特許第6543168号(P6543168)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6543168
(24)【登録日】2019年6月21日
(45)【発行日】2019年7月10日
(54)【発明の名称】作業機器の管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/00 20120101AFI20190628BHJP
   G06Q 50/02 20120101ALI20190628BHJP
【FI】
   G06Q10/00 300
   G06Q50/02
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-218152(P2015-218152)
(22)【出願日】2015年11月6日
(65)【公開番号】特開2016-131016(P2016-131016A)
(43)【公開日】2016年7月21日
【審査請求日】2018年7月31日
(31)【優先権主張番号】特願2015-2963(P2015-2963)
(32)【優先日】2015年1月9日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000157153
【氏名又は名称】関東農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095739
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 俊夫
(72)【発明者】
【氏名】稲葉 茂房
(72)【発明者】
【氏名】間中 猛
【審査官】 田付 徳雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−216131(JP,A)
【文献】 特開2011−53795(JP,A)
【文献】 特開2007−100305(JP,A)
【文献】 特開2007−34366(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0120204(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機器本体に施される接続先URLと個体識別番号を含んだ二次元コードと、該作業機器を購入した消費者、該作業機器を消費者に販売する販売店、該作業機器を販売店に販売する本社営業がそれぞれ所有する携帯端末と、ネットワークを介して接続される管理支援サーバとを備え、
該携帯端末は、
上記二次元コードの読み取り機能と、ネットワークへの無線による接続機能及びオペレーション画面を有し、
該管理支援サーバは、
a)消費者又は販売店又は本社営業の携帯端末に対し、二次元コードに含まれる接続先URLへのアクセスに従って、安全説明確認に基づく「安全説明日」の登録を可能とし、未登録の場合次段階への遷移を拒否する手段と、
保証の開始に基づく「保証開始日」の登録を可能とし、未登録の場合次段階への遷移を拒否する手段と、
上記保証開始日から計算される「初回点検予定日」が経過するが「初回点検実施日」が未登録の場合に「初回点検啓発」を指示する手段と、
該安全説明日と保証開始日の登録済みが確認され上記「初回点検啓発」が指示された後に取扱説明書を含む「機械情報」へ遷移する手段を与え、
b)販売店の携帯端末に対し、上記「初回点検実施日」への登録を可能とする手段を与え、
c)本社営業の携帯端末に対し、専用のURLへのアクセスに基づいて、保証期間登録可能期限切れであっても上記「保証開始日」の登録を可能とする手段を与えた
ことを特徴とする作業機器の管理システム。
【請求項2】
請求項1記載の作業機器の管理システムにおいて、機械情報の項に、作業機器の運転時間の累積が一定時間を超えた場合に整備保守の実行を警告する手段を与えたことを特徴とする作業機器の管理システム。
【請求項3】
請求項1又は2記載の作業機器の管理システムにおいて、機械情報の項に、菜園日記を入力する手段を与えたことを特徴とする作業機器の管理システム。
【請求項4】
請求項1〜3記載の作業機器の管理システムにおいて、本社営業に対し、安全説明確認及び保証開始日の登録の抹消を可能とする手段を与えたことを特徴とする作業機器の管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農機具等の作業機器に対し、主に販売した後に、消費者と販売店及び本社営業との間で、これら作業機器を一元的に管理する為のシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
