特許第6543364号(P6543364)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社スクウェア・エニックスの特許一覧

<>
  • 特許6543364-ゲーム機 図000002
  • 特許6543364-ゲーム機 図000003
  • 特許6543364-ゲーム機 図000004
  • 特許6543364-ゲーム機 図000005
  • 特許6543364-ゲーム機 図000006
  • 特許6543364-ゲーム機 図000007
  • 特許6543364-ゲーム機 図000008
  • 特許6543364-ゲーム機 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6543364
(24)【登録日】2019年6月21日
(45)【発行日】2019年7月10日
(54)【発明の名称】ゲーム機
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/285 20140101AFI20190628BHJP
   A63G 31/04 20060101ALI20190628BHJP
   A63F 13/90 20140101ALI20190628BHJP
   A63F 13/50 20140101ALI20190628BHJP
   A63F 13/803 20140101ALI20190628BHJP
【FI】
   A63F13/285
   A63G31/04
   A63F13/90
   A63F13/50
   A63F13/803
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-17697(P2018-17697)
(22)【出願日】2018年2月2日
【審査請求日】2018年2月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】308033283
【氏名又は名称】株式会社スクウェア・エニックス
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(72)【発明者】
【氏名】丹沢 悠一
(72)【発明者】
【氏名】石川 岳
(72)【発明者】
【氏名】▲桑▼田 光明
(72)【発明者】
【氏名】斧田 洋明
(72)【発明者】
【氏名】加藤 静治
(72)【発明者】
【氏名】奥井 健
【審査官】 東 芳隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−271349(JP,A)
【文献】 実開昭58−077785(JP,U)
【文献】 特開平04−336091(JP,A)
【文献】 実開平05−011991(JP,U)
【文献】 実開平05−070347(JP,U)
【文献】 特開平09−146446(JP,A)
【文献】 特開2003−079959(JP,A)
【文献】 特開2007−068881(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0316826(US,A1)
【文献】 国際公開第2017/203750(WO,A1)
【文献】 家入 龍太,超リアル!座席が傾くドライブシミュレーター,日経 xTECH,[online],2009年 5月21日,2018年10月23日検索,URL,https://tech.nikkeibp.co.jp/kn/article/it/column/20090521/532757/
【文献】 【超会議2016】バンナム、スクエニなどによる本気のVRゲームを体験してきた,Yahoo!ゲーム,[online],2016年 4月30日,2018年10月23日検索,URL,https://games.yahoo.co.jp/news/item?n=20160501-00000001-ygame_famitsuapp_g
【文献】 kure,【体験レポ】VR体験で沸いた先端コンテンツ技術展―前編,Mogura VR,[online],2016年 7月 8日,2018年10月23日検索,URL,https://www.moguravr.com/contents-tokyo-repo/
