(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6543348
(24)【登録日】2019年6月21日
(45)【発行日】2019年7月10日
(54)【発明の名称】携帯型噴霧装置
(51)【国際特許分類】
B65D 83/16 20060101AFI20190628BHJP
B65D 83/44 20060101ALI20190628BHJP
B65D 83/66 20060101ALI20190628BHJP
B05B 9/04 20060101ALI20190628BHJP
【FI】
B65D83/16 120
B65D83/44
B65D83/66
B05B9/04
【請求項の数】9
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-545012(P2017-545012)
(86)(22)【出願日】2015年10月16日
(86)【国際出願番号】JP2015005231
(87)【国際公開番号】WO2017064743
(87)【国際公開日】20170420
【審査請求日】2018年5月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000114628
【氏名又は名称】ヤーマン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080838
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 光康
(74)【代理人】
【識別番号】100194261
【弁理士】
【氏名又は名称】栢原 崇行
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 岩男
【審査官】
西山 智宏
(56)【参考文献】
【文献】
韓国公開特許第10−2015−0019515(KR,A)
【文献】
特開2009−195790(JP,A)
【文献】
特開2012−152467(JP,A)
【文献】
実開昭59−171770(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D83/00
B65D83/08−83/76
B05B9/00−9/047
B05B11/06
A45D34/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
給気手段(6)を有する給気本体(1)と、この給気本体に一体的に接続すると共に、弁支持体(14)の先端部に設けられたノズル(15)の流出孔を封止又は開放するように前記弁支持体に設けられた制御弁(12)及び前記ノズルに噴射孔を有する噴霧口部材(16)を備えた噴射ヘッド(2)と、前記噴射ヘッドに外嵌合するカバー体(3)と、前記噴射ヘッド又は前記給気本体のいずれかに設けられた駆動用操作手段(4)とから成り、前記駆動用操作手段を操作すると、前記給気手段から供給される気体と前記噴射ヘッドに設けられた貯蔵タンクから供給される液体が前記噴射孔で合流する携帯型噴霧装置であって、
前記カバー体(3)は第1操作部材であり、この第1操作部材の操作に基づき、該カバー体(3)と前記制御弁(12)に設けた動力変換部を介して前記制御弁(12)が付勢手段(17)の付勢力により後退して前記ノズル(15)に対する封止状態が解かれ、これにより前記気体と前記液体が前記噴射孔で合流可能となり、第2の操作部材としての前記駆動用操作手段を操作すると、前記液体が前記気体の噴流に乗せられてミスト状態で噴射される携帯型噴霧装置。
【請求項2】
請求項1に於いて、カバー体(3)の内壁は、動力変換部の一部を構成する押圧部(31)を有することを特徴とする携帯型噴霧装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に於いて、動力変換部は、カバー体(3)の周壁部(3a)の下端部の内面から内側に突出する押圧部(31)と、該押圧部に圧接する状態で摺接する制御弁(12)の後端部(12d)であることを特徴とする携帯型噴霧装置。
【請求項4】
請求項1に於いて、カバー体(3)を噴射ヘッド(2)に完全に嵌め込んだとき、前記カバー体(3)の上壁の内面又は内面に設けた小突起のいずれかにより、貯蔵タンク(20)の吸気部(19)が密閉され、一方、カバー体(3)を持ち上げるようにスライドさせると、貯蔵タンク(20)の吸気部(19)が開放することを特徴とする携帯型噴霧装置。
【請求項5】
請求項1に於いて、カバー体(3)の上壁部に形成した嵌合孔は、該カバー体(3)を噴射ヘッド(2)に完全に嵌め込んだとき、貯蔵タンク(20)の液補充口に着脱可能に設けられたゴムキャップが露出するように嵌合することを特徴とする携帯型噴霧装置。
【請求項6】
