(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ディスプレイデバイスが、腎不全血液療法機械の動作に関する選択のために前記複数の容認可能な腎不全血液療法治療を表示するようにさらに構成される、請求項1に記載の腎不全血液療法システム。
前記少なくとも1つの腎不全血液療法患者パラメーターが、(i)コンパートメント間拡散係数;(ii)移行クリアランス;(iii)分布容積;(iv)生成率;(v)灌流もしくは細胞外容積;または(vi)非灌流もしくは細胞内容積のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の腎不全血液療法システム。
前記ディスプレイデバイスが、少なくとも1つの腎不全血液療法機械動作パラメーターの入力を可能にするようにさらに構成され、前記複数の容認可能な腎不全血液療法治療を決定する場合、前記プログラムされたデバイスは該少なくとも1つの腎不全血液療法機械動作パラメーターを使用するようにプログラムされる、請求項1に記載の腎不全血液療法システム。
前記プログラムされたデバイスが、前記複数の容認可能な腎不全血液療法治療を決定する前に、前記少なくとも1つの除去された血液溶質に関する前記前もって決定された除去された血液溶質クリアランスを決定するようにさらに構成される、請求項1に記載の腎不全血液療法システム。
前記プログラムされたデバイスが、前記複数の容認可能な腎不全血液療法治療のうちの少なくとも2つを用いて、前記患者の生活スタイルに適合する患者治療スケジュールを創出するようにさらに構成される、請求項1に記載の腎不全血液療法システム。
前記複数の除去された血液溶質が、(i)尿素;(ii)ベータ2−ミクログロブリン;または(iii)リンのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の腎不全血液療法システム。
前記ディスプレイデバイスが、前記複数の容認可能な腎不全血液療法治療のそれぞれに関する持続時間、頻度、血液流量および透析液流量を表示するように構成される、請求項1に記載の腎不全血液療法システム。
前記ディスプレイデバイスが、前記複数の除去された血液溶質のうちの1つより多くに関する前もって決定された除去された血液溶質クリアランスのそれぞれを満たす、適切な腎不全血液療法持続時間/頻度組み合わせを表示するように構成される、請求項10に記載の腎不全血液療法システム。
前記ディスプレイデバイスは前記プログラムされたデバイスのためのディスプレイデバイスであるか、もしくは該プログラムされたデバイスと共に動作する、請求項10に記載の腎不全血液療法システム。
前記患者を試験して前記複数の時間のそれぞれにおいて前記複数の除去された血液溶質のそれぞれに関する前記濃度レベルを決定する手段を含む、請求項14に記載のシステム。
前記患者の年齢、体重、高さ、性別、血液型、血圧、栄養状態または疾患情報のうちの少なくとも1つを使用して該患者の濃度レベルを決定する手段を含む、請求項14に記載のシステム。
前記複数の容認可能な腎不全血液療法治療を決定する手段が、前記少なくとも1つの除去された血液溶質に関する容認可能な腎不全血液療法持続時間/頻度組み合わせを決定する手段を含む、請求項14に記載のシステム。
前記複数の容認可能な腎不全血液療法治療のうちの少なくとも2つを用いて、前記腎不全血液療法機械と共に使用するための、前記患者の生活スタイルに適合する患者の腎不全血液療法治療スケジュールを創出する手段を含む、請求項14に記載のシステム。
前記ディスプレイデバイスが、前記適切な腎不全血液療法持続時間/頻度組み合わせに加えて、少なくとも1つの境界線腎不全血液療法持続時間/頻度組み合わせを表示するように構成される、請求項10に記載の腎不全血液療法システム。
【発明を実施するための形態】
【0034】
(I.療法推定、予測、および最適化)
次に、図面、特に、
図1を参照すると、システム10は、血液透析機械、特に、在宅血液透析(「HHD」)機械等の腎不全血液療法機械100に療法処方を実装するための本開示の最適化システムおよび方法の1つを例証する。本開示のシステムおよび方法を動作させるための特に好適なHHD機械の1つは、以下の米国特許出願:(i)米国出願公開第2008/0202591号、(ii)米国出願公開第2008/0208103号、(iii)米国出願公開第2008/0216898号、(iv)米国出願公開第2009/0004033号、(v)米国出願公開第2009/0101549号、(vi)米国出願公開第2009/0105629号、米国出願公開第2009/0107335号、および(vii)米国出願公開第2009/0114582号に記載されており、そのそれぞれの内容は、参照することによって、本明細書に明示的に組み込まれ、依拠される。HHD機械は、医師、臨床医、または看護士(便宜上、別様に規定されない限り、集合的に、以下、医師14と称される)によって処方される、実施すべき療法処方を容認するために具体的に修正またはプログラムされる、少なくとも1つのプロセッサおよび少なくとも1つのメモリを含む。療法は、例えば、フラッシュドライブまたはユニバーサルシリアルバス(「USB」)ドライブ等のメモリ記憶デバイスを介して、あるいはインターネットまたは他のローカルエリアもしくは広域データネットワークを介して、HHD機械(便宜上、別様に規定されない限り、「HHD機械」は、集合的に、以下、在宅血液透析、在宅血液濾過、在宅血液透析濾過、または継続的腎置換療法(「CRRT」)機械を指す)にダウンロードされる。
【0035】
患者12は、複数の好適な療法が提供され、例えば、患者の1日または週のスケジュールに基づいて、療法間で選択可能であり得る。複数の腹膜透析療法の提供およびそこからの選択を開示する、米国特許出願として、(i)米国出願公開第2010/0010424号、(ii)米国出願公開第2010/0010423号、(iii)米国出願公開第2010/0010426号、(iv)米国出願公開第20100010427号、および(v)米国出願公開第20100010428号が挙げられ、それぞれ、本開示の譲受人に譲渡され、そのそれぞれの内容全体は、参照することによって、本明細書に組み込まれ、依拠される。
【0036】
システム10は、3つのコンポーネント、すなわち、推定コンポーネント20、予測コンポーネント40、および最適化コンポーネント60を含む。
【0037】
(推定コンポーネント)
推定コンポーネント20は、実際に、選択療法、例えば、血液透析、血液濾過、血液透析濾過、またはCRRT療法を行うことと、実際の療法中、異なる時間、例えば、5つの異なる時間において、血液サンプルを採取することとを伴う患者試験22を含む。試験療法は、例えば、サンプル時間が、例えば、試験の開始時、1/2時間、1時間、および2時間である、4時間療法であることができる、または試験療法は、例えば、サンプルが、療法の開始時、1時間、2時間、4時間、5時間、6時間、および8時間の時点で採取される、8時間療法であることができる。試験療法持続時間およびサンプルの数は、所望に応じて、変動することができる。
【0038】
尿素24(小分子)、ベータ2−ミクログロブリン(「β2−Μ」)26(中分子)、およびリン酸塩28等の血液サンプルは、各々、あるマーカ溶質の濃度のレベルを決定するために分析される。ある透析療法、例えば、より長い療法を受けているある患者に対して、いくつかの事例では、リン酸塩が患者に戻される必要があるほどあまりに多くのリン酸塩が、患者から除去され得ることが知られている。システム10は、患者が、低リン酸塩レベルを被りやすいかどうかの決定を想定する。
【0039】
療法中の既知の時間で決定された濃度レベルは、各関心溶質に対して、モデル1つ、例えば、尿素24に対する第1のモデル30a、β2−Μ26に対する第2のモデル30b、およびリン酸塩28に対する第3のモデル30cのように、一連のモデルまたはアルゴリズム30に供給される。モデル30(集合的に、モデル30a、30b、30c、....30nを指す)は、各々、1つ以上のアルゴリズムを含むことができる。好適なモデル30は、本明細書に論じられる。
【0040】
推定コンポーネント20の出力は、各関心溶質24、26、および28に対する多数の推定患者パラメータ32を含み、それらは、モデル30を使用して、患者の血液結果に基づき、したがって、患者に特定的である。推定患者パラメータ32は、患者の生理学的構成に対して調整されることが本開示にとって重要であるが、医師は、血液試験が、あまりに過酷または侵襲的であると感じる場合がある。したがって、システム10は、実験的データを使用する代わりに、例えば、年齢、体重、性別、血液型、典型的血圧、高さ、療法持続時間、栄養状態、および着目溶質の動態に関連する疾患情報に基づいて、患者に対する典型的パラメータ値等、パラメータ32を推定することも想定する。本データは、システム10を使用して、経時的に、開発することができると考えられる。システム10のモデル30に対する重要なパラメータは、推定患者パラメータ32と、以下のような既知、仮定、または計算された(モデル外の)値42とを含む。
K
IC:分子または溶質に対する患者のコンパートメント間拡散係数であり、推定パラメータ32である。
K
D:特定の分子または溶質に対する既知の透析装置クリアランスであり、モデル外で計算されたパラメータ42であり得る。
K
M:患者のリン移行クリアランスであり、推定パラメータ32である。
K
NR:特定の分子または溶質に対する患者の残留腎臓係数であり、定数であると仮定される、パラメータ42であり得る。
V:リンの分布容積であり、推定パラメータ32である。
G:患者の摂取量によって産生される、特定の溶質または分子に対する生成率であり、推定パラメータ32であるか、または仮定されたパラメータ42であり得る。
V
P:灌流または細胞外容積であり、推定パラメータ32である。
V
NP:非灌流または細胞内容積であり、推定パラメータ32である。
V
D:尿素およびベータ2−ミクログロブリンに対するV
P+V
NPに等しい、体内の溶質分布容積であり、推定パラメータ32である。
C
P:溶質の細胞外濃度であり、試験22から決定され、したがって、推定コンポーネント20のモデル30における既知数である、パラメータ42である(C
Pは、測定された推定コンポーネント20であり得るだけではなく、Cpはまた、予測モジュールによって、Cnpとともに予測することができ、その後、測定および予測されたバージョンのCp等を比較し、システム10の性能を計測することができることに留意されたい)。
C
NP:溶質の細胞内濃度であり、測定することができず、試験22の結果でもなく、モデルへの入力でもなく、代わりに、予測コンポーネントおよび最適化コンポーネントから予測された出力である。
Φ
ΝΡ:総分布容積に対する細胞内コンパートメント容積の比率である。Φ
P:総分布容積に対する細胞外コンパートメント容積の比率である、(両方とも、文献から既知のパラメータ42である)。
α:透析間流体摂取量、すなわち、水摂取量であり、平均流体摂取量または体重増加に基づく、モデル30外で計算される、パラメータ42である。
【0041】
前述のように、少なくとも7つの推定パラメータ32、すなわち、K
IC、K
M、V、G、V
P、V
NP、およびV
Dが存在し、V
NPおよびV
Dは、Φ
ΡおよびΦ
NPを介してV
Dに関連する。便宜上、それらのうちの3つ、すなわち、K
IC、V
PおよびV
NPのみ、
図1に例証される。7つのパラメータの任意の1つ、一部、または全部は、推定コンポーネント20およびモデル30を介して、推定することができることを理解されたい。例えば、予測コンポーネント40の下で、溶質に対する
図5に後述されるもののような選択ボックスを介して、推定のための所望のパラメータを医師によって選択させることが想定される。
【0042】
また、血液流量、透析液流量、透析液総容積、限外濾過流量、および限外濾過容積等の本明細書に論じられる動作パラメータ44、また、以下のような患者の生活スタイルに影響を及ぼす動作パラメータ44がある。
T:一事例では、各サンプルが、推定コンポーネント20において採取される、持続時間であり、したがって、推定コンポーネント20の試験22に対する既知のパラメータ42であり、別の事例では、予測コンポーネント40および最適化60コンポーネントにおける透析の持続時間である。
F:療法の頻度であり、試験22の単一療法に対して1回として見なされるが、予測コンポーネント40および最適化60コンポーネントにおいて変動される。
【0043】
(予測コンポーネント)
推定患者パラメータ32は、次いで、予測コンポーネント40におけるモデル、特に、個人化された溶質流束および容積流束ルーチン50に供給される。個人化された溶質流束および容積流束ルーチン50は、本質的に、コンポーネント20の同一モデルまたはアルゴリズム30を使用するが、ここでは、入力として、推定コンポーネント30の推定患者パラメータ32を使用し、変数の代わりに、パラメータ32既知数を生成する。
【0044】
図1に示されるように、患者予測コンポーネント40は、透析装置クリアランスK
D等の特定の溶質に対する、他の既知、仮定、または計算される(モデル外の)値42を個人化された溶質流束および容積流束ルーチン50に取り込む。ルーチン50に関して未知として残っているものは、(i)透析持続時間(「T」)および透析頻度(「F」)等の可変処方動作パラメータ44、ならびに(iii)溶質24、26、および28に対する溶質濃度52(細胞内および細胞外両方に対するC)である。予測コンポーネント40に入力され、変動され得る、他の機械動作パラメータ44は、血液流量、透析液流量、透析液総容積、限外濾過流量、および限外濾過容積を含む。溶質分布容積および体内総水分量は、療法を通して、一定ではない。システム10は、故に、シミュレートされる療法持続時間中、システム10を変化させる可変容積モデルを使用する。予測コンポーネント40は、次いで、F、T、K
D等の所与の入力変数に基づいて、C
P、C
NP、V
P、およびV
NPを算出する。患者予測コンポーネント40は、例えば、グラフのx−軸値として、動作パラメータ44に対する異なる実際値を入力し、例えば、グラフのy−軸値として、溶質濃度52を出力する。
【0045】
グラフによって、医師は、ある溶質の濃度52が、特定の組の処方動作パラメータ44に対して、例えば、1週間の過程にわたって、どのように変動するかを確認することが可能となる。医師は、平均値、または濃度52に対する定量化の他の容認された測定値、例えば、尿素のクリアランスに対する標準化されたKt/vを確認することができる。医師はまた、療法サイクルの過程にわたって、濃度52に対するピーク値を確認することができる。
【0046】
医師は、療法持続時間および頻度入力パラメータを変動させ、出力された溶質濃度の複数組のグラフを開発することができ、例えば、組1のグラフは、療法持続時間1および療法頻度1に対する尿素、β2−Μ、およびリン酸塩のためのものであり、組2のグラフは、療法持続時間2および療法頻度2に対する尿素、β2−Μ、およびリン酸塩のためのものである。所望に応じて、各組のグラフは、単一グラフ上に、例えば、尿素、β2−Μ、およびリン酸塩濃度を療法持続時間1および療法頻度1に対する1つの単一グラフ上にマージすることができる。好適な溶質濃度をもたらす、療法持続時間および頻度は、次いで、患者に通信することができ、患者は、順に、生活スタイル選好54を適用し、HHD機械100にダウンロードするための1つ以上の選択された療法処方56をもたらす。患者または医師は、次いで、例えば、週毎に処方のうちの1つを選択し、治療を実施する。他の実施例では、血液流量および透析液流量はまた、あるクリアランス目標に到達するように、または患者の必要性に適合するように、調節され得る。
【0047】
また、医師のために、視覚的外層および機能性を最適化すること、すなわち、グラフおよび表の外観および動作を最適化すること、例えば、所望の妥当パラメータの値のみ、操作可能にすることが明示的に想定される。システム10は、各医師の必要性および選好に対してカスタマイズされるように、これらの値を操作することができる。本明細書に示される画面は、故に、実施例であることが意図される。実施例は、本発明を限定する意図はない。
【0048】
(最適化コンポーネント)
