発電予測値PGF1、第2発電予測値PGF2)と、蓄電装置200の充電率SOCと、気象予測誤差指標Rに応じて、蓄電装置の充電率が適正範囲内に収まるように第2発電計画値PGP2を決定する。
【0037】
ここで、風力発電装置100の発電予測値PGF(第1発電予測値PGF1、第2発電予測値PGF2)のみに依存して第2発電計画値PGP2を決定すると、発電予測値PGF(第1発電予測値PGF1、第2発電予測値PGF2)が発電実績値PGAから大きく外れた場合に、蓄電装置200の充放電出力が大きくなり、充電率SOCの変動が大きくなってしまう。蓄電装置200の蓄電容量は、充電率SOCの変動が蓄電装置200に定められた適正範囲内に収まる容量とする必要があるので、充電率の変動が大きいと、その変動に対応可能な大容量の蓄電装置200を設置する必要があり、設備コストを増大させてしまう。
【0038】
制御指令決定部417は、発電計画決定部416で算出された第2発電計画値PGP2と蓄電装置200の充電率SOCと風力発電装置100の発電実績値PGAに応じて、風力発電システム1000から電力系統2000に送られる電力が第2発電計画値PGP2に追従するように蓄電装置200の充放電出力を決定する。また、蓄電装置200の充電率SOC又は充電出力が定められた適正範囲の上限に達する場合は、風力発電装置100の発電出力の抑制量を決定する。
【0039】
一方、蓄電装置200の充電率SOC又は放電出力が定められた適正範囲の下限に達する場合は、風速に応じた最大出力で運転している風力発電装置100の発電出力を増加させることはできないため、第2発電計画値PGP2を達成することができなくなる。その場合は、電力会社3000と事前に取り決めたペナルティが課される。
【0040】
次に、発電計画決定部416の構成及び処理を説明する。
図4は、発電計画決定部416が第2発電計画値PGP2を決定するための構成を示すブロック図である。発電計画決定部416は、最適発電予測値演算部1と、第1発電計画値演算部2と、発電計画補正部3と、ゲイン切替え信号決定部4と、ゲイン切替え部5と、充電率ゲイン決定部6で構成される。
【0041】
図5及び
図6を用いて、第2発電計画値PGP2を決定する処理を説明する。まず、
図5は、予め設定した周期で電力会社3000に、第2発電計画値PGP2を事前申告する処理を示すフローチャートである。
【0042】
(処理S101及び処理S105)
発電計画決定部416は、第2発電計画値PGP2の申告周期で処理S102〜処理S104を繰り返す。発電計画値の申告周期は、申告先の電力会社3000と事前に取り決めた期間に設定するか、あるいは気象情報配信サービス4000の風速予測値WSFの配信周期に設定しても良い。
【0043】
(処理S102)
気象情報配信サービス4000(4000a、4000b)から風速予測値WSF(第1風速予測値WSF1、第2風速予測値WSF2)を取得する。例えば、気象情報配信サービスは、1週間先までの風速予測値WSFを最新予測値に更新して1日に4回配信する。そのため、処理S102が実行される時点で最新の風速予測値WSFを取得することが望ましい。
【0044】
(処理S103)
処理S102で取得した風速予測値WSF(第1風速予測値WSF1、第2風速予測値WSF2)等に基づいて発電計画値を演算する。予め定められた申告期限までに、第2発電計画値PGP2を電力会社3000に申告する必要がある。申告期限は、電力会社3000が風力発電の発電不足を補償するための発電機の起動時間を確保できる程度に設定することが望ましい。そこで、本実施形態では申告期限を6時間程とした。発電計画値の決定方法は、
図6を用いて後述する。
【0045】
(処理S104)
処理S103の第2発電計画値PGP2を電力会社3000に事前申告する。
【0046】
図6は、発電計画決定部416が第2発電計画値PGP2を決定するための処理を示すフローチャートである。各ステップの処理を以下に示す。
【0047】
(処理S201)
発電計画決定部416は、第2発電計画値PGP2の申告時刻の度に、処理S201〜処理S208を実行する。
【0048】
(処理S202)