給気手段(6)を有する給気本体(1)と、この給気本体に一体的に接続すると共に、弁支持体(14)の先端部に設けられたノズル(15)を封止又は開放するように前記弁支持体に設けられた制御弁(12)及び前記ノズルに噴射孔を有する噴霧口部材(16)を備えた噴射ヘッド(2)と、前記噴射ヘッドに外嵌合するカバー体(3)と、前記噴射ヘッド又は前記給気本体のいずれかに設けられた駆動用操作手段(4)とから成り、前記駆動用操作手段を操作すると、前記給気手段から供給される気体と前記噴射ヘッドに設けられた貯蔵タンクから供給される液体が前記噴射孔で合流する携帯型噴霧装置であって、
前記カバー体(3)は第1の操作部材であり、この第1の操作部材の操作に基づき、前記噴射ヘッド(2)と前記制御弁(12)に設けた第1作動杆と連動レバーを含む動力変換手段を介して前記制御弁(12)が後退して前記ノズル(15)に対する封止状態が解かれ、これにより前記気体と前記液体が前記噴射孔で合流可能となり、第2の操作部材としての前記駆動用操作手段を操作すると、前記液体が前記気体の噴流に乗せられてミスト状態で噴射される携帯型噴霧装置。
【請求項7】
請求項6に於いて、動力変換手段は、第1作動杆と、該第1作動杆の上端部がカバー体(3)の上壁部の内面の突起状押圧部に当接するように付勢する第1付勢手段と、前記第1作動杆と制御弁とを連結する連動レバーとから成り、前記カバー体(3)を持ち上げるようスライドさせると、該カバー体(3)の前記突起状押圧部から規制が解かれた前記第1作動杆が前記第1付勢手段の付勢力により上昇し、これにより、前記動力変換手段を介して前記制御弁(12)が後退して前記ノズル(15)に対する封止状態が解かれることを特徴とする携帯型噴霧装置。
【請求項8】
請求項6に於いて、給気本体1には、前記動力変換手段と同時に作動する操作手段用の施・解錠手段が設けられている。
【請求項9】
請求項8に於いて、操作手段用の施・解錠手段は、第1作動杆の後端部に接続する第2作動杆と、この第2作動杆を前記第1作動杆の方向に付勢する第2付勢手段と、前記第2作動杆に連動するように略中央部が軸支され、かつ、先端部が駆動用操作手段(4)を係止する係止棒とを備え、前記第2作動杆が第2付勢手段の付勢力により上昇すると、前記係止棒が第2作動杆に連動して回転することにより、前記駆動用操作手段(4)のロック状態を解くことを特徴とする携帯型噴霧装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体(例えば化粧水)を気体(例えば圧縮空気)の噴流に乗せて噴霧できる携帯型の噴霧装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は韓国の特許公報である。この特許公報の発明の名称は「エアブラシ」である。この「エアブラシ」と称する公知発明は、液体を気体の噴流に乗せて噴霧する携帯型噴霧装置である。
【0003】
この公知発明の課題は、駆動用操作手段の操作性の向上を図ることである。すなわち、公知発明は、給気手段(6)を有する給気本体(12)と、この給気本体の上端部に雄と雌の筒状接続部(22、114)を介して一体的に接続すると共に、弁支持体(23)の先端部に設けられたノズル(24)を封止又は開放するように前記弁支持体に設けられたニードル弁(30)及び前記ノズルの先に噴射孔(271)を有する噴霧口部材(26)を備えた噴射ヘッド(20)と、前記噴射ヘッドに外嵌合する上壁が非開口の保護キャップ(40)と、前記噴射ヘッドの側壁に設けられた前記駆動用操作手段(36)とから成る。
【0004】
そして、前記保護キャップ(40)を前記噴射ヘッド(20)から完全に取り外した後、前記駆動用操作手段(36)の外端部を押すと、該ワンタッチ操作により、前記ニードル弁(30)が垂直方向に延びるトリガー(33)に連動するL形状の作動レバー(34)を介して付勢手段(32)の付勢力に抗して後退動し、ノズル(24)の流出孔を開放すると同時に、前記給気手段(6)が駆動し、該給気手段(6)から供給される気体(圧縮空気)は、雄と雌の筒状接続部(22、114)、弁支持体(23)に形成した給気通路、及びオリフィス(262)を通過して噴霧口部材(26)の噴射孔(271)に流れ込む。そして、前記噴射孔に勢い良く流れ込んだ気体は該噴射孔内で負圧状態となるので、前記ノズル(24)の流出孔から吸引された液体(例えば化粧液)は、気体の噴流に乗せってミスト状に外部に噴霧される(符号は特許文献1のもの)。
【0005】
この特許文献1の携帯型噴霧装置は、一つの押し釦式の駆動用操作手段(36)の内端部に垂直方向に延びるトリガー(33)を一体的に設け、このトリガーの中途部にレバー操作用の係合突起(333)を設け、この係合突起に連動するL形状の作動レバー(34)を介してニードル弁(30)を後退動させると同時に、給気手段(6)を駆動させるものであるから、前述した保護キャップ(40)は、単なる「キャップ」であり、操作部材ではない。付言すると、保護キャップ(40)は第1の操作部材と条件(観念)付けられてはいない。
【0006】
