(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6543196
(24)【登録日】2019年6月21日
(45)【発行日】2019年7月10日
(54)【発明の名称】電気圧着コンタクトデバイス
(51)【国際特許分類】
H01R 4/18 20060101AFI20190628BHJP
H01R 4/62 20060101ALI20190628BHJP
【FI】
H01R4/18 A
H01R4/62 A
【請求項の数】12
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-560681(P2015-560681)
(86)(22)【出願日】2014年3月6日
(65)【公表番号】特表2016-509357(P2016-509357A)
(43)【公表日】2016年3月24日
(86)【国際出願番号】EP2014054299
(87)【国際公開番号】WO2014135610
(87)【国際公開日】20140912
【審査請求日】2017年2月20日
(31)【優先権主張番号】102013203796.1
(32)【優先日】2013年3月6日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】501090342
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ジャーマニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツンク
【氏名又は名称原語表記】TE Connectivity Germany GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】フォルカー ザイペル
(72)【発明者】
【氏名】ウーヴェ ブルーメル
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルフガング ミュラー
(72)【発明者】
【氏名】グィード ファン デ ブルクト
【審査官】
板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭55−120080(JP,U)
【文献】
特開2012−155889(JP,A)
【文献】
特開2010−198776(JP,A)
【文献】
特開2009−245697(JP,A)
【文献】
特開2002−367688(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 4/18
H01R 4/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミニウムケーブル用の電気圧着コンタクトデバイス(1)であって、
ケーブルの導体の電気接続用の導体圧着領域(20)と、ケーブルの絶縁体を固定するための絶縁体圧着領域(30)とを有し、
前記導体圧着領域(20)は、前記導体を固定するための固定デバイス(230,232,234)を有し、
少なくとも前記電気圧着コンタクトデバイス(1)のブランクにおいて、前記固定デバイス(230,232,234)は、前記電気圧着コンタクトデバイス(1)の長手軸(L)に対して斜めに延在し、及び/又は、前記固定デバイス(230,232,234)は、前記電気圧着コンタクトデバイス(1)の横断方向(Q)に前記導体圧着領域(20)のウェブ(213)によって遮断され、
前記絶縁体圧着領域(30)は、前記横断方向(Q)において交互に形成される第1の絶縁体固定ゾーン(332)および第2の絶縁体固定ゾーン(334)を有し、
前記第1の絶縁体固定ゾーン(332)は、前記長手軸(L)と交差する方向に延長するくぼみを含み、
前記第2の絶縁体固定ゾーン(334)は、突起を含む、
ことを特徴とする電気圧着コンタクトデバイス(1)。
【請求項2】
前記固定デバイス(230,232,234)のV字形の構造が、前記V字形の構造の先端が前記電気圧着コンタクトデバイス(1)の絶縁体圧着領域(30)の方向を指すように、前記導体圧着領域(20)に製造されることを特徴とする、
請求項1に記載の電気圧着コンタクトデバイス。
【請求項3】
前記長手軸(L)に対する前記V字形の構造又は前記固定デバイス(230,232,234)の側面の角(α)が、ゼロよりも大きく且つ直角よりも小さいことを特徴とする、
請求項2に記載の電気圧着コンタクトデバイス。
【請求項4】
前記角(α)は、45°〜89°であることを特徴とする、
請求項3に記載の電気圧着コンタクトデバイス。
【請求項5】
前記角(α)は、70°〜73°,75°〜78°,80°〜83°,85°〜87°±1°〜2°であることを特徴とする、
