(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記モバイルセルラー対応デバイスへの着信呼を確立するステップをさらに含み、前記着信呼は、前記バックオフィスから受信された前記一時的移動局ルーティング番号または前記一時的IPアドレスを使用して、前記モバイルセルラー対応デバイスのホームベースによってルーティングされる、請求項1に記載の方法。
前記着信呼を確立するステップは、前記バックオフィスが、通信を前記モバイルセルラー対応デバイスにルーティングすることに対する第1の要求を前記モバイルセルラー対応デバイスの前記ホームベースから受信するステップと、
前記モバイルセルラー対応デバイスが前記バックオフィスに登録されているとき、または、登録後の前記モバイルセルラー対応デバイスへの着信呼のとき、前記バックオフィスが、前記一時的移動局ルーティング番号または前記一時的IPアドレスを前記モバイルセルラー対応デバイスの前記ホームベースに送信するステップと
を含む、請求項3に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
エミュレータとインターフェースをとるために、セルラーデバイスは、1つのエミュレータに「登録」し、エミュレータは、最初に、そのセルラーデバイスの衛星通信システムへのインターフェースをハンドリングするであろう。各エミュレータは、その特定のエミュレータに登録された一連のセルラーデバイスを有し得る。セルラーデバイスは、例えば、近傍のいくつかのエミュレータを識別し、最も強い信号(WIFIまたは他の短距離無線信号等)を有するエミュレータに登録を要求し得るか、または登録要求に最初に応答したエミュレータに登録し得る。いくつかの利用可能なエミュレータに対して、他のスキームが、エミュレータを選択するために使用され得る(例えば、エミュレータは、互いに通信し、選択のためのプロトコルまたはプロシージャを有し得る)。
【0011】
(セルラーモバイルデバイスエミュレータ登録)
「エミュレータ登録」プロセスは、「加入者」がローミングセルラーデバイスとして識別される結果をもたらし、モバイルデバイスは、ベース送受信機局(BTS)としてのエミュレータ上で「ローミング」し(典型的セルラーアクセスポイントのために必要とされる基地局コントローラ(BSC)の機能は、概して、エミュレータによって実施されるが、いくつかの機能性は、バックオフィスと共有され得る)、バックオフィスは、ビジタMSCとして機能する(2G実施形態では)。登録するために、モバイルデバイス上のアプリケーションは、近傍エミュレータとの通信を確立し、バックオフィスへの伝送のために、加入者情報をエミュレータにパスするであろう。エミュレータは、加入者情報ならびに一意のエミュレータ識別子を、衛星ネットワークを介して、バックオフィスに伝送する。加入者情報は、集積回路カード識別子(ICCID)、国際モバイル加入者識別(IMSI)(概して、データベースの中にインデックス化するために、HLRによって使用される)、認証キー(Ki)等、通常、モバイルデバイスのSIMカード上に含まれる情報を含むことができ、SMSC(ショートメッセージサービスセンタ)番号、サービスプロバイダ名(SPN)およびサービスダイヤル番号(SDN)、ならびに移動局ISDN番号(MSISDN(「電話番号」)等のキャリア特有のデータを含み得る。バックオフィスは、加入者セルラーデバイス情報およびエミュレータ情報を受信し、それをデータベース上に記憶し、特定の加入者を関連エミュレータに関連付ける。バックオフィスは、関連付けられたデータベースを伴うデータ処理センタであり、PSTN、衛星通信ネットワーク(ゲートウェイを通して、またはPSTNを介して、ゲートウェイを通してのいずれか)と通信し、セルラーネットワークとも通信し得る。セルラーデバイスは、次いで、バックオフィスに登録され、特定のエミュレータにおいて関連付けられる、すなわち、「位置する」または「存在する」。バックオフィスは、概して、エミュレータを通して、衛星ネットワークを経由して通信する要求としての役割を果たす登録プロセスを認識することができる。しかしながら、登録は、サービスをアクティブにするための要求と別個の機能であることができる(例えば、エミュレータにより、衛星ネットワークを経由した通信サービスを要求する)。
【0012】
(ローミングデバイスとしての登録−位置更新)
以下は、最初に、2Gタイプの環境におけるシステムの一実施形態を説明する。一実施形態では、サービスがアクティブにされる場合、その加入者セルラーデバイスは、エミュレータ/バックオフィス上で「ローミング」しているか、またはそこに「訪問」していると通信ネットワークに現れるであろう。要するに、バックオフィスは、遠隔セルラーデバイスが、位置する、または存在する、訪問「セルラーネットワーク」MCS(2G環境では)として現れるであろう。ローミング契約が、種々のキャリアとなされることが必要とされるであろう。
【0013】
デバイスを2G(GMS)環境内でローミングデバイスとして確立するために、バックオフィスは、セルラーデバイスのホームHLRに、「バックオフィス」ネットワーク上のセルラーデバイスの存在を通知するであろう。加入者のホームネットワークとのこの通信は、概して、PSTNまたはパケットネットワークを介して、信号チャネルを経由して行われるであろう。バックオフィス(訪問ネットワークMSCとしての役割を果たす)は、概して、ユーザのセルラーデバイスの携帯電話番号または国際モバイル加入者識別(IMSI)番号を使用して、セルラーデバイスホームネットワークにコンタクトし、サービス情報(モバイルがローミング許可されるべきかどうかを含む)を要求する。成功する場合、訪問ネットワーク(BSTおよび訪問モバイル交換センタまたはMSCとして機能する、エミュレータ/バックオフィス)は、「ローミング」セルラーデバイスのための一時的加入者記録をバックオフィスデータベース(ビジタ位置レジストリとして機能する)内に維持し始める。同様に、加入者のホームネットワークは、そのモバイルセルラーデバイスに送信される任意の情報が、次に説明されるように、エミュレータ(衛星通信を介して)、次いで、セルラーデバイスに正しくルーティングされ得るように、ホーム位置レジスタ(HLR)またはホームネットワークレジスタ(HNR)内のその情報を更新し、セルラーデバイスが訪問ネットワーク(エミュレータ/バックオフィス)上に位置することを示す。加入者が訪問ネットワーク(例えば、バックオフィス)に登録可能であるために、ローミング契約が、訪問ネットワーク(バックオフィス)とホームネットワークとの間でなされることが必要とされる。バックオフィスが訪問MSCとして動作する、GSM(登録商標)「2G」タイプのネットワークの一般的構成要素構成が、
図1に示される。
【0014】
(サービスがアクティブにされたモバイルデバイスへの着信呼)
「訪問」加入者は、加入者(モバイルデバイス)がバックオフィス「ネットワーク」MSC上でローミングしているか、またはそこに存在することを示す、訪問ネットワークの加入者データベース(例えば、訪問ネットワーク位置レジスタのように機能する、バックオフィスデータベース)内のエントリと、セルラーデバイスHLRまたはホームエージェント内のエントリとを取得する。着信呼が、ここで、セルラーデバイスに対してなされる場合、モバイルセルラーデバイスのホームMSC(時として、ゲートウェイMSCまたはGMSCと称される)は、セルラーデバイスを見つけるためにその関連付けられたHLRをチェックするであろう。前述のように、HLRは、バックオフィスを指し示す。ホームネットワークMSC/HLR(概して、PSTNを介して、信号チャネルを経由して)は、セルラーデバイスのための移動局ローミング番号(MSRN)(2G)またはIPアドレス(3Gデータ)を要求するであろう。一実施形態では、バックオフィスは、一時的ディレクトリ番号(または3GのためのIPアドレス)を動的に割り当て、または割り付け得、国際モバイル加入者識別(IMSI)も割り当て得る。一実施形態では、バックオフィスは、SIMバンク内に記憶されたSIMカードのうちの1つを割り付け、または割り当て、選択されたSIMカードに関連付けられた識別子を使用するであろう。別の実施形態では、バックオフィスは、利用可能なMSRNまたはIPアドレスのデータベースから移動局ルーティング番号(MSRN)(2Gまたは3G音声(非IMS))またはIPアドレス(3Gデータ)を動的に割り当てる(SIMカードまたはSIMバンクは、この実施形態では、要求されない)。3G IMS音声に対して、ホームネットワークが、PDPコンテキストを介して、バックオフィスに登録するときに割り当てられたIPアドレスを含むセルラーデバイス情報を維持するであろうため、IPアドレスを要求する必要がないことに留意されたい。バックオフィスは、この一時的ルーティング番号を移動局ルーティング番号(MSRN)、またはルーティングIPアドレス(PDPコンテキスト内で得られる)(両方とも、一時的ルーティング番号と見なされる)としてセルラーデバイスのホームネットワークHLRに通知するであろう。一時的ルーティング番号は、初期登録時に訪問ネットワーク(例えば、バックオフィス)によって割り当てられ得る、または呼ベースで割り当てられ得る(前述のように)。後者の場合、一時的ルーティング番号は、ホームネットワークHLRが呼をビジタネットワークにルーティングできる前に、各着信に対して、ホームネットワークHLRによって要求される必要がある。
【0015】
この一時的ルーティング番号は、ある期間の間、加入者のホームMSC位置レジスタによって維持されるか、または呼/通信が完了後、排除され得る。バックオフィスおよび加入者のホームネットワークは両方とも、セル番号を用いて会計機能を引き受け(例えば、バックオフィスは、セルラーデバイスがサービスの加入者であることを確認するであろう)、加入者のホームネットワークは、セルラーデバイスがそのシステム内にあり、バックオフィスへのルーティングまたはローミング特権を有することを確認するであろう。バックオフィスは、訪問ネットワークモバイル交換センタとして機能する。割り当てられた一時的ルーティング番号は、エミュレータにサービス提供する好適な衛星ゲートウェイを介して、着信呼を衛星ネットワークにルーティングするであろう。
【0016】
例えば、各エミュレータは、ホーム衛星ゲートウェイを有し、ホームゲートウェイは、ビジタゲートウェイ識別子を保ち、衛星通信をエミュレータにサービス提供するであろう、実際の衛星ゲートウェイを識別する。サービス提供衛星ゲートウェイは、ホームゲートウェイまたは別の衛星ゲートウェイであり得る。その結果、バックオフィスによって割り当てられ、セルラーデバイスHLRに送信される一時的MSRNは、エミュレータにサービス提供する衛星ゲートウェイを指し示すはずである。サービス提供ゲートウェイのためのMSRNの割り当ては、好ましくは、衛星バックオフィスによってハンドリングされるであろう。
【0017】
この時点において、着信呼に対して、セルデバイスのホームHLRは、一時的ルーティング番号をセルデバイスのホームネットワークMSCに転送し、ホームネットワークMSCは、一時的ルーティング番号を使用して、着信呼をビジタネットワーク(例えば、衛星ゲートウェイにサービス提供するエミュレータ)にルーティングするであろう。位置管理(モビリティ管理)および呼設定は、制御またはシグナリングチャネルを通して確立される一方、呼回路は、概して、オフフック条件がモバイルセルラーデバイスに存在するとき、物理的に確立される。すなわち、制御シグナリングは、発呼側と着呼モバイルデバイスとの間の呼を設定するために、発呼側のホームネットワーク(バックオフィスは、一時的ルーティング番号が呼のときに確立される場合、伴われ得る)、エミュレータ、およびセルラーデバイス間で引き受けられる。ネットワークを通した通信チャネルは、2G環境において保留され、セルラーデバイスにおけるオフフック条件を待つ。この条件が確立されると、通信経路が、好ましくは、無線インターフェース(短距離無線通信)を経由して、衛星ネットワークを通して、エミュレータへ、次いで、セルラーデバイスへ、発呼側と着呼側との間に設定される。3G環境では、データ通信は、SIPプロトコル、FTP、HTTP、または他のプロトコルを介して、行われることができる一方、音声通信は、交換回路またはIMSもしくはVOIP通信によってハンドリングされることができる。
【0018】
特定のエミュレータが、いくつかの割り当てられた衛星番号を有する場合、バックオフィスは、利用可能な(例えば、別の呼に結び付けられていない)番号を取り上げるか、または、多重化スキームが使用されている場合、衛星通信ネットワークを介してエミュレータに送達するための新しい着信呼を多重化するために、そのスキームが採用されるであろう。エミュレータによる受信時、エミュレータは、着呼セルラーデバイス番号または識別子(制御シグナリングを介して)も受信し、呼を向かわせる適切なセルラーデバイスを識別することができる。エミュレータは、2つ以上のセルラーデバイスにサービス提供する場合、着信通信を適切なアドレス指定されたセルラーデバイスにルーティングするであろう。エミュレータは、通信チャネルが確立されると、着信呼のための曲管システムのように働くが、セルデバイスへのエミュレータ無線インターフェースまたは有線通信を経由した通信のために、必要に応じて、着信通信データを再フォーマットするために処理する能力を含む。通信チャネルを設定するために、エミュレータは、適切なセルラーデバイスに着信呼(発呼側識別情報(例えば、発呼者id)を提供することを含む)を通知し(WIFI接続等を経由して)、セルラーデバイスが応答する(「オフフック」になる)場合、発呼側から、衛星を通して、エミュレータへ、そこからセルラーデバイスへの回路が、確立されるであろう。
【0019】
(GSM(登録商標)環境における呼設定のためのシグナリングの一実施形態(モバイルデバイスを終点とする呼))
1.発呼側(公衆電話ネットワーク内等から)が、ローミングセルラーデバイスのモバイル加入者のMSISDN(電話番号)にダイヤルする。
【0020】
2.MSISDN内に含まれる情報(国内宛先番号および国番号を含む)に基づいて、呼は、モバイルネットワークゲートウェイのモバイル交換センタ(MSC)(GMSC)にルーティングされる。それは、概して、IAM(初期アドレスメッセージ)を用いて行われる。
【0021】
3.移動局を見つけるために、GMSCは、HLRにSRI(ルーティング情報を送信する)メッセージを送信する。SRIメッセージは、MSISDN番号を含み、このMSISDNを用いて、HLRは、IMSIを得るであろう。
【0022】
4.バックオフィスからの以前の通知により、HLRは、加入者に現在「サービス提供」しているVLR(すなわち、バックオフィス)を把握している。HLRは、VLRにPRN(ローミング番号を提供する)メッセージを送信し、着信呼のルーティングのためのローミングセルラーデバイスのMSRNを得るであろう。
【0023】
5.PRNメッセージ内に含まれるIMSIを用いて、VLR(バックオフィス)は、SIMカードおよびその関連付けられた識別子を移動局ローミング番号として割り当てる。このMSRN番号は、RIA(ルーティング情報肯定応答)メッセージ内でHLRに返信される。
【0024】
6.ここで、MSRN番号を用いて、GMSCは、ローミングセルラーデバイスに到達さするように呼をルーティングする方法を把握する。次いで、呼が、GMSCと訪問MSC(バックオフィス)との間のシグナリングを利用して行われる。GMSCは、(着呼側番号としてMSISDNではなく)着呼側番号としてMSRNを伴うIAMメッセージを生成するであろう。