農業用機器の販売にあっては、多くの場合、製造したメーカー(本社)における営業と、本社営業に代わって機器を販売する販売店と、これを購入する最終消費者との三者の間で取引の形態が形成される。
ところで、これら農機具等の作業機器にあっては、耕耘、収穫等の作業があり、例えば、耕耘作業中のロータリに挟まれたり、収穫作業中にコンベアに巻き込まれる等の事故が報告されており、このような作業に伴う事故等を防ぐために消費者への安全説明が必須事項とされる。又、作業機器の故障等に伴う保証に対応するためには、消費者が機器の使用を開始する時期に合わせて保証開始日を確定する必要がある。更に、以後の正常運転を促し、効率的な作業を促すと共にできる限り機器類の寿命を伸ばそうとするには、初回点検を実施するよう啓発することが求められる。
そして、これら措置に対応するには、消費者と、消費者と直接接触する機会の多い販売店と、製造メーカーの本社営業との相互の密接な連携が必要とされる。
【0003】
しかしこの体制は、本社の営業にとっては、販売店がこれらの措置を行った後の報告を待つことになるが、果たしてどこまで適切に実施されたか否かのチェックは、甚だ困難であった。又、販売店にとっても、安全運転等について消費者への適切で詳細な対応に追われ、本社営業への迅速で的確な報告には欠ける面があった。更に、消費者にとっても、安全説明や保証開始日の確定は身体及び経済的負担に影響する重要事項であり、この実行の促進は自己利益にも繋がるものである。
【0004】
又、作業機器を安全且つ長期的に使用するには整備保守の実施が重要であるが、面倒を伴う整備保守を消費者が自発的に行うことはあまり期待できず、やむなくメーカー側から整備保守の実施を呼びかけることになる。しかし、全体を一纏めにして一定の期間毎に呼びかけても、使用期間や使用頻度の異なる消費者にはあまり響かず、より実効性をあげるには作業機器の個別状況に応じた個別対応の手段が望まれる。
【0005】
斯かる問題に対して、これを解消すべき方策は、従来技術に存せず、参考として、特許文献1に、車輌情報について、車輌に管理シールを施して、この車輌情報をネットを介して管理しようとする提案がなされているが、これはあくまで道路運送車両法に定められる車検等の定期検査に対応しようとするものであり、前記問題を解決する構成を有していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−72526号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明は、作業機器に施される二次元コードとこれを読み取り可能な携帯端末及びインターネットを含むネットワーク上の管理支援サーバ等を活用して、消費者と販売店と本社営業の三者の間の一元的な連携を図り、且つ、それが極めて簡便なる操作で実効性のあるシステムを開発しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明作業機器の管理システムは、作業機器本体に施される接続先URLと個体識別番号を含んだ二次元コードと、該作業機器を購入した消費者、該作業機器を消費者に販売する販売店、該作業機器を販売店に販売する本社営業がそれぞれ所有する携帯端末と、ネットワークを介して接続される管理支援サーバとを備え、該携帯端末は、上記二次元コードの読み取り機能と、ネットワークへの無線による接続機能及びオペレーション画面を有し、該管理支援サーバは、a)消費者又は販売店又は本社営業の携帯端末に対し、二次元コードに含まれる接続先URLへのアクセスに従って、安全説明確認に基づく「安全説明日」の登録を可能とし、未登録の場合次段階への遷移を拒否する手段と、保証の開始に基づく「保証開始日」の登録を可能とし、未登録の場合次段階への遷移を拒否する手段と、上記保証開始日から計算される「初回点検予定日」が経過するが「初回点検実施日」が未登録の場合に「初回点検啓発」を指示する手段と、該安全説明日と保証開始日の登録済みが確認され上記「初回点検啓発」が指示された後に取扱説明書を含む「機械情報」へ遷移する手段を与え、b)販売店の携帯端末に対し、上記「初回点検実施日」への登録を可能とする手段を与え、c)本社営業の携帯端末に対し、専用のURLへのアクセスに基づいて、保証期間登録可能期限切れであっても上記「保証開始日」の登録を可能とする手段を与えたことを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の作業機器の管理システムでは、機械情報の項に、作業機器の運転時間の累積が一定時間を超えた場合に整備保守の実行を警告する手段を与えたことを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の作業機器の管理システムでは、機械情報の項に、菜園日記を入力する手段を与えたことを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の作業機器の管理システムでは、本社営業に対し、安全説明確認及び保証開始日の登録の抹消を可能とする手段を与えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明作業機器の管理システムは、作業機器本体に施される二次元コードと、消費者、販売店、本社営業が所有する携帯端末と、ネットワークを介して接続される管理支援サーバとによって、「安全説明日」及び「保証開始日」への登録が指示され、未登録では次の段階に進めず、従って、安全説明及び保証の開始が必ず実行されるものとなる。
