(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0006】
コンディショニングゲル相
コンディショニングゲル相を形成させるために有用である適切なカチオン性界面活性剤の例としては、次の一般式:
[N(R
1)(R
2)(R
3)(R
4)]
+(X)
−
(式中、R
1、R
2、R
3およびR
4は、(a)1から22個の炭素原子の脂肪族基または(b)最大22個の炭素原子を有する、芳香族、アルコキシ、ポリオキシアルキレン、アルキルアミド、ヒドロキシアルキル、アリールまたはアルキルアリール基からそれぞれ独立に選択され;Xは、ハロゲン化物、(例えば塩化物、臭化物)、酢酸、クエン酸、乳酸、グリコール酸、リン酸硝酸(phosphate nitrate)、硫酸およびアルキル硫酸基から選択されるものなどの塩形成陰イオンである。)
に対応する四級アンモニウムカチオン性界面活性剤が挙げられる。
【0007】
脂肪族基は、炭素および水素原子に加えて、エーテル結合および他の基、例えばアミノ基などを含有し得る。長鎖脂肪族基、例えば約12個の炭素またはそれを超えるものは、飽和または不飽和であり得る。
【0008】
上記一般式のこのような四級アンモニウムカチオン性界面活性剤の具体例は、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド(BTAC)、セチルピリジニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムクロリド、オクチルトリメチルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、オクチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、デシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ジドデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロリド、タロウトリメチルアンモニウムクロリド、ココトリメチルアンモニウムクロリド、ジパルミトイルエチルジメチルアンモニウムクロリド、PEG−2オレイルアンモニウムクロリドおよびこれらの塩であり、ここで塩化物は、他のハロゲン化物(例えば臭化物)、酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、グリコール酸塩、リン酸塩硝酸塩(phosphate nitrate)、硫酸塩またはアルキル硫酸塩により置き換えられる。
【0009】
上記一般式のカチオン性界面活性剤の好ましいクラスにおいて、R
1は、C
16からC
22飽和または不飽和、好ましくは飽和の、アルキル鎖であり、R
2、R
3およびR
4は、CH
3およびCH
2CH
2OHからそれぞれ独立に選択され、好ましくはCH
3である。
【0010】
コンディショニングゲル相の形成における使用のためのこのような好ましい四級アンモニウムカチオン性界面活性剤の具体例は、セチルトリメチルアンモニウムクロリド(CTAC)、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド(BTAC)およびそれらの混合物である。
【0011】
あるいは、本発明での使用に適切なコンディショニングゲル相を提供するために適切なカチオン性界面活性剤を提供するために、酸と組み合わせて一級、二級または三級脂肪アミンを使用し得る。酸はアミンをプロトン化し、毛髪ケア組成物においてインシトゥでアミン塩を形成させる。したがって、このアミンは効果的に、一時的な四級アンモニウムまたは擬四級アンモニウム(pseudo−quaternary ammonium)カチオン性界面活性剤である。
【0012】
このタイプの適切な脂肪アミンとしては、次の一般式:
R
1−C(O)−N(H)−R
2−N(R
3)(R
4)
