(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
通路部材内を流通する燃焼排ガスと、前記通路部材に前記燃焼排ガスの流通方向と直交するように取り付けられる直線形状の伝熱管内に導入される空気との間で熱交換するための熱交換器の前記伝熱管内に当該伝熱管の内径寸法よりも小さい外径寸法に設定された直線形状の挿入管を挿入することにより前記伝熱管を補修する方法であって、
前記挿入管の長手方向一端側には端縁へ向けて徐々に拡径する拡径部が設けられていて、この挿入管の長手方向途中には径方向外向きに先細となるように突出する輪状の膨出部が設けられており、かつ、前記膨出部の最大外径寸法は、前記拡径部の最大外径寸法と同一に設定されていて、前記伝熱管の内径寸法よりも僅かに小さいか、あるいは前記伝熱管の内径寸法と同一に設定されており、
前記伝熱管を補修する際に、前記挿入管を前記伝熱管内に挿入するとともに、前記挿入管の長手方向他端側を前記伝熱管の空気導入側の端部に支持させることによって、前記挿入管の拡径部を前記伝熱管内において空気排出側の端縁から内側に入った所定位置に配置させるとともに前記膨出部を前記拡径部よりもさらに内側に入った所定位置に配置させて前記挿入管の外周面と前記伝熱管の内周面との間に環状の隙間を作る状態にする、ことを特徴とする熱交換器の伝熱管補修方法。
通路部材内を流通する燃焼排ガスと、前記通路部材に前記燃焼排ガスの流通方向と直交するように取り付けられる直線形状の伝熱管内に導入される空気との間で熱交換するための熱交換器の前記伝熱管を補修する際に前記伝熱管内に挿入される直線形状の挿入管であって、
その外径寸法は前記伝熱管の内径寸法よりも小さく設定されており、
前記挿入管の長手方向一端側には端縁へ向けて徐々に拡径する拡径部が設けられていて、この挿入管の長手方向途中には径方向外向きに先細となるように突出する輪状の膨出部が設けられており、
前記膨出部の最大外径寸法は、前記拡径部の最大外径寸法と同一に設定されていて、前記伝熱管の内径寸法よりも僅かに小さいか、あるいは前記伝熱管の内径寸法と同一に設定されている、ことを特徴とする伝熱管補修用の挿入管。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に係る従来例では、前記伝熱管内に導入される低温の空気によって前記伝熱管の外面に触れる高温の燃焼排ガスが冷やされることにより、前記伝熱管の外面に結露が発生することがある。
【0007】
仮に、前記燃焼排ガスに金属を腐食する成分(塩素、硫黄など)が含まれるような場合には、前記結露によって発生する水分に前記腐食成分が混じるようになるために、前記伝熱管が腐食されることになって、甚だしい場合には肉厚が減少するおそれがある。
【0008】
このような事情に鑑み、本発明は、伝熱管の結露による腐食の進展を抑制または防止することが可能な熱交換器の伝熱管補修方法の提供を目的としている。また、本発明は、前記伝熱管補修方法で用いるのに適した挿入管を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、通路部材内を流通する燃焼排ガスと、前記通路部材に前記燃焼排ガスの流通方向と直交するように取り付けられる直線形状の伝熱管内に導入される空気との間で熱交換するための熱交換器の前記伝熱管内に当該伝熱管の内径寸法よりも小さい外径寸法に設定された直線形状の挿入管を挿入することにより前記伝熱管を補修する方法であって、前記挿入管の長手方向一端側には端縁へ向けて徐々に拡径する拡径部が設けられていて、この挿入管の長手方向途中には径方向外向きに
先細となるように突出する輪状の膨出部が設けられており、かつ、前記膨出部の最大外径寸法は、前記拡径部の最大外径寸法と同一に設定されていて、前記伝熱管の内径寸法よりも僅かに小さいか、あるいは前記伝熱管の内径寸法と同一に設定されており、前記伝熱管を補修する際に、前記挿入管を前記伝熱管内に挿入するとともに、前記挿入管の長手方向他端側を前記伝熱管の空気導入側の端部に支持させることによって、前記挿入管の拡径部を前記伝熱管内において空気排出側の端縁から内側に入った所定位置に配置させるとともに前記膨出部を前記拡径部よりもさらに内側に入った所定位置に配置させて前記挿入管の外周面と前記伝熱管の内周面との間に環状の隙間を作る状態にする、ことを特徴としている。