したがって、保護キャップ(40)を噴射ヘッド(20)から取り外した後、誤って動用操作手段(36)を操作すると、液体が噴射される可能性がある。また特許文献1の携帯型噴霧装置はニードル弁(30)を後退動させる構造が複雑であるという問題点があった。さらに、保護キャップ(40)を噴射ヘッド(20)に嵌合させるものの、該保護キャップ(40)自体は貯蔵タンク(20)の補充口を塞ぐゴムキャップの複数個の吸気小孔(284)を完全に密閉しないので、貯蔵タンク(20)内の液体が漏れる恐れがあった。加えて、保護キャップ(40)を噴射ヘッド(20)に完全嵌合させた状態で前記平坦状のゴムキャップを貯蔵タンク(20)から取外し、液体を補充することができないという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国特許第10−1530424号公報(登録日2015.06.15)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、特許文献1の問題点に鑑み、主たる課題は、第1操作部材としてのカバー体3と第2操作部材としての駆動用操作手段4とを条件(観念)付け、使用時、常に第1操作部材を上方に持ち上げない限り、第1操作部材を操作しても「液体(例えば化粧水、先顔液等)が気体(例えば圧縮空気、炭酸ガス等)の噴流に乗せてノズルから流れでないようにすることである。
【0009】
また第1実施形態では、第1操作部材と第2操作部材とを別個の部材とすることにより、動力変換部の簡略化を図り、これにより部品点数を減らし、携帯型噴射装置の内部構造を簡単にすることである。
【0010】
第2の課題は、カバー体3を噴射ヘッド2に完全に嵌め込んだとき、貯蔵タンク20の吸気部19から液体が漏れることはないようにすることである。さらに、カバー体3を噴射ヘッド2に完全に嵌め込んだとき、貯蔵タンク20に液体を補充することができることである。なお、第2実施形態は第1実施形態と同様に主たる課題を図ることであり、付加的課題として、カバー体3を噴射ヘッド2に完全に嵌め込んだとき、駆動用操作手段4を操作することができないことである。
【0011】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は、次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の携帯型噴霧装置は、給気手段(6)を有する給気本体(1)と、この給気本体に一体的に接続すると共に、弁支持体(14)の先端部に設けられたノズル(15)の流出孔を封止又は開放するように前記弁支持体に設けられた制御弁(12)及び前記ノズルに噴射孔を有する噴霧口部材(16)を備えた噴射ヘッド(2)と、前記噴射ヘッドに外嵌合するカバー体(3)と、前記噴射ヘッド又は前記給気本体のいずれかに設けられた駆動用操作手段(4)とから成り、前記駆動用操作手段を操作すると、前記給気手段から供給される気体と前記噴射ヘッドに設けられた貯蔵タンクから供給される液体が前記噴射孔で合流する携帯型噴霧装置であって、前記カバー体(3)は第1操作部材であり、この第1操作部材の操作に基づき、該カバー体(3)と前記制御弁(12)に設けた動力変換部を介して前記制御弁(12)が付勢手段(17)の付勢力により後退し
て前記ノズル(15)に対する封止状態が解かれ、
これにより前記気体と前記液体が前記噴射孔で合流可能となり、第2の操作部材としての前記駆動用操作手段を操作すると、
前記液体が前記気体の噴流に乗せられてミスト状態で噴射されることを特徴する(請求項1)。
【0013】
また本発明の携帯型噴霧装置は、給気手段(6)を有する給気本体(1)と、この給気本体に一体的に接続すると共に、弁支持体(14)の先端部に設けられたノズル(15)を封止又は開放するように前記弁支持体に設けられた制御弁(12)及び前記ノズルに噴射孔を有する噴霧口部材(16)を備えた噴射ヘッド(2)と、前記噴射ヘッドに外嵌合するカバー体(3)と、前記噴射ヘッド又は前記給気本体のいずれかに設けられた駆動用操作手段(4)とから成り、前記駆動用操作手段を操作すると、前記給気手段から供給される気体と前記噴射ヘッドに設けられた貯蔵タンクから供給される液体が前記噴射孔で合流する携帯型噴霧装置であって、
前記カバー体(3)は第1の操作部材であり、この第1の操作部材の操作に基づき、前記噴射ヘッド(2)と前記制御弁(12)に設けた第1作動杆と連動レバーを含む動力変換手段を介して前記制御弁(12)が後退し
て前記ノズル(15)に対する封止状態が解かれ、
これにより前記気体と前記液体が前記噴射孔で合流可能となり、第2の操作部材としての前記駆動用操作手段を操作すると、
前記液体が前記気体の噴流に乗せられてミスト状態で噴射されることを特徴する(請求項6)。
【発明の効果】
【0014】
(a)請求項1の発明は、使用時、第1操作部材と第2操作部材が、
いわば条件(観念)付けられているので、液体(例えば化粧水)を無駄に噴霧しない。
