(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記表示部は、前記操作パネルのディスプレイ、前記カラオケ装置が有する表示装置、及び携帯端末の表示画面の少なくとも一つであることを特徴とする請求項3記載のカラオケシステム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
後述する明細書及び図面の記載から、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0012】
各種操作を行うための操作パネル及び装置本体を有するカラオケ装置、及び前記カラオケ装置と通信可能なサーバを有するカラオケシステムであって、前記操作パネルは、前記装置本体のエラーを検知した場合に、利用者によって選択された楽曲に対応する楽曲情報を前記サーバに送信する検知部と、前記サーバから受信した楽曲データに基づいて楽曲を演奏させる処理を行うデータ処理部と、を有し、前記サーバは、前記楽曲情報を受信した場合、当該楽曲情報に対応する楽曲データを前記操作パネルに送信するデータ送信部を有することを特徴とするカラオケシステムが明らかとなる。このようなカラオケシステムによれば、装置本体が使用できない場合であってもカラオケ歌唱が可能となる。
【0013】
また、前記装置本体は、選択された楽曲の演奏を開始させる時刻を示す時刻信号を前記操作パネルに送信する時刻信号送信部を有し、前記操作パネルは、前記時刻信号の示す時刻から前記エラーの検知時までの経過時間を取得する取得部を有し、前記データ処理部は、前記サーバから受信した楽曲データに基づいて楽曲を演奏させる際、前記経過時間に応じて楽曲の途中から演奏を開始させる処理を行うことを特徴とするカラオケシステムが明らかとなる。このようなカラオケシステムによれば、装置本体の故障等により楽曲の途中で演奏が止まった場合であっても、演奏が止まったところからカラオケ歌唱が可能となる。
【0014】
また、前記データ送信部は、前記楽曲データと併せて、当該楽曲データに対応する歌詞テロップデータ及び背景画像データの少なくとも一方を送信し、前記データ処理部は、前記楽曲の演奏に合わせて、前記歌詞テロップデータに基づく歌詞テロップ及び背景画像データに基づく背景画像を表示部に表示させることを特徴とするカラオケシステムが明らかとなる。このようなカラオケシステムによれば、装置本体が使用できない場合であっても歌詞テロップや背景画像を表示することが可能となる。
【0015】
また、前記表示部は、前記操作パネルのディスプレイ、前記カラオケ装置が有する表示装置、及び携帯端末の表示画面の少なくとも一つであることを特徴とするカラオケシステムが明らかとなる。このようなカラオケシステムによれば、状況に応じて様々な表示部に歌詞テロップ等を表示させることが可能となる。
【0016】
また、前記操作パネルは、前記エラーを検知した場合に、前記装置本体のリセットを行うためのリセット信号を前記装置本体に送信するリセット信号送信部を有することを特徴とするカラオケシステムが明らかとなる。このようなカラオケシステムによれば、操作パネルによって装置本体をリセットさせることが可能となる。
【0017】
また、前記操作パネルは、前記エラーを検知した後、前記装置本体のエラーが解消するまでに選択された楽曲に対応する楽曲情報を前記サーバに送信するパネル側楽曲送信部を有し、前記データ送信部は、前記パネル側楽曲送信部から送信された楽曲情報に対応する楽曲データを前記操作パネルに送信することを特徴とするカラオケシステムが明らかとなる。このようなカラオケシステムによれば、装置本体が使用できない場合でも新たな楽曲の選択及び演奏が可能となる。
【0018】
<第1実施形態>
図1〜
図6Bを参照して、第1実施形態に係るカラオケシステム1について説明する。
【0019】
==システム==
図1に示すように、カラオケシステム1は、カラオケ装置2及びサーバ3を備える。カラオケ装置2は、カラオケ店舗の各カラオケルームや、ナイト店舗等に設置される。カラオケ装置2とサーバ3とはネットワークNを介して通信可能となっている。ネットワークNは、たとえば公衆電話回線網やインターネット回線である。サーバ3からカラオケ装置2にカラオケを行うための楽曲データが送信され、カラオケ装置2が楽曲を演奏することにより、利用者はカラオケ歌唱が可能となる。
【0020】
==カラオケ装置==
カラオケ装置2は、カラオケ楽曲の演奏及び利用者がカラオケ歌唱を行うための装置である。
図2は、カラオケ装置2のハードウエア構成例を示す図である。カラオケ装置2は、装置本体20、操作パネル21、音響処理装置22、スピーカ23、表示装置24、マイク25、リモコン装置26を備える。
【0021】
(装置本体)
装置本体20は、カラオケ楽曲の演奏制御、歌詞テロップおよび背景映像の表示制御、音響処理装置22を通じて入力されたマイク25からの音声信号に基づく歌唱採点の処理等、カラオケ歌唱に関する各種の制御を行う。
【0022】