【文献】 栗本 浩大,【レポート】『ガンダムVR』で感じた恐怖と興奮…ガンダムの手に乗り、ザクに襲われる,インサイド,[online],2016年 8月25日,2018年10月23日検索,URL,https://www.inside-games.jp/article/2016/08/25/101239.html
【文献】 ジサトラ ハッチ,ついに追加されたエヴァの“暴走”が激ヤバ!「エヴァンゲリオン VR The 魂の座」新バージョンを体験,ASCII.jp,[online],2017年12月22日,2018年10月23日検索,URL,http://ascii.jp/elem/000/001/607/1607517/
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/00−13/98
A63G 31/00−31/16
A63B 1/00−33/00
G09B 9/02−9/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレーヤが搭乗する搭乗部と、該搭乗部を傾斜および振動させる可動機構と、を有するゲーム機であって、
前記搭乗部に搭乗するプレーヤの仮想空間における視点が鉛直上向きで且つ該プレーヤが操作する仮想空間内で表示されるオブジェクトが該仮想空間において鉛直下向きに移動中の場合、前記搭乗部をプレーヤ後方側に傾斜させる第1の制御を前記可動機構に行わせるための駆動信号を生成し、
前記搭乗部に搭乗するプレーヤの仮想空間における視点が鉛直下向きで且つ該プレーヤが操作する仮想空間内で表示されるオブジェクトが該仮想空間において鉛直下向きに移動中の場合、前記搭乗部をプレーヤ前方側に傾斜させる第2の制御を前記可動機構に行わせるための駆動信号を生成する生成手段と、
前記可動機構に前記生成手段が生成した駆動信号を送信する送信手段と
を備えることを特徴とするゲーム機。
【請求項2】
前記送信手段が、前記搭乗部に搭乗するプレーヤが操作する仮想空間内で表示されるオブジェクトに対して、該オブジェクトを中心に周方向に分割された複数の範囲を設定し、該複数の範囲のうち前記オブジェクトが攻撃を受けた箇所に対応する範囲を特定し、特定した範囲と前記中心を挟んで対向する範囲に対応付けられている方向に該搭乗部を傾斜させる制御と、この制御後に前記搭乗部を振動させる制御と、を前記可動機構に行わせるための駆動信号を生成し、
前記送信手段が、前記可動機構に該駆動信号を送信する
ことを特徴とする、請求項に記載のゲーム機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム機に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲーム機には、プレーヤが搭乗する搭乗部(筐体)が可動する体感型ゲーム機がある。このような体感型ゲーム機には、プレーヤが操作対象とするキャラクタ(以下、移動体と称する)を操作するための操作部が備わっており、プレーヤが操作部を操作すると、その操作量に応じて、仮想空間内の移動体の挙動を制御することができる。特許文献1および2には、このような体感型ゲーム機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−036099号公報
【特許文献2】特開2017−196293号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
体感型ゲーム機では、移動体の挙動に応じて搭乗部(筐体)の挙動を制御することでプレーヤに移動体の挙動を体感させて臨場感を演出していた。例えば、体感型ゲーム機には、ゲーム中に移動体が攻撃を受けた場合に搭乗部(筐体)全体を振動させることでプレーヤに攻撃を受けたことを体感させ、それにより臨場感を演出するものがあった。しかしながら、体感型ゲーム機に対しては、移動体に係る様々な状況をプレーヤに体感させるためにも、さらなる臨場感の演出が求められていた。
【0005】
本発明は、臨場感を向上させるための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的を達成するために、例えば、本発明のゲーム機は以下の構成を備える。すなわち、
プレーヤが搭乗する搭乗部と、該搭乗部を傾斜させる可動機構と、を有するゲーム機であって、
前記搭乗部に搭乗するプレーヤが操作する移動体が攻撃を受けた側を特定し、前記搭乗部において該特定した側と反対の側に対応付けられている側に該搭乗部を傾斜させる第1の制御と、該第1の制御後に前記搭乗部を振動させる第2の制御と、を前記可動機構に行わせるための駆動信号を生成する生成手段と、
