特許第6543242号(P6543242)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6543242グルコシルセラミド合成酵素阻害剤の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6543242
(24)【登録日】2019年6月21日
(45)【発行日】2019年7月10日
(54)【発明の名称】グルコシルセラミド合成酵素阻害剤の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07D 453/02 20060101AFI20190628BHJP
   C07D 277/30 20060101ALI20190628BHJP
   C07D 417/06 20060101ALI20190628BHJP
   C07D 417/12 20060101ALI20190628BHJP
【FI】
   C07D453/02
   C07D277/30CSP
   C07D417/06
   C07D417/12
【請求項の数】27
【全頁数】37
(21)【出願番号】特願2016-501840(P2016-501840)
(86)(22)【出願日】2014年3月13日
(65)【公表番号】特表2016-512838(P2016-512838A)
(43)【公表日】2016年5月9日
(86)【国際出願番号】US2014025384
(87)【国際公開番号】WO2014151291
(87)【国際公開日】20140925
【審査請求日】2017年2月27日
(31)【優先権主張番号】61/791,913
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500034653
【氏名又は名称】ジェンザイム・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】クレイグ・シーゲル
(72)【発明者】
【氏名】レイヨマンド・ギミ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・リアドン
(72)【発明者】
【氏名】ジン・ジャオ
【審査官】 伊藤 幸司
(56)【参考文献】
【文献】 特表2000−505452(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/063933(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/175119(WO,A1)
【文献】 特開平08−198751(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/129084(WO,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第00747355(EP,A1)
【文献】 MAZUROV A,BIOORGANIC & MEDICINAL CHEMISTRY LETTERS,NL,PERGAMON,2005年 4月15日,V15 N8,P2073-2077
【文献】 J. Org. Chem.,1983年,48,pp.3845-3847
【文献】 D GEFFKEN,LIEBIGS ANN. CHEM.,1982年 1月 1日,P211-218
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
CAplus/REGISTRY/CASREACT/MARPAT(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】

【化1】
の化合物の製造方法であって、
式中:
nは1、2または3であり;
mは1であり;
tは0、1または2であり;
yは1または2であり;
zは0、1または2であり;
EはOであり;
1はCR1であり;
2はOであり;
3は−NHであり;
4はCR45、CH2CR45またはCH2−(C1〜C6)アルキル−CR45であり;
5は直接結合、O、S、SO2、CR45(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルキルオキシ、(C1〜C6)アルケニル、(C1〜C6)アルケニルオキシであり;
1はH、CN、(C1〜C6)アルキルカルボニル、または(C1〜C6)アルキルであり;
4およびR5は独立してH、(C1〜C6)アルキルから選択されるか、またはR4およ
びR5が接続している炭素と共に、スピロ(C3〜C10)シクロアルキル環もしくはスピロ(C3〜C10)シクロアルコキシ環を形成し;
6は−H、ハロゲン、−CN、(C6〜C12)アリール、(C6〜C12)アリールオキシ、(C1〜C6)アルキルオキシ場合により1つから4つのハロまたは(C1〜C6)アルキルにより置換されている(C1〜C6)アルキルであり;
1は(C2〜C6)アルキニル;
ハロ、場合により1つから3つのハロにより置換されている(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルケニル、アミノ、(C1〜C6)アルキルアミノ、(C1〜C6)ジアルキルアミノ、(C1〜C6)アルコキシ、ニトロ、CN、−OH、場合により1つから3つのハロにより置換されている(C1〜C6)アルキルオキシ、(C1〜C6)アルコキシカルボニル、および(C1〜C6)アルキルカルボニルからなる群から選択される1つまたはそれ以上の置換基により場合により置換されている(C3〜C10)シクロアルキル、(C6〜C12)アリール、(C2〜C9)ヘテロアリール、(C2〜C9)ヘテロシクロアルキルまたはベンゾ(C2〜C9)ヘテロシクロアルキルであり;
2はH;
ハロ、場合により1つから3つのハロにより置換されている(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルキレニル、アミノ、(C1〜C6)アルキルアミノ、(C1〜C6)ジアルキルアミノ、(C1〜C6)アルコキシ、O(C3〜C6シクロアルキル)、(C3〜C6)シクロアルコキシ、ニトロ、CN、OH、場合により1つから3つのハロにより置換されている(C1〜C6)アルキルオキシ、(C3〜C6)シクロアルキル、(C1〜C6)アルコキシカルボニル、(C1〜C6)アルキルカルボニル、および(C1〜C6)ハロアルキルからなる群から選択される1つまたはそれ以上の置換基により場合により置換されている(C3〜C10)シクロアルキル、(C6〜C12)アリール、(C2〜C9)ヘテロアリール、(C2〜C9)ヘテロシクロアルキルまたはベンゾ(C2〜C9)ヘテロシクロアルキルであり;
