特許第6543257号(P6543257)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6543257
(24)【登録日】2019年6月21日
(45)【発行日】2019年7月10日
(54)【発明の名称】多層構造のためのバインダー
(51)【国際特許分類】
   C09J 123/06 20060101AFI20190628BHJP
   B32B 15/085 20060101ALI20190628BHJP
   B32B 27/32 20060101ALI20190628BHJP
   C09J 151/06 20060101ALI20190628BHJP
【FI】
   C09J123/06
   B32B15/085 Z
   B32B27/32 Z
   C09J151/06
【請求項の数】9
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-541191(P2016-541191)
(86)(22)【出願日】2014年11月24日
(65)【公表番号】特表2017-509723(P2017-509723A)
(43)【公表日】2017年4月6日
(86)【国際出願番号】FR2014053006
(87)【国際公開番号】WO2015092184
(87)【国際公開日】20150625
【審査請求日】2017年11月20日
(31)【優先権主張番号】1362883
(32)【優先日】2013年12月18日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】505005522
【氏名又は名称】アルケマ フランス
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キンヌベッシュ,セバスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ミハロビチ,クレール
(72)【発明者】
【氏名】ドゥビスム,サミュエル
【審査官】 佐藤 貴浩
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−329127(JP,A)
【文献】 特表2006−500454(JP,A)
【文献】 特開2004−263171(JP,A)
【文献】 特開2003−013024(JP,A)
【文献】 特表2014−522441(JP,A)
【文献】 特開2003−071986(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0098935(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 1/00−201/10
B32B 1/00− 43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層構造のためのバインダーであって、
組成に対して60重量%から95重量%までの、非直鎖状の低密度ラジカルポリエチレン(LDPE)から選択されるポリエチレンマトリックスと、
組成に対して5重量%から40重量%までの、グラフト鎖形成用モノマーである不飽和カルボン酸で共グラフト化されている2つのポリエチレンの混合物であって、不飽和カルボン酸グラフトが当該混合物のうちの0.5重量%超に相当し、第1のポリエチレンがメタロセンポリエチレンからなり、第2のポリエチレンが非直鎖状の低密度ラジカルポリエチレン(LDPE)からなり、混合物のMFIまたはメルトフローインデックス(ASTM規格D1238、190℃において2.16kg下)が、4g/10分から15g/10分の間であることを特徴とする混合物と、
を含む、バインダー。
【請求項2】
第1のポリエチレンが、ポリエチレン混合物に対して50重量%から70重量%までの比率で前記混合物中に存在することを特徴とする、請求項1に記載のバインダー。
【請求項3】
2つのポリエチレンの混合物のMFIまたはメルトフローインデックスが、5g/10分から10g/10分の間であることを特徴とする、請求項1または2に記載のバインダー。
【請求項4】
2つのポリエチレンの混合物の不飽和カルボン酸グラフトが、前記ポリエチレン混合物のうちの0.5重量%から2重量%の間に相当し、好ましくは0.6重量%から1.2重量%の間に相当することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のバインダー。
【請求項5】
不飽和カルボン酸が、無水マレイン酸からなることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のバインダー。
【請求項6】
この押出コーティング加工用組成物または押出ラミネート加工用組成物の実用を容易にするための、0.1%から5%の間の、ブロッキング防止剤、流動化剤、抗酸化剤、充填剤、顔料、着色料および加工助剤から選択される機能性添加剤を含むことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のバインダーであって、前記添加剤の幾つかは、マスターバッチの形態で前記組成物中に導入することができる、バインダー。
