(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
多くの遊技機において、表示装置では、当否判定結果が大当たりとなる蓋然性(いわゆる信頼度)を示唆する上記保留変化演出以外の種々の演出(以下、主演出と称することもある)が実行される。そのため、当該表示装置に保留図柄が表示される遊技機において、上記のような保留変化演出が実行される際、表示装置に表示される別の図柄は、表示装置において実行されている主演出に関与するものなのか、そうでないのか(保留変化演出に関与するものなのか)が分かりにくい。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、表示装置において実行される演出を分かりやすくすることが可能な遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためになされた本発明にかかる遊技機は、表示装置およびそれを制御する表示制御手段を備えた遊技機であって、前記表示制御手段は、他の部材に覆われずに露出する前記表示装置の表示領域に
て特定演出を実行する際、前記
特定演出が実行される前の状態であって前記表示領域に表示される画像の明度が均一な第一状態から、前記表示領域に表示される
特定画像以外の画像の明度が当該特定画像の明度に比して低い第二状態に変化させるようにするとともに、当否判定結果を報知するための識別図柄の全てが前記特定画像以外の画像に含まれるよう
にして当該識別図柄を変動表示する主演出が、前記第一状態から前記第二状態にかけて継続的に実行されるようにしつつ、前記第二状態となった後、前記主演出と前記特定画像を用いた
前記特定演出が同時に進行するように前記表示装置を制御することを特徴とする。
【0007】
上記本発明にかかる遊技機によれば、所定の演出を実行する場合、当該演出に関与する画像の少なくとも一部である特定画像以外の画像の明度を、特定画像に比して小さいものとするから、特定画像が当該演出に関与するものであることを分かりやすくすることが可能である。
【発明の効果】
【0008】
本発明にかかる遊技機によれば、表示装置において実行される演出を分かりやすくすることが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明にかかる遊技機1の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。まず、
図1を参照して遊技機1の全体構成について簡単に説明する。
【0011】
遊技機1は遊技盤90を備える。遊技盤90は、ほぼ正方形の合板により成形されており、発射装置908(発射ハンドル)の操作によって発射された遊技球を遊技領域902に案内する通路を構成するガイドレール903が略円弧形状となるように設けられている。
【0012】
遊技領域902には、表示装置91、始動入賞口904、大入賞口906、アウト口などが設けられている。かかる表示装置91のy911は、遊技盤90に形成された開口901を通じて視認可能となる領域である。なお、
図2〜
図4には、表示領域911を大まかに記載するが、その形状等は適宜変更可能である(開口901の形状や大きさ、表示装置91自体の形状や大きさを変更することで表示領域911の形状等を変更することができる)。
【0013】
また、遊技領域902には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての遊技釘が複数設けられている。遊技領域902を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。
【0014】
このような遊技機1では、発射装置908を操作することにより遊技領域902に向けて遊技球を発射する。遊技領域902を流下する遊技球が、始動入賞口904や大入賞口906等の入賞口に入賞すると、所定の数の賞球が払出装置により払い出される。
【0015】
なお、遊技機1の枠体、遊技球を貯留する下皿や上皿など、本発明に関係のない遊技機1の構成要素は説明を省略する。これらについては公知の遊技機と同様の構造のものが適用できる。
【0016】