請求項4に記載の電気圧着コンタクトデバイス。
【請求項6】
前記固定デバイス(230,232,234)は、第1の固定ゾーン(232)及び第2の固定ゾーン(234)を備え、前記固定デバイス(230,232,234)の一方又は両方の固定ゾーン(232,234)は、前記長手軸(L)に対して斜めに延在することを特徴とする、
請求項1〜5のいずれか一項に記載の電気圧着コンタクトデバイス。
【請求項7】
前記固定デバイス(230,232,234)の前記第1の固定ゾーン(232)は、前記固定デバイス(230,232,234)の前記第2の固定ゾーン(234)に対して前記導体圧着領域(20)上に/内に(on/in)ミラー反転して製造され、ミラー軸(L)は、前記電気圧着コンタクトデバイス(1)の前記長手軸(L)であることを特徴とする、
請求項6に記載の電気圧着コンタクトデバイス。
【請求項8】
前記導体圧着領域(20)の前記ウェブ(213)は、前記第1の固定ゾーン(232)と前記第2の固定ゾーン(234)との間の前記横断方向(Q)に設けられ、前記ウェブ(213)は、前記導体圧着領域(20)の材料層(200)の完全な厚みによって構成されることを特徴とする、
請求項1〜7のいずれか一項に記載の電気圧着コンタクトデバイス。
【請求項9】
前記固定デバイス(230,232,234)又は前記固定ゾーン(232,234)は、3D構造ゾーン(230,232,234)であり、
前記固定デバイス(230,232,234)又は前記固定ゾーン(232,234)は、少なくとも1つのリブ及び/又は溝、又は溝構造、波形構造、畝状構造又はセレーションを有することを特徴とする、
請求項1〜8のいずれか一項に記載の電気圧着コンタクトデバイス。
【請求項10】
前記第1の絶縁体固定ゾーン(332)は、少なくとも1つのリブ又は溝、又は溝構造、波形構造、畝状構造又はセレーションを有し、及び/又は、前記第2の絶縁体固定ゾーン(334)は、少なくとも1つのカム、爪又はフック、又は瘤状構造、針構造又はフック構造を有することを特徴とする、
請求項1〜9のいずれか一項に記載の電気圧着コンタクトデバイス。
【請求項11】
前記少なくとも2つの絶縁体固定ゾーン(332,334)は、前記絶縁体圧着領域(30)上に/内に(on/in)絶縁体固定デバイス(330,332,334)として互いに明確に分離されるように製造され、前記第1の絶縁体固定ゾーン(332)は、前記第2の絶縁体固定ゾーン(333)に直接隣接して設けられることを特徴とする、
請求項1〜10のいずれか一項に記載の電気圧着コンタクトデバイス。
【請求項12】
アルミニウムケーブル用の組立済み電気ケーブルであって、
前記組立済みケーブルは、請求項1〜11のいずれか一項に記載の電気圧着コンタクトデバイス(1)を有することを特徴とする組立済み電気ケーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にアルミニウムケーブル用の電気圧着コンタクトデバイスに関し、好ましくは自動車部門用のタブコンタクト、スプライスコンタクト又はソケットコンタクトデバイスに関する。本発明は、更に、組立済み電気ケーブル、特にアルミニウムケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
電子工学及び電気工学では、多数の電気接続、特に、最大限の範囲の電流、電圧、周波数及び/又はデータレートによって、電流、電圧及び/又は電気信号を伝送するように機能するプラグ型接続が知られている。特に自動車部門において、かかる接続は、熱が加えられた、汚く、湿気の多い条件及び/又は化学的に浸食される条件下における電力、電気信号及び/又はデータの正確な伝送を、比較的長い時間の後に適用可能であれば一時的に、又は永続に確実なものとしなければならない。接続の様々な用途により、プラグ型接続におけるプラグ型コンタクトとして作用する多くの特別に構成された電気コンタクト又はコンタクトデバイス、特に、圧着コンタクトデバイスが知られている。
【0003】
かかる圧着コンタクトデバイスは、例えば、タブ、スプライス、又はソケットコンタクトデバイス又は装置(installations)として構成され、電気ケーブル、ケーブルハーネス上及び/又は、導電体上に及び/又はその内部に(and/or on/in)圧着されることがある。また、これらは、電気、電子又は電気光学装置の電気装置(an electrical installation)上に固定的に製造されてもよい。コンタクトデバイスがケーブル又はケーブルハーネス上に位置する場合は、コンタクトデバイスは、(浮動)プラグ型又はソケットコンタクトデバイス、又はコネクタ、又は連結器と呼ばれることが多く、コンタクトデバイスが電気、電子又は電気光学デバイス上に/内に(on/in)位置する場合は、通常、埋め込み型コンタクトデバイス又は装置(installation)又は埋め込み型ソケットと呼ばれる。
