特許第6543507号(P6543507)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6543507
(24)【登録日】2019年6月21日
(45)【発行日】2019年7月10日
(54)【発明の名称】遊技情報表示装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20190628BHJP
【FI】
   A63F7/02 350Z
【請求項の数】4
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-87543(P2015-87543)
(22)【出願日】2015年4月22日
(65)【公開番号】特開2016-202563(P2016-202563A)
(43)【公開日】2016年12月8日
【審査請求日】2018年1月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】特許業務法人 サトー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】龍田 幸拓
【審査官】 阿部 知
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−093273(JP,A)
【文献】 特開2007−167382(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められた抽選条件が成立した場合に、大当たり状態の抽選を実行する抽選手段と、
図柄変動を実行した後に、前記抽選手段による抽選結果に対応した図柄を停止表示する図柄変動手段と、
前記大当たり状態が終了した場合に、予め定められた第1期間の間継続する遊技者に有利な第1特別遊技状態、及び前記第1期間よりも短い第2期間の間継続する遊技者に有利な第2特別遊技状態のいずれかを発生させる特別遊技状態発生手段と、を備え、前記大当たり状態として、終了した後に前記第1特別遊技状態が発生する第1大当たり状態と、終了した後に前記第2特別遊技状態が発生する第2大当たり状態とが発生し、前記第1大当たり状態と前記第2大当たり状態とで発生中に遊技者に付与する特典の大きさの期待度が異なっている遊技機に対応し、
前記第1特別遊技状態及び前記第2特別遊技状態のいずれかが発生していることを特定する発生特定手段と、
前記発生特定手段の特定結果に基づいて、前記第2期間で終了した特別遊技状態を前記第2特別遊技状態と判定する一方、前記第2期間よりも長く継続した特別遊技状態を前記第1特別遊技状態と判定する種類判定手段と、
前記種類判定手段の判定結果に基づいた情報を表示する表示手段と、
前記大当たり状態中に遊技者に付与した特典の大きさを特定する特典特定手段と、を備え
前記種類判定手段は、一の前記大当たり状態が終了した後、前記第2期間が経過する前に新たな前記大当たり状態が発生した場合、その一の大当たり状態中に付与した特典の大きさを特定することで、当該一の大当たり状態が終了した後に発生していた特別遊技状態の種類を判定することを特徴とする遊技情報表示装置。
【請求項2】
前記遊技機は、前記第1特別遊技状態及び前記第2特別遊技状態のいずれかが発生している場合に共通の特別信号を出力し、
前記発生特定手段は、前記特別信号の入力結果に基づいて前記第1特別遊技状態及び前記第2特別遊技状態のいずれかが発生していることを特定することを特徴とする請求項1に記載の遊技情報表示装置。
【請求項3】
前記表示手段は、前記大当たり状態の発生履歴を、前記大当たり状態の後に発生した特別遊技状態の種類を遊技者が特定可能に表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技情報表示装置。
【請求項4】
前記遊技機は、前記第1期間及び前記第2期間として、それぞれ異なる前記図柄変動の回数を実行するまでの期間が設定されているものであり、
前記表示手段は、前回の前記大当たり状態が終了してから実行された前記図柄変動の回数を、前記第1特別遊技状態又は前記第2特別遊技状態の発生中に実行された図柄変動の回数を特定可能に表示することを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の遊技情報表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遊技情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ遊技機には、遊技者に有利な大当たり状態の抽選状態として、低確率状態と、当該低確率状態よりも大当たり抽選に当選し易い高確率状態とが設けられており、大当たり抽選の実行契機となる始動口への入賞状態として、電動役物(所謂電チュー)が始動口への玉の入賞をサポートすることで通常状態よりも玉が入賞し易い電サポ状態が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−104202号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、パチンコ遊技機によっては、大当たり状態が終了した後の特別遊技状態が複数種類設けられており、例えば、高確率状態及び電サポ状態を設定する特別遊技状態と、低確率状態及び電サポ状態を設定する特別遊技状態とがある。