付言すると、第1操作部材の操作に基づき、カバー体(3)と制御弁(12)に設けた動力変換部を介して前記制御弁(12)が付勢手段(17)の付勢力により後退してノズル(15)に対する封止状態が解かれ、これにより気体と液体が噴射孔で合流可能となり、第2の操作部材としての駆動用操作手段を操作すると、前記液体が前記気体の噴流に乗せられてミスト状態で噴射されるので、前記液体を無駄に噴射するようなことがない。
(b)請求項2の発明は、カバー体3の内壁は、動力変換部の一部を構成する押圧部31を有するので、特許文献1のように、トリガー、係合突起、テコ式のレバー、支軸等噴射ヘッドに内設する必要がない。したがって、部品点数が少ないと共に、噴射ヘッドの構造が簡単になる。
(c)請求項3の発明は、動力変換部は、カバー体3の周壁部3aの下端部の内面から内側に突出する押圧部31と、該押圧部に圧接する状態で摺接する制御弁12の後端部12bであるから、前記(b)の効果を得ることができる。
(d)請求項4の発明は、カバー体3を噴射ヘッド2に完全に嵌め込んだとき、カバー体3の上壁の内面又は内面に設けた小突起のいずれかにより、貯蔵タンク20の吸気部19が密閉されるので、貯蔵タンクから液体が漏れるのを防止することができる。また、カバー体3を持ち上げるようにスライドさせると、貯蔵タンク20の吸気部19が開放するので、液体がノズルの流出孔から出ることが可能となる。
(e)請求項5の発明は、カバー体3の上壁部に形成した嵌合孔は、該カバー体3を噴射ヘッド2に完全に嵌め込んだとき、貯蔵タンク20の液補充口20aに着脱可能に設けられたゴムキャップが露出するように嵌合するので、必要なとき、前記ゴムキャップを前記貯蔵タンクから取外し、液体を補充することができる。
(f)請求項6の発明は、動力変換部を動力変換手段に代えたものの、請求項1の発明と同様の効果がある。
(g)請求項7の発明は、動力変換手段は、第1作動杆と、該第1作動杆の上端部がカバー体3の上壁部の内面の突起状規制部に当接するように付勢する第1付勢手段と、第1作動杆と制御弁とを連結する連動レバーとから成り、カバー体3を持ち上げるようスライドさせると、該カバー体3の前記突起状規制部から規制が解かれた前記第1作動杆が第1付勢手段の付勢力により上昇し、これにより、動力変換手段を介して制御弁12が後退してノズル15に対する封止状態が解かれるので、請求項1の発明と同様の効果がある。
(h)請求項8及び請求項9の発明は、給気本体1は、第1作動杆の後端部に接続する第2作動杆と、この第2作動杆を前記第1作動杆の方向に付勢する第2付勢手段と、第2作動杆に連動するように略中央部が軸支され、かつ、先端部が駆動用操作手段4を係止する係止棒とを備え、第2作動杆が第2付勢手段の付勢力により上昇すると、係止棒が第2作動杆に連動して回転することにより、駆動用操作手段4のロック状態を解くので、カバー体3を噴射ヘッド2に完全に嵌め込んだとき、駆動用操作手段4は係止棒により係止されるので、誤操作を完全に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1乃至
図11は本発明の第1実施形態を示す各説明図。
図12乃至
図16は本発明の第2実施形態を示す各説明図。
【
図1】第1実施形態の噴射ヘッドからカバー体を取り外した状態の斜視図。
【
図3】噴射ヘッドにカバー体を完全に嵌めた状態の概略説明図。
【
図4】給気本体と噴射ヘッドとの接続手段の一例を示す概略説明図、
【
図5】要部(噴射口部材、ノズル、制御弁支持体、制御弁、付勢手段)の概略説明図。
【
図6】液体が貯留タンクから制御弁支持体及びノズルを介して噴射口部材まで流れる概略説明図。
【
図7】気体が給気手段から接続手段及び給気通路を介して噴射口部材まで流れる概略説明図。
【
図8】噴射口部材に液体と気体が合流する概略説明図。
【
図10】
図2に於いて、カバー体を上方(矢印方向)に持ち上げた状態の概略説明図。
【
図11】操作手段を押したとき、噴射口部材の噴射孔から液体がミスト状に噴射される状態の概略説明図。
【
図13】
図11に於いて、カバー体を上方(矢印方向)に持ち上げた状態の概略説明図。
【
図15】要部の分解斜視図(第1作動杆側を含む動力変換手段)。
【
図16】要部の分解斜視図(第2作動杆を含む施・解錠手段)。
【符号の説明】
【0016】
Z、Z1…携帯型噴霧装置、1…給気本体、
2…噴射ヘッド、 3…カバー体、
4…操作手段、 5…回路基板、6…給気手段、
7…電源(バッテリー)、 8…充電用端子差込口、
9…雄の接続筒部、 11…雌の接続筒部、
12…制御弁、 13…給気通路、
14…弁支持体、 15…ノズル、
16…噴霧口部材、 17…付勢手段、
18…液溜り部、 19…吸気部、
20…貯蔵タンク、 21…ゴムキャップ、
22…係合溝、 30…垂直案内溝、
31…押圧部、 32…嵌合孔、
33…係合爪片、 34…切欠部、
41…第1作動杆、 44…連動レバー、
46…第1付勢手段、 51…第2作動杆51、
52…第2付勢手段、 54…係止棒。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