この結果、先ず、安全説明の確認によって、作業内容にもとづいて予想される危険性、機械の特性にもとづいての危険性、作業機器の誤操作にもとづいての危険性を予め知ってもらうことで、機器の運転に伴う作業者への身体的悪影響を可及的に回避することができる。消費者への身体の安全を図ることができ、且つ、これを本社営業も確認することが可能となる。
次いで、保証開始日登録によって、作業機器の出荷に伴って機器の使用によって生じる損傷、破壊等に対し、保険及びサービスを含めた保証が開始されたことが裏付けられ、作業機器への保証適用が確実化される効果がある。
又、初回点検の啓発が、管理支援サーバのプログラムによって計算される初回点検予定日が経過し且つ販売店からの初回点検実施日の登録がない場合に行われ、これによって故障や不備がない状態での運転、操作が実行され、販売された作業機器の安全操作や機械寿命の長期化が促される効果がある。
又、販売店に対しては「初回点検実施日」への登録を可能とする手段が与えられ、消費者との間で初回点検の実施を確実なものとすることができる。
又、取扱説明書を含む機械情報によって、購入した作業機器の部品名称や運転操作方法等が閲覧可能となり、操作が的確となる。
更に、本社営業に対しては、保証期間登録可能期限切れ保証登録段階への二次元コードによらず本社営業専用のURLからの接続を可能とし、該保証期間登録可能期限切れ保証登録段階から上記「保証開始日」への登録を可能とする手段が与えられ、本社から販売店に作業機器が出荷された後に販売店から販売される時期が一定期間を超えてしまった場合等に柔軟に対応できる効果がある。
これら効果はすべてが作業機器を中心としてなされ、当該作業機器を単元として、その単元毎に安全説明、保証開始の確認、初回点検の啓発等が一元的に管理可能になるという斬新な効果が得られる。
【0013】
請求項2記載の作業機器の管理システムでは、作業機器の運転時間の累積が一定時間を超えた場合に整備保守の実行が警告され、作業機器の個別状況に対応した有効な手段が提供される。
【0014】
請求項3記載の作業機器の管理システムでは、菜園日記が入力でき、栽培等に関する記録を残すことができる。
【0015】
請求項4記載の作業機器の管理システムでは、本社営業が安全説明確認及び保証開始日の登録の抹消することができ転売への対応が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】システム全体の組織を示す模式図である。
図2】流れを示す画面遷移図である。
図3】携帯端末の画面の例を示す図で、(A)が安全説明確認の場合、(B)が保証開始日登録の場合、(C)が初回点検啓発の場合、(D)が機械情報の場合、(E)が整備保守記録簿の場合、(F)が菜園日記の場合、(G)が販売店向けメニューの場合、(H)が初回点検実施日の場合、(I)が本社営業向けメニューの場合、(J)が保証期間登録可能期限切れ保証登録の場合を示す。
図4】二次元コードラベル保護具を示す側面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
<システム全体>
システム全体の大略を説明すると、図1に示す如く、例えば耕耘機、畝間作業機等の農業用作業機に対し、作業機器1本体に施される接続先URLと個体識別番号を含んだ二次元コード2と、該二次元コード2を読み取り可能な消費者、販売店及び本社営業とがそれぞれ所有する携帯端末3と、インターネットを含むネットワーク4を介して接続される管理支援サーバ5とから構成される。
管理支援サーバ5には、必要に応じて、本社生産管理サーバ6及び本社販売管理サーバ7が付加され、それぞれのサーバに蓄積されたデータが定期的に管理支援サーバ5のデータベースに送信、登録される。
本社とは、主に作業機器を製造したメーカー等で本管理を進める中心となる存在であり、本社営業とは、該本社で作業機器の販売に関する営業を担う者を指す。販売店とは、代理店を含めて該作業機器を消費者に販売する者を指し、消費者とは、この販売店から作業機器を購入して作業を実施する者を指す。
ネットワークの通信プロトコルはHTTPで、記述言語はHTMLとなる。