但し、n+t+y+zの合計が6以下である;
式II
【化2】
の化合物を、式III
【化3】
の化合物と反応させることを含み、
式中、n、t、y、z、X4、A1、X5およびA2は上述で規定されたとおりであり、
前記方法は、式V
【化4】
の化合物をイミダゾールと反応させ、式II
【化5】
の化合物を形成することをさらに含み、
式中、X4、A1、X5、およびA2は上述で規定されたとおりである、
前記方法。
【請求項2】

【化6】
の化合物の製造方法であって、
式中:
nは1、2または3であり;
mは1であり;
tは0、1または2であり;
yは1または2であり;
zは0、1または2であり;
EはOであり;
1はCR1であり;
2はOであり;
3は−NHであり;
4はCR45、CH2CR45またはCH2−(C1〜C6)アルキル−CR45であり;
5は直接結合、O、S、SO2、CR45(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルキルオシ、(C1〜C6)アルケニル、(C1〜C6)アルケニルオキシであり;
1はH、CN、(C1〜C6)アルキルカルボニル、または(C1〜C6)アルキルであり;
4およびR5は独立してH、(C1〜C6)アルキルから選択されるか、またはR4およびR5が接続している炭素と共に、スピロ(C3〜C10)シクロアルキル環もしくはスピロ(C3〜C10)シクロアルコキシ環を形成し;
6は−H、ハロゲン、−CN、(C6〜C12)アリール、(C6〜C12)アリールオキシ、(C1〜C6)アルキルオキシ場合により1つから4つのハロまたは(C1〜C6)アルキルにより置換されている(C1〜C6)アルキルであり;
1は(C2〜C6)アルキニル;
ハロ、場合により1つから3つのハロにより置換されている(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルケニル、アミノ、(C1〜C6)アルキルアミノ、(C1〜C6)ジアルキルアミノ、(C1〜C6)アルコキシ、ニトロ、CN、−OH、場合により1つから3つのハロにより置換されている(C1〜C6)アルキルオキシ、(C1〜C6)アルコキシカルボニル、および(C1〜C6)アルキルカルボニルからなる群から選択される1つまたはそれ以上の置換基により場合により置換されている(C3〜C10)シクロアルキル、(C6〜C12)アリール、(C2〜C9)ヘテロアリール、(C2〜C9)ヘテロシクロアルキルまたはベンゾ(C2〜C9)ヘテロシクロアルキルであり;
2はH;
ハロ、場合により1つから3つのハロにより置換されている(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルキレニル、アミノ、(C1〜C6)アルキルアミノ、(C1〜C6)ジアルキルアミノ、(C1〜C6)アルコキシ、O(C3〜C6シクロアルキル)、(C3〜C6)シクロアルコキシ、ニトロ、CN、OH、場合により1つから3つのハロにより置換されている(C1〜C6)アルキルオキシ、(C3〜C6)シクロアルキル、(C1〜C6)アルコキシカルボニル、(C1〜C6)アルキルカルボニル、および(C1〜C6)ハロアルキルからなる群から選択される1つまたはそれ以上の置換基により場合により置換されている(C3〜C10)シクロアルキル、(C6〜C12)アリール、(C2〜C9)ヘテロアリール、(C2〜C9)ヘテロシクロアルキルまたはベンゾ(C2〜C9)ヘテロシクロアルキルであり;
但し、n+t+y+zの合計が6以下であるという条件付きで;
式IV
【化7】
の化合物を、
式III
【化8】
の化合物と反応させることを含み、
式中、n、t、y、z、X4、A1、X5およびA2は上述で規定されたとおりであり、
前記方法は、
式V
【化9】
の化合物を加熱還流し、式IV
【化10】
の化合物を形成することをさらに含み、
式中、X4、A1、X5、およびA2は上述で規定されたとおりである、
前記方法。
【請求項3】

【化11】
の化合物の製造方法であって、
式中:
nは1、2または3であり;
mは1であり;
tは0、1または2であり;
yは1または2であり;
zは0、1または2であり;
EはOであり;
1はCR1であり;
2はOであり;
3は−NHであり;
4はCR45、CH2CR45またはCH2−(C1〜C6)アルキル−CR45であり;
5は直接結合、O、S、SO2、CR45(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルキルオキシ、(C1〜C6)アルケニル、(C1〜C6)アルケニルオキシであり;
1はH、CN、(C1〜C6)アルキルカルボニル、または(C1〜C6)アルキルであり;
4およびR5は独立してH、(C1〜C6)アルキルから選択されるか、またはR4およびR5が接続している炭素と共に、スピロ(C3〜C10)シクロアルキル環もしくはスピロ(C3〜C10)シクロアルコキシ環を形成し;
6は−H、ハロゲン、−CN、(C6〜C12)アリール、(C6〜C12)アリールオキシ、(C1〜C6)アルキルオキシ場合により1つから4つのハロまたは(C1〜C6)アルキルにより置換されている(C1〜C6)アルキルであり;
1は(C2〜C6)アルキニル;
ハロ、場合により1つから3つのハロにより置換されている(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルケニル、アミノ、(C1〜C6)アルキルアミノ、(C1〜C6)ジアルキルアミノ、(C1〜C6)アルコキシ、ニトロ、CN、−OH、場合により1つから3つのハロにより置換されている(C1〜C6)アルキルオキシ;(C1〜C6)アルコキシカルボニル、および(C1〜C6)アルキルカルボニルからなる群から選択される1つまたはそれ以上の置換基により場合により置換されている(C3〜C10)シクロアルキル、(C6〜C12)アリール、(C2〜C9)ヘテロアリール、(C2〜C9)ヘテロシクロアルキルまたはベンゾ(C2〜C9)ヘテロシクロアルキルであり;