最適発電予測値演算部1は、第1発電予測値PGF1と第2発電予測値PGF2の各々に重み係数α,βを乗じた値の和を最適発電予測値OPGFとして算出する。なお、重み係数α,βは、発電実績値PGAの過去データから、発電実績値PGAと最適発電予測値OPGFの差が所定値以下になるように設定する。あるいは、地形、風向、風速、季節、曜日、時刻、気圧、気圧配置、気温、降水量、湿度、前線のいずれか一つ以上と、重み係数α,βとを対応づけたテーブルを持ち、地形、風向、風速、季節、曜日、時刻、気圧、気圧配置、気温、降水量、湿度、前線に応じて重み係数α,βを変更しても良い。
【0049】
(処理S203)
第1発電計画値演算部2は、最適発電予測値OPGFを蓄積し、予め定めた周期で平均値を計算し、その平均値を第1発電計画値PGP1として算出する。平均値を計算する周期は、第2発電計画値PGP2の申告周期としても良い。
【0050】
(処理S204〜処理S206)
ゲイン切替え信号決定部4は、
図7に示す発電計画値の運用期間ΔT(時刻T2〜時刻T3)において、気象予測誤差指標演算部415が算出する気象予測誤差指標Rが予め定めた閾値(所定値)以上のときは(処理S204,Yes)、補正ゲインGに気象予測誤差ゲインG1を選択する信号をゲイン切替え部5に出力する(処理S205)。気象予測誤差ゲインG1は、発電計画値を減少させるように補正するため、1より小さい値(例えば、0.8)に設定する。一方、気象予測誤差指標Rが予め定めた閾値未満のときは(処理S204,No)、補正ゲインGに充電率ゲインG2を選択する信号をゲイン切替え部5に出力する(処理S206)。ゲイン切替え部5は、ゲイン切替え信号決定部4から送られる信号に基づいて、気象予測誤差ゲインG1と充電率ゲインG2から補正ゲインGに採用する方を選択する。
【0051】
(処理S207)
充電率ゲイン決定部6は、蓄電装置200の充電率SOCに基づいて充電率ゲインG2を決定する。なお、
図4に示す様な充電率ゲインテーブルに基づいて、充電率ゲイン(G2)を決定する。
【0052】
充電率ゲインテーブルとは、充電率SOCが予め定めた範囲内(例えば、40%≦SOC≦70%)の場合は、充電率ゲインを1.0に設定したテーブルである。また、充電率SOCが予め定めた範囲の下側閾値SOCLTより小さい場合は(例えば、SOC<SOCLT(40%))、充電率ゲインを1より小さい値(例えば、0.5)に設定したテーブルである。また、充電率SOCが上側閾値SOCULより大きい場合は(例えば、SOC>SOCUL(70%))、充電率ゲインを1より大きい値(例えば、1.5)に設定したテーブルである。
【0053】
(処理S208)
発電計画補正部3は、第1発電計画値演算部2から送られる第1発電計画値PGP1に、充電率ゲイン決定部6から送られる補正ゲインGを乗じて、第2発電計画値PGP2を算出する。あるいは、補正ゲインGを乗じたときの補正量に相当する値を第1発電計画値PGP1に加算又は減算しても良い。
【0054】
上記構成を有する発電計画決定部416によれば、補正ゲインGは、気象予測誤差指標Rに基づいて決定されるため、補正ゲインGによって補正される第2発電計画値PGP2にも気象予測誤差指標Rが反映される。そして、風力発電装置100の発電実績値PGAと第2発電計画値PGP2の差分が蓄電装置200の充放電出力となるため、気象予測誤差指標Rを考慮した蓄電装置200の充放電制御が可能になる。気象予測誤差指標Rによって気象予測の信頼性が低いと判定される場合は、蓄電装置200の放電電力を減少させるように補正するため、蓄電装置200の充電率SOCが適正範囲の下限閾値に達するのを回避でき、蓄電容量を削減することが可能となる。
【0055】
図7は、第1実施形態における気象予測誤差指標Rに基づいて発電計画値を変更した場合のグラフである。
図7に示すシミュレーション結果を参照して、発電計画決定部416により、気象予測誤差指標Rに基づいて第2発電計画値PGP2を決定した場合の蓄電容量の削減効果を説明する。
【0056】
図7において、(a)は気象予測誤差指標Rを示すグラフで、(b)は気象予測誤差指標Rに応じて決まる第2発電計画値PGP2の補正ゲインGを示すグラフで、(c)は第1発電計画値PGP1、第2発電計画値PGP2、及び風力発電装置100の発電実績値PGAを示すグラフで、(d)は蓄電装置200の充放電電力を示すグラフで、(e)は蓄電装置200の充電率SOCを示すグラフで、(f)は第2発電計画値PGP2に対する発電実績値PGAと充放電電力CDPの和(PGA+CDP)の偏差(PGP2−(PGA+CDP))を示すグラフである。
【0057】