【0018】
<二次元コード>
上記二次元コード2は、接続用URLと作業機器1の個体識別番号を含ませることが可能な二次元コードとし、QRコード(登録商標)等を用いる。接続用URLと作業機器1の個体識別番号を含ませ、この個体識別番号には、例えば、品番、機番、暗号化された機番を含ませる。そして、この二次元コード2は、作業機器1の一部に両面テープ等で貼着可能なものとする。
この二次元コード2の作業機器1への貼着は、具体的には、図4に示す如くの下記の手段によって行うことができる。
例えば、農作業,土木建設作業等の作業機器1に二次元コードラベル8を貼着すると共に、該二次元コードラベル8の周囲に貼着された二次元コードラベルを囲んで二次元コードラベル保護具9を形成する。該二次元コードラベル保護具9は、二次元コードラベル8から立上げられる筒形の本体部10と、本体部10の二次元コードラベル9に立上げられた側で対面する面である端面に開閉可能に設けられた蓋部11とからなるものを用いることができる。これを用いると、二次元コードラベル保護具9によって、二次元コードラベル8の損傷,汚損を確実に防止した形態で貼着することができるものとなる。
【0019】
<携帯端末>
携帯端末は、接続用URLと作業機器1の個体識別番号を含む前記二次元コード2の情報を読み取る機能と、インターネットを含むネットワーク4を介して管理支援サーバ5に無線によって接続する機能と、テキストボックス等を表示可能なオペレーション画面を備えたものとする。例えば、スマートフォン、多機能携帯等のカメラ付きの携帯電話が利用できる。オペレーション画面はGUIに基づく。
【0020】
<サーバ>
上述の如く、本発明で使用されるサーバには、管理支援サーバ5,本社生産管理サーバ6,本社販売管理サーバ7が存在する。
管理支援サーバ5は、Webサーバ、アプリケーションサーバ、データベースサーバを備え、インターネットとの窓口となると共に、後述する安全説明、保証開始日登録、初回点検啓発、機械情報等本システムを実行する上での主要な項目に対する処理及び記憶を司る本システムの中核となるものである。
該Webサーバは、上記オペレーション画面作り、消費者からの情報の受け取り、アプリケーションサーバは、その情報の処理、データベースはデータの格納を主たる役割とする。基本OSはLinux(登録商標)で、データベースにはMySQL(登録商標)が使用できる。
本社生産管理サーバ6及び本社販売管理サーバ7は、本社に設けられ、アプリケーションサーバ、データベースサーバを備え、それぞれ製造データ、売上データ、在庫データ等が蓄積され、各データは定期的に管理支援サーバ5のデータベースにネットワークを通じて送信され、登録される。
該サーバには、プログラムやデータを記憶するRAM、プログラムに基づいて計算等を実行する中央処理装置としてのCPU、処理されたデータ等を記憶するハードディスク、送受信のための通信インターフェイス等が備えられる。
【0021】
<安全説明>
次に、上記システムに基づいて実行される本管理システムを、画面遷移を示した図2に基づいて説明する。
先ず、上記作業機器1に施された二次元コード2を携帯端末3で読み込んで、これをインターネットに送信すると、接続用URLから本WebサイトS10に自動的に接続される。
次に、初期化S20の段階が用意され、該初期化S20では、上記二次元コードから読み取られた接続用URLに含まれる品番、機番の情報と管理支援サーバのデータベース上の情報とを照合し、それが一致した場合にのみ次の段階へ遷移する。これにより、対象となる作業機器の品番、機番の正しいことが確認される。
【0022】
次に、安全説明の段階に遷移し、該安全説明確認は、上記初期化により二次元コード2から取得した品番、機番が管理支援サーバ5内の記憶データと照合された後、安全説明の項に移り、安全説明日の登録済S30を分岐条件とし、YESと判断された場合は次の段階に遷移するが、NOと判断された場合には安全説明確認S31へと遷移する。
安全説明確認S31は、図3(A)に示す如く、携帯端末のオペレーション画面に表示された「販売店から説明を受けた日」を「年月日」の形式でスピンボタンより入力し、「セイメイ(姓名)」のテキストボックスによる仮名入力を促し、「販売店から安全に対する説明を受けました」と表示されたボタンのタップを促す。「セイメイ」の欄が未入力であった場合には、「セイメイ欄に姓名を入力してください」とダイアログボックスに表示する。入力は消費者又はこれを代理して販売店のいずれかによって行われる。これがタップされると、初期化S20に戻り「安全説明日登録済」と判断され、次の段階へ遷移する反復構造が採られる。
【0023】
逆に、この段階で安全説明日登録済と確認されない限り、次の段階への遷移が拒否され、この手段によって、安全説明が必ず行われるよう促される。