2はH;
ハロ、場合により1つから3つのハロにより置換されている(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルキレニル、アミノ、(C1〜C6)アルキルアミノ、(C1〜C6)ジアルキルアミノ、(C1〜C6)アルコキシ、O(C3〜C6シクロアルキル)、(C3〜C6)シクロアルコキシ、ニトロ、CN、OH、場合により1つから3つのハロにより置換されている(C1〜C6)アルキルオキシ、(C3〜C6)シクロアルキル、(C1〜C6)アルコキシカルボニル、(C1〜C6)アルキルカルボニル、および(C1〜C6)ハロアルキルからなる群から選択される1つまたはそれ以上の置換基により場合により置換されている(C3〜C10)シクロアルキル、(C6〜C12)アリール、(C2〜C9)ヘテロアリール、(C2〜C9)ヘテロシクロアルキルまたはベンゾ(C2〜C9)ヘテロシクロアルキルであり;
但し、n+t+y+zの合計が6以下であるという条件付きで;
式IIおよび式IV
【化12】
の化合物を、式III
【化13】
の化合物と反応させることを含み、
式中、n、t、y、z、X4、A1、X5およびA2は上述で規定されたとおりであり、
前記方法は、式V
【化14】
の化合物を加熱還流しながら、イミダゾールと反応させ、式IIおよび式IV
【化15】
の化合物を形成することをさらに含み、
式中、X4、A1、X5、およびA2は上述で規定されたとおりである、
前記方法。
【請求項4】
nは1であり;tは0であり;yは1であり、zは1である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
4がCR45である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
4およびR5がそれぞれメチルである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
1が(C2〜C9)ヘテロアリールである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
1がチオフェン、チアゾール、イソチアゾール、フラン、オキサゾール、イソオキサゾール、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、ピリジン、ピミリジン、ピリダジン、インドール、ベンゾチアゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾピラゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾフラン、ベンゾオキサゾールまたはベンゾイソオキサゾールである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
1がチアゾールである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
6がHである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
5が直接結合である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
2が(C6〜C12)アリールである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
2がフェニルである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
フェニル基がハロによって置換されている、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
ハロ基がフルオロである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
1が水素である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
式VI
【化16】
の化合物をN,N’−カルボニルジイミダゾールと反応させ、式V
【化17】
の化合物を形成することをさらに含み、
式中、X4、A1、X5、およびA2は上述で規定されたとおりである、請求項3に記載の方法。
【請求項18】
式VII
【化18】
の化合物をN,N’−カルボニルジイミダゾールおよびヒドロキシルアミンと反応させ、式VI
【化19】
の化合物を形成することをさらに含み、
式中、X4、A1、X5、およびA2は上述で規定されたとおりである、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
式VIII
【化20】
の化合物の製造方法であって、
式IX
【化21】
の化合物をキヌクリジノールと反応させることを含み、
前記方法は、式XI
【化22】
の化合物をイミダゾールと反応させ、式IX
【化23】
の化合物を形成することをさらに含む、
前記方法。
【請求項20】
式VIII
【化24】
の化合物の製造方法であって、
式X
【化25】
の化合物をキヌクリジノールと反応させることを含み、
前記方法は、式XI
【化26】
の化合物を加熱還流し、式X
【化27】
の化合物を形成することをさらに含む、
前記方法。
【請求項21】
式VIII
【化28】
の化合物の製造方法であって、
式IXおよび式X
【化29】
の化合物をキヌクリジノールと反応させることを含み、
前記方法は、式XI
【化30】
の化合物を加熱還流しながら、イミダゾールと反応させ、式IXおよび式X
【化31】
の化合物を形成することをさらに含む、
前記方法。
【請求項22】
式XII
【化32】
の化合物をN,N’−カルボニルジイミダゾールと反応させ、式XI
【化33】
の化合物を形成することをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
式XIII
【化34】
の化合物をN,N’−カルボニルジイミダゾールおよびヒドロキシルアミンと反応させ、式XII
【化35】