【0004】
永続的な電気接続に加えて、ケーブルと圧着コンタクトデバイスの導体圧着領域との間では、コンタクトデバイスによって永続的な機械的接続も生じなければならない。電気機械的接続のために、圧着コンタクトデバイスは、導体圧着領域と、多くの場合はケーブル用の絶縁体圧着領域とを有する。小型化とコスト削減によって、製造業者は、より小さく且つより薄いコンタクトデバイスを目指すことを余儀なくされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、好ましくは自動車部門用の、例えば、タブコンタクト、スプライスコンタクト又はソケットコンタクトデバイス等の、特にアルミニウムケーブル用の改良した電気圧着コンタクトデバイスを提供することである。本発明の目的は、更に、改良した組立済み電気ケーブル、特にアルミニウムケーブルを提供することである。この場合、圧着コンタクトデバイスの打抜きブランクは、コンタクトデバイスを形成するように正確に整形されることができることが意図されている一方、十分な剛性を有することが意図されている。更に、圧着コンタクトデバイスの圧着は、可能な限り正確且つ問題無く実行されることができることが意図され、また、アルミニウム導体に対して永久的な電気的且つ機械的接続を行うことが意図されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は、請求項1に係る電気圧着コンタクトデバイスによって、及び請求項12に係る組立済み電気ケーブルによって達成される。本発明の有利及び/又は発展、更なる特徴や利益は、従属請求項及び本発明の以下の記載から理解されるだろう。
【0007】
本発明に係る圧着コンタクトデバイスは、ケーブルの導体の電気的圧着接続用の導体圧着領域を有し、導体圧着領域は、導体を固定して接触するための固定デバイスを備える。本発明によれば、固定デバイスは、コンタクトデバイスの長手軸に対して斜めに即ち角度を付けてコンタクトデバイスの少なくともブランク、好ましくは打ち抜きブランクに配置されることができる。更に、固定デバイスは、コンタクトデバイスの横断方向に導体圧着領域のウェブによって好ましくは完全に遮断又は架橋されてもよく、ウェブ自体は、長手軸の方向に実質的に延在し、固定デバイスを好ましくは実質的に同じ大きさの2つの部品に分離する。2つの部品同士間のその他の比率は当然可能である。
【0008】
従って、本発明によれば、少なくともブランクの傾斜した即ち角度を付けた固定デバイス又は横断方向に遮断又は架橋された固定デバイスのどちらかが、コンタクトデバイス上に/内に(on/in)設けられてもよい。本発明の最後の実施形態では、これは、先行技術において教示されているように、コンタクトデバイスの長手軸に垂直に延在する軌道(path)を有してもよい。当然のことながら、コンタクトデバイスの各ブランクの比較的薄い金属板では、単一のコンタクトデバイスにおいて本発明の両方の特徴を統合すること及びそれに対応してコンタクトデバイスを構成することができ、好ましくもある。
【0009】
固定デバイスの軌道(path)の斜めの配置は、特に、導体圧着領域の接続基部に対して曲げ又は整形及び/又は圧着中に導体圧着領域の圧着側面又は固定デバイスの長手軸の方向のずれが補償されることができるように、及び/又は、補償されるように構成される。即ち、各圧着側面又は固定デバイスの長手方向のずれは、各ブランクがコンタクトデバイスを形成するように整形される際に、及び/又は、その後のコンタクトデバイス即ち圧着されたコンタクトデバイスにおいて、コンタクトデバイスの長手軸に対する固定デバイスの実質的に垂直な軌道(path)が生成されるように固定デバイスが圧着される際に、補償される。
【0010】
本発明によれば、固定デバイスのV字形、矢印形又は鏃状の構造、即ち、側面の斜めの配置及び固定デバイスによって形成されるV字、矢印又は鏃の形状が設けられてもよい。固定デバイスのV字、矢印又は鏃は、その先端が前記コンタクトデバイスの絶縁体圧着領域の方向を指すように導体圧着領域上に/内に(on/in)製造されることができる。この場合、複数又は多数のV字又は鏃を、一方が他方の内側にあるように嵌合することが好ましい。その場合、この複数又は多数のV字又は鏃は、コンタクトデバイスの長手方向にセレーションを生成する。
【0011】