最適化コンポーネント60は、尿素24の標的除去、β2−Μの標的除去、リン酸塩28の標的除去、および限外濾過(「UF」)または治療間に患者内に蓄積された過剰な水の標的除去等、複数の療法標的62を入力する。療法標的62は、最適化ルーチン70に入力される。一実施形態では、最適化ルーチン70は、本質的に、ルーチン50に関するように、推定コンポーネント20から得られた推定患者パラメータ32を入力した、推定コンポーネント20に対する上述の動態モデルまたは式30を使用する。次いで、各溶質に対する計算が、予測コンポーネント40の逆において、行われる。すなわち、処方動作パラメータ44を入力し、溶質濃度52を計算する代わりに、所望の溶質濃度52が、入力され、所望のまたは最適化された溶質濃度52を満足するであろう動作パラメータ44が、計算される。ここでは、最適化コンポーネント60の結果72は、予測コンポーネント40の結果から独立している(より精密には、その逆である)。最適化ルーチン70は、各指定される溶質に対して、所望のまたは最適化された溶質濃度52に一致する、1つ以上の療法処方72を識別する。
【0049】
特に、最適化コンポーネント60の最適化ルーチン70を使用する、算出技法は、臨床医によって、目的としている入力標的値(例えば、β2−Μ透析前血清濃度(「MPC」)、尿素標準的Kt/v(stdKt/v)、およびリン酸塩安定状態透析前血清濃度)を達成する、療法条件を識別する、ロバストかつ安定した手順であることが分かっている。算出技法は、複数の最適化された療法処方を識別し、最も少ない数の反復シミュレーションを行うことによって、それを行うことを試みる。最適化コンポーネント60から出力された療法パラメータは、療法持続時間(「T」)、療法頻度(「F」)、血液流量および透析液流量(それぞれ、「Q
B」および「Q
D」)を含むことができる。
【0050】
一実施例では、標的(すなわち、入力)尿素stdKt/vおよびβ2−Μ MPCは、それぞれ、2.0および27.5mg/Lに設定され得る。以下の表I.1は、尿素stdKt/v、β2−Μ MPC、および療法持続時間の間の関係(例えば、曲線)を示す。本実施例では、入力標的値は、点線によって示される。比較的に容易かつ反復手順に従う最適化ルーチン70は、最小必要Tにおいて、尿素stdKt/vおよびβ2−Μ MPC標的値の両方が充足されるまで、療法持続時間T(所与の組のF、Q
B、およびQ
Dに対する)を変動させる。最小必要Tは、患者が機械に接続されている時間と、機械を起動し、透析液成分を消費するために必要とされる時間が最小限になるので、患者および血液透析機械両方にとって、最適Tであると予測される。
【0051】
第1のサンプル反復では、最適化ルーチン70は、T
1=600分でシミュレーションを行い、療法持続時間は、概して、所望より遥かに優れた妥当性パラメータをもたらすために十分に長い。第2のサンプル反復では、最適化ルーチン70は、T
2=600/2=300分でシミュレーションを行い、満足のゆく結果をもたらす。第3のステップでは、最適化ルーチン70は、T
3=300/2=150分でシミュレーションを行い、本時間は、stdKt/vおよびβ2−Μ MPCの両方に対して、満足のゆく結果をもたらさない。第4の反復では、最適化ルーチン70は、増加された時間T
4=(150+300)/2=225分でシミュレーションを行い、stdKt/vのみに対して、満足のゆく結果をもたらす。第5の反復では、最適化ルーチン70は、さらに増加された時間T
5=(225+300)/2=263分でシミュレーションを行い、stdKt/vおよびβ2−Μ MPCの両方に対して、満足のゆく結果をもたらす。
【0052】
各ステップの終了時、標的パラメータが両方とも達成されたかどうか、最適化ルーチン70は、一実施形態では、標的と達成された値との間の差異を計算する。標的パラメータのうちの少なくとも1つに対する差異が、閾値を上回る場合、最適化ルーチン70は、さらに別の反復を行い、標的値により近い結果を達成し、さらに、持続時間Tを短縮および最適化する。前述の手順を使用して、最適化ルーチン70は、T=(263+225)/2=244分(太垂直線)で最終シミュレーションを行う。ここで、stdKt/vおよびβ2−Μ MPC標的は両方とも充足されており、達成されたstdKt/vおよびβ2−Μ MPCと標的stdKt/vおよびβ2−Μ MPCとの間の差異は、小さい。
【0053】
例証されるように、244分の最適療法持続時間Tは、再び、所与の組のF、Q
B、およびQDに対して、6回の反復のみで見出される。複数の最適化された療法処方は、次いで、例えば、療法持続時間、頻度、血液および/または透析液流量を変動させ、後述のように、生活スタイルに基づいて、患者に選択させるように、識別されることができる。
【0055】
患者12および医師14は、患者の生活スタイル選好74における所望のまたは最適化された溶質濃度52および係数に一致する、療法処方を検討する。恐らく、患者12は、患者の配偶者が、補助のために覚醒している時の日中の間の短時間の毎日の療法を好む。または、恐らく、患者は、月曜日、水曜日、および金曜日に運動し、それらの曜日に汗をかくため、UFが少なく、したがって、他の曜日に治療を実施することを好む。
【0056】
所望のまたは最適化された溶質濃度52に一致する療法処方72に、生活スタイル選好74を適用することは、選択された1つ以上の療法処方76をもたらす。選択された療法処方56および76は、例えば、機械100への手動入力、メモリ記憶デバイス、例えば、フラッシュドライブまたはユニバーサルシリアルバス(「USB」)ドライブからのダウンロード、あるいはインターネット等のデータネットワークからのダウンロードを介して、機械100にダウンロードすることができる。
【0057】
例えば、患者が、随時、行っている、定期的および周期的血液試験78のため、随時、選択された1つ以上の療法処方56または76を修正することが想定される。患者は、経時的に、残留腎機能を喪失し、選択された1つ以上の療法処方56または76が修正される必要性を生じさせ得る。血液検査は、選択された1つ以上の療法処方56または76が、十分に効果的に1つ以上の溶質を除去していないことを示すいずれの場合も、変更を促す。患者は、体重が減る、または生活スタイルの変化を被る場合があり、その場合、代わりに、あまり過酷ではない1つ以上の療法処方56または76が使用される。いずれの場合も、生活スタイル選好74は、潜在的に、選択された1つ以上の療法処方76を修正する役割を継続して果たすであろうことが想定される。
【0058】
(サンプルスクリーンショット)
図2から8Bは、
図1に関連して説明されたシステム10をさらに例証する、サンプルスクリーンショットである。
図2から8Bのスクリーンショットは、医師の要求に応じて、カスタマイズされることができ、例えば、インターネット、ローカルエリア、または広域ネットワークを介して、HHD機械100とデータネットワーク通信することができる、医師、臨床医、または看護士によって使用される、1つ以上のコンピュータの処理およびメモリ上に実装することができる。また、特に、施設内機械の場合、機械100の1つ以上の処理およびメモリにおいて、
図2から8Bのシステム10およびスクリーンショットを実装することが想定される。
【0059】
図2は、医師に、患者パラメータ推定コンポーネント20、療法予測コンポーネント40、または療法最適化コンポーネント60に入力するか、またはそれによって作業するかどうか選択させる、サンプル起動画面を例証する。システム10については、最初から最後まで、前述に説明されている。しかしながら、患者パラメータ推定コンポーネント20は、医師が、直接、予測コンポーネント40または療法最適化コンポーネント60のいずれかにジャンプすることができるように、既に行われていてもよい。前述のように、療法最適化コンポーネント60は、予測コンポーネント40から独立して動作することができる。したがって、医師は、特定の時間またはシステム10の用途において、予測コンポーネント40および最適化コンポーネント60のうちの1つのみ、使用する場合がある。
【0060】
予測コンポーネント40および療法最適化コンポーネント60は、患者パラメータ推定コンポーネント20からの情報に依存するが、しかしながら、患者12が、試験22を受けることを所望しない場合、または医師14が、患者12に、試験22を受けさせることを所望しない場合、好ましくはないが、年齢、性別、血液型、既知である場合、残留腎機能等、患者の情報に基づいて、標準化値を使用することが可能であり得ることに留意されたい。また、患者カテゴリに基づいて、実行可能な標準化された推定患者パラメータ32を提供し得る、システム10を使用して、経時的に開発される、推定患者パラメータ32のデータベースを維持することが明示的に想定される。
【0061】
図3は、パラメータ推定コンポーネント20のためのサンプルデータ入力および試験22結果画面を例証する。左側の画面は、氏名、年齢、性別、および体重等、患者情報を受け付ける。システム10が、本入力されたデータのいずれかに基づいて、ファイルを検索可能であることが想定される。医師は、総治療時間、血液流量、透析液流量(または、総容積)、およびUF速度または容積(図示せず)等、試験22のためのデータを
図3の画面の中央に入力する。患者は、次いで、本入力されたデータに従って、実施される試験療法を受ける。右側の
図3の画面は、次いで、治療の過程にわたって、種々の時間において、尿素24、β2−Μ26、およびリン酸塩28に対して行われた血液試験の結果を受け付け、分析された溶質の各々に対する時間ベースのプロファイルを形成する。
図3に示されるサンプル時間は、開始時間、ならびに開始時間から1時間、2時間、4時間、5時間、6時間、および8時間を含む。より多いまたはより少ない時間入力を含む、他の間隔も、代替として、使用することができる。
【0062】
図4は、サンプルの推定患者パラメータ32ディスプレイ画面を例証する。推定患者パラメータ32は、例えば、生成率G、細胞内クリアランスK
IC、リン移行クリアランスK
M、および分布容積V
D(V
D=V
P+V
NP、式中、V
Pは、灌流または細胞外容積であり、V
NPは、非灌流または細胞内容積である)を含むことができる。G、K
IC、およびV
Dに対する値は、推定コンポーネント20のモデル30の出力であり、次いで、推定患者パラメータ32のように、コンポーネント40および60に入力されたデータとして使用される。
【0063】
図5は、予測コンポーネント40のためのサンプル入力画面を例証する。例証される実施例では、医師は、画面の左側において、リン酸塩28(チェックされていないボックス)に対してではなく、尿素24およびβ2−Μ(チェックされたボックス)に対して、予測ルーチンを実施することを選択する。医師また、動作入力44を入力し、すなわち、医師は、セッションあたり3時間(すなわち、T)、1週間に5回(すなわち、F)、実施される、療法をモデル化することを所望する。前述のように、代替として、またはFおよびTに加えて、入力(および、変動)され得る、他の機械動作パラメータとして、血液流量、透析液流量、透析液総容積、限外濾過流量および限外濾過総容積を含む。「Back(戻る)」および「Run(実行)」ボタンによって、医師は、特定のコンポーネントが、選択されると、コンポーネント20、40、または60の各々を通して、ナビゲートすることが可能となる。
【0064】
図6は、個人化された溶質流束および容積式50を実行後の結果を示す、予測コンポーネント40のためのサンプル出力画面を例証する。所望に応じて、濃度結果は、例えば、左に沿った尿素濃度尺度と、右に沿ったβ2−Μ尺度とともに、単一グラフ上にマージすることができる。溶質濃度52は、代替として、スプレッドシート形式で表示され得るが、
図6では、x−軸に沿って、特定の療法処方の使用開始からの日数とともに、グラフ形式で示される。このように、医師は、所与の頻度および持続時間、ならびに患者のために個人化された推定パラメータに対して、予測された溶質プロファイルを容易に確認することができる。溶質濃度52はまた、平均または標準化形式、例えば、当業者によって理解される、標準的Kt/vとして、示される。ピーク濃度および平均または標準化濃度を知ることによって、医師は、提案された頻度および持続時間が、選択された溶質、ここでは、尿素24およびβ2−Μ26に対して、適切であるかどうか迅速に決定することができる。
図6に描写されるように、Pは、灌流または細胞外を表し、NPは、非灌流または細胞内を表す。溶質、例えば、尿素が、細胞外または血液容積内にある場合、透析装置は、溶質を容易に一掃することができる。溶質が、細胞内容積内にある場合、溶質は、最初に、細胞外容積内を通過し、K
ICによって定義される抵抗を克服する必要がある。
【0065】
図6は、特定の療法持続時間Tおよび頻度Fに対する濃度値を例証する。医師が、予測コンポーネント40を再実行し、TおよびFを変動させることが想定される。医師は、次いで、例えば、臨床的に容認可能である、(i)T
1、F
1、(ii)T
2、F
2、(iii)T
3、F
3等から、1つ以上の組のグラフを選択することができる。容認可能なグラフまたはその対応する療法処方は、次いで、患者によって検討されることができ、患者は、患者の生活スタイルのニーズおよび/または要件に最も一致する、1つ以上のグラフまたは処方を選択する。
【0066】
図7は、最適化コンポーネント60のためのサンプル入力画面を例証する。予測コンポーネント40と反対に実行するため、医師は、最適化コンポーネント60において、療法結果に対する所望の値、例えば、標準的Kt/vを介した、例えば、尿素に対する所望の値、例えば、1リットルあたりのミリグラム単位における透析前リン血漿濃度におけるリンに対する所望の値、例えば、1リットルあたりのミリグラム単位におけるβ2−Μに対する所望の値、および、例えば、1リットル単位における所望の限外濾過液(「UF」)除去値を入力する。UFは、概して、機械制御機能であるが、溶質除去に影響を及ぼし得、したがって、UFの入力は、最適化に望ましい。
【0067】
図8Aは、入力された尿素およびβ2−Μ(および、所望に応じて、リン酸塩)要件に対して、週あたりの日数(側面に沿って)における頻度と、時間(上面に沿って)における療法持続時間のスプレッドシートを示し、その溶質に対する要件に一致するであろう、治療に対応するセル内に「X」を置く、最適化ルーチン70の実施例を示す。
図8に示される12の可能な組み合わせでは、2つが(3時間治療の4日およびその逆)が、尿素およびβ2−Μ要件に一致する。患者は、次いで、どちらの選択肢が、自分の生活スタイルにより適合するかを決定することができる。あるいは、両方の処方または選択された処方72を機械に入力することができる。患者は、次いで、例えば、週毎に、2つの承認および選択された処方のうちのいずれが、その週により適合するかを決定する。
【0068】
図8Aはまた、最適化コンポーネント60のための例示的入力されたパラメータ72、ここでは、尿素およびβ2−Μ最適化ルーチン70における頻度組み合わせの全部に対して、式中で使用される、結果として生じる血液流量、総溶液容積、透析液流量(または、総容積)、およびUF速度(または、容積)を示す。医師は、システム10から独立して、血液流量および透析液流量等を計算し、所望のK
D値を達成し得る。しかしながら、それらの計算は、予測コンポーネント40および/または最適化60コンポーネントの一部として生じる、計算から独立する。システム10に対して、流量は、K
Dを決定するために入力され、これは、順に、予測コンポーネント40および/または最適化コンポーネント60に入力される。
【0069】
図8Bは、入力された尿素およびβ2−Μ(および、所望に応じて、リン酸塩)要件に対して、週の日数における療法頻度(すなわち、F)(側面に沿って)および時間における療法持続時間(すなわち、T)(上面に沿って)のスプレッドシートを示す、最適化ルーチン70の別の実施例を示す。ここでは、週の実際の日数が、示される。最適化コンポーネント60は、同一日数の異なる組み合わせ、例えば、月曜日/水曜日/金曜日の3日対月曜日/水曜日/土曜日の3日を区別することができる。一実施形態では、システム10は、療法頻度値が入力されると、ある事前設定日を仮定する。例えば、週あたり3日のFに対して、システム10は、例えば、月曜日/水曜日/金曜日を仮定するであろう。しかしながら、システム10によって、医師14は、具体的日数を入力可能となる(Fを入力するのとは対照的に)。システム10は、入力された日数に従って、計算を行う。カスタム療法日をシミュレートする能力は、システム10が、したがって、体内の溶質の蓄積をより正確に追跡することができるので、重要であり得る。
【0070】
図8Bでは、各セルは、次いで、特定の溶質のクリアランスに対してだけではなく、分析された溶質に対しても、グループとして、3つのカテゴリ(例えば)のうちの1つに色分けされる、または別様に、指定される。ルーチン70のチャートの右上に位置する、尿素に対する所望の標準化Kt/v値は、溶質クリーナのグループを示す。溶質クリアランスの各セルは、本実施例では、不適切、境界線、または適切として、標識される。例えば、適切は、全要件に一致することを意味し、境界線は、いくつかの要件またはほぼ全要件に一致することを意味し得る一方、不適切は、ほとんどまたは全の要件に一致しないことを意味する。異なる意味を有する、3つより多いまたは少ない分類が、代替として、使用することができる。患者は、次いで、適切な療法処方セルのうちの1つから、例えば、最も過酷ではない療法処方を選択することができる。