の化合物を形成することをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
式XIV
【化36】
の化合物をカリウムtert−ブトキシドおよびメチルヨウ素と反応させ、次にそれにより形成されたエチルエステルを水酸化リチウムと反応させることにより、式XIII
【化37】
の化合物を形成することをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
式XII
【化38】
の化合物。
【請求項26】
式XI
【化39】
の化合物。
【請求項27】
式IX
【化40】
の化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単独でまたは酵素補充療法との組み合わせのいずれかで、リソソーム蓄積症等の代謝性疾患の治療に有用であり、癌治療に有用である、グルコシルセラミド合成酵素(GCS)の阻害剤の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
グルコシルセラミド合成酵素(GCS)は、グルコシルセラミドベースのスフィンゴ糖脂質(GSL)の生合成、すなわちUDP−グルコース(UDP−Glc)からセラミドへのきわめて重要なグルコースの移行を経由してグルコシルセラミドを形成する生合成において、最初のグリコシル化工程を触媒するきわめて重要な酵素である。GCSは、シス/中間ゴルジに局在する膜貫通性のIII型内在性タンパク質である。スフィンゴ糖脂質(GSL)は、細胞の相互作用、シグナル伝達、およびトラフィッキングを含む多くの細胞膜事象の原動力として不可欠であると考えられている。GSL構造の合成は、胚発生およびいくつかの組織の分化に不可欠であることが示されてきた(非特許文献1を参照のこと)。セラミドはスフィンゴ脂質代謝において中心的な役割を果たしており、GCS活性の下方制御はスフィンゴ糖脂質の発現減少を伴ってスフィンゴ脂質のパターンに著しい影響をもたらすことが示されてきた。スフィンゴ脂質(SL)は、生理学的同様に病理学的に、心血管状態において生物調節物質的な役割を有している。特に、スフィンゴ脂質およびその調節酵素は、新生児期ラットの心臓における慢性低酸素症に対する適応性の応答に役割を果たすと思われる(非特許文献2を参照のこと)。
【0003】
GCS阻害剤は、様々な疾患の治療用に提案されてきた(例えば、特許文献1を参照のこと)。そのような治療として、糖脂質蓄積症(例、ティ サックス病、サンドホッフ病、GM2活性化因子欠損症、GM1ガングリオシドーシスおよびファブリー病)、糖脂質蓄積に関連する疾患(例、ゴーシェ病;GCS阻害剤のミグルスタット(Zavesca)が、1型のゴーシェ病患者の療法に認可されている、非特許文献3を参照のこと)、糖尿病性腎症等の腎肥大または過形成を引き起こす疾患;高血糖症または高インスリン血症を引き起こす疾患;糖脂質合成に異常がある癌、細胞表面の糖脂質を受容体として用いる生物によって引き起こされる伝染病、グルコシルセラミドの合成が必須であるかまたは重要である伝染病、グルコシルセラミドの合成が必須であるかまたは重要である疾患、過剰の糖脂質合成が起きる疾患(例、アテローム性動脈硬化症、嚢胞腎、および腎肥大)、神経障害、神経損傷、マクロファージの漸増および活性化に関連する炎症性の疾患または障害(例、関節リウマチ、クローン病、喘息および敗血症)ならびに糖尿病および肥満(特許文献2を参照のこと)の治療が挙げられる。
【0004】
特に、GCSの過剰発現は、多剤耐性と関係付けられており、セラミド誘発性のアポトーシスを中断することが示されている。例えば、非特許文献4には、セラミドが急性骨髄性白血病(AML)細胞においてアポトーシスを誘発すること、またP−糖タンパク質(p−gp)がセラミド誘発性のアポトーシスに対する耐性を与え、セラミド−グルコシルセラミド経路の調節を伴って、TF−1細胞におけるこの耐性に際立って寄与することが示されている。従って、GCS阻害剤は、疾患細胞においてアポトーシスを誘発することにより細胞増殖性障害の治療に有用でありうる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】WO2005068426
【特許文献2】WO2006053043
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Yamashitaら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 1999、96(16)、9142〜9147頁
【非特許文献2】El Alwanitら、Prostaglandins & Other Lipid Mediators 2005、78(1〜4)、249〜263頁
【非特許文献3】Treiberら、Xenobiotica 2007、37(3)、298〜314頁
【非特許文献4】Turzanskiら、Experimental Hematology 2005、33(1)、62〜72頁
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、式
【化1】
の化合物の製造方法であって、
式中:
nは1、2または3であり;
mは1であり;
tは0、1または2であり;
yは1または2であり;
zは0、1または2であり;
EはOであり;
はCRであり;
はOであり;
は−NHであり;
はCR、CHCRまたはCH−(C〜C)アルキル−CRであり;
は直接結合、O、S、SO、CR;(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキルオキシ、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルケニルオキシであり;
Rは(C〜C12)アリール、(C〜C)ヘテロアリール、(C〜C)アルキル、(C〜C)ヘテロアリール(C〜C)アルキルであり;
はH、CN、(C〜C)アルキルカルボニル、または(C〜C)アルキルであり;