【請求項7】
少なくとも1つの金属層を含む複数の隣接層を含む多層構造であって、請求項1から6のいずれか一項に記載のバインダーが、前記金属層に直接付着していることを特徴とする、多層構造。
【請求項8】
金属層が、アルミニウム、鉄、銅、スズ、ニッケル、銀、クロム、金、亜鉛またはこれらの金属の少なくとも1つを含有する合金の層であることを特徴とする、請求項7に記載の多層構造。
【請求項9】
請求項1から6のいずれか一項に記載のバインダーを調製するステップを含む、請求項7または8に記載の多層構造を製造するための方法であって、前記バインダーは、後で金属層とポリマー層との間にフィルムの形態で配列され、前記バインダーの配列が、押出コーティング加工/押出ラミネート加工または共押出コーティング加工/共押出ラミネート加工によって作り出されることを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属層を慣例的に含む多層構造のためのバインダーに関する。このバインダーは、より具体的には、共グラフト化されたポリエチレンを主体とする押出成形バインダーであり、本発明は、多層構造を製造するためのその使用にも関し、得られた多層構造にも関する。
【0002】
より詳細には、本発明は、一方がメタロセンポリエチレンであり、他方が低密度ラジカルポリエチレンである、2種類のポリエチレンの混合物を含む、ポリエチレンを主体とするコーティング加工用/ラミネート加工用押出成形バインダーまたはコーティング加工用/ラミネート加工用(共)押出成形バインダーに関し、前記混合物は不飽和カルボン酸で共グラフト化されており、この混合物が低密度ラジカルポリエチレンマトリックスに配置される。
【0003】
本発明は、こうした溶着フィルムから製造された小袋、袋、大袋または小包等、包装の分野に関する。言及され得る非限定的な例には、ポテトチップス用の小包、ビスケット用の小包、菓子用の小包およびコーヒー用の小包が挙げられる。
【背景技術】
【0004】
上述のバインダーは、当該バインダーに加工特性を与える目的で、低密度ラジカルポリエチレン(LDPE)型であるのが慣例的なポリエチレンマトリックスを慣例的に含むが、このポリエチレンマトリックスというポリマーは、単独では金属表面に適正に接着しないため、組立体の機械的特性の改良を同様に可能にする「バインダー」として公知の接着剤を、当該ポリマーに添加する必要がある。
【0005】
不飽和カルボン酸、より詳細には無水マレイン酸で共グラフト化されており、一方のポリエチレンが特定の密度のメタロセンポリエチレンからなり、他方のポリエチレンが非メタロセン直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)からなる、ポリエチレン混合物からなる、接着剤を開示している、本出願人の名義で出願されたEP1136536が公知である。上記接着剤は、ポリエチレンからなるマトリックスに配置される。
【0006】
特に、実施例4および実施例8は、直鎖状ポリエチレンマトリックス(ラジカル式ではない。)中に、直鎖状低密度ポリエチレンおよびメタロセンポリエチレンを含むポリエチレン組成物を提供している。
【0007】
こうしたEP1136536の方式のバインダーは、機械的特性および金属への接着の観点から満足なものであるが、こうしたバインダーを押出コーティング加工/押出ラミネート加工で加工できるようにすること、即ち、エアギャップ(空気中において固形基材に突き当たるまでの距離)中を溶融延伸できるようにすることは、非常に困難であるし、工業的に実施可能なフィルム製造に深刻な悪影響を与える「ネックイン」という課題(ポリマーの粘弾性挙動に伴うフィルム幅の減少)および/または引抜加工性に関した課題があまりにも高頻度で伴うことにもなる。総説の下にある表の実施例24および実施例25は、それぞれ前記文献EP1136536の組成物4および組成物8の例。
【0008】
グラフト鎖形成用モノマーとしての不飽和カルボン酸もしくはこの不飽和カルボン酸の官能性誘導体で共グラフト化されており、一方のポリオレフィンが特定の密度のメタロセンポリエチレンからなり、他方のポリオレフィンが非メタロセン直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)またはポリプロピレンからなる、ポリオレフィンの混合物からなる、接着剤を開示している、WO2004/072200も公知である。上記接着剤は、ポリプロピレンからなるマトリックスに配置される。
【0009】
上記WO2004/072200のバインダーは、金属に対して満足な接着特性を示さないため、加工性は、依然として許容されないものに留まっている。
【0010】