大当たりの抽選は、図示されない制御基板に設けられた当否判定手段が始動入賞口904への遊技球の入賞を契機として実行する(このような始動入賞口は複数設けられていてもよい)。具体的には、始動入賞口904への遊技球の入賞を契機として乱数源から数値が取得され、当該数値が予め定められた大当たりの数値と同じである場合には大当たりとなり、異なる場合にははずれとなる。公知の遊技機と同様に、大当たりとなる場合には、識別図柄80が所定の組み合わせ(例えば同じ図柄の三つ揃い)となることによって報知され、それ以外の組み合わせが表示された場合には外れとなる。
【0017】
本実施形態にかかる遊技機1は、当否判定結果が大当たりとなる蓋然性が高まったことを示唆する保留変化演出を実行することが可能である。保留変化演出は、いわゆる保留図柄10(本発明における第二演出画像に相当する)を用いた先読み予告である。本実施形態では、上記当否判定のための数値が取得された順に当否判定結果の報知が開始される(いわゆる変動が開始される)こととなるが、ある数値が取得されたときに、それより前に取得された数値に基づく当否判定結果が報知されている際には、当該ある数値に基づく当否判定結果の報知が開始されるまで、図示されない制御基板に設けられた記憶手段に記憶される。未だ当否判定結果の報知が開始されていない数値(当該数値のそれぞれに対応するものが「保留」である)の最大の記憶数(最大保留数)は適宜設定することができる。本実施形態における記憶手段が記憶できる最大保留数は、一種の始動入賞口につき四つである。なお、本実施形態では、当否判定結果の報知が開始される時点で、取得された数値が大当たりとなる数値か否かが判断されることとなるが、数値が取得されたときに当否判定を行い、当否判定結果自体を記憶させておく構成としてもよい。また、取得された数値は、当否判定結果を報知する演出の具体的な内容を決定するための数値としても利用される。
【0018】
本実施形態では、
図2に示すように、記憶手段に記憶されている当否判定結果の報知が開始されていない取得された数値(当否判定情報)のそれぞれに対応するマークである保留図柄10が、表示装置91の表示領域911に表示される。具体的には、当否判定を実行するための数値が取得された順に並ぶよう、保留図柄10が表示装置91の表示領域911に表示される。本実施形態では、当該保留図柄10として、通常図柄11と一または複数種の特殊図柄12が設定されている。保留変化演出は、保留図柄10が通常図柄11からいずれかの特殊図柄12に変化、またはいずれかの特殊図柄12が別の特殊図柄12に変化することで、当該保留図柄10(特殊図柄12)に対応する当否判定結果が大当たりとなる蓋然性(信頼度)が、一定程度(通常図柄11に対応する当否判定結果が大当たりとなる蓋然性よりも)高まったことを示唆するものである。
【0019】
本実施形態における保留変化演出(当該保留変化演出が、本発明における画像変化演出の一例に相当する)は、作用図柄20(本発明における第一演出画像に相当する)およびこの作用図柄20の軌跡を示す軌跡図柄30(本発明における示唆画像に相当する)が表示されることがある。
【0020】
後述する(
図3、
図4に示す)ように、保留図柄10が変化する場合、保留図柄10に衝突等する作用図柄20が表示された結果、保留図柄10の態様が変化することとなる。軌跡図柄30は、表示された作用図柄20が保留図柄10に到達するまでの軌跡を表示するものである。なお、保留変化が発生する場合、必ず作用図柄20が表示される必要はない。保留図柄10の態様がいきなり変化する等、異なる態様の保留変化演出が発生することがあってもよい。つまり、保留変化演出の少なくとも一部が、作用図柄20が表示されることによってなされるものであればよい。作用図柄20が保留図柄10に作用(衝突等)した場合、必ず保留図柄10が変化する構成であってもよいし、作用図柄20が保留図柄10に作用(衝突等)した場合であっても、保留図柄10の変化が発生しないことがあってもよい。
【0021】
作用図柄20を用いた保留変化演出の具体例は次の通りである。通常時(保留変化演出が実行されていないとき)における表示装置91の表示領域911に表示される画像(図柄)の明度は均一である(
図3(a)参照)。本例の保留変化演出では、まず、表示装置91の表示領域911に軌跡図柄30が表示される(
図3(b)参照)。そして、作用図柄20を持ったキャラクタ図柄40が別途表示される(
