特許第6543299号(P6543299)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6543299
(24)【登録日】2019年6月21日
(45)【発行日】2019年7月10日
(54)【発明の名称】缶胴ワークのエキスパンド成形装置
(51)【国際特許分類】
   B21D 51/26 20060101AFI20190628BHJP
【FI】
   B21D51/26 X
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-124922(P2017-124922)
(22)【出願日】2017年6月27日
(65)【公開番号】特開2019-5787(P2019-5787A)
(43)【公開日】2019年1月17日
【審査請求日】2018年5月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】396024819
【氏名又は名称】株式会社三友機械製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100083633
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏
(72)【発明者】
【氏名】徳永 朋丈
【審査官】 石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2016/107219(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/82849(US,A1)
【文献】 米国特許第5768931(US,A)
【文献】 米国特許第3913366(US,A)
【文献】 特許第6457286(JP,B2)
【文献】 特許第6258027(JP,B2)
【文献】 特許第4336938(JP,B2)
【文献】 特許第4648501(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 51/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エキスパンド成形装置本体(1)の上下方向中心に回転自在に設けた回転軸(2)と、その回転軸(2)に装着した上部のスピンドルホルダ(4)及び下部の金型ホルダ(5)と、このスピンドルホルダ(4)と金型ホルダ(5)との間で前記回転軸(2)に設けると共に、外周に向かって放射状に突出する複数の取付部(6a)を有する取付スリーブ(6)と、前記各取付部(6a)の先端側に、リニア駆動装置(7)及びリニアスライドレール(8)を介して設けたチャックユニット(9)と、これら各チャックユニット(9)のマグネットチャック(9b)と対向し前記金型ホルダ(5)に装着した複数の割金型(10)と、を少なくとも備え、且つ、前記スピンドルホルダ(4)、前記金型ホルダ(5)及び前記取付スリーブ(6)が、前記回転軸(2)を中心に一体で回転可能と成すエキスパンド成形装置。
【請求項2】
前記金型ホルダ(5)の下部に、前記割金型(10)の作動軸(13)を昇降駆動させる昇降用固定カム(11)を備え、この昇降用固定カム(11)のカム溝(11a)に挿入したカムフォロア(12)と前記作動軸(13)を連結した請求項1記載のエキスパンド成形装置。
【請求項3】
前記リニアガイドレール(8)上に、前記チャックユニット(9)の移動範囲を規制する
下側ストッパー(15)と上側ストッパー(16)とを設けた請求項1又は2記載のエキスパンド成形装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属板材から円筒状に形成して溶接した缶胴を、外周が拡径する割金型に嵌着して缶胴部を拡張変形させる缶胴ワークのエキスパンド成形装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、缶の缶胴部を変形させて外観の見栄えを良くしたり掴み易くするために、外周が拡径する割金型によるエキスパンド成形が行われている(例えば特許文献1及び特許文献2参照)。
このエキスパンド成形においては、円周上に多数分割した割金型を外周に押し出して拡径する割金型に、円筒状の缶胴ワークを嵌着して割金型の外周を拡張して缶胴部を変形させて成形することが開示されている。
【0003】