最後に、特にエチレン−イソブチルアクリレート−メタクリル酸等のターポリマーを接着剤として使用するものである、最終的な解決法も公知である。しかしながら、上述のターポリマーの製造は高圧反応器内で実施しなければならないため、当該ターポリマーによる解決法は、非常に高い設備費用および製造費用を必要とする。さらに、上述のターポリマーは、残留アクリレートモノマーが存在するため、不快な臭気を出しやすい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1136536号明細書
【特許文献2】国際公開第2004/072200号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従って、現時点において、市場には、実用および機能に関したすべての条件、即ち、押出コーティング加工/押出ラミネート加工において申し分のない加工性(特に、「ネックイン」および引抜加工限界)およびメルトフローインデックス(MFI)という第1の条件と、優れた機械的特徴および金属への接着という第2の条件とを満足することができるバインダーが存在しない。
【課題を解決するための手段】
【0013】
驚くべきことに、(加工性およびMFIという評価基準により)先行技術の教示とは合致しないが、本出願人は、不飽和カルボン酸で共グラフト化された根本的に異なる性質の2つのポリエチレンからなる接着剤を含有し、および低密度ラジカルポリエチレンを含有する混合物を調製できることを見出した。上記混合物は、加工性および金属への接着という観点において、先行技術の組成物の特性よりも優れた特性を有する。
【0014】
従って、本発明は、多層構造のためのバインダーであって、
・組成に対して60重量%から95重量%までの、低密度ラジカルポリエチレン(LDPE)から選択されるポリエチレンマトリックスと、
・組成に対して5重量%から40重量%までの、2つのポリエチレンの混合物であって、第1のポリエチレンがメタロセンポリエチレンからなり、グラフト鎖形成用モノマーである不飽和カルボン酸で共グラフト化されており、不飽和カルボン酸グラフトが当該混合物のうちの0.5重量%超に相当し、第2のポリエチレンが、低密度ラジカルポリエチレン(LDPE)からなり、MFIまたはメルトフローインデックス(ASTM規格D1238、190℃において2.16kg下)が、4g/10分から15g/10分の間であることを特徴とする混合物とを含む、バインダーに関する。
【0015】
下記の文章中では、「多層」という用語は、複数形または単数形になっているが、どちらかが優先されることはなく、複数の層から形成された一組を表す。
【0016】
本発明の他の特徴または実施形態を下記に提供する。
【0017】
・有利には、第1のポリエチレンは、ポリエチレン混合物に対して50重量%から70重量%までの比率で混合物中に存在する。
【0018】
・好ましくは、2つのポリエチレンの混合物のMFIまたはメルトフローインデックスは、5g/10分から10g/10分の間である。
【0019】
・特に有利な一態様によれば、2つのポリエチレンの混合物の不飽和カルボン酸グラフトは、ポリエチレン混合物に対して0.5%から2%の間に相当し、好ましくは0.6重量%から1.2重量%の間に相当する。
【0020】
・有利には、不飽和カルボン酸は、無水マレイン酸からなる。
【0021】
・本発明により提供される可能性によれば、バインダーは0.1から5%の間の、ブロッキング防止剤、流動化剤、抗酸化剤、充填剤、顔料、着色料および加工助剤から選択される機能性添加剤含み、この押出しコーティング又は押出しラミネーション組成物の実施を容易にする。
【0022】
上記添加剤の幾つかは、マスターバッチの形態で上記組成物中に導入することができる。
【0023】
本発明は特に、製造されたフィルムが劣化する危険性を排除しながらも容易に実施できるという利点を有する。
【0024】
本発明は、少なくとも1つの金属層を含む複数の隣接層を含む多層構造であって、上記バインダーが、金属層に直接付着していることを特徴とする、多層構造にも関する。
【0025】
好ましくは、金属層は、アルミニウム、鉄、銅、スズ、ニッケル、銀、クロム、金、亜鉛またはこれらの金属の少なくとも1つを主に(合金の60重量%超)含有する合金の層である。下記の文面においては、アルミニウム製の支持体のみを試験し、本明細書中で提示しているが、こうしたアルミニウム製の支持体に関して収集された結果は、上述した他の支持体と同一または事実上同様である。
【0026】
最後に、本発明は、上記バインダーを調製するステップを含む、上記多層構造を製造するための方法であって、前記バインダーは金属層とポリマー層との間にフィルムの形態で配列され、前記バインダーの配列は、押出コーティング加工/押出ラミネート加工または共押出コーティング加工/押出ラミネート加工によって作り出されることを特徴とする、方法に関する。
【0027】
下記の記述は、純粋に説明を目的として与えられており、限定を加えるものではない。
【発明を実施するための形態】
【0028】
ポリエチレンマトリックスに関するとき、ポリエチレンマトリックスは、非常に高い圧力(1800バールから3000バールまで)でラジカル重合された低密度ポリエチレン(LDPE)である。ラジカル低密度ポリエチレンは、定義によれば、非直鎖状ポリマーである。低密度ポリエチレンは、当業者に周知で市販もされている生成物である。低密度ポリエチレンは、0.91から0.94の間の密度を有する。