【0025】
7.バックオフィス(ビジタネットワーク)が、IAMを受信すると、MSRNを認識し、セルラーデバイスおよびそのセルラーデバイスにサービス提供しているエミュレータを把握し(そのデータベースをチェックすることによって)、ルーティング情報をホームベースに送信し、エミュレータへ、そして最終的に、エミュレータから関連付けられたセルラーデバイスへの送達のために、着信呼をエミュレータのサービス提供衛星ゲートウェイにルーティングする。
【0026】
8.呼が終了させられると、バックオフィスは、別の呼での将来の使用のために、MSRNをバックオフィスプールに戻す。
【0027】
一実施形態では、バックオフィスは、MSRNとして、エミュレータの識別を送信し得る。すなわち、バックオフィスは、呼が、発呼側から、PSTNを通して、エミュレータにサービス提供している衛星ゲートウェイにルーティングされ得るように、ルーティング情報を送信する。
【0028】
エミュレータはまた、ローカルネットワークまたはPBXとして機能し、呼をそのエミュレータに登録されている1つのセルラーデバイスからエミュレータに登録されている別のセルラーデバイスにルーティングすることができる。この事例では、呼は、衛星ネットワークを経由してルーティングされる必要はないが、エミュレータのみを通してハンドリングされることができる。本実施形態では、エミュレータは、登録された加入者を追跡するために、それ自身の加入者のデータベースを有し得るか、またはエミュレータは、この情報をシグナリングチャネルのバックオフィスから取得し得る。好ましくは、エミュレータサービスが有効である限り、バックオフィスは、セルラーデバイスのホームネットワークに、セルラーデバイスがバックオフィス訪問ネットワーク上に「存在」したままであることを周期的に通知するであろう。
【0029】
このシステムの利点は、セルラーデバイス上に常駐するSIMカードがホームネットワークによって割り当てられるセルラーデバイスSIMであること、すなわち、無関係なSIMカードがセルラーデバイス上に常駐しないことである。説明されるように、SIMバンクはまた、一時的ルーティング番号の論理デジタルデータベースと置換されることができる:物理的SIMカードおよびSIMカードバンクは、要求されない。
【0030】
3G環境における使用は、類似するが、サービス提供ゲートウェイGPRSサポートノード(SGSN)およびゲートウェイGPRSサポートノード(GGSN)を含む、パケットコアネットワーク(「パケットネットワーク」)が、回路交換ネットワークの代わりに、データ通信のために使用されるという複雑性が追加される。加えて、回路コアネットワークは、いくつかの事例では、主にCSCFおよびHSSから成るIMS(インターネットマルチメディアサブシステム)コアネットワークと置換されることができる。エミュレータを使用した3Gローミング機能性の一実施形態は、以下のようなものである。
【0031】
(3Gインバウンドローミング加入者−データ通信)
3Gコアネットワーク(ユニバーサルモバイル電気通信システムまたはUMTSとも称される)は、2つの主要コア構成要素、すなわち、データ通信のために使用されるパケットコア(SGSNおよびGGSN)と、音声構成要素(パケットコア交換式であり得る)を有する。パケット交換側の3Gコアネットワーク(GPRS)ネットワークの略図は、
図2に示され、バックオフィスは、訪問SGSNとして機能する。ある3G環境では、ネットワークは、音声呼管理のために使用される回路交換ネットワークおよび回路コア(MSC/VLR)を経由して音声通信を維持することができる。この組み合わせられた機能性は、
図4に描写される。
【0032】
パケットネットワークのための位置管理(パケットコア登録)は、概して、GPRSアタッチから成る。通信または呼設定は、概して、パケットデータプロトコルコンテキスト(PDPコンテキスト)によって開始される。
【0033】
(省略形態におけるGPRSアタッチプロシージャ(登録または位置)シグナリング)
−モバイルデバイスは、その識別とともにGPRSアタッチ要求を訪問SGSNに送信する(例えば、衛星通信を経由したバックオフィスへのエミュレータを介した伝送)。バックオフィスは、認証をモバイルデバイスのGGSNホームHLRに送信し(MAPプロトコルが使用され得る)、認証が成功すると、バックオフィスは、「GPRS位置更新」をホームHLRに送信する。
−ホームHLRは、「加入者データ挿入」で応答する。メッセージは、PDPコンテキストのためのGPRS加入データから成る。
−訪問SGSN(バックオフィス)およびホームHLRは両方とも、互いに肯定応答で応答する。
−訪問SGSN(バックオフィス)は、エミュレータを介して「アタッチ承認」をモバイルデバイスに送信し、エミュレータは、「アタッチ完了」で応答する。
−この時点において、HLRは、モバイルデバイスが訪問SGSNとしてのバックオフィス上で「ローミング」していることを把握する。SGSNはまた、IMS(パケット交換)音声通信が使用されない場合、MDC−VLRにおいてモバイルデバイスの位置を更新し得る。
−(PDPコンテキストプロシージャ(省略されたフォーマットにおける通信のための一時的ルーティング番号(IPアドレス)シグナリングを提供する))
−モバイルデバイス(時として、ユーザエージェントまたはUAと称される)またはPDPネットワーク(MS終点通信に対して)は、「PDPコンテキストアクティブ化」要求を訪問SGSN(バックオフィス)に送信する。
−バックオフィス(訪問SGSNおよび訪問GGSNの両方としての役割を果たす)は、「PDPコンテキストアクティブ化承認」でモバイルデバイスに応答する(全て、エミュレータへ、そしてそこからモバイルデバイスへの衛星ネットワークを経由して生じる)。メッセージは、割り当てられたバックオフィスP−CSCFIPアドレスを含む。
−モバイルデバイスまたはエミュレータは、P−CSCFIPアドレスを保存する。
−音声のためのSIP通信が、ここで、P−CSCFのIPアドレスを有するモバイルデバイスによって可能である。SIPデータ通信(FTPまたはHTTP等)も、PDPコンテキスト中に割り当てられたIPアドレスによって有効にされる。
−PDPアドレスをアクティブにすることは、端末の現在のSGSN(バックオフィス)とPDPアドレスにアンカするGGSNとの間の関連付けを設定する。記録が、GGSNとSGSNとの間で行われる関連付けに関して保たれる。この記録は、PDPコンテキストとして知られる。PDPコンテキストは、モバイルデバイスまたはパケットデータネットワークからの着信要求によって開始されることができる。
【0034】
3G電気通信コアネットワークでは、音声回路交換コアは、多くの場合、CSCF(呼セッション制御機能)(サーバコンピュータ)とHSS(ホーム加入者サーバ)とを含むIMSコアネットワークと置換される。一般に、CSCFは、3つの主要構成要素、すなわち、P−CSCF(プロキシ)、S−CSCF(サービス提供)、およびI−CSCF(問い合わせ)から成る。IMSコアネットワークのアーキテクチャは、
図3に示され、バックオフィスは、プロキシCSCFとしての役割を果たす。
【0035】
IMS相互接続のために、P−CSCFは、訪問公衆移動通信網(PLMN)上にデータベース(VLRに類似する)を含む一方、HSSは、HLRのように、加入者情報のデータベースを含む。
【0036】
IMS音声サービスが存在するとき、位置管理(登録)シグナリングは、以下の省略された概要におけるようである。
【0037】
(IMS登録(モバイル開始に対して))
−モバイルデバイスは、IMS訪問ドメイン(そのホームドメインと異なる)に属するP−CSCFへの接続を開始する。
−モバイルデバイスは、SIP登録メッセージを訪問P−CSCF(バックオフィス)に送信する
−バックオフィスは、要求URIホームドメインを(DNSクエリを使用して)解読し、モバイルデバイスのホームI−CSCFのIPアドレスを得るであろう
−モバイルデバイス認証要求、訪問P−CSCFは、SIPレジスタメッセージをUEのホームドメインのホームI−CSCFに転送する
−ホームI−CSCFは、「ユーザ権限要求」をホームホーム加入者サーバ(HSS)に送信する
−ホームHSSは、「ユーザ権限応答」で応答する。メッセージは、ホームS−CSCFのアドレスを含む
−ホームI−CSCFは、SIPレジスタをホームS−CSCFに転送する
−ホームS−CSCFは、「マルチメディア認証要求」を送信することによって、ホームHSSに対する認証を行う
−ホームHSSは、一式の認証キーで応答する
−キーを受信すると、ホームS−CSCFは、「401無権限」メッセージ内において、モバイルデバイス(およびバックオフィス)にまでキーを転送するであろう
−モバイルデバイスは、キーを使用して、認証アルゴリズムを計算するであろう
−モバイルデバイスは、認証値とともに、SIPレジスタをホームS−CSCFに再返信する
−ホームS−CSCFは、「サーバ割り当て要求」をHSSに送信する
−HSSからの応答を受信すると、ホームS−CSCFは、モバイルデバイスからの認証値を比較するであろう
−値が一致する場合、S−CSCFは、「200 OK」をUAにまで返信し、モバイルデバイスが登録されたことを示すであろう。
−注記:S−CSCFは、ネットワークのためのレジストラとして見られるが、HSSは、S−CSCFがそれに対して加入者要求エントリの信頼性をチェックするデータを保持する。
【0038】
(着信通信のためのIMS設定(モバイル終点通信))
−モバイルデバイスのホームIMSは、モバイルデバイスへの呼要求を受信する(すなわち、ホームメディアゲートウェイ制御機能(MGCF)は、ISUP IAMを受信する)
−ホームMGCFは、「終点」INVITE要求をホームI−CSCFに送信する
−ホームI−CSCFは、「位置情報要求」をホームHSSに送信する(ホーム位置レジストリは、データを有するであろう)
例えば、I−CSCFは、HSSに問い合わせ、関連S−CSCFのアドレスを得て、SIP開始要求を処理する。
−ホームS−CSCFは、INVITEメッセージを登録時に記録された訪問P−CSCF(バックオフィス)に転送する
−訪問P−CSCFは、エミュレータにより、INVITEをローミングモバイルデバイスに転送する。
【0039】
ユーザが、エミュレータサービスから切断するとき、セルラーデバイスがセルネットワーク内に位置する場合、そのセルネットワークは、次いで、セルラーデバイスのホームネットワークに、セルラーデバイスが、現在、その特定のセル(例えば、新しい訪問ネットワーク)内に「存在する」こと、またはローミングしていることを通知し得、セルラーデバイスのHLは、呼が、エミュレータ/衛星通信ネットワークを通しての代わりに、セルネットワークを経由してルーティングされるであろうように、適宜、更新される。
【0040】
使用時、エミュレータサービスがアクティブにされると、セルラーデバイス上のソフトウェアアプリケーションは、セルラーデバイスがセル基地局に登録すること、またはセル基地局に登録要求を(無線インターフェース(WIFIまたは他の短距離ワイヤレス通信)を経由してエミュレータ以外の)送信することを無効にし得る。これは、セルラーデバイスの位置の可能な曖昧性を防止するであろう。すなわち、エミュレータサービスがアクティブである限り、常時、エミュレータ/バックオフィスネットワーク内に位置するであろう。セルラーデバイスは、依然として、近傍セルタワーの信号強度を監視する能力を有し、信号強度が十分である場合、セル上のアプリケーションは、エミュレータ衛星サービスを切断し得る(バックオフィスにサービスの終了の通知を送信する)。アプリケーションは、セルラー信号強度が所定のレベルを下回って低下する場合、エミュレータ通信を再開するように構成され得る。
【0041】
代替として、アプリケーションソフトウェアは、1つのサービスもしくは他のサービスを選択すること、または可能な曖昧性を防止するような制御された方式において、セルラーと衛星ネットワークとの間の自動化されたモード交換を可能にすることを行うように構成され得る。
【0042】
前述のシーケンスでは、バックオフィスは、関連HLR(ホームネットワークMCSまたはホームネットワークGGSNもしくはHSSに関連付けられた)に、訪問ネットワークとしてのバックオフィス上のモバイルデバイスの「位置」または存在を通知する。モバイルデバイスの位置がネットワークに把握されると(HLRを介して)、着信呼のために、ホームHLRは、モバイルデバイスの位置に対してクエリされる。HLRは、次いで、バックオフィスを指し示し、HLRは、一時的ルーティング番号を含むか、またはバックオフィスから要求するであろう。その一時的ルーティング番号は、呼またはパケットをエミュレータにサービス提供する適切なゲートウェイにルーティングするために、HLRに提供される。
【0043】
(発信通信(モバイル起点))
発信呼(モバイル起点呼)も、幾分同様に、ハンドリングされる。モバイルユーザは、発信呼をダイヤルし(またはIPアドレスへのデータの送信を試み)、モバイルデバイス上のアプリケーションが、無線リンクを経由して、エミュレータに通信する。エミュレータは、バックオフィスに、通信衛星を介して、呼またはデータ通信を行うための要求を通知する。バックオフィスは、回路交換ネットワークまたはパケットネットワークを経由して、着呼側の位置に対して着呼側のHLRにシグナリングし(着呼側がモバイルデバイスであると仮定して)、通常、ネットワークによって守られる標準的位置管理および呼設定プロシージャが、訪問MSCまたはSGSNとしてのバックオフィスとの間で行われ、発信呼をサービス提供衛星ゲートウェイを通してPSTNまたはインターネットにルーティングし、モバイルデバイスを所望の終点位置に接続する。
【0044】
この同一機能性は、セルおよび衛星機能性の両方を有するモバイルデバイス(例えば、デュアル構成モバイルデバイス)を用いて使用されることができる。2つの識別(衛星識別およびセルラー識別)を有する、統合されたデバイスを用いて、ユーザは、識別のうちの1つのみを使用して(例えば、ユーザは、セルラー番号のみを外に出すことができる)、いずれかのネットワークを経由して到達されることができる。ユーザは、次いで、デバイスをバックオフィスに登録し、HLRがバックオフィスを指し示すことを可能にするであろう、デバイス上のアプリケーションをアクティブまたは非アクティブにすることによって、どのネットワーク(衛星またはセルラー)が着信呼のために使用されるべきかを制御することができる。統合されたデバイスに対して、統合されたデバイスが衛星電話機能性を有するので、エミュレータは、必要とされない。
【0045】
(代替実装)