また、特許文献3には、ロータリーディスクの周縁に缶胴を保持する缶胴保持部を設け、缶胴を保持して一周する間に缶胴の径を拡大成形するロータリーエキスパンダが開示され、これに於いては、缶胴保持部で保持された缶胴が上部の割り型に挿入して缶胴を押し広げ成形し、この際に、割り型に缶胴を挿入する移動手段が昇降カムで行っていた。
【0004】
他方、缶胴ワークを割金型に嵌着し供給したり、成形後の缶胴ワークを割金型から搬出する際の缶胴ワークの移動手段としては、図5に示す如く、機体の上部に固定し、円柱の外周にカム溝(20a)を形成した昇降用カム(20)を有し、その下方に回転自在なスピンドルホルダ(21)が設けられ、そのスピンドルホルダ(21)に複数のスピンドル(22)が上下方向を摺動自在に設けられ、スピンドル(22)の上部がカム溝(20a)に嵌入したカムフォロア(23)と連結し、下端にマグネットチャック(24)とを備え、スピンドルホルダ(21)を回転させて、昇降用カム(20)のカム溝(20a)をカムフォロア(23)が移動し、スピンドル(22)を上下移動させることにより、マグネットチャック(24)に磁着した缶胴ワーク(W)を下方の割金型(10)に供給及び搬出するカム駆動方式が用いられていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015−112610号公報
【特許文献2】特開昭49−28493号公報
【特許文献3】特開昭59−163042号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献3及び図5に示したように、割金型に対する缶胴ワークの移動手段がカム駆動方式では、缶胴ワークの胴部の長さが短い場合は良いとしても、長い場合、例えば15cm以上では、成形する割金型も長くなる。
そのような長い割金型に缶胴ワークを供給するには、缶胴ワークの移動距離も長くなり、その分昇降用カムのカム溝の勾配を大きくするか、あるいは昇降用カムの径を大きくしなければ成らず、それによりカム溝の勾配を大きくするとカム溝とカムフォロアとの摩擦が増大し、カム溝が摩耗し易く昇降用カムの交換を余儀なくされ、他方、昇降用カムの径を大きくすると装置が大型化しコスト高となる。
しかも、大量生産においては、生産性を高めるために、スピンドルホルダの回転を速め割金型に対する缶胴ワークの移動速度を上げる必要があるが、カム溝の勾配を大きくすると、カム溝に大きな抵抗が加わり移動速度が制限され、高速移動が困難となり、生産性が低いというカム駆動方式に対する問題があった。
【0007】
本発明は、缶胴ワークの缶胴部が長い場合でも、缶胴ワークを長い割金型に無理なく高速で供給したり割金型から搬出したりでき、しかも割金型に対する缶胴ワークの移動制御が容易な缶胴ワークのエキスパンド成形装置を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、他の割金型に交換しても対応可能な缶胴ワークのエキスパンド成形装置を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題点に鑑み、本発明は、エキスパンド成形装置本体(1)の上下方向中心に回転自在に設けた回転軸(2)と、その回転軸(2)に装着した上部のスピンドルホルダ(4)及び下部の金型ホルダ(5)と、このスピンドルホルダ(4)と前記金型ホルダ(5)との間で前記回転軸(2)に設けると共に、外周に向かって放射状に突出する複数の取付部(6a)を有する取付スリーブ(6)と、前記各取付部(6a)の先端側に、リニア駆動装置(7)及びリニアスライドレール(8)を介して設けたチャックユニット(9)と、これら各チャックユニット(9)のマグネットチャック(9b)と対向し前記金型ホルダ(5)に装着した複数の割金型(10)と、を少なくとも備え、且つ、前記スピンドルホルダ(4)、前記金型ホルダ(5)及び前記取付スリーブ(6)が、前記回転軸(2)を中心に一体で回転可能と成す。
【0009】
前記金型ホルダ(5)の下部に、前記割金型(10)の作動軸(13)を昇降駆動させる昇降用固定カム(11)を備え、この昇降用固定カム(11)のカム溝(11a)に挿入したカムフォロア(12)と前記作動軸(13)を連結するのがよい。
【0010】