【0029】
ポリエチレン混合物の第1のポリエチレンに関するとき、第1のポリエチレンは、メタロセンポリエチレンである。
【0030】
「メタロセンポリエチレン」という用語は、例えばジルコニウムまたはチタンであってもよい金属原子と、この金属に結合した2つの環状アルキル分子とから一般に構成されるシングルサイト触媒の存在下において、エチレンと、α−オレフィン、例えばプロピレン、ブテン、ヘキセンまたはオクテンとが共重合することによって得られたポリマーを表す。より具体的には、メタロセン触媒は通常、金属に結合した2つのシクロペンタジエン環から構成される。こうしたメタロセン触媒は大抵の場合、共触媒または活性化剤としてのアルミノキサン、好ましくはメチルアルミノキサン(MAO)と一緒に使用される。ハフニウムは、シクロペンタジエンが結合した金属として使用することもできる。他のメタロセンには、IVA族、VA族およびVIA族の遷移金属を含み得る。ランタニド系列の金属を使用することもできる。
【0031】
上記メタロセンポリエチレンは、3未満、好ましくは2未満の比Mw/Mnを特徴とすることもあり得、MwおよびMnは、それぞれ重量平均モル質量および数平均モル質量を表す。「メタロセンポリエチレン」という用語は、6.53未満のMFR(メルトフローレシオ)と、MFR−4.63より大きいMw/Mn比とを有するメタロセンポリエチレンも表す。MFRは、MFI2(2.16kgの荷重下におけるMFI)に対するMFI10(10kgの荷重下におけるMFI)の比を表す。他のメタロセンポリエチレンは、6.13以上のMFRと、MFR−4.63より小さいまたは等しいMw/Mn比とによって規定される。
【0032】
有利には、ポリエチレン混合物の第1のポリエチレンの密度は、0.900から0.930の間である。
【0033】
ポリエチレン混合物の第2のポリエチレンに関するとき、第2のポリエチレンは、非常に高い圧力(1800バールから3000バールまで)でラジカル重合された低密度ポリエチレン(LDPE)である。ラジカル低密度ポリエチレンは、定義によれば、非直鎖状ポリマーである。低密度ポリエチレンは、当業者に周知で市販もされている生成物である。低密度ポリエチレンは、0.91から0.94の間の密度を有する。
【0034】
上述した第1のポリエチレンと第2のポリエチレンとの混合物である、ポリエチレンの混合物は、不飽和カルボン酸でグラフト化されており、即ち、上述した第1のポリエチレンと第2のポリエチレンというこれら2つのポリエチレンは、共グラフト化されている。こうした不飽和カルボン酸の官能性誘導体を使用することは、本発明の文脈からの逸脱にはならない。
【0035】
不飽和カルボン酸の例は、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸およびイタコン酸等、2個から20個までの炭素原子を含有する不飽和カルボン酸である。こうした不飽和カルボン酸の官能性誘導体は、例えば不飽和カルボン酸の無水物、エステル誘導体、アミド誘導体、イミド誘導体および金属塩(アルカリ金属塩等)を含む。
【0036】
4個から10個までの炭素原子を含有する不飽和ジカルボン酸およびこの不飽和ジカルボン酸の官能性誘導体、特にこの不飽和ジカルボン酸の無水物は、特に好ましいグラフト鎖形成用モノマーである。
【0037】
上記グラフト鎖形成用モノマーは、例えばマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、アリルコハク酸、シクロヘキサ−4−エン−1,2−ジカルボン酸、4−メチルシクロヘキサ−4−エン−1,2−ジカルボン酸、ビシクロ(2,2,1)ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボン酸およびx−メチルビシクロ(2,2,1)ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボン酸、無水マレイン酸、イタコン酸無水物、シトラコン酸無水物、アリルコハク酸無水物、シクロヘキサ−4−エン−1,2−ジカルボン酸無水物、4−メチレンシクロヘキサ−4−エン−1,2−ジカルボン酸無水物、ビシクロ(2,2,1)ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物およびx−メチルビシクロ(2,2,1)ヘプタ−5−エン−2,2−ジカルボン酸無水物を含む。
【0038】