1.それ自体を「訪問セルラーネットワーク」として識別する代わりに、エミュレータバックオフィスは、呼転送機能を使用して、モバイルデバイスを終点とする呼をエミュレータを通してルーティングし得る。この構成では、エミュレータバックオフィスが、登録情報をエミュレータから受信するか、またはエミュレータサービスをアクティブにするための要求を受信すると、エミュレータバックオフィスは、標準的セルラーシグナリングコマンドを使用し、呼転送要求(無条件呼転送等)をセルラーデバイスのホームHLRに送信する。呼転送要求は、エミュレータおよび/またはエミュレータサービス提供衛星ゲートウェイに関連付けられたバックオフィス割り当てルーティング番号、またはMSRN、電話番号、IMSI番号(加入者が衛星サービスのためにモバイルデバイスを登録すると、エミュレータによって提供されるように)のいずれか等、呼転送ルーティング番号(一時的ルーティング番号)を含むであろう。すなわち、(例えば、モバイルデバイス登録時)バックオフィスは、モバイルデバイスホームネットワークに、モバイルデバイスへの呼がエミュレータに関連付けられた一時的ルーティングアドレス(例えば、電話番号(MSISDN)またはIMSIまたはIPアドレス等のMSRNまたはエミュレータ識別子もしくはアドレス)に転送されるべきことを通知する。一時的ルーティング番号は、サービス提供衛星ゲートウェイ(訪問衛星ゲートウェイ)に関連付けられた番号であることができるか、またはエミュレータに割り当てられた番号(MSISDN、電話番号等)であることができる。モバイル終点呼は、モバイルのホームHLR内に保持されるルーティング番号に転送される呼であり、通常位置管理では、衛星通信システムが通信をエミュレータにルーティングすることに関与するであろう呼であろう(概して、エミュレータに関連付けられた衛星ゲートウェイVLRおよびHLRを介して)。例えば、エミュレータホーム衛星ゲートウェイのHLRは、サービス提供衛星ゲートウェイを指し示す。モバイルに向かわせられる呼は、呼転送ルーティングアドレスにリダイレクトされ(呼が転送され)、エミュレータホーム衛星ゲートウェイ(バックオフィスと併せて)は、エミュレータの位置管理を引き受け、リダイレクトされた呼のルーティングは、呼転送として衛星電話に進むであろう。バックオフィスは、登録またはサービスアクティブ化のいずれかのとき、呼転送番号としてエミュレータのための一時的ルーティング番号を提供し得ることに留意されたい。エミュレータ呼転送ルーティングアドレスは、エミュレータ自体によって提供され得るか(例えば、サービスのためのモバイルデバイス登録中)、または、バックオフィスが、アドレスをエミュレータに関連付けるか、もしくはマッピングすることによって、対応するエミュレータアドレスを提供し得る。例えば、バックオフィスは、サービス提供衛星ゲートウェイに関連付けられたアドレスを呼転送アドレスとして送信し、割り当てられた呼転送番号およびエミュレータアドレスの通知をサービス提供衛星ゲートウェイに送信し得、したがって、サービス提供衛星ゲートウェイは、サービス提供ゲートウェイに着信する通信をバックオフィスによって提供されるエミュレータアドレスにルーティングすることができる。エミュレータバックオフィスは、セルラーデバイスが、エミュレータから登録解除するとき、またはセルラーデバイスが、定義された期間の間、エミュレータ通信に応答しないときのいずれかにおいて、セルラーデバイス加入のCFU(呼転送無条件宛先電話番号)をそのデフォルトにリセットし得る。CFUアプローチの利点は、他の電話ネットワークとの任意のローミング契約を要求しないことである。CFUは、説明されるように、自動的に実装されることができるか、または、ユーザは、呼転送を手動で構成することができる(または電話上のアプリケーションが、これを達成するように構成されることができる)。
【0046】
呼転送実施形態では、呼転送要求は、ユーザ/加入者に透明であり、すなわち、ユーザは、呼転送番号がそのモバイルセルラーデバイスに関連付けられていること、または呼転送がアクティブにされたことを把握しない。ユーザ/加入者は、第三者から着信呼を受信し得ることのみ把握し、第三者の通信は、モバイルデバイスのMSISDNまたは電話番号にアドレス指定される(すなわち、システムは、第三者にも、透明である)。
【0047】
2.呼転送に対する前述のように、ユーザデバイスは、セルラーデバイスである必要はない。それは、有線デバイスまたはセルラーネットワークに関連付けられたワイヤレスデバイスであることができるが、それは、エミュレータバックオフィスおよびその関連付けられたHLRによって、電話番号、擬似電話番号、または他の衛星アドレス(一時的または恒久的のいずれか)を割り当てられている。
【0048】
3.発明を実施するための形態におけるサービスの一般的説明と同様であるが、エミュレータとインターフェースをとるアプリケーションソフトウェアは、実際には、タブレットまたは追加のセルラーデバイス等の別個の独立型インターフェースデバイスである。前述の説明では、「セルラーデバイス」が述べられるどの場合はでも、「ユーザデバイスインターフェースユニット」で代用される。ここでの代替は、ユーザが、アプリケーションをダウンロードする場合、アプリケーションが、ユーザにそのハードウェアを登録させ、アプリケーションソフトウェアが、セルデバイス、コンピュータ、またはタブレットである、ユーザの機器の識別を把握することを可能にすることである。
【0049】
4.ローミングソリューションの変更として、バックオフィスは、複数の識別を単一加入に割り当てることができる。このようにして、バックオフィスは、モバイル終点通信に対して、エミュレータ上の単一デバイスにアタッチされる複数のサービスまたは複数の周辺機器を追跡することができる。
【0050】
これらのソリューション全てが提供し得る追加の機能は、ユーザがエミュレータネットワーク内から呼を開始すると、エミュレータの衛星加入識別ではなく、その携帯電話加入者識別が発呼者ID上に現れるように、起点発呼者識別を挿入するためである。この機能性(「発呼者idなりすまし」)は、エミュレータまたはバックオフィスによって提供されることができる。
【0051】
2Gまたは3G環境では、モバイルデバイスの「位置」が維持されるデータベースを含む、ホームベースまたはホームネットワークが、存在する。2Gに対して、ホームネットワークは、ホームMSCおよび関連付けられたホーム位置レジスタを含み、3G環境に対して、ホームネットワークは、ホームGGSNに関連付けられたHLRを含み、IMSに対して、ホームネットワークは、ホームS−CSCFおよびI−CSC、ならびにHSSに関連付けられたデータベースを含む。2Gおよび3G環境の両方を一般的に参照するために、用語「ホームベース」は、ホームネットワーク構成要素のために使用され、「ホームレジストリ」または「ビジタレジストリ」は、ホームMSCまたはホームGGSNに関連付けられたHLR等のビジタネットワークまたはホームネットワークのための関連付けられたデータベース、またはHSSに関連付けられたデータベースを指すであろう。「呼」は、使用されるように、音声またはデータ通信のいずれかであることができ、音声通信は、VOIPまたはIMS通信等の交換回路呼またはパケット呼を含むことができる。
【0052】
説明されるように、技法は、セルデバイスが、衛星ネットワークを経由して通信し、携帯電話番号を使用して、モバイル終点呼のためにアドレス指定される能力を含む。セルラーデバイスに到達しようとする第三者は、エミュレータの衛星電話番号を把握する必要はなく、第三者が到達しようとするモバイルセルラーデバイスの携帯電話番号のみ把握する必要がある。衛星ネットワークが呼をセルデバイスにルーティングするために使用されているという事実は、第三者発呼者に対して完全に透明である。
【0053】
説明されるように、バックオフィスが使用されるが、2つ以上のバックオフィスが、採用されることもできる。各衛星ゲートウェイが、単一バックオフィスに関連付けられることができるか、またはいくつかの衛星ゲートウェイが、単一バックオフィスを用いて、トラフィックを調整することができる。使用される場合、セルラー対応デバイスまたはセルデバイスは、モバイル通信ネットワーク(公衆地上モバイル無線、PLMR、または公衆移動通信網PLMN、もしくはさらに、防衛交換ネットワークまたは防衛パケットネットワーク等の軍専用ネットワーク等の非公衆プライベートネットワーク)内のセルラーベース送信機モバイル基地局と/に通信するように設計されたデバイスである。
【0054】
エミュレータは、衛星電話として衛星システムバックオフィスに現れる(故に、「エミュレータ」の専門用語)。しかしながら、エミュレータは、ユーザに対して、電話ではなく、概して、真のセルラーまたは衛星電話に必要であるようなマイクロホンおよびスピーカを欠いている。エミュレータは、入力デバイス(仮想または実キーボード等)およびディスプレイデバイスを誘発し、ユーザが特定の用途のために必要に応じてエミュレータを構成することを可能にし得る。
【0056】
(タイトル)
衛星ネットワークを通して地上波信号をルーティングするための衛星通信デバイス
【0057】
(優先権の主張)
本願は、米国仮出願第61/44076号に対する優先権を主張し、上記出願は、その全体が参照により援用される。
【0058】
(本発明の背景)
携帯電話は、ワイヤレス接続を介して通信し、モバイル通信ネットワークまたは公衆交換電話ネットワークとインターフェースをとる。衛星電話は、別個の衛星ネットワークを経由して通信し、最終的に、呼を、例えば、公衆交換電話ネットワークまたはモバイル通信ネットワークを通してアタッチされているエンドユーザにルーティングする。衛星電話の能力を携帯電話に提供することまたはその逆が望ましいであろう。
【0059】
(技術分野)
本発明は、衛星通信システムを経由して、地上波短距離ワイヤレス技術(またはある有線技術)を使用するデバイスからの情報を中継し、衛星ネットワークを経由した音声呼に対して要求される帯域幅を最適化するシステムおよび方法に関する。それは、ワイヤレスエンドユーザデバイスの任意の主要な再展開を伴わずに、衛星コンステレーションを経由して、主要な通信インフラストラクチャが存在しないエリアにおいて、異なるタイプの端末機器を使用して、データおよび音声サービスを提供することの利点に対処する。
【0060】
(本発明の要旨)
携帯電話が、衛星通信ネットワークを経由して通信することを可能にするデバイス。衛星通信システムを経由して、短距離アクセス技術(例えば、IEEE802.11WiFi、a/g/n、または固定およびモバイルデバイスからの2400〜2480MHzのISM帯内で短波長無線伝送を使用して、パーソナルエリアネットワーク(PAN)(Bluetooth(登録商標)等)を作成して、GSM(登録商標)伝送等)にアクセスすることによって、音声およびデータサービスをモバイルデバイスユーザに提供するための方法およびデバイスが、提供される。ワイヤレスシステムは、任意の短距離ワイヤレス技術を通して、異なるタイプのパーソナル通信デバイス(ハンドセット、スマートフォン、PDA、およびコンピュータ)からのセッションに接続し、その処理を制御し、それらを衛星ネットワークを経由してバックホールする。そのようなインフラストラクチャが存在しないエリアでは、衛星通信システムのみ、情報をインターネットまたは公衆交換電話ネットワーク(PSTN)に搬送するために利用可能である。
【0061】
(図面の簡単な説明)
図1は、本発明によって実装される通信ネットワークの一実施形態を図示する。
図2は、従来の衛星電話の構成要素を図示する。
図3−8は、呼ハンドリングにおける種々のステップを図示する。
図9は、アウトバンド呼をハンドリングする際のステップのフロー図である。
図10は、インバウンド呼をハンドリングする際のステップのフロー図である。
図11は、インターネットデータ接続を実装する、代替実施形態を図示する。
図12は、直接VoIP伝送の代替実施形態を図示する。
図13は、フェムトセルネットワークと接続するための代替実施形態を図示する。
図14は、音声データがデジタル的にトランスコードされる、代替実施形態を図示する。
図15は、
図1から若干修正された衛星通信デバイスを図示する。
【0062】
(選択された実施形態の説明)
図1は、本発明によって実装される通信ネットワークの一実施例を図示する。ネットワークは、概して、1つ以上のハンドヘルドポータブル通信デバイス10を含み、その例は、スマートフォン、従来の携帯電話、PDA、ポータブルPC、コンピューティングタブレット等であり得る。これらのデバイス、例えば、スマートフォンの多くは、アナログ音声信号をVoIPデータストリームに変換可能であり、時として、「VoIP伝送デバイス」と称されるであろう。VoIPは、後に説明されるように、要求されない。
【0063】
図1の通信ネットワークはさらに、衛星ゲートウェイ101を通してコアネットワーク(パケットデータルーティングシステムを含む)に通信し、最終的に、情報をインターネット201または公衆交換電話ネットワーク202(またはPSTN)に転送する従来の衛星ネットワーク100を含む。以下に詳細に説明されるように、本発明の衛星通信デバイスは、ハンドヘルド通信デバイス10から、衛星ネットワーク100を横断して、コアネットワーク201または202に、さらに、逆方向に、衛星ネットワーク100を通して、コアネットワークから、ハンドヘルド通信デバイスにデータを伝送するように機能する。
図1は、1つのハンドヘルドデバイス10のみを示すが、複数のハンドヘルドデバイスが、少なくとも1つの衛星通信デバイスを有するネットワークの一部であり得ることを理解されるであろう。
【0064】
背景情報として、
図2は、従来の衛星電話50の原理構成要素を図示する。従来の衛星電話では、アプリケーションプロセッサ51は、情報をキーパッドインターフェース52から取り込み、ユーザのために、ディスプレイ画面53を駆動する。ユーザが呼を行う準備ができると、アプリケーションプロセッサ51は、要求される情報およびシリアルコマンドを生成し、衛星モデム54に、衛星ネットワーク100に接続させ、呼を適切にルーティングさせる。呼が接続されると、スピーカ60およびマイクロホン61は、ユーザのために、アナログ音声情報をもたらし、送信する。電話内の衛星モデム65は、この情報をアナログからデジタルおよび逆に変換する音声コーデックを含む。呼はキーパッド52上のボタンを押し、アプリケーションプロセッサ51が、好適な情報およびシリアルコマンドをモデム54に送信し、接続を閉じることによって、衛星電話ユーザによって終了させられる。呼が他方の呼参加者によって終了させられる場合、衛星モデム54は、衛星を介してこのイベントをそれに通知する信号を受信し、接続が閉じられるアプリケーションプロセッサ51にシリアルコマンドを送信し、プロセッサ51が呼の終了を完了することを可能にする(例えば、ユーザに、呼が終了したことを通知する)。
【0065】
図3は、衛星通信デバイス1000(多くの場合、本説明では、「SCD」または「ボタン」と称される)および呼を開始するために行われるステップの一実施形態を図示する。SCDの本実施形態は、(i)アプリケーションプロセッサ1001と、(ii)衛星モデム1002と、iii)無線帯域ワイヤレス送受信機1004(例えば、産業、科学、および医療(ISM)送受信機(
図3では、WiFiモジュール)等、SCDとモバイルデバイスとの間で通信するための通信リンクと、(iv)プロセス命令をアプリケーションプロセッサに提供するVoIP 1005スタック(VoIPスタックは、ハードウェア、ファームウェア、またはソフトウェアのいずれかとしてアプリケーションプロセッサ内に統合されることができる)とを含む。代替実施形態では、VoIPスタックは、VoIPモジュール(すなわち、チップまたはチップセット)と置換され得る。同様に、WiFiモジュール1004は、事実上、アプリケーションプロセッサにWiFiモジュールの機能を行うように指示するソフトウェアスタックと置換され得る。以下に説明されるように、SCDとモバイルデバイスとの間の通信リンクは、WiFiモジュール1004内に実装されるように、VoIPを使用するWiFiとして説明される。しかしながら、本発明は、そのように限定されない。代わりに、PAN通信ラインが、例えば、Bluetooth(登録商標)を使用して、SCDとモバイルデバイスとの間に確立されることができる。代替として、ネット通信リンクが、そのような