およびRはそれぞれ独立して−H、場合によりハロゲン、(C〜C)アルキル、(C〜C12)アリール、(C〜C)ヘテロアリール、(C〜C)アルキル(C〜C12)アリール、ハロ(C〜C12)アリール、およびハロ(C〜C)ヘテロアリールからなる群から選択される1つもしくはそれ以上の置換基により置換されている(C〜C)アルキルであり、または場合によりXが−NRであり、かつXが−NRである場合、RおよびRは、RおよびRが接続している窒素原子と共に、場合によりハロゲン、(C〜C)アルキル、(C〜C12)アリール、(C〜C)ヘテロアリール、(C〜C)アルキル(C〜C12)アリール、ハロ(C〜C12)アリール、およびハロ(C〜C)ヘテロアリールから選択される1つまたはそれ以上の置換基により置換されている非芳香族複素環を形成していてもよく;
およびRは独立してH、(C〜C)アルキルから選択されるか、またはRおよびRが接続している炭素と共に、スピロ(C〜C10)シクロアルキル環もしくはスピロ(C〜C10)シクロアルコキシ環を形成し;
は−H、ハロゲン、−CN、(C〜C12)アリール、(C〜C12)アリールオキシ、(C〜C)アルキルオキシ;場合により1つから4つのハロまたは(C〜C)アルキルにより置換されている(C〜C)アルキルであり;
は(C〜C)アルキニル;ハロ、場合により1つから3つのハロにより置換されている(C〜C)アルキルからなる群から選択される1つまたはそれ以上の置換基により場合により置換されている(C〜C10)シクロアルキル、(C〜C12)アリール、(C〜C)ヘテロアリール、(C〜C)ヘテロシクロアルキルまたはベンゾ(C〜C)ヘテロシクロアルキル;(C〜C)アルケニル、アミノ、(C〜C)アルキルアミノ、(C〜C)ジアルキルアミノ、(C〜C)アルコキシ、ニトロ、CN、−OH、場合により1つから3つのハロにより置換されている(C〜C)アルキルオキシ;(C〜C)アルコキシカルボニル、および(C〜C)アルキルカルボニルであり;
はH;ハロ、場合により1つから3つのハロにより置換されている(C〜C)アルキルからなる群から選択される1つまたはそれ以上の置換基により場合により置換されている(C〜C10)シクロアルキル、(C〜C12)アリール、(C〜C)ヘテロアリール、(C〜C)ヘテロシクロアルキルまたはベンゾ(C〜C)ヘテロシクロアルキル;(C〜C)アルキレニル、アミノ、(C〜C)アルキルアミノ、(C〜C)ジアルキルアミノ、(C〜C)アルコキシ、O(C〜Cシクロアルキル)、(C〜C)シクロアルコキシ、ニトロ、CN、OH、場合により1つから3つのハロにより置換されている(C〜C)アルキルオキシ;(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)アルコキシカルボニル、(C〜C)アルキルカルボニル、(C〜C)ハロアルキルであり;
但し、n+t+y+zの合計が6以下であるという条件付きで;
【0008】
式II
【化2】
の化合物を、式III
【化3】
の化合物と反応させることを含み、
式中、n、t、y、z、X、A、XおよびAは上述で規定されたとおりである製造方法に関する。
【0009】
本発明は、式
【化4】
の化合物の製造方法であって、
式中:
nは1、2または3であり;
mは1であり;
tは0、1または2であり;
yは1または2であり;
zは0、1または2であり;
EはOであり;
はCRであり;
はOであり;
は−NHであり;
はCR、CHCRまたはCH−(C〜C)アルキル−CRであり;
は直接結合、O、S、SO、CR;(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキルオシ、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルケニルオキシであり;
Rは(C〜C12)アリール、(C〜C)ヘテロアリール、(C〜C)アルキル、(C〜C)ヘテロアリール(C〜C)アルキルであり;
はH、CN、(C〜C)アルキルカルボニル、または(C〜C)アルキルであり;
およびRはそれぞれ独立して−H、場合によりハロゲン、(C〜C)アルキル、(C〜C12)アリール、(C〜C)ヘテロアリール、(C〜C)アルキル(C〜C12)アリール、ハロ(C〜C12)アリール、およびハロ(C〜C)ヘテロアリールからなる群から選択される1つもしくはそれ以上の置換基により置換されている(C〜C)アルキルであり、または場合によりXが−NRであり、かつXがNRである場合、RおよびRは、RおよびRが接続している窒素原子と共に、場合によりハロゲン、(C〜C)アルキル、(C〜C12)アリール、(C〜C)ヘテロアリール、(C〜C)アルキル(C〜C12)アリール、ハロ(C〜C12)アリール、およびハロ(C〜C)ヘテロアリールから選択される1つまたはそれ以上の置換基により置換されている非芳香族複素環を形成していてもよく;
およびRは独立してH、(C〜C)アルキルから選択されるか、またはRおよびRが接続している炭素と共に、スピロ(C〜C10)シクロアルキル環もしくはスピロ(C〜C10)シクロアルコキシ環を形成し;
は−H、ハロゲン、−CN、(C〜C12)アリール、(C〜C12)アリールオキシ、(C〜C)アルキルオキシ;場合により1つから4つのハロまたは(C〜C)アルキルにより置換されている(C〜C)アルキルであり;
は(C〜C)アルキニル;ハロ、場合により1つから3つのハロにより置換されている(C〜C)アルキルからなる群から選択される1つまたはそれ以上の置換基により場合により置換されている(C〜C10)シクロアルキル、(C〜C12)アリール、(C〜C)ヘテロアリール、(C〜C)ヘテロシクロアルキルまたはベンゾ(C〜C)ヘテロシクロアルキル;(C〜C)アルケニル、アミノ、(C〜C)アルキルアミノ、(C〜C)ジアルキルアミノ、(C〜C)アルコキシ、ニトロ、CN、−OH、場合により1つから3つのハロにより置換されている(C〜C)アルキルオキシ;(C〜C)アルコキシカルボニル、および(C〜C)アルキルカルボニルであり;
はH;ハロ、場合により1つから3つのハロにより置換されている(C〜C)アルキルからなる群から選択される1つまたはそれ以上の置換基により場合により置換されている(C〜C10)シクロアルキル、(C〜C12)アリール、(C〜C)ヘテロアリール、(C〜C)ヘテロシクロアルキルまたはベンゾ(C〜C)ヘテロシクロアルキル;(C〜C)アルキレニル、アミノ、(C〜C)アルキルアミノ、(C〜C)ジアルキルアミノ、(C〜C)アルコキシ、O(C〜Cシクロアルキル)、(C〜C)シクロアルコキシ、ニトロ、CN、OH、場合により1つから3つのハロにより置換されている(C〜C)アルキルオキシ;(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)アルコキシカルボニル、(C〜C)アルキルカルボニル、(C〜C)ハロアルキルであり;