図3は装置本体20のハードウエア構成例を示す図である。装置本体20は、制御部20a、記憶部20b、通信部20cを有する。制御部20aはCPUおよびメモリ(いずれも図示無し)を備える。CPUは、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。本実施形態に係る楽曲送信部201は、制御部20aのCPUがメモリに記憶されている動作プログラムを実行することにより実現される。
【0023】
楽曲送信部201は、利用者によって選択された楽曲に対応する楽曲情報を操作パネル21に送信する。楽曲情報は、たとえば楽曲IDのような、ある楽曲を特定するための情報である。楽曲送信部201は「本体側楽曲送信部」の一例である。
【0024】
利用者は、リモコン装置26を介して歌唱したい楽曲を選択する。制御部20aは、選択された楽曲に対応する楽曲IDを時系列に記憶部20bに記憶させる(楽曲を予約する)。
【0025】
一方で、楽曲送信部201は、通信部20cを介し、選択された楽曲に対応する楽曲IDを操作パネル21に送信する。楽曲IDの送信は、楽曲の選択に応じて順次行われてもよいし、記憶部20bに所定数の楽曲IDが記憶されたタイミングでまとめて行われることでもよい。或いは、操作パネル21が装置本体20の通信状態を確認するタイミング(後述)に合わせて(操作パネル21からの信号をトリガーとして)、楽曲送信部201は選択された楽曲に対応する楽曲IDを操作パネル21に送信することでもよい。
【0026】
記憶部20bは、各種のデータを記憶する大容量の記憶装置である。記憶部20bは、カラオケ装置2によりカラオケ演奏を行うための楽曲データを記憶する。カラオケ装置2が楽曲データに基づいて楽曲を演奏することにより、利用者はカラオケの歌唱が可能となる。楽曲データは、楽曲毎に所定のID(楽曲ID)が付与されている。楽曲データは、MIDIデータ、リファレンスデータ等が含まれる。リファレンスデータは、利用者によるカラオケ歌唱を採点する際の基準となるデータであり、各音符の音高及び音長を表す時系列の情報によって構成されている。また、記憶部20bは、カラオケ楽曲に対応する歌詞テロップを表示装置24等に表示させるための歌詞テロップデータ、及びカラオケ演奏時に表示装置24等に表示される背景画像等の背景画像データを記憶する。
【0027】
通信部20cは、装置本体20と、サーバ3等とを接続するためのインターフェースを提供する。
【0028】
(操作パネル)
操作パネル21は、カラオケ装置2に対する各種操作をおこなうための入力手段である。カラオケ装置2は、操作パネル21を用いて各種設定操作が可能となる。操作パネル21は、装置本体20に対して着脱可能に設けられている。また、装置本体20と操作パネル21とはケーブルLによって通信可能に接続されている。
【0029】
図4は操作パネル21のハードウエア構成例を示す図である。操作パネル21は、制御部21a、記憶部21b、通信部21c、ディスプレイ21d、操作部21eを有する。
【0030】
制御部21aはCPUおよびメモリ(いずれも図示無し)を備える。CPUは、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。本実施形態に係る検知部211、データ処理部212は、制御部21aのCPUがメモリに記憶されている動作プログラムを実行することにより実現される。
【0031】
検知部211は、装置本体20のエラーを検知した場合に、楽曲情報をサーバ3に送信する。
【0032】
エラーとは、装置本体20が何らかの原因により稼働できなくなったことをいう。検知部211は、装置本体20の稼働状態を監視し、エラーを検知する。エラーの検知は、たとえば装置本体20との通信状態を確認することや装置本体20から発せられるエラーコードを受け取ったかどうかを判断することにより行うことができる。たとえば、検知部211は、装置本体20との通信状態を確認し、通信できない場合にはエラーが生じていると判断する。稼働状態の監視は、所定の間隔(たとえば5分毎)で行ってもよいし、カラオケ装置2の電源が投入されている間、常に行うことでもよい。
【0033】
エラーを検知した場合、検知部211は、楽曲情報をサーバ3に送信する。ここで送信される楽曲情報は、エラーを検知するまでに装置本体20から受信した楽曲情報である。
【0034】
データ処理部212は、サーバ3から受信した楽曲データに基づいて楽曲を演奏させる処理を行う。具体的には、データ処理部212は、楽曲データを音響処理装置22に送信する。データ処理部212は、音響処理装置22を制御し、送信した楽曲データに対応するカラオケ楽曲の演奏を行わせる。
【0035】
なお、後述のようにサーバ3から楽曲データに対応する歌詞テロップデータや背景画像データが併せて送信されてきた場合、データ処理部212は、楽曲の演奏に合わせて、歌詞テロップデータに基づく歌詞テロップや背景画像データに基づく背景画像をディスプレイ21dに表示させることも可能である。ディスプレイ21dは、「表示部」の一例である。データ処理部212は、歌詞テロップや背景画像を表示装置24や利用者が所有する携帯端末の表示画面に表示させることも可能である。携帯端末は、一般的なスマートフォン、タブレット端末等を用いることが可能である。