(式中、R
1は、12から22個の炭素原子を含有する脂肪酸鎖であり、R
2は、1から4個の炭素原子を含有するアルキレン基であり、R
3およびR
4はそれぞれ独立に、1から4個の炭素原子を有するアルキル基である。)のアミドアミンが挙げられる。
【0013】
上記一般式の適切な物質の具体例は、ステアリン酸アミドプロピルジメチルアミン、ステアリン酸アミドプロピルジエチルアミン、ステアリン酸アミドエチルジエチルアミン、ステアリン酸アミドエチルジメチルアミン、パルミチン酸アミドプロピルジメチルアミン、パルミチン酸アミドプロピルジエチルアミン、パルミチン酸アミドエチルジエチルアミン、パルミチン酸アミドエチルジメチルアミン、ベヘンアミドプロピルジメチルアミン、ベヘンアミドプロピルジエチルアミン、ベヘンアミドエチルジエチルアミン、ベヘンアミドエチルジメチルアミン、アラキドアミドプロピルジメチルアミン、アラキドアミドプロピルジエチルアミン、アラキドアミドエチルジエチルアミン、アラキドアミドエチルジメチルアミンおよびジエチルアミノエチルステアリン酸アミドである。
【0014】
ジメチルステアリン酸アミン、ジメチルソイアミン、ソイアミン、ミリスチルアミン、トリデシルアミン、エチルステアリルアミン、N−タロウプロパンジアミン、エトキシ化(5モルのエチレンオキシドによる。)ステアリルアミン、ジヒドロキシエチルステアリルアミンおよびアラキジルベヘニルアミンも有用である。
【0015】
特に好ましいのはステアリン酸アミドプロピルジメチルアミンである。
【0016】
使用される酸は、本毛髪ケア組成物中でアミンをプロトン化することが可能である何らかの有機酸または鉱酸であり得る。適切な酸としては、塩酸、酢酸、酒石酸、フマル酸、乳酸、リンゴ酸、コハク酸およびそれらの混合物が挙げられる。好ましくは、酸は、酢酸、酒石酸、塩酸、フマル酸、乳酸およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0017】
上記のカチオン性界面活性剤の何れかの混合物も適切であり得る。
【0018】
カチオン性界面活性剤のレベルは適切には、0.1から10wt%、好ましくは0.2から5wt%、より好ましくは0.25から4wt%(本毛髪ケア組成物の総重量に対するカチオン性界面活性剤の総重量による。)の範囲である。
【0019】
「高融点」は、本発明に関連して、一般に25℃以上の融点を意味する。一般に、融点は、25℃から90℃まで、好ましくは40℃から70℃まで、より好ましくは50℃から約65℃までの範囲である。
【0020】
高融点脂肪化合物は、単一化合物として、または少なくとも2種類の高融点脂肪化合物のブレンド物または混合物として使用され得る。脂肪化合物のブレンド物または混合物を使用する場合、融点はブレンド物または混合物の融点を意味する。
【0021】
このタイプの適切な脂肪化合物は、一般式R−X(式中、Rは脂肪族炭素鎖であり、Xは官能基(例えばアルコールまたはカルボン酸またはエステルもしくはアミドなどのその誘導体)である。)を有する。
【0022】
Rは、好ましくは、8から30個の炭素原子、好ましくは14から30個の炭素原子、より好ましくは16から22個の炭素原子を含む飽和脂肪族炭素鎖である。
【0023】
Rは、炭素および水素原子に加えて、エーテル結合および他の基、例えばアミノ基などを含有し得る。好ましくは、Rは、8から30個の炭素原子、好ましくは14から30個の炭素原子、より好ましくは16から22個の炭素原子を含む直鎖状アルキル鎖である。
【0025】
最も好ましくは、脂肪化合物は、一般式CH
3(CH
2)
nOH(式中、nは、7から29、好ましくは15から21の整数である。)の脂肪アルコールである。
【0026】
適切な脂肪アルコールの具体例は、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールおよびそれらの混合物である。セチルアルコール、ステアリルアルコールおよびそれらの混合物が特に好ましい。