【0071】
次に、
図9を参照すると、方法110は、本明細書に論じられるシステム10のコンポーネント20、40、および60間の関係を例証する。方法110は、コンポーネント20、40、および60間の相互関係を理解するのを支援することを意味するものであり、いかようにも、前述に詳述されたコンポーネントのすべての代替を説明することを意味するものではない。
【0072】
卵形112において、方法110は、開始する。ブロック114では、試験療法が、患者において行われ、尿素、β2−Μ、およびリン酸塩等の種々の溶質に対して、濃度レベルを決定する。システム10および方法110のための溶質は、それらの3つの溶質に限定されず、カルシウム、副甲状腺ホルモン(「PTH」)、およびp−クレゾール硫酸等のあるタンパク結合溶質等、その他を含み得る。システム10および方法110に、これらおよび他の溶質が含まれることが明示的に想定される。追加の溶質は、例えば、一般的妥当性に関連する場合、および/またはリン酸塩クリアランス/移行と相関する場合、少なくとも、推定コンポーネント20における試験を介して、追跡することができる。追加の溶質は、リン酸塩に対して以下に行われるように、将来、モデルが追加の溶質に対して考案された場合、最終的に、予測コンポーネント40を介して予測され、コンポーネント60を介して最適化することができる。
【0073】
ブロック116a、116b、および116cでは、尿素、β2−Μ、およびリン酸塩に対する濃度レベルが、対応する動態モデルに供給され、少なくとも1つの患者特定のパラメータを決定する。溶質の試験濃度のすべて、すべてに満たない溶質の試験濃度、または溶質に対するいくつかの平均試験濃度が、対応する動態モデルに入力され得る。
【0074】
ブロック118a、118b、および188cでは、少なくとも1つの患者推定パラメータが、療法持続時間(すなわち、T)および療法頻度(すなわち、F)等、少なくとも1つの機械動作パラメータとともに、尿素、β2−Μ、およびリン酸塩に対する対応する動態モデルに供給され、溶質に対するクリアランス容積または溶液レベルを決定する。
【0075】
ブロック120a、120b、および120cでは、尿素、β2−Μ、およびリン酸塩に対する溶質クリアランス値が、医師の評価のために、グラフ化される(単一の組み合わせられたグラフであり得る)か、または表化される。菱形122a、122b、および122cでは、ブロック118aから118cおよび120aから120cが、別の組の入力された動作療法パラメータに対して、繰り返されるかどうか決定される。そうでない場合、ブロック124において、医師は、どのグラフ、表、処方が、臨床的に容認可能であるか決定する。
【0076】
ブロック126aから126cでは、尿素、β2−Μ、およびリン酸塩に対して、患者特定の推定パラメータは、所望の溶質除去レベルまたは溶質に対するレベルとともに、対応する動態モデルに供給され、式を充足し、1つ以上の溶質に対する所望のレベルを達成するであろう、1つ以上の機械動作パラメータを決定する。
【0077】
ブロック128では、所望の溶質レベル(または、所望の溶質レベルのうちのいくつか)を達成する、機械動作パラメータが、医師のために、表化される。医師は、次いで、患者のための最も臨床的に容認可能な療法に関して、精緻化することができる。
【0078】
予測ブロック124および最適化ブロック128の両方から供給される、ブロック130では、医師は、患者と相談し、どの1つ以上の選択された療法処方が、患者の個人的ニーズに最も適合するかを決定する。前述のように、機械動作パラメータは、T、F、ならびに流体流量および/または容積等のその他を含む。これらの他のパラメータは、医師によって要求される可能性が高く、患者と交渉可能なようなものではない。ある程度、TおよびFは、他のパラメータを駆動させるであろう。例えば、より短い療法は、より高い流量を要求する可能性があるであろう。
【0079】
ブロック132では、選択された1つ以上の療法処方は、患者の(または、医院の)腎不全療法機械(例えば、HHD機械100)にダウンロードされる。複数の選択された処方が、ダウンロードされる場合、患者は、例えば、毎週、どの処方を実施するかを選択する権限が付与され得る。代替として、医師は、少なくとも初期、どの処方を実施するかを指示し得る。処方ダウンロードは、データネットワークあるいはUSBまたはフラッシュドライブ等のデータ記憶デバイスを介してであり得る。
【0080】
代替実施形態におけるシステム10は、後述およびセクションIIに詳述される、方法、モデル、および式のいずれかを組み込むことができることを理解されたい。
【0081】
(動態モデル化)
(i)尿素およびβ2−Μモデル化
システム10のための尿素およびβ2−Μに対する好適な動態モデル30は、以下に示され、Ward(Wardetal,Kidney International,69:1431to1437(2006))に詳述されており、その内容全体は、参照することによって、本明細書に明示的に組み込まれる。下式は、2コンパートメントモデルに対するものであり、Wardに依拠する。
【0083】
以下は、Clark(Clarketal,J.AM.Soc.Nephrol.,10:601−609(1999))(その内容全体は、参照することによって、本明細書に明示的に組み込まれる)によるものである。
【0085】
前述の式は、尿素およびβ2−Μの両方に適用可能である。同一モデルは、両溶質のために使用されるが、生成率、非腎クリアランス、分布容積等のパラメータ値は異なる。
【0086】
(ii)物質収支モデル化
システム10のための電解質平衡、例えば、ナトリウム、カリウム等に対する好適なモデルの1つは、3コンパートメントモデルであり、 Ursino et al(Ursino M. et al., Prediction of Solute Kinetics, Acid−Base Status, and Blood Volume Changes During Profiled Hemodialysis, Annals of Biomedical Engineering, Vol. 28, pp. 204−216 (2000))に詳述され、その内容全体は、参照することによって、本明細書に明示的に組み込まれ、依拠される。
【0087】
(iii)置換流体のためのモデル化修正
本明細書に説明されるように、システム10は、透析に限定されず、血液濾過および血液透析濾過等の他の腎不全血液治療にも適用することができる。血液濾過および血液透析濾過は両方とも、透析の浸透圧クリアランスの代わりに(血液濾過)、またはそれに加え(血液透析濾過)使用される、対流クリアランスのための血液ラインに直接圧送される置換流体の使用を伴う。
【0088】
以下の式は、すべて、置換流体の使用のために行うことができる、出願人が見出した、動態モデルへの修正を示す。以下の第1の式は、物質収支に及ぼす影響を示す。特に、係数Q
R*C
S,Rが、置換流体のために追加される。以下の第2の式は、透析装置クリアランスに及ぼす、対流クリアランス(J
s(t))の影響を示す。
【0090】
(II.リン酸塩モデル化)
(血液透析患者におけるリン酸塩予測方法およびその適用)
本明細書に論じられるシステムに照らして、血液透析療法の前、その間、および後に、血液透析患者内の血清または血漿リン濃度あるいはレベルを予測する方法を提供することが想定される。血清リンレベルを予測可能であることは、血液透析患者のための最適治療計画を決定する際、有用であり得る。これらの方法は、本明細書に説明されるシステムおよびコンピューティングデバイスの任意のものに組み込まれ、患者のための血液透析療法を最適化することができる。
【0091】
末期腎疾患患者内の血清リンのレベル上昇は、主に、心臓関連の原因による、より高い死の危険と関連付けられている。そのような関連付けは、世界中の種々の国々間において、経時的に、実証されている。それに伴う生理学的機構は、完全に理解されていないが、血清リンレベルの不適切な制御およびカルシウムベースのリン酸塩結合剤の使用は、冠動脈石灰化、動脈壁の硬化、および高血圧の急速進行と関連付けられている。
【0092】
ほとんどの血液透析(「HD」)患者内の血清リン濃度の制御は、リン酸塩の腸管吸収を阻止するための経口リン酸塩結合剤の毎日の服用と、HD治療によるリン酸塩の除去の両方を要求する。本二重アプローチにも関わらず、典型的西洋の食事は、高リン酸塩含有量を含有するため、多くの場合、高リン血症を発症する。カルシウムベースの経口リン酸塩結合剤は、その低コストのため、依然として、広く使用されているが、より効果的結合剤は、積極的に開発中である。種々の方法によって、週3回の療法中、リンの透析除去を増加させる他の努力も試みられたが、多くの場合、実質的改良が、伴っていない。週3回のHD中およびより頻繁に適用されたHD治療中の両方において、一貫して、血清リン濃度を低下させることが示された、唯一のHD処方パラメータは、より長い治療の使用である。
【0093】
ロバストかつ実践的リン動態モデルを使用して、血液透析を受ける患者の血清リンレベルを予測または決定する方法は、個々の患者ベースにおいて、新しいHD治療モダリティを効果的に修正可能にする。ある実施形態では、血液透析中の患者内の血清リン濃度を予測する方法が、提供される。方法は、血液透析治療セッション時間にわたる患者の血清リン濃度(「C」)(例えば、蛍光分析および比色分析等の任意の好適な測定方法を使用して)と、初期血液透析治療セッション中の患者の透析前体重と透析後体重との間の差異を治療セッションの総治療時間によって除算することによって計算される限外濾過または流体除去速度(「Q
UF」)とを測定することと、以下の形式の解析解を有する支配輸送方程式に対して非線形最小2乗適合を使用して、患者に対するK
MおよびV
PREを推定することとを含む。
【0095】
式中、tは、血液透析治療セッション中の時間であり、Tは、血液透析治療セッションの終了後の時間であり、t
txは、血液透析治療セッションの総持続時間であり、C
PREは、透析前血漿リン濃度であり、C
POSTは、透析後血漿リン濃度であり、K
Mは、患者のリン移行クリアランスであり、K
Rは、リン酸塩の残留腎クリアランスであり、K
Dは、透析装置リン酸塩クリアランスであり、V
PREは、患者のリンの透析前分布容積であり、
【0098】
患者のC(すなわち、血清リン濃度)が、次いで、患者の以前に推定された組のK
MおよびV
PREに対して、式AおよびBを使用することによって、任意の血液透析治療セッション中の任意の時間において、予測されることができる。非線形最小2乗適合の代替として、V
PREは、また、患者の体重または体内水分量のある割合として、推定することもできる。
【0099】
別の実施形態では、血液透析中の患者内の血清リン濃度を予測する方法は、限外濾過速度が、ごく僅か(すなわち、Q
UF=0)であると仮定される場合、提供される。方法は、初期血液透析治療セッション中の患者のCを測定すること(例えば、蛍光分析および比色分析等の任意の好適な測定方法を使用して)と、以下の形式の解析解を有する支配輸送方程式に対して非線形最小2乗適合を使用して、患者に対するK
MおよびV
PREを推定することとを含む。
【0101】
患者のCは、患者の所与の組の以前に推定されたパラメータK
MおよびV
PREに対して、式DおよびEを使用することによって、任意の血液透析治療セッション中の任意の時間において、予測することができる。代替として、V
PREはさらに、患者の体重または体内水分量のある割合として、推定することができる。ある実施形態では、K
Mは、Q
UF≠0である場合からのデータを使用して推定され、Q
UF=0である式Dにおいて使用され得る。
【0102】
本明細書に説明される、血液透析中の患者内の血清リン濃度を予測する方法のいずれにおいても、K
Dは、以下の式を使用して決定することができる。
【0105】
Q
BおよびQ
Dは、血液流量および透析液流量であり、それらで、所望の透析装置クリアランスK
Dが、式FおよびGを使用して計算される。K
OAは、以前の測定の結果として得られたリン酸塩に対する透析装置総括物質移動面積係数であり、一組の血液流量および透析液流量Q
B,MおよびQ
D,Mは、透析装置クリアランスK
D,Mをもたらし、Hctは、患者の血液サンプルから測定されたヘマトクリット値である。代替として、K
Dは、以下の式を使用して、任意の時間tにおいて、決定することができる。
【0107】
式中、t
sは、サンプリング時間であり、C
D(t
s)は、時間t
sにおける透析液流出物内のリンの濃度であり、Q
D(t
s)は、時間t
sにおける透析液流量であり、C(t
s)は、時間t
sにおける血清リン濃度である。
【0108】
非線形最小2乗適合の代替として、K
Mは、以下の代数式を使用して決定することができる。
【0110】
患者のCは、例えば、15または30分毎等、血液透析治療セッション中の任意の好適な時間において、測定することができ、t
txは、例えば、2、4、または8時間等、任意の好適な時間であることができる。Tは、例えば、30分または1時間等、任意の好適な時間であることができる。
【0111】
V
POSTは、患者が、正常に水和されていると見なされる場合、血液透析治療終了時のリンの分布容積である。本パラメータは、細胞外流体の容積に近い。したがって、V
POSTは、患者の水和状態を評価するために使用することができる、臨床的に関連する患者パラメータである。以前に決定されたV
PREが既知である用途では、V
POSTは、以下の式を使用して決定することができる。
【0113】
そして、好適な療法が、V
POSTの値に基づいて、患者に提供されることができる。式Kから分かるように、Q
UF=0である場合、V
POST=V
PREとなる。
【0114】
血液透析中の患者内のリン移行を予測する方法の具体的ステップは、コンピューティングデバイスを使用して行うことができる。そのようなコンピューティングデバイスは、ディスプレイデバイスと、入力デバイスと、プロセッサと、複数の命令を記憶しているメモリデバイスとを含むことができる。複数の命令は、プロセッサによって実行されると、(a)血液透析治療セッション時間にわたる血液透析患者のCに関連するデータと、血液透析治療セッション中の血液透析患者の透析前と透析後との間の体重の差異を治療セッションの総治療時間によって除算することに基づいて計算されるQ
UFとを受信することと、(b)以下の形式の解析解を有する支配輸送方程式に対して非線形最小2乗適合を使用して、患者に対するK
MおよびV
PREを推定することと、
【0116】
(c)患者の所与の組の推定パラメータK
MおよびV
PREに対して、式LおよびMを使用することによって、血液透析中の任意の時間において、患者のCを予測することとを行うようにプロセッサにディスプレイデバイスおよび入力デバイスと動作させる。式LおよびMに対する変数は、本明細書に記載される式のいずれかを使用して決定することができることを理解されたい。血液透析患者に対して得られた情報/データは、表示/印刷され、医療提供者によって使用され、血液透析患者のための改良された治療および栄養計画を提供することができる。未知の係数のいずれも、血液透析中の患者内のリン移行を決定する方法について、以前に論じられた適切な式または測定を使用して決定することができる。
【0120】
コンピューティングデバイスは、また、K
R、K
D、または血清リン濃度を収集するためのサンプリング時間のうちの少なくとも1つに関連するデータを受信するために、事前にプログラムされるか、または、プロセッサにディスプレイデバイスおよび入力デバイスと動作させるソフトウェアに従って実行されることができる。ある実施形態では、コンピューティングデバイスは、セクションIに説明される、システム10であることができる。
【0121】
血液透析中の患者内のリン移行を決定する前述の方法とともに、HD療法によって治療される患者内の安定状態透析前血清リンレベル(「C
SS−
PRE」)を予測するための物質収支モデルもまた、開発された。物質収支モデルは、個々の患者内の安定状態透析前血清リンレベルを決定するために、透析中および回復期間に対する疑似的1コンパートメントモデルと組み合わせて使用された。本モデルを使用して、個々の血液透析患者の血清リンレベルに及ぼす、特定の療法パラメータ(例えば、透析装置リン酸塩クリアランス、週の療法頻度、療法持続時間等)の影響を評価することができる。
【0122】