従って、好ましくはコンタクトデバイスのブランクステージ(段階)において、固定デバイスの外側領域は、その代わりに、電気的な相手コンタクトデバイスとの組立のためのコンタクトデバイスの電気コンタクト領域の方向を指す。固定デバイスのV字の側面又はコンタクトデバイスの長手軸に対して矢印又は鏃の形状で構成された固定デバイスの角又は内角は、ゼロよりも大きく且つ直角よりも小さい。角又は内角は、好ましくは45°〜89°であり、特に70°〜73°、75°〜78°、80°〜83°、85°〜87°±1°〜2°である。
【0012】
固定デバイスは、少なくとも第1の固定ゾーンと、少なくとも第2の固定ゾーンとを備えていてもよく、一方又は両方の固定ゾーンは、長手軸に対して斜めに即ち角度を付けて延在する。単一の固定ゾーンのみを固定デバイスとして設ける即ち製造することも可能である。この場合、固定デバイスの第1の固定ゾーンは、固定デバイスの第2の固定ゾーンに対して導体圧着領域上に/内に(on/in)ミラー反転して製造されてもよい。この場合、コンタクトデバイスの長手軸は、好ましくは、2つの各固定ゾーンのミラー軸である。好ましくは、固定デバイス及びウェブも、この軸反射において、それら自体の上に結像(image)させることができる。
【0013】
本発明の好適な実施形態では、導体圧着領域のウェブは、横断方向に第1の固定ゾーンと第2の固定ゾーンとの間に設けられ、ウェブは、好ましくは、導体圧着領域の材料層の完全な厚みによって構成される。固定デバイス又は固定ゾーンは、少なくとも1つのメゾスコピック又はマクロスコピックな凹み及び/又は少なくとも1つのメゾスコピック又はマクロスコピックな突起を備える。好ましくは、固定デバイス又は固定ゾーンは、3D構造ゾーンであり、固定デバイス又は固定ゾーンは、好ましくは、少なくとも1つのリブ及び/又は溝、又は溝構造、波形構造、畝状構造又はセレーションを有する。
【0014】
3D構造ゾーンの側面の軌道(path)は、コンタクトデバイスの長手軸に対して斜めに即ち角度を付けて配置され、及び/又は、導体圧着領域のウェブによって横断方向に遮断又は架橋される限り、実質的に任意の形状である。3D構造ゾーンの各側面は、これらの周辺条件の外側で特に直線状に延在してもよい。しかしながら、3D構造ゾーンの各側面の曲線状の、又は部分的に直線状且つ部分的に曲線状の軌道(path)を使用することもできる。側面の切れ目等を使用することもできる。3D構造ゾーンの側面は、任意で、相互に部分的に平行とする、及び/又は、任意で部分的に収束及び/又は分岐するように構成されてもよい。
【0015】
本発明によれば、各圧着側面が移動することによりコンタクトデバイスの曲げ及び/又は圧着中に長手方向に移動する固定デバイスは、この長手方向のずれが、固定デバイスの構造によって補償されることができるようにコンタクトデバイス内に製造されることができる。これにより、比較的短いコンタクトデバイス及び/又は比較的薄いコンタクトデバイスを提供することができる。更に、比較的薄いコンタクトデバイスであるにも拘らず、ウェブによって十分に強固に構成されたコンタクトデバイスを提供することができる。各ブランクは、コンタクトデバイスを形成するように正確に整形することができ、この場合も同様に圧着が簡素である。
【0016】
絶縁体圧着領域は、ケーブルの絶縁体を機械的に締め付けるように機能する。本発明の好適な実施形態では、絶縁体圧着領域は、ケーブルの絶縁体が絶縁体圧着領域によって機械的に固定されることができるような種類の絶縁体固定デバイスを有する。かかる絶縁体固定デバイスは、例えば、コンタクトデバイスの長手軸に垂直に横断方向に、特に横断方向の実質的に全体に渡って延在してもよい。絶縁体の機械的締付は、各圧着側面による摩擦係合に基づき、絶縁体の機械的固定は、ポジティブロック係合に基づき、ポジティブロック係合は、特に圧着側面の摩擦係合によって維持することができる。
【0017】
前記絶縁体固定デバイスは、前記締付に加えて機械的固定用の少なくとも2つの、好ましくは異なるように構成された絶縁体固定ゾーンを含んでもよい。この場合、第1の絶縁体固定ゾーンは、好ましくは、少なくとも1つのリブ又は溝、又は溝構造、波形構造、畝状構造又はセレーションを有してもよい。更に、第2の絶縁体固定ゾーンは、好ましくは、少なくとも1つのカム、爪又はフック、又は瘤状構造、針構造又はフック構造を有してもよい。前記少なくとも2つ絶縁体固定ゾーンは、前記絶縁体圧着領域上に/内に(on/in)絶縁体固定デバイスとして互いからはっきりと分離するように製造されてもよく、前記第1の絶縁体固定ゾーンは、好ましくは、前記第2の絶縁体固定ゾーンに直接隣接して設けられる。
【0018】