前記可動機構に前記駆動信号を送信する送信手段と
を備えることを特徴とするゲーム機。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、臨場感を向上させるための技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係るゲーム機の構成を示すブロック図。
図2】本実施形態に係るゲーム機の制御を示すフローチャート。
図3】別の実施形態に係るゲーム機の制御を示すフローチャート。
図4】別の実施形態に係る移動体操作の制御を示すフローチャート。
図5】本実施形態に係るゲーム機の概略図。
図6】一実施形態に係るゲーム機の可動部の概略図。
図7】一実施形態に係るゲーム機の可動部の背面図。
図8】一実施形態に係るゲーム機の可動部の背面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を適用できる実施形態を図面に基づいて説明する。ただし、本発明の範囲は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0010】
本実施形態に係るゲーム機は、プレーヤが搭乗する搭乗部と、該搭乗部を傾斜させる可動機構と、を有し、搭乗部に搭乗するプレーヤが操作する移動体が攻撃を受けた側を特定し、搭乗部において該特定した側と反対の側に対応付けられている側に搭乗部を傾斜させる第1の制御と、第1の制御後に前記搭乗部を振動させる第2の制御と、を可動機構に行わせるための駆動信号を生成する生成手段と、可動機構に駆動信号を送信する送信手段とを備えている。これより、例えば、移動体が攻撃を受けた際の臨場感を向上させることができる。
【0011】
(本実施形態に係るゲーム機)
図1は、本実施形態に係るゲーム機(体感型ゲーム機)の構成を示すブロック図である。本実施形態に係るゲーム機10は、ゲーム機本体部20、表示部30、操作部40、制御部50、および可動部60を備えている。
【0012】
一実施形態において、ゲーム機本体部20は、CPU21、ROM22、およびRAM23を備えており、ゲーム機10の動作を統括的に制御する。ゲーム機本体部20は、画像処理回路、音声処理回路などを含み得り、CPU21によって適宜使用される。CPU21は、ROM22に予め格納されたゲームプログラムやゲームデータなどに従い、移動体を含む仮想空間の映像を生成して表示部30に表示する。RAM23は、ROM22からCPU21がロードしたゲームプログラムやゲームデータを保持するためのエリア、およびCPU21が各種の処理を実行する際に用いるワークエリア、を有する。
【0013】
操作部40は、プレーヤが移動体や仮想空間におけるプレーヤの視点(プレーヤ視点)を操作するためのものである。プレーヤが操作部40を操作することで入力する「移動体やプレーヤ視点の移動などの操作指示」は、操作部40から操作指示信号としてゲーム機本体部20に送られ、CPU21が、該操作指示信号に応じて移動体やプレーヤ視点の態様などを演算する。またCPU21は、移動体が他キャラクタ(例えば、敵のゲームキャラクタ)からの攻撃を受けた場合にも、移動体の態様を演算する。CPU21により演算された移動体やプレーヤ視点の様態の演算結果は、上記の映像にも反映される。
【0014】
一実施形態において、制御部50は、CPU51、ROM52、RAM53を備えている。CPU51は、CPU21によって演算された移動体やプレーヤ視点の態様などの信号を受け取り、ROM52に予め格納されたゲームプログラムやゲームデータなどに従って、該信号から可動部60を駆動させるための駆動信号を生成する。可動部60は、可動機構61および搭乗部62を備えている。可動機構61は、CPU51によって生成された駆動信号に基づいて駆動し、これによりプレーヤが搭乗する搭乗部62が動かされる。なお、制御部50の機能はゲーム機本体部20が担っても良い。
【0015】
図2は、本実施形態に係るゲーム機の制御を示すフローチャートである。一実施形態において、プレーヤが操作部40を操作することで、ゲーム開始の信号がゲーム機本体部20に送信される。ゲーム機本体部20では、CPU21がROM22に予め格納されたゲームプログラムやゲームデータをRAM23にロードし、これに従い表示部30に映像を表示する表示指示信号を送信し、ゲームが開始される。なお、図2のフローチャートは、ゲーム中における可動部60の駆動制御に係る処理を示すものであり、実際には、図2のフローチャートに従った処理と平行して、CPU21は上記の如く、仮想空間の映像を生成して表示部30に表示する処理を行っている。
