【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様は、次のような構成を有している。
(1)入口ラインと、前記入口ラインから分岐するN本(N≧2)のガス供給ラインとを有し、前記入口ラインに入力した所定流量のガスを前記複数のガス供給ラインに等しい分流比で分流させるガス分流制御システムにおいて、前記N本のガス供給ラインのうちの1本のガス供給ラインに配設され、前記1本のガス供給ラインを遮断又は開放する開閉バルブと、前記N本のガス供給ラインのうち、前記1本のガス供給ライン以外の他のガス供給ラインにそれぞれ配設され、流量を測定するN−1個の
質量流量計と、前記他のガス供給ラインの前記
質量流量計の二次側にそれぞれ配設され、流量を制御するN−1個の制御バルブと、前記1本のガス供給ラインと前記他のガス供給ラインの一つである共用ラインとを連通させるものであって、一端が前記共用ラインに配設された
質量流量計と制御バルブとの間に接続し、他端が前記開閉バルブの二次側に接続するバイパスラインと、前記バイパスラインに配設され、前記バイパスラインを開閉するバイパスバルブと、前記開閉バルブと前記N−1個の
質量流量計と前記N−1個の制御バルブと前記バイパスバルブに接続するコントローラとを有すること、前記コントローラは、前記N−1個の制御バルブと前記バイパスバルブとを開き、前記開閉バルブを閉じた状態で前記入口ラインに前記所定流量のガスを供給された場合に、前記N−1個の
質量流量計の出力に基づいて前記入口ラインに実際に入力したガスの全体実流量を測定する全体実流量測定手段と、前記共用ライン以外の他のガス供給ラインに配設される
質量流量計が前記全体実流量に対してN分の1を測定し、前記共用ラインに配設される
質量流量計が前記全体実流量に対してN分の2を測定するように、前記共用ライン以外の他のガス供給ラインに配設される制御バルブに流量を制御させる第1流量制御手段と、前記バイパスバルブを閉じ、前記開閉バルブを開いた場合に、前記共用ラインに配設される
質量流量計が前記全体実流量に対してN分の1を測定するように、前記共用ラインに配設される制御バルブに流量を制御させる第2流量制御手段と、前記N−1個の
質量流量計について、前記全体実流量のN分の1の流量にあたる出力をモニタリングし、前記入口ラインに入力する前記ガスの流量精度を検定する流量検定手段とを有すること、
前記N−1個の制御バルブと前記開閉バルブとバイパスバルブは、前記1本のガス供給ラインと、前記1本のガス供給ライン以外の他のガス供給ラインと、前記バイパスラインとの流量損失が同程度になるように、CV値が設定されていること、を特徴とする。
【0012】
上記構成では、複数のガス供給ラインのうちの1本が流量計を配設されないので、流量計の数がガス供給ラインの数より1個少ない。そのため、上記構成では、全てのガス供給ラインに流量計を配設する場合より、設置コストを安価にでき、また、流量計とそれに接続する配管の設置スペースを省いてシステムを小型化できる。
【0013】
かかるガス分流制御システムは、流量計を配設されない1本のガス供給ラインについては、流量をフィードバック制御できない。そこで、上記構成では、1本のガス供給ラインに配設される開閉バルブの二次側と、他のガス供給ラインの一つである共用ラインに配設される流量計と制御バルブとの間とを、バイパスラインで接続している。バイパスラインには、バイパスバルブが配設されている。この流路構成により、入口ラインが共用ラインに配設される流量計とバイパスバルブを介して1本のガス供給ラインに導通する流路と、入口ラインが開閉バルブを介して1本のガス供給ラインに導通する流路とを切り換えることが可能になる。
【0014】
このような流路構成を有するガス分流制御システムは、コントローラが制御バルブとバイパスバルブを開き、開閉バルブを閉じた状態で、所定流量のガスが入口ラインに供給されると、1本のガス供給ライン以外の他のガス供給ラインにそれぞれガスが流入する。他のガス供給ラインには、それぞれ流量計が配設されており、ガスの流量を測定される。そこで、コントローラは、これらN−1個の流量計の出力に基づいて、入口ラインに実際に入力したガスの全体実流量を測定する。