当然のことながら、好ましくは2つの絶縁体固定ゾーンの一方として構成された単一の絶縁体固定デバイスのみを設けることもでき、これらは、好ましくは、コンタクトデバイスの横断方向に幅の実質的に全てに渡って延在することができる。ケーブルの絶縁体の更なる固定により、ケーブルの絶縁体は、一方で、固定により絶縁体圧着から直ぐにはスライドすることが出来ないため、きつい絶縁体圧着を構成することができ、長手方向に比較的短くなるように更に構成することができる。絶縁体圧着は、圧着されたコンタクトデバイスが曲げられる時でもしっかりと保持する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明は、実施形態及び添付の図面を参照して以下により詳細に説明される。同一、一義的又は類似の構造及び/又は機能を有する部材又は部品は、図面の異なる図において同一の参照符号によって指定される。以下は図面の概略的な図である。
【
図1】本発明に係る圧着コンタクトデバイスの打抜きブランク又は整形/打抜きブランクの斜視図であり、圧着コンタクトデバイスに固定される電気ケーブルの導体のために圧着コンタクトデバイス上に構成された本発明に係る固定デバイスを有する。
【
図2】本発明に係る圧着コンタクトデバイスの打抜きブランク又は整形/打抜きブランクの平面図であり、圧着コンタクトデバイスの導体圧着領域上に/内に(on/in)本発明に係る固定デバイスの第2の実施形態を備える。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、自動車部門のための電気コンタクトデバイス1又はコンタクト装置(contact installation)1の2つの実施形態を参照して以下に詳細に説明される。例えば、真っ直ぐに構成、湾曲して構成、又は屈曲させて構成されたコンタクトデバイス1は、導体圧着領域20として構成された少なくとも1つの圧着領域を有する圧着コンタクトデバイス1として構成され、コンタクトデバイス1は、タブ(
図1)、ソケット(
図2)、ピン又はスタッドコンタクトデバイス、扁平コネクタ(
図1)又は挿入スリーブ(
図2)として構成することができる。当然のことながら、ここでは言及されていないその他のコンタクトデバイス1上に本発明を使用することは可能である。
【0021】
コンタクトデバイス1は、本発明に係る導体圧着領域20を有するだけでよい。電気ケーブルの絶縁体の機械的固定は、圧着せずに、例えば接着剤による接着等によって行うこともできる。コンタクトデバイス1上に設けることができるケーブルは、例えば、電線、ケーブルハーネスのワイヤ又は部品、ケーブル束等である。ケーブルの導体は、撚り線、芯線又は単線でもよいが、容易に圧着することができる撚り線が好ましい。本発明に係るコンタクトデバイス1を備えるケーブルは、組立済み又はプレハブケーブルと呼ばれる。
【0022】
図1及び
図2は、夫々、本発明に係るコンタクトデバイス1の打抜きブランク又は整形/打抜きブランクを示し、即ち、コンタクトデバイス1は、開いた状態、即ち、実際の圧着可能なコンタクトデバイス1が実際の圧着可能なコンタクトデバイス1を形成するように垂直に曲げられる即ち整形される前の状態で示されている。打抜きブランク又は整形/打抜きブランクの代わりに、コンタクトデバイス1の任意のその他のブランクを使用することもできる。コンタクトデバイス1は、電気的な相手コンタクトデバイスのための電気的且つ好ましくは機械的なコンタクト領域10を有する。このコンタクト領域10は、移行領域19を介して、ケーブルの圧着可能な導電体のための電気的且つ好ましくは機械的でもある導体圧着領域20に一体化している。
【0023】
導体圧着領域20は、同様に、移行領域29を介して、好ましくは、ケーブルの(絶縁体による)電気絶縁体及び任意で導電体用の機械的絶縁体圧着領域30に一体化している。この領域は、絶縁体圧着領域30と呼ばれてもよい。ブランク及び/又は整形されたコンタクトデバイス1は、特に打抜きによって行われたその作製の後に、好ましくはリール40又はバンドローラー40(
図1)に懸架される。コンタクトデバイス1の圧着作業前、その作業中、又はその作業後、コンタクトデバイス1はリール40から分離することができる。圧着作業後、各圧着領域20,30は、圧着スリーブ20,30とも呼ばれる。
【0024】
コンタクトデバイス1を整形して圧着可能なコンタクトデバイス1を形成する際に、コンタクト領域10の材料層100を曲げて、タブ130、コンタクト舌片130、コンタクトケージ又はコンタクトケーシング等を形成する。この場合、特にタブ130即ちコンタクト舌片130が使用される場合、コンタクトデバイス1上には、別部品として構成された(ロッキング/コンタクト)ケージ即ちケーシングが設けられてもよく、このケージ即ちケーシングよって、実際のコンタクトデバイス1は、例えばハウジング内に係合されることができ、及び/又は、このケージ即ちケーシングは、例えば、コンタクトデバイス1が取り扱われる際、又はコンタクトデバイス1が相手コンタクトデバイスに結合される際、コンタクト舌片130を過伸展から保護するために、コンタクト舌片130を案内、即ち、コンタクト舌片130をその移動の自由度に関して制限する。