開示される安定状態物質収支モデルは、透析中のリン動態を、食事からの摂取量、リン酸塩結合剤の使用、および残留腎クリアランスと組み合わせることにより、安定状態透析前血清リンレベルを予測する。以前のモデルによるものと異なり、本モデルによる予測は、簡略化された計算を伴う。故に、本モデルは、日々の臨床実践に容易に統合されることができる。さらに、モデルは、患者特定のパラメータを伴い、個人化された予測を可能にする。本モデルは、最終的に、HHDデバイスによる療法を最適化し、最小必要容積の透析液(すなわち、最小限の水消費)を使用して、適切な量のリンを除去するために使用することができる。代替として、モデルは、透析液中の要求されるリン酸塩補給剤の量を決定するために使用することができる。
【0123】
動態モデルの用途では、血液透析患者内のC
SS−PREを決定する方法が、提供される。方法は、少なくとも、患者の食事からのリン摂取量または患者の尿素動態モデルから、リンの正味生成(「G」)を得ることと、以下の式を使用して、血液透析患者のC
SS−PREを決定することとを含む。
【0125】
式中、Fは、週あたりの治療の頻度であり、t
txは、1回の血液透析治療セッションに対する治療時間(例えば、治療セッションあたりの分単位における)であり、K
Dは、透析装置リン酸塩クリアランスであり、K
Rは、リン酸塩の残留腎クリアランスであり、
【0127】
は、透析治療中の正規化された時間平均血漿リン濃度であり、
【0129】
は、透析間間隔の間の正規化された時間平均血漿リン濃度である。患者のC
SS−PREに及ぼす、患者パラメータまたは治療パラメータのうちの少なくとも1つの影響は、患者に対するC
SS−PREの最適範囲を得るように、シミュレートすることができる。例えば、患者パラメータは、G、K
M、またはV
PREであることができ、治療パラメータは、t
tx、K
D(例えば、Q
B、Q
D)、またはFであることができる。
【0130】
代替実施形態では、血液透析患者内のC
SS−PREを予測する方法が、提供される。方法は、以下の式を使用して、リンの正味生成(「G」)を決定することを含む。
【0132】
式中、C
SS−PRE−INは、式Pを使用するGの計算の前の規定時間に対する、血液透析療法(例えば、K
D、F、およびt
txによって識別される)によって維持される血液透析患者の初期測定安定状態透析前血清リンレベルである。規定時間は、Gが計算される時の前の、例えば、少なくとも1週間、2週間、3週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月以上であることができる。Fは、週あたりの治療の頻度であり、t
txは、1回の血液透析治療セッションに対する治療時間(例えば、治療セッションあたりの分単位における)であり、K
Dは、透析装置リン酸塩クリアランスであり、K
Rは、リン酸塩の残留腎クリアランスであり、
【0134】
は、透析治療中の正規化された時間平均血漿リン濃度であり、
【0136】
は、透析間間隔の間の正規化された時間平均血漿リン濃度である。
【0137】
Gが、式Pを使用して計算されると、または、他の方法によって推定されると、安定状態血清リン濃度に及ぼす血液透析治療パラメータの変化の影響を予測することに使用することができる。例えば、血液透析患者のGが、既知となると、異なる血液透析治療条件下の患者のC
SS−PREは、式Pを再整理して式Oを形成し、既知のGを利用して、血液透析患者のC
SS−PREを解くことによって、予測することができる。患者のC
SS−PREに及ぼす患者パラメータまたは治療パラメータのうちの少なくとも1つの影響は、シミュレートすることができ、血液透析患者の治療計画は、次いで、C
SS−PREが、所望の範囲内にあるように、修正することができる。
【0138】
一般に、末期腎疾患を伴う患者内の安定状態透析前血清リンレベルの最適範囲が存在する。所望の最適範囲内の安定状態透析前リンレベルをもたらす、最適処方/計画/栄養療法は、例えば、本明細書に前述されるHHDシステムの最適化コンポーネントにおいて、式OおよびPを使用して決定することができる。血液透析処方または患者挙動における変化(例えば、食事の変化)は、Gの変化につながり得るので、所望の範囲内にC
SS−PREを維持するための式OおよびPに基づく在宅血液透析療法の最適化は、有利である。
【0139】
血液透析患者内のGまたはC
SS−PREを決定する方法のいずれにおいても、
【0141】
は、以下の式を使用して決定することができる。
【0143】
式中、K
Mは、患者のリン移行クリアランスであり、Q
WGは、透析間時間間隔中の患者による流体増加の定率であり(Q
WG=(t
txQ
UF)/(10080/F)によって計算される)、Q
UFは、患者から除去される、流体の定率であり、V
PREは、血液透析治療セッションの前の患者のリンの透析前分布容積であり、V
POSTは、血液透析治療セッション終了時の患者のリンの透析後分布容積である。
【0144】
血液透析療法中の患者からの正味限外濾過または流体除去が無視可能であり、血液透析療法間の体重増加は存在しない場合、血液透析患者内のGまたはC
SS−PREを決定する方法のいずれにおいても、
【0146】
は、以下の式を使用して決定することができる。
【0148】
式SおよびTに対する変数は、本明細書に記載される式のいずれかを使用して決定することができることを理解されたい。
【0149】
血液透析患者内のGまたはC
SS−PREを決定する方法のいずれにおいても、K
Dは、以下の式を使用して決定することができる。
【0151】
Q
BおよびQ
Dは、血液流量および透析液流量であり、それらで、所望の透析装置クリアランスK
Dが、式UおよびVを使用して計算される。K
OAは、以前の測定の結果として得られたリン酸塩に対する透析装置総括物質移動面積係数であり、一組の血液流量および透析液流量Q
B,
MおよびQ
D,
Mは、透析装置クリアランスK
D,
Mをもたらし、Hctは、患者の血液サンプルから測定されたヘマトクリット値である。代替として、K
Dは、以下の式を使用して、任意の時間tにおいて、決定することができる。
【0153】
式中、t
sは、サンプリング時間であり、C
D(t
s)は、時間t
sにおける透析液流出物内のリンの濃度であり、Q
D(t
s)は、時間t
sにおける透析液流量であり、C(t
s)は、時間t
sにおける血清リン濃度である。
【0154】
非線形最小2乗適合の代替として、K
Mは、以下の代数式を使用して決定することができる。
【0156】
式中、C
POSTは、透析後血漿リン濃度であり、C
PREは、透析前血漿リン濃度である。Gは、以下の式を使用して決定することができる。
【0158】
式中、I
Pは、血液透析患者のリンの週あたりの食事からの摂取量であり、A
Pは、血液透析患者の%リン吸収であり、I
Bは、血液透析患者の週あたりの結合剤摂取量であり、P
Bは、結合剤の結合力である。
【0159】
ある実施形態では、K
MおよびV
PREは、前述のように、血液透析中の患者内のリン移行を予測する方法を使用して決定することができる。この場合、K
MおよびV
PREは、血液透析治療セッション時間にわたる血液透析患者のCと、初期血液透析治療セッション中の患者の透析前体重と透析後体重との間の差異を治療セッションの総治療時間によって除算することによって計算されるQ
UFとを測定することと、以下のような解析式に対して、非線形最小2乗適合を使用して、血液透析患者に対するK
MおよびV
PREを推定することとによって、決定される。
【0161】
式中、tは、血液透析治療セッション中の時間であり、Tは、血液透析治療セッションの終了後の時間であり、t
txは、血液透析治療セッションの総持続時間であり、C
PREは、透析前血漿リン濃度であり、C
POSTは、透析後血漿リン濃度であり、K
Mは、患者のリン移行クリアランスであり、K
Rは、リン酸塩の残留腎クリアランスであり、K
Dは、透析装置リン酸塩クリアランスであり、V
PREは、患者のリンの透析前分布容積であり、
【0164】
血液透析患者内のGまたはC
SS−PREを決定する方法はまた、適切な治療/食事の変化を決定または修正し、一定時間期間にわたって、血液透析患者内の所望のリン血清レベルに一致させるために使用することができる。例えば、方法は、血液透析患者のC
SS−PREが、約3.6mg/dlから5.0mg/dlの範囲にあるように、リン摂取量のレベルを決定または修正するために使用することができる。方法は、血液透析患者のC
SS−PREが、約3.6mg/dlから5.0mg/dlの範囲にあるように、患者に投与されるリン結合剤を決定または修正するために使用することができる。方法はさらに、血液透析患者のC
SS−PREが、約3.6mg/dlから5.0mg/dlの範囲にあるように、透析液に添加されるリン塩補給剤の量を決定または修正するために使用することができる。
【0165】
方法は、血液透析患者のC
SS−PREが、約3.6mg/dlから5.0mg/dlの範囲にあるように、総血液透析治療セッション時間を決定または修正するために使用することができる。方法は、血液透析患者のC
SS−PREが、約3.6mg/dlから5.0mg/dlの範囲にあるように、頻度Fを決定または修正するために使用することができる。方法は、血液透析患者のC
SS−PREが、約3.6mg/dlから5.0mg/dlの範囲にあるように、要求される血液流量および/または透析液流量を決定または修正するために使用することができる。C
SS−PREの好ましい範囲は、患者特定であり得ることを理解されたい。
【0166】
血液透析患者のC
SS−PREを決定する具体的ステップは、コンピューティングデバイスを使用して、行うことができる。そのようなコンピューティングデバイスは、ディスプレイデバイスと、入力デバイスと、プロセッサと、複数の命令を記憶しているメモリデバイスとを含むことができる。複数の命令は、プロセッサによって実行されると、(a)少なくとも、血液透析患者の食事からのリン摂取量または血液透析患者の尿素動態モデルから、Gに関連するデータを受信することと、(b)以下の式を使用して、患者のC
SS−PREを決定することであって、
【0168】
式中、Fは、週あたりの治療の頻度であり、t
txは、1回の血液透析治療セッションに対する治療時間であり、(例えば、治療セッションあたりの分単位における)、K
Dは、透析装置リン酸塩クリアランスであり、K
Rは、リン酸塩の残留腎クリアランスであり、
【0170】
は、透析治療中の正規化された時間平均血漿リン濃度であり、
【0172】
は、透析間間隔の間の正規化された時間平均血漿リン濃度である、ことと、(c)血液透析患者のC
SS−PREに及ぼす、患者パラメータまたは治療パラメータのうちの少なくとも1つの影響をシミュレートすることとを行うように、プロセッサに、ディスプレイデバイスおよび入力デバイスと動作させる。式DDに対する変数は、本明細書に記載される適切な式のいずれかを使用して決定することができることを理解されたい。
【0173】
別のそのようなコンピューティングデバイスは、ディスプレイデバイスと、入力デバイスと、プロセッサと、複数の命令を記憶しているメモリデバイスとを含むことができる。複数の命令は、プロセッサによって実行されると、(a)以下の式を使用して、リンの正味生成(「G」)を決定することであって、
【0175】
式中、C
SS−PRE−INは、式EEを使用するGの計算の前の規定時間に対する、血液透析療法(例えば、K
D、F、およびt
txによって識別される)によって維持される血液透析患者の初期測定安定状態透析前血清リンレベルであり、規定時間は、Gが計算される場合の前の、例えば、少なくとも1週間、2週間、3週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月以上であることができ、Fは、週あたりの治療の頻度であり、t
txは、1回の血液透析治療セッションに対する治療時間であり、K
Dは、透析装置リン酸塩クリアランスであり、K
Rは、リン酸塩の残留腎クリアランスであり、
【0177】
は、透析治療中の正規化された時間平均血漿リン濃度であり、
【0179】
は、透析間間隔の間の正規化された時間平均血漿リン濃度である、ことと、(b)以下の式を使用して、血液透析患者の安定状態透析前血清リンレベル(「C
SS−PRE」)を予測することと、
【0181】
(c)血液透析患者のC
SS−PREに及ぼす、患者パラメータまたは治療パラメータのうちの少なくとも1つの影響をシミュレートすることとを行うように、プロセッサに、ディスプレイデバイスおよび入力デバイスと動作させる。式EEおよびFFに対する変数は、本明細書に記載される適切な式または方法のいずれかを使用して決定することができることを理解されたい。
【0182】
本明細書に説明されるコンピューティングデバイスのいずれにおいても、血液透析患者に対して得られた情報/データは、表示/印刷され、医療提供者によって使用され、血液透析患者のための改良された治療および栄養計画を提供することができる。未知の係数の任意のものは、血液透析患者の安定状態透析前血清リンレベルを決定する方法のために、本明細書に論じられる適切な式または測定のいずれかを使用して決定することができる。
【0183】
コンピューティングデバイスは、また、血液透析治療セッションまたは血清リン濃度を収集するためのサンプリング時間の約1ヶ月前に、K
R、K
D、K
M、V
PRE、t
tx、F、C
PREのうちの少なくとも1つに関連するデータを受信するために、事前にプログラムされること、または、プロセッサに、ディスプレイデバイスおよび入力デバイスと動作させるソフトウェアに従って実行されることができる。コンピュータデバイスは、本情報を利用して、例えば、式DDまたはFFを使用して、血液透析患者のC
SS−PREに及ぼす、これらの患者パラメータまたは治療パラメータのうちの1つ以上の影響をシミュレートする(例えば、患者パラメータまたは治療パラメータのうちの1つ以上の変化が、どのようにC
SS−PREに影響を及ぼすか確認する)。コンピューティングデバイスは、本明細書に開示される方法のいずれかを使用して、C
SS−PREが、所望の範囲内にあるように、血液透析患者の治療計画を表示するように、事前にプログラムすることができる。ある実施形態では、コンピューティングデバイスは、セクションIに説明される、システム10であることができる。
【0184】
本明細書に説明されるコンピュータデバイスのいずれも(セクションIに説明されるシステム10の任意の部分を含む)、データを受信し、そのデータに基づいて、計算を行うことが可能なプロセッサを有する、デバイスであることができる。そのようなコンピューティングデバイスは、例えば、ハンドヘルドクライアントデバイス、パーソナルコンピュータクライアントデバイス、データベースサーバ等)であることができる。本明細書に説明されるコンピューティングデバイスの電気システムのより詳細なブロック図は、
図10に例証される。これらのコンピューティングデバイスの電気システムは、類似し得るが、これらのデバイス間の構造的差異は、周知である。例えば、典型的ハンドヘルドクライアントデバイスは、典型的データベースサーバと比較して、小型かつ軽量である。
【0185】
図10では、例示的コンピューティングデバイス202は、好ましくは、アドレス/データバス206によって、1つ以上のメモリデバイス208、他のコンピュータ回路210、および1つ以上のインターフェース回路212に電気的に連結される、1つ以上のプロセッサ204を含む。プロセッサ204は、マイクロプロセッサのINTELPENTIUM(登録商標)ファミリからのマイクロプロセッサ等の任意の好適なプロセッサであり得る。メモリ208は、好ましくは、揮発性メモリおよび不揮発性メモリを含む。好ましくは、メモリ208は、本明細書に説明される実施形態に従って、必要な計算を行うことができ、および/または血液透析システム内の他のデバイスと相互作用する、ソフトウェアプログラム(例えば、Matlab、C++、Fortran等)を記憶する。本プログラムは、任意の好適な様式において、プロセッサ204によって、実行され得る。メモリ208はまた、別のコンピューティングデバイスから読み出され、および/または入力デバイス214を介して、ロードされる、文書、ファイル、プログラム、ウェブページ等を示す、デジタルデータを記憶し得る。
【0186】
インターフェース回路212は、イーサネット(登録商標)インターフェースおよび/またはユニバーサルシリアルバス(「USB」)インターフェース等の任意の好適なインターフェース規格を使用して、実装され得る。1つ以上の入力デバイス214が、データおよびコマンドをコンピューティングデバイス202に入力するために、インターフェース回路212に接続され得る。例えば、入力デバイス214は、キーボード、マウス、タッチスクリーン、トラックパッド、トラックボール、アイソポイント、および/または音声認識システムであり得る。