図13に示されるように、フェムトセルを採用すること等によって、使用され得る。実際、ワイヤレス通信は、有線通信と置換され得る。例えば、タブレットがモバイルデバイスである場合、直接有線通信が、Ethernet(登録商標)、UCB、ファイアワイヤ、または他の通信リンク等を使用して、SCDに対して確立されることができる。
【0066】
以下の実施形態の大部分は、ワイヤレス通信リンクを使用して、主に、WiFi VoIPを使用して、説明される。
【0067】
一実施形態では、SCDのアプリケーションプロセッサ1001は、通信すべきSCDとモバイルデバイスとの間のワイヤレス通信のための設定および構成のためのコマンドをWiFiモジュール1004に送信する。他の実施形態では、SCDおよびモバイルデバイスの両方が、既存のワイヤレスネットワーク(例えば、WLAN)にアクセスし得るか(SCDおよびモバイルデバイスは、それらの間の通信のルーティングを可能にする識別子を有する)、または、WiFiモジュール1004が、ワイヤレスアクセスポイントを作成するかもしくはアドホックの作成を待つ。選択肢は、ユーザ選択されることができる、または構成デフォルトが、SCDまたはモバイルデバイス内に確立され得る。残りの議論に対して、ワイヤレスネットワークは、SCDによって確立されると仮定されるであろう。
【0068】
図4は、VoIPスタック1005が、衛星呼を行うためのモバイルデバイスからの要求を指示し得る方法を示す。携帯電話は、SCD上のWiFiモジュールへのワイヤレスネットワークを通して、SCDと通信する。例えば、モバイルは、携帯電話上のVoIPアプリケーションを介して通信するか、または、WiFiモジュールに送信され、アプリケーションプロセッサによって、サービスのための要求として認識される、「識別子」、もしくは衛星呼が行われるべきことを示す、ワイヤレス通信を介したモバイルデバイスとSCBとの間のある他のハンドシェイクを伝送し得る。VoIPスタック1005は、通常、シリアル通信を介して、アプリケーションプロセッサ1001に、着信呼要求をアラートする。アプリケーションプロセッサ1001は、次いで、コマンド(VoIPスタックによって)を送信し、モバイルデバイスからの呼を承認する。
図5を参照すると、アプリケーションプロセッサ1001は、例えば、携帯電話とSCBとの間のワイヤレス通信リンク(WiFiモジュール1004を介して)を経由してユーザによって伝送される、呼宛先識別子を含むDTMF信号(または他の信号)を受信する。識別子は、必要に応じて、アプリケーションプロセッサ1001によって、解釈または再フォーマットされ得る。
図6では、アプリケーションプロセッサ1001は、所望の呼宛先識別子(例えば、電話番号)への電話呼を確立するために、コマンドおよび/またはハンドシェイク信号(通常、シリアル通信によって)を衛星モデム1002に送信する。
【0069】
図7は、VoIPスタック(またはアプリケーションプロセッサ)が、デジタル(VoIP)音声情報をWiFiモジュール1004から取り込み、それをアナログに逆変換し、次いで、その「スピーカポート」(アナログ出力)を通して衛星モデム1002のアナログ入力ポート(マイクロホン入力ポートと標識される)にプッシュする、一実施形態を示唆する。衛星モデム1002は、アナログ音声信号をそのマイクロホン入力から取り込み、その音声コーデックを使用して、衛星ネットワークを経由した伝送のために、アナログ音声信号をデジタルに逆変換する。同一動作は、SCDが音声情報を衛星ネットワークから受信するとき、逆方向においても生じるであろう。
図8は、アプリケーションプロセッサが、呼が閉じられた場所に基づいて、適切なコマンドを衛星モデムに送信するか、またはVoIPスタックを通して処理するかのいずれかを行い得る方法を示す。これらのA−Dステップは、アプリケーションプロセッサ1001に、1つの構成要素(WiFiモジュールまたは衛星モデム)から受信されたデジタルデータを変換させ、他の構成要素のために、その信号を適切なデジタルフォーマットに変換させることによって、排除されることができる。実際、デジタルデータは、適切にフォーマットされ得、変換は必要ない。残りの議論は、A_D変換が採用されると仮定する。
【0070】
図9は、概して、SCDが、アウトバンド(すなわち、スマートフォンから衛星ネットワークへの)呼をハンドリングするときに実施されるステップを図示する一方、
図10は、概して、SCDが、インバウンド(すなわち、衛星ネットワークからモバイルデバイスへの)呼をハンドリングするときに実施されるステップを図示する。
図9に示されるように、スマートフォンまたは他のモバイルデバイスは、ワイヤレスネットワークを介して、SCDWiFiモデムと通信する。ステップAでは、ユーザは、所望の番号をスマートフォン上で入力するであろう。例えば、ユーザは、DTMF(タッチトーン)ダイヤルを使用して、その所望の呼宛先を入力する、または電話番号を読み上げることができ、アプリケーションプロセッサは、音声認識を信号に行うために使用されることができる。スマートフォンまたは他のプログラマブルデバイスの場合、カスタムVoIPアプリケーションが、電話上にインストールされ得、ユーザは、その連絡先リストを検索し、所望の呼宛先を閉じ得る。好ましくは、スマートフォン上のアプリケーションは、SCBとのリンクおよびハンドシェイクを開始し、ダイヤルされるべき番号をSCDに転送する。本プロセスは、ユーザに透過性であることができる(例えば、SCDとスマートフォンとの間の通信の確立)、したがって、ユーザは、事実上、2つの「呼」または通信リンクが実際に行われていることに気付かない(一方は、モバイルデバイスとSCDとの間の通信リンク(示されるように、VoIPを介して)であって、一方は、SCDを介して、衛星システム、次いで、PSTNおよび最終宛先へのもの)。
【0071】
図9のステップBでは、SCDは、呼を行うために、VoIPソース(例えば、スマートフォン)から受信された番号を衛星モデムにハンドする。モバイルデバイスから宛先電話番号を受信するために使用される方法にかかわらず、最終的に、アプリケーションプロセッサ1001は、その情報を取り込み、衛星モデム1002に呼を行うことを要求するために必要とされる適切なプロトコル内にそれをラップしなければならない。
【0072】
図9のステップCでは、呼が衛星を介して、モバイルとエンドユーザとの間に確立された後、SCDは、VoIPスタックによって受信された音声信号を衛星モデム1002にルーティングする。これらのステップを実装するために、一実施形態では、VoIPスタックは、スマートフォンからのWiFi接続を介して、VoIPプロトコルを使用して、デジタル呼情報を受信する。VoIPスタックは、その音声コーデックを使用して、アナログ音声信号をこの情報から生成する。その信号は、スピーカ出力ポートを経由して発出される。アナログ信号は、次いで、衛星モデムのマイクロホン入力にルーティングされ、そこで、衛星モデムの自身の音声コーデックが、信号を衛星特有のより帯域幅効率的プロトコルで再デジタル化する。衛星ゲートウェイは、再び、この信号を分解し、それをPSTNへ、そしてそこから着呼番号にルーティングする。
図9に示されるように、音声信号は、アナログとして示され、これは、アプリケーションプロセッサ内のA−Dコンバータから衛星モデムのマイクロホン入力に送信される。前述のように、これらのA−D変換は、本発明の一実施形態のためのものにすぎない。
【0073】
逆方向では、音声信号は、スマートフォンユーザに呼を行う第三者(
図10における「第三者発呼者」または「ユーザB」)から、PSTNを介して生じる。衛星ゲートウェイは、衛星コーデックを使用して、デジタル化された形態において、信号を衛星ネットワークに送信する。衛星モデム1002(衛星システム内に識別子を有する)によって受信されると、音声データ(一実施形態では)は、アナログに変換され、衛星スピーカ出力を経由して、次いで、VoIPスタックの1005マイクロホン入力に発出され、そこで、そのコーデックを使用してデジタル化され、WiFiモジュール1004を介して、スマートフォンに伝送される。アプリケーションプロセッサは、SCDの構成要素間のハンドシェイクおよび制御をハンドリングする。スマートフォン上のVoIPアプリケーションは、スマートフォン上のスピーカを駆動し得るように、信号を適切なフォーマットに変換する。
【0074】
図10は、第三者発呼者からの着信呼をハンドリングする際のステップを強調する。ステップAは、第三者発呼者が電話呼を開始するステップを伴う。一基本的実施形態では、第三者発呼者は、第三者発呼者がスマートフォンユーザにコンタクトすることを所望すると、実際には、SCDの衛星電話番号をダイヤルするであろう(SCDが単一モバイルデバイス専用である場合、他の識別子は、必要とされない。しかしながら、SCDが複数のモバイルデバイスとインターフェースをとる場合、SCD番号は、携帯電話番号等、所望のモバイル識別子を伴わなければならない)。別の実施形態では、スマートフォンユーザが、WiFiネットワークに接続し、カスタムVoIPアプリケーションをスマートフォン上で開くと、その電話番号は、WiFiネットワークに送信され、その衛星番号を呼転送番号として登録するか、またはSCDワイヤレスリンクを経由して送信され、衛星ネットワークを経由して送信され、同様に、衛星番号が携帯電話サービスプロバイダに呼転送番号として登録されることができる。この代替は、スマートフォンユーザがセル範囲外にいるとき、第三者発呼者が2つの電話番号を把握または認識する必要性を排除する。
【0075】
図10のステップBでは、アプリケーションプロセッサ1001は、関連付けられたWiFiネットワーク上の適切なスマートフォンユーザにVoIP「呼」を行う。例えば、呼電話サービスプロバイダが、関連付けられたSCDの番号およびスマートフォンユーザの番号を有する場合、次いで、サービスプロバイダは、呼が転送される前に、衛星ゲートウェイにオリジナル宛先(到達すべきモバイル番号)を供給し得る。ゲートウェイは、ルーティングするために、この情報をSCDに中継し得る。例えば、情報は、衛星モデム1002へのインターネット接続を介して、SCDに中継され得る。衛星モデム1002によって受信されると、SCDは、この情報を使用して、VoIP/WiFi接続を介して、着信衛星呼を適切なスマートフォンにルーティングすることができる。
【0076】
別の実施形態では、第三者発呼者は、2つの呼を「行う」。最初に、第三者発呼者は、SCD衛星番号により、SCDに呼を行い、SCDは、所望のモバイル加入者を識別するための要求を返送し得る。例えば、衛星モデムが呼を受信すると、第三者発呼者は、メニューシステムを提示され得、DTMFまたは音声コマンドにより、第三者発呼者は、第三者発呼者が接続されることを所望するSCDのWiFiネットワーク上の所望のモバイルデバイス識別子(例えば、電話番号または「内線」)を入力し得る(例えば、SCDが、衛星システムにアクセスするために、複数のためのPBXシステムとしての役割を果たすとき)。これは、現在接続されているユーザのリストであるか、または、第三者発呼者が、単にその所望の呼宛先の電話番号を入力するかのいずれかであり得る。
【0077】
図11は、インターネットまたは一般的接続ならびに音声能力をSCD内に組み込む、実施形態を図示する。本実施形態では、スマートフォンユーザが、WiFiネットワークに接続すると(おそらく、示されるインターネット接続が要求されるアプリを使用して)、アプリケーションプロセッサ1001は、衛星ネットワークを経由して、PPPインターネット接続を確立するように衛星モデム1002を構成する。一実施例として、これは、PPPデータ呼のためのGlobalstar,Inc.から利用可能なGSP−17Q0(モデル番号)衛星モデムを構成し、アプリケーションプロセッサに、必要データ変換を行わせ、PPP接続を経由して、WiFiモジュールからワイヤレスで伝送されたインターネットデータをスマートフォンにパスさせる(および同様に、PPPソースから、WiFiモジュールを介して、インターネットデータをスマートフォンに伝送する)ことによって、遂行され得る。
【0078】
図12は、十分に高接続速度が提供される場合、衛星モデムが従来の(例えば、DSL)モデム機能性で動作することを可能するであろう代替実施形態を図示する。スマートフォンユーザは、WiFiホットスポットに接続し、説明される様式において、VoIP呼をSCDに行い、呼は、SCB上のVoIPサーバ(例えば、VoIPスタックを使用する代わりに、SIPサーバ)を使用してルーティングされ、SCDは、2地点間プロトコル(PPP)インターネット接続のために衛星モデム1002を構成する。SCDは、WiFi接続を経由して、データを受信し、データストリームを直接衛星モデムに3002にパスする。コアネットワーク(衛星ゲートウェイ)では、VoIP呼は、従来の様式において、SIPサーバに登録される。呼への第三者応答も、同様に、PPPインターネット接続を介して、衛星ネットワークを横断して伝送される。
【0079】
図13は、別の代替実施形態である。概念的に、本実施形態は、WiFiリンクをフェムトセルと置き換えることを伴う。フェムトセルは、ローカル範囲セルラーネットワークである(ローカルエリアを別にすれば、従来のタワーネットワークに類似するが)。フェムトセルネットワークは、典型的には、ユーザが、ネットワークを経由して、標準的携帯電話呼を行うことを可能にするが、セルタワーを介して、PSTNに達する代わりに、フェムトセルネットワークは、信号を途中で捕らえ、それをVoIPとしてインターネットを経由してルーティングするので、フェムトセルネットワークは、オフィスビル内のセルネットワークを拡張する、または通話時間課金を節約するために使用される。
図13の実施形態では、呼が途中で捕らえられ、標準的インターネット接続を通してVoIPとしてルーティングされるのではなく、SCDは、呼を途中で捕らえ、それを衛星インターネット接続を介して(すなわち、衛星モデムを介して)ルーティングし、遠隔使用を可能にするであろう。ユーザは、従来の携帯電話の分単位で課金されず、ユーザが、前述の実施形態において要求される接続ステップを実行する必要もないであろう。
【0080】
図14は、代替実施形態を表し、VoIP音声データの変換は、信号をアナログにし、次いで、再び、衛星モデム内でデジタルにすることによって生じるのではなく、代わりに、アプリケーションプロセッサ内のデジタル変換を通して生じる。呼管理情報は、依然として、
図2−10の説明におけるものと同様にハンドリングされるが、音声信号は、異なるようにパスされる。
【0081】
図15は、呼のハンドリングまたは処理の目的のために、SCDを通して送信されうる、制御および/または情報信号のうちのいくつかを示す。これらの信号は、行われる呼のタイプ(音声、データ、ビデオ等)およびインターフェースがとられる機器のタイプまたは製造業者に基づいて、変動し、単に、SCDを通した制御信号の伝送の実施例である。
【0082】
ある実施形態が、図を参照して説明されたが、当業者は、本明細書に説明されるものに類似するSCDデバイスのための多くの代替使用を認識するであろう。そのような代替使用は、以下を含み得る。
1)音声会議能力(Polycomのように)をそれに与える、SCD上のスピーカおよびマイクロホン配列
2)ビデオ会議能力をそれに与える、SCD上のカメラおよびモニタ
3)SCDまたは公衆ネットワークのいずれかにおける遠隔参加者と(静止軌道衛星の遅延を伴わずに)相互作用する、SCDに1人以上の参加者を伴う双方向ゲーム