そして、各特別遊技状態は、予め定められた回数の図柄変動の間、大当たり当選とならなかった際に高確率状態も含めて終了する(例えば特許文献1)。
しかしながら、特別遊技状態においては当該特別遊技状態の種類に関わらず共通の信号を出力する遊技機が一般的であり、特別遊技状態の種類を特定しにくいという問題がある。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、特別遊技状態の種類を特定し易くなる遊技情報表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明によれば、特別遊技状態が第2期間を上回って継続した場合は第1特別遊技状態であることを特定することができるので、第2期間で終了した特別遊技状態を第2特別遊技状態であったと判定する一方、第2期間よりも長く継続した特別遊技状態を第1特別遊技状態であったと判定することで、特別遊技状態が終了するまでの期間に基づいて大当たり状態終了後の特別遊技状態の種類を判定して表示することができる。これにより、特別遊技状態の種類を特定し易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態の全体構成を示す概略図
図2】呼出ランプによる時刻履歴を示すデータ表示画面
図3】呼出ランプによる棒グラフ履歴を示すデータ表示画面
図4】呼出ランプによる状態判定処理を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、遊技場用システムの全体構成を示す概略図である。遊技場内には多数の遊技機1が設置されており、各遊技機1に対応して貸出装置2及び呼出ランプ3(遊技情報表示装置)が設置されている。これら遊技機1、貸出装置2及び呼出ランプ3は、中継装置4及びLAN5を介して管理装置6と接続されている。管理装置6は、遊技機側(遊技機1、貸出装置2等)から出力される遊技信号を入力して遊技機1毎の遊技データや会員登録された会員毎の個人データ等を管理する。遊技場にはPOSや残高精算機(何れも図示せず)も設置されており、これらPOSや残高精算機も、LAN5を介して管理装置6と接続されている。尚、図1では図示を省略したが、実際には例えば数百台の遊技機1が管理装置6の管理対象となっている。
【0009】
管理装置6は、遊技場内の例えば事務室等に設置されており、遊技場の管理者が操作するキーボード7、モニタ8、プリンタ(図示せず)等が接続されている。管理装置6は、遊技機1や貸出装置2等から入力される遊技信号に基づいて、遊技機1や貸出装置2等の稼動状態を特定して遊技機1毎に遊技情報を管理する。
【0010】
遊技機1は、CR(カードリーダ)パチンコ機であり、盤面9に玉を発射する発射装置を構成する操作ハンドル10、上部受皿11、下部受皿12を有すると共に、盤面9に、液晶表示部13、普図入賞口14、第1始動口15、第2始動口16、大入賞口17を有する。
【0011】
遊技機1は、以下に示すように動作する。
(1)第1始動口15は入賞率が変動しない入賞口(所謂ヘソ入賞口)、第2始動口16は入賞率が変動する入賞口(所謂電チュー)であり、払出数は3個である。各始動口15,16への入賞(始動入賞)に応じて(予め定められた抽選条件が成立した場合に)大当たり抽選を行い(抽選手段)、抽選結果を液晶表示部13にて行う図柄の停止表示にて報知し(図柄変動手段)、その変動結果に応じて大当たり状態となる。
【0012】
(2)図柄変動中に始動入賞した場合には所定の保留上限値(例えば各4つ)まで図柄変動を累積的に保留し、図柄変動終了後に保留している図柄変動を開始する。尚、保留している図柄変動数(保留数)が上限値である状態で始動入賞した場合、図柄変動は保留されない。
【0013】
(3)第2始動口16は普図入賞口14への入賞に応じて変動する普通図柄(普図)が当たり(当選確率は通常状態(低確率状態)で1/30、時短状態(低確率状態)及び確変状態(高確率状態)で1/1)となった場合に入賞率の高い開放状態となる。尚、開放状態は、第2始動口16が備える開閉体が電動で開放状態となり実現している。つまり、開閉体が開放状態となることで玉の入賞をサポートしている。