携帯型噴霧装置Zは、片手で握ることができる大きさである。携帯型噴霧装置Zは金属製又は合成樹脂製である。部品の中には、シール部材が適宜に設けられている。気体bは圧力媒体なので、各部材は気密性を考慮して組み合わせられる。
この噴霧装置Xは、基本的には、ケース状の給気本体1と、この給気本体1の上端部、下端部、周側部等に一体的又は取り外し可能に接続するケース状の噴射ヘッド2と、この噴射ヘッド2の全部又は一部をカバーするカバー体3とから成る。なお、実施形態では、前記噴射ヘッド2は給気本体1の上端部に接続している。
【0018】
まず給気本体1は、外端部が露出する釦式の駆動用操作手段4、この駆動用操作手段4の内端部と接続する回路基板5、この回路基板5の制御回路に電気的に接続する給気手段(エアポンプ、モータ)6、この給気手段6に電気を供給する電源(バッテリー)7、充電用端子差込口8、雄側の弾性の接続筒部9を備えている。
ところで、釦式の駆動用操作手段4は、第1実施形態では給気本体1ではなく、噴射ヘッド2の下端部の適宜箇所に設けられ、該駆動用操作手段4の内端部は、例えば駆動用操作手段4を下方へ押下げることにより、回路基板5のスイッチに接触可能である。
したがって、駆動用操作手段4は、好ましくは給気本体1の上端部又は噴射ヘッド2の下端部のいずれかに設けられる。また駆動用操作手段4はテコ式の操作ノブであっても良い。給気本体1の細部的事項は後述する。
【0019】
次に噴射ヘッド2は、支持フレームの一部を構成する底部の略中央部に前述した弾性接続筒部9と接続する雌又は雌の接続筒部11、その略中央部に水平軸X方向に進退動する制御弁(例えばニードル弁)12、この制御弁12を支持すると共に、下部側に給気通路13を有する弁支持体14、この弁支持体の先端部に一体的に装着された制御弁用のノズル15、このノズルを略包むように前記弁支持体14に螺着し、かつ前記給気通路13と連通すると共に前記ノズルの管状先端部の外周壁との間に横向き円錐状のオリフィス16bを有する噴霧口部材16、前記弁支持体14の後端部に装着され、かつ前記制御弁12の大径の後端部に圧接した状態で、該制御弁12が前記ノズル15に対して開放する方向に常に付勢する付勢手段(例えば圧縮バネ)17、前記弁支持体14の上方に設けられ、その突出下端部が該弁支持体の上部側に形成した液溜り部18に連通すると共に、その環状の上端部に外気を取り入れる吸気部19を有する貯蔵タンク20、貯蔵タンクの補充口20aを閉じるゴムキャップ21、その他係合溝22を備えている。なお、噴射ヘッド2の細部的事項は後述する。
【0020】
次にカバー体3は、下端開口の周壁部3aと、この周壁部3aの上端に略直交して連続する環状上壁部3bとから成り、前記周壁部3aの内面の下端部には内側に傾斜状に突出する押圧部31が設けられている。前記押圧部31の傾斜面は、実施形態ではカム面である。
【0021】
また前記環状上壁部3bの略中央部には、前述したゴムキャップ21が嵌合する円形或いは多角形の嵌合孔32が形成されている。さらに、環状の上壁部3bの内面の適宜箇所には支持フレームの係合溝22と係脱する弾性の係合爪片33が設けられている。
【0022】
上記構成に於いて、給気本体1を図示しない片手で握り、カバー体3の周壁部3aを他方の手で垂直軸線Y方向へ持ち上げるようする。そうすると、カバー体3の係合爪片33が材質自体により弾性変位して噴射ヘッド2の係合溝22から外れる。なお、カバー体3は上方にスライドするが、必ずしも噴射ヘッド2から外す必要はない。
【0023】
カバー体3が上方にスライドすると、制御弁12の大径の後端部の右下がり状傾斜面(カム面)12dから該カバー体3の下端部の押圧部の右下がり状対向傾斜面(対向カム面)が離れて行くので、制御弁12は付勢手段17の付勢力により後退する。この時、付勢手段17は伸びる。そうすると、制御弁12の針状先端部12aの外周面とノズル15の細い管状先端部の内周面との間に隙間が生ずる。また、カバー体3の環状の上壁部3bが貯蔵タンク20及びゴムキャップ21の上面から離れるので、前記貯蔵タンク20の吸気部19から外気が入り込むことが可能となる。付言すると、貯蔵タンク20の液体(例えば化粧液)aが、該貯蔵タンク20の下端部から弁支持体14の上部側の液溜り部18及び弁支持体14の給気通路13、噴霧口部材16の後端部に形成した横向き円錐状のオリフィスを介してノズル15の細い管状先端部から流出可能となる。
【0024】
そこで、駆動用操作手段4の外端部を押し下げる(実施形態)。そうすると、その内端部が回路基板5の接点に直接又はトリガーを介して間接的に接触し、スイッチが「ON」となる。スイッチが「ON」となると、給気手段6が駆動する。給気手段6から圧送される気体(圧縮空気)bは、雄・雌の接続筒部9,11、給気通路13(縦方向の給気路13a、横方向の連通路13b)を介してオリフィスへと流れる。そして、気体bがオリフィス16bの先端部の狭い噴出孔から噴霧口部材16の先端部の大径の噴射孔16aに勢い良く流れ込むと、該気体bは負圧状態となるので、ノズル15の細い管状先端部内の液体aは前記噴射孔16aへと吸引される。吸引された液体aは、前記気体bと合流して前記噴射孔16aからミスト状態cで噴射