【0187】
1つ以上のディスプレイ、プリンタ、スピーカ、および/または他の出力デバイス216も、インターフェース回路212を介して、コンピューティングデバイス202に接続され得る。ディスプレイ216は、ブラウン管(「CRT」)、液晶ディスプレイ(「LCD」)、または任意の他のタイプのディスプレイであり得る。ディスプレイ216は、コンピューティングデバイス202の動作中、生成されるデータの視覚的表示を生成する。視覚的表示は、人的入力、ランタイム統計、測定された値、計算された値、データ等のためのプロンプトを含み得る。
【0188】
1つ以上の記憶デバイス218も、インターフェース回路212を介して、コンピューティングデバイス202に接続され得る。例えば、ハードドライブ、CDドライブ、DVDドライブ、および/または他の記憶デバイスが、コンピューティングデバイス202に接続され得る。記憶デバイス218は、任意のタイプの好適なデータを記憶し得る。
【0189】
コンピューティングデバイス202はまた、ネットワーク230への接続を介して、他のネットワークデバイス220とデータを交換し得る。ネットワーク接続は、イーサネット(登録商標)接続、デジタル加入者回線(「DSL」)、電話回線、同軸ケーブル等、任意のタイプのネットワーク接続であり得る。これによって、コンピューティングデバイス202は、所望の用途に応じて、好適な透析機械、患者データベース、および/または病院ネットワークと通信可能となる。
【0190】
(実施例)
限定ではなく、一例としての以下の実施例は、本開示の種々の実施形態の例証であり、さらに、本開示の実施形態によるシステムおよび方法によって行われる、実験的試験を例証する。
【0191】
(実施例1)
(目的)
本分析の目的は、臨床データを使用して、疑似的1コンパートメントモデルから、患者特定のパラメータ(例えば、K
MおよびV
PRE)を推定するための非線形最小2乗適合の手順を実証し、異なるHD治療モダリティにわたって、パラメータ推定の有効性を評価することとした。
【0192】
(疑似的1コンパートメントモデル)
疑似的1コンパートメントモデルの概念的説明は、
図11に示される。本モデルでは、リンは、分布容積とも呼ばれる、容積Vおよびリン濃度Cのコンパートメントから、透析装置によって除去される。分布容積は、血漿と平衡状態にあると仮定される。本コンパートメント内へのリン移行は、透析装置にアクセス可能でない体内のリンプールから生じる。これらのプールは、透析前血漿リン濃度(「C
PRE」)と等しい一定リン濃度を伴う大きなコンパートメントとして表される。分布容積内へのリン移行の速度は、リン移行クリアランス(「K
M」)によって乗算される、透析前血漿リンレベルと瞬間血漿リンレベルとの間の差異として、説明される。K
Mは、コンパートメント間物質移動係数に類似し、治療および透析後回復期間の間、一定であると仮定される。リン酸塩の残留腎クリアランスは、本実施例では、無視される。
【0193】
HD治療セッション中およびその直後のリン分布容積の容積およびリン濃度の変化は、式E−A1およびE−A2によって表される。
【0195】
式中、Θは、透析治療が、生じる(Θ=1)かまたは生じない(Θ=0)かを示す、変数である、K
Dは、透析装置リン酸塩クリアランスであり、Q
UFは、限外濾過(「UF」)速度である。上記動態モデルはまた、治療中に除去される全流体が、リンの分布容積からであると仮定する。
【0196】
時間依存血漿リン濃度に対する閉形式解析解は、式1および2を積分することによって、求めることができる。透析中(Θ=1)および回復(Θ=0)期間に対して、リン濃度の時間依存は、それぞれ、式E−A3およびE−A4によって示されるように、表すことができる。
【0198】
式中、V
PREは、透析前リンの分布容積であり、tは、治療中の時間であり、Tは、治療終了後の時間であり、t
txは、回復期間の前の治療の総持続時間である。また、リンの分布容積は、透析後回復期間の間、一定のままであると仮定される。
【0199】
(方法)
臨床データは、交差試験に参加した、5名の慢性血液透析患者から得た。患者は、1週間離して、短時間HD(「SHD」)治療セッションと従来のHD(「CHD」)治療セッションとを受けた。血液サンプルは、SHD中、t=0、60、90分において、CHD治療中、t=0、30、60、120、180分において、収集した。透析液サンプルは、治療開始後、60分において収集し、透析装置リン酸塩クリアランスを決定した。追加の血液サンプルが、治療終了後、t=10秒、2、10、30、60分において、収集した。血漿および透析液サンプルは、リンに対して検定された。
【0200】
患者特定のパラメータ(K
MおよびV
PRE)が、式3および4を使用して、臨床データに対する非線形最小2乗適合によって推定された。最小2乗適合は、科学的算出ソフトウェア(MATLABv2008a、Mathworks、Natick、MA、USA)を使用して行った。モデルは、SHDデータとCHDデータとに別個に適合され、各患者に対して、2組のK
MおよびV
PRE推定をもたらした。Q
UFは、患者の透析前体重と透析後体重との間の差異を総治療時間によって除算することによって計算された。透析装置リン酸塩クリアランスは、式E−A5に従って、計算され、式中、C
Dは、透析液流出物中のリンの濃度であり、Q
Dは、透析液流量である。
【0202】
各患者からの臨床データに対する非線形回帰が、
図12−16に提示される。
図12は、SHDおよびCHD治療セッション中の患者1に対するモデル化および測定された血漿リン濃度を示す。
図13は、SHDおよびCHD治療セッション中の患者2に対して、モデル化および測定された血漿リン濃度を示す。
図14は、SHDおよびCHD治療セッション中の患者3に対する、モデル化および測定された血漿リン濃度を示す。
図15は、SHDおよびCHD治療セッション中の患者4に対する、モデル化および測定された血漿リン濃度を示す。
図16は、SHDおよびCHD治療セッション中の患者5に対する、モデル化および測定された血漿リン濃度を示す。SHDおよびCHD治療セッション中、モデル化および測定された血漿リン濃度間の十分な一致があった。
【0203】
パラメータ推定の詳細な要約は、表II.1に提示される。パラメータ推定は、患者間で大きく変動したが、各患者に対して、SHDおよびCHD治療セッションから得られた推定は、類似していた。標準誤差(「SE」)の低い値は、パラメータ推定における高い精度を示す。
【0204】
これらの結果は、K
MおよびV
PREが、HD治療時間から独立した患者特定のパラメータであることを示唆する。したがって、週3回の従来の療法(3−4時間)から短時間毎日の療法(2−3時間)および夜間HD(6−10時間)療法に及ぶ、動態モデル予測が、従来のHD治療から推定されるK
MおよびV
PRE値を使用して、実行可能であり得る。
【0206】
(実施例2)
(目的)
本研究の目的は、従来の4時間血液透析治療からのデータを使用して、疑似的1コンパートメントモデルから、患者パラメータK
Mを推定するための単純方法の適用を実証し、非線形最小2乗適合を使用して、得られた結果との比較を介して、推定されるK
M値の正確性を評価することとした。
【0207】
(方法)
臨床データは、CHD治療を受けた、5名の慢性血液透析患者から得た。血液サンプルは、治療中、t=0、30、60、120、180分において、および治療終了後、10秒、2、10、30、60分において収集した。透析液サンプルは、治療開始から60分において収集し、透析装置リン酸塩クリアランスを決定した。血漿および透析液サンプルは、リンに対して検定された。
【0208】
K
Mは、式E−B1を使用して、各患者に対して算出し、式中、C
POSTは、透析後血漿リン濃度であり、K
Dは、透析装置リン酸塩クリアランスであり、Q
UFは、限外濾過速度または正味流体除去速度であり、C
PREは、透析前血漿リン濃度である。
【0210】
Q
UFは、患者の透析前体重と透析後体重との間の差異を総治療時間によって除算することによって計算された。透析装置リン酸塩クリアランスは、式E−B2によって従って計算され、式中、C
Dは、透析液流出物中のリンの濃度であり、Q
Dは、透析液流量である。
【0212】
式E−B1の正確性を評価するために、算出されたK
M値は、実施例1に説明されるように、血漿リンの10個の測定された透析中および透析後回復濃度に対して、非線形最小2乗適合を使用して得られた推定と比較された。
【0213】
(結果)
式E−B1を使用して算出された個々の患者に対するK
M値と、頻繁な測定に対して非線形最小2乗適合から推定された個々の患者に対するとK
M値は、透析前および透析後血漿リン濃度、限外濾過速度、ならびに透析装置リン酸塩クリアランスとともに、表II.2に提示される。式E−B1を使用して得られたK
M値と非線形最小2乗適合を使用して得られたK
M値との間に十分な一致があった。
【0214】
これらの結果は、式E−B1が、患者特定のK
Mの推定のために、血漿リン濃度の頻繁な測定に対して、非線形最小2乗適合を行う代替として使用することができることを示唆する。その単純代数ならびに透析前および透析後血液サンプルのみの利用によって、個々の患者ベースに、HD治療中のリン移行の動態を研究するための実践的方法となる。
【0216】
(実施例3)
(安定状態リン物質収支モデル)
(目的)
前述のように、発明者らは、血液透析(より一般的には、体外治療)および透析後回復期間の間、血清または血漿リン濃度の変化を説明するための動態モデルを提案する。本動態モデルは、1)血漿または血清中のリンの透析前濃度、2)リン酸塩の透析装置クリアランス、3)リンの分布容積、4)治療中に除去された流体の量、および5)患者特定のリン移行クリアランスの知識から、時間および総リン酸塩除去の関数として、透析中リン濃度の予測を可能にする。後述される安定状態リン物質収支モデルは、前の動態モデルと組み合わせて使用され、前述のパラメータ2−5が、確立され、週あたりの血液透析治療の頻度および血液透析治療持続時間が、処方され、リンの正味生成(以下に定義される)および残留腎臓または腎リンクリアランスがすべて、既知である場合、任意の血液透析治療処方下、個々の患者に対する透析前血清リン濃度の決定を可能にするであろう。代替として、前の動態モデルと組み合わせた安定状態リン物質収支モデルは、前述のパラメータ1−5が、確立され、週あたりの血液透析治療の頻度、血液透析治療持続時間、および残留腎臓リンクリアランスが、既知である場合、所与の患者に対して、リンの正味生成を決定するために使用することができる。他の物質収支モデルにおけるように、患者は、安定状態にあると仮定される。
【0217】
(安定状態物質収支モデル)
血液透析によって治療される患者に対して、時間平均期間、すなわち、1週間にわたって、安定状態リン物質収支を説明するために使用されるモデルは、
図17に図式的に示される。本モデルは、治療および透析後回復期間の間のリン動態を特性評価する、前述の動態モデルの一般化されたバージョンである。モデルは、リンが、単一の十分に混合したコンパートメント内に分布されると仮定する。
【0218】
その分布容積(「V」)内において、リンの濃度(「C」)変化をもたらす、いくつかの経路が存在する。リンの食事からの摂取量は、ほとんどが、食事のタンパク質から導出される。しかしながら、食物添加剤もまた、有意な量のリン酸塩を含有し得る。食事からのリン摂取量の量は、多くの場合、従来の週3回の血液透析によって除去され得るリン酸塩の量を超える。したがって、透析患者は、多くの場合、血清リン濃度を制御するために、経口リン酸塩結合剤を処方される。食事からのリン摂取量から、結合され、腸管吸収されないリン酸塩の量を差し引いたものが、組み合わされ、リンの正味生成(「G」)として、定義されることができる。本パラメータは、本モデルでは、定数であると仮定されるであろう。リンは、透析装置クリアランス(「K
D」)または残留腎または腎臓クリアランス(「K
R」)によって、直接、その分布容積から、除去されることができる。動態モデルにおいて前述されるように、リンはまた、瞬間と透析前(「C
PRE」)リン濃度との間の差異に比例する割合において、他のコンパートメントから移行され得る。比例パラメータは、リン移行クリアランス(「K
M」)と称される。リンはまた、臨界組織濃度(「C
t」)に応じて、組織に沈着され得る。本プロセスは、組織沈着クリアランス(「K
t」)として、モデル化されている。
【0219】
図17に示されるモデルは、血液透析患者内のリン分布のための全主要経路を識別するために考案された。しかしながら、複雑過ぎて、臨床的に有用ではない可能性が高く、簡略化が要求される。具体的には、リンの組織沈着は、他の経路と比較して、少ない可能性が高く、本物質収支モデルにおける第一近似として、無視することができる。
【0220】
図17に示されるモデルのための物質収支微分方程式(リンの組織沈着を無視する)は、以下となる。
【0222】
血液透析治療セッションは、週を通して対称的に配置されると仮定すると、1週間にわたって式E−C1を積分することは、治療の1つの完全サイクル(t
txの治療時間を伴う)および治療間の透析間間隔(T
iの時間を伴う)にわたって積分することに匹敵する。小文字tは、治療中の時間を示し、0からt
txまで変動する一方、Tは、透析間間隔の間の時間を示し、0からT
Iまで変動することに留意されたい。t
txおよびT
iの値は、関連し、週あたりの治療の数に依存する(前述の数学的分析は、一般的であり、週あたりの任意の数の血液透析治療セッションに適用される。ここでは、Fは、週あたりの治療の数を示す)。tおよびTが、時間単位で報告される場合、T
i=168/F-t
tx
となる。tおよびTが、分単位で報告される場合、T
i=10080/F−t
txとなる。本積分は、再整理後、式E−C2をもたらす。
【0224】
式中、Δ(CV)は、その分布容積内のリン質量の変化を示す。本式の左側の2番目の項は、移行経路を介して、V内に移動されたリンの(−)質量を示すことに留意されたい。
【0225】
さらに、患者は、安定状態にあって、および体内の総リン質量(すなわち、式E−C2の左側)が、治療および透析間間隔の1つの完全サイクルの間、変化しないと仮定すると、式E−C2の左側は、ゼロでなければならない。したがって、式E−C2は、安定状態において以下のようになる。
【0227】
本積分された物質収支式を使用するために、式E−C3における両方の積分を計算する必要がある。第一の積分は、治療中の時間期間にわたるものであり、第二の積分は、透析間間隔の間の時間期間にわたるものであることに留意されたい。
【0228】
式E−C3における積分を評価するために、発明者らは、2つのさらなる仮定を行った。第1に、発明者らは、治療および透析後回復期間の間のリン濃度の変化が、リンの正味生成が無視できる場合の前に提案された動態モデルによって説明できると仮定する。第2に、発明者らは、この同一動態モデルが、透析後回復期間だけではなく、透析間間隔全体の間のリン濃度の変化を説明すると仮定する。動態モデルを説明する式は、以下である。
【0230】
式E−C4は、解析的に解くことができる。治療中の血清リン濃度の時間依存性は、以下によって説明することができる。
【0232】
式中、流体は、分布容積が、治療を通して、その初期透析前値(「V
PRE」)から線形に減少するように、定率(「Q
UF」)において、患者から除去されると仮定されている。数学用語で述べると、以下となる。
【0234】
したがって、治療中に除去される全流体は、リンの分布容積から除去されると仮定される。
【0235】
回復期間(および、透析間間隔全体)の間、式E−C4は、有効のままであるが、K
Dは、ゼロである。患者が、分布容積が、その初期透析後値(「V
POST」)から線形に増加するように、透析間間隔の間、定率(「Q
WG」)において、流体を得ると仮定すると、透析間間隔の間の血清リン濃度の時間依存性を説明する解析解は、以下となる。
【0237】
ここで、透析間間隔の間の分布容積の時間依存性は、以下によって説明される。
【0239】
透析間間隔の間に得られた全流体は、リンの分布容積に閉じ込められると仮定されることに留意されたい。式E−C3における2つの積分は、今は、式E−C5およびE−C7を積分することによって求めることができる。透析治療中の正規化された時間平均血漿リン濃度
【0241】
は、式E−C5を積分することによって求められる。
【0243】
式E−C7の積分と、t=t
txである時の式E−C5からのC
POST/C
PREの計算は、透析間間隔に対する正規化された時間平均血漿リン濃度
【0247】
式E−C3、E−C9、およびE−C10が、組み合わせられると、安定状態におけるリン物質収支を支配する、結果として生じる式は、以下のように表すことができる。