図7(a)に示すように、時刻T0に気象予測情報を取得し、発電計画値の申告期限の時刻T1までに、申告期限の時刻T1から例えば6時間先の発電計画値の運用期間ΔT(時刻T2〜時刻T3の期間)の気象予測誤差指標Rを計算する。
図7(a)に示す例では、発電計画値の運用期間ΔT(時刻T2〜時刻T3の期間)で気象予測誤差指標Rは予め設定した閾値より大きいため、運用期間ΔT(時刻T2〜時刻T3の期間)における気象予測の誤差は大きくなる。
【0058】
まず、比較例として、補正前の第1発電計画値PGP1を申告した場合について述べる。
図7(c)に示すように発電実績値PGAが急減するときに発電実績値PGAと第1発電計画値PGP1の乖離が大きくなり、
図7(d)に示す蓄電池の放電電力が大きくなった。そして、
図7(e)に示す蓄電装置200の充電率SOCは徐々に低下し、下限値に達して放電が停止した。そのため、発電実績値PGAが第1発電計画値PGP1(比較例)より小さい時に放電による補償ができなくなり、
図7(f)に示す発電計画値との偏差は許容範囲を逸脱した。
【0059】
一方、本実施形態の手法では、
図7(a)の運用期間ΔT(時刻T2〜時刻T3の期間)のように気象予測誤差指標Rが閾値を超えた場合は、
図7(b)に示す第2発電計画値PGP2の補正ゲインGは1より小さい値(例えば、0.8)となり、補正ゲインGによって発電計画値は減少補正される。発電計画値の補正によって、
図7(c)に示すように、補正前の第1発電計画値PGP1(比較例)と比べて補正後の第2発電計画値PGP2は、発電実績値PGAに近い値となる。これにより、第1発電計画値PGP1(比較例)に対して第2発電計画値PGP2の
図7(d)に示す蓄電装置の放電電力は抑制されたため、
図7(e)に示すSOCは適正範囲内に収まり、そして
図7(e)に示す発電計画値との偏差を許容範囲に収めることができた。
【0060】
次に、特許文献2の手法(該特許文献2の
図9、段落0051参照)との比較について述べる。特許文献2の手法は、第1風速予測値WSF1に基づく第1発電予測値PGF1と第2風速予測値WSF2に基づく第2発電予測値PGF2の差分(|PGF1−PGF2|)から気象予測誤差指標を計算することに関して、本実施形態と同様である。しかし、第1風速予測値WSF1と第2風速予測値WSF2に用いるものが違う。本実施形態では、第1風速予測値WSF1は広域気象予測情報から得られる風速予測値WSFであり、第2風速予測値WSF2は局所気象予測情報から得られる風速予測値WSFである。広域気象予測情報と局所気象予測情報は、いずれも数日から1週間先までの風速予測値WSFを配信する。
【0061】
それに対し、特許文献2では、第1風速予測値WSF1は広域又は局所の気象予測情報から得られる風速予測値WSFであり、第2風速予測値WSF2は前方風速計の計測結果に基づく風速予測値WSFである。前方風速計は、各々の風力発電装置の前方位置の風速予測点における風速を計測可能な構成を有し、例えば、ライダー(LIDAR:Light Detection And Ranging)と称される計測器が用いられる。前方風速計の計測結果に基づく風速予測値WSFは、数秒から数分後までの風力予測が可能である。なお、詳細については特許文献2に記載されている。
【0062】
図8は、特許文献2の手法における気象予測誤差指標の計算方法を説明するためのグラフであり、(a)は発電予測値PGFを示すグラフ、(b)は気象予測誤差指標Rを示すグラフ、(c)は発電実績値PGAを示すグラフである。特許文献2では、例えば発電計画値を6時間前に電力会社に申告する連系形態の場合、時刻T0において第1風速予測値WSF1及び第2風速予測値WSF2を取得し、
図8(a)に示す第1発電予測値PGF1及び第2発電予測値PGF2を計算したとする。このとき、第2発電予測値PGF2は時刻T0から数分後までしか予測できないため、
図8(b)に示す気象予測誤差指標RはT0から数分後までしか計算できない。そのため、発電の申告期限の時刻T1までに、6時間後の発電計画値の運用期間ΔT(時刻T2〜時刻T3の期間)の気象予測誤差指標Rを計算することができない。
【0063】