可能となる。
そこで、後述するように、駆動用操作手段4の外端部を押し続けている間、
液体が気体の噴流に乗せられてミスト状態で噴射される。
そして、駆動用操作手段4から指を離すと、スイッチが「OFF」となり、給気手段6の駆動が停止する。
【0025】
上記構成に於いて、カバー体3を押下げると、該カバー体3の押圧部31の対向傾斜面が制御弁12の後端部の傾斜面12dを摺動しながら押圧する。この時、前記押圧部31の反力により制御弁12が前進する。また付勢手段17の一端部(先端部)は、弁支持体14の後端部に形成されたフランジ部に支持されているので、圧縮状態となる。そして、カバー体3を手で完全に押下げると、カバー体3の係合爪片33は弾性変位した後に弾性復帰し、噴射ヘッド2の係合溝22に係合する。
【0026】
カバー体3が噴射ヘッド2に完全に嵌合すると、押圧部31で押された制御弁12は付勢手段17の付勢力に抗して弁支持体14の内部をX軸線方向に前進するので、針状先端部は、ノズル15の細い管状先端部の流出孔を貫通状態に閉じる。
【0027】
また、カバー体3の上壁部3bの中心部の嵌合孔32がゴムキャップ21の平坦状フランジに遊嵌合すると共に、前記上壁部3bの内面に突設した小突起が貯蔵タンク20の吸気部19の上端部に略整合(係合する。その結果、吸気部19は小突起3dに封鎖される。
【0028】
この実施形態では、カバー体3をY軸線方向に持ち上げると、カバー体3と制御弁12に設けた動力変換部(例えばカバー体3の押圧部31と制御弁12の後端部)を介して、制御弁12が付勢手段17の付勢力によりX軸線方向に後退して、ノズル15に対する封止状態が解かれると同時に、貯蔵タンク20の吸気部19も物理的に開放するので、液体がノズル15から流出可能となる。この時、少なくともカバー体3の係合爪片33が噴射ヘッド2の係合溝22から外れることが条件である。この条件を満たさないと、操作手段4を操作しても、気体bが噴射されるだけである(液体aは噴射されない)。
【0029】
また、カバー体3の上壁部3bと貯蔵タンク20のゴムキャップ21との距離が物理的に長くなるので、制御弁12の開放時、前記ゴムキャップ21を外すことが出来なくなる。一方、前述したように、カバー体3を噴射ヘッド2から完全に外さなくても、駆動用操作手段4の操作が可能となるので、操作部材4の操作を直ぐに開始することができる。
【0030】
液体aが気体bに乗ってミスト状に噴流しているとき、操作部材4から指を離すと、復帰バネ10の復帰力により、該操作手段4は元の位置へと復帰(上昇)する。そうすると、前記噴流は直ちに停止する。そこで、カバー体3を完全に押下げ、該カバー体3の係合爪片33と噴射ヘッド2の係合溝22とが係合すると、動力変換部31、12cを介して制御弁12はノズル15の流出孔を封止すると同時に、該カバー体3は貯蔵タンク20の吸気部19を小突起3d(実施形態)で封止する。これによりノズル15の流出孔15a及び貯蔵タンク20の吸気部19から液体が完全に漏れることはない。
【0031】
したがって、第1実施形態の携帯型噴霧装置Zは、給気手段6を有する給気本体1と、この給気本体の上端部に一体的に接続すると共に、弁支持体14の先端部に設けられたノズル15の流出孔15aを封止又は開放するように弁支持体14に設けられた制御弁12及びノズルに噴射孔を有する噴霧口部材16を備えた噴射ヘッド2と、噴射ヘッド2に外嵌合するカバー体3と、噴射ヘッド2に設けられた(本実施形態)駆動用操作手段4とから成る。
【0032】
そして、使用時、第1操作部材のカバー体3と第2操作部材の駆動用操作手段4は条件(観念)付けられているので、誤って駆動用操作手段4を操作しても、液体(例えば化粧水)aが噴霧されることはない。それ故に、液体aを無駄に噴霧しない。
そして、カバー体3を持ち上げるようスライドさせると、このカバー体3と制御弁12に設けた動力変換部を介して、制御弁12が付勢手段17の付勢力により後退する。その結果、ノズル15に対する封止状態が解かれると同時に、噴射ヘッド2に設けた貯蔵タンク20の吸気部19も物理的に開放する。
【0033】
次に
図1乃至
図11を参照にして、第1実施形態の各部材の細部的事項を説明する。細部的事項は簡単に説明し、また不番の部材や部位がある。なお、先端部の用語は噴射孔16aが見える側である。したがって、後端部の用語は噴射孔16aとは反対側である。
まず、
図1の左側に給気本体1が示されている。この給気本体1の外壁は、携帯型噴霧装置Zの下部ケース24である。この下部ケース24は、円筒状の周壁24aと、円形の底壁24bと、上壁24cを有する。前記上壁24cは、雄接続筒部9用の大きい貫通孔25とトリガー26用の小さい貫通孔27を有する。前記トリガー26は操作手段4の内端部に一体的に接続している。下部ケース24の内部には、電源7及び給気手段6を収納する空間、回路基板5を支持する支持板、雄又は雌の接続筒部9を支持する支持部等がある。これらの符号は省略する。さらに、円形の底壁24bの全部又は一部が係脱可能な図面も簡略する。また充電用端子差込口8の説明も省略する。