この安全説明の対象となるのは、a)傾斜地での耕作、深掘りによる埋没、水の流入等作業内容にもとづいて予め想定される危険性、b)爪の露出、回転車輪の踏み込み、竿桿体の突起による機械の特性にもとづいての危険性、c)ハンドルの左右逆操作、発進と停止の逆操作、作業機器の誤操作にもとづいての危険性等の項目が挙げられる。安全説明は、これら危険性を予め知ってもらうことで、機器の運転に伴う作業者への身体的悪影響を可及的に回避しようとするものである。
この結果、消費者への身体の安全を図ることができ、且つ、これを本社営業も確認することが可能となる。
【0024】
<保証開始登録日>
上記安全説明日の登録済が確認されると、順次保証開始日が登録済S40へと移り、作業機器の販売に伴って生じる損傷、破壊等への保険及びサービスを含めた保証のための保証開始日登録S41を実行する。
この「保証開始日登録」も、本管理システムでの重要項目に挙げられるもので、この確認ができない限り次の段階への遷移は拒否される。
具体的には、二次元コード2のURLから本WebサイトS10に接続されると、初期化S20を経て保証開始日が登録済S40を分岐条件とし、YESと判断された場合は次の段階に遷移するが、NOと判断された場合には保証開始日登録S41へと遷移する。保証開始日登録S41は、図3(B)に示す如く、「保証開始日」を「年月日」の形式でスピンボタンにより入力し、「セイメイ(姓名)」のテキストボックスによる仮名入力を促し、「保証を開始します」と表示されたボタンのタップを促す。入力は消費者又はこれを代理して販売店のいずれかによって行われる。これがタップされると、初期化S20に戻り、保証開始日が登録済S40となり、次の段階に遷移する反復構造が採られる。
このタップがない限り、遷移は拒否され、上記同様この手段によって保証開始日の登録が必ず行われるよう促される。
【0025】
保証開始日登録は、作業機器の出荷に伴って機器の使用によって生じる損傷、破壊等に対し、保険を含めた保証を行おうとするもので、保証開始日の登録は、その保証が開始されたことを裏付けるための重要な要件となるもので、この登録によって、登録された作業機器への保証の適用が確実化される。
尚、この保証開始日登録には一定期間を設定し、それを過ぎると「保証開始日登録」を不可能としているが、その一定期間後の入力については、本社営業向けメニューの項で説明する。
【0026】
<初回点検啓発>
初回点検とは、作業機器1が販売された後、その販売日から一定期間を経た後に行われるべき作業機器1への第1回目の点検をいう。
上記保証開始日の登録がなされた後、初回点検が必要で且つ点検未実施の場合には、初回点検啓発へと遷移する。
本来、安全説明日と保証期間開始登録日が確認されたなら、次の機械情報への遷移を可能とするのが原則であるが、一方、初回点検が必要でそれが未実施の場合には、初回点検の重要性からその可及的実行を促す為である。
具体的には、初回点検啓発は初期化S20を経て、初回点検が必要で且つ点検未実施S50を分岐条件とし、YESと判断された場合には必要とされる初回点検啓発S51へと遷移し、NOと判断された場合に次の段階に遷移する。
【0027】
その未実施の場合の初回点検啓発S51は、図3(C)に示す如く、「保証開始から3ヶ月が経過しましたので、3ヶ月点検を販売店で受けて下さい。」との消費者携帯端末3への画面表示とともに、「3ヶ月点検を受けました」と表示されたボタンと、「後で受けます」と表示されたボタンを用意し、いずれかのボタンのタップを促す。もし、前者がタップされた場合には、「点検を受けた販売店で点検実施日を登録してもらってください」とダイアログボックスに表示する。後者がタップされた場合には、「点検は大切です。機械を長持ちさせるためにも必要です・・」とダイアログボックスに表示する。
このとき初回点検が必要で且つ初回点検未実施S50の分岐条件は、具体的には、「初回点検予定日」と「初回点検実施日」への登録の有無によって判断される。
【0028】
即ち、前記保証開始日登録S41がなされると、それが管理支援サーバ5の期間計算の関数ソフトを備えたコンピュータープログラムにより初回点検予定日が計算され、例えば、保証開始日から3ヶ月後が計算される。携帯端末3から本Webサイトに接続されると、サーバのマシン日付と初回点検予定日とが照合比較され、マシン日付が初回点検予定日以降で、初回点検実施日未入力の場合には、初回点検啓発の画面が表示される。一方、初回点検予定日以降で初回点検が実施された場合に、後述する販売店による携帯端末3から初回点検実施日入力S82がなされると、それが管理支援サーバ5のデータベースに書き込まれる。すると、それ以降に、システムに接続があった場合には、「初回点検予定日」と「初回点検実施日」の双方の登録が確認され、初回点検啓発は行われず、そのまま「機械情報」に遷移する。又、初回点検予定日に至らない場合にも、当然に初回点検啓発は行われず、そのまま「機械情報」に遷移する。この初回点検実施日入力S82は、販売店に与えられた権限により、販売店の携帯端末から専属的に行われる。