さらに、発電計画値の運用期間ΔT(時刻T2〜時刻T3の期間)の気象予測誤差指標Rを、時刻T0から数分後の気象予測誤差指標Rで代用した場合について述べる。特許文献2の手法では、気象予測誤差指標Rが予め設定された閾値より大きい場合には、気象予測情報から得た第1風速予測値WSF1に基づく第1発電予測値PGF1に代えて、前方風速計の計測結果である第2風速予測値WSF2に基づく第2発電予測値PGF2から発電計画値を決定する。しかし、第2発電予測値PGF2は数分後までしか予測できないため、発電計画値の申告時刻と運用開始時刻が数時間離れている場合には、第2発電予測値PGF2の信頼性は低くなる。
【0064】
図8(c)は発電計画値の申告期限の時刻T1と運用開始の時刻T2が6時間離れていると想定し、発電実績値PGAを6時間ずらしたグラフである。
図8(c)に示すように、元の波形と6時間ずらした波形の乖離が大きい場合は第2発電予測値PGF2の信頼性は低い。一般的に、発電出力が短期間で変動する場合には、風速予測の精度が低くなり気象予測誤差指標Rは閾値を超えやすい。そのため、気象予測誤差指標Rが閾値を超えるときは、第2発電予測値PGF2の信頼性は低いといえる。
【0065】
以上説明したように、気象予測誤差指標Rに基づいて第2発電計画値PGP2を決定することにより、蓄電装置200による無駄な充放電を回避できるので充電率SOCの変動を小さくでき、蓄電装置の容量を削減できる。
【0066】
(変形例1)
第1実施形態では2つの風速予測値WSF(第1風速予測値WSF1及び第2風速予測値WSF2)に基づく2つの発電予測値PGF(第1発電予測値PGF1及び第2発電予測値PGF2)から気象予測誤差指標Rを計算したが、第1実施形態の変形例1では1つの風速予測値WSF(第1風速予測値WSF1又は第2風速予測値WSF2)に基づく1つの発電予測値PGF(第1発電予測値PGF1又は第2発電予測値PGF2)から気象予測誤差指標Rを計算することができる。
【0067】
図9は、第1実施形態の変形例1における制御装置410bの構成を示す図である。制御装置410から気象予測誤差指標演算部415bを変更した。制御装置410bの要素のうち、制御装置410と同一の符号を付けた要素については、同一の機能を有するとして、その説明を省略する。
【0068】
図10は、気象予測誤差指標演算部415bが発電予測値PGF(第1発電予測値PGF1又は第2発電予測値PGF2)から気象予測誤差指標Rを算出する方法を説明する図である。なお、
図10は、局所気象予測情報から得られる第2風速予測値WSF2に基づく第2発電予測値PGF2を用いた例であるが、広域気象予測情報から得られる第1風速予測値WSF1に基づく第1発電予測値PGF1を用いても良い。
【0069】
気象予測誤差指標演算部415bは、発電計画値の運用期間ΔTaを含み、かつ発電計画値の運用期間ΔTaより広い期間の気象予測誤差の評価期間ΔTbを予め定める。そして、気象予測誤差の評価期間ΔTbにおいて、
図10(a)に示す第2風速予測値WSF2に基づく
図10(b)に示す第2発電予測値PGF2から、その変動量を計算したものを
図10(c)に示す気象予測誤差指標Rとする。すなわち、変形例1の場合、気象予測誤差指標演算部415bは、気象予報の予測値の所定時間(例えば、
図10(a)のΔTb)の変動量を表す指標(例えば、
図10(b)の極点数)から気象予測誤差指標Rを計算する。
【0070】
図10の例では、第2発電予測値PGF2の変動量の計算方法として、第2発電予測値PGF2の波形の極点数を用いた。
図10(b)、(c)に示すように、気象予測誤差の評価期間ΔTbの極点数は10個であった。極点数が多いほど気象の変化が速く気象予測の難易度は高くなるため、気象予測の誤差は大きくなる。なお、極点数の他に、気象予測誤差の評価期間ΔTbの第2発電予測値PGF2の最小値と最大値の差を気象予測誤差指標Rとしても良い。あるいは、極点間の第2発電予測値PGF2の差(例えば、
図10(b)に示す極点1と極点2の発電予測値PGFの差)が所定値より大きい極点の数を気象予測誤差指標Rとしても良い。
【0071】
(変形例2)
第1実施形態の変形例2では発電予測値PGFと発電実績値の履歴データから気象予測誤差指標Rの決定するためのテーブルを作成する。履歴データを用いるため気象予測誤差指標Rの精度を向上できる。
【0072】
図11は、第1実施形態の変形例2における制御装置410cの構成を示す図である。
図2に示す制御装置410の要素に加え、風向取得部418、気象予測誤差指標演算部415cを含む。制御装置410cの要素のうち、制御装置410と同一の符号を付けた要素については、同一の機能を有するとして、その説明を省略する。