【0034】
次に、
図1の給気本体1の上端部には、脱着可能な噴射ヘッド2が取付けられている。この噴射ヘッド2外壁は、携帯型噴霧装置Zの上部ケース28である。この上部ケース28は、短筒状の周壁28aと、円形の底壁28bと、環状の上壁28cを有する。前記周壁28a先端部(手前側)からは、噴霧口部材16の先端部の噴射孔16aが見える。したがって、周壁28aには噴射孔16a用の開口が形成されている。
【0035】
一方、周壁28aの後端部(向う側)には釦式の駆動用操作手段4が上下方向にスライドできるように設けられている。前記環状の上壁28cの後端部には係合溝22が形成されている。また環状の上壁28cの内側には摺り鉢形状の受け面を有する貯蔵タンク20用の収納部29が設けられている。
【0036】
さらに、上部ケース28の後端部には、環状の上壁28cの上端面から円形の底壁28bの後端部の内面に至る垂直案内溝30が形成されている。この垂直案内溝30には、カバー体3の垂直片状の係合部分3cが係合する。またこの垂直案内溝30はトリガー26用の小さい貫通孔27と連通している。
【0037】
次に、
図1の噴射ヘッド2の上方には、液体aを充填した貯蔵タンク20とゴムキャップ21が示されている。貯蔵タンク20の形状は任意に設計変更できる事項である。貯蔵タンク20の上壁には吸気部(例えば摺り鉢形の孔)19と補充口20aが形成されている。この補充口20aにはフランジ部21aの一部に舌片21bを有するゴムキャップ21が密に嵌合する。貯蔵タンク20の突出下端部は、シールされた状態で弁支持体14の液溜り部18に嵌入する。
【0038】
次に、カバー体3を説明する。カバー体3はキャップ状に形成されている。しかし、完全な周壁や上壁を有するキャップではなく、本実施形態では、前述したように周壁部3aの先端部の下端部に切欠部34を有する。また該周壁部3aの後端部には、下端部の内側に爪状に突出する押圧部31を有する垂直片状の係合部分3cが設けられている。
前記押圧部31の押圧面は傾斜状に形成され、制御弁12の後端部2cの対向傾斜面12dに対して反力を与える。また上壁部3bの中央部(中央部寄りの部位も含まれる)には嵌合孔32が形成されている。さらに、前記上壁部3bの内面の前記垂直片状の係合部分3cの付近には、噴射ヘッド2の係合溝22と係脱する弾性の係合爪片33が設けられている。その他の細部的事項の説明は割愛する。
【0039】
次に
図2は、
図1の2−2線断面に基づくカバー体3の説明図である。カバー体3を横断面で見ると、陸上のトラック形状に形成されている。この横断面は円形又は多角形であっても良い。カバー体3の先端部の下端部には、仮想線で示す切欠部34が形成されている。一方、カバー体3の後端部の略中央部の内壁面には垂直片状の係合部分3cが形成され、この係合部分3cは前述の垂直案内溝30と係合する。そして、前記係合部分3cの下端部には傾斜面或いは突起を有する押圧部31が設けられている。
【0040】
次に
図9は、付勢手段17と制御弁12の斜視図である。制御弁12は、好ましくはニードル弁を用いている。この制御弁12は、先端部1
2aが針先状に形成され、その後端部は横向き凹所の内壁面の中央部に設けられた筒状の支持部12bに一体的に取付けられている。前記横向き凹所には弁本体14の後端部が嵌入する。前記ケース状後端部12cの後端は傾斜状の受け面12dである。付勢手段17の先端部17aは弁支持体14の環状受け面に圧接する。一方、付勢手段17の後端部17bは前記後端部12cの先端面に圧接する。
【実施例】
【0041】
ここでは、
図12乃至
図16を参照にして、本発明の第2実施形態を説明する。なお、この第2実施形態の説明に当って、第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して重複する説明を割愛する。
【0042】
第2実施形態の主たる課題は、第1実施形態と同様に、第1操作部材としてのカバー体3と第2操作部材としての駆動用操作手段4とを条件(観念)付け、使用時、常に第1操作部材4を上方に持ち上げない限り、第1操作部材4を操作しても、液体a(例えば化粧水)が気体b(例えば圧縮空気)の噴流に乗ってノズル15から流れでないことである。
しかしながら、第1実施形態と同様に部品点数を減らして内部構造を「簡単」にするものではない。また第2実施形態の付加的課題は、カバー体3を噴射ヘッド2に完全に嵌め込んだとき、駆動用操作手段4を操作することができないようにすることである。
【0043】