4)暗号化を使用したSCDからSCDまたはSCDから公衆ネットワークへの音声またはデータのセキュアな通信(「オフザグリッド」)
5)有線またはワイヤレスセンサを伴う危険物質の追跡のための問いかけ可能なトランスポンダ、有線またはワイヤレスセンサを伴う資産の追跡のための問いかけ可能なトランスポンダ
6)ビデオの有無にかかわらず、路肩緊急電話の中に組み込まれるSCD
7)交通を監視する路肩ビデオカメラの中に組み込まれるSCD
8)有料道路料金所データ中継と統合されるSCD
9)在庫管理および資産追跡のために、SCDにワイヤレスまたは有線のポータブルバーコードスキャナ
10)請求および課金のためのSCDを使用した売り場専用端末
11)遠隔投票場の票収集および処理と統合されるSCD
12)パスワード入力またはバイオメトリックを用いたゲートまたはドアの開放のための遠隔セキュリティアクセスと統合されるSCD
13)データ収集および伝送のために1つのSCDを使用した複数のワイヤレスデバイスによる動物追跡
14)データ収集および伝送のために1つのSCDを使用した複数のワイヤレスまたは有線による資産追跡
15)モーションベース、音ベース、またはビデオ場面認識ベースの遠隔監視のために採用されるSCD
16)遠隔コンピュータファイルバックアップのために採用されるSCD
17)帯域幅を増加させるための複数のSCDの連結、いくつかの回路から1つのデータストリームを作成するための両端におけるデータ処理
18)セッションを保持しながらのSCDからSCDへのWi−Fiローミング
19)呼ルーティングのためにPBXに接続されるSCD
20)国境セキュリティ監視において採用されるSCD
21)遠隔公衆アドレスシステム(SCDにおけるスピーカ)
22)武器起動または爆発において採用されるSCD
23)車両パラメータ(例えば、トラック輸送方向、速度制御、燃料使用)の遠隔制御を伴う車両遠隔監視において採用されるSCD
24)高度AIS型海洋用途において採用されるSCD
25)HF無線の戦場用の代用として採用されるSCD
(クレーム)
(クレーム1)
衛星通信デバイスであって、
a.(i)プロセッサ、(ii)衛星モデム、(iii)ISMワイヤレス送受信機、および(iv)VoIPスタックを含む筐体を備え、
b.前記プロセッサは、
(i)VoIP伝送デバイスとワイヤレス接続を確立するステップと、
(ii)VoIPストリームを前記VoIP伝送デバイスから受信するステップと、
(iii)前記VoIPストリームを前記衛星モデムによって読み取り可能なフォーマットにデコードし、前記デコードされたストリームを前記衛星モデムに転送するステップと、
(iv)前記衛星ネットワークを通して地上波ネットワークへの接続を確立するステップと、
(v)前記デコードされたストリームを前記衛星ネットワークを通して前記地上波ネットワークに伝送するステップと
を行うように前記通信デバイスに指示する、衛星通信デバイス。
(クレーム2)
前記VoIP伝送デバイスからの電話番号が、前記地上波ネットワークへの接続を確立するために使用される、クレーム1に記載の衛星通信デバイス。
(クレーム3)
前記VoIPスタックは、前記VoIPストリームをアナログストリームにデコードし、前記衛星モデムは、伝送に先立って、前記アナログストリームをデジタルストリームにエンコードする、クレーム1に記載の衛星通信デバイス。
(クレーム4)
前記VoIPスタックは、音声コーデックを使用して、前記VoIPストリームを前記アナログストリームにデコードし、前記衛星モデムは、衛星音声コーデックを使用して、前記アナログストリームをエンコードする、クレーム3に記載の衛星通信デバイス。
(クレーム5)
前記衛星モデムは、着信呼ストリームを受信し、前記VoIPスタックは、前記呼ストリームをVoIPストリームに変換し、前記ISMワイヤレス送受信機は、前記VoIPストリームを前記VoIP伝送デバイスに伝送する、クレーム1に記載の衛星通信デバイス。
(クレーム6)
前記VoIPストリームは、特定のVoIP伝送デバイスに一意の「識別子コード」とともに伝送される、クレーム5に記載の衛星通信デバイス。
(クレーム7)
前記衛星通信デバイスは、前記VoIP伝送デバイスに関連付けられた電話番号と異なる、それに関連付けられた電話番号を有する、クレーム1に記載の衛星通信デバイス。
(クレーム8)
前記ISM送受信機は、非VoIPストリームを受信し、前記非VoIPストリームは、前記VoIPスタックによってデコードせずに、前記衛星モデムによって伝送される、クレーム1に記載の衛星通信デバイス。
(クレーム9)
前記非VoIPストリームは、インターネットデータストリームである、クレーム8に記載の衛星通信デバイス。
(クレーム10)
前記VoIPストリームは、アナログに途中で変換されずに、前記衛星モデムのプロトコルにデジタル的にトランスコードされる、クレーム1に記載の衛星通信デバイス。
(クレーム11)
前記VoIP伝送デバイスは、スマートフォン、ポータブルPC、またはi−Pad等のコンピューティングタブレットのうちの1つである、クレーム1に記載の衛星通信デバイス。
(クレーム12)
(i)前記プロセッサは、Freescale Coldfire MCF53281であり、(ii)前記衛星モデムは、Globalstar GSP−1720であり、(iii)前記ISMワイヤレス送受信機は、iChip C02144であり、(iv)前記VoIPスタックは、前記プロセッサ上で起動するArctunisブランドソフトウェアSIPクライアントである、クレーム1に記載の衛星通信デバイス。
(クレーム13)
前記ISMワイヤレス送受信機は、WiFi規格またはBluetooth(登録商標)規格で動作する、クレーム1に記載の衛星通信デバイス。
(クレーム14)
前記筐体は、約1000立方センチメートル未満の体積を有するポータブル筐体である、クレーム1に記載の衛星通信デバイス。
(クレーム15)
衛星通信ネットワークであって、
a.ハンドヘルド音声データ伝送デバイスと、
b.プロセッサ、衛星モデム、および前記ハンドヘルドデバイスと通信するワイヤレス送受信機とを有する別個の衛星通信デバイスと
を備え、
c.前記ハンドヘルドデバイスへおよびそこからの音声/データストリームは、前記衛星モデムおよびワイヤレス送受信機を通して、衛星ネットワークへおよびそこから中継される、衛星通信ネットワーク。
(クレーム16)
前記ハンドヘルドデバイスは、VoIPストリームを伝送し、前記衛星通信デバイスは、前記衛星モデムにフィードする前に前記VoIPストリームをアナログストリームに変換するVoIPスタックを含む、クレーム15に記載の衛星通信ネットワーク。
(クレーム17)
(i)前記ネットワークは、衛星通信デバイスと通信するコアネットワークをさらに備え、
(ii)前記ハンドヘルドデバイスは、発信呼番号を前記衛星通信デバイスに伝送し、前記衛星モデムは、前記コアネットワークを通して、発信呼番号に関連付けられたデバイスと接続を確立する、クレーム15に記載の衛星通信ネットワーク。
(クレーム18)
(i)別個の呼番号が、前記ハンドヘルドデバイスおよび前記衛星通信デバイスの各々に関連付けられ、
(ii)前記コアネットワークと通信する呼サーバが、前記2つの呼番号を関連付け、前記衛星通信デバイス呼を前記ハンドヘルドデバイスに自動的に転送する、クレーム17に記載の衛星通信ネットワーク。
(クレーム19)
前記ワイヤレス送受信機は、ISM送受信機であり、前記衛星通信デバイスは、VoIPスタックをさらに備えている、クレーム15に記載の衛星通信ネットワーク。
(クレーム20)
前記衛星通信デバイスは、インターネットデータを前記ハンドヘルドデバイスから受信し、前記インターネットデータを前記衛星モデムにフィードし、前記インターネットデータは、前記VoIPスタックによってデコードされない、クレーム19に記載の衛星通信ネットワーク。
(クレーム21)
前記衛星モデムは、コアネットワークとPPP接続を確立し、VoIPストリームは、前記PPP接続を横断して伝送される、クレーム19に記載の衛星通信ネットワーク。
(クレーム22)
衛星通信デバイスであって、
a.(i)プロセッサ、(ii)衛星モデム、(iii)フェムトセルモジュール、および(iv)VoIPスタックを含む筐体を備え、
b.前記プロセッサは、
(i)前記フェムトセルモジュールが、携帯電話信号を受信し、フェムトセル出力ストリームを作成するステップと、
(ii)前記フェムトセル出力ストリームを前記衛星モデムにフィードするステップと(これは、ステップiii後に生じるであろう)、
(iii)前記衛星ネットワークを通して地上波ネットワークへの接続を確立するステップと、
(iv)前記ストリームを前記衛星ネットワークを通して前記地上波ネットワークに伝送するステップと
を行うように前記通信デバイスに指示する、衛星通信デバイス。
(クレーム23)
前記プロセッサは、前記衛星モデムにフィードする前に前記フェムトセル出力ストリームをインターネットデータに変換する、クレーム22に記載の衛星通信デバイス。
(クレーム24)
前記プロセッサは、前記フェムトセル出力ストリームをVoIPストリームに変換し、前記VoIPは、前記衛星モデムにフィードする前に前記VoIPストリームをアナログストリームに変換する、クレーム22に記載の衛星通信デバイス。
(クレーム25)
前記プロセッサは、前記フェムトセル出力ストリームをVoIP呼に変換し、前記衛星モデムのインターネット接続を介して前記VoIP呼を行う、クレーム22に記載の衛星通信デバイス。
(クレーム26)
衛星通信ネットワークであって、
a.プロセッサ、衛星モデム、およびワイヤレス送受信機を含む衛星通信デバイス(SCD)と、
b.圧縮されたビデオストリームを前記SCDワイヤレス送受信機に伝送する複数のカメラと
を備え、
前記SCDは、前記ビデオストリームを衛星ネットワークに伝送する、衛星通信ネットワーク。
(クレーム27)
前記SCDは、前記ビデオカメラのうちの1つからビデオストリームを受信するモニタとともに配置されている、クレーム26に記載の衛星通信ネットワーク。
(クレーム28)
衛星通信ネットワークであって、
a.プロセッサ、衛星モデム、およびワイヤレス送受信機を含む衛星通信デバイス(SCD)と、
b.衛星ネットワークを通して、前記SCDと通信するバックオフィスネットワークと
を備え、
c.ユーザ呼は、前記衛星ネットワークを経由して、前記SCDによって伝送されると、前記SCDは、前記ユーザのアカウントに請求するための呼情報を記録する前記バックオフィスネットワークに前記ユーザの電話番号を指示する、衛星通信ネットワーク。
(クレーム29)
前記ユーザセル番号は、前記ユーザのクレジットカードへの請求を促進するために利用される、クレーム28に記載の衛星通信ネットワーク。
(クレーム30)
前記ユーザセル番号は、前記ユーザのクレジットカードへの請求を促進するために利用される、クレーム28に記載の衛星通信ネットワーク。
(クレーム31)
衛星通信ネットワークであって、
a.プロセッサ、衛星モデム、およびワイヤレス送受信機を含む衛星通信デバイス(SCD)と、
b.衛星ネットワークを通して、前記SCDと通信するバックオフィスネットワークと
を備え、
c.ユーザデバイスが、前記衛星ネットワークを経由して、インターネット接続を要求すると、前記SCDは、分毎課金のために、前記ユーザコンピュータ/デバイスIDを前記バックオフィスネットワークに指示し、前記分毎課金は、クレジットカード課金および承認に関しSCDで管理される、衛星通信ネットワーク。
(クレーム32)
前記分毎課金は、前記バックオフィスネットワークで管理される、クレーム45に記載の衛星通信ネットワーク。
(クレーム33)
前記分毎課金は、電話アカウント課金とともにSCDで管理される、クレーム31に記載の衛星通信ネットワーク。
(クレーム34)
バイト毎課金が、利用される、クレーム31、32、または33に記載の衛星通信ネットワーク。
(クレーム35)
衛星通信ネットワークであって、
a.プロセッサ、衛星モデム、およびワイヤレス送受信機を含む衛星通信デバイス(SCD)と、
b.衛星ネットワークを通して、前記SCDと通信するバックオフィスネットワークと
を備え、
c.前記SCDおよび衛星ネットワークを通してルーティングされる少なくとも1つの呼が、前記バックオフィスネットワークを通して他の呼とマージまたは会議接続される、衛星通信ネットワーク。
(クレーム36)
衛星通信ネットワークであって、
a.プロセッサ、衛星モデム、およびワイヤレス送受信機を含む衛星通信デバイス(SCD)と、
b.衛星ネットワークを通して、前記SCDと通信するバックオフィスネットワークと
を備え、
c.前記SCDおよび衛星ネットワークを通してルーティングされるドキュメントが、前記インターネットを介して前記バックオフィスネットワークに接続されている遠隔プリンタにルーティングされる、衛星通信ネットワーク。
(クレーム37)
前記ドキュメントは、遠隔ファックスにルーティングされる、クレーム36に記載の衛星通信ネットワーク。
(クレーム38)
前記ドキュメントは、前記SCDで受信され、前記SCDと短距離ワイヤレス接触するデバイスで印刷される、クレーム36に記載の衛星通信ネットワーク。
(クレーム39)
衛星通信ネットワークであって、
a.プロセッサおよび衛星モデムを含む衛星通信デバイス(SCD)と、
b.衛星ネットワークを通して、前記SCDと通信するバックオフィスネットワークと
を備え、
c.前記SCDおよび衛星ネットワークを通してルーティングされるマルチメディア電子ニュースが、前記バックオフィスネットワークを通して遠隔ステーションへ伝送される、衛星通信ネットワーク。
(クレーム40)
前記ISMワイヤレス送受信機は、光学データ接続、Bluetooth(登録商標)接続、または非ISM無線接続のいずれかによって置換される、クレーム1に記載の衛星通信デバイス。
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【表11】
【表12】
【表13】
【表14】
【表15】
【表16】
【表17】
【表18】
【表19】
【表20】
【表21】
【表22】
モバイルおよび衛星電話サービスを統合するための装置、方法、およびシステム
Robert K.BuckleおよびThomas Hafley
【0083】
(本発明の分野)
本開示は、概して、モバイル電話に関し、より具体的には、モバイルおよび衛星電話サービスを統合するための装置、方法、およびシステムに関する。
【0084】
(背景)
衛星電話ネットワークおよびモバイルまたはセルラー電話ネットワークを含む、種々のタイプの無線通信システムが、世界中で使用されている。衛星電話は、周知であるが、これらのタイプのデバイスは、使用範囲、非衛星ネットワークへの電話番号ポータビリティ、長い開発時間、コスト等に関して、いくつかの制限を保有する。既存の衛星電話の使用範囲は、オペレータが屋内に位置する場合、これらのデバイスが電話呼を伝送または受信しないので、同様に制限される。故に、衛星電話のオペレータは、衛星にアクセスし、その意図された目的のためにデバイスを利用するために、屋外に位置していなければならない。
【0085】
既存の衛星電話はさらに、非衛星ネットワークへの電話番号ポータビリティに関して制限される。より具体的には、衛星ハンドセットデバイスに割り当てられる電話番号は、非衛星ネットワーク(例えば、公衆モバイルネットワーク)上で使用するために移植されることができない。逆に言えば、モバイル電話は、現在、異なるモバイルネットワーク間における電話番号ポータビリティを享受していることになる。