但し、n+t+y+zの合計が6以下であるという条件付きで;
【0010】
式IV
【化5】
の化合物を、式III
【化6】
の化合物と反応させることを含み、
式中、n、t、y、z、X、A、XおよびAは上述で規定されたとおりである製造方法に関する。
【0011】
本発明は、式
【化7】
の化合物の製造方法であって、
式中:
nは1、2または3であり;
mは1であり;
tは0、1または2であり;
yは1または2であり;
zは0、1または2であり;
EはOであり;
はCRであり;
はOであり;
は−NHであり;
はCR、CHCRまたはCH−(C〜C)アルキル−CRであり;
は直接結合、O、S、SO、CR;(C〜C)アルキル、(C〜C)アルキルオキシ、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルケニルオキシであり;
Rは(C〜C12)アリール、(C〜C)ヘテロアリール、(C〜C)アルキル、(C〜C)ヘテロアリール(C〜C)アルキルであり;
はH、CN、(C〜C)アルキルカルボニル、または(C〜C)アルキルであり;
およびRはそれぞれ独立して−H、場合によりハロゲン、(C〜C)アルキル、(C〜C12)アリール、(C〜C)ヘテロアリール、(C〜C)アルキル(C〜C12)アリール、ハロ(C〜C12)アリール、およびハロ(C〜C)ヘテロアリールからなる群から選択される1つもしくはそれ以上の置換基により置換されている(C〜C)アルキルであり、または場合によりXが−NRであり、かつXがNRである場合、RおよびRは、RおよびRが接続している窒素原子と共に、場合によりハロゲン、(C〜C)アルキル、(C〜C12)アリール、(C〜C)ヘテロアリール、(C〜C)アルキル(C〜C12)アリール、ハロ(C〜C12)アリール、およびハロ(C〜C)ヘテロアリールから選択される1つまたはそれ以上の置換基により置換されている非芳香族複素環を形成していてもよく;
およびRは独立してH、(C〜C)アルキルから選択されるか、またはRおよびRが接続している炭素と共に、スピロ(C〜C10)シクロアルキル環もしくはスピロ(C〜C10)シクロアルコキシ環を形成し;
は−H、ハロゲン、−CN、(C〜C12)アリール、(C〜C12)アリールオキシ、(C〜C)アルキルオキシ;場合により1つから4つのハロまたは(C〜C)アルキルにより置換されている(C〜C)アルキルであり;
は(C〜C)アルキニル;ハロ、場合により1つから3つのハロにより置換されている(C〜C)アルキルからなる群から選択される1つまたはそれ以上の置換基により場合により置換されている(C〜C10)シクロアルキル、(C〜C12)アリール、(C〜C)ヘテロアリール、(C〜C)ヘテロシクロアルキルまたはベンゾ(C〜C)ヘテロシクロアルキル;(C〜C)アルケニル、アミノ、(C〜C)アルキルアミノ、(C〜C)ジアルキルアミノ、(C〜C)アルコキシ、ニトロ、CN、−OH、場合により1つから3つのハロにより置換されている(C〜C)アルキルオキシ;(C〜C)アルコキシカルボニル、および(C〜C)アルキルカルボニルであり;
はH;ハロ、場合により1つから3つのハロにより置換されている(C〜C)アルキルからなる群から選択される1つまたはそれ以上の置換基により場合により置換されている(C〜C10)シクロアルキル、(C〜C12)アリール、(C〜C)ヘテロアリール、(C〜C)ヘテロシクロアルキルまたはベンゾ(C〜C)ヘテロシクロアルキル;(C〜C)アルキレニル、アミノ、(C〜C)アルキルアミノ、(C〜C)ジアルキルアミノ、(C〜C)アルコキシ、O(C〜Cシクロアルキル)、(C〜C)シクロアルコキシ、ニトロ、CN、OH、場合により1つから3つのハロにより置換されている(C〜C)アルキルオキシ;(C〜C)シクロアルキル、(C〜C)アルコキシカルボニル、(C〜C)アルキルカルボニル、(C〜C)ハロアルキルであり;
但し、n+t+y+zの合計が6以下であるという条件付きで;
【0012】
式II
【化8】
および式IV
【化9】
の化合物を、式III
【化10】
の化合物と反応させることを含み、
式中、n、t、y、z、X、A、XおよびAは上述で規定されたとおりである製造方法に関する。
【0013】
本発明はさらに、nは1であり;tは0であり;yは1であり、zは1である方法に関する。
【0014】
本発明はさらに、XがCRである方法に関する。
【0015】
本発明はさらに、RおよびRがそれぞれメチルである方法に関する。
【0016】
本発明はさらに、Aが(C〜C)ヘテロアリールである方法に関する。
【0017】
本発明はさらに、Aがチオフェン、チアゾール、イソチアゾール、フラン、オキサゾール、イソオキサゾール、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、ピリジン、ピミリジン、ピリダジン、インドール、ベンゾチアゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾピラゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾフラン、ベンゾオキサゾール、またはベンゾイソオキサゾールである方法に関する。
【0018】
本発明はさらに、Aがチアゾールである方法に関する。
【0019】
本発明はさらに、RがHである方法に関する。
【0020】
本発明はさらに、Xが直接結合である方法に関する。
【0021】
本発明はさらに、Aが(C〜C12)アリールである方法に関する。
【0022】
本発明はさらに、Aがフェニルである方法に関する。
【0023】
本発明はさらに、フェニル基がハロによって置換されている方法に関する。
【0024】
本発明はさらに、ハロ基がフルオロである方法に関する。
【0025】
本発明はさらに、Rが水素である方法に関する。
【0026】
本発明はさらに、式V
【化11】
の化合物をイミダゾールと反応させ、式II
【化12】
の化合物を形成することを含む方法であって、