【0015】
この時点では、バイパスバルブが開閉バルブに代替して開いているため、共用ラインの流量計は、共用ラインに流れるガスと1本のガス供給ラインに流れるガスの流量を測定する。そこで、コントローラは、共用ライン以外の他のガス供給ラインに配設される流量計が全体実流量のN分の1の流量を測定し、共用ラインに配設される流量計が全体実流量に対してN分の2の流量を測定するように、共用ライン以外の他のガス供給ラインに配設される制御バルブの流量を制御する。
【0016】
その後、コントローラは、バイパスバルブを閉じ、開閉バルブを開く。これにより、ガスが、入口ラインから1本のガス供給ラインにも流入するようになる。そこで、コントローラは、共用ラインの流量計により測定される流量が全体実流量に対してN分の1になるように、共用ラインの制御バルブの流量を制御する。これにより、共用ラインに流れるガスの流量は、全体実流量に対してN分の2からN分の1に絞られる。そして、残った全体実流量に対してN分の1のガスが、1本のガス供給ラインを流れるようになる。
【0017】
よって、上記構成のガス分流制御システムは、複数のガス供給ラインのうちの1本のガス供給ラインに流量計を配設していなくても、入口ラインに入力したガスを複数のガス供給ラインにN分の1ずつ等しく分流させることができる。この場合、ガス分流制御システムは、N−1個の流量計の出力に基づいて入口ラインに実際に入力するガスの全体実流量を測定し、それに基づいてガスを複数のガス供給ラインに等分に分流させるので、入口ラインに実際に入力するガスの流量が設定流量とずれていても、精度良くガスを等分に分流させることができる。
【0018】
また、上記ガス分流制御システムは、例えば、半導体製造工程において分流制御を5分に1回行う場合、1日に300回、N分の1にあたる流量計の出力をモニタリングする。コントローラは、例えば1日に300回行う分流制御の途中で(例えば100回目の分流制御時に)、モニタリングした流量計の出力が直近の出力(前回の出力でも、直近数回分の出力の平均値でも良い。)に対して変動した場合には、入口ラインに入力されるガスの流量精度にズレが生じたことを検知する。よって、上記構成のガス分流制御システムによれば、N−1個の流量計の出力に基づいてガスの流量精度を分流制御時に毎回検定するので、プロセス開始前等に1日1回流量検定を行う場合に比べ、ガスの流量精度のズレを早期に検知できる。これにより、製品品質の低下を未然に防止することが可能になる。
【0019】
(2)入口ラインと、前記入口ラインから分岐するN本(N≧2)のガス供給ラインとを有し、前記入口ラインに入力した所定流量のガスを前記複数のガス供給ラインに等しい分流比で分流させるガス分流制御システムにおいて、前記N本のガス供給ラインのうちの1本のガス供給ラインに配設され、前記1本のガス供給ラインを遮断又は開放する開閉バルブと、前記N本のガス供給ラインのうち、前記1本のガス供給ライン以外の他のガス供給ラインにそれぞれ配設され、流量を測定するN−1個の
質量流量計と、前記他のガス供給ラインの前記
質量流量計の二次側にそれぞれ配設され、流量を制御するN−1個の制御バルブと、前記開閉バルブと前記N−1個の
質量流量計と前記N−1個の制御バルブに接続するコントローラとを有すること、前記コントローラは、前記N−1個の制御バルブを開き、前記開閉バルブを閉じた状態で前記入口ラインに前記所定流量のガスを供給された場合に、前記N−1個の
質量流量計の出力に基づいて前記入口ラインに実際に入力したガスの全体実流量を測定する全体実流量測定手段と、前記全体実流量のN分の1のサンプル流量を算出するサンプル流量算出手段と、前記開閉バルブを開き、前記N−1個の
質量流量計がそれぞれサンプル流量を測定するように前記N−1個の制御バルブに流量を制御させる流量制御手段と、前記N−1個の