【0027】
上記の脂肪化合物の何れかの混合物も適切であり得る。
【0028】
脂肪化合物のレベルは適切には、0.01から10wt%、好ましくは0.1から8wt%、より好ましくは0.2から7wt%、最も好ましくは0.3から6wt%(本毛髪ケア組成物の総重量に対する脂肪化合物の重量による。)の範囲である。
【0029】
カチオン性界面活性剤と脂肪化合物との重量比は適切には、1:1から1:10、好ましくは1:1.5から1:8、最適には1:2から1:5である。
【0030】
本発明での使用に適切なコンディショニングゲル相は、界面活性二重層からなるゲル(Lβ)界面活性中間相を特徴とし得る。
【0031】
このようなコンディショニングゲル相の調製のための一般的工程において、カチオン性界面活性剤、高融点脂肪化合物および水性担体を加熱して、混合物を形成させ、それをせん断下で室温に冷却する。この混合物において冷却中にいくつかの相転移が起こり、一般的にはその結果、界面活性二重層からなるゲル(Lβ)界面活性中間相が得られる。二重層は、増大するか、膨張するか、または折りたたまれて、拡大シートまたは球形小胞を形成し得る。
【0032】
好ましくは、ゲル(Lβ)界面活性中間相の形成は、混合容器中で、温度が特定の範囲内に、一般には約55から約67℃になるように、混合物の温度を維持することによって調節される。
【0033】
このような好ましい工程の例において、脂肪化合物およびカチオン性界面活性剤は、第一の容器中で「共融解」されて等方相を形成し得る。共融解物は、一般的には45から90wt%の一般式CH
3(CH
2)
nOHの脂肪アルコール(式中、nは7から29、好ましくは15から21の整数である。);10から40wt%の一般式[N(R
1)(CH
3)
3]
+(X)
−のカチオン性界面活性剤(式中、R
1は、C
16からC
22の飽和アルキル鎖であり、Xはハロゲン化物である。);および0から15wt%の水(共融解物の総重量に対する重量による。)を含む。第一の容器中の共融解物は、一般に、液相中で脂肪化合物を維持するために十分な温度(通常は80から85℃前後)で維持される。次に、約50から約60℃で水を含有する第二の容器に共融解物を添加し、共融解物および水を混合する。第二の容器中で、共融解物および水の混合物の温度は、56から65℃、好ましくは58から62℃、より好ましくは60℃前後で維持されるように調節される。上記のような共融解物のカチオン性界面活性剤構成要素は、一般式:
R
1−C(O)−N(H)−R
2−N(R
3)(R
4)
の脂肪アミドアミン(式中、R
1は12から22個の炭素原子を含有する脂肪酸鎖であり、R
2は1から4個の炭素原子を含有するアルキレン基であり、R
3およびR
4は、それぞれ独立に1から4個の炭素原子を有するアルキル基である。)も含み得るかまたはそれからなり得る。この場合、第二の容器中の水は、脂肪アミドアミンをプロトン化可能である0.01から3wt%の有機酸または鉱酸を適切に含む。
【0034】
好ましい工程の代替例において、「共融解物」(上記のものなど)および水を混合容器に独立に添加し、混合物に添加する水の温度を変化させることによって共融解物および水の混合物の温度を調節する連続工程中で混合し得る。水は、1回でまたは分割して添加し得る。一般的には、第一の水容器を40℃前後に維持し、混合容器に投入し、一方で第二の水容器は、上記で特定されるような必要とされる範囲内の温度になるように水と共融解物との混合物の温度を変化させるのに十分な温度に維持する。
【0035】
好ましい工程の別の例において、脂肪化合物およびカチオン性界面活性剤を水分散液中で合わせ得る。この工程によれば、水分散液が調製され、この分散液は、一般的には、25から50wt%の水、4から20wt%の一般式CH
3(CH
2)
nOHの脂肪アルコール(式中、nは、7から29、好ましくは15から21の整数である。);および1から5wt%の一般式:
R
1−C(O)−N(H)−R