【0014】
図1回の変動時間は通常状態では30秒であるのに対して時短状態及び確変状態では1秒となる。また、第2始動口16の開放時間は通常状態では0.2秒であるのに対して時短状態及び確変状態では1.5秒開放を3回繰り返す。即ち、時短状態及び確変状態では通常状態と比較して普図変動時間が短くなる一方、第2始動口16の開放時間が長くなることで第2始動口16の入賞率が高くなる。以下、第2始動口16の開放時間が長くなることで第2始動口16への入賞率が高くなる状態のことを電サポ有ともいう。
【0015】
(4)大当たり抽選の当選確率(大当たり確率)は1/400であり、大当たり状態がその後確変状態(高確率状態、電サポ有)となる大当たり状態(第1大当たり状態。以下、確変大当たり状態)となる割合である確変率は(通常状態、時短状態、確変状態共に)第1始動口15が50%(0〜9の図柄のうち、奇数図柄が確変大当たり状態の発生に対応)、第2始動口16が80%であり、それ以外の大当たり状態が時短状態となる大当たり(第2大当たり状態。以下、通常大当たり状態)となる。通常大当たり状態が発生すると15ラウンド(R)分、確変大当たり状態が発生すると16R分だけ大入賞口17を開放する。1Rの上限入賞数は10玉、上限開放時間は30秒であり、上限入賞数または上限開放時間の何れかが満たされた場合に1Rを終了し、その払出数は15個である。大当たり状態は、上限入賞数である10玉入賞することにより1Rが終了するのが通常であり、その間の打込み玉数もほぼ一定であることから、過去のデータから大当たり状態1回の出玉(差玉、遊技者に付与する特典の大きさ)は確変大当たり状態16Rで約1600玉、通常大当たり状態は15Rで約1500玉となるのが一般的である。
【0016】
(5)確変中は大当たり確率が1/100に向上すると共に、第2始動口16への入賞率が高くなる時短状態(時短)になる。
(6)通常大当たり状態終了後の時短状態(第1特別遊技状態)は、大当たり当選しないことを条件として低確率状態及び電サポ有の状態で100回転継続して通常状態に戻り、確変大当たり状態終了後の確変状態(第2特別遊技状態)は、大当たり当選しないことを条件として高確率状態及び電サポ有の状態で150回転継続して通常状態に戻る(特別遊技状態発生手段)。
【0017】
要するに、遊技機1は、通常大当たり終了後、100回転(第2期間、図柄変動の回数)の時短状態(低確率状態、電サポ有)が発生し、100回転が経過すると電サポ有が終了して通常状態(低確率状態)に戻る一方、確変大当たり終了後、150回転(第1期間、図柄変動の回数)の確変状態(高確率状態、電サポ有)が発生し、150回転が経過すると高確率状態及び電サポ有の両方が終了して通常状態に戻るようになっている。換言すると、時短状態(第2特別遊技状態)は抽選条件が成立し易くなる遊技状態であるのに対して、確変状態(第1特別遊技状態)は、時短状態と同様に抽選条件が成立し易くなることに加えて大当たり状態の抽選に当選し易くなる遊技状態と言える。
【0018】
遊技機1及び当該遊技機1に付設された周辺機器は、遊技者による玉の打込みや各始動口15,16への始動入賞等の遊技の進行に伴って、以下に示す遊技信号を送信する。
アウト信号=消費玉を回収するアウトBOXから送信される消費価値(アウト)を特定可能な信号(稼動信号)である。消費(使用、打込、回収)玉10玉に対して1パルスが送信されるので、「アウト信号数×10」をアウトとして特定する。尚、遊技機1から送信される信号でも良い。
【0019】
セーフ信号=遊技機1から出力される入賞付与価値(セーフ)を特定可能な信号である。払出(付与)玉10玉に対して1パルスが送信されるので、「セーフ信号数×10」をセーフとして特定する。尚、補給装置から送信される補給信号をセーフ信号としても良い。
【0020】
・スタート信号=遊技機1から出力される始動入賞により変動(作動)する液晶表示部(役物)13におけるスタート処理(図柄変動、役物作動、単位遊技)を特定可能な信号。図柄変動確定時に出力されるので信号入力に応じて図柄変動を特定するので、「スタート信号数×1」を回転数(以下、スタート回数)として特定する。尚、始動口に入賞したことを示す信号としても良い。
【0021】
・大当たり信号=遊技機1から出力される大当たり状態期間を特定可能な信号。大当たり状態中にレベル出力される状態信号なので大当たり信号入力中を大当たり状態中として特定する
・特別信号=遊技機1から時短状態及び確変状態において出力される特別状態を特定可能な共通の信号。大当たり信号と特別信号のいずれも入力していない期間を通常状態として特定する。
【0022】