質量流量計について、前記全体実流量のN分の1の流量にあたる出力をモニタリングし、前記入口ラインに入力する前記ガスの流量精度を検定する流量検定手段とを有すること、
前記N−1個の制御バルブと前記開閉バルブは、前記1本のガス供給ラインと、前記1本のガス供給ライン以外の他のガス供給ラインとの流量損失が同程度になるように、CV値が設定されていること、を特徴とする。
【0020】
上記構成では、流量計の数がガス供給ラインの数より1個少ない上に、バイパスラインとバイパスバルブを必要としないので、上記(1)より更に設置コストを安価にしてシステムを小型化できる。
【0021】
また、上記(2)のガス分流制御システムは、上記(1)と同様にして全体実流量を測定し、測定した全体実流量のN分の1のサンプル流量を算出する。その後、コントローラは、開閉バルブを開き、N−1個の流量計がそれぞれサンプル流量を測定するようにN−1個の制御バルブの流量を制御する。これにより、N−1本の他のガス供給ラインには、全体実流量に対してN分の1のガスがそれぞれ流れ、1本のガス供給ラインには、残りの全体実流量に対してN分の1のガスが流れるようになる。
【0022】
よって、上記(2)のガス分流制御システムは、複数のガス供給ラインのうちの1本のガス供給ラインに流量計を配設していなくても、入口ラインに入力したガスを複数のガス供給ラインにN分の1ずつ等しく分流させることができる。この場合、ガス分流制御システムは、N−1個の流量計の出力に基づいて入口ラインに実際に入力するガスの全体実流量を測定し、全体実流量のN分の1のサンプル流量を算出し、サンプル流量に基づいてガスを複数のガス供給ラインに等分に分流させるので、入口ラインに実際に入力するガスの流量が設定流量とずれていても、精度良くガスを等分に分流させることができる。
【0023】
また、上記(2)のガス分流制御システムは、(1)と同様、N−1個の流量計の出力に基づいてガスの流量精度を分流制御時に毎回検定するので、プロセス開始前等に1日1回流量検定を行う場合に比べ、ガスの流量精度のズレを早期に検知できる。これにより、製品品質の低下を未然に防止することが可能になる。
【0024】
(3)入口ラインと、前記入口ラインから分岐するN本(N≧2)のガス供給ラインとを有し、前記入口ラインに入力した所定流量のガスを前記複数のガス供給ラインに等しい分流比で分流させるガス分流制御システムにおいて、前記N本のガス供給ラインのうちの1本のガス供給ラインに配設され、前記1本のガス供給ラインを遮断又は開放する開閉バルブと、前記N本のガス供給ラインのうち、前記1本のガス供給ライン以外の他のガス供給ラインにそれぞれ配設され、流量を測定するN−1個の
質量流量計と、前記他のガス供給ラインの前記
質量流量計の二次側にそれぞれ配設され、流量を制御するN−1個の制御バルブと、前記開閉バルブと前記N−1個の
質量流量計と前記N−1個の制御バルブに接続すると共に、前記入口ラインに前記ガスを供給するガス供給システムを制御するホストコントローラに接続するコントローラとを有すること、前記コントローラは、N−1個の制御バルブの1個を開き、その開いた制御バルブ以外の制御バルブと前記開閉バルブを閉じるバルブ制御手段と、前記ホストコントローラが前記所定流量のN分の1のガスを前記入口ラインに供給するように前記ガス供給システムを制御した場合に、前記バルブ制御手段により開かれた制御バルブの一次側に配設される
質量流量計の出力を読み取ってサンプル流量を記憶するサンプル流量記憶手段と、前記ホストコントローラが前記所定流量のガスを前記入口ラインに供給するように前記ガス供給システムを制御した場合に、前記開閉バルブを開き、前記N−1個の
質量流量計が前記サンプル流量を測定するように前記N−1個の制御バルブに流量を制御させる流量制御手段と、前記N−1個の
質量流量計について、前記流量制御手段において前記サンプル流量を測定するときの出力をモニタリングし、前記入口ラインに入力する前記ガスの流量精度を検定する流量検定手段とを有すること、