さて、第2実施形態の主に異なる点は、次の通りである。(a)駆動用操作手段4が給気本体1の先端部の上端部に設けられている点、(b)駆動用操作手段4は押下げ方式ではなく、プッシュ方式である点、(c)カバー体3の上壁部3bの内面に突起状押圧部31を設けた点、(d)動力変換部が第1作動杆41と連動レバー42を含む動力変換手段である点、(e)前記第1作動杆41は噴射ヘッド2の後端部側の内部に形成された垂直案内溝に案内される所定長の垂直杆である点、(f)連動レバー42は、アングル形状であり、例えば短いテコ杆42aと、この短いテコ杆42aに対して所定角度開いた長いテコ杆42bとから成り、中心部が支軸44に軸支されている点、(g)前記短いテコ杆42aの下端部は案内長孔43を有し、この案内長孔43は連結ピン45を介して制御弁(ニードル弁)12のフランジ状支持部12bと連係している点、(h)第1作動杆41は、大径の上端部と小径の下端部とを有し、前記小径の下端部に第1付勢手段46が巻装されている点、(i)第1付勢手段46は第1作動杆41を常に上方に付勢する圧縮バネである点、(j)そして、前記第1作動杆41の大径の上端部の中央部或いは下端部寄りの部位には、前記連動レバー42のテコ杆42aと係合する突起状の係合部(例えば係合ピン)47が設けられている点である。
【0044】
したがって、動力変換手段は、突起状の係合部47を有する垂直棒状の第1作動杆41と、一方のテコ杆42bが前記係合部47と係合し、他方のテコ杆42aが制御弁12の連結ピン45と連係する連動レバー42とから成る。
一方、給気本体1には、前記動力変換手段と同時に作動する操作手段用の施・解錠手段が設けられている。そこで、動力変換手段に連動する施・解錠手段の主な構成を列挙する。
【0045】
すなわち、
(1)給気本体1の後端部側の内部には、第1作動杆41の後端部に接続する第2作動杆51が上下方向に設けられている。この第2作動杆51は、上端部に第1作動杆41の小径の後端部が遊嵌合する接続支持部を有する所定長の垂直杆である。この第2作動杆51は第1作動杆と同様に図示しない垂直案内溝に案内される。
(2)第2作動杆51は、大径の上端部と小径の下端部とを有し、前記小径の下端部に第2付勢手段52が巻装されている。この第2付勢手段52は第2作動杆51を常に上方に付勢する圧縮バネである。そして、前記小径の下端部には、係止棒54の後端部に設けた案内長孔54aと係合する連結ピン55が設けられている。
(3)そして、第2作動杆51の小径の下端部は、前記係止棒54の略中央部は、給気手段6の上端部側に設けられた支軸53に軸支され、かつ、その先端部54bが駆動用操作手段4と係脱する。そして、前述した第2作動杆51の小径部の下端を支持する支持部56aを有するパイプ状支持杆56が第2作動杆51に対して設けられている。
【0046】
したがって、第2実施形態の携帯型噴霧装置Z1は、給気手段6を有する給気本体1と、この給気本体の上端部に一体的に接続すると共に、弁支持体14の先端部に設けられたノズル15を封止又は開放するように前記弁支持体に設けられた制御弁12及び前記ノズルに噴射孔を有する噴霧口部材16を備えた噴射ヘッド2と、前記噴射ヘッドに外嵌合するカバー体3と、前記噴射ヘッド又は前記給気本体のいずれかに設けられた駆動用操作手段4とから成り、前記駆動用操作手段を操作すると、前記給気手段から供給される気体と前記噴射ヘッドに設けられた貯蔵タンクから供給される液体が前記噴射孔で合流する携帯型噴霧装置であって、前記カバー体3は第1の操作部材4であり、この第1の操作部材4の操作に基づき、前記噴射ヘッド2と前記制御弁12に設けた第1作動杆41と連動レバー44を含む動力変換手段を介して前記制御弁12が後退し、かつ前記ノズル15に対する封止状態が解かれることを条件として、第2の操作部材としての前記駆動用操作手段(4)を操作する。
【0047】
付言すると、前記動力変換手段は、第1作動杆41と、該第1作動杆の上端部がカバー体3の上壁部の内面の突起状押圧部31に当接するように付勢する第1付勢手段46と、前記第1作動杆と制御弁とを連結する連動レバー44とから成る。
そして、前記カバー体3を持ち上げるようスライドさせると、該カバー体3の前記突起状押圧部31から規制が解かれた前記第1作動杆41が前記第1付勢手段46の付勢力により上昇する。その結果、前記動力変換手段を介して前記制御弁12が後退して前記ノズル15に対する封止状態が解かれる。
【0048】
さらに、給気本体1は、前記動力変換手段と同時に作動する操作手段用の施・解錠手段を備えている。この操作手段用の施・解錠手段は、第1作動杆41の後端部に接続する第2作動杆51と、この第2作動杆51を前記第1作動杆41の方向に付勢する第2付勢手段52と、前記第2作動杆51に連動するように略中央部が軸支され、かつ、先端部が駆動用操作手段4を係止する係止棒54とを備えている。
そして、前記第2作動杆51が第2付勢手段52の付勢力により上昇すると、前記係止棒54が第2作動杆51に連動して回転することにより、駆動用操作手段4のロック状態を解く。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、人体の肌を綺麗にするための美容器具として使用される。