【0025】
更に、打抜きブランクを整形してコンタクトデバイス1を形成する際に、導体圧着領域20の材料層200を真っ直ぐに曲げて、実質的にU字形又はV字形の接続基部210を形成し、且つ少なくとも1つ、好ましくは2つの圧着側面220、タブ220即ち翼220を形成する。電線が導体圧着領域20に圧着される際、圧着側面220は折り曲げられ、導体クリンプが構成される(摩擦/非ポジティブロック係合)。導体圧着領域20の内側は、導体用の固定デバイス230を有する。この固定デバイス230は、好ましくは、鋭利な縁の溝(セレーション)を備えることが好ましく、これらの溝は、圧着中に好ましくはアルミニウムを備える導体の酸化層をこじ開け、部分的な冷間圧接(物質的には係合接続)を確実なものとし、その結果、永久に良好な電気接続を確立する。
【0026】
一体的なコンタクトデバイス1、即ち、容易には分離すことができない又は非ポジティブロック式及び/又はポジティブロック式に結び付けられたコンタクトデバイス1、好ましくは物質的に一体的なコンタクトデバイス1、即ち、物質的に係合する方法で結び付けられて、部品を損傷することなく分離することは不可能であるコンタクトデバイス1、又は特に一体的なコンタクトデバイス1、即ち、単一のピースから成るという意味で均一に製造されたコンタクトデバイス1は、後部に向かってその長手方向Lに、即ち、コンタクト領域10から離れる向きに、絶縁体圧着領域30を有し、絶縁体圧着領域30は、従って、導体圧着領域20に隣接している。絶縁体圧着領域30の単純な断面形状は、圧着作業前は、導体圧着領域20と同様に実質的にU字形又はV字形である。
図1及び
図2に見ることができる打抜きブランクの形状では、コンタクトデバイス1の実質的に全ての材料層100,200,300は、相互に整列しており、実質的に平面状である。
【0027】
導体圧着領域20が整形される及び/又は圧着される際、圧着側面220の部分的な変位があり、その結果、コンタクトデバイス1の長手軸Lの方向に接続基部210に対する固定デバイス230の部分的な変位も存在する。これは、絶縁体圧着領域30の方向に固定デバイス230上の矢印(軸を有する)によって
図2に示されている。この変位は、圧着側面220の左右の横断方向の端部上に/内に(on/in)おいて最も大きい。その結果、短い「クリンプ」によって、セレーションの機能溝の数即ちその一部が減少する。本発明によれば、従って、固定デバイス230は構成され、且つ、特に、固定デバイス230の長手方向のずれが、好ましくは接続基部210の反対側で補償されることができる又は補償されるように、導体圧着領域20上に/内に(on/in)斜めに配置された状態で設けられる即ち構成される。
【0028】
図1は、打抜きブランクを整形して実際の圧着可能なコンタクトデバイス1を形成する前の打抜きブランクにおける固定デバイス230の上記のような補償傾斜位置を示す。本発明に係る固定デバイス230は、この目的で、接続基部210上で互いに接触する、即ち、互いに直接隣接する2つの固定ゾーン232,234を有する。単一の固定ゾーン232,234は、好ましくは、少なくとも1つの溝及び/又はリブ、溝付き構造、波形構造、畝状構造又はセレーションを有する3D構造ゾーン、即ち、コンタクトデバイス1の実質的に横断方向Qに延在する幅広な歯を有する「歯状装置」として構成される。この場合、2つの固定ゾーン232,234は、好ましくは、同様に且つ特に長手軸Lに対してミラー反転して構成される。単一の固定ゾーン232,234を固定デバイス230として用いることもできる。
【0029】
各固定ゾーン232,234は、長手軸Lに対して斜めに角α即ち内角αで設けられる。この場合、角αは、各固定ゾーン232,234の側面とコンタクトデバイス1の長手軸Lの間の角である。角αは、直角よりも小さく、好ましくは、約0.5〜20°小さい。2つの固定ゾーン232,234は、それらの間に鏃状の形状(即ち、軸の無い矢印)を形成し、この矢印の「頭」は、コンタクト領域10から離れてコンタクトデバイス1の打抜きブランクの絶縁体圧着領域30の方を指す。角α、即ち内角αは、この場合、矢印内の長手軸Lからその外境まで延在している(固定ゾーン232に関して
図1及び
図2を夫々参照)。本発明によれば、打抜きブランクのレイアウトにおいて整形作業(任意ではあるが、圧着)中の固定デバイス230の変位に関する規定が設けられる。