【0086】
衛星電話と同様に、モバイルデバイスも同様に、その使用を制約する、いくつかの制限を保有する。例えば、ユーザは、着呼し、かつ発呼するために、ネットワークに関連付けられたセル中継塔の近傍にいなければならない。電話呼のドロップは、セル中継塔間の切替の間に生じ得る。ユーザが、セル中継塔の範囲外の遠隔場所に位置する場合、モバイルデバイスは、通信デバイスとして機能しないであろう。
【0087】
広範囲の電話受信可能範囲を必要とする消費者は、各々が別個の電話番号を有する、セルラー電話および衛星電話の両方を使用する必要があるであろう。したがって、当技術分野において、モバイル電話が、衛星電話をエミュレートし、加えて、ユーザの介入を伴わずに、かつ継続中の呼を中断せずに、衛星システムからモバイルシステム(および、その逆)に継続中の呼を移動させる選択肢を有することを可能にするためのシステムの必要性がある。
【0088】
(本開示の要旨)
モバイルおよび衛星通信ネットワークの統合を可能にする通信システムが、本明細書において提供される。通信システムデバイスは、モバイルデバイスと(好ましくは、無線で)双方向通信するように構成され、通信デバイス上の衛星アンテナと、アンテナを介して、衛星ネットワークと双方向通信するように構成される、音声/データモデムとを含む、インターフェースデバイスを含む。通信システムはまた、衛星システムとインターフェース接続し、かつインターネットまたはモバイルネットワークのいずれかを介して、モバイルネットワークにアクセスするソフトスイッチデバイスを含むことも、含まないこともある。
【0089】
(図面の説明)
図Aは、ネットワーク間で呼を移動させるために使用されるシステムを描写する。
図Bは、システムの一実施形態における、モバイルデバイスからのアウトバウンド呼のフローを示す。
図Cは、システムの一実施形態における、モバイルデバイスへのインバウンド呼のフローを描写する。
図Dは、VHSGの一実施形態の構成要素の一部を描写するブロック図である。
図Eは、レインフォーサの一実施形態の構成要素の一部を描写するブロック図である。
図Fは、代替実施形態における、インバウンド呼のためのフローを描写する。
【0090】
(好ましい実施形態の説明)
従来のセルラーまたはモバイルネットワークは、スマートフォン等のモバイルデバイス(セル対応デバイス)を含み、モバイルデバイスは、セル中継塔20と無線で通信し、セル中継塔20は、公衆交換電話網または別のモバイルネットワークへのゲートウェイを通して等、受信した呼を別の通信デバイスにルーティングする。本明細書で使用される場合、モバイル通信ネットワークは、無線対応セルラーネットワークであり、モバイルデバイス40は、公衆交換電話網、別のセルネットワーク、またはインターネットとインターフェース接続するセル20を通して、直接通信する。衛星通信ネットワークは、衛星電話等の衛星通信デバイスを含み、衛星通信デバイスは、衛星10と直接通信し、衛星10は、公衆交換電話網を介して、別の通信デバイスに衛星呼をルーティングするために、呼を衛星ゲートウェイ11にリダイレクトする。統合された無線電話通信ネットワークのシステム略図が、
図Aに図示される。統合された無線電話通信ネットワークは、セル中継塔のネットワークを介したセルラー電話受信可能範囲と衛星のネットワークを介した衛星電話受信可能範囲との間の隙間を埋める。通信ネットワークはさらに、衛星ゲートウェイ11を通して、コアネットワーク(パケットデータルーティングシステムを含む)と通信する従来の衛星ネットワーク(衛星10および衛星ゲートウェイ11によって描写される)を含み、コアネットワークは、最終的に、情報をインターネットまたは公衆交換電話網(または、PSTN)に移動させる。背景情報として、モバイルおよび衛星通信デバイスの両方に関して、情報は、それぞれの通信ネットワークにわたって、デジタル的に伝送される。従来の衛星およびモバイルセルラー電話では、電話内のプロセッサは、伝送のためのアナログ音声信号をデジタル発信信号に変換し、着信デジタル音声データに対して、逆に変換する。
【0091】
本システムは、後述されるように、モバイルネットワークと衛星ネットワークとの間でインターフェース接続する(かつPSTN、モバイルネットワーク、インターネットまたはイントラネット、あるいはいくつかの他の接続を通して、これらのネットワークにアクセスし得る)、ソフトスイッチ90または垂直ハンドオーバソフトスイッチゲートウェイ(VHSG)(時として、スイッチデバイスと称される)を含む。本システムは、モバイル「スマート」フォン等のモバイルデバイスの使用を含む。スマートフォンの種々の実施例として、iPhone(登録商標)、Blackberry(登録商標)、Android(登録商標)等が挙げられる。モバイルデバイスは、ラップトップ、タブレット、またはモバイルネットワークを経由して無線で通信することができる他のデバイスであり得る。これらのデバイス、例えば、スマートフォンの多くは、アナログ音声信号をVoIPデータストリームに変換可能であり、時として、「VoIP伝送デバイス」と称されるであろう。以下の説明では、モバイルデバイスは、便宜上、モバイル電話として参照されるが、本発明は、そのように限定されない。モバイル電話は、公衆モバイルネットワークを介して、無線通信可能である。公衆モバイルネットワークは、セル中継塔の範囲内でセルラー電話受信可能範囲を提供するために、地理的に位置付けられた複数のセル中継塔20
【0092】
を含む。モバイル番号が、加入者識別モジュール(SIM)カード(GSM(登録商標)ネットワークの場合)または再使用可能識別モジュール(RUIM)カード(CDMAネットワークの場合)(両方とも、本明細書では、「SIM」カードと称される)またはいくつかの他のタイプのSIM様デバイス(全て、本明細書では、「SIMカード」と称される)において従来開発されているように、識別目的のために、モバイル電話に関連付けられる。本システムはまた、後述される様式において、モバイル電話(または、他のモバイルデバイス)と動作通信する、信号レインフォーサ(signal reinforcer)またはレインフォーサ(reinforcer)とも称される、各関連付けられたモバイルデバイスのためのアダプタ100を使用する。
【0093】
通信システムは、ソフトスイッチ90と、公衆交換電話網(PTSN)およびモバイルネットワークと通信し、かつ両ネットワークを介して衛星ネットワークと通信する関連機器とを含み得る。ソフトスイッチ90は、モバイルデバイスへまたはそこからの継続中の「呼」が、呼を「ドロップ」せずに、衛星ネットワークからモバイルネットワーク(および、その逆)に切り替えられることを可能にする。有利には、ソフトスイッチ90は、特別協定または特別取り決めを伴わずに、任意の公衆通信ネットワークを経由して動作することができる。したがって、どのネットワークオペレータをアウトバウンド呼のために相互接続するために使用すべきかの選択は、非常に柔軟である。
【0094】
(ソフトスイッチまたは垂直ハンドオーバソフトスイッチゲートウェイ(VHSG))
VHSGまたはソフトスイッチ90の目的は、呼をドロップせずに、ある通信ネットワークから別の通信ネットワークに、進行中の呼がシームレスに移動させられることを可能にすることである。電気通信用語では、本プロセスは、ソフト「ハンドオーバ」または「ハンドオフ」として知られている。本発明に関するハンドオーバは、モバイルネットワークから衛星ネットワーク、またはその逆に行なわれる。公衆モバイルオペレータ(PMO)が一緒に相互接続するための従来の方法は、SS7MSC間リンクを介したものであるが、しかしながら、このリンクプロトコルは、あるネットワークから別のネットワークへのライブ呼のハンドオーバをサポートしない。ソフトスイッチの側面は、
図Dのブロック図に示される。
【0095】
ソフトスイッチ90がハンドオーバを達成する能力は、ソフトスイッチのプロセッサまたは中央コントローラを通して、モバイルデバイスへまたはそこからの全進行中のインバウンドおよびアウトバウンド呼を継続的に「アンカ」または監視するその能力にある。VHSGシステムの利点の1つは、加入者が、PMOのネットワークに接続されている間、全呼が、ソフトスイッチ90を介して、加入者に直接ルーティングされ、スイッチを通して「トロンボーニング」されないことであり、すなわち、呼が、公衆モバイルオペレータのネットワーク内で多重化されることである。これは、呼の品質および待ち時間が、通常と同じままであることを確実にする。説明される「アンカすること」は、ソフトスイッチを通して全呼をルーティングすることと同じではないことに留意されたい。
【0096】
(設定)
VHSGが制御呼を制御するために、ユーザまたは加入者は、最初に、PMOによってサービスを提供されるモバイルデバイスを有していなければならない。各加入者は、次いで、VHSGを含むシステムに登録することが可能となる。登録および設定されると、説明されるように、モバイルデバイスへまたはそこからの呼は、VHSGによって、向けられ(PMOネットワークを介して電話がかけられる場合)またはルーティング(衛星ネットワークを介して電話がかけられる場合)されるであろう。加入者をVHSGに設定するために、少なくとも2つのSIMカードが、使用される。一方のSIMカードは、モバイルデバイス40に位置し、他方のSIMカードは、VHSGのプロセッサに位置する、またはそれと通信する。加入者ユーザは、加入者のモバイルデバイスが、好ましくは、衛星ネットワークを介して、VHSGにアクセスすることを可能にするために使用される、追加の随意の識別子を有し得、これは、そのユーザアクセス番号(UAN)として指定され、例えば、IPアドレス、地上電話番号、または第3のSIMカードであることができる。UANは、呼をルーティングするための有効宛先または識別子として、PMOおよびPSTNに見なされる。
【0097】
加入者のモバイルデバイス40は、デバイスに関連付けられたPMOと、そのデバイスに関連付けられた加入者識別子(セル電話番号等)(SIMカードまたは他の類似デバイス上に記憶される)とを有する。第2の識別子(第2のセルラー電話番号等)は、加入者に関連付けられ、好ましくは、加入者のPMO(但し、必ずしもではない)に関連付けられ、SIMカード等のデバイス上に記憶されるであろう。モバイル40デバイス上に位置するSIMカードは、「二次SIM」を示す一方、VHSG90上に位置する、またはそれに関連付けられたSIMカードは、「一次SIM」を示すであろう(概して、一次SIMは、ユーザの元々のモバイル電話番号に関連付けられるであろう)。一次SIM加入者識別子(例えば、モバイル電話番号)は、そのユーザゲートウェイ番号(UGN)として指定される一方、二次SIMは、第2の加入者識別子を有し、ユーザモバイル番号(UMN)として指定される。一次および二次SIM識別子は、任意のPMOからのものであることができ、システム(例えば、システムデータベース)内で一緒に「対にされ」または関連付けられるであろう。実際は、(1)2つのSIMカードは、呼管理目的のために、データベース内で互に関連付けられ、(2)1つの代わりに、2つのSIMカードがPMOネットワーク上でアクティブであるという事実をカバーするために、コスト効果的方式となるように、友人および家族タイプ支払方式を介して対にされることが好ましい。
【0098】
以下の議論では、二次SIMは、ユーザのモバイル電話40とともに位置する一方、一次SIMは、ソフトスイッチ90の中央プロセッサに記憶され、それと通信するであろう。サービスの全加入者の一次SIMは、バンク状SIMカードが各加入者のPMOと通信する(ピコセル、マイクロセル、フェムトセル、gnac、または他のそのようなデバイスを通して等。(例えば、二次SIMは、セル中継塔を介して通信することができる、「アクティブなモバイルデバイス」としてPMOを見なす))ことを可能にする、記憶デバイスに各加入者の一次SIMをつなぐ設備である、「SIMバンク」内に記憶されるものとして説明されるであろう。ソフトスイッチ中央プロセッサはまた、各SIMカードと通信することが可能であり、プロセッサは、バンク状SIMカードにおける、およびそれを通した通信およびハンドシェイクを監視する。SIMバンクは、概して、ソフトスイッチと並置されるが、これは、必須ではない。UANが利用される場合、VHSGは、IPゲートウェイ(IPアドレスの場合)を通してUANを採用するか、または地上通信線番号に対して、構内交換(PBX)等の交換を通してUANを採用する。
【0099】
別の追加の識別子、すなわち、衛星識別子(例えば、衛星電話番号)もまた、加入者に割当または関連付けられ、そのユーザ衛星番号(USN)として指定される。
【0100】
(動作)
加入者が、通信システムに設定および登録されると、ソフトスイッチのプロセッサに関連付けられたデータベースは、加入者識別子の全て(一次および二次SIM、衛星、USN、および該当する場合、UAN)を相互参照し、またはそれらを関連付けるであろう。加えて、VHSGは、A/Dコンバータ、モデム、コーデック、再フォーマットアルゴリズム、ボイス・オーバ・アイピー(VoIP)通信のためのセッション開始プロトコルサーバ(SIP)等、モデムまたは他のハードウェア/ソフトウェアを有し、必要に応じて、PSTN、モバイルネットワーク、またはインターネットとの適切な通信を支援し得る。この通信機器は、概して、「メディアチェンジャ」と称される。以下の議論では、いくつかの異なる番号およびSIMカードが、システム内で使用されているが、これらは、加入者、およびその加入者に発呼する当事者に完全に透過的である。加入者は、次に説明されるように、加入者識別子(一次SIMに関連付けられた識別子)を使用して、発呼し、かつ着呼し続ける。
【0101】
(インバウンド呼(
図Aおよび
図C))
図BおよびCでは、括弧内の番号の参照((1)、(3)、(5)等)は、
図Aに示される通信経路を参照する。例えば(2)は、モバイルデバイス40とソフトスイッチ90との間の通信経路である(レインフォーサ100および衛星ネットワークSI(10、11)を介する)。加入者の一次加入者識別子に発呼されると、その呼は、モバイルネットワークを通して、VHSGに位置する、またはそれと通信する、一次SIMにルーティングされる。一次SIMへの呼を監視する、VHSGは、呼が一次SIMに向けられたことを把握し、発呼者IDから、第三者から一次SIMへの呼として、これを認識するであろう(すなわち、発呼者IDは、発呼当事者が、二次SIMまたはUSNで識別されないことを示す)(ステップ1001)。インバウンド呼を検出する、ソフトスイッチは、呼に「応答」し、次いで、各々が一次SIMに関連付けられた2つのアウトバウンド呼を開始する(ステップ1002)(第1の呼は、モバイルネットワークを通しての二次SIM(すなわち、UGN)レグY(
図Aに経路3として描写される)への会議呼であり、第2の呼は、UGNレグX(
図Aに経路2として描写される)への会議呼であり、好ましくは、UANを介して発呼される)。代替として、両呼は、別個の会議呼であり得、またはそれぞれ、一次SIMを通した単一会議呼の1レグとされることができる。USN(レグX)への呼は、PSTNを経由して、衛星ゲートウェイ11に、次いで、衛星ネットワークを経由して、モバイルデバイス40と通信する、レインフォーサ100(後述される)にルーティングされるであろう。レインフォーサ40は、モバイルデバイスが、衛星電話として動作またはエミュレートすることを可能にし、モバイルデバイス上のアプリケーションプログラム(「アプリ」)と併せて、モバイルデバイスとの衛星通信を管理する。レインフォーサは、モバイルデバイス上に常駐するアプリケーションプログラムに、ソフトスイッチからの着信衛星呼を通知するであろう(かつ、発呼者IDによって識別され得る、(例えば、UANとして識別されるように))。呼を確立する際の遅延が、過度である場合、ソフトスイッチは、随意に、メッセージを第三者に伝送する(例えば、「xxx−xxxxに電話をかけています」、または単に、着信音を第三者に返す)、または第三者を保留にし得る(ステップ1001A)。