2−N(R
3)(R
4)
の脂肪アミドアミン(式中、R
1は、12から22個の炭素原子を含有する脂肪酸鎖であり、R
2は、1から4個の炭素原子を含有するアルキレン基であり、R
3およびR
4はそれぞれ独立に1から4個の炭素原子を有するアルキル基である。)を含む(分散液の総重量に対する重量による。)。好ましくは、水分散液の温度は、脂肪アルコールの融解温度を上回り、好ましくは脂肪アルコールの融点よりも少なくとも5℃高く維持される。次に、一般式[N(R
1)(CH
3)
3]
+(X)
−のカチオン性界面活性剤(式中、R
1はC
16からC
22の飽和アルキル鎖であり、Xはハロゲン化物である。)を添加し、一般的には0.5から5wt%のレベル(混合物の総重量に対する重量による。)で水分散液中に混合し得る。好ましくは、粘度変化が横這いである場合、混合が完全になるように(一般的には約20から60分の混合後)、粘度の測定によってカチオン性界面活性剤と水分散液との混合を監視する。混合完了後、上記のように適切な酸で脂肪アミドアミンを中和する。好ましくは、水分散液とカチオン性界面活性剤との混合物の温度は56℃から67℃、好ましくは58から65℃、より好ましくは63℃前後に維持される。好ましくは、本工程はバッチ工程である。
【0036】
本発明での使用に適切なコンディショニングゲル相を生成させるための別の好ましい工程は、カチオン性界面活性剤(一般的には一般式[N(R
1)(CH
3)
3]
+(X)
−(式中、
R
1はC
16からC
22の飽和アルキル鎖であり、Xはハロゲン化物である。)の等方性水溶液を形成させ;カチオン性界面活性剤の等方性水溶液を溶融脂肪化合物(一般的には一般式CH
3(CH
2)
nOHの脂肪アルコール(式中、nは、7から29、好ましくは15から21の整数である。))と混合することを含む。一般的には、脂肪アルコールは、カチオン性界面活性剤の等方性水溶液への添加前に、液相中でそれを維持するのに十分な温度(通常は80から85℃前後)で維持される。好ましくは、脂肪アルコールと等方性水溶液との混合物の温度は、55から65℃、より好ましくは58℃から62℃、最も好ましくは約60℃に維持される。
【0037】
水性シリコーンポリマーエマルジョン
本発明の毛髪ケア組成物は、水と非イオン性およびカチオン性界面活性剤のブレンド物とからなる水性連続相と、ポリジメチルシロキサンポリマーおよび炭化水素油からなる分散相と、を有する水性ポリジメチルシロキサンポリマーエマルジョンとコンディショニングゲル相(上記のとおり)を混ぜ合わせることにより入手可能であり、ここで、このポリジメチルシロキサンポリマーの動的粘性率は25℃で50,000から110,000cPであり、炭化水素油の動粘度は40℃で1から35cStであり、比重は25℃で0.76から0.87であり、ポリジメチルシロキサンポリマーと炭化水素油との重量比は45:55から70:30である。
【0038】
国際公開第2008/045427号明細書は、本発明の水性ポリジメチルシロキサンポリマーエマルジョンを調製するための方法を記載する。
【0039】
本発明の目的のために、ポリジメチルシロキサンポリマーは、好ましくは、一般にはポリマー1分子あたり約2から約7個、より好ましくは約3から約6個の分岐の範囲である、分岐度を含む。
【0040】
本発明との関連での適切な炭化水素油は、約10から約50個の炭素原子を有する、飽和、非極性直鎖または分岐状鎖脂肪族または脂環式炭化水素およびそれらの混合物を含む。
【0041】
本発明との関連での好ましい炭化水素油は軽油である。鉱油は、石油から得られ、石油からワックスが除去され、より揮発性の高い分画が蒸留により除去されている、透明な油状の液体である。250℃から300℃での蒸留分画は鉱油と呼ばれ、これは、炭化水素の混合物からなり、炭化水素1分子あたりの炭素原子数は一般的にはC
10からC
40の範囲である。
【0042】