貸出装置2は、所謂各台計数機能付の貸出機であり、貸出装置2の遊技状態を示す状態表示部18、貨幣(遊技者所有の貨幣価値)が投入される貨幣投入口19、遊技者からの操作入力を受け付けると共に持玉数や貯玉数等の再プレイに関わる情報、或いは遊技の進行に伴って図柄変動の回数(スタート回数)や大当たり確率等の遊技データを表示するタッチパネル式の液晶表示部20、持玉または貯玉を払い出すための払出ボタン21、払い出された玉が通過する払出ノズル22、カードが挿入されるカード挿入口23、遊技機1の下部受皿12の下方に位置する着脱可能な計数受皿24等を有する。
【0023】
貸出装置2は、以下に示す機能を備えている。
(1)貨幣が貨幣投入口19に投入されると、その投入金額(残高)を液晶表示部20に表示する。遊技機1の貸出ボタン(図示せず)が操作されると、残高の範囲内で5度数に相当する数の玉を遊技機1内部の払出機構から払い出し(貸出処理、対価付与処理を行い)、残高から貸出処理により払い出された遊技媒体の対価を除いた残りの残高を表示する。このとき、遊技機1から貸出装置2に5度数分の125玉を払い出したことを示す信号が出力されるので、液晶表示部20に表示されている残高から5度数に相当する単位金額である例えば500円を減額すると共に売上信号を出力する。この売上信号は5度数の玉の払い出し毎に1パルスが出力されるので、1パルスに相当する単位金額を売上額として特定する。尚、玉の払い出しを貸出装置2により行っても良い。
【0024】
(2)一般カードがカード挿入口23に挿入されると、一般カードに記録されている残高及び持玉を読み出して液晶表示部20に表示する。遊技機1の貸出ボタンが操作されると、残高の範囲内で5度数に相当する数の玉を遊技機1内部の払出機構から払い出し(貸出処理、対価付与処理を行い)、残高から貸出処理により払い出された遊技媒体の対価を除いた残りの残高を表示する。このときも、遊技機1から貸出装置2に5度数分の125玉を払い出したことを示す信号が出力されるので、液晶表示部20に表示されている残高から5度数に相当する単位金額である例えば500円を減額すると共に売上信号を出力する。尚、玉の払い出しを貸出装置2により行っても良い。
(3)遊技機1の下部受皿12から落下した玉を計数受皿24により受けると、その受けた玉を計数して計数値を液晶表示部20に表示する。
【0025】
(4)払出ボタン21が操作されると、計数玉(持玉)の範囲内で払出1単位分(例えば125玉)の玉を遊技機1内部の払出機構から払い出し(払戻処理、計数玉に基づく再プレイ処理を行い)、計数玉から払戻処理により払い出された遊技媒体の対価を除いた残りの計数玉を表示する。このときも、遊技機1から貸出装置2に払出1単位分の玉を払い出したことを示す信号が出力される。又、玉の払い出しを貸出装置2により行っても良い。
【0026】
(5)遊技機1の返却ボタン(全発行ボタン、図示せず)が操作されると、残高及び持玉等の情報をカード挿入口23に挿入されている一般カードに対応付けて(例えば記録して)発行(全発行)する。会員カードが挿入されている場合は、残高を会員カードに対応付けて持玉を管理装置6に出力してから会員カードを発行する。一般カードを発行する場合は、カードIDを含む発行情報を管理装置6に出力し、管理装置6側にも記憶する。尚、カード挿入口23に一般カードも会員カードも挿入されていない場合は、図示しないカードストック部にストックしている一般カードをカード挿入口23に繰出して残高及び持玉を対応付けて発行する。
【0027】
(6)液晶表示部20に対する操作入力に応じて対応する遊技機1又は指定された他の遊技機1の遊技データを表示したり、遊技場からのメッセージを表示したり、遊技者が会員であることが特定された場合は遊技機1の遊技データを表示する。
【0028】
呼出ランプ3は、遊技場の従業員を呼出すときに遊技者が押下する呼出ボタン25、遊技情報の表示を切替えるときに遊技者が押下する表示切替ボタン26、ランプ27、液晶表示部28、従業員が携帯するリモコンからの信号を受信する受信部等を備えている。呼出ランプ3は、CPU、ROM、RAM、I/Oを有するマイクロコンピュータにより構成される制御部(発生特定手段、種類判定手段、表示手段、特典特定手段)を有し、制御プログラムを実行して以下の動作を行う。
【0029】
(1)遊技機1から遊技信号を入力することで、各種遊技情報を液晶表示部28に表示する。
(2)遊技者が呼出ボタン25を押下するとランプ27を発光し、その発光状態で再度押下するとランプ27を消灯する。
(3)遊技者が表示切替ボタン26を押下すると、液晶表示部28における遊技情報の表示を切替える。
【0030】
ところで、遊技機1は、特別遊技状態においては当該特別遊技状態の種類に関わらず共通の特別信号を出力するように構成されていることから、その特別信号に基づいて特別遊技状態の種類を特定して遊技者に提供することはできない。