前記N−1個の制御バルブと前記開閉バルブは、前記1本のガス供給ラインと、前記1本のガス供給ライン以外の他のガス供給ラインとの流量損失が同程度になるように、CV値が設定されていること、を特徴とする。
【0025】
上記構成では、流量計の数がガス供給ラインの数より1個少ない上に、バイパスラインとバイパスバルブを必要としないので、上記(1)より更に設置コストを安価にしてシステムを小型化できる。
【0026】
また、上記(3)のガス分流制御システムは、ホストコントローラとコントローラとが連携してガスを分流制御する。すなわち、コントローラが、N−1個の制御バルブの1個を開け、それ以外の制御バルブと開閉バルブを閉じることで、N本のガス供給ラインの一つのみにガスが流れるようにする。この状態で、ホストコントローラが入口ラインに入力させるガスの流量を所定流量のN分の1に制御すると、N−1個の流量計の1つにより、所定流量のN分の1のガスが流れるときの流量計の出力が検出されるので、コントローラがそれを読み取ってサンプル流量として記憶する。そして、ホストコントローラが入口ラインに入力させるガスを所定流量に制御すると、コントローラは、N−1個の流量計がサンプル流量を測定するようにN−1個の制御バルブの流量を制御する。これにより、N−1本の他のガス供給ラインには、全体実流量に対してN分の1のガスがそれぞれ流れ、1本のガス供給ラインには、残りの全体実流量に対してN分の1のガスが流れるようになる。
【0027】
よって、上記(3)のガス分流制御システムは、複数のガス供給ラインのうちの1本のガス供給ラインに流量計を配設していなくても、コントローラがホストコントローラと連携して、入口ラインに入力したガスを複数のガス供給ラインにN分の1ずつ等しく分流させることができる。この場合、ガス分流制御システムは、ホストコントローラが設定流量のN分の1の流量を入口ラインに実際に入力させた状態で、N−1個の流量計のうちの1つの流量計でN分の1となるサンプル流量を実測し、その後、ホストコントローラが所定流量のガスを入口ラインに入力させたときに、実測したサンプル流量に基づいてN−1個の制御バルブを制御してガスを複数のガス供給ラインに等分に分流させるので、入口ラインに実際に入力するガスの流量が設定流量とずれていても、精度良くガスを等分に分流させることができる。
【0028】
また、上記(3)のガス分流制御システムは、(1)と同様に、N−1個の流量計の出力に基づいてガスの流量精度を分流制御時に毎回検定するので、プロセス開始前等に1日1回流量検定を行う場合に比べ、ガスの流量精度のズレを早期に検知できる。これにより、製品品質の低下を未然に防止することが可能になる。
【0029】
(4)(1)に記載の構成において、前記開閉バルブ及び前記バイパスバルブは前記制御バルブよりCV値が小さいことが好ましい。
【0030】
上記構成では、開閉バルブとバイパスバルブがN−1個の制御バルブよりCV値が小さいので、バイパスバルブを開き、開閉バルブを閉じた状態で、ガスを共用ラインの流量計から制御バルブ側とバイパスバルブ側に流す場合と、バイパスバルブを閉じ、開閉バルブを開いた状態で、ガスを入口ラインから共用ラインと1本のガス供給ラインとに分流させる場合とで、流量損失を同程度にできる。よって、上記構成によれば、ガス供給ラインの数(N)より少ないN−1個の流量計の出力をモニタリングしながら、ガスを精度良く等分に分流させることができる。
【0031】
(5)(2)又は(3)に記載の構成において、前記開閉バルブは前記制御バルブよりCV値が小さいことが好ましい。
【0032】
上記構成では、開閉バルブが制御バルブよりCV値が小さいので、流量計を備えない1本のガス供給ラインと、流量計を備える他のガス供給ラインとで、流量損失を同程度にできる。よって、上記構成によれば、ガス供給ラインの数(N)より少ないN−1個の流量計の出力をモニタリングしながら、ガスを精度良く等分に分流させることができる。