【0010】
ここで、前記伝熱管の外面が腐食したときなどに前記挿入管を用いて前記伝熱管を補修すると、前記伝熱管と前記挿入管との間に作られる隙間が断熱作用を発揮するために、前記通路部材内を流通する高温の燃焼排ガスが、前記伝熱管に触れたときに前記挿入管内に導入される低温の空気によって急激に冷やされにくくなる。
【0011】
これにより、前記伝熱管の外面に結露が発生することが抑制または防止されるようになるので、当該伝熱管の外面において腐食が進展することが抑制または防止されるようになる。
【0012】
但し、本発明の上記構成では、前記隙間を設けない場合に比べると、前記通路部材内を流通する高温の燃焼排ガスと前記挿入管内に導入される低温の空気との間の熱交換効率が低下することは避けられないので、この熱交換効率と前記断熱作用とを考慮して前記隙間の寸法を適宜に設計することが好ましい。
【0016】
さらに、上記構成では、前記挿入管の前記拡径部
と膨出部とによって前記伝熱管と前記挿入管との間に
環状の隙間が簡単に作られるようになるとともに、前記隙間をほぼ一定に保つことが簡単に行えるようになる。
【0017】
また、本発明は、通路部材内を流通する燃焼排ガスと、前記通路部材に前記燃焼排ガスの流通方向と直交するように取り付けられる直線形状の伝熱管内に導入される空気との間で熱交換するための熱交換器の前記伝熱管を補修する際に前記伝熱管内に挿入される直線形状の挿入管であって、その外径寸法は前記伝熱管の内径寸法よりも小さく設定されており、前記挿入管の長手方向一端側には端縁へ向けて徐々に拡径する拡径部が設けられていて、この挿入管の長手方向途中には径方向外向きに
先細となるように突出する輪状の膨出部が設けられており、前記膨出部の最大外径寸法は、前記拡径部の最大外径寸法と同一に設定されていて、前記伝熱管の内径寸法よりも僅かに小さいか、あるいは前記伝熱管の内径寸法と同一に設定されている、ことを特徴としている。
【0018】
このような構成の挿入管によれば、この挿入管を前記伝熱管内に挿入するだけで、当該挿入管の拡径部
と膨出部とによって前記伝熱管と前記挿入管との間に
長手方向に一定の環状の隙間を簡単に作ることが可能になる。
【0019】
ここで、前記伝熱管の外面が腐食したときなどに前記挿入管を用いて前記伝熱管を補修すると、前記伝熱管と前記挿入管との間に作られる隙間が断熱作用を発揮するために、前記通路部材内を流通する高温の燃焼排ガスが、前記伝熱管に触れたときに前記挿入管内に導入される低温の空気によって急激に冷やされにくくなる。
【0020】
これにより、前記伝熱管の外面に結露が発生することが抑制または防止されるようになるので、当該伝熱管の外面において腐食が進展することが抑制または防止されるようになる。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、伝熱管外面の結露による腐食の進展を抑制または防止することが可能な熱交換器の伝熱管補修方法を提供することができる。また、本発明は、前記伝熱管補修方法に用いるのに適した挿入管を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を実施するための最良の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0026】
まず、
図1から
図5を参照して本発明の一実施形態を説明する。図中、1は燃焼排ガスの通路部材、2は熱交換器である。
【0027】
熱交換器2は、枠3(
図3参照)と、多数の伝熱管4とを備えている。枠3は、角筒形状に形成されており、通路部材1に連通するように配置されている。伝熱管4は、それぞれ直線形状に形成されており、燃焼排ガスの流通方向と直交する姿勢にされるとともに、枠3内に縦横方向に多数並べた状態で取り付けられている。前記直交する姿勢については、言うまでもないが若干の設置ずれなどを含む。