他のグラフト鎖形成用モノマーの例には、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、モノエチルマレエート、ジエチルマレエート、モノメチルフマレート、ジメチルフマレート、モノメチルイタコネートおよびジエチルイタコネート等の不飽和カルボン酸のC−Cアルキルエステルまたはグリシジルエステル誘導体、アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイン酸モノアミド、マレイン酸ジアミド、N−モノエチルマレアミド、N,N−ジエチルマレアミド、N−モノブチルマレアミド、N,N−ジブチルマレアミド、フマル酸モノアミド、フマル酸ジアミド、N−モノエチルフマルアミド、N,N−ジエチルフマルアミド、N−モノブチルフマルアミドおよびN,N−ジブチルフマルアミド等の不飽和カルボン酸のアミド誘導体、マレイミド、N−ブチルマレイミドおよびN−フェニルマレイミド等の不飽和カルボン酸のイミド誘導体ならびにアクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリウム、アクリル酸カリウムおよびメタクリル酸カリウム等の不飽和カルボン酸の金属塩を含める。無水マレイン酸が好ましい。
【0039】
様々な公知の方法が、グラフト鎖形成用モノマーを2つのポリエチレンの混合物上にグラフト化するために使用されてもよい。
【0040】
例えば、上記したグラフト鎖形成用モノマーのグラフト化は、ラジカル発生物質の有無にかかわらず、溶媒の存在下または非存在下において、ポリエチレン、即ち、メタロセンポリエチレンおよびラジカルポリエチレンを約150℃から約300℃までの高温に加熱することによって実施することができる。こうしたグラフト化の反応に使用され得る適切な溶媒は特に、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンおよびエウメンである。使用され得る適切なラジカル発生物質は、t−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジ−t−アミルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、t−ブチルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、O,O−t−ブチル−O−(2−エチルヘキシル)モノペルオキシカルボネート、O,O−t−アミル−O−(2−エチルヘキシル)モノペルオキシカルボネート、アセチルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、イソブチリルペルオキシド、ビス(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)ペルオキシドおよびメチルエチルケトンペルオキシドを含む。
【0041】
有利には、グラフト化方法は、ラジカル発生物質である無水マレイン酸の存在下において、共回転型二軸押出装置内でポリエチレン混合物を押出成形するものである。温度は、反応が溶融状態のポリエチレン混合物中で起きるようになり、この結果、ラジカル発生物質が押出成形に供されたときに完全に分解するように選択される。ラジカル発生物質の分解生成物および未反応のモノマーをポリエチレン混合物から除去するように、押出装置の終端部で脱気が実施される点には、留意すべきである。
【0042】
上記方法によって得られた第1のグラフト修飾ポリエチレンと第2のグラフト修飾ポリエチレンとの混合物中では、グラフト鎖形成用モノマーの量は、適宜選択することができるが、グラフト化された混合物の重量に対して好ましくは0.5%から2%までであり、さらに好適には0.6%から1.2%までである。
【0043】
グラフト化されるモノマーの量は、FTIR(フーリエ変換赤外)分光法によりコハク酸官能基を分析評価することによって測定される。混合物のMFI、即ち、共グラフト化された第1のポリエチレンと第2のポリエチレンとの混合物のMFIは、4g/10分から15g/10分の間であり、有利には5g/10分から10g/10分の間である。
【0044】
ポリエチレンマトリックスと、共グラフト化されたポリエチレンの上記混合物との混合は、顆粒の単純な混合を用いて、または溶融状態にして混合するステップを用いて、当業者に周知ですっかり慣例的になっている方法によって調製される。フィルムの形態における本発明によるバインダーの厚さは一般に、5ミクロン(またはマイクロメートルμm)から30ミクロンの間であり、好ましくは5ミクロンから25ミクロンの間であり、より好ましくは8ミクロンから20ミクロンの間である。
【0045】
本発明によるバインダーは有利には、バインダーに対しておよそ0.1重量%から5重量%までの少なめの比率で添加剤を含んでもよい。こうした添加剤は、上記押出コーティング加工用組成物または押出ラミネート加工用組成物の実用を容易にするための、ブロッキング防止剤、流動化剤、抗酸化剤、充填剤、顔料、着色料および加工助剤であってもよい。上記添加剤の幾つかは、マスターバッチの形態で上記組成物中に導入することができる。
【実施例】
【0046】
試験組成物の調合品の製造