【0102】
概して、衛星ネットワークは、通信リンクの確立が遅いため、加入者のモバイルデバイス40に「到達」するための第1の呼は、概して、モバイルネットワークを経由して、UGNに向けられる呼となるであろう(加入者が、セル中継塔の良好な信号範囲内にいない限り)。いずれの場合も、加入者は、着信呼のうちの1つに応答する。モバイルデバイスへの呼は、VHSGによって、一次SIM(または、UAN)を介して「発呼」されるので、VHSGは、モバイルデバイスへの呼に関する通信ループ内に留まる。通信ループ内にある間、VHSGは、呼を確立および破棄するために必要とされるもの等、ハンドシェイク情報を受信および/または提供する。故に、VHSGは、どの発信呼が応答されたかを検出可能である(二次SIMへのモバイル呼またはUSNへの衛星呼)。
【0103】
加入者が、モバイルデバイスにおいて、着信呼のうちの1つを「ピックアップ」またはそれに応答すると(ステップ1003Xまたは1003Y)、VHSGは、モバイルデバイスで応答された(1003Xまたは1003Y)呼を第三者発呼者に向けるか(呼が、二次SIMカードを介して応答される場合)(ステップ1005Y)、または応答された呼を第三者呼にルーティングするであろう(衛星呼が応答された場合)(ステップ1005X)。VHSGはまた、非応答呼または応答されない会議呼のレグをドロップあるいは切断する(ステップ1004Xまたは1004Y)。しかしながら、ソフトスイッチ90は、モバイルデバイスによって応答される呼を発呼したので、ソフトスイッチ90は、モバイルデバイス40と第三者30との間の結果として生じる呼の「参加者」のままであり、ハンドシェイクまたは他の関係する呼進行情報のために、呼を監視する。
【0104】
一次SIMカードを介した会議呼の使用はまた、第三者呼が、VHSGを通してトロンボーニングされておらず、代わりに、PMOにおいて多重化されていることを含意する。
【0105】
(ネットワーク間の確立された継続中の呼のハンドオーバ(
図A、B、およびC))
モバイルデバイス40(および/またはレインフォーサ)は、モバイルネットワークのセルラー信号強度を監視するか、または別様に、予期される信号強度を追跡するアプリケーションソフトウェアパッケージ(「アプリ」)を有するであろう。信号強度または予期される信号強度に基づいて、継続中の呼をあるネットワークから別のネットワークに切り替えることが所望され得る。例えば、モバイル呼が、進行中であるが、セルラー信号強度が、低下している場合、呼を衛星ネットワークにハンドオーバすることが所望され得る。逆に言えば、継続中の呼が、衛星ネットワークを経由しており、モバイル信号強度が、十分な期間の間、十分な信号強度に到達する場合、呼をモバイルネットワークにハンドオーバすることが所望され得る。加入者は、主に、コストの観点から、衛星ネットワークの代わりに、モバイルネットワークを使用することを好むであろうと仮定されるが、これは、ユーザ設定される選択肢であり得る。
【0106】
ネットワーク間の「ハンドオーバ」は、以下のように確立され、「アクティブ」なネットワークとは、継続中の呼をサポートしている現在のネットワークを指し、「パッシブ」なネットワークとは、継続中の呼を現在サポートしていないネットワークを指す。
図Cでは、呼は、レグYからレグXまたはその逆に移動させられるであろう。
【0107】
常駐モバイルアプリケーション(アプリ)は、信号強度の変化が生じ、アクティブなネットワークからパッシブなネットワークへのハンドオーバが所望されるかどうか決定する(ステップ1006)。モバイル信号強度を能動的に監視する代わりに、またはそのバックアップとして、モバイルデバイスは、予期される不良信号強度と地理的場所(または、その逆、すなわち、良好信号強度対地理的場所)を相関させる情報をその上に記憶していることもある。例えば、アプリは、予期される不良信号強度の「マップ」にアクセス可能であり、現在の場所(または、傾向情報に基づいて予期される場所)に基づいて、ネットワークの移動が望ましいことを決定し得る。いずれの場合も、アプリは、パッシブなネットワーク((4)または(5)のいずれかを介して)を経由して、一次加入者識別子(一次SIM)(一実施形態では)またはUAN(UANが利用される場合)へのVHSGの再呼をトリガするであろう。パッシブなネットワークが、モバイルネットワーク(例えば、移動は、レグXからレグY)である場合、二次SIMを介して、モバイル呼として、呼が、VHSGに発呼され(ルート(4))、パッシブなネットワークが、衛星ネットワーク(例えば、移動は、レグYからレグX)である場合、レインフォーサから、呼が、例えば、UANに発呼される(ルート(5))。VHSG90は、一次SIMまたはUANへの着信呼を検出し、着信呼が、モバイルデバイス40またはレインフォーサ100からであることを認識するであろう(例えば、図中の「CLI」として参照される発呼者識別技術等を使用して)。ユーザへの呼が、一次SIMを介して、既に進行中であることを把握する、VHSG90は、ネットワーク間で既存の呼をハンドオーバするため、または移動させるための要求として、この第2の呼を認識するであろう。VHSGは、次いで、二次SIMまたはレインフォーサからの着信呼をアクティブなネットワーク上の確立された継続中の呼に向け、ブリッジするであろう(ステップ1007)。この時点では、両ネットワークが、呼をサポートするために利用されており、故に、両ネットワークは、「アクティブ」である。所定の時点において、VHSGは、次いで、元々の「アクティブ」なネットワークを通した会議呼のレグを切断またはドロップし、ここで、元々の「アクティブ」なネットワークは、「パッシブ」なネットワークとなるであろう(ステップ1008)。
【0108】
代替として、アプリは、アクティブなネットワークの継続中の呼を経由して(データ・オーバ・ボイス等を使用して)、VHSGにおいて、「ハンドオーバ要求」として検出される信号を送信し得、その場合、VHSGは、パッシブなネットワークを経由して、モバイルデバイスに再呼し、モバイルデバイスにおける常駐アプリにおいて、両通信チャネルを結合させ、次いで、以前の「アクティブ」なネットワークへのチャネルを切断し得る(図示せず)。
【0109】
VHSGが、呼のうちの1つのドロップを始める前に、レインフォーサ100とモバイルアプリとは、モバイルデバイス40において、モバイルネットワーク(レグY)と衛星ネットワーク(レグX)との間で呼をハンドオーバするように協働する。例えば、一次ネットワークが、モバイルネットワーク(レグY、経路(3))であり、衛星ネットワーク(レグX)が、パッシブであると仮定する。常駐アプリは、信号強度が低下(設定限界外)または急激に低下(信号強度の傾向が、急降下)していることを検出する(ステップ1009)。モバイルデバイス40上の常駐アプリは、次いで、レインフォーサ100と通信し、衛星ネットワーク(レグX経路(5))を経由して、発信呼、例えば、VHSG90におけるUANへの発信呼を確立する(ステップ1009)。この発信呼が、VHSGにおいて「応答され」(CLIを介して認識され)、現在確立されている呼にルーティングされると(ステップ1010)、レインフォーサ100は、呼のステータスを反映するために使用される、ハンドシェイク信号(ソフトスイッチによって送信されたトーン信号等)またはタイミングによって通知される。レインフォーサ100は、アプリが、衛星通信のために、継続中のモバイル呼をレインフォーサ40にリダイレクトし得るように(アプリは、直接、呼を移動させても、させなくてもよいが、信号強度のさらなる指標に基づいて、リダイレクトを待ち得る)、モバイルデバイス40上に常駐するアプリケーションプログラムに、確立された衛星呼を通知する。モバイルネットワーク(レグY)から衛星ネットワーク(レグX)へのモバイル40における呼のリダイレクト、すなわち、モバイルネットワークを経由した呼の切断は、モバイルデバイスがネットワークを切り替え、VHSGが、現在使用されていないネットワーク呼(例えば、現在パッシブなネットワーク呼)をドロップまたは切断することが可能であることのインジケータとして、ソフトスイッチ90によって使用されることができる(ステップ1011)。
【0110】
実施例では、この時点において、モバイルデバイス40は、現在、以前にパッシブであったネットワーク(すなわち、レインフォーサおよび衛星ネットワークを介した、例えば、UANへのレグX)を経由して、第三者30と通信している。呼は、現在は、アクティブなネットワークである、以前は「パッシブ」であったネットワーク(衛星ネットワーク)に正常にハンドオーバされている(以前アクティブであったネットワーク(モバイルネットワーク)は、現在、パッシブである)。このハンドオフは、加入者に透明である。
【0111】
また、モバイルレグ上に示される、随意の手技(衛星レグまたはモバイルレグの両方において使用されることができる)も示される。本手技では、第三者が切断する(例えば、呼解除に関連付けられたハンドシェイクを有するであろう、第三者ハングアップのためではなく、呼をサポートするセル信号の欠如のため等、呼がドロップされる)場合、ソフトスイッチは、呼が再確立されるために、所定の時間、待ち、再確立される場合、パッシブなネットワークからアクティブなネットワークに呼を移動させるか、または時間切れの場合、呼の残りの経路を破棄することができる。
【0112】
(代替インバウンド呼の対処(
図AおよびF))
図Fに描写される代替実施形態では、第三者からUGNへのインバウンド呼は、ソフトスイッチにおいて受信される(ステップ3000)。ソフトスイッチは、モバイルデバイス(すなわち、レインフォーサ)への衛星呼を開始する(ステップ3001)。レインフォーサ100は、モバイルアプリとセッションを開始する(ステップ3002−非限定的実施例として、WIFIを介したSIP呼として示される)。モバイルデバイス上のモバイルアプリは、これが保留中の着信呼の通知であることを認識する。モバイルアプリは、セル信号強度を試験し、この信号強度に基づいて、呼のために最初に採用すべき通信ネットワークを決定するであろう(ステップ3003)。信号強度が低い場合(ステップ3003X)、モバイルアプリは、着信呼が、モバイルデバイス(
図Eにハンドセットとして説明される)にルーティングされることを可能にする(ステップ3005X)。例えば、モバイルアプリは、モバイルに、ユーザ着信呼の通知を提供させ(例えば、電話を鳴動させる)、ユーザが応答する場合、レインフォーサおよびモバイルアプリを介して、呼をモバイルに接続し得る。
【0113】
セル信号強度が高い場合(ステップ3003Y)、モバイルアプリは、ソフトスイッチへのモバイル通信呼を開始することができる(ステップ3003Y)。ソフトスイッチは、モバイルデバイスから発せられるものとして着信呼を検出し(ステップ3004および3005)、この呼をモバイルネットワークへの保留中の着信呼のルーティング要求として認識する。ソフトスイッチは、次いで、着信中のモバイル呼と着信中の第三者呼をブリッジし(ステップ3005Y)、着信中の呼の衛星レグをドロップする。
図Fにおける残りのステップは、前述のように、ネットワーク(例えば、衛星−モバイル)間で継続中の呼を移動させること向けられる。
【0114】
(アウトバウンド呼(
図Aおよび
図B))
モバイルデバイス40からのアウトバウンド呼の場合、モバイルアプリは、最初に、初期呼を発呼すべきネットワークを決定するであろう(再び、モバイルネットワーク強度、または可能性として、ユーザ選好に応じて)。モバイルデバイス40上の常駐モバイルアプリケーションプログラムは、加入者によってダイヤルされる番号(発呼された番号)を記憶することができ、アプリは、アプリによって選択されたネットワークを経由して、UANまたは一次SIM(実施形態に応じて)を介して、VHSGへのアウトバウンド呼を開始するであろう(ステップ2001)。
【0115】
VHSGは、二次SIMまたはUSNから生じるものとして一次SIMカードまたはUANへの着信呼を認識する(例えば、発呼者IDを介して)(ステップ2002)。VHSGは、二次SIMまたはUSNから一次SIMカードまたはUANへの現在アクティブな呼が存在しないため、この呼を新しいアウトバウンド呼として認識する(現在の呼が残っている場合、そのような新しい着信呼は、ネットワークを移動させるためのインジケータとして機能するであろう)(ステップ2002)。VHSG90は、この呼に「応答」し(ステップ2002)、モバイルアプリは、ハンドシェイク信号を介して、VHSG90によるピックアップを知らされ、VHSG90は、モバイルデバイスからのダイヤルされた番号の受信を待つ(ステップ2003)。モバイルアプリは、呼が「応答された」ことを認識し、続いて、確立された呼を経由して、発呼された番号をVHSG90に伝送する(IPパケットまたは周波数トーン(例えば、DTMFトーン)の送信等)(ステップ2004)。VHSGは、二次SIMを介して、ダイヤルされた番号の受信に応じて、一次SIMまたはUANを介して、発呼された番号への会議呼を開始するであろう(ステップ2004)。ダイヤルされた番号が、例えば、USNを介して、受信された場合、VHSGは、一次SIMを介して、アウトバウンド呼を開始するであろう(ステップ2004X)。呼が、ダイヤルされた当事者によってピックアップされると、VHSGは、モバイルデバイスから一次SIMカード(または、UAN)への呼と、VHSGによって発呼されたダイヤルされた当事者への呼をブリッジする(ステップ2005)。モバイルアプリケーションプログラムは、モバイルアプリケーションプログラムが、モバイルデバイス40上で呼をアクティブにするために、接続ステータスのハンドシェイク(例えば、必要に応じて、アクティブなネットワークを通して受信されると、レインフォーサ100によって転送される)を受信し得る。代替として、呼は、初期呼から、または発呼された当事者(図示せず)の指定される番号の伝送後、アクティブにされ得る。いずれの場合も、この時点では、呼は、発呼された当事者、モバイルデバイス(または、レインフォーサを介して、モバイルデバイス)、およびVHSGと確立されている(ステップ2006)。ネットワーク間の呼の移動は、着信呼と同様に対処され、ステップ2007−2010に描写され、第2のネットワーク切替は、ステップ2011−2013に描写される。
【0116】
VHSG90プロセッサは、呼をアンカし(会議呼上に留まり)、前述のように、パッシブなネットワークに移動するための着信要求に対して、一次SIM(または、UAN)を監視する。
【0117】
種々のネットワークを経由した通信を促進するために、ソフトスイッチは、プロセッサと通信し、インターネット、モバイル電話ネットワーク、またはPSTNを介して通信を可能にする、好適な機器および/またはソフトウェア、例えば、発信伝送ネットワークに好適な形態に着信情報を再フォーマットするためのソフトウェア(再フォーマット、アナログ/デジタルコンバータ、コーデック方式、IPパケットにおいてフォーマットするためのセッション開始プロトコルサーバ(SIPサーバ)等)を有するであろう。このハードウェア/ソフトウェアは、概して、レインフォーサメディアチェンジャと称され、必要とされるハードウェアおよび/またはソフトウェアのタイプは、特定の衛星ネットワークおよび通信タイプ(例えば、音声、データ、ストリーミングメディア、パケットスイッチ、SMS等)に依存するであろう。