前記リニアガイドレール(8)のレール(8a)上に、前記チャックユニット(9)の移動範囲を規制する下側ストッパー(15)と上側ストッパー(16)とを設けるのがよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、缶胴ワーク(W)を割金型(10)に対して、供給したり搬出するのに、その移動をリニア駆動装置(7)で行うことにより、缶胴ワーク(W)が長い場合でも、缶胴ワーク(W)を長い割金型(10)に対し、無理なくしかも高速で供給又は搬出できると共に、その供給又は搬出における移動のタイミングが電気的制御により取り易く正確で高速にでき、しかも、割金型(10)を他の割金型(10)に交換しても、その割金型(10)の所定位置に缶胴ワーク(W)を自由に供給でき、種々形状のエキスパンド成形を行う上での汎用性を有する。
【0012】
また、割金型(10)の作動軸(13)を昇降駆動させる昇降用固定カム(11)を備えたことにより、割金型(10)と共に回転移動する作動軸(13)に対しての昇降駆動が確実に行え、割金型(10)を拡径及び縮径できる。
【0013】
更に、前記リニアガイドレール(8)上に下側ストッパー(15)と上側ストッパー(16)とを設けたことにより、停電時や外乱による誤動作の際に、チャックユニット(9)の落下を下側ストッパー(15)で停止して割金型(10)との衝突を防止し、また、チャックユニット(9)の上方への暴走移動に対しても上側ストッパー(16)で停止し、チャックユニット(9)の移動距離を規制され、装置の損傷が防止できて安全である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明のエキスパンド成形装置本体を示す説明図である。
図2】本発明の図1のA−A断面図である。
図3】本発明のリニア駆動装置、リニアガイドレール及びチャックユニットの装着状態を示す説明図である。
図4】本発明のエキスパンド成形工程を示す説明図である。
図5】従来の昇降用カムを使用したエキスパンド成形装置の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態につき、図1〜4を基に説明する。
(1)はエキスパンド成形装置本体であり、エキスパンド成形装置本体(1)は、その上下方向の中心に回転自在に設けた回転軸(2)と、その回転軸(2)に装着した上部のスピンドルホルダ(4)及び下部の金型ホルダ(5)と、このスピンドルホルダ(4)と金型ホルダ(5)間に設けると共に、外周に向けて放射状に延びる複数の取付部(6a)を有する取付スリーブ(6)と、前記各取付部(6a)の先端側に、リニア駆動装置(7)及びリニアスライドレール(8)を介して設けたチャックユニット(9)と、これら各チャックユニット(9)のマグネットチャック(9b)と対向し前記金型ホルダ(5)に装着した複数の割金型(10)と、を少なくとも備えている。
【0016】
回転軸(2)は下方の基台(3)に回転自在に設けられ、回転軸(2)の下端が駆動モーター(14)と接続され、この駆動モーター(14)で回転駆動される。
【0017】
取付スリーブ(6)はスピンドルホルダ(4)と金型ホルダ(5)との間で、回転軸(2)に設け、この取付スリーブ(6)には、その外周に向けて放射状に伸びる複数の取付部(6a)を形成し、その各取付部(6a)の先端側には、リニア駆動装置(7)及びリニアガイドレール(8)を装着し、これらリニア駆動装置(7)及びリニアガイドレール(8)を介してチャックユニット(9)を装着させている。
また、スピンドルホルダ(4)上には、リニア駆動装置(7)を制御する制御装置(17)が装着されている。
【0018】
(11)は前記金型ホルダ(5)の下部で基台(3)に固定して設けた円柱又はドラム状の昇降用固定カムであり、この昇降用固定カム(11)の外周面にカム溝(11a)を形成し、そのカム溝(11a)に挿入したカムフォロア(12)がカム溝(11a)に沿って移動し、それと連結した作動軸(13)を上下に移動させて割金型(10)を拡径又は縮径させる。
【0019】
更に説明すると、回転軸(2)は、その下端の駆動モーター(14)で回転され、その回転軸(2)とキーで連結固定した前記スピンドルホルダ(4)、金型ホルダ(5)及び取付スリーブ(6)が、回転軸(2)と一体で回転させられる。
それに伴って、前記リニア駆動装置(7)、リニアガイドレール(8)、前記チャックユニット(9)等も回転軸(2)を中心に一体で回転するのである。
【0020】
取付スリーブ(6)は、図2及び図3に示すように、その中心に穴部を形成し、その穴部が回転軸(2)に嵌合し、回転軸(2)とキー等で連結固定され、回転軸(2)の回転を取付スリーブ(6)に伝達可能にしている。