式中、X、A、X、およびAは上述で規定されたとおりである方法に関する。
【0027】
本発明はさらに、式V
【化13】
の化合物を加熱還流し、式IV
【化14】
の化合物を形成することを含む方法であって、
式中、X、A、X、およびAは上述で規定されたとおりである方法に関する。
【0028】
本発明はさらに、式V
【化15】
の化合物を加熱還流しながら、イミダゾールと反応させ、式IIおよび式IV
【化16】
の化合物を形成することを含む方法であって、
式中、X、A、X、およびAは上述で規定されたとおりである方法に関する。
【0029】
本発明はさらに、式VI
【化17】
の化合物をN,N’−カルボニルジイミダゾールと反応させ、式V
【化18】
の化合物を形成することを含む方法であって、
式中、X、A、X、およびAは上述で規定されたとおりである方法に関する。
【0030】
本発明はさらに、式VII
【化19】
の化合物をN,N’−カルボニルジイミダゾールおよびヒドロキシルアミンと反応させ、式VI
【化20】
の化合物を形成することを含む方法であって、
式中、X、A、X、およびAは上述で規定されたとおりである方法に関する。
【0031】
本発明は、式IX
【化21】
の化合物をキヌクリジノールと反応させることを含む、式VIII
【化22】
の化合物の製造方法に関する。
【0032】
本発明は、式X
【化23】
の化合物をキヌクリジノールと反応させることを含む、式VIII
【化24】
の化合物の製造方法に関する。
【0033】
本発明は、式IXおよび式X
【化25】
の化合物をキヌクリジノールと反応させることを含む、式VIII
【化26】
の化合物の製造方法に関する。
【0034】
本発明はさらに、式XI
【化27】
の化合物をイミダゾールと反応させ、式IX
【化28】
の化合物を形成することを含む方法に関する。
【0035】
本発明はさらに、式XI
【化29】
の化合物を加熱還流し、式X
【化30】
の化合物を形成することを含む方法に関する。
【0036】
本発明はさらに、式XI
【化31】
の化合物を加熱還流しながら、イミダゾールと反応させ、式IXおよび式X
【化32】
の化合物を形成することを含む方法に関する。
【0037】
本発明はさらに、式XII
【化33】
の化合物をN,N’−カルボニルジイミダゾールと反応させ、式XI
【化34】
の化合物を形成することを含む方法に関する。
【0038】
本発明はさらに、式XIII
【化35】
の化合物をN,N’−カルボニルジイミダゾールおよびヒドロキシルアミンと反応させ、式XII
【化36】
の化合物を形成することを含む方法に関する。
【0039】
本発明はさらに、式XIV
【化37】
の化合物をカリウムtert−ブトキシドおよびメチルヨウ素と反応させ、次にそれにより形成されたエチルエステルを水酸化リチウムと反応させることにより、式XIII
【化38】
の化合物を形成することを含む方法に関する。
【0040】
本発明は、式XII
【化39】
の化合物に関する。
【0041】
本発明は、式XI
【化40】
の化合物に関する。
【0042】
本発明は、式IX
【化41】
の化合物に関する。
【発明を実施するための形態】
【0043】
【化42】
【0044】
スキーム1の反応1において、式VIIのカルボン酸化合物をN,N’−カルボニルジイミダゾール(すなわち、CDI)と、テトラヒドロフラン(THF)等の極性非プロトン性溶媒中で反応させることにより、VIIを式VIの対応するヒドロキサム酸化合物に変換する。溶液を約−5℃から約25℃まで、好ましくは約20℃の温度で、約5分から約30分、好ましくは約10から15分の間、撹拌する。結果として得られる溶液混合物を室温まで戻るままにしておき、約30分から約2時間、好ましくは約1時間の追加時間、撹拌する。次に、ヒドロキシルアミンを溶液混合物に、約−5℃から約10℃、好ましくは約3℃の温度で添加する。結果として得られる反応混合物を、不活性雰囲気(すなわち、窒素)下で、約5分から約8時間、好ましくは約10分の間、撹拌する。
【0045】
スキーム1の反応2において、N,N’−カルボニルジイミダゾールを、トルエン中のVIの溶液に不活性雰囲気(すなわち、窒素)下で添加することにより、VIを式Vの対応する化合物に変換して、約30分から約4時間、好ましくは約2.5時間の間、撹拌する。
【0046】
スキーム1の反応3において、トルエン等の非プロトン性溶媒の存在下で式Vの化合物をイミダゾールと反応させることにより、Vを対応する式IIおよび式IVの化合物に変換する。反応混合物を約4時間から約28時間、好ましくは約6時間の間、加熱還流する。
【0047】
スキーム1の反応4において、トルエン等の非プロトン性溶媒の存在下で式IIおよび式IVの化合物を(S)−(+)−キヌクリジノールと反応させることにより、IIおよびIV(またはそれぞれ、各中間体)の化合物の混合物を対応する式Iの化合物に変換する。反応混合物を約12時間から約24時間、好ましくは約18時間の間、加熱還流する。
【0048】
製造A
4−フルオロフェニルチオアミド(50.35g、1当量)に、200プルーフのエタノール8.6重量容量(チオアミドをベースとする)(430mL)、および4−クロロアセト酢酸エチル(68.2g、1.1当量)を添加した。混合物を窒素雰囲気下に置いた。混合物を還流下で5h加熱し、室温まで放冷した。溶液を濃縮して油状物とし、TBME(10容量、500mL)および飽和NaHCO(300mL)6容量を添加した。水層を、TBME5容量(250mL)で逆抽出した。混合性有機層を水で洗浄し、次に濃縮して油状物とし、次に乾燥して固体とした。生成物を温ヘキサン3重量容量から結晶化した。収率89% 生成物はHPLCにより98.7%純粋(面積%)。
【実施例1】
【0049】
(2−(2−(4−フルオロフェニル)チアゾール−4−イル)プロパン−2−イル)カルバミン酸(S)−キヌクリジン−3−イル
工程1:ヨウ化メチルを用いたジメチル化
【化43】