【0016】
ステップS100では、CPU21は、移動体において他キャラクタ(他の移動体)から攻撃を受けた側(被弾した側)を演算して特定する。例えば、移動体を基準とした方位方向を4分割(移動体正面から半時計回りに90°までの第1範囲、90°から180°までの第2範囲、180°から270°までの第3範囲、270°から正面(360°)までの第4範囲)に分けた場合に、他キャラクタや弾が第1範囲から第4範囲のどの範囲で移動体と接触したのかを特定する。CPU21によって演算された信号は制御部50に送信され、ステップS101に移行する。
【0017】
ステップS101では、ゲーム機本体部20から送信されてきた信号に従い、制御部50のCPU51は、ROM52に予め格納されたゲームプログラムやゲームデータなどに従い、該信号から可動部60を駆動させるための駆動信号を生成する。一実施形態において、駆動信号は、以下に説明する第1の制御および第2の制御を可動機構61に実施させるための信号である。第1の制御では、ゲーム機本体部20から送信されてきた上記の信号で特定される「移動体が攻撃を受けた側」と反対の側に対応付けられている搭乗部62の側に搭乗部62を傾斜させる。第2の制御では、第1の制御後に搭乗部62を振動させる。
【0018】
たとえば、ゲーム機本体部20から移動体の右側が攻撃を受けた側である場合、第1の制御では、移動体が攻撃を受けた側と反対の側に対応付けられている搭乗部62の側、つまり搭乗部62の左側を傾斜させ、第2の制御では、第1の制御後に、搭乗部62が前後および左右の少なくとも1つの方向に振動させる。そしてCPU51は、生成した駆動信号を可動部60に対して送信する。
【0019】
ステップS102では、可動部60における可動機構61は、制御部50から送信されてきた駆動信号に従って駆動し、これにより、搭乗部62(筐体)が可動する。一実施形態において、移動体の右側に着弾した場合、移動体が攻撃を受けた側と反対の側に対応付けられている側、つまり搭乗部62の左側を傾斜させ、その後、搭乗部62が前後および左右の少なくとも1つの方向に振動するように、可動機構61が駆動する。
【0020】
ステップS103では、ゲームを終了するか否かが選択され、ゲームを終了させない場合は、ステップS100の前に戻される。
【0021】
本実施形態に係るゲーム機の制御によれば、移動体が攻撃を受けた側と反対の側に対応付けられている搭乗部62の側が傾斜し、かつ前後および左右の少なくとも1つの方向に振動するように、搭乗部62が可動するように制御されるので、プレーヤはあたかも被弾したような感覚(臨場感)を得ることができる。
【0022】
図3は、別の実施形態に係るゲーム機の制御を示すフローチャートである。ゲームの開始は、図2を参照して説明した処理と同様である。ステップS200では、プレーヤが操作部40を操作して仮想空間における視点または移動体を移動させるための操作指示を入力したのか否かを判断する。プレーヤが操作部40を操作して上記の操作指示を入力した場合、操作部40から操作指示信号がゲーム機本体部20に送信され、ステップS201に移行する。一方、プレーヤが操作部40を操作して上記の操作指示を入力していない場合は、ステップS204に移行する。ステップS204からステップS207はステップS100からS103と同様の処理である。
【0023】
ステップS201では、操作部40から送信された操作指示信号に従い、ゲーム機本体部20のCPU21が、プレーヤ視点に対する移動体の相対姿勢(傾斜方向および傾斜角度など)を演算する。CPU21によって演算された信号は制御部50に送信され、ステップS202に移行する。
【0024】
ステップS202では、ゲーム機本体部20から送信されてきた信号に従い、CPU51が、ROM52に予め格納されたゲームプログラムやゲームデータなどに従い、該信号から可動部60を可動させるための駆動信号を生成する。一実施形態において、CPU51は、プレーヤ視点に対して移動体が傾斜している方向に相当する搭乗部62の側が傾斜するように可動機構61を駆動させるための駆動信号を生成する。CPU51は、生成した駆動信号を可動部60に対して送信し、ステップS203に移行する。
【0025】