このような事情から、呼出ランプ3は、特別信号を受信した場合に時短状態及び確変状態のいずれかが発生しているかを特定し、その特定結果に基づいて遊技情報を集計する状態判定処理を実行するようになっている。
【0031】
図4は呼出ランプ3による状態判定処理を示すフローチャートである。呼出ランプ3は、遊技機1から共通の信号である特別信号が入力するかを判定している(S1:NO)。
遊技機1で大当たり状態が発生し、当該大当たり状態が終了すると、特別遊技状態(通常大当たり状態後は時短状態(低確率状態、電サポ有)、確変大当たり状態後は確変状態(高確率状態、電サポ有)が発生して特別信号が入力するので(S1:YES)、特別信号が停止するか(S2:NO)、スタート信号が入力するか(S8:NO)を判定するようになる。遊技機1で図柄が変動確定時(停止表示した場合)にスタート信号が入力するので(S8:YES)、スタート信号が入力する毎にスタート回数をインクリメントする(S9)。
【0032】
さて、特別遊技状態が終了して特別信号が停止した場合は(S2:YES)、その時点のスタート回数に基づいて、ステップS3以降において以下の条件に応じて特別遊技状態が時短状態であったか確変状態であったかを特定する。尚、特別信号の受信状況に応じて特別遊技状態を判定できるため、呼出ランプ3は、特別遊技状態の終了を特定する機能(終了特定手段)を備えているということができる。
【0033】
(1)通常大当たり状態後に特別遊技状態として時短状態(低確率状態、電サポ有)となり、当該時短状態が大当たり当選することなく実行満了した場合(スタート回数が100に達した場合)
特別信号が停止した際のスタート回数が101以上かを判定した場合に(S3)、101以上とならないので(S3:NO)、スタート回数が100かを判定する(S4)。この場合、スタート回数は100であり(S4:YES)、さらに、大当たり信号が入力していないので(S5:NO)、特別遊技状態の遊技情報を時短状態として集計する(S6)。つまり、大当たり当選となることなく100回転で特別信号の受信が途切れた場合、その特別信号受信中の特別遊技状態は時短状態であったと判定するのである。
【0034】
(2)確変大当たり状態後に特別遊技状態として確変状態(高確率状態、電サポ有)となり、当該確変状態が大当たり当選することなく実行満了した場合(スタート回数が150に達した場合)
特別信号が停止した際のスタート回数が101以上かを判定した場合に(S3)、特別信号が停止した際のスタート回数は101以上となるので(S3:YES)、特別遊技状態の遊技情報を確変状態として集計する(S10)。つまり、大当たり当選となることなく150回転で特別信号の受信が途切れた場合、その特別信号受信中の特別遊技状態は確変状態であったと判定するのである。
【0035】
(3)通常大当たり状態後に特別遊技状態として時短状態となり、当該時短状態中に大当たり当選して特別信号が停止した場合(スタート回数が0〜100の場合)
(3−1)スタート回数が0〜99場合
特別信号が停止した際のスタート回数が0〜99となるので(S4:NO)、前回の大当たり状態に基づいて特別遊技状態を特定する(S11)。つまり、特別信号の受信が途切れることなく99回転までに大当たり当選となった場合、特別信号からは、時短状態であったか確変状態であったかを特定できないので、前回の大当たり状態中の差玉によって大当たり状態の種類を特定し、特定結果に基づいて当該大当たり状態の後の特別遊技状態が時短状態であったか確変状態であったかを判定するのである。前回の大当たり状態が通常大当たりであった場合、前回の大当たり状態中の差玉は1550未満となるのが一般的であることから(S11:NO)、通常大当たり状態であったと判定し、特別信号受信中の遊技情報を時短状態として集計する(S6)。
【0036】
(3−2)スタート回数が100の場合
特別信号が停止した際のスタート回数が100となり(S4:YES)、大当たり当選で特別信号が停止したのか時短状態が終了して特別信号が停止したのかを特定できないことから、大当たり信号が入力しているかを判定し(S5)、大当たり信号が入力していることから(S5:YES)、前回の大当たり状態中の差玉によって大当たり状態の種類を判定する(S11)。この場合、前回の大当たり状態が通常大当たりであり、前回の大当たり状態中の差玉は1550未満となるのが一般的であることから(S11:NO)、通常大当たり状態であったと判定し、特別信号受信中の遊技情報を時短状態として集計する(S6)。
【0037】
(4)確変大当たり状態後に特別遊技状態として確変状態となり、当該確変状態中に大当たり当選して特別信号が停止した場合(スタート回数が0〜150の場合)
(4−1)スタート回数が100未満(0〜99)で大当たり当選して特別信号が停止した場合