【0249】
C
SS−PRE−INは、式E−C11を使用する、Gの計算の前の規定時間に対する、血液透析療法(例えば、K
D、F、およびt
txによって識別される)によって維持される血液透析患者の初期測定安定状態透析前血清リンレベルである。式E−C11は、透析前血清濃度が患者において測定されている場合、種々の治療および患者パラメータの知識を用いてGを予測するために使用することができる。
【0250】
Gが、式E−C11を使用して計算されるか、または他の方法によって推定されると、以下のように、式E−C11を再整理することによって、安定状態血清リン濃度に及ぼす、血液透析治療パラメータの変化の影響を予測することにおいて使用することができる。
【0252】
一般に、末期腎疾患を伴う患者内の透析前血清リンレベルの最適範囲が、存在する。したがって、式E−C12は、処方を最適化し、所望の透析前血清リン濃度を得るために使用することができる。血液透析処方または患者挙動(例えば、食事摂取量)の変化は、Gの変化につながり得ることに留意されたい。したがって、C
SS−PREを最適化するために、式E−C11およびE−C12の反復使用が必要であり得る。
【0253】
式E−C12は、種々の治療および患者パラメータの知識によって、透析前血清リン濃度を予測するために使用することができる。したがって、式E−C9からE−C12は、血液透析患者の安定状態リン物質収支を定義するものとして見なされ得る。
【0254】
式E−C5からE−C10は、治療中の無視可能な正味限外濾過または患者からの流体除去があり、治療間に体重増加がない場合、適用されない。治療中の無視可能な正味限外濾過があり、治療間に体重増加がない場合、式E−C5からE−C10は、以下となる。
【0257】
これらの条件下、式E−C11およびE−C12は、これらの修正された式と共に使用することができる。
【0258】
(用途)
式E−C9からE−C11は、実施例1および2において分析されたデータから、Gの患者特定の値を計算するために使用することができる。リン(「C
PRE」)の測定された透析前濃度と、従来の4時間治療中のそのデータからのGの計算値は、以下の表II.3に要約される。
【0260】
計算されたG値は、慢性血液透析患者内の期待されるリン正味生成率と一致する。
【0261】
式E−C9からE−C12はまた、透析前血清リン濃度に及ぼす、患者パラメータ(G、K
MおよびK
R)および治療パラメータ(t
tx、K
D、およびF)の影響をシミュレートするために使用することができる。いくつかの異なるシミュレーションが、例証されるであろう。K
Rは、これらのシミュレーションにおいてゼロであると仮定されるであろう。これらのシミュレーション実施例は、安定状態物質収支モデルが、医療文献から期待されるものに類似する結果を予測することを示す。
【0262】
週3回の血液透析に関連する条件下における治療時間の重要性は、臨床的関心が高い。したがって、発明者らは、同一透析用量または尿素Kt/Vにおいて、透析前血清リン濃度に及ぼす、治療時間の影響を検証した。発明者らは、週3回の血液透析中、安定状態血清リン濃度のコンピュータシミュレーションを行うために、前述のモデルを使用した。シミュレーションは、固定正味リン摂取量または生成率(食事からの摂取量から、経口結合剤による吸収を差し引く)、1.4の尿素Kt/V、およびリン酸塩の透析装置クリアランスと尿素との間の一定関係に対して行われた(すなわち、発明者らは、リン酸塩の透析装置クリアランスが、尿素に対するものの2分の1であり、リン分布容積が、尿素に対するものの3分の1であると仮定した)。
【0263】
シミュレートされる透析前血清リン濃度(mg/dl)は、異なるK
M、12Lの透析後リン分布容積、および2Lの治療あたりの正味流体除去を伴う仮説患者に対して、以下の表II.4に表化される。
【0265】
所与の患者に対して、所与の尿素Kt/Vにおおける治療時間の増加は、透析前血清リン濃度の軽度の低下をもたらした。類似所見は、1.0から2.0の尿素Kt/Vの他の値に対しても得られた(結果は示されない)。これらの予測は、透析用量または透析妥当性の唯一の尺度としての尿素Kt/Vの使用は、リン酸塩除去における差異の主要因とはならないことを示す。
【0266】
図18は、透析装置リン酸塩クリアランスの関数として、透析前血清リン濃度に及ぼす治療頻度それ自体の影響を例証しており、K
Mは、100ml/分に等しく、Vは、10Lと等しく、治療中、流体除去を伴わず、治療時間は、630分/週であり、リンの正味生成は、3g/週と一定を維持すると仮定した。透析装置リン酸塩クリアランスから独立して、週あたり3回から週あたり6回の治療頻度の増加に応じて、透析前血清リン濃度に比較的に均一な低下が存在する。低下の均一性は、驚きに値し、本図に示されるように、K
M=100ml/分の場合、0.98から1.00に変動した(100から200ml/分における透析装置リン酸塩クリアランスに対して)。濃度の比較的に均一な低下はまた、50、150、および200ml/分のK
Mに対しても明確である(データは、示されない)。透析前血清リン濃度のそれぞれの低下は、1.67−1.84(K
M=50ml/分)、0.60−0.63(K
M=150ml/分)、および0.40−0.43(K
M=200ml/分)であった。
【0267】
図19は、夜間形態の血液透析を参照して、治療時間および頻度の増加の影響を例証する。週あたり3回の療法中の治療時間を2倍にすることは、透析前血清リン濃度の実質的低下をもたらす。これらの低下が、
図18におけるように、同一の週あたりの治療時間における治療頻度を2倍にするためのものと比較されると、治療時間を2倍にすること(同一治療頻度において)は、頻度を2倍にすること(同一週あたりの治療時間において)より透析前血清リン濃度に実質的影響を及ぼすと結論付けることができる。治療時間および治療頻度の両方を2倍にすることは、透析前血清リン濃度をさらに低下させる。
【0268】
以前の臨床研究は、短時間の毎日の血液透析によって治療される患者が、多くの場合、より高い率のタンパク異化(または、タンパク態窒素の発現)と、タンパク質およびリン両方のより高い食事からの摂取量を有していることを示している。タンパク態窒素の発現率の増加は、約20%であると報告されている。したがって、発明者らは、リンの正味生成が、従来の週あたり3回の血液透析療法中より30%を超えて増加する場合、透析前血清リン濃度に及ぼす、短時間の毎日の血液透析に関連する治療頻度および治療時間の増加の影響を評価した。週あたりの6Lの流体除去を伴う10Lの透析後リン分布容積を仮定する、これらの結果は、K
M=50ml/分に対しては、
図20−21に、K
M=150ml/分に対しては、
図22−23に示される。期待されるように、透析前血清リン濃度は、より低いK
M値に対してより高かった。K
M、透析装置リン酸塩クリアランス(「K
D」)、ならびに治療頻度および治療時間間の相互作用は、リンの正味生成が、増加されると、複雑である。SDHDの療法中のリンの正味生成が、20%増加した場合の従来の週あたり3回の血液透析(「CHD」)中および短時間の毎日の血液透析(「SDHD」)中の透析前血清リン濃度(mg/dl)のいくつかの具体的値は、表II.5に表化される。
【0270】
週あたりの治療時間の増加は伴わない(CHDおよびSDHDとも120分の治療時間)血液透析治療セッション頻度の増加は、透析装置リン酸塩クリアランスおよび患者特定のK
Mの両方に応じて、透析前血清リン濃度に増加または減少のいずれかをもたらし得る。さらに、透析装置リン酸塩クリアランスの低下を伴う短時間の毎日の血液透析は、治療時間が、実質的に増加しない限り、透析前血清リン濃度に減少をもたらなさない。発明者らは、短時間の毎日の血液透析中の透析装置リン酸塩クリアランスおよび治療時間の両方の増加が、透析前血清リン濃度の臨床的に有意な低下をもたらし得ると結論付ける。
【0271】
本安定状態物質収支モデルの使用のさらなる実施例は、頻繁な夜間血液透析(例えば、週あたり6回、治療あたり8時間)中の最適血液透析処方を決定するためのその用途である。本療法中、K
Dsは、多くの場合、透析前血清リン濃度を最適範囲内に維持するために、リン酸塩補給剤を透析溶液に添加することによって、実験的に低下される。しかしながら、最適K
Dを決定するための定量的指針は存在しない。発明者らは、前述のモデルを使用して、透析前血清リン濃度を3.6−5.0mg/dlのDialysis Outcomes and Practice Patters Study(「DOPPS」)によって推奨される範囲内に維持するK
Dを決定した。コンピュータシミュレーションが、所与の食事からのリン摂取量(例えば、経口結合剤を使用しないと仮定する)、12Lの透析後リン分布容積、および1Lの治療あたり正味流体除去に対して、行われた。
【0272】
安定状態における異なるK
Mを伴う仮説患者に対して、3.6から5.0mg/dlの透析前血清リン濃度を維持するためのK
D(ml/分)の計算された範囲は、表II.6に表化される。
【0274】
これらのシミュレーションは、リンの食事からの摂取量および患者特定のK
Mの両方に応じて、K
Dの個別化が、頻繁な夜間血液透析中に要求されることを実証する。
【0275】
(本開示のさらなる側面)
本明細書に説明される主題の側面は、単独で、または本明細書に説明される1つ以上の他の側面と組み合わせて、有用となり得る。前述の説明を限定するわけではないが、本開示の第1の側面では、腎不全血液療法システムは、腎不全血液療法機械と、患者の血液から溶質を除去するために、腎不全血液療法機械によって治療される患者のための療法処方と、複数の時間の各々における溶質の濃度レベルを決定するための、試験療法中の複数の時間に採取された複数の血液サンプルを含む、試験と、(i)少なくとも1つの推定患者パラメータを推定するために、溶質の濃度レベルのうちの少なくとも1つを伴う第1の事例、および(ii)療法処方のための療法持続時間、療法頻度、透析液流量、または血液流量のうちの少なくとも1つを決定するために、溶質に対する少なくとも1つの推定患者パラメータおよび所望の療法結果を伴う第2の事例において、溶質に対する動態モデルを使用するようにプログラムされたデバイスとを含む。
【0276】
本明細書の任意の他の側面と使用され得る第2の側面では、療法処方は、腎不全血液療法機械のメモリ内に記憶される。
【0277】
本明細書の任意の他の側面と使用され得る第3の側面では、(i)腎不全血液療法機械は、在宅血液透析機械である、(ii)デバイスは、医師コンピュータを含む、または(iii)在宅血液透析機械は、医師コンピュータとデータネットワーク通信する、のうちの少なくとも1つである。
【0278】
本明細書の任意の他の側面と使用され得る第4の側面では、第1の事例におけるデバイスは、少なくとも1つの推定患者パラメータを推定するために、溶質の濃度レベルの各々を使用するようにプログラムされる。
【0279】
本明細書の任意の他の側面と使用され得る第5の側面では、第1の事例は、少なくとも1つの推定患者パラメータを推定するために、溶質の濃度レベルの組み合わせを使用するようにプログラムされる。
【0280】
第6の側面では、本明細書の任意の他の側面と使用され得る第1の事例は、複数の異なる推定患者パラメータを推定するために、溶質の濃度レベルのうちの少なくとも1つを使用するようにプログラムされる。
【0281】
本明細書の任意の他の側面と使用され得る第7の側面では、第1の事例におけるデバイスは、所望の療法結果を充足する、複数の療法持続時間および療法頻度の組み合わせを決定するために、溶質に対する少なくとも1つの推定患者パラメータおよび所望の療法結果を使用するようにプログラムされる。
【0282】
本明細書の任意の他の側面と使用され得る第8の側面では、満足のゆく療法持続時間および療法頻度の組み合わせのうちの少なくとも1つは、腎不全血液療法機械との使用のために選択される。
【0283】
本明細書の任意の他の側面と使用され得る第9の側面では、少なくとも1つの推定患者パラメータは、生成率(G)、細胞拡散係数(K
IC)、および溶質分布容積(V
D)から成る群から選択される。
【0284】
第10の側面では、本明細書の任意の他の側面と使用され得るデバイスは、加えて、(i)または(ii)のうちの少なくとも1つを行う際、少なくとも1つの入力された機械動作パラメータを使用するようにプログラムされる。
【0285】
第10および本明細書の任意の他の側面と使用され得る第11の側面では、少なくとも1つの機械動作パラメータは、血液流量、透析液流量、透析液総容積、限外濾過流量、および限外濾過容積から成る群から選択される。
【0286】
本明細書の任意の他の側面と使用され得る第12の側面では、溶質は、第1の溶質であり、動態モデルは、第1の動態モデルであり、複数の溶質および対応する動態モデルを含み、デバイスは、(i)少なくとも1つの推定患者パラメータを推定するために、対応する溶質の濃度レベルのうちの少なくとも1つを伴う第1の事例、および(ii)療法処方のための療法持続時間または療法頻度のうちの少なくとも1つを決定するために、対応する溶質に対する少なくとも1つの推定患者パラメータおよび所望の療法結果を伴う第2の事例において、動態モデルのそれぞれを使用するようにプログラムされる。
【0287】
第12および本明細書の任意の他の側面と使用され得る第13の側面では、デバイスはさらに、オペレータに、どの溶質、対応する動態モデル、および所望の療法結果を(ii)に含むかを選択させるようにプログラムされる。
【0288】
第12および本明細書の任意の他の側面と使用され得る第14の側面では、溶質のうちの1つは、リン酸塩であり、その対応する動態モデルは、瞬間と療法あたりのリン酸塩濃度との間の差異に比例するリン酸塩の移行を仮定する。
【0289】
本明細書の任意の他の側面と使用され得る第15の側面では、デバイスは、(i)少なくとも1つの推定患者パラメータを推定するために、溶質の濃度レベルのうちの少なくとも1つを伴う第1の事例、および(ii)パラメータに対する療法結果を予測するために、少なくとも1つの推定患者パラメータおよび療法持続時間または療法頻度のうちの少なくとも1つを伴う第2の事例において、溶質に対する動態モデルを使用するようにプログラムされる。
【0290】
本明細書の任意の他の側面と使用され得る第16の側面では、デバイスはさらに、オペレータに、どの溶質、対応する動態モデル、および所望の療法結果を第15の側面の(ii)に含むかを選択させるようにプログラムされる。
【0291】
本明細書の任意の他の側面と使用され得る第17の側面では、デバイスは、少なくとも1つの推定患者パラメータを推定するために、溶質の濃度レベルのうちの少なくとも1つを伴う第1の事例において、溶質に対する動態モデルを使用するようにプログラムされ、デバイスはさらに、ユーザに、(i)パラメータに対する療法結果を予測するために、少なくとも1つの推定患者パラメータおよび療法持続時間または療法頻度のうちの少なくとも1つを伴う第2の事例において、または(ii)療法処方のための療法持続時間、療法頻度、透析液流量、または血液流量のうちの少なくとも1つを決定するために、溶質に対する少なくとも1つの推定患者パラメータおよび所望の療法結果を伴う第2の事例において、溶質に対する動態モデルを使用することを選択させるようにプログラムされる。
【0292】
本明細書の任意の他の側面と使用され得る第18の側面では、デバイスは、(i)少なくとも1つの推定患者パラメータを推定するために、溶質の濃度レベルのうちの少なくとも1つを伴う第1の事例、および(ii)療法処方のための療法持続時間、療法頻度、透析液流量、または血液流量のうちの少なくとも1つを決定するために、溶質に対する少なくとも1つの推定患者パラメータおよび所望の療法結果を伴う第2の事例において、溶質に対する動態モデルを使用するようにプログラムされる、処理およびメモリを含む。
【0293】
本明細書の任意の他の側面と使用され得る第19の側面では、デバイスは、(i)少なくとも1つの推定患者パラメータを推定するために、溶質の濃度レベルのうちの少なくとも1つを伴う第1の事例、および(ii)パラメータに対する療法結果を予測するために、少なくとも1つの推定患者パラメータおよび療法持続時間または療法頻度のうちの少なくとも1つを伴う第2の事例において、溶質に対する動態モデルを使用するようにプログラムされる、処理およびメモリを含む。
【0294】