図3(c)参照)。作用図柄20(キャラクタ図柄40)と軌跡図柄30を同時に表示してもよいし、一方を先に表示してもよい。また、軌跡図柄30やキャラクタ図柄40が表示されない保留変化演出が実行されることがあってもよい。本例では、作用図柄20が作用する対象の保留図柄10まで延びる線状の軌跡図柄30が表示された後、作用図柄20が表示される。
【0022】
この際、本例では、(表示装置91を制御する図示されない表示制御手段が)表示装置91の表示領域911に表示される画像のうち、保留図柄10、作用図柄20、軌跡図柄30(表示される場合)、キャラクタ図柄40(表示される場合)以外の画像の明度を低下させる(
図3(b)(c)参照)。つまり、保留変化演出以外の演出、例えば当否判定結果を報知するための演出(主演出)が実行されている場合であっても、保留変化演出に関与しない演出の画像の明度を低下させるよう表示装置91を制御する。本例では、主演出に関与する画像である背景画像81や変動する識別図柄80の明度を低下させる。
【0023】
保留変化演出が保留変化演出以外の演出と同時に実行される場合には、保留変化演出が開始され(作用図柄20または軌跡図柄30が表示されたとき)、保留変化演出に関与しない演出の画像の明度が低くなった後も、当該明度が低い画像(動画)によって演出が継続的に実行されるようにするとよい。例えば、識別図柄80の変動中に保留変化演出が発生した場合には、明度が低い画像(動画)によって識別図柄80が変動していることが表示され続ける。したがって、遊技者は、保留変化演出が開始された後も、保留変化演出以外の演出(主演出等)がどのように進行しているのかを把握することが可能である。つまり、保留変化演出以外の演出の画像の明度が低くなるだけである(完全にブラックアウトさせるものではない)ため、当該保留変化演出以外の演出の進行や内容が全く把握できなくなることはない。
【0024】
作用図柄20がある保留図柄10に作用し(
図4(a)参照)、当該保留図柄10の態様が変化して(
図4(b)参照)保留変化演出が完了した後、保留変化演出に関与しない演出の画像の明度がもとに戻される(
図4(c)参照)。つまり、表示装置91の表示領域911に表示される全部の画像の明度が同じになる。
【0025】
このようにすることにより、遊技者は、保留変化演出に関与している画像(特定画像)が、保留図柄10、作用図柄20、軌跡図柄30(表示される場合)、およびキャラクタ図柄40(表示される場合)であることを容易に認識することが可能である。また、保留変化演出以外では表示されない作用図柄20や軌跡図柄30が、保留変化演出に関与するものであり、それ以外の演出、例えば当否判定結果を報知するための演出(主演出)に関与するものでないことを容易に認識することが可能である。
【0026】
特に、複数の保留図柄10が表示されているときに、ある一つの保留図柄10に対して保留変化演出が実行される場合、いずれの保留図柄10に作用図柄20が作用するのかが分かりにくい。本例では、対象の保留図柄10まで延びる線状の軌跡図柄30が特定画像として表示装置91の表示領域911に表示されるため、複数の保留図柄10が表示されている場合であっても、保留変化が発生する可能性がある保留図柄10(作用図柄20が作用する保留図柄10)がどのものなのかを容易に理解することが可能である。
【0027】
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
【0028】
例えば、上記実施形態では、保留変化演出で表示される図柄を特定画像として、当該特定画像以外の画像の明度を特定画像の明度よりも低くすることを説明したが、このように制御される対象となる画像(対象となる演出)は保留変化演出で表示されるものに限られない。特に、表示装置91において実行されている主演出との区別を図るべきサブ演出(上記保留変化演出は、当該サブ演出の一種であるということができる)を実行する際に、サブ演出のために表示される画像を特定画像として上記のような制御を実行することで、特定画像が主演出に関与する画像でないことを明確にすることが可能となる。
【0029】