特別信号が停止した際のスタート回数が0〜99となるので(S4:NO)、上述した時短状態中に大当たり当選して特別信号が停止した場合と同様に、特別信号からは、時短状態であったか確変状態であったかを特定できないので、前回の大当たり状態中の差玉によって大当たり状態の種類を特定し(S11)、特定結果に基づいて当該大当たり状態の後の特別遊技状態が時短状態であったか確変状態であったかを判定する。つまり、前回の大当たり状態が確変大当たり状態であった場合、前回の大当たり状態中の差玉は1550以上となるのが一般的であるので(S11:YES)、確変大当たり状態であったと判定し、特別信号受信中の遊技情報を確変状態として集計する(S10)。
【0038】
(4−2)スタート回数が100で大当たり当選して特別信号が停止した場合
特別信号が停止した際のスタート回数が100となり(S4:YES)、大当たり当選で特別信号が停止したのか時短状態が終了して特別信号が停止したのかを特定できないことから、大当たり信号が入力しているかを判定し(S5)、大当たり信号が入力していることから(S5:YES)、前回の大当たり状態中の差玉によって大当たり状態の種類を判定する(S11)。この場合、前回の大当たり状態が確変大当たりであり、前回の大当たり状態中の差玉は1550以上となるのが一般的であることから(S11:YES)、確変大当たり状態であったと判定し、特別信号受信中の遊技情報を確変状態として集計する(S10)。
【0039】
(4−3)スタート回数が101以上(101〜150)で大当たり当選した場合
大当たり信号が入力した際のスタート回数が101以上となるので(S3:YES)、特別遊技状態として確変状態であったと判定し、特別遊技状態の遊技情報を確変状態として集計する(S10)。つまり、101〜150回転で大当たり当選となった場合、大当たり状態を判定することなく特別遊技状態は確変状態であったと特定するのである。
【0040】
要するに、特別信号の出力期間で時短状態であったか確変状態であったかを判定する場合、101回転以上継続した場合にしか確変状態であったことを判断できないことから、100回転以下で特別信号が停止した場合、100回転の場合は大当たり当選していないことを条件として時短状態であったことを特定する一方、大当たり当選していたときは確変状態であったことを特定し、0〜99回転の場合は前回の大当たり状態の差玉に基づいて確変状態であったか時短状態であったかを特定するのである。これは、大当たり状態の差玉は大当たり状態の都度変動するため、誤判定してしまうことが想定できるが、特別信号の出力期間が101回転以上継続した場合、確変状態であったことを特定できるため、特定結果の精度を高くすることができるからである。つまり、本実施形態では、共通の信号である特別信号の出力期間から時短状態であったか確変状態であったかを特定できる場合には、出力期間で優先的に特定し、出力期間から特定できない場合には前回の大当たり状態の差玉から特定することを特徴とするもので、これにより、特定結果の精度を高めると共に、特定不能となる頻度を極力抑制できる。
【0041】
そして、呼出ランプ3は、上述のようにして特別遊技状態が時短状態であったか確変状態であったかを特定して特別遊技状態中の遊技情報を集計した場合は、スタート回数を0とすることで(S7)、次の特別遊技状態中におけるスタート回数の計数に備える。
【0042】
呼出ランプ3は、大当たり状態が発生する毎に上述した特別遊技状態の判定結果に基づいて大当たり履歴を作成しており、遊技者による操作に応じて大当たり履歴を示すデータ表示画面(時間履歴)を表示する機能を有する。
【0043】
図2は呼出ランプ3によるデータ表示画面を例示している。データ表示画面には、台番28a、大当たり履歴28bが表示されている。大当たり履歴28bには、大当たりに対応して、状態、発生時刻、スタート回転数、差玉の各項目が設定されている。スタート回転数とは、大当たり当選となった回転数であり、例えば、図2では1回前の大当たり状態では120と示しているが、これは、2回前の大当たり状態が終了した後、120回転目で1回前の大当たり状態が発生したことを示している。
【0044】
ここで、図2に示す例示では、1回前の大当たり状態は、当該大当たり状態が終了した後の特別信号が150回転(只今のスタート回転数の括弧内に表示)まで続いたため、大当たり終了後に確変状態が発生した確変大当たり状態であったことを判定し、当該確変大当たり状態終了後の抽選状態が高確率状態であったと判定している。2回前、3回前の大当たり状態は、当該大当たり状態が終了した後の特別信号が100回転(1回前、2回前のスタート回転数括弧内に表示)まで続いたため、時短状態が発生した通常大当たり状態であったことを判定し、当該通常大当たり状態終了後の抽選状態が低確率状態であったと判定している。4回前の大当たり状態は、3回前の大当たり状態が50回転目で発生しているため、4回前の大当たり状態の差玉を判定し、差玉が1590であり、1550以上となっているため、確変大当たり状態であったことを判定し、当該確変大当たり状態終了後の抽選状態が高確率状態であったと判定している。