ステップS203では、可動部60における可動機構61は、制御部50から送信されてきた駆動信号に従って駆動し、これにより、搭乗部62(筐体)が可動する。一実施形態において、プレーヤ視点を移動体の上方向に移動するように操作された場合、プレーヤ視点において移動体は後方側に傾斜するため、搭乗部62をプレーヤ後方側に傾斜させるように、可動機構61が駆動する。
【0026】
別の実施形態に係るゲーム機の制御によれば、プレーヤの仮想空間における視点の姿勢に対する該プレーヤが操作する移動体の姿勢に応じて搭乗部62が傾斜するように制御されるので、臨場感が向上する。
【0027】
ステップS204からステップS206は、ステップS100からS103と同様の処理であるが、この別の実施形態に係るゲーム機の制御においては、搭乗部62が傾斜している状態で、ステップS204からステップS206が実行される。
【0028】
ステップS204は、CPU21は、移動体において他キャラクタ(他の移動体)から攻撃を受けた側(被弾した側)を演算して特定する。CPU21によって演算された指示信号は制御部50に送信され、ステップS205に移行する。
【0029】
ステップS205では、ゲーム機本体部20から送信されてきた信号に従い、CPU51が、ステップS101と同様に、可動部60を可動させるための駆動信号を生成する。演算された駆動信号は可動部60に送信され、ステップS206に移行する。一実施形態において、第1の制御では、搭乗部62がプレーヤ後方側に傾斜している状態で移動体の前側に着弾すると、搭乗部62の後方側にさらに傾斜し、また、搭乗部62がプレーヤ後方側に傾斜している状態で移動体の後方側に着弾すると、搭乗部62の前方側に傾斜(または後方側の傾斜が緩やかになることもある)させる。第2の制御では、第1の制御後に、搭乗部62が前後および左右の少なくとも1つの方向に振動させる。
【0030】
ステップS206では、可動部60における可動機構61は、制御部50から送信されてきた駆動信号に従って駆動し、これにより、搭乗部62(筐体)が可動する。その後、ステップS207において、ゲームを終了するか否かが選択され、ゲームを終了させない場合は、ステップS200の前に戻される。
【0031】
別の実施形態に係るゲーム機の制御によれば、搭乗部62が傾斜している状態で、移動体の攻撃を受けた側に相当する側の反対側の搭乗部62が傾斜し、かつ前後および左右の少なくとも1つの方向に振動するように、搭乗部62が可動するように制御されるので、臨場感がさらに向上する。
【0032】
図4は、別の実施形態に係る移動体操作の制御を示すフローチャートであり、図3における、プレーヤが操作部40を操作する場合のステップS200からS203の一実施形態を示す。図3のフローチャートに従った処理は、プレーヤが操作部40を操作して移動体を鉛直下向きに移動させた場合において実行される処理である。
【0033】
ステップS300では、CPU21は、プレーヤ視点(カメラ)が鉛直上向きであるのか、鉛直下向きであるのかを判断する。カメラが鉛直上向きである場合、ステップS301aに移行する。
【0034】
ステップS301aでは、ゲーム機本体部20のCPU21は、カメラが鉛直上向きで、かつ移動体が鉛直下向きに移動中であるとする信号を制御部50に送信し、ステップS302aに移行する。
【0035】
ステップS302aでは、ゲーム機本体部20から送信されてきた信号に従い、CPU51が、ROM52に予め格納されたゲームプログラムやゲームデータなどに基づき、該信号から可動部60を可動させるための駆動信号を生成する。一実施形態において、搭乗部62のプレーヤ後方側(表示部30から離れる側)が傾斜するように可動機構61を駆動させるための駆動信号を生成する。CPU51は、生成した駆動信号を可動部60に対して送信し、ステップS303aに移行する。
【0036】
ステップS303aでは、可動部60における可動機構61は、制御部50から送信されてきた駆動指示信号に従って駆動し、これにより、搭乗部62(筐体)が可動する。一実施形態において、搭乗部62のプレーヤ後方側が傾斜するように可動機構61が駆動する。
【0037】
一方、カメラが鉛直下向きである場合、ステップS300はステップS301bに移行する。ステップS302bでは、ゲーム機本体部20のCPU21は、カメラが鉛直下向きで、かつ移動体が鉛直下向きに移動中であるとする信号を制御部50に送信し、ステップS302bに移行する。