【0118】
(レインフォーサ)
レインフォーサ100は、衛星ネットワークおよびモバイルデバイスとインターフェース接続し、好適なアンテナおよび無線送受信機を含み、好適な衛星音声/データモデム34を含み得るハードウェア/ソフトウェアデバイスである。レインフォーサの側面は、
図Eのブロック図に示される。実施例として、信号レインフォーサは、Globalstarの衛星ネットワーク等の衛星ネットワークと動作可能に通信する。本実施例の衛星ネットワークと双方向通信するために、信号レインフォーサの音声/データモデムは、Globalstar音声/データモデム(モデル1720または1700)であり得る。
【0119】
レインフォーサ100は、レインフォーサが、無線インターフェース35を介して、モバイルデバイス(概して、レインフォーサとインターフェース接続するように設計されたモバイルデバイス上の常駐アプリ)と双方向通信することを可能にする、追加のインターフェースを含む。無線通信のための無線インターフェース30は、モバイルデバイスとのWiFi通信、SIP通信、Bluetooth(登録商標)、または他のローカル無線通信を利用することができる。タブレット等のいくつかのモバイルデバイスでは、レインフォーサインターフェースは、同様にレインフォーサ内に位置する通信のために必要とされる関連付けられたEthernet(登録商標)またはUSBハードウェアを伴う、USBポートまたはEthernet(登録商標)ポートコネクタによって提供されるような有線インターフェースであり得る。WiFi通信の場合、インターフェースは、セッション開始プロトコル(SIP)サーバ38であることができる。SIPサーバは、SIPクライアント(モバイル電話アプリ)がレインフォーサとの標準的高品質/高速PCMUセッションを使用することを可能にするために好ましい。レインフォーサ内に位置するSIPサーバがない場合、高圧縮が、SIPストリームを非透過的7.2kデータ非同期チャネルに適合させるために要求され得るので、低音声品質が存在し得る。モバイルデバイスとの無線通信デバイスとしてのレインフォーサ100は、セル中継塔と同様の機能性をモバイルデバイスに提供する。すなわち、レインフォーサは、無線通信のためのモバイルデバイスへのアクセスポイントを生成する。レインフォーサはまた、レインフォーサを通して、衛星ネットワークに衛星通信を提供するためのハードウェア/ソフトウェアを含む(
図Eには図示せず)。
【0120】
レインフォーサ100の使用によって、モバイルデバイスは、統合されたモバイルおよび衛星電話となる(以前の統合された衛星/モバイル電話の場合、レインフォーサは、必要とされないであろうが、アプリケーションは、依然として、モバイル機能性と衛星機能性との間の移動を可能にするために、モバイルデバイス上に要求されるであろうことに留意されたい)。
【0121】
レインフォーサ100はまた、プロセッサ(ARMCore等)36と、必要とされるルーティングテーブルのすべてを提供し、モバイルデバイスと衛星ネットワークとの間の通信の管理を支援する関連付けられたメモリとを含む。プロセッサ36は、インターフェース35と通信する。レインフォーサは、SMSテクスティング、電子メール、インターネットウェブブラウジング、ブルーフォーストラッキング等、1つ以上の付加価値のあるアプリケーションをホストするための統合されたサポートを含むための追加のハードウェアおよび/またはソフトウェアを含むことができる。レインフォーサ100は、好ましくは、衛星送受信機および/または音声/データモデム34ならびにプロセッサ36に通信可能に接続される、メディアチェンジャ37を含む。レインフォーサメディアチェンジャ37は、レインフォーサが、モバイルデバイスと通信するために、衛星伝送または衛星伝送からの受信のための情報をフォーマットすることを可能にする。
【0122】
ユーザが、発信呼を行なう(または、例えば、インターネットセッションを開始する)準備ができると、モバイルデバイス常駐アプリケーションプログラムは、ユーザによって入力される必要情報(例えば、音声呼の場合、電話番号)を収集し、この情報をレインフォーサ100に伝送する。レインフォーサ100は、次いで、要求される情報を生成し、シリアルコマンドを発行し、衛星モデムを衛星ネットワークに接続させ、衛星ネットワークを通して、通信経路を確立する。
【0123】
呼が接続されると、レインフォーサ100は、ハンドシェイク情報を常駐アプリに中継し(または、その独自の信号を生成し)、常駐アプリに、接続を通知し、モバイルデバイス上のユーザインターフェースを用いた呼の対処のために、次いで、衛星ネットワークを経由した伝送のために(および、また、衛星ネットワークから受信したデータをモバイルデバイスに返信するために)、モバイルデバイス(例えば、マイクロホン)に入力され、モバイルによって、デジタルデータストリームに変換された(または、存在する場合、デジタルデバイスのA/Dコンバータ出力を使用し得る)データ(音声データ等)をレインフォーサ40に移動する。レインフォーサメディアチェンジャは、プロセッサ36と共に、モデム、A/Dコンバータ等を使用して、種々のデバイス(例えば、モバイルへ/からのレインフォーサインターフェース、インターフェースへ/からの衛星データ等)を通した伝送のために、データストリームをあるフォーマットから別のフォーマットに変換する必要があり得る。
【0124】
呼が終了されると、呼を解除するためのハンドシェイク情報が、レインフォーサ100を通して通信され、モバイルアプリが、呼を閉鎖するために、モバイルデバイス40にそれを通信することを可能にする。同様に、着信呼の場合、ハンドシェイク情報が、受信され、(または、プロセッサによって生成された新しいハンドシェイク信号が)レインフォーサによって、モバイル常駐アプリに伝送される。モバイルアプリは、次いで、モバイルデバイスと内部通信し、ユーザが応答するための着信呼を確立する(例えば、鳴動信号を提供する)。応答されると、ハンドシェイクは、モバイルデバイスから、レインフォーサを通して、衛星ネットワークに返送され、呼を確立する。
【0125】
(常駐アプリ)
モバイルデバイスはまた、(1)レインフォーサと通信し、(2)モバイルデバイスと通信するために必要とされる機能を提供するための常駐アプリケーションプログラムを必要とする。常駐アプリは、したがって、レインフォーサが、常駐アプリと衛星ネットワークとの間の通信に対処するための中間体であるのと同様に、モバイルデバイスとレインフォーサとの間の通信に対処するためのモバイルデバイス上の中間体である。
【0126】
実施例として、アウトバウンド呼が、モバイル電話から行なわれると、呼は、WiFiリンクを介して、レインフォーサ上のSIPサーバにルーティングされる。その後、レインフォーサのプロセッサは、音声/データモデムを使用して、アウトバウンド呼を発呼し、例えば、アナログインターフェースを使用して、メディアチェンジャを介して、音声データをルーティングする。逆に言えば、インバウンド呼が、音声/データモデムによって受信されると、レインフォーサのプロセッサは、インバウンド呼を受信し、WiFiリンクを経由して、そのSIPサーバを使用して、モバイル電話のSIPクライアントへのアウトバウンド呼を開始する。
【0127】
図示されるように、信号レインフォーサ100は、モバイルデバイスと通信する、独立型デバイスであり得、または代替として、レインフォーサは、モバイルデバイスのハードウェアに統合され、直接、衛星通信衛星とインターフェース接続するそのような能力を欠いたモバイルデバイスのために、衛星能力を提供し得る。
【0128】
信号レインフォーサは、権限のないユーザがデバイスを操作することを制限するためのセキュリティ機能性等の追加のハードウェアまたはソフトウェア特徴を含み得る。
(クレーム)
(クレーム1)
モバイルデバイスから遠隔に位置するスイッチデバイスを使用して、前記モバイルデバイスにおいてアクティブな継続中の第1の電子通信を第1のネットワークから第2のネットワークに切り替える方法であって、前記第1のネットワークは、モバイルセルラー通信ネットワークまたは衛星通信ネットワークのうちの一方であり、前記第2のネットワークは、前記モバイルセルラー通信ネットワークまたは衛星通信ネットワークのうちの他方であり、前記スイッチデバイスは、モバイル通信セルラーネットワークおよび衛星通信ネットワークと通信するように構成され、前記方法は、
(1)前記スイッチデバイスにおいて、前記モバイルデバイスから通知を受信するステップであって、前記通知は、移動が所望されることを示すように動作する、ステップと、
(2)前記スイッチデバイスが、前記モバイルデバイスに向けられる第2の電子通信を開始するステップであって、前記第2の電子通信は、前記第2のネットワークを介して、前記モバイルデバイスへの通信を確立するように構成されている、ステップと、
(3)前記スイッチデバイスが、前記第1のネットワークを通した前記継続中の電子通信を前記第2のネットワークを通して確立された前記第2の電子通信に移動させるステップであって、前記スイッチデバイスは、前記第2の電子通信上で通信する、ステップと
を含む、方法。
(クレーム2)
前記スイッチデバイスによって、前記第1のネットワークを経由した前記第1の電子通信を終了する(4)ステップをさらに含む、クレーム1に記載の方法。
(クレーム3)
前記モバイルデバイスは、第1のSIMカードをさらに備え、前記スイッチデバイスは、前記第2のSIMカードと通信し、前記第1および第2のSIMカードは、前記スイッチデバイスにおいて、前記モバイルデバイスに関連付けられている、クレーム1に記載の方法。
(クレーム4)
前記第1のモバイルデバイスは、モバイルスマートフォンを備えている、クレーム1に記載の方法。
(クレーム5)
前記スイッチデバイスは、コンピュータプロセッサおよび関連付けられたメモリデバイスを備えている、クレーム1に記載の方法。
(クレーム6)
前記モバイルデバイスは、モバイル通信衛星送受信機と動作可能に通信するように構成されている無線送受信機と、衛星通信ネットワークと動作可能に通信するように構成されている衛星送受信機とをさらに含む、クレーム4に記載の方法。
(クレーム7)
前記スイッチデバイスは、ソフトスイッチをさらに備え、前記ソフトスイッチは、コンピュータプロセッサおよび関連付けられたメモリデバイスをさらに備えている、クレーム4に記載の方法。
(クレーム8)
モバイルデバイスにおける継続中の第1の電子通信を第1のネットワークから第2のネットワークに切り替えることを移動させる方法であって、前記第1のネットワークは、モバイルセルラー通信ネットワークまたは衛星通信ネットワークのうちの一方であり、前記第2のネットワークは、前記モバイルセルラー通信ネットワークまたは衛星通信ネットワークのうちの他方であり、前記モバイルデバイスは、前記モバイルセルラー通信ネットワークを経由して動作可能に通信するように構成されているモバイル構成要素と、前記衛星通信ネットワークを経由して動作可能に通信するように構成されている衛星構成要素とを備え、前記方法は、
(1)前記モバイルデバイスにおいて、前記モバイルセルラー通信ネットワークのセル
ラー信号強度を決定し、前記セルラー信号強度に基づいて、前記第1のネットワークから前記第2のネットワークに切り替わることを決定するステップと、
(2)前記第2のネットワークを経由して、遠隔に位置するスイッチデバイスに通知を送信するステップであって、前記通知は、切り替わるための要求として作用する、ステップと、
(3)前記スイッチデバイスから、前記継続中の通信が前記第2のネットワーク上でアクティブであることの通知を受信するステップと、
(4)前記モバイルデバイスが、前記第1のネットワークに関連付けられた前記モバイルまたは衛星構成要素から、前記第2のネットワークに関連付けられた前記モバイルまたは衛星構成要素のうちの他方に、前記継続中の通信を移動させるステップと
を含む、方法。
(クレーム9)
前記モバイル構成要素は、モバイルセルラー通信ネットワークと通信するように構成されている無線送受信機を備え、前記衛星構成要素は、衛星通信ネットワークと直接通信するように構成されている衛星送受信機を備えている、クレーム8に記載の方法。
(クレーム10)
前記モバイルデバイスは、アプリケーションプログラムおよびレインフォーサをさらに有し、前記レインフォーサは、前記アプリケーションプログラムと無線で通信し、前記レインフォーサは、前記衛星送受信機から前記アプリケーションプログラムにデータを送受信するように構成されている、クレーム8に記載の方法。
(クレーム11)
前記モバイルデバイスは、ユーザインターフェースをさらに有し、前記ユーザインターフェースは、前記アプリケーションプログラムと動作可能に通信する、クレーム10に記載の方法。
(クレーム12)
前記アプリケーションプログラムは、前記ユーザインターフェースから受信したデータを前記レインフォーサに移動させるように構成されている、クレーム11に記載の方法。
(クレーム13)
前記ユーザインターフェースは、マイクロホンおよびスピーカを備えている、クレーム12に記載の方法。
(クレーム14)
前記ユーザインターフェースは、キーボードを備えている、クレーム12に記載の方法。
(クレーム15)
前記キーボードは、スマートフォン上に表示された仮想キーボードである、クレーム14に記載の方法。
(クレーム16)
前記アプリケーションプログラムは、前記無線送受信機にルーティングされたデータを前記レインフォーサに移動させるように適合されている、クレーム11に記載の方法。
(クレーム17)
前記レインフォーサは、SIPサーバをさらに備えている、クレーム10に記載の方法。
(クレーム18)
モバイル通信デバイスにおいて、2つのネットワークから、着信中の第1の電子通信を受信すべきネットワークを選択する方法であって、前記第1のネットワークは、モバイルセルラー通信ネットワークまたは衛星通信ネットワークのうちの一方であり、前記第2のネットワークは、前記モバイルセルラー通信ネットワークまたは衛星通信ネットワークのうちの他方であり、前記方法は、
(1)前記モバイル通信デバイスにおいて、前記衛星通信システムを経由して、保留中の着信呼の通知を受信するステップであって、前記通知は、遠隔に位置するスイッチデバイスからであり、前記スイッチデバイスは、モバイル通信セルラーネットワークおよび衛星通信ネットワークと通信するように構成されている、ステップと、
(2)前記モバイル通信デバイスから、前記衛星通信システムを経由して、前記衛星システムを経由した保留中の着信呼の通知を受信するステップと、
(3)前記モバイル通信デバイスが、セルラー信号強度が所定の閾値限界を上回るか、または下回るかを決定するステップと、
(4)前記信号強度が前記閾値を上回る場合、前記衛星ネットワークを経由して、前記着信呼を前記モバイル通信デバイスにルーティングするステップと、
(5)前記信号強度が前記閾値を下回る場合、前記モバイル通信デバイスが、前記遠隔に位置するスイッチに、前記モバイル通信デバイスを経由して、前記着信呼をルーティングするための要求を送信するステップと
を含む、方法。
【表23】
【表24】
【表25】
【表26】
【表27】
【表28】
【表29】