【0028】
詳しくは、伝熱管4は、隣り合う方向(横方向)と前記燃焼排ガスの流通方向(縦方向)とに所定間隔離した状態で並べて配置されている。
【0029】
伝熱管4は、枠3において平行に対向する第1壁部3aと第2壁部3bとに跨って架け渡されている。第1、第2壁部3a,3bには、その厚み方向に貫通する第1、第2貫通孔3c,3dが設けられている。
【0030】
伝熱管4の長手方向一端側が枠3の第1壁部3aの第1貫通孔3cに貫通する状態で取り付けられており、また、伝熱管4の長手方向他端側が枠3の第2壁部3bの第2貫通孔3dに貫通する状態で取り付けられている。
【0031】
この伝熱管4は、例えば耐硫酸露点腐食性に優れた鋼材、例えば炭素系鋼、クロム系鋼、ステンレス鋼などの金属で形成されており、その長手方向一端側および他端側には、第1、第2抜け止め部4a,4bが設けられている。この第1、第2抜け止め部4a,4bは、径方向外向きに徐々に拡径する形状とされている。
【0032】
この第1、第2抜け止め部4a,4bは、後で説明するが、伝熱管4を枠3に取り付ける前には形成されておらず、伝熱管4を枠3に取り付ける際にその長手方向一端側および他端側にセートル加工またはフレア加工を施すことによって伝熱管4を抜け止めさせるために形成される。
【0033】
詳しくは、伝熱管4の長手方向一端側および他端側を第1、第2壁部3a,3bの第1、第2貫通孔3c,3dの外側に飛び出すように挿入した後で、当該長手方向一端側および他端側にセートル加工またはフレア加工を施すことによって第1、第2抜け止め部4a,4bを形成して伝熱管4を抜け止めする。
【0034】
この伝熱管4の内部に低温の空気が導入されるようになっていて、この低温の空気と前記高温の燃焼排ガスとの間で熱交換が行われるようになっている。なお、この実施形態では、伝熱管4の長手方向他端側つまり第2抜け止め部4bが存在する側を空気導入側とし、伝熱管4の長手方向一端側つまり第1抜け止め部4aが存在する側を空気排出側としている。
【0035】
ところで、通路部材1内を流通する高温の燃焼排ガスが伝熱管4に触れたときに当該伝熱管4内に導入される低温の空気により前記燃焼排ガスが冷やされることになって、伝熱管4の外面に結露が発生することがある。
【0036】
ここで、前記燃焼排ガスに金属を腐食する成分(塩素、硫黄など)が含まれるような場合には、前記結露となる水分に前記腐食成分が混じるようになるために、伝熱管4が腐食されることになって、甚だしい場合には肉厚が減少するおそれがある。
【0037】
このように伝熱管4が結露により腐食された場合には、当該腐食の進展を抑制または防止することを狙いとして、補修用挿入管8を用いて伝熱管4を補修するようにしている。
【0038】
補修用挿入管8は、例えば機械構造用炭素鋼(STKM)などの金属で形成されており、その長手方向一端側に端縁へ向けて徐々に拡径する拡径部8aが設けられている。
【0039】
この拡径部8aの最大外径寸法D1は、伝熱管4の内径寸法dよりも僅かに小さいか、あるいは伝熱管4の内径寸法dと同一に設定されており、拡径部8aを除く領域(胴部とも言う)の外径寸法D0は伝熱管4の内径寸法dよりも適宜小さく設定されている。
【0040】
このような補修用挿入管8を伝熱管4内に挿入すると、補修用挿入管8の拡径部8aが伝熱管4の内周面にルーズフィットあるいはジャストフィットする状態になる。
【0041】
そして、補修用挿入管8を固定するために、第2壁部3bの外側に断熱材5を取り付け、この断熱材5の貫通孔5a内に補修用挿入管8において第2壁部3bよりも外側に突出している部分(空気導入側)を通し、断熱材5の外側に当該断熱材5を押さえるためのパッキン6を配置し、このパッキン6の外側に当該パッキン6を押さえるための押さえ部材7を取り付けるようにしている。
【0042】
押さえ部材7は、例えば断面が丸形状または角形状の棒状部材とされ、パッキン6において補修用挿入管8の存在していない領域に配置されて、その長手方向所定位置が断熱材5の外枠(図示省略)などに固定されている。
【0043】