手順:100Lの反応器中に、テトラヒドロフラン(THF、28.4Kg)およびカリウムtert−ブトキシド(MW112.21、2.28Kg、4.0当量)を添加した。この混合物を0〜2℃(内部温度)に冷却した。出発物質エステル(MW265.3、2.0Kg、1.0当量)をTHF(4L)中に溶解し、10〜60分にわたって、添加中、内部温度を10℃未満に保持しながら、反応器に移した。反応混合物を3〜9℃で15〜60分間、撹拌した。THF(4.8L)中のヨウ化メチル(MW141.94、1.88L、4.0当量)の溶液を、30〜120分にわたって、内部温度を10℃未満に保持しながら、反応器に添加した。水(14L)中のNaCl(2.0Kg)の溶液を、10分にわたって添加し、混合物を少なくとも10分間超、撹拌した。1MのHCl(約1.44L)を添加することにより、反応を酸性で行った。層が分離し、水層をTHF(6.2kg)で逆抽出した。混合性有機層を約16Lまで真空蒸留した。工程1の生成物であるこのTHF溶液を次の反応に用いた。
【0050】
工程2:LiOH一水和物を用いたエチルエステルの加水分解
【化44】
【0051】
手順:THF中のエステルに、水(9.3L)中のLiOH.HO(MW41.96、0.695Kg、2.2当量)溶液を添加した。混合物を8〜16時間、加熱還流した。HPLCにより反応の完了を判断した後、水(12L)を添加し、混合物を約16Lまで真空蒸留した。TBME(5.9kg)を添加し、撹拌後、層が分離した。生成物を含有する水層をTBME(5.9Kg)で再度洗浄した。水層にTBMEを添加し、5MのHCl(約3.67Kg)を添加することにより、混合物を酸性(pH3以下)にした。層が分離し、水層をTBME(4.5Kg)で再度抽出した。混合性有機層にヘプタン(15Kg)を添加し、混合物を約16Lまで真空蒸留した。加熱および5〜25℃まで冷却し、少なくとも3hの撹拌の後、生成物を濾過し、ヘプタンで洗浄し、真空乾燥した。収率85.8%(2.15Kg) HPLC純度(面積%)99.72%。
【0052】
反応1:NHOHを用いたヒドロキサム酸の形成
【化45】
【0053】
手順:100Lの反応器に、THF(14.2Kg)およびN,N’−カルボニルジイミダゾール(CDI;MW162.15、1.34Kg、1.1当量)を添加した。THF(4L)に溶解した反応2からの酸(2.0Kg、1.0当量)を、15〜20分にわたって添加した。混合物を室温で2.5〜3h撹拌した。反応は0〜3℃に冷却された。水性ヒドロキシルアミン(50%水を含有;1.7L、4.0当量)を、5〜15分にわたって、内部温度を18℃未満に保持しながら添加した。添加完了後、層が分離し、有機層を水(12Kg)および水(12L)中の塩化ナトリウム(2.0Kg)溶液で洗浄した。分離した有機層を約16Lまで真空蒸留した。トルエン(13.8Kg)を添加し、混合物を再び約16Lまで真空蒸留した。ヘプタン(11kg)を添加し、混合物を室温で少なくとも16h撹拌した。結果として得られる固体を濾過し、ヘプタン(11Kg)で洗浄し、室温で真空乾燥した。収量は1.58Kg(74.8%)。
【0054】
反応2:ヒドロキサム酸のジオキサゾロンへの変換
【化46】
【0055】
手順:トルエン(17.3Kg)および反応1からのヒドロキサム酸(MW280.32、2.0Kg)を100L反応器に移した。室温で少なくとも15分間撹拌した後、カルボニルジイミダゾールCDI(MW162.15、1.27Kg、1.1当量)を添加した。HPLCにより反応の完了を判断するまで、混合物を室温で1〜4h撹拌した。
【0056】
反応3 ジオキサゾロンの、イミダゾール尿素とイソシアナートの混合物への変換
【化47】
【0057】
手順:ジオキサゾロン(反応2)の溶液を60℃で6〜16時間加熱して、HPLC分析による判断のように、イソシアナートとイミダゾール尿素の混合物への変換を完了した。
【0058】
反応4:カルバマートへの最終変換
【化48】
【0059】
手順:(S)−(+)−3−キヌクリジノール(1.14Kg、1.18当量)を、イソシアナートとイミダゾール尿素のトルエン溶液(反応3)の混合物に添加し、溶液を100〜110℃で18〜28h加熱した。トルエン(8.6Kg)を反応に添加し、混合物を2回、水(20Kg)で洗浄した。1Mの水性HCl(19.7Kg)で2回抽出し、生成物を有機層から取り出した。酢酸イソプロピル(34.8Kg)を混合性酸性水層に添加した。混合物を5〜10℃に冷却し、10Mの水性NaOH(5.3Kg)を添加した。層が分離し、有機層を約16Lまで真空蒸留した。ヘプタン(21.4Kg)を残りの酢酸イソプロピル溶液に添加し、溶液を再び約16Lまで蒸留した。結果として得られる懸濁液を少なくとも4h撹拌した。生成物を濾過し、ヘプタン(13.7Kg)で洗浄し、室温で真空乾燥した。収量は2.3Kg(82.8%収率)だった。HPLC純度(面積%)99.7%。
HNMR(400MHz,CDCl)δ8.04〜7.83(m,2H)、7.20〜6.99(m,3H)、5.53(s,1H)、4.73〜4.55(m,1H)、3.18(dd,J=14.5,8.4Hz,1H)、3.05〜2.19(m,5H)、2.0〜1.76(m,11H)。13CNMR(100MHz,CDCl)δ166.38、165.02、162.54、162.8〜155.0(d,C−F)、130.06、128.43、128.34、116.01、115.79、112.46、71.18、55.70、54.13、47.42、46.52、27.94、25.41、24.67、19.58。
【実施例2】
【0060】
(2−(2−(4−フルオロフェニル)チアゾール−4−イル)プロパン−2−イル)カルバミン酸(S)−キヌクリジン−3−イル
【化49】
2−(2−(4−フルオロフェニル)チアゾール−4−イル)−2−メチルプロパン酸(1g)およびジイソプロピルエチルアミン(0.57ml)をトルエンに溶解し、110℃、N下で撹拌した。DPPA(0.9ml)を滴下添加した。混合物を3時間、110℃で撹拌し、アジ化アセチルとイソシアナートの変換を完了した。キヌクリジン−3−オール(0.72g)を添加し、18時間撹拌した。結果として得られる混合物を、トルエン(50ml)で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗浄した。有機層を濃縮して油状物とした。生成物の(2−(2−(4−フルオロフェニル)チアゾール−4−イル)プロパン−2−イル)カルバミン酸キヌクリジン−3−イルを、EtOAc(0.6g)から結晶化することにより精製した。