試験対象のグラフト化されたポリエチレンおよび共グラフト化されたポリエチレンの混合物を、ZSK26MCという共回転型二軸押出装置内で調製した。使用されるグラフト鎖形成用モノマーは、CristalMan社から調達した無水マレイン酸であり、ラジカル発生物質は、Arkema社製のLuperox(R)101である。押出装置には、重量式計量器によって原料供給する。押出条件は、送出速度=46kg/時間、温度=250℃およびスクリュー速度=700rpmだった。導入される無水マレイン酸の量およびLuperox101の量は、目標とする無水マレイン酸含量およびMFI(メルトフローインデックス)に応じて調節する。押出装置は、液封ポンプによって押出装置の終端部で残留物の揮発分を除去できるようにした、脱気用ウェルを備える(脱気用ウェルの中では、P=−0.95バール)。押出装置から退出したグラフト化されたポリエチレンまたは共グラフト化されたポリエチレンの混合物は、水と接触して冷却され、次いでペレタイザーを使用して顆粒化される。
【0047】
試験対象のグラフト化されたポリエチレンおよび共グラフト化されたポリエチレンの混合物には、次いで顆粒の単純な混合によって低密度ポリエチレンを配合した。
【0048】
上記の結果として得られた試験対象のバインダーは、下記のとおりである。
【0049】
[実施例1]:100%の低密度ポリエチレンLDPE2を含む、本発明の文脈に含まれないバインダー。
【0050】
[実施例2]:エチレン−ブチルアクリレート−アクリル酸ターポリマーからなる、20%の接着剤を含み、80%の低密度ポリエチレンLDPE2を配合された、本発明の文脈に含まれないバインダー。
【0051】
[実施例3]:0.68%の比率まで無水マレイン酸で共グラフト化されており、7.1g/10分のMFIを有し、ポリエチレンの混合物(40%の低密度ポリエチレンLDPE1+60%のメタロセンポリエチレンmPE)からなる、10%の接着剤を含み、90%の低密度ポリエチレンLDPE2を配合された、本発明の文脈に含まれるバインダー。
【0052】
[実施例4]:0.68%の比率まで無水マレイン酸で共グラフト化されており、7.1g/10分のMFIを有し、ポリエチレンの混合物(40%の低密度ポリエチレンLDPE1+60%のメタロセンポリエチレンmPE)からなる、20%の接着剤を含み、80%の低密度ポリエチレンLDPE2を配合された、本発明の文脈に含まれるバインダー。
【0053】
[実施例5]:0.68%の比率まで無水マレイン酸で共グラフト化されており、7.1g/10分のMFIを有し、ポリエチレンの混合物(40%の低密度ポリエチレンLDPE1+60%のメタロセンポリエチレンmPE)からなる、35%の接着剤を含み、65%の低密度ポリエチレンLDPE2を配合された、本発明の文脈に含まれるバインダー。
【0054】
[実施例6]:0.68%の比率まで無水マレイン酸で共グラフト化されており、7.1g/10分のMFIを有し、ポリエチレンの混合物(40%の低密度ポリエチレンLDPE1+60%のメタロセンポリエチレンmPE)からなる、45%の接着剤を含み、55%の低密度ポリエチレンLDPE2を配合された、本発明の文脈に含まれないバインダー。
【0055】
[実施例7]:0.71%の比率まで無水マレイン酸で共グラフト化されており、5.3g/10分のMFIを有し、ポリエチレンの混合物(60%の低密度ポリエチレンLDPE1+40%のメタロセンポリエチレンmPE)からなる、20%の接着剤を含み、80%の低密度ポリエチレンLDPE2を配合された、本発明の文脈に含まれるバインダー。
【0056】
[実施例8]:0.66%の比率まで無水マレイン酸で共グラフト化されており、9.3g/10分のMFIを有し、ポリエチレンの混合物(20%の低密度ポリエチレンLDPE1+80%のメタロセンポリエチレンmPE)からなる、20%の接着剤を含み、80%の低密度ポリエチレンLDPE2を配合された、本発明の文脈に含まれるバインダー。
【0057】
[実施例9]:0.74%の比率まで無水マレイン酸で共グラフト化されており、9.9g/10分のMFIを有し、メタロセンポリエチレンmPEからなる、20%の接着剤を含み、80%の低密度ポリエチレンLDPE2を配合された、本発明の文脈に含まれないバインダー。
【0058】
[実施例10]:0.69%の比率まで無水マレイン酸で共グラフト化されており、6.5g/10分のMFIを有し、ポリエチレンの混合物(40%の直鎖状低密度ポリエチレンLLDPE+60%のメタロセンポリエチレンmPE)からなる、20%の接着剤を含み、80%の低密度ポリエチレンLDPE2を配合された、本発明の文脈に含まれないバインダー。
【0059】
[実施例11]:0.60%の比率まで無水マレイン酸で共グラフト化されており、6.0g/10分のMFIを有し、低密度ポリエチレンLDPE2からなる、20%の接着剤を含み、80%の低密度ポリエチレンLDPE2を配合された、本発明の文脈に含まれないバインダー。
【0060】
[実施例12]:0.68%の比率まで無水マレイン酸で共グラフト化されており、7.1g/10分のMFIを有し、ポリエチレンの混合物(40%の低密度ポリエチレンLDPE1+60%のメタロセンポリエチレンmPE)からなる、20%の接着剤を含み、80%のポリプロピレンPPを配合された、本発明の文脈に含まれないバインダー。
【0061】