この場合、補修用挿入管8の長さは、補修用挿入管8の長手方向一端側の拡径部8aが伝熱管4の第1抜け止め部4aの付け根位置よりも内側に入った所定位置に配置されて、補修用挿入管8の長手方向他端側が伝熱管4の第2抜け止め部4bよりも外側に突出した所定位置に配置されるような長さに設定されている。
【0044】
このように補修用挿入管8の長手方向一端側の拡径部8aが伝熱管4の内周面に支持されるとともに、補修用挿入管8の長手方向他端側が断熱材5に支持されるので、補修用挿入管8と伝熱管4との間に環状の隙間9が作られるようになって、しかも当該隙間9が一定に保たれるようになる。
【0045】
この実施形態では、補修用挿入管8を伝熱管4における第1抜け止め部4a側(空気排出側)から第2抜け止め部4b側(空気導入側)に向けて挿入することにより、例えば
図3に示すように、伝熱管4内において第1抜け止め部4aよりも内側に入った所定位置から第2抜け止め部4bまでの領域に重合するように補修用挿入管8が挿入されている。
【0046】
ところで、伝熱管4に対して補修用挿入管8を重合させる領域は、腐食しやすい領域とすることが好ましい。
【0047】
そのため、仮に前記腐食が伝熱管4のほぼ全長にわたって発生するような場合には、図示していないが、補修用挿入管8を伝熱管4の第1抜け止め部4aの付け根位置から第2抜け止め部4bの端縁までの領域に重合させるように、補修用挿入管8の長さを設定することが可能である。
【0048】
また、仮に前記腐食が伝熱管4の長手方向中間に発生するような場合には、図示していないが、補修用挿入管8を伝熱管4内の第1抜け止め部4aの付け根位置から第2抜け止め部4bの付け根位置までの間の所定領域に重合させるように、補修用挿入管8の長さを設定することが可能である。
【0049】
次に、補修用挿入管8を用いて伝熱管4を補修する方法を説明する。
【0050】
図2に示すように、伝熱管4の第1抜け止め部4a側(空気排出側)から補修用挿入管8を挿入する。このとき、補修用挿入管8の拡径部8aを伝熱管4の第1抜け止め部4aの付け根位置よりも内側に入った所定位置に配置し、当該補修用挿入管8の挿入方向先端側を伝熱管4の第2抜け止め部4bよりも外側へ突出させる。これにより、補修用挿入管8と伝熱管4との間に環状の隙間9が作られる。
【0051】
第2壁部3bの外側に断熱材5を取り付け、この断熱材5の貫通孔5a内に補修用挿入管8において第2壁部3bよりも外側に突出している部分(空気導入側)を通す。断熱材5の外側に当該断熱材5を押さえるためのパッキン6を配置し、このパッキン6の外側に当該パッキン6を押さえるための押さえ部材7を取り付ける。
【0052】
このような形態で伝熱管4の補修を行った場合には、補修用挿入管8と伝熱管4との間に作られる環状の隙間9が断熱作用を発揮するようになるので、通路部材1内を流通する高温の燃焼排ガスが伝熱管4に触れたときに補修用挿入管8内に導入される低温の空気によって急激に冷やされにくくなる。
【0053】
これにより、伝熱管4の外面に結露が発生することが抑制または防止されるようになるので、伝熱管4の外面において腐食が進展することが抑制または防止されるようになる。
【0054】
但し、前記断熱作用を発揮する隙間9を設けている場合には、当該隙間9を設けない場合に比べると、通路部材1内を流通する高温の燃焼排ガスと補修用挿入管8内に導入される低温の空気との間の熱交換効率が低下することは避けられないので、この熱交換効率と前記断熱作用とを考慮して前記隙間9の寸法を適宜に設計することが好ましい。
【0055】
なお、本発明は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内および当該範囲と均等の範囲内で適宜に変更することが可能である。
【0056】
(1)上記実施形態に示す補修用挿入管8については、例えば
図6から
図8に示すように、その長手方向途中に径方向外向きに突出する膨出部8bを設ける構成とすることが可能である。
【0057】