鉱油は、その粘度に関して特徴付けられ得、軽油は重油よりも粘性が低い。適切な軽油の動粘度は、一般に40℃で3.9から5.0cStであり、比重は25℃で0.810から0.830である。このような材料はLytol(商標)のブランド名で市販されている。
【0043】
本発明での使用のための水性シリコーンポリマーエマルジョンは、非イオン性界面活性剤およびカチオン性界面活性剤、例えばセチルトリメチルアンモニウムクロリドのブレンド物を含む水性連続相を有する。
【0044】
使用される界面活性剤の量は、選択される特定の界面活性剤に依存して変動するが、一般に、水性ポリジメチシロキサン(polydimethysiloxane)ポリマーエマルジョンの総重量に対する界面活性剤の総重量で0.84から2.51%の範囲である。
【0045】
製品形態および任意成分
本発明の毛髪ケア組成物は、主に、毛髪繊維の平滑さ、滑らかさ、柔軟性、扱い易さ、毛流整列(alignment)および光沢など、毛髪繊維表面の特性を改善するためのヒト対象の毛髪および/または頭皮への局所適用を対象としたものである。
【0046】
本発明の毛髪ケア組成物は、一般的には、毛髪に塗布され、次いで洗い流されるものである、「洗い流し」組成物である。
【0047】
特に好ましい製品形態は、毛髪のトリートメント(一般的にはシャンプー後)および続くすすぎのためのコンディショナーである。
【0048】
一般に、このような組成物は、毛髪(好ましくはシャンプーを行い、次いで水ですすいだ毛髪)に塗布され、次いで毛髪全体に作用させられる。好ましくは、次に、毛髪から水で洗い流す前に、本組成物を約1から3分間、毛髪に浸透させておく。一般的には、約1gから約50gの本組成物を毛髪または頭皮に塗布する。
【0049】
本発明の毛髪ケア組成物は一般に、総重量に対する重量で、約20%から約95%、好ましくは約30%から約92%、より好ましくは約50%から約90%の水を含む。低級アルキルアルコールおよび多価アルコールなど、他の有機溶媒も存在し得る。低級アルキルアルコールの例としては、C
1からC
6一価アルコール、例えばエタノールおよびイソプロパノールなどが挙げられる。多価アルコールの例としては、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリンおよびプロパンジオールが挙げられる。上記の有機溶媒の何れかの混合物も使用し得る。
【0050】
本発明の毛髪ケア組成物は、性能および/または消費者の許容性を促進するための他の任意の成分も組み込み得る。適切な任意の成分としては、保存剤、着色剤、キレート剤、抗酸化剤、香料、抗菌剤、ふけ防止剤、カチオン性コンディショニングポリマー、スタイリング成分、日焼け防止剤、タンパク質および加水分解タンパク質が挙げられる。
【0051】
ここで、次の実施例を参照することにより本発明をさらに記載する。実施例において、パーセンテージは全て、別段の指定がない限り、総重量に対する重量によるものである。
【0052】
[実施例]
[実施例1]
下記表1で示されるような成分を有する、毛髪コンディショニング組成物を調製した。実施例1は、本発明による組成物に相当する。実施例Aは(本発明によらない)比較例である。
【表1】
【0053】
評価
次のように実施例1および実施例Aの組成物を評価した:
半頭サロン試験
専用サロン施設での試験のために、長さおよび毛質が様々な乾燥から乾燥して傷みがある毛髪タイプの36名のパネリストを招集した。 試験プロトコールは、ストリッピングシャンプー(stripping shampoo)を使用し、各パネリストに対して両側に塗布し、次いで半頭サロン試験において組成物を比較した。下記表2で詳述する特質に対して専門家の評価者が組成物を評価した。一部の特質は有益なものとみなされ、他は否定的なものとみなされ得ることに注意すること。差が記録された全ケースにおいて、(本発明による)実施例1は、有益な特質において(本発明によらない)実施例Aよりもスコアが高く、否定的な特質において実施例Aよりも低かった。