【0029】
又、本社営業に対しては、初回点検予定日とサーバのマシン日付とが一致し又はそれ以前で且つ点検未実施の場合に、該本社営業の携帯端末3のアドレスに「初回点検日が来ました。販売店に連絡して実施してもらってください。」と送信し、本社営業にも注意を促す。
又、「点検未実施」とは、具体的には、販売店からの「初回点検実施日」の登録がない場合を指す。
この初回点検啓発が行われた後、次の機械情報S60の段階へと遷移する。
販売された作業機器は、上記安全操作や機械寿命の長期化の為には故障や不備がない状態で運転、操作されることが必要で、特に、運転開始から間もない期間での点検、初回点検は特に重要で、初回点検の啓発によってこの可及的実行が促されるものとなる。
【0030】
<機械情報>
上記の如く初回点検啓発を経た後機械情報S60の段階へと遷移する。
機械情報の画面には、図3(D)に示す如く、「取扱説明書」、「整備保守記録簿」、「本社への問い合わせ」、「菜園日記」のボタンが設けられ、作業機器の取扱説明、機器の整備保守、不明な点の本社への問い合わせ、菜園での作業日記の作成等を実行しようとするものである。
【0031】
先ず、取扱説明書S64では、上記機械情報S60にて「取扱説明書」のボタンをタップすると、その品番から該当する機器の取扱説明書が自動的に選択され、そこに部品名称や運転操作方法等を解説した取扱説明書が閲覧可能となる。又、説明書と同時に取扱説明ビデオを閲覧可能とすることもできる。説明書にはPDFファイルやJPGが使用できる。
取扱説明書は、機器の構造や操作法を明らかにして、操作の方法や手順等に関する取り扱いを説明するもので、その説明が自動的に当該作業機器1との関連で提供される。
【0032】
次に、整備保守記録簿S61は、エンジンオイル交換やペーパーエレメント清掃等の記録簿を指し、故障等のない長期使用の為の整備保守を促すものであるが、本システムでは、全体を均一的に扱うのでなく、作業機器の個別状況に応じた個別対応の手段を採用する。個々の作業機器の品番、機番から運転時間をチェックし、その累積時間が一定時間を超えた場合に、消費者の携帯端末に整備保守の実施を促す警告表示を行うものとする。
具体的には、上記図3(D)に示す如く、オペレーション画面にテキストボックスによる「運転時間」とボタンによる「加算する」ボタンを設け、消費者から入力があると、その値が管理支援サーバに蓄積され、蓄積データは日付毎に運転時間が集計され、それが上欄の「累積運転」及び「最終運転」時間として表示される。そして、累積時間が一定時間を超えた場合、下欄の「整備保守記録簿」のボタンの表示色を、青色から赤色へと変換させる。
その赤色に変わった整備保守記録簿のボタンをタップすると、図3(E)に示す如き整備保守記録簿の画面へと遷移し、「点検項目を実施してください」との表示に従って整備保守の実施が促される。整備保守を実施した後、その日付を入力して、「済」のボタンをタップすると、前記整備保守記録簿の欄の赤色表示が元の青色表示へと戻される。
【0033】
一方、この整備保守には、上記本システムからの警告表示とは別に、消費者独自の判断に基づく自主整備保守も可能である。このとき別欄に自主整備保守記録入力S62が設けられ、その日付欄に年月日の入力があると、その値は前記定期的な整備保守を要する「一定時間」の累積計算に反映され、再度計算し直される。
整備保守には、エンジンオイル、ミッションオイル等の交換が含まれるが、それぞれオイルの種類及びそれに応じた交換時期が異なるため、上記一定時間の設定にはその異なる交換時期を反映させた設定が望ましい。
【0034】
又、この機械情報により本社への問い合わせを可能とする手段が与えられ、上記機械情報S60にて「本社への問い合わせ」のボタンをタップすると、問い合わせ送信S65の画面が表示され、その画面に表示された「お問い合わせ内容」欄に問い合わせ事項を入力し、「確認」のボタンをタップすると、問い合わせ送信確認S66へと遷移し、そこで「送信する」のボタンをタップすると、携帯端末3から本社へと情報が送信される。本社の専門スタッフが問い合わせ内容への返答を入力し、送信ボタンをタップすると回答内容が消費者の携帯端末3へと送信される。
問い合わせは、機器の操作への疑問や運転の不調等が生じた場合に、本社に直接問い合わせることが可能となるもので、疑問点等を担当専門家に問うことができる点で利便であると共に、その問い合わせが対象となる作業機器1が自動的に特定されることから、無駄のない、適切な問い合わせ及びそれに対する回答、処置が促されるものとなる。