【0030】
圧着可能なコンタクトデバイス1を形成するための打抜きブランクの整形作業中及び/又は圧着可能なコンタクトデバイス1の圧着(整形作業)中には、この角α、即ち内角αは、好ましくは約90°まで増加する。それにより、より小さく且つより薄いコンタクトデバイス1であっても、小さな圧着長さを得ることができ、これは、より短く且つ物質的にも減少したコンタクトデバイス1において見ることができる。かかるコンタクトデバイス1は、特にアルミニウムケーブルに適しているが、銅ケーブル又はその他の導電体を有するケーブルも当然のことながら使用可能である。より効果的な導体圧着又はより効果的な導体圧着スリーブにより、電気的によりロバストな接続が更に生じる。
【0031】
コンタクトデバイス1上に/内に(on/in)おいて横断方向Qに連続的である固定デバイス230は、例えばセレーションの打ち抜き(整形打ち抜き方法)により、打抜きブランクの材料層200を弱め、幾つかの部分で固定デバイス230の領域において、比較的大きく減少する。その結果、コンタクトデバイス1は、当該領域において、その反対側よりも不安定になる。この問題は、特に接続基部210の領域における固定デバイス230即ちセレーションの切れ目により、本発明に従って克服され、即ち、コンタクトデバイス1の弱体化は低減する。即ち、本発明によれば、この領域には、固定デバイス230又は固定ゾーン232,234を設けず、好ましくは、コンタクトデバイス1の元の材料層(100),200,(300)が、長手方向Lに維持される。
図2を参照のこと。
【0032】
本発明の実施形態では、コンタクトデバイス1の打抜きブランクでは、更に、又は固定デバイス230の斜めの配置に対する代替手段として、好ましくは接続基部210にウェブ213が設けられ、コンタクトデバイス1を補強する。この場合、ウェブ213は、好ましくは、固定ゾーン232,234間、且つ好ましくは移行領域19から移行領域29内の/上の(in/on)位置まで導体圧着領域20上に延在する。ウェブ213は、特にコンタクトデバイス1の未変形の材料層200を備える。それにより、比較的薄いコンタクトデバイス1が、全体的により安定する。
【0033】
コンタクトデバイス1の安定性は、コンタクト領域10に対して接続基部210及び/又は移行領域19上の/内の(on/in)ビード236即ち補強打ち抜き部236によって更に改良されてもよい。ビード236は、この場合、ウェブ213上に、又は任意でその内部に部分的に設けられてもよい。この場合、ビード236は、好ましくは、導体圧着領域20と移行領域19との間に、又は両領域19,20の一方及び/又は両方へ延出するように設けられる。特に接続基部210の領域における本発明に係るウェブ213即ち固定デバイス230の本発明に係る切れ目は、先行技術に係るコンタクトデバイスの従来の固定デバイス上で使用することもできる。
【0034】
更に、コンタクトデバイス1は、特別な方法によって構成された、ケーブルの絶縁体の機械的圧着のために機能する絶縁体圧着領域30を有してもよい。絶縁体圧着領域30、即ち、圧着基部310及び/又は一方又は両方の圧着側面320は、この場合、ケーブルの絶縁体が、機械的圧着に加えて、絶縁体圧着領域30によって機械的に固定されることができるように絶縁体を固定するための絶縁体固定デバイス330を有する。絶縁体固定デバイス330は、少なくとも1つのメゾスコピック又はマクロスコピックな凹み及び/又は少なくとも1つのメゾスコピック又はマクロスコピックな突起を備える。絶縁体圧着領域30とケーブルの絶縁体との間で絶縁体圧着が構成される際、突起は、好ましくは、絶縁体及び/又は凹み内の絶縁体内で係合する。
【0035】
絶縁体圧着領域30の材料層300は、絶縁体固定デバイス330として、好ましくは異なる材料厚みを有する少なくとも1つの絶縁体固定ゾーン332,334を有する。絶縁体固定デバイス330の材料層300は、この場合、第1の点について、材料層300の単純な断面形状を有し、第2の点について、この断面形状からの逸脱を有する。絶縁体圧着領域30は、コンタクトデバイス1の横断方向Q及び/又は長手方向Lに,複数の相互に離間した絶縁体固定ゾーン332,332,332,334,334,334を有してもよい。
【0036】
本発明の実施形態では、絶縁体圧着領域30は、好ましくは、複数の、特に2つ、3つ又は4つの同様な絶縁体固定ゾーン332,334が横断方向Qに互いに離間し、また、好ましくは、複数の、特に2つの異なる絶縁体固定ゾーン332,334が長手方向Lに互いに離間している。第1の絶縁体固定ゾーン332は、好ましくは、好ましくは少なくとも1つのリブ又は溝を備える第1の種類の3D構造ゾーン332である。第2の絶縁体固定ゾーン334は、好ましくは、好ましくは少なくとも1つのカム又は爪を備える第2の種類の3D構造ゾーン334である。