本明細書の任意の他の側面と使用され得る第20の側面では、デバイスは、少なくとも1つの推定患者パラメータを推定するために、溶質の濃度レベルのうちの少なくとも1つを伴う第1の事例において、溶質に対する動態モデルを使用するようにプログラムされる、処理およびメモリを含み、デバイスはさらに、ユーザに、(i)パラメータに対する療法結果を予測するために、少なくとも1つの推定患者パラメータおよび療法持続時間または療法頻度のうちの少なくとも1つを伴う第2の事例において、または(ii)療法処方のための療法持続時間、療法頻度、透析液流量、または血液流量のうちの少なくとも1つを決定するために、溶質に対する少なくとも1つの推定患者パラメータおよび所望の療法結果を伴う第2の事例において、溶質に対する動態モデルを使用することを選択させるようにプログラムされる。
【0295】
本明細書の任意の他の側面と使用され得る第21の側面では、溶質に対する濃度レベルは、患者の複数の物理的特性に基づいて、患者に対して推定される。
【0296】
本明細書の任意の他の側面と使用され得る第22の側面では、腎不全療法と併用するための方法は、(i)患者を試験し、試験の結果および腎不全療法によって除去された溶質に対する動態モデルを使用して、患者特定のパラメータを計算すること、(ii)患者特定のパラメータおよび機械動作パラメータを動態モデルに入力することによって、溶質に対する値を計算すること、または(iii)患者特定のパラメータおよび溶質に対する値を動態モデルに入力することによって、機械動作パラメータを計算することを含む。
【0297】
本明細書の任意の他の側面と使用され得る第23の側面では、血液透析中の患者内の血清リン濃度を予測する方法は、(i)血液透析治療セッション時間にわたる患者の血清リン濃度(「C」)と、初期血液透析治療セッション中の患者の透析前体重と透析後体重との間の差異を治療セッションの総治療時間によって除算することによって計算される、限外濾過速度(「Q
UF」)とを測定することと、(ii)以下の式に非線形最小2乗適合を使用して、患者に対するK
MおよびV
PREを推定することであって、
【0299】
式中、tは、血液透析治療セッション中の時間であり、Tは、血液透析治療セッションの終了後の時間であり、t
txは、血液透析治療セッションの総持続時間であり、C
PREは、透析前血漿リン濃度であり、C
POSTは、透析後血漿リン濃度であり、K
Mは、患者のリン移行クリアランスであり、K
Rは、リン酸塩の残留腎クリアランスであり、K
Dは、透析装置リン酸塩クリアランスであり、V
PREは、患者のリンの透析前分布容積であり、V(t)=V
PRE−Q
UF×t(1−C)である、ことと、患者の推定されたK
MおよびV
PREと、式1および式2を使用することによって、任意の血液透析治療セッション中の任意の時間において、患者のCを予測することとを含む。
【0300】
第23および本明細書の任意の他の側面と使用され得る第24の側面では、K
Dは、以下の式を使用して決定され、
【0302】
式中、Q
Bは、血液流量であり、Q
Dは、透析流量であり、K
OAは、以前の測定の結果として得られたリン酸塩に対する透析装置総括物質移動面積係数であり、一組の血液流量Q
B,Mおよび透析液流量Q
D,Mは、透析装置クリアランスK
D,Mをもたらし、Hctは、患者の血液サンプルから測定されたヘマトクリット値である。
【0303】
第23および本明細書の任意の他の側面と使用され得る第25の側面では、K
Dは、以下の式を使用して、任意の時間tに対して決定され、
【0305】
式中、t
sは、サンプリング時間であり、C
D(t
s)は、時間t
sにおける透析液流出物内のリンの濃度であり、Q
D(t
s)は、時間t
sにおける透析液流量であり、C(t
s)は、時間t
sにおける血清リン濃度である。
【0306】
第23および本明細書の任意の他の側面と使用され得る第26の側面では、K
Mは、以下の式
【0309】
第23および本明細書の任意の他の側面と使用され得る第27の側面では、患者のCは、血液透析治療セッション中、15または30分毎に測定される。
【0310】
第23および本明細書の任意の他の側面と使用され得る第28の側面では、t
txは、2、4、または8時間である。
【0311】
第23および本明細書の任意の他の側面と使用され得る第29の側面では、Tは、30分または1時間である。
【0312】
第23および本明細書の任意の他の側面と使用され得る第30の側面では、V
POSTは、以下の式
【0314】
を使用して決定され、療法は、V
POSTの値に基づいて、提供することができる。
【0315】
本明細書の任意の他の側面と使用され得る第31の側面では、血液透析中の患者内の血清リン濃度を予測する方法は、初期血液透析治療セッション中の限外濾過速度(「Q
UF」)=0に対して、血液透析治療セッション時間にわたって、患者の血清リン濃度(「C」)を測定することと、以下の式に非線形最小2乗適合を使用して、患者に対するK
MおよびV
PREを推定することであって、
【0317】
式中、tは、血液透析治療セッション中の時間であり、Tは、血液透析治療セッションの終了後の時間であり、t
txは、血液透析治療セッションの総持続時間であり、C
PREは、透析前血漿リン濃度であり、C
POSTは、透析後血漿リン濃度であり、K
Mは、患者のリン移行クリアランスであり、K
Rは、リン酸塩の残留腎クリアランスであり、K
Dは、透析装置リン酸塩クリアランスであり、V
PREは、患者のリンの透析前分布容積である、ことと、患者の推定されたK
MおよびV
PREと、式3および式4を使用することによって、任意の血液透析治療セッション中の任意の時間において、患者のCを予測することとを含む。
【0318】
本明細書の任意の他の側面と使用され得る第32の側面では、コンピューティングデバイスは、ディスプレイデバイスと、入力デバイスと、プロセッサと、複数の命令を記憶するメモリデバイスとを含み、複数の命令は、プロセッサによって実行されると、(a)血液透析治療セッション時間にわたる血液透析患者の血清リン濃度(「C」)に関連するデータと、治療セッションの総治療時間によって除算される、血液透析治療セッション中の血液透析患者の透析前体重と透析後体重との間の差異によって計算される限外濾過速度(「Q
UF」)とを受信することと、(b)以下の式に対して、非線形最小2乗適合を使用して、患者に対するK
MおよびV
PREを推定することであって、
【0320】
式中、tは、血液透析治療セッション中の時間であり、Tは、血液透析治療セッションの終了後の時間であり、t
txは、血液透析治療セッションの総持続時間であり、C
PREは、透析前血漿リン濃度であり、C
POSTは、透析後血漿リン濃度であり、K
Mは、患者のリン移行クリアランスであり、K
Rは、リン酸塩の残留腎クリアランスであり、K
Dは、透析装置リン酸塩クリアランスであり、V
PREは、血液透析患者のリンの透析前分布容積である、ことと、(c)式3−Aおよび患者の推定されたK
MおよびV
PREを使用することによって、血液透析中の任意の時間において、患者のCを予測することとをおこなうように、プロセッサに、ディスプレイデバイスおよび入力デバイスと共に動作させる。
【0321】
第32および本明細書の任意の他の側面と使用され得る第33の側面では、Q
UF=0の場合、
【0324】
第32および本明細書の任意の他の側面と使用され得る第34の側面では、プロセッサは、ディスプレイデバイスおよび入力デバイスと共に動作し、K
R、K
D、または血清リン濃度を収集するためのサンプリング時間のうちの少なくとも1つに関連するデータを受信する。
【0325】
本明細書の任意の他の側面と使用され得る第35の側面では、血液透析患者における安定状態透析前血清リンレベルを決定する方法は、血液透析患者のリンの正味生成(「G」)を得ることと、以下の式を使用して、血液透析患者の安定状態透析前血清リンレベル(「C
SS−PRE」)を決定することであって、
【0327】
式中、Fは、週あたりの治療の頻度であり、t
txは、1回の血液透析治療セッションに対する治療時間であり、K
Dは、透析装置リン酸塩クリアランスであり、K
Rは、リン酸塩の残留腎クリアランスであり、
【0329】
は、透析治療中の正規化された時間平均血漿リン濃度であり、
【0331】
は、透析間間隔の間の正規化された時間平均血漿リン濃度である、ことと、血液透析患者のC
SS−PREに及ぼす、患者パラメータまたは治療パラメータのうちの少なくとも1つの影響をシミュレートすることとを含む。
【0332】
第35および本明細書の任意の他の側面と使用され得る第36の側面では、
【0336】
式中、K
Mは、患者のリン移行クリアランスであり、Q
WGは、透析間時間間隔の間、患者による流体増加の定率であり、Q
UFは、患者から除去される、流体の定率であり、V
PREは、血液透析治療セッション前の患者のリンの透析前分布容積であり、V
POSTは、血液透析治療セッション終了時の患者のリンの透析後値である。
【0337】
第35および本明細書の任意の他の側面と使用され得る第37の側面では、正味限外濾過または血液透析療法中の患者からの流体除去が無視可能であり、血液透析療法間の体重増加がなく、Q
UF=0であり、
【0341】
式中、K
Mは、患者のリン移行クリアランスであり、V
PREは、血液透析治療セッション前の患者のリンの透析前分布容積であり、V
POSTは、血液透析治療セッション終了時の患者のリンの透析後値である。
【0342】
第35および本明細書の任意の他の側面と使用され得る第38の側面では、患者パラメータは、G、K
M、またはV
PREであり、治療パラメータは、t
tx、K
D、またはFである。
【0343】
第35および本明細書の任意の他の側面と使用され得る第39の側面では、Gは、以下の式を使用して、計算され、
【0345】
式中、C
SS−PRE−INは、式5を使用するGの計算の前の規定時間に対する、K
D、F、およびt
txによって識別される、血液透析療法によって維持される血液透析患者の初期測定安定状態透析前血清リンレベルであり、Fは、週あたりの治療の頻度であり、t
txは、1回の血液透析治療セッションに対する治療時間であり、K
Dは、透析装置リン酸塩クリアランスであり、K
Rは、リン酸塩の残留腎クリアランスであり、
【0347】
は、透析治療中の正規化された時間平均血漿リン濃度であり、
【0349】
は、透析間間隔の間の正規化された時間平均血漿リン濃度である。
【0350】
第35および本明細書の任意の他の側面と使用され得る第40の側面では、Gは、以下の式を使用して決定され、
【0352】
式中、I
Pは、血液透析患者のリンの週あたりの食事からの摂取量であり、A
Pは、血液透析患者の%リン吸収であり、I
Bは、血液透析患者の週あたりの結合剤摂取量であり、P
Bは、結合剤の結合力である。
【0353】
第35および本明細書の任意の他の側面と使用され得る第41の側面では、方法は、血液透析患者のC
SS−PREが、約3.6mg/dlから5.0mg/dlの範囲にあるように、リン摂取量のレベルを決定する。
【0354】
第35および本明細書の任意の他の側面と使用され得る第41の側面では、方法は、血液透析患者のC
SS−PREが、約3.6mg/dlから5.0mg/dlの範囲にあるように、患者に投与されるリン結合剤を決定する。
【0355】
第35および本明細書の任意の他の側面と使用され得る第42の側面では、方法は、血液透析患者のC
SS−PREが、約3.6mg/dlから5.0mg/dlの範囲にあるように、総血液透析治療セッション時間を決定する。
【0356】
第35および本明細書の任意の他の側面と使用され得る第43の側面では、方法は、血液透析患者のC
SS−PREが、約3.6mg/dlから5.0mg/dlの範囲にあるように、頻度Fを決定する。
【0357】
第35および本明細書の任意の他の側面と使用され得る第44の側面では、方法は、血液透析患者のC
SS−PREが、約3.6mg/dlから5.0mg/dlの範囲にあるように、要求される血液流量および/または透析液流量を決定する。
【0358】
第35および本明細書の任意の他の側面と使用され得る第45の側面では、方法は、血液透析患者のC
SS−PREが、約3.6mg/dlから5.0mg/dlの範囲にあるように、透析液に添加されるリン塩補給剤の量を決定する。
【0359】
本明細書の任意の他の側面と使用され得る第46の側面では、コンピューティングデバイスは、ディスプレイデバイスと、入力デバイスと、プロセッサと、複数の命令を記憶するメモリデバイスとを含み、複数の命令は、プロセッサによって実行されると、(a)少なくとも、血液透析患者の食事からのリン摂取量または血液透析患者の尿素動態モデルから、リンの正味生成(「G」)に関連するデータを受信することと、(b)以下の式を使用して、患者の安定状態透析前血清リンレベル(「C
SS−PRE」)を決定することであって、
【0361】
式中、Fは、週あたりの治療の頻度であり、t
txは、1回の血液透析治療セッションに対する治療時間であり、K
Dは、透析装置リン酸塩クリアランスであり、K
Rは、リン酸塩の残留腎クリアランスであり、
【0363】
は、透析治療中の正規化された時間平均血漿リン濃度であり、および
【0365】
は、透析間間隔の間の正規化された時間平均血漿リン濃度である、ことと、(c)血液透析患者のC
SS−PREに及ぼす、患者パラメータまたは治療パラメータのうちの少なくとも1つの影響をシミュレートすることとを行うように、プロセッサに、ディスプレイデバイスおよび入力デバイスと共に動作させる。
【0366】
第46および本明細書の任意の他の側面と使用され得る第47の側面では、プロセッサは、ディスプレイデバイスおよび入力デバイスと共に動作し、血液透析治療セッションまたは血清リン濃度を収集するためのサンプリング時間の約1ヶ月前に、K
R、K
D、K
M、V
PRE、t
tx、F、C
PREのうちの少なくとも1つに関連するデータを受信する。
【0367】
第46および本明細書の任意の他の側面と使用され得る第48の側面では、コンピューティングデバイスは、C
SS−PREが、所望の範囲内にあるように、血液透析患者の治療計画を表示する。
【0368】
第46および本明細書の任意の他の側面と使用され得る第49の側面では、コンピューティングデバイスはさらに、(a)以下の式を使用して、リンの正味生成(「G」)を決定し、
【0370】
(b)以下の式を使用して、血液透析患者の安定状態透析前血清リンレベル(「C
SS−PRE」)を予測し、
【0372】
(c)血液透析患者のC
SS−PREに及ぼす、患者パラメータまたは治療パラメータのうちの少なくとも1つの影響をシミュレートする。
【0373】
本明細書で説明される現在好ましい実施形態への種々の変更および修正が、当業者に明白となることを理解されたい。そのような変更および修正は、本主題の精神および範囲から逸脱することなく、およびその意図された利点を軽減することなく行うことができる。したがって、そのような変更および修正は、添付する特許請求の範囲に包含されることを意図する。
本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
血液透析中の患者内の血清リン濃度を予測する方法であって、
前記方法は、
血液透析治療セッション時間にわたる前記患者の血清リン濃度(「C」)と、限外濾過速度(「Q
UF」)とを測定することであって、前記限外濾過速度は、初期血液透析治療セッション中の前記患者の透析前体重と透析後体重との間の差異が前記治療セッションの総治療時間によって除算されることによって計算される、ことと、
以下の式に非線形最小2乗適合を使用して、前記患者に対するK
MおよびV
PREを推定することであって、
【数82】
式中、tは、前記血液透析治療セッション中の時間であり、
Tは、前記血液透析治療セッションの終了後の時間であり、
t
txは、前記血液透析治療セッションの総持続時間であり、
C
PREは、透析前血漿リン濃度であり、
C
POSTは、透析後血漿リン濃度であり、
K
Mは、前記患者のリン移行クリアランスであり、
K
Rは、リン酸塩の残留腎クリアランスであり、
K
Dは、透析装置リン酸塩クリアランスであり、
V
PREは、前記患者のリンの透析前分布容積であり、
【数83】
である、ことと、
前記患者の推定されたK
MおよびV
PREと、前記式1−Aおよび1−Bとを使用することによって、任意の血液透析治療セッション中の任意の時間における前記患者のCを予測することと
を含む、方法。
(項目2)
K
Dは、以下の式を使用して決定され、
【数84-1】
式中、
【数84-2】
Q
Bは、血液流量であり、
Q
Dは、透析流量であり、
K
OAは、以前の測定の結果として得られたリン酸塩に対する透析装置総括物質移動面積係数であり、一組の血液流量Q
B,Mおよび透析液流量Q
D,Mは、透析装置クリアランスK
D,Mをもたらし、
Hctは、患者の血液サンプルから測定されたヘマトクリット値である、
項目1に記載の方法。
(項目3)
K
Dは、以下の式を使用して、任意の時間tに対して決定され、
【数85】
式中、t