また、取付スリーブ(6)の取付部(6a)には、その先端側の側面にリニア駆動装置(7)を、先端面にはリニアガイドレール(8)のレール(8a)側を固着してリニアガイドレール(8)を装着し、リニア駆動装置(7)のコイルプレート(7b)とリニアガイドレール(8)のスライダー(8b)が並行し、互いに上面を面一にしている。
そして、リニア駆動装置(7)のコイルプレート(7b)とリニアガイドレール(8)のスライダー(8b)上にチャックユニット(9)のチャックホルダ(9a)を取り付けている。
リニア駆動装置(7)は、磁石を両側に内蔵したマグネットプレート(7a)と、それに嵌合し移動するコイルプレート(7b)とから成るリニアモータであり、複数のマグネットプレート(7a)を直線的に接続し、それらを取付部(6a)の先端側にネジで固定している。
【0021】
これにより、リニア駆動装置(7)のコイルプレート(7b)が移動すると、チャックユニット(9)がリニアガイドレール(8)に案内されて上下移動し、チャックユニット(9)のマグネットチャック(9b)で磁着した缶胴ワーク(W)を下方の割金型(10)に供給したり、成形後の缶胴ワーク(W)を割金型(10)から搬出したりできるのである。
この際、缶胴ワーク(W)の移動がリニア駆動装置(7)で行うことにより、缶胴ワーク(W)の移動距離が長くとも無理なく容易に移動でき、カム駆動に比べ遙かに高速での移動が可能となる。
しかも、リニア駆動装置(7)の電気的制御で缶胴ワーク(W)を割金型(10)の所定位置に停止でき、正確な供給が可能となり、型交換で割金型(10)の長さ等が変わっても、その割金型(10)に応じた所定位置に缶胴ワーク(W)を自由に停止できる。
また、チャックユニット(9)の移動がリニアガイドレール(8)に案内されているため、缶胴ワーク(W)の移動が正確で、割金型(10)に対してずれることがなく正確に嵌着できる。
【0022】
更に、チャックユニット(9)の無制御による移動、つまり、リニア駆動装置(7)の制御が停電時や外乱による誤動作により、チャックユニット(9)が勝手に落下したり、上方への暴走移動を起した場合、これに対し、リニアガイドレール(8)上に設けた下側ストッパー(15)と上側ストッパー(16)の何れかにチャックユニット(9)のチャックホルダ(9a)が当接して停止させ、それ以上チャックユニット(9)が移動しないように移動範囲を規制し、装置の安全性を確保している。
要するに、下側ストッパー(15)と上側ストッパー(16)が働くのは、リニア駆動装置(7)の制御が不能になった異常時であり、通常は両ストッパー(15)、(16)にチャックユニット(9)が当接することはない。
【0023】
金型ホルダ(5)の上面には、上方の各チャックホルダ(9a)と対向する位置に複数の割金型(10)を立設させている。
この割金型(10)は、その軸心を中心に放射状に分割された複数の割型が軸心から経方向に移動して拡径し、逆に拡径した状態から元に縮径するものであり、この拡径させるには、一例として、割金型(10)内から下方に突出し、先端側がテーパ状の作動軸(13)を押し込むことにより、作動軸(13)のテーパ部が割型を内側から押し広げて拡径させられ、また縮径は、押し込んだ作動軸(13)を元に引き下げると、割金型(10)内部のバネ又はゴムで縮径する。
これら割金型(10)は、すでに缶胴ワークのエキスパンド成形では公知のものであり、従来から使用されているものが用いられる。
【0024】
チャックユニット(9)は、長方形板の下部を直角に折り曲げた下端面を有するチャックホルダ(9a)と、その折り曲げた下端面に設けたマグネットチャック(9b)から成り、マグネットチャック(9b)は、有底の円筒状でマグネットチャック(9b)の一部が割金型(10)に嵌入でき、円筒状の下端面には永久磁石が埋め込まれている。
これにより、前工程から搬送された缶胴ワーク(W)の上端をマグネットチャック(9b)の下端面で磁着した状態で割金型(10)に供給できるのである。
尚、缶胴ワーク(W)の端部は通常フランジ加工されており、その平面のフランジ部がマグネットチャック(9b)に磁着する。
【0025】