尚、ボタン操作によって4回前よりも前の大当たり履歴も表示可能である。
【0045】
遊技者は、図2に示す表示を確認することで、確変大当たり状態であったか通常大当たり状態であったかを確認し、その大当たり状態終了後の抽選状態が高確率状態であったか否か容易に特定することができる。
【0046】
一方、呼出ランプ3は、遊技者による操作に応じてデータ表示画面(棒グラフ履歴)を表示する機能を有している。棒グラフ履歴を表示する際は、図2の大当たり履歴に基づいて時短状態であったか確変状態であったかを特定し、その特定結果を大当たりに対応して表示するようになっている。
【0047】
図3は呼出ランプ3によるデータ表示画面(棒グラフ履歴)を例示しており、図2の大当たり履歴に基づいたデータを表示している。大当たり履歴表示画面には、台番28a、只今スタート回数28c、大当たり回数28d、大当たり確率28e、累計スタート回数28f、大当たり間ゲーム数グラフ28gが表示されている。只今スタート回数28cは、前回の大当たり状態終了後からの回転数を表示すると共に、その回転数のうち、時短状態又は確変状態で消化した回転数を括弧内に示している。
【0048】
図3に示す例では、現在300回転で、150回転消化したところで確変状態が終了したことを示している。
大当たり間ゲーム数グラフ28gでは、大当たり間のゲーム数を最小表示単位(100回転)を示すブロックの数で表示している。つまり、1〜100回転は1ブロック、101〜200回転は2ブロックで表示している。100回転以下で大当たり当選した場合(3,4,7〜9回前)は1ブロックで表示し、上述したように前回の大当たり状態の差玉で時短状態であったか確変状態であったかを判定している。4,8,9回前の大当たり状態は100回転未満(ブロックが1個)で発生しており、例えば9回前の場合は、10回前の大当たり状態の出玉で10回前が確変大当たり状態であることを特定し、その確変大当たり終了後、確変状態が発生していたと判定している。
【0049】
一方、大当たり状態が終了してから101回転が経過した場合(ブロックが3個以上)は、確変状態が発生していたと判定している。つまり、1,2,5,6,10回前の大当たり状態は確変大当たり状態を特定している。尚、図2に示すように1回前が120回転目で大当たり当選し、図2では示していないが、5回前が130回転目で大当たり当選となっている。
【0050】
また、大当たり状態が終了してから100回転が終了するまでは時短状態であったか確変状態であったかを判定しないため、100回転が経過するまでは空欄のままとしている。このため、100回転が経過した場合、又は途中で大当たり当選し、前回の大当たり状態の差玉が確変大当たり状態に対応していた場合に「確」と表示するようになっている。
【0051】
遊技者は、図3に示すように大当たり状態に対応して「確」が表示されている場合は、その大当たり状態は確変大当たり状態であり大当たり終了後に確変状態が発生していたことを認識でき、「確」が表示されていなければ、その大当たり状態は通常大当たり状態であり時短状態が発生していたことを認識できる。
【0052】
このような実施形態によれば、次のような効果を奏することができる。
呼出ランプ3は、特別遊技状態中の遊技情報を、0〜99回転の場合は前回の大当たり状態の差玉に基づいて特別遊技状態の種類を判定して集計し、100回転の場合は大当たり当選していないことを条件として時短状態として集計する一方、大当たり当選していることを条件として前回の大当たり状態の差玉に基づいて特別遊技状態の種類を判定して集計し、さらに、101回転以上継続した特別遊技状態の遊技情報を確変状態として集計するので、特別遊技状態が終了するまでの期間に基づいて大当たり状態が終了した後に発生していた特別遊技状態の種類を判定して集計し、その集計結果に対応した情報を表示することができる。これにより、遊技者は、表示結果から特別遊技状態の種類を特定し易くなる。
【0053】
共通の信号である特別信号の出力状態に基づいて時短状態及び確変状態のいずれが発生しているか特定しにくい遊技機であっても、特別信号の入力期間から特別遊技状態の種類を判定することができる。
【0054】
図3の大当たり状態を示す棒グラフ履歴において、確変状態が発生していた場合は大当たりに対応して「確」を表示し、時短状態が発生していた場合は「確」を表示しないようにしたので、大当たり状態を確認する場合に、発生した特別遊技状態の種類を遊技者が特定し易くなり、遊技者に提供する情報量を増やすことが可能となる。