【0073】
気象予測誤差指標演算部415cは、風向取得部418が気象情報配信サービス4000(4000a、4000b)から取得した風向予測値WDFと、風向予測値WDFの履歴データから予め作成した風向予測値WDFと気象予測誤差指標Rを対応づけたテーブル(例えば、
図12(b)から作成されたテーブル)に基づいて気象予測誤差指標Rを決定する。なお、例として風向予測値WDFを用いたが、発電予測誤差と相関のある他の要素(例えば、風向、風速、季節、曜日、時刻、気圧、気圧配置、気温、降水量、湿度、前線)を代わりに用いても良い。
【0074】
図12は、第1実施形態の変形例2における気象予測誤差指標Rの計算方法を説明するためのグラフであり、(a)は風向予測値WDFと発電予測誤差との関係を示すグラフ、(b)は、風向予測値WDFと気象予測誤差指標Rの関係を示すグラフである。
図12を参照して、風向予測値WDFと気象予測誤差指標Rを対応づけたテーブルの作成方法を説明する。
【0075】
発電実績値PGA、第2発電予測値PGF2、及び風向予測値WDFの履歴データを記憶しておき、
図12(a)に示すように風向予測値(WDFに対する発電予測誤差(PGF2−PGA)をプロットし、各プロットの発電予測誤差の絶対値(|PGF2−PGA|)を計算する。そして、所定の風向範囲(例えば、60°)に対して、
図12(b)に示すように発電予測誤差の絶対値(|PGF2−PGA|)の複数プロットの平均値を求め、その平均値を気象予測誤差指標Rとしたテーブルを作成する。
【0076】
なお、例として発電予測誤差を絶対値として扱ったが、発電予測誤差の正負のどちらか片方を用いても良い。例えば、蓄電装置200の充電率SOCが下限値に達するのを防止したい場合には、第2発電予測値PGF2に対して発電実績値PGAが小さい時に蓄電池210が放電するため、発電予測誤差(PGF2−PGA)が正の値だけを用いて
図12(b)のテーブルを作成すれば良い。また、例として発電予測誤差の絶対値(|PGF2−PGA|)の平均値を計算したが、最大値又は95%信頼区の上限値を計算しても良い。
【0077】
ここで、特許文献3の手法との比較について述べる。特許文献3の手法は、発電実績値PGAの履歴データを用いることに関して、変形例2と同様である。しかし、特許文献3の手法は、所定の期間(特許文献3では、19分間)前から現在の時刻までの発電実績値(PGA)の変動範囲内に、次の制御期間(特許文献3では、現在から1分後まで)における発電実績値PGAは存在すると仮定した予測手法である。特許文献3が対象とする連系要件(非特許文献3)と本発明が対象とする連系要件(非特許文献1)の違いは、発電計画値の申告時刻の時刻T1と運用開始の時刻T2が数時間離れていることである。例えば、前述の
図8(c)に示すように、現在の時刻と数時間後(例えば、6時間後)の発電実績値PGAの乖離は大きいため、特許文献3の仮定は成り立たなくなる。つまり、特許文献3の手法を本発明の連系要件(非特許文献1)に適用すると、発電予測誤差は大きくなり、蓄電装置による無駄な充放電が増えて必要な蓄電装置の容量が大きくなる。
【0078】
<第2実施形態>
図13は、第2実施形態における原動機付き発電装置を用いる場合の風力発電システム1000bを示す構成図である。
図1に対して原動機620により駆動される発電機630を追加した実施形態を示している。
図13において、
図1に示した風力発電システム1000と同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0079】
原動機付き発電装置600は、燃料貯蔵装置610、原動機620、発電機630、発電機用変圧器640、発電機制御部650を有し、発電機630は、燃料貯蔵装置610が貯蔵した燃料を動力に変換する内燃機関である原動機620によって駆動する発電機630であり、燃料にバイオディーゼル等の再生可能エネルギーを用いることによって、風力発電システム1000bの自然環境負荷を低減することができる。なお、発電機制御部650は、発電機630の発電出力を制御する。
【0080】
図14は、第2実施形態における原動機付き発電機装置を用いる場合の制御装置410dの機能ブロック図である。制御装置410dは、