また、上記具体例では、保留変化演出に関与しない演出の画像の明度を低下させる(暗くする)ことによって、保留変化演出に関与する画像(特定画像)の明度に比して小さくすることを説明したが、保留変化演出に関与する画像(特定画像)の明度を上昇させることにより、当該明度の差が生じるようにしてもよい。つまり、明度を制御した結果、保留変化演出に関与する画像(特定画像)の明度の方が、保留変化演出に関与しない演出の画像の明度よりも高くなるように(保留変化演出に関与する画像(特定画像)方が、保留変化演出に関与しない演出の画像よりも明るくなるように)すればよく、明度を増減させる対象の画像はどちらであってもよい。したがって、いずれか一方の画像の明度のみ制御してもよいし、両画像の明度を制御してもよい。
【0030】
また、上記具体例では、保留変化演出に関与する保留図柄10、作用図柄20、軌跡図柄30等を特定画像として、それ以外の画像の明度よりも高くなるように制御することを説明したが、保留変化演出に関与する複数種の図柄(画像)のうちの一部のみを特定画像として、それ以外の画像の明度よりも高くなるように制御するようにしてもよい。例えば、遊技者が保留変化演出の態様を十分に把握できる場合には、作用図柄20と軌跡図柄30を特定画像として設定し、それ以外の画像(保留図柄10を含む)の明度よりも高くなるようにしてもよい。つまり、明度を相対的に高くする画像(特定画像)は、保留変化演出に関与する画像の全てではなく、一部であってもよい。
【0031】
また、上記具体例における保留図柄10は、未だ当否判定結果の報知が開始されていない当否判定結果を判定する数値のそれぞれに対応するものであることを説明したが、上記保留図柄10に加え、現時点で当否判定結果が報知されているものを保留図柄10として表示する構成としてもよい。つまり、当否判定結果の報知が完了していないものを保留図柄10として表示する構成としてもよい。そして、現時点で当否判定結果が報知されているものに対応する保留図柄10を変化させる保留変化演出が実行可能である場合には、当該保留変化演出に対し、上記技術思想を適用することも可能である。
【0032】
上記実施形態から得られる具体的手段(遊技機)を以下に列挙する。
手段1にかかる遊技機は、表示装置およびそれを制御する表示制御手段を備えた遊技機であって、前記表示装置制御手段は、前記表示装置に特定画像を表示する際、当該特定画像以外の画像の明度を当該特定画像の明度に比して低くすることを特徴とする。
手段1にかかる遊技機によれば、所定の演出を実行する場合、当該演出に関与する画像の少なくとも一部である特定画像以外の画像の明度を、特定画像に比して小さいものとするから、特定画像が当該演出に関与するものであることを分かりやすくすることが可能である。
手段2にかかる遊技機は、手段1に記載の遊技機において、第一演出画像が第二演出画像に作用し、当該第二演出画像が変化することで、遊技者に有利な事象が発生する蓋然性が高まったことを示唆する画像変化演出が実行可能であり、前記特定画像は、前記第一演出画像の移動方向を示唆する示唆画像を含むものであることを特徴とする。
手段2にかかる遊技機のように、第一演出画像が別の画像である第二演出画像に作用して第二演出画像が変化する演出を実行するに際し、第一演出画像の移動方向を示唆する示唆画像が特定画像に含まれていれば、どのような演出が実行されるのかを容易に理解することが可能である。
手段3にかかる遊技機は、手段2に記載の遊技機において、複数の前記第二演出画像が同時に表示されることがあり、前記示唆画像は前記第一演出画像が複数の前記第二演出画像のうちのいずれの画像に作用するかを示唆するものであることを特徴とする。
手段4にかかる遊技機は、手段3に記載の遊技機において、前記第二演出画像は、当否判定結果に関する情報が記憶手段に記憶されていることを示す保留表示であることを特徴とする
複数の第二演出画像が同時に表示される場合、いきなり第一演出画像が表示されても当該第一演出画像がどの第二演出画像に作用するのかすぐに判別できないことがある。よって、手段3、4にかかる遊技機のような示唆画像を表示することにより、第一演出画像が作用する第二演出画像を容易に判別することが可能である。
手段5にかかる遊技機は、手段2から手段4のいずれかに記載の遊技機において、前記特定画像は、前記第一演出画像および前記第二演出画像を含むものであることを特徴とする。
手段5にかかる遊技機のような構成とすれば、特定画像が関与する演出は、上記第一演出画像および第二演出画像も関与することを分かりやすくすることが可能である。