[実施例13]:0.41%の比率まで無水マレイン酸で共グラフト化されており、9.7g/10分のMFIを有し、ポリエチレンの混合物(40%の低密度ポリエチレンLDPE1+60%のメタロセンポリエチレンmPE)からなる、20%の接着剤を含み、80%の低密度ポリエチレンLDPE2を配合された、本発明の文脈に含まれないバインダー。
【0062】
[実施例14]:0.55%の比率まで無水マレイン酸で共グラフト化されており、8.4g/10分のMFIを有し、ポリエチレンの混合物(40%の低密度ポリエチレンLDPE1+60%のメタロセンポリエチレンmPE)からなる、20%の接着剤を含み、80%の低密度ポリエチレンLDPE2を配合された、本発明の文脈に含まれるバインダー。
【0063】
[実施例15]:1.12%の比率まで無水マレイン酸で共グラフト化されており、6.6g/10分のMFIを有し、ポリエチレンの混合物(40%の低密度ポリエチレンLDPE1+60%のメタロセンポリエチレンmPE)からなる、20%の接着剤を含み、80%の低密度ポリエチレンLDPE2を配合された、本発明の文脈に含まれるバインダー。
【0064】
[実施例16]:1.28%の比率まで無水マレイン酸で共グラフト化されており、6.3g/10分のMFIを有し、ポリエチレンの混合物(40%の低密度ポリエチレンLDPE1+60%のメタロセンポリエチレンmPE)からなる、20%の接着剤を含、80%の低密度ポリエチレンLDPE2を配合された、本発明の文脈に含まれるバインダー。
【0065】
[実施例17]:1.83%の比率まで無水マレイン酸で共グラフト化されており、5.5g/10分のMFIを有し、ポリエチレンの混合物(40%の低密度ポリエチレンLDPE1+60%のメタロセンポリエチレンmPE)からなる、20%の接着剤を含み、80%の低密度ポリエチレンLDPE2を配合された、本発明の文脈に含まれるバインダー。
【0066】
[実施例18]:2.18%の比率まで無水マレイン酸で共グラフト化されており、5.1g/10分のMFIを有し、ポリエチレンの混合物(40%の低密度ポリエチレンLDPE1+60%のメタロセンポリエチレンmPE)からなる、20%の接着剤を含み、80%の低密度ポリエチレンLDPE2を配合された、本発明の文脈に含まれないバインダー。
【0067】
[実施例19]:0.72%の比率まで無水マレイン酸で共グラフト化されており、3.1g/10分のMFIを有し、ポリエチレンの混合物(40%の低密度ポリエチレンLDPE1+60%のメタロセンポリエチレンmPE)からなる、20%の接着剤を含み、80%の低密度ポリエチレンLDPE2を配合された、本発明の文脈に含まれないバインダー。
【0068】
[実施例20]:0.71%の比率まで無水マレイン酸で共グラフト化されており、5.2g/10分のMFIを有し、ポリエチレンの混合物(40%の低密度ポリエチレンLDPE1+60%のメタロセンポリエチレンmPE)からなる、20%の接着剤を含み、80%の低密度ポリエチレンLDPE2を配合された、本発明の文脈に含まれるバインダー。
【0069】
[実施例21]:0.62%の比率まで無水マレイン酸で共グラフト化されており、8.7g/10分のMFIを有し、ポリエチレンの混合物(40%の低密度ポリエチレンLDPE1+60%のメタロセンポリエチレンmPE)からなる、20%の接着剤を含み、80%の低密度ポリエチレンLDPE2を配合された、本発明の文脈に含まれるバインダー。
【0070】
[実施例22]:0.72%の比率まで無水マレイン酸で共グラフト化されており、11.3g/10分のMFIを有し、ポリエチレンの混合物(40%の低密度ポリエチレンLDPE2+60%のメタロセンポリエチレンmPE)からなる、20%の接着剤を含み、80%の低密度ポリエチレンLDPE2を配合された、本発明の文脈に含まれるバインダー。
【0071】
[実施例23]:0.67%の比率まで無水マレイン酸で共グラフト化されており、13.8g/10分のMFIを有し、ポリエチレンの混合物(40%の低密度ポリエチレンLDPE2+60%のメタロセンポリエチレンmPE)からなる、20%の接着剤を含み、80%の低密度ポリエチレンLDPE2を配合された、本発明の文脈に含まれるバインダー。
【0072】
[実施例24]:0.61%の比率まで無水マレイン酸で共グラフト化されており、17.4g/10分のMFIを有し、ポリエチレンの混合物(40%の低密度ポリエチレンLDPE2+60%のメタロセンポリエチレンmPE)からなる、20%の接着剤を含み、80%の低密度ポリエチレンLDPE2を配合された、本発明の文脈に含まれないバインダー。
【0073】
アルミニウムへの接着に関する試験対象のバインダーの特性を評価すべく、試験対象のバインダーを共押出して、37μm/10μm/50μm/50μmのアルミニウム/バインダー/LDPE2/PEフィルム構造を得た。これらの構造は、押出ラミネート加工用の構成にしたCollin(R)という商標の押出装置によって調製した。押出装置は、「フィードブロック」(二層型の構成)ならびに300μmのエアギャップおよび25cm(L)の幅を有するフラットダイを備える。上記製造物は、25m/分のライン速度用に290℃の温度で製造した。