【0037】
本発明の好適な実施形態では、コンタクトデバイス1の絶縁体圧着領域30は、横断方向Qに、複数の、特に4つの第1の種類の3D構造ゾーン332と、複数の、特に3つの第2の種類の3D構造ゾーン334を有する。この場合、第1の種類の3D構造ゾーン332は、好ましくは、横断方向Qに第2の種類の3D構造ゾーン334と交互になっていてよく、第1の種類の3D構造ゾーン332は、好ましくは、長手方向Lに第2の種類の3D構造ゾーン334に対して、特に重なり合わずに互いに隣接してよい。
【0038】
絶縁体固定デバイス300の2つの絶縁体固定ゾーン332,332,332,334,334,334は、本発明によれば、好ましくは、はっきりと互いに分離された状態、即ち、互いに区切られた又は互いから締め出された状態に設けられる。即ち、2つの絶縁体固定ゾーン332,332,332,334,334,334は、好ましくは、互いに一体化しない。しかし、これは、境界領域では可能である。特に、少なくとも2つの絶縁体固定ゾーン332,332,332,334,334,334は、互いに隣接して、特に互いに直接隣接して設けられる。好ましくは、絶縁体固定ゾーン332,332,332,334,334,334は、絶縁体圧着領域30の横断方向Qに設けられ、任意で圧着側面320の横断方向端又は横断方向端部分を除いて、絶縁体固定ゾーン332,332,332,334,334,334が絶縁体圧着領域30の横断方向Qの実質的に全体を架橋するように、任意で直線状に又はジグザグに交互になっている。
【0039】
原理上は、絶縁体圧着領域30上の/内の(on/in)絶縁体固定ゾーン332,332,332,334,334,334の可能な分布は、任意の種類のものでもよい。しかしながら、これらは、好ましくは、コンタクトデバイス1が曲げられる際及び/又はケーブルが絶縁体圧着領域30上で屈曲される際に、ケーブルの絶縁体が絶縁体クリンプから滑り落ちないように、即ち、コンタクトデバイス1の絶縁体圧着領域30から滑り落ちないように分布するように選択及び/又は配置をされる。この場合、2つの絶縁体固定ゾーン332,334の1つの組み合わせ又は複数の組み合わせが好ましく、第1の種類の絶縁体固定ゾーン332は、弾性的にのみケーブルの絶縁体を変形し、第2の種類の絶縁体固定ゾーン334は、弾性的に、且つ任意で塑性的に、例えば、食い込み又は突き刺しによってケーブルの絶縁体を変形させる。
【0040】
絶縁体固定ゾーン332,332,332,334,334,334は、好ましくは、絶縁体圧着領域30とケーブルの絶縁体との間に液密接続を生じさせることができるように構成される。これは、例えば、2つの異なる絶縁体固定ゾーン332,334(
図1及び2を参照)が、互い違いに交互に配置されるように行われてもよい。この場合、第1の種類の絶縁体固定ゾーン332は、横断方向Qに長手方向位置に互いに離間して設けられてもよい。同様に、第2の種類の絶縁体固定ゾーン334の列も互い違いに配置され、即ち、これらも、別の長手方向位置に横断方向Qに互いに離間して設けられる。第1の種類の2つの直接隣接する絶縁体固定ゾーン332の間の横断方向Qの間隙は、この場合、第2の種類の絶縁体固定ゾーン334と実質的に同じくらい又はそれよりも僅かに大きい又は小さく、またその逆も然りである。
【0041】
更に、導体圧着領域20と絶縁体圧着領域30との間の移行領域29に横断方向Qに切り込みを入れない、即ち、はっきりと互いに対してずれた又は互いから分離した圧着側面220,320を設けないことが好ましい。即ち、このような場合、コンタクトデバイス1上に/内に圧着翼220,320がない。これは、
図1及び
図2に明確に見ることができ、コンタクトデバイス1は、好ましくは、導体圧着領域20から絶縁体圧着領域30の方向に横断方向Qに広くなっていくか(
図1及び
図2を参照)、横断方向Qのその寸法を実質的に又は主に維持する。
【0042】
コンタクトデバイス1の単一の組み立てられた圧着側面220,29,320、即ち、コンタクトデバイス1の長手方向側の組み立てられた圧着側面220,29,320は、この場合、導体圧着領域20の単一の圧着側面220(圧着翼220)と、絶縁体圧着領域30と移行領域29との間に位置する絶縁体圧着領域30と移行領域29の単一の圧着側面320(圧着翼320)を備える。組み立てられた圧着側面220,29,320の外縁は、この場合、コンタクトデバイス1の長手軸Lから離間して設けられる。即ち、移行領域29は、仮想の圧着翼220,320(圧着側面220,320)間の間隙を実質的に完全に埋める。