sは、サンプリング時間であり、
C
D(t
s)は、時間t
sにおける透析液流出物内のリンの濃度であり、
Q
D(t
s)は、時間t
sにおける透析液流量であり、
C(t
s)は、時間t
sにおける血清リン濃度である、
項目1に記載の方法。
(項目4)
K
Mは、以下の式を使用して決定される、
【数86】
項目1に記載の方法。
(項目5)
前記患者のCは、前記血液透析治療セッション中、15分毎に測定される、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記患者のCは、前記血液透析治療セッション中、30分毎に測定される、項目1に記載の方法。
(項目7)
t
txは、2時間である、項目1に記載の方法。
(項目8)
t
txは、4時間である、項目1に記載の方法。
(項目9)
t
txは、8時間である、項目1に記載の方法。
(項目10)
Tは、30分である、項目1に記載の方法。
(項目11)
Tは、1時間である、項目1に記載の方法。
(項目12)
以下の式を使用して、V
POSTを決定することと、
【数87】
V
POSTの値に基づいて、前記患者に療法を提供することと
を含む、項目1に記載の方法。
(項目13)
血液透析中の患者内の血清リン濃度を予測する方法であって、
前記方法は、
初期血液透析治療セッション中の限外濾過速度(「Q
UF」)=0に対して、血液透析治療セッション時間にわたる前記患者の血清リン濃度(「C」)を測定することと、
以下の式に非線形最小2乗適合を使用して、前記患者に対するK
MおよびV
PREを推定することであって、
【数88】
式中、tは、前記血液透析治療セッション中の時間であり、
Tは、前記血液透析治療セッションの終了後の時間であり、
t
txは、前記血液透析治療セッションの総持続時間であり、
C
PREは、透析前血漿リン濃度であり、
C
POSTは、透析後血漿リン濃度であり、
K
Mは、前記患者のリン移行クリアランスであり、
K
Rは、リン酸塩の残留腎クリアランスであり、
K
Dは、透析装置リン酸塩クリアランスであり、
V
PREは、前記患者のリンの透析前分布容積である、ことと、
前記患者の推定されたK
MおよびV
PREと、前記式2−Aおよび2−Bとを使用することによって、任意の血液透析治療セッション中の任意の時間における前記患者のCを予測することと
を含む、方法。
(項目14)
K
Dは、以下の式を使用して決定され、
【数89-1】
式中、
【数89-2】
【数90】
Q
Bは、血液流量であり、
Q
Dは、透析流量であり、
K
OAは、以前の測定の結果として得られたリン酸塩に対する透析装置総括物質移動面積係数であり、一組の血液流量Q
B,
Mおよび透析液流量Q
D,
Mは、透析装置クリアランスK
D,
Mをもたらし、
Hctは、患者の血液サンプルから測定されたヘマトクリット値である、
項目13に記載の方法。
(項目15)
K
Dは、以下の式を使用して、任意の時間tに対して決定され、
【数91】
式中、t
sは、サンプリング時間であり、
C
D(t
s)は、時間t
sにおける透析液流出物内のリンの濃度であり、
Q
D(t
s)は、時間t
sにおける透析液流量であり、
C(t
s)は、時間t
sにおける血清リン濃度である、
項目13に記載の方法。
(項目16)
K
Mは、以下の式を使用して決定される、
【数92】
項目13に記載の方法。
(項目17)
前記患者のCは、前記血液透析治療セッション中、15分毎に測定される、項目13に記載の方法。
(項目18)
前記患者のCは、前記血液透析治療セッション中、30分毎に測定される、項目13に記載の方法。
(項目19)
t
txは、2時間である、項目13に記載の方法。
(項目20)
t
txは、4時間である、項目13に記載の方法。
(項目21)
t
txは、8時間である、項目13に記載の方法。
(項目22)
Tは、30分である、項目13に記載の方法。
(項目23)
Tは、1時間である、項目13に記載の方法。
(項目24)
以下の式を使用して、V
POSTを決定することと、
【数93】
V
POSTの値に基づいて、前記患者に療法を提供することと
を含む、項目13に記載の方法。
(項目25)
コンピューティングデバイスであって、
ディスプレイデバイスと、
入力デバイスと、
プロセッサと、
複数の命令を記憶しているメモリデバイスと
を備え、
前記複数の命令は、前記プロセッサによって実行されると、
(a)血液透析治療セッション時間にわたる前記患者の血清リン濃度(「C」)と、限外濾過速度(「Q
UF」)とに関連するデータを受信することであって、前記限外濾過速度は、初期血液透析治療セッション中の前記患者の透析前体重と透析後体重との間の差異が前記治療セッションの総治療時間によって除算されることによって計算される、ことと、
(b)以下の式に非線形最小2乗適合を使用して、前記患者に対するK
MおよびV
PREを推定することであって、
【数94】
式中、tは、前記血液透析治療セッション中の時間であり、
Tは、前記血液透析治療セッションの終了後の時間であり、
t
txは、前記血液透析治療セッションの総持続時間であり、
C
PREは、透析前血漿リン濃度であり、
C
POSTは、透析後血漿リン濃度であり、
K
Mは、前記患者のリン移行クリアランスであり、
K
Rは、リン酸塩の残留腎クリアランスであり、
K
Dは、透析装置リン酸塩クリアランスであり、
V
PREは、前記患者のリンの透析前分布容積である、ことと、
(c)前記患者の推定されたK
MおよびV
PREと、前記式3−Aとを使用することによって、血液透析治療中の任意の時間における前記患者のCを予測することと
を行うように、前記プロセッサに、前記ディスプレイデバイスおよび前記入力デバイスと共に動作させる、コンピューティングデバイス。
(項目26)
Q
UF=0である場合、
【数95】
である、項目25に記載のコンピューティングデバイス。
(項目27)
前記プロセッサは、前記ディスプレイデバイスおよび前記入力デバイスと共に動作し、K
R、K
D、または前記血清リン濃度を収集するためのサンプリング時間のうちの少なくとも1つに関連するデータを受信する、項目25に記載のコンピューティングデバイス。(項目28)
血液透析患者における安定状態透析前血清リンレベルを決定する方法であって、
前記血液透析患者のリンの正味生成(「G」)を得ることと、
以下の式を使用して、前記血液透析患者の安定状態透析前血清リンレベル(「C
SS−PRE」)を決定することであって、
【数96】
式中、Fは、週あたりの治療の頻度であり、
t
txは、1回の血液透析治療セッションに対する治療時間であり、
K
Dは、透析装置リン酸塩クリアランスであり、
K
Rは、リン酸塩の残留腎クリアランスであり、
【数97】
は、透析治療中の正規化された時間平均血漿リン濃度であり、
【数98】
は、透析間間隔の間の正規化された時間平均血漿リン濃度である、ことと、
患者パラメータまたは治療パラメータのうちの少なくとも1つの前記血液透析患者のC
SS−PREに及ぼす影響をシミュレートすることと
を含む、方法。
(項目29)
【数99】
は、以下の式を使用して決定され、
【数100】
【数101】
式中、K
Mは、前記患者のリン移行クリアランスであり、
Q
WGは、前記透析間時間間隔の間における前記患者による流体増加の定率であり、
Q
UFは、前記患者から除去される流体の定率であり、
V
PREは、血液透析治療セッション前の前記患者のリンの透析前分布容積であり、
V
POSTは、血液透析治療セッション終了時の前記患者のリンの透析後値である、
項目28に記載の方法。
(項目30)
血液透析療法中、正味限外濾過または前記患者からの流体除去が無視可能であり、かつ、血液透析療法間の体重増加がなく、Q
UF=であり、
【数102】
は、以下の式を使用して決定され、
【数103】
式中、K
Mは、前記患者のリン移行クリアランスであり、
V
PREは、血液透析治療セッション前の前記患者のリンの透析前分布容積であり、
V
POSTは、血液透析治療セッション終了時の前記患者のリンの透析後値である、
項目28に記載の方法。
(項目31)
前記患者パラメータは、G、K
M、またはV
PREである、項目29または30のいずれかに記載の方法。
(項目32)
前記治療パラメータは、t
tx、K
D、またはFである、項目29または30に記載の方法。
(項目33)
K
Mは、以下の式を使用して決定され、
【数104】
式中、C
POSTは、透析後血漿リン濃度であり、C
PREは、透析前血漿リン濃度である、項目29または30に記載の方法。
(項目34)
Gは、以下の式を使用して計算され、
【数105】
式中、C
SS−PRE−
INは、式4−Gを使用する計算の前の規定時間に対する、前記血液透析患者の初期測定安定状態透析前血清リンレベルであり、前記血液透析患者は、K
D、F、およびt
txによって識別される血液透析療法によって維持されており、
Fは、週あたりの治療の頻度であり、t
txは、1回の血液透析治療セッションに対する治療時間であり、
K
Dは、透析装置リン酸塩クリアランスであり、
K
Rは、リン酸塩の残留腎クリアランスであり、
【数106】
は、透析治療中の正規化された時間平均血漿リン濃度であり、
【数107】
は、透析間間隔の間の正規化された時間平均血漿リン濃度である、
項目28に記載の方法。
(項目35)
K
Dは、以下の式を使用して決定され、
【数108-1】
式中、
【数108-2】
Q
Bは、血液流量であり、
Q
Dは、透析流量であり、
K
OAは、以前の測定の結果として得られたリン酸塩に対する透析装置総括物質移動面積係数であり、一組の血液流量Q
B,
Mおよび透析液流量Q
D,
Mは、透析装置クリアランスK
D,
Mをもたらし、
Hctは、患者の血液サンプルから測定されたヘマトクリット値である、
項目28に記載の方法。
(項目36)
K
Dは、以下の式を使用して、任意の時間tに対して決定され、
【数109】
式中、t
sは、サンプリング時間であり、
C
D(ts)は、時間t
sにおける透析液流出物内のリンの濃度であり、
Q
D(t
s)は、時間t
sにおける透析液流量であり、
C(t
s)は、時間t
sにおける血清リン濃度である、
項目28に記載の方法。
(項目37)
Gは、以下の式を使用して決定され、
【数110】
式中、I
Pは、前記血液透析患者のリンの週あたりの食事からの摂取量であり、
Apは、前記血液透析患者の%リン吸収であり、
I
Bは、前記血液透析患者の週あたりの結合剤摂取量であり、
P
Bは、前記結合剤の結合力である、
項目28に記載の方法。
(項目38)
前記血液透析患者のC
SS−PREが、約3.6mg/dlから5.0mg/dlの範囲にあるように、リン摂取量のレベルを決定することを含む、項目28に記載の方法。
(項目39)
前記血液透析患者のC
SS−PREが、約3.6mg/dlから5.0mg/dlの範囲にあるように、前記患者に投与されるリン結合剤を決定することを含む、項目28に記載の方法。
(項目40)
前記血液透析患者のC
SS−PREが、約3.6mg/dlから5.0mg/dlの範囲にあるように、総血液透析治療セッション時間を決定することを含む、項目28に記載の方法。
(項目41)
前記血液透析患者のC
SS−PREが、約3.6mg/dlから5.0mg/dlの範囲にあるように、頻度Fを決定することを含む、項目28に記載の方法。
(項目42)
前記血液透析患者のC
SS−PREが、約3.6mg/dlから5.0mg/dlの範囲にあるように、要求される血液流量および/または透析液流量を決定することを含む、項目28に記載の方法。
(項目43)
前記血液透析患者のC
SS−PREが、約3.6mg/dlから5.0mg/dlの範囲にあるように、前記透析液に添加されるリン塩補給剤の量を決定することを含む、項目28に記載の方法。
(項目44)
K
MおよびV
PREは、
血液透析治療セッション時間にわたる前記血液透析患者の血清リン濃度(「C」)と、限外濾過速度(「Q
UF」)とを測定することであって、前記限外濾過速度は、初期血液透析治療セッション中の前記患者の透析前体重と透析後体重との間の差異が前記治療セッションの総治療時間によって除算されることによって計算される、ことと、
以下の式に非線形最小2乗適合を使用して、前記血液透析患者に対するK
MおよびV
PREを計算すること
によって決定され、
【数111】
式中、tは、前記血液透析治療セッション中の時間であり、
Tは、前記血液透析治療セッションの終了後の時間であり、
t
txは、前記血液透析治療セッションの総持続時間であり、
C
PREは、透析前血漿リン濃度であり、
C
POSTは、透析後血漿リン濃度であり、
K
Mは、前記患者のリン移行クリアランスであり、
K
Rは、リン酸塩の残留腎クリアランスであり、
K
Dは、透析装置リン酸塩クリアランスであり、
V
PREは、前記患者のリンの透析前分布容積であり、
【数112】
である、
項目28に記載の方法。
(項目45)
コンピューティングデバイスであって、
ディスプレイデバイスと、
入力デバイスと、
プロセッサと、
複数の命令を記憶しているメモリデバイスと
を備え、
前記複数の命令は、前記プロセッサによって実行されると、
(a)少なくとも、血液透析患者の食事からのリン摂取量または前記血液透析患者の尿素動態モデルから、リンの正味生成(「G」)に関連するデータを受信することと、
(b)以下の式を使用して、前記患者の安定状態透析前血清リンレベル(「C
SS−PRE」)を決定することであって、
【数113】
式中、Fは、週あたりの治療の頻度であり、
t
txは、1回の血液透析治療セッションに対する治療時間であり、
K
Dは、透析装置リン酸塩クリアランスであり、
K
Rは、リン酸塩の残留腎クリアランスであり、
【数114】
は、透析治療中の正規化された時間平均血漿リン濃度であり、
【数115】
は、透析間間隔の間の正規化された時間平均血漿リン濃度である、ことと、
(c)患者パラメータまたは治療パラメータのうちの少なくとも1つの前記血液透析患者のC
SSPREに及ぼす影響をシミュレートすることと
を行うように、前記プロセッサに、前記ディスプレイデバイスおよび前記入力デバイスと共に動作させる、
コンピューティングデバイス。
(項目46)
前記プロセッサは、血液透析治療セッションまたは前記血清リン濃度を収集するためのサンプリング時間の約1ヶ月前に、前記ディスプレイデバイスおよび前記入力デバイスと共に動作し、K
R、K
D、K
M、V
PRE、t
tx、F、C
PREのうちの少なくとも1つに関連するデータを受信する、項目45に記載のコンピューティングデバイス。
(項目47)
前記コンピューティングデバイスは、C
SS−PREが、所望の範囲内にあるように、前記血液透析患者の治療計画を表示する、項目45に記載のコンピューティングデバイス。
(項目48)
コンピューティングデバイスであって、
ディスプレイデバイスと、
入力デバイスと、
プロセッサと、
複数の命令を記憶しているメモリデバイスと
を備え、
前記複数の命令は、前記プロセッサによって実行されると、
(a)以下の式を使用して、リンの正味生成(「G」)を決定することであって、
【数116】
式中、C
SS−PRE−INは、式6−Aを使用するGの計算の前の規定時間に対する、前記血液透析患者の初期測定安定状態透析前血清リンレベルであり、前記血液透析患者は、K
D、F、およびt
txによって識別される血液透析療法によって維持されており、
Fは、週あたりの治療の頻度であり、
t
txは、1回の血液透析治療セッションに対する治療時間であり、
K
Dは、透析装置リン酸塩クリアランスであり、
K
Rは、リン酸塩の残留腎クリアランスであり、
【数117】
は、透析治療中の正規化された時間平均血漿リン濃度であり、
【数118】
は、透析間間隔の間の正規化された時間平均血漿リン濃度である、ことと、
(b)以下の式を使用して、前記血液透析患者の安定状態透析前血清リンレベル(「C
SS−PRE」)を予測することと、
【数119】
(c)患者パラメータまたは治療パラメータのうちの少なくとも1つの前記血液透析患者のC
SS−PREに及ぼす影響をシミュレートすることと
を行うように、前記プロセッサに、前記ディスプレイデバイスおよび前記入力デバイスと共に動作させる、コンピューティングデバイス。
(項目49)
前記プロセッサは、血液透析治療セッションまたは前記血清リン濃度を収集するためのサンプリング時間の約1ヶ月前に、前記ディスプレイデバイスおよび前記入力デバイスと共に動作し、K
R、K
D、K
M、V
PRE、t
tx、F、C
PREのうちの少なくとも1つに関連するデータを受信する、項目48に記載のコンピューティングデバイス。
(項目50)
前記コンピューティングデバイスは、C
SS−PREが、所望の範囲内にあるように、前記血液透析患者の治療計画を表示する、項目48に記載のコンピューティングデバイス。