【0074】
試験組成物のための出発物質
LDPE1:7.5g/10分のMFI(190℃、2.16kg)および0.920の密度を有するラジカル低密度ポリエチレン。
【0075】
LDPE2:4g/10分のMFI(190℃、2.16kg)および0.925の密度を有するラジカル低密度ポリエチレン。
【0076】
mPE1:20g/10分のMFI(190℃、2.16kg)および0.915の密度を有するエチレン−ヘキセンメタロセンコポリマー。
【0077】
mPE2:1g/10分のMFI(190℃、2.16kg)および0.870の密度を有するエチレン−オクテンメタロセンコポリマー。
【0078】
mPE3:1g/10分のMFI(190℃、2.16kg)および0.890の密度を有するエチレン−オクテンメタロセンコポリマー。
【0079】
LLDPE1:3.0g/10分のMFI(190℃、2.16kg)および0.920の密度を有するエチレン−ヘキセン非メタロセンコポリマー。
【0080】
LLDPE2:3.0g/10分のMFI(190℃、2.16kg)および0.920の密度を有するエチレン−ブテン非メタロセンコポリマー。
【0081】
LLDPE3:3.0g/10分のMFI(190℃、2.16kg)および0.930の密度を有するエチレン−ブテン非メタロセンコポリマー。
【0082】
LLDPE4:3.0g/10分のMFI(190℃、2.16kg)および0.910の密度を有するエチレン−ブテン非メタロセンコポリマー。
【0083】
PP:7g/10分のMFI(230℃、2.16kg)および0.905の密度を有するプロピレン−エチレンコポリマー。
【0084】
ターポリマー:11g/10分のMFI(190℃、2.16kg)および0.920の密度を有するエチレン−イソブチルアクリレート−メタクリル酸ターポリマー。
【0085】
実施した試験
接着試験
同一の厚さであると考えられるすべての上記組成物を、正確に同じ基準に従って、即ち、規格化された同じ接着試験(ISO規格11339に準拠)において同じ支持体上で試験した。
【0086】
幅15mmのストリップ材を、幅の中央部から押出方向に切り出した。ポリマーコーティングを、数センチメートルの距離が空くように手を使って支持体から離し、この結果として拘束がなくなった2本のアーム状部材(それぞれアルミニウムおよびポリマーコーティング)のそれぞれを次いで、MTS製のSynergie200引張試験機にある2つのつかみ具のうちの一方の中に配置した。次いで剥離強度を、200mm/分の剥離速度で評価した。接着性について5つの供試体を、試験した。これらの試験は、実用から15分以内に実施し(t0での剥離)、同様に、23℃における相対湿度50%での8日間のコンディショニング後にも実施した(t8dでの剥離)。従って、接着は、剥離力の観点から測定される。
【0087】
加工性試験
試験は、コーティング加工用の構成にしたDr Collinという商標の押出装置によって実施し、この押出装置内では、試験バインダーがアルミ箔(37μm)上にコーティング加工される。こうした試験のすべては、280℃の温度プロファイルによって実施した。
【0088】
同一のスクリュー速度およびエアギャップを、すべての試験において選択し、次いでフィルム形成を開始し、ライン速度を5m/分に設定する。こうした条件下において、コーティング加工済みフィルムの幅(L)および厚さ(t)を書き記す。
【0089】
上記パラメータを書き記し終えたらすぐに、第1の不安定現象が観察されるまでライン速度を上昇させる。この第1の不安定現象には、「溶融」破断または「ドロー」レゾナンスといった幾つかの形態があり得るが、これらの形態は、当業者に周知である(幅のバラツキにつながる、フィルム縁部における視認可能な不安定現象)。上記観察は、結果を確定させるように3回連続して実施し、この一連の平均値は、結果の活用のために取っておく。
【0090】
引抜加工限界(m/分)=不安定現象(ドローレゾナンスまたは溶融破断)の開始が顕わになるライン速度。
【0091】
ネックイン(%)=(ダイの幅−コーティング加工済みフィルムの幅)/ダイの幅×100=(L−L)/L×100
【0092】
【表1】
【0093】
【表2】
【0094】
【表3】
【0095】
一般に、ある組成物が想定用途において満足なものになるためには、様々な試験において下記の結果が得られなければならない。
【0096】
引抜加工限界は、25m/分超でなければならず、より好適には30m/分(メートル毎分)超でなければならない。
【0097】
ネックインは、15%未満でなければならず、より好適には10%未満でなければならない。
【0098】
における剥離力は、2N/15mm(ニュートン毎ミリメートル)超でなければならず、より好適には2.2N/15mm超でなければならない。
【0099】
t8日(8日後)における剥離力は、1.8N/15mm超でなければならず、より好適には2.3N/15mm超でなければならない。