図2の制御装置410に対して、発電計画決定部416bの出力に原動機付き発電装置600の起動停止指令が追加されたものである。起動停止指令は制御指令決定部417bを介して、原動機付き発電装置600に送られる。
【0081】
図15は、発電計画決定部416bの構成を示すブロック図である。発電計画決定部416bは、
図4の発電計画決定部416に対して、原動機付き発電装置600の起動及び停止の計画を決定する起動停止計画決定部7を追加したものである。なお、起動停止計画決定部7の追加に伴って、
図4に示す発電計画決定部416のゲイン切替え信号決定部4とゲイン切替え部5は省略された。
【0082】
図16は、起動停止計画決定部7の処理を示すフローチャートである。各ステップの処理を以下に示す。
(処理S201)
起動停止計画決定部7は、気象予測誤差指標演算部415が気象予測誤差指標の演算結果を更新するたびに実行される。
【0083】
(処理S202,S203,S204)
気象予測誤差指標演算部415から気象予測誤差指標の計算結果を読み込んで、気象予測誤差指標Rが予め定めた閾値を超過するかを判定する(処理S202)。気象予測誤差指標Rが閾値を超過した場合は(処理S202,Yes)、気象予測誤差指標Rが閾値以上となる各時刻において、原動機付き発電装置600が発電可能状態となるように、起動指令を決定する(処理S203)。なお、原動機付き発電装置600は、起動してから実際に発電可能となるまで所定の時間(例えば、3時間)を要する。気象予測誤差指標Rが閾値未満となった場合は(処理S202,No)、原動機付き発電装置600の停止指令を決定する(処理S204)。
【0084】
図17は、第2実施形態における気象予測誤差指標に基づいて発電計画値を変更した場合のグラフである。
図17に示すシミュレーション結果を参照して、起動停止計画決定部7により、気象予測誤差指標に基づいて原動機付き発電装置600の起動停止計画を決定した場合の蓄電容量の削減効果について説明する。
【0085】
図17において、(a)は気象予測誤差指標Rを示すグラフで、(b)は原動機付き発電装置出力を示すグラフで、(c)は風力発電装置100の発電実績値PGA及び第2発電計画値PGP2を示すグラフで、(d)は蓄電装置200の充放電電力を示すグラフで、(e)は蓄電装置200の充電率SOCを示すグラフで、(f)は第2発電計画値PGP2との発電実績値PGAと充放電電力CDPの和(PGA+CDP)の偏差(PGP2−(PGA+CDP))を示すグラフである。
【0086】
図17(a)に示すように、時刻T0に気象予測情報を取得し、発電計画値の申告期限の時刻T1までに、申告期限から6時間先の発電計画値の運用期間ΔT(時刻T2〜時刻T3の期間)の気象予測誤差指標Rを計算する。
図17(a)に示す例では、発電計画値の運用期間ΔT(時刻T2〜時刻T3の期間)で気象予測誤差指標Rは予め設定した閾値より大きいため、運用期間ΔT(時刻T2〜時刻T3の期間)における気象予測の誤差は大きくなる。
【0087】
まず、比較例として、気象予測誤差指標Rに基づいて起動停止指令を決定しなかった場合について述べる。
図17(b)に示すように、発電計画値の運用期間ΔT(時刻T2〜時刻T3の期間)において、原動機付き発電機出力は0であり、原動機付き発電装置600は停止している。この時、
図17(c)に示すように、発電実績値PGAと第2発電計画値PGP2の乖離が大きい。この乖離を補償するために原動機付き発電装置600は起動しているが、原動機付き発電装置600は起動してから実際に発電可能となるまで所定の時間(例えば、3時間)を要するため、まだ発電できていない。原動機付き発電装置600の発電が遅れていることで
図17(d)に示す蓄電池の放電電力が大きくなり、
図17(e)に示す蓄電装置200の充電率SOCは徐々に低下し、下限値に達して放電が停止した。発電実績値PGAが第2発電計画値PGP2より小さい時の放電による補償ができなくなり、
図17(f)に示す発電計画値との偏差は許容範囲を逸脱した。
【0088】
一方、本実施形態の手法では、
図17(a)の運用期間ΔT(時刻T2〜時刻T3の期間)のように気象予測誤差指標Rが閾値を超えた時刻に原動機付き発電装置600が発電可能状態となるように、事前に起動指令を送る。そのため、
図17(b)に示すように、発電計画値の運用期間ΔT(時刻T2〜時刻T3の期間)において、原動機付き発電装置600は発電できている。そして、