【0055】
図3の只今スタート回数28cにおいて、前回の大当たり状態終了後から経過した回転数を表示すると共に、その回転数のうち、時短状態又は確変状態で消化した回転数を括弧内に示したので、前回の大当たり状態が終了してからのスタート回数のうち、特別遊技状態中に消化したスタート回数を特定でき、遊技者に提供する情報量を増やすことが可能となる。
【0056】
大当たり状態の終了後から100回転するまでに大当たり当選となった場合、特別遊技状態の種類を当該特別遊技状態の期間からは特定できないが、その前の大当たり状態の種類を大当たり状態の差玉から特定して特別遊技状態の種類を特定するようにしたので、特別遊技状態の種類を特定可能な精度を高くすることができる。
【0057】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張したり、各変形例を上記実施形態と組合せたり、各変形例を組み合わせるようにしても良い。
上記実施形態で例示した遊技機とは異なるスペックの遊技機に本発明を適用することも可能である。また、特別遊技状態として、確変状態と時短状態とについて例示したが、特別遊技状態を任意に変更しても良く、時短状態、及び確変状態に代えて又は加えてその他の特別遊技状態が設けられている遊技機に適用しても良い。
【0058】
例えば、玉が封入されており、得点を消費して玉を発射する封入式パチンコ遊技機に適用することも可能である。また、スロットマシン(ゲームを開始するためのレバー操作が抽選条件の成立に相当)に適用しても良く、例えば、継続するゲーム数が異なる特別遊技状態を管理する構成としても良い。
時短状態と、確変状態とにおいて、それぞれ異なる信号を出力する遊技機に適用しても良く、本遊技機においても信号の出力継続期間から時短状態及び確変状態のいずれが発生しているか特定しても良い。
【0059】
確変状態が継続する確率を任意に変更しても良く、例えば確変状態にて大当たり当選となった場合、100%確変状態を設定する遊技機に対応することも可能である。
各集計を呼出ランプ3単体で構成としたが、一部の機能を呼出ランプ3外部が備える構成としても良い。この場合でも、遊技情報表示装置が各機能を備えていることに該当する。つまり、遊技情報表示装置を単体で構成しても良いし、複数の装置から構成しても良い。
【0060】
図2及び図3の履歴の表示態様を任意に変更しても良い。また、遊技情報表示装置として、遊技者に対してデータを表示する呼出ランプについて例示したが、遊技場の管理者に向けて管理装置にて情報を表示する構成としても良い。
大当たり状態が終了した後、時短状態及び確変状態のいずれであるかの判定を、100回転以内に次の大当たり状態が発生した場合、及び100回転が経過した場合に行う構成としたが、かかる構成に限定されない。例えば、大当たり状態が終了したタイミングでは、当該大当たり状態の差玉にて大当たり状態の種類を判定し、時短状態、及び確変状態のいずれが発生しているか判定する。そして、101回転が経過した場合に特別信号を受信しているかによってその差玉による判定が正しかったか否か判定するようにしても良い。
【0061】
大当たり状態の種類の判定方法として、大当たり状態の差玉、及び電サポ有状態の回数を用いたが、一方のみを遊技場の管理者が選択して判定を行うようにしても良い。例えば、大当たり状態の差玉のみを用いる場合、大当たり状態が終了した後、早いタイミングで確変状態であるか時短状態であるかを表示することが可能となる。
【0062】
時短状態及び確変状態が継続する期間を変更しても良く、例えば、時短状態は、20回転及び50回転のいずれかの期間まで発生し、確変状態は80回転まで継続する構成が考えられる。この場合、50回転までに大当たり当選となることなく終了した特別遊技状態を時短状態と判定し、51回以上継続した特別遊技状態を確変状態と判定すれば良い。
また、特別遊技状態の継続期間が図柄変動の回数で定められていたが、時短状態が5分間継続し、確変状態が10分間継続する等継続時間で設定しても良い。つまり、特別遊技状態の継続期間の設定方法が異なる遊技機に本発明を適用することも可能である。
【0063】
100回転目に停止した場合は、大当たり信号を入力しているか否かにより時短状態か確変状態かを振り分けるようにしたが、大当たり当選して100回転目に停止する確率は極めて低いことから、時短状態に振り分けるようにしても良い。このような構成を採用した場合、大当たり信号の入力を省略することができる。
【符号の説明】
【0064】
図面中、1は遊技機、3は呼出ランプ(遊技情報表示装置、発生特定手段、種類判定手段、表示手段、特典特定手段)である。
図1
図2
図3
図4