【0038】
ステップS302bでは、ゲーム機本体部20から送信されてきた信号に従い、CPU51が、ROM52に予め格納されたゲームプログラムやゲームデータなどに基づき、該信号から可動部60を可動させるための駆動信号を生成する。一実施形態において、搭乗部62のプレーヤ前方側(表示部30に近づく側)が傾斜するように可動機構61を駆動させるための駆動信号を生成する。CPU51は、生成した駆動信号を可動部60に対して送信し、ステップS303bに移行する。
【0039】
ステップS303bでは、可動部60における可動機構61は、制御部50から送信されてきた駆動指示信号に従って駆動し、これにより、搭乗部62(筐体)が可動する。一実施形態において、搭乗部62のプレーヤ前方側が傾斜するように可動機構61が駆動する。
【0040】
別の実施形態に係る移動体操作の制御によれば、移動体を鉛直下向きに移動させるときにおいて、カメラが鉛直上向きのときに搭乗部62のプレーヤ後方側を傾斜させ、カメラが鉛直下向きのときに搭乗部62のプレーヤ前方側を傾斜させるので、プレーヤはあたかも移動体を鉛直下向きに移動させるときに受ける重力を受けているたような感覚(臨場感)を得る。
【0041】
ステップS303aおよびS303bは図3のステップS204に移行することができる。ステップS204からステップS207は上述した処理と同様である。一実施形態においては、移動体が鉛直下向きに移動中に、攻撃を受けた場合における、可動部60の可動を制御することになる。別の実施形態においては、移動体が鉛直下向きに移動後に、攻撃を受けた場合における、可動部60の可動を制御することになる。
【0042】
この実施形態に係る移動体操作の制御において、移動体を鉛直下向きに移動している状態で、移動体の攻撃を受けた側に相当する側の反対側の搭乗部62が傾斜し、かつ前後および左右の少なくとも1つの方向に振動するように、搭乗部62が可動するように制御されるので、臨場感がさらに向上する。
【0043】
図5は、本実施形態に係るゲーム機の概略図を示す。一実施形態において、ゲーム機10は、表示部30、操作部40、可動機構61、および搭乗部62を備えている。表示部30の下部には、ゲーム機本体部20、および制御部50が配置されている。
【0044】
図6は、一実施形態に係るゲーム機の可動部の概略図を示す。図6は、図5に示すゲーム機10における、可動部60の搭乗部62下部のカバーを外して可動機構61を示したものである。一実施形態において、可動機構61はアクチュエータ61a、61bを含んでいる。アクチュエータ61a、61bは、制御部50からの駆動信号に基づき駆動される。
【0045】
図7および図8は、一実施形態に係るゲーム機の可動部60の背面図を示し、図5に示す矢印A方向から見た背面図である。図7は、可動前の可動部60を示している。図8は、右側に傾斜するよう可動部60が制御された状態を示している。図8の可動部60の左側の図は、表示部30に映し出された仮想空間における移動体Mを示している。
【0046】
一実施形態において、図8の可動部60の左側の図に示すように、移動体Mが左側に攻撃を受けた場合、搭乗部62において移動体Mの左側に対応付けられている側の反対側(搭乗部62の右側)にアクチュエータ61a、61bによって傾斜している。さらに、アクチュエータ61a、61bは、搭乗部62が前後および左右の少なくとも1つの方向に振動するように制御される。
【符号の説明】
【0047】
10 ゲーム機、20 ゲーム機本体部、21 CPU、22 ROM、23 RAM、30 表示部、40 操作部、50 制御部、51 CPU、52 ROM、53 RAM、60 可動部、61 可動機構、61a、61b アクチュエータ、M 移動体
【要約】
【課題】臨場感を向上させるための技術を提供する。
【解決手段】プレーヤが搭乗する搭乗部と、該搭乗部を傾斜させる可動機構と、を有するゲーム機であって、前記搭乗部に搭乗するプレーヤが操作する移動体が攻撃を受けた側を特定し、前記搭乗部において該特定した側と反対の側に対応付けられている側に該搭乗部を傾斜させる第1の制御と、該第1の制御後に前記搭乗部を振動させる第2の制御と、を前記可動機構に行わせるための駆動信号を生成する生成手段と、前記可動機構に前記駆動信号を送信する送信手段とを備えることを特徴とするゲーム機。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8