【0035】
次に菜園日記の段階に移り、消費者向けのパスワード設定S70をし、その後に菜園日記表示・削除S71及び菜園日記入力・編集S72へと遷移する。「菜園日記」には、図3(F)に示す如く、「日付、題名、場所、内容」等を入力し、作業内容等を記載した日記とすることができる。菜園日記場所登録S73として、普段機械を使用する場所を登録し、そこでの作業を記憶させることもできる。
この「菜園日記」には、上記の如きパスワードの設定により秘密保護が図られる。
菜園日記の作成は、農業機器の場合、農作業の実施の内容や、作物の生育状況等を記録することができ、菜園日記の作成は、この記録が二次元コードからの特定等で自動的に当該作業機器と関連付けてなされるものとなる。
【0036】
<販売店向けメニューとその選択>
上記迄の段階は、消費者、販売店及び本社営業のいずれものアクセスを可能としているが、これからの販売店向けメニュー以降への遷移は、販売店又は本社営業にのみ権限が与えられるものとする。販売店及び本社営業への専属的事項に関するものだからである。
このとき権限S80の実行は、販売店及び本社営業向けのパスワードが設定され、そのパスワード入力用のテキストボックスに該当するパスワードが入力された場合にのみ次段階への遷移を認めることを指す。
この販売店向けメニューS81にあっては、図3(G)に示す如き「点検実施日入力」等の選択項目が備えられ、それに従って初回点検実施日入力S82が可能となる。又、メンテナンス履歴表示・削除S85と、メンテナンス履歴入力・編集S86、メンテナンス履歴作業登録S87と、サービスマニュアルS88及びパーツリストS89が備えられる。そのパーツリスト及びサービスマニュアルには、それぞれパーツリストURL、サービスマニュアルURLが設けられ、そのURLに従ったアクセスが可能となる。
初回点検実施日入力S82の扱いにあっては、上記初回点検啓発S51にあって、「3ヶ月点検を受けました」と表示されたボタンがタップされると、「点検を受けた販売店で点検実施日を登録してもらってください」とダイアログボックスに表示され、これに基づいて消費者から連絡があった場合に、この入力手段を与えるものである。
【0037】
販売店の担当者は、図3(H)に示す如く、型式、品番、機番の確認の後、「初回点検を実施しました。」として点検日を「年月日」の形式でスピンボタンで入力し、併せて「セイメイ(姓名)」を入力した後、外観作業系、駆動系、操作系・・等の点検の対象となる項目を点検し、「登録」をタップする。
この販売店からの初回点検実施日入力S82が行われると、前述の如く、それが管理支援サーバ5へ送られデータベースに書き込まれ、それ以降にシステムに接続があった場合に、「初回点検予定日」と「初回点検実施日」の双方の登録が確認されると、初回点検啓発は行われないものとなる。すなわち、初回点検実施日の入力S82が行われると、初回点検の段階における初回点検啓発S51はクリアされ、自動的に次の段階へと遷移するものとなる。
この初回点実施日入力S82は、前述の如く販売店の専属事項とされるが、これは消費者との間で初回点検の実施を確実なものとする為である。
【0038】
次の、メンテナンス履歴表示・削除S85を選択すると、メンテナンスした内容や、オイル交換や爪交換の履歴等を記入でき、日付と題名、実施内容等の記入が可能となる。
このとき、「サービスマニュアル」及び「パーツリスト」のデータを格納した本社ホームページS63を作成し、作業機器1の品番に応じたサービスマニュアル及びパーツリストに接続させることができる。
サービスマニュアルには、作業機器の点検や、調整、分解方法等が写真やイラストで詳細に記載され、メンテナンスや整備に役立ち、又、パーツリストには、部品の一覧表が添えられ、メンテナンスや整備に必要な部品が得られるが、この際にも、該当する作業機器1の品番が自動的に特定・案内され、検索の労が省かれる。
【0039】
<本社営業向けメニューとその選択>
以後の段階は、本社営業にのみ権限を与えるものとする。本社営業の管理上の責任体制を維持するためである。この権限S90の実行は、販売店向けと同様本社営業向けのパスワードの設定で実行され、以後に本社営業向けメニューS91が設けられる。
該本社営業向けメニューS91には、図3(I)に示す如く、保証期間登録可能期限切れ保証登録S92を可能とする手段が与えられる。
保証期間登録可能期限切れ保証登録S92とは、保証開始は作業機器1の出荷から一定期間の内に販売店又は消費者によって行われるべきもので、一定期間を経過すると入力が不可能となるが、この期間経過後に保証開始が必要とされる場合に、保証期間の開始を可能とすべき手段を与えようとするものである。例えば、本社から販売店に作業機器1が出荷された場合、その出荷日から一定期間が保証期間登録可能期限となるが、販売店から販売される時期がこれを超えている事態の生じるおそれがあり、このとき保証開始日の登録が必要とされる。