図17(c)に示すように発電実績値PGAと第2発電計画値PGP2の乖離が大きい時刻においても、原動機付き発電装置600が発電していることで、比較例に対して
図17(d)に示す蓄電池の放電電力は抑制された。蓄電池の放電電力が抑制されたことで、
図17(e)に示すSOCは適正範囲内に収まり、そして
図17(e)に示す発電計画値との偏差を許容範囲に収めることができた。
【0089】
以上説明したように、気象予測誤差指標Rに基づいて原動機付き発電装置600の起動停止計画を決定することにより、蓄電装置による無駄な充放電を回避できるので充電率(SOC)の変動を小さくでき、蓄電装置の容量を削減できる。
【0090】
<第3実施形態>
第1実施形態及び第2実施形態として、再生可能エネルギー発電システムの風力発電システム1000について説明したが、これに限定されるわけではない。
図18及び
図19を用いて、第3実施形態として、再生可能エネルギー発電システムの太陽光発電システム5000について説明する。
【0091】
図18は、第3実施形態における太陽光発電システムの全体構成を示す図である。
図19は、第3実施形態における原動機付き発電装置を備えた太陽光発電システムの全体構成を示す図である。
図18は、
図1(第1実施形態)に対応する太陽光発電システムの構成を示すブロック図である。また、
図19は、
図13(第2実施形態)に対応する太陽光発電システムの構成を示すブロック図である。
【0092】
図1と
図18の差異は、再生可能エネルギー発電システム内に設置される発電装置が、風力発電装置100(100a、100b)であるか太陽光発電装置700(700a、700b)であるかの違いである。
図1の風力発電機110(110a、110bは、
図18の太陽光電池710(710a、710b)に相当する。
図1の風力発電装置用変圧器120(120a、120b)は、
図18の太陽光発電装置用変圧器720(720a、720b)に相当する。
図1の風車制御部130(130a、130b)は、
図18のPV制御部730(730a、730b)に相当する。
図1の監視制御装置400が気象情報配信サービス4000(4000a、4000b)から受信していた第1風速予測値WSF1及び第2風速予測値WSF2は、
図18の第1日射量予測値及び第2日射量予測値に相当する。同様に、
図13と
図19の差異も風力発電装置100(100a、100b)であるか太陽光発電装置700(700a、700b)であるかの違いである。
【0093】
図18及び
図19の各図の構成及びそれらの作用効果は、第1実施形態及び第2実施形態において述べた内容と重複するため、詳細な説明は省略するが、第1実施形態及び第2実施形態において説明した風力発電システムでの作用効果は、本実施形態の太陽光発電システムにおいても同様である。
【0094】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0095】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現しても良い。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現しても良い。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid-State-Drive)等の記録装置、又は、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【0096】
本実施形態では、発電計画の申告時刻と運用時刻の間で蓄電装置200の充電率SOCが非線形に変動する場合であっても、出力一定制御型の再生可能エネルギー発電システム(例えば、風力発電システム1000、太陽光発電システム5000)の蓄電装置200の蓄電容量を低減することができ、その設置コストを低減することができる。
【0097】
すなわち、本実施形態の再生可能エネルギー発電システムは、発電計画の申告時刻と運用時刻の間で蓄電装置200の充電率SOCが非線形に変動する場合でも、気象予測誤差指標Rに基づいて発電計画の申告値を変更することによって、充電率SOCを蓄電装置200の制限範囲内に収めることができる。これにより、出力一定制御型の再生可能エネルギー発電システムの技術要件に必要な蓄電装置200の容量を削減することができ、その設置コストを低減することができる。