次に、本発明のエキスパンド成形装置によるエキスパンド成形方法について説明すると、図4に示すように、缶胴ワーク(W)のエキスパンド成形を行うのはエキスパンド成形装置本体(1)であるが、その他に、缶胴ワーク(W)を供給する搬入コンベア(30)と、搬入コンベア(30)から搬入された缶胴ワーク(W)をエキスパンド成形装置本体(1)に供給する供給ターレット(31)と、エキスパンド成形後の缶胴ワーク(W)をエキスパンド成形装置本体(1)から搬出する搬出ターレット(32)及び搬出コンベア(33)とで、エキスパンド成形装置本体(1)に対して、缶胴ワーク(W)の供給及び搬出を行っている。
その供給ターレット(31)及び搬出ターレット(32)の外周には略半月状に窪んだポケット(P)が多数形成され、このポケット(P)に磁石が埋め込まれて缶胴ワーク(W)を磁着して回転搬送される。
【0026】
そして前工程から搬入コンベア(30)で搬入された缶胴ワーク(W)は、回転する供給ターレット(31)のポケット(P)に磁着してエキスパンド成形装置本体(1)に搬送され、エキスパンド成形装置本体(1)の回転軸(2)を中心に回転する各チャックユニット(9)のマグネットチャック(9b)に磁着してエキスパンド成形装置本体(1)に供給される。
【0027】
このマグネットチャック(9b)に磁着された缶胴ワーク(W)は、リニア駆動装置(7)の駆動により、チャックユニット(9)がリニアガイドレール(8)の案内で下方に移動し、下方の割金型(10)に嵌着し供給されると同時に割金型(10)が拡径し、エキスパンド成形が行われる。
この際、割金型(10)の拡径は、固定した昇降用固定カム(11)のカム溝(11a)にカムフォロア(12)がカム溝(11a)に沿って移動し、それと連結した作動軸(13)を上方に移動させて割金型(10)を拡径させる。
そして、エキスパンド成形が終了後、割金型(10)の作動軸(13)が下方に移動し元の位置に復帰し、割金型(10)を縮径させる。
しかも、缶胴ワーク(W)をエキスパンド成形する際には、スピンドルホルダ(4)、金型ホルダ(5)及び取付スリーブ(6)が、駆動モータ(14)で回転する回転軸(2)によって一体に回転させられ、それに伴って、リニア駆動装置(7)、リニアガイドレール(8)、前記チャックユニット(9)等も回転軸(2)を中心に一体で回転させながら行うロータリーエキスパンド成形である。
【0028】
そして、エキスパンド成形が終了し、割金型(10)が縮径した後、マグネットチャック(9b)に磁着した状態の缶胴ワーク(W)は、リニア駆動装置(7)の駆動でチャックユニット(9)が上昇して割金型(10)から搬出され、その後チャックユニット(9)は元の位置に復帰して停止し、その位置の缶胴ワーク(W)を回転する搬出ターレット(32)に回転搬送し、搬出ターレット(32)に受渡して搬出コンベア(33)から次工程に搬送される。
尚、これら回転するエキスパンド成形装置本体(1)での成形工程は、回転軸(2)が一回転する間、つまり図4の矢印で示した(L)の回転範囲内で完了される
【0029】
また、エキスパンド成形装置本体(1)、供給ターレット(31)、搬出ターレット(32)の回転速度、及び供給ターレット(31)のポケット(P)の缶胴ワーク(W)をマグネットチャック(9b)が磁着する連動タイミングは、エキスパンド成形装置(1)と各ターレット間で缶胴ワーク(W)が円滑に受け渡されるように設定され、また、チャックユニット(9)に磁着している缶胴ワーク(W)を割金型(10)に供給又は搬出するタイミングは、スピンドルホルダ(4)上に装着した電気的な制御装置(17)でコントロールしている。
更に、割金型(10)に対する缶胴ワーク(W)の移動制御が、チャックユニット(9)を移動させるリニア駆動装置(7)の移動制御を電気的な指令制御で行うため、応答速度が速く、高速で回転しながらエキスパンド成形をしても、正確で移動するタイミングが取り易い。
【0030】
このように、本発明のエキスパンド成形装置は、チャックユニット(9)を移動させるのにリニア駆動装置(7)を用いたことにより、成形する缶胴ワーク(W)が長く、缶胴ワーク(W)を割金型(10)に嵌入して供給する移動距離が長い場合でも、その移動距離に関係なく行え、抵抗や摩耗箇所が無く故障の発生が極めて少ない。
【符号の説明】
【0031】
1 エキスパンド成形装置本体
2 回転軸
3 基台
4 スピンドルホルダ
5 金型ホルダ
6 取付スリーブ
6a 取付部
7 リニア駆動装置
8 リニアスライドレール
9 チャックユニット
9b マグネットチャック
10 割金型
11 昇降用固定カム
11a カム溝
12 カムフォロア
13 作動軸
15 下側ストッパー
16 上側ストッパー
W 缶胴ワーク
図1
図2
図3
図4
図5