【0040】
斯かる場合には、本WebサイトS10に接続したとき、通常は、保証開始日が未登録であると保証開始日登録へと進むが、本WebサイトS10に接続時に保証期間登録可能期限を越えていた場合には、この保証開始日登録を不可とし、画面に「期限が切れていますので、弊社営業にご相談下さい」旨の表示をだす。その判断を促す計算は、具体的にはサーバの期間計算関数を備えたプログラムによって計算された保証期間登録可能期限の期日と当日のマシン日付との比較照合による。
そして、この保証期間登録可能期限切れにあっては、上記ルートでの接続は不可能となる。そこで、本社営業に対し、二次元コードの接続先URLによらない本社営業専用のURLを設定し、その本社営業専用のURLS67からログオンS68したものは、直接に機械情報へと進み、これより販売店向けメニューS81を経て営業向けメニューS91に至り、保証期間登録可能期限切れ保証登録S92へと到達し、保証開始日を登録する。
【0041】
この保証期間登録可能期限切れ保証登録S92において、本社営業の担当者は、図3(J)に示す如く、型式、品番、機番の確認の後、「保証期間登録可能期限」の確認の後、保証開始日を「年月日」の形式でスピンボタンによって入力し、「保証を開始します」のボタンをタップする。この保証開始日が登録されると、以後「保証開始日登録済み」と判断され、初回点検啓発以降の段階への遷移が可能となる。
該保証期間登録可能期限切れ保証登録S92の画面には、不正防止注意の旨を表示した後、「保証開始日」の入力を促す。
保証期間登録可能期限が切れた場合にも柔軟で適切な対応を可能とする一方で、特殊事情であることから不正を防止する意味で本社営業に専属的権限を与えたものである。
【0042】
本社営業向けメニューには、上記以外、製造履歴照会S93と、店舗在庫照会S94及び価格・在庫照会S95を可能とする選択項目が備えられる。
「製造履歴照会」のボタンをタップすると、加工日、工程等のデータ検索が実行される。
同様に、「店舗在庫照会」のボタンをタップし、品番を特定すると、店舗に存在する在庫数のデータが検索される。「価格・在庫照会」のボタンをタップすると、品名、定価、在庫数等のデータが検索される。
当該作業機器1の加工日等の履歴や、価格、在庫の有無等を知ることで、販売管理の参考にすることができる。
【0043】
又、本システムには、上記以外「安全説明日抹消」、「保証開始日抹消」、「初回点検実施日抹消」の手段が与えられ、それを実行する権限が本社営業に付与される。
この権限の実行は、本社営業向けメニューには、図3(I)に示す如く、「安全説明日抹消」、「保証開始日抹消」のボタンを設け、そこから安全説明確認S31、自社営業権限レベルS32、安全説明日抹消S33へと遷移し、販売店名、担当者等を入力の後、「抹消を実行」のボタンをタップすることで安全説明日の登録が抹消される。
【0044】
保証開始日においても同様で、本社営業向けメニューに「保証開始日抹消」のボタンが設けられ、同様のルートで、保証開始日登録S41、自社営業権限レベルS42から保証開始日抹消S43へと遷移し、保証開始日の登録が抹消される。保証開始日が抹消された以後は、保証開始日が登録されていない扱いとなり、再度「保証開始日登録」へと遷移する反復構造が採られ、次の段階への遷移は拒否されるものとなる。新たな保証開始日の登録が行われると、次の段階へと遷移する。
初回点検実施日抹消にあっては、本社営業の権限S83により初回点検実施日抹消S84に遷移するルートが設けられる。
【0045】
例えば、農業機器にあっては、一旦販売された機器が、途中で他人に転売されることがあり、この転売があった場合には、「安全説明」や「保証開始」、「初回点検の啓発」等はまったくの白紙となり、再度の登録等が必要となる。そこで、同作業機器に対する前回の消費者を対象とした登録を白紙とする意味から抹消の手段を設けたものである。
この抹消に関する権限を本社営業に与えたのは、抹消は特別事項であり、管轄を本社営業に専属させるためである。
【0046】
最後に、本発明の管理システムは、主に日本国内に販売された作業機器を対象とするが、インターネットを含むネットワークを利用することで、海外向けに販売された機器に対しても有効に適用することができる。
【符号の説明】
【0047】
1 作業機器
2 二次元コード
3 携帯端末
4 ネットワーク
5 管理支援サーバ
6 本社生産管理サーバ
7 本社販売管理サーバ
8 二次元コードラベル
9 二次元コードラベル保護具
10 本体部
11 蓋部
図1
図2
図3-1】
図3-2】
図3-3】
図4