この膨出部8bは、円周方向に連続するように設けられている。この膨出部8bの最大外径寸法D2は、補修用挿入管8の拡径部8aの最大外径寸法D1と同一に設定されていて、伝熱管4の内径寸法dよりも僅かに小さいか、あるいは伝熱管4の内径寸法dと同一に設定されており、拡径部8aおよび膨出部8bを除く領域(胴部とも言う)の外径寸法D0は伝熱管4の内径寸法dよりも適宜小さく設定されている。
【0058】
このような補修用挿入管8を用いる場合、上記実施形態と同等の作用、効果が得られることに加えて、伝熱管4内に補修用挿入管8を挿入するだけで隙間9を確保しながら、当該隙間9を一定に保持できるようになる。
【0059】
なお、膨出部8bについては、図示していないが、円周数ヶ所つまり円周方向の所定間隔おきに不連続に設けられるものであってもよい。
【0060】
(2)上記実施形態では、本発明の適用対象として1基の熱交換器2を例に挙げているが、本発明の適用対象はこれのみに限定されるものではなく、例えば多数の熱交換器を組み合わせた構成の熱交換器ユニットを本発明の適用対象とすることが可能である。
【0061】
前記熱交換器ユニットとしては、例えば
図9から
図12に示すように、第1、第2、第3熱交換器20,30,40の3基を組み合わせたものを挙げることができる。
【0062】
第1〜第3熱交換器20〜40は、高温の燃焼排ガスが流通する通路部材1に燃焼排ガスの流通方向に並んで配置されている。
【0063】
第1、第2、第3熱交換器20,30,40は、枠21,31,41と、伝熱管22,32,42とを備えている。各枠21〜41は、角筒形状に形成されており、通路部材1に連通するように配置されている。各伝熱管22〜42は、それぞれ直線形状に形成されており、燃焼排ガスの流通方向と直交する姿勢にされるとともに、枠21〜41内に縦横方向に互いに平行となるように並べた状態で取り付けられている。
【0064】
詳しくは、各伝熱管22〜42は、隣り合う方向(横方向)と前記燃焼排ガスの流通方向(縦方向)とに所定間隔離した状態で互いに平行となるように並べて配置されている。
【0065】
各伝熱管22〜42の内部には低温の空気が導入されるようになっていて、この低温の空気と前記高温の燃焼排ガスとの間で熱交換が行われるようになっている。
【0066】
このような構成の熱交換器ユニットでは、通路部材1内を流れる燃焼排ガスの熱を第1〜第3熱交換器20〜40内に順次導入される空気に順次伝達させるようにしているから、燃焼排ガスの温度は通路部材1内において流通方向の上流側から下流側へ向けて徐々に低くなる。
【0067】
その関係より、燃焼排ガスの流通方向において最上流に位置する第1熱交換器20のほうが燃焼排ガスの流通方向において中間に位置する第2熱交換器30および最下流に位置する第3熱交換器40に比べて結露が発生しやすくなるので、燃焼排ガス内に金属を腐食する成分(塩素、硫黄など)が含まれるような場合には、前記結露となる水分に前記腐食成分が混じるようになるために、特に第1熱交換器20の伝熱管22が腐食されやすくなる。
【0068】
このことを考慮して、上記熱交換器ユニットでは、次のような構成を採用している。
【0069】
まず、第1熱交換器20は、伝熱管22内に当該伝熱管22の内周面との間に環状の隙間27を作るように予め挿入管26が挿入された構成になっている。この挿入管26は、例えば
図10に示すように、伝熱管22内において長手方向ほぼ全長領域に重合するように挿入されている。この挿入管26を「既設挿入管」と言うことにする。この既設挿入管26の固定は、上記実施形態と同様に、断熱材23、パッキン24、押さえ部材25を用いて行われている。
【0070】
第2熱交換器30は、伝熱管32内に当該伝熱管32の内周面との間に環状の隙間37を作るように予め挿入管36が挿入された構成になっている。この挿入管36は、例えば
図11に示すように、伝熱管32内において第1抜け止め部32aよりも内側に入った所定位置から第2抜け止め部32bまでの領域に重合するように挿入されている。この挿入管36を「既設挿入管」と言うことにする。この既設挿入管36の固定は、上記実施形態と同様に、断熱材33、パッキン34、押さえ部材35を用いて行われている。
【0071】