【表2】
【0054】
[実施例2から6]
下記表3で示されるような成分を有する毛髪コンディショニング組成物を調製した。実施例2から6は、本発明による組成物に相当する。実施例BからGは、(本発明によらない)比較例である。
【表3】
【0055】
評価
次のように実施例2から6および実施例BからGの組成物を評価した:
乾燥毛髪における摩擦測定
2.5g、150mm(6”)ヨーロッパ人ダークブラウンの毛束を使用して、実施例組成物の摩擦特性を試験した。
【0056】
何れかの実施例組成物でのトリートメントに対して、毛束を1製品あたり5束で束ねて取り扱った。最初にラウリルエーテル硫酸ナトリウムおよび水を含む単純なストリッピングシャンプー(stripping shampoo)で毛束を洗浄し、その後2gの試験製品を塗布し、1分間毛束に揉み込んだ。洗い流し、37℃に設定し、4L/分で流れる水道水下でさらに1分間揉んだ。
【0057】
次いで個別に毛束のもつれをほどき、櫛を通した後に50℃で乾燥させた。
【0058】
個々の2.5g、150mm(6”)毛束(製品あたり5束)を平らな金属ブロック上に置いた。何れかの端部でクランプを使用してこれらを適所に保った。一方の端部を固定した後、各毛束に櫛を通した。各毛束に張力をかけて保持した後、第二のクランプを適所に固定し、摩擦プローブがその上を通過した際に繊維が確実に動かないようにした。
【0059】
毛質分析装置(Stable Microsystems,UK)を使用して、個々の毛束の摩擦特性を測定した。この装置を20℃および50%RHに設定した制御環境中に収容した。円筒状のネオプレンプローブを500gの加重下で毛髪と接触させて設置し、10mm/sの速度で前後に40mm動かして、摩擦力対距離のプロットを作成した。各試験実施に対して、得られたヒステリシスループを積分して、グラム×ミリメートルの単位でデータポイントを得た。1製品あたり全5束の毛束にわたりこれらのデータを平均することに際して、試験製品でのトリートメント後の乾燥毛髪の摩擦特性を表すために、得られた平均値を使用した。
【0060】
乾燥毛髪におけるボリューム測定
乾燥時の毛束中の個々の繊維の分離度を評価した。分離がより多い毛束の場合、乾燥状態でボリュームがより大きい。2Dでの画像化の際に、毛束が占有する面積は、この体積を表すものであり、したがって毛束を比較した場合、面積が大きいほど、ボリュームが大きいことを示す。面積が小さいほど、製品が毛束に対して送達するボリュームが小さいことを示し、このことから、よりコントロールされ、毛髪に対するはねや縮れなどの不要な特質がより少ないことが示唆される。
【0061】
実施例組成物でトリートメントした後、毛束のボリューム値を決定した。評価しようとする各製品に対して、4束の2g/250mm(10インチ)ヨーロッパ人毛束を使用した。最初にラウリルエーテル硫酸ナトリウムおよび水を含む単純なストリッピングシャンプー(stripping shampoo)で洗浄し、次いで2gの試験製品を毛束に塗布し、1分間揉み、37℃に設定され、4L/分で流れる水道水下でさらに1分間洗い流すことによって、4束の毛束を1束として同じ時間に処理した。
【0062】
次いで個別に毛束のもつれをほどき、櫛を通した後に50℃で乾燥させた。次いで毛束を金属フレームに留め、自由懸垂状態にし、湿度調節室(22℃/20%RH)中で乾燥させた。毛束の写真を撮影し、ボリュームについて画像を分析した。ボリュームは、mm
2単位の毛髪により占有される面積によって表した。さらに乾燥ステージで毛髪を梳く前に、乾燥状態でのボリュームを記録した。結果を下記表4で示す。
【表4】
【0063】
上記結果から、同等活性レベルで、同等のコンディショニング処方物から送達された場合、ジメチコン/イソヘキサデカンエマルジョン(本発明による実施例2から6)が、ジメチコン/ヒマワリ油エマルジョン(本発明によらない実施例CからG)よりも優れたボリュームダウン効果を提供することが明らかになる。