第3熱交換器40の伝熱管42内には、この実施形態において
図12に示すように、前記したような既設挿入管が挿入されていない。
【0072】
このような第1、第2熱交換器20,30の場合、伝熱管22,32と既設挿入管26,36との間に作られる環状の隙間27,37が断熱作用を発揮するので、通路部材1内を流通する高温の燃焼排ガスが、伝熱管22,32に触れたときに既設挿入管26,36内に導入される低温の空気によって冷やされにくくなる。
【0073】
これにより、第1、第2熱交換器20,30の伝熱管22,32の外面に結露が発生することが抑制または防止されるようになるので、伝熱管22,32の外面において腐食が発生することが抑制または防止されるようになる。
【0074】
但し、前記断熱作用を発揮する隙間27,37を設けている場合には、当該隙間27,37を設けない場合に比べると、通路部材1内を流通する高温の燃焼排ガスと既設挿入管26,36内に導入される低温の空気との間の熱交換効率が低下することは避けられないので、この熱交換効率と前記断熱作用とを考慮して前記隙間27,37の寸法を適宜に設計することが好ましい。
【0075】
ところで、仮に、
図11に示す第2熱交換器30の伝熱管32において既設挿入管36の存在していない領域の一部が前記結露によって腐食した場合には、
図13に示すように、第2熱交換器30の伝熱管32の外面における腐食の進展を抑制または防止するために、補修用挿入管38を挿入することができる。
【0076】
この補修用挿入管38については、その長手方向の一端側および他端側にそれぞれ各端縁へ向けて徐々に拡径する拡径部38a,38bを設けるようにしている。つまり、この補修用挿入管38は、その長手方向両端の拡径部38a,38bを伝熱管32の内周面にルーズフィットあるいはジャストフィットするように配置されるようになっている。
【0077】
そして、
図13に示す例では、補修用挿入管38が伝熱管32内において既設挿入管36に隣り合うように配置されている。
【0078】
これにより、伝熱管32と補修用挿入管38との間に環状の隙間39を作ることが可能になるとともに、当該隙間39を一定に保つことが可能になる。但し、補修用挿入管38の長さについては、前記腐食範囲に応じて適宜に設定すればよい。
【0079】
一方、
図12に示す第3熱交換器40については、前記したような既設挿入管が挿入されていないが、この第3熱交換器40に触れる燃焼排ガスと第3熱交換器40の伝熱管42内に導入される空気とは温度差が第1、第2熱交換器20,30の場所に比べると小さくなっているために、この第3熱交換器40の伝熱管42については、前記したような結露が発生しにくくなっている。
【0080】
しかしながら、仮に、第3熱交換器40の伝熱管42の所定領域が前記結露によって腐食した場合には、
図14に示すように、第3熱交換器40の伝熱管42内の腐食の進展を抑制または防止するために、第3熱交換器40の伝熱管42内に補修用挿入管46を挿入することができる。
【0081】
この補修用挿入管46は、その長手方向の一端側のみに端縁へ向けて徐々に拡径する拡径部46aを設けるようにしている。つまり、この補修用挿入管46は、その長手方向一端側の拡径部46aを伝熱管42の内周面にルーズフィットあるいはジャストフィットさせるように挿入して、長手方向他端側を断熱材43の貫通孔43aに挿入してパッキン44および押さえ部材45で抜け止めすることにより位置決めされるようになっている。
【0082】
そして、
図14に示す例では、補修用挿入管46が伝熱管42内において第1抜け止め部42aよりも内側に入った所定位置から第2抜け止め部42bまでの領域に重合するように挿入されている。
【0083】
これにより、伝熱管42と補修用挿入管46との間に環状の隙間47を作ったうえで、当該隙間47を一定に保つことが可能になる。但し、補修用挿入管46の長さについては、前記腐食領域に応じて適宜に設定すればよい。
【0084】
(3)上記(2)に示した補修用挿入管38,46については、図示していないが、その長手方向途中に、上記(1)で説明した膨出部8bと同様の膨出部を設けることが可能である。