【0036】
記憶部21bは、各種のデータを記憶する大容量の記憶装置である。記憶部21bは、サーバ3から送信された楽曲データ、歌詞テロップデータ、及び背景画像データ等を記憶する。
【0037】
通信部21cは、操作パネル21と装置本体20等とを接続するためのインターフェースを提供する。
【0038】
ディスプレイ21dは、各種情報を表示するための表示画面を構成する。ディスプレイ21dは、タッチパネル式の操作部21eを兼ねていてもよい。
【0039】
操作部21eは、カラオケ装置2に対する各種操作を行うためのユーザーインターフェースを提供する。操作部21eは、操作パネル21の前面に設けられた、予約確認や採点を行う押下式のボタンや、カラオケ音量、BGM音量、エコーレベル、マイク音量等の調整を行うダイヤル式のツマミ等である。
【0040】
なお、利用者は操作パネル21を介して歌唱したい楽曲を選択することもできる。この場合、操作パネル21の制御部21aは、選択された楽曲に対応する楽曲IDを時系列に記憶部21bに記憶させ、且つ装置本体20に送信する(楽曲を予約する)。すなわち、エラー検知部211がサーバ3に送信する楽曲情報は、エラーを検知するまでに操作パネル21を介して選択された楽曲に基づくものであってもよい。
【0041】
(音響処理装置)
音響処理装置22は、カラオケ楽曲の演奏処理、及びマイク25を通じて入力された音声信号の処理を行う。音響処理装置22は、ミキサ、アンプ(いずれも図示無し)を含む。ミキサは、装置本体20や操作パネル21から入力された楽曲データに基づく楽音信号、及びマイク25から出力される音声信号を適当な比率でミキシングしてアンプに出力する。アンプは、ミキサからのミキシング信号を増幅し、放音信号としてスピーカ23へ出力する。これにより、スピーカ23からは放音信号に基づくカラオケ演奏音およびマイク25からの歌唱音声が放音される。なお、本実施形態に係る音響処理装置22は、無線通信が可能な通信部(図示無し)を備える。従って、操作パネル21と音響処理装置22とは装置本体20を介さずに無線通信が可能となっている。
【0042】
(スピーカ、マイク、リモコン装置)
スピーカ23は音響処理装置22からの放音信号に基づいて放音するための構成である。表示装置24は装置本体20や操作パネル21からの信号に基づいて映像や画像を画面に表示するための構成である。マイク25は利用者の音声をアナログの音声信号に変換して音響処理装置22に入力するための構成である。リモコン装置26は、カラオケ装置2に対する各種操作をおこなうための装置である。利用者はリモコン装置26を用いてカラオケ装置2の起動、楽曲の選択等を行うことができる。なお、本実施形態に係る表示装置24及びリモコン装置26は、無線通信が可能な通信部(図示無し)を備える。従って、操作パネル21と表示装置24及びリモコン装置26とは装置本体20を介さずに無線通信が可能となっている。
【0043】
==サーバ==
サーバ3は、利用者やカラオケ装置2等に関する各種情報を蓄積して管理するコンピュータである。
図5はサーバ3のハードウエア構成例を示す図である。サーバ3は、制御部30、記憶部31および通信部32を備える。
【0044】
制御部30はCPUおよびメモリ(いずれも図示無し)を備える。CPUは、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。本実施形態に係るデータ送信部301は、制御部30のCPUがメモリに記憶されている動作プログラムを実行することにより実現される。
【0045】
データ送信部301は、操作パネル21から楽曲情報を受信した場合、当該楽曲情報に対応する楽曲データを操作パネル21に送信する。データの送信は、たとえばストリーミング配信でもよいし、データ全体を一つのファイルとしてまとめて配信してもよい。
【0046】
たとえば、楽曲A及び楽曲Bの楽曲IDを受信した場合、データ送信部301は、楽曲A及び楽曲Bに対応する楽曲データを記憶部31から読み出し、操作パネル21に送信する。操作パネル21(データ処理部212)は、音響処理装置22を制御し、楽曲A及び楽曲Bの演奏を順次行わせる。
【0047】
また、データ送信部301は、楽曲データと併せて、当該楽曲データに対応する歌詞テロップデータ及び背景画像データの少なくとも一方を操作パネル21に送信してもよい。
【0048】
記憶部31は、各種のデータを記憶する大容量の記憶装置である。記憶部31は、楽曲データ、歌詞テロップデータ、及び背景画像データ等を記憶する。
【0049】
通信部32は、サーバ3とカラオケ装置2とを接続するためのインターフェースを提供する。
【0050】
==カラオケシステムの動作について==
次に、
図6A及び
図6Bを参照して本実施形態に係るカラオケシステム1の動作の具体例について述べる。
【0051】
(通常時)
通常時は、以下の動作を繰り返し行う。
図6Aは、カラオケシステム1の通常時の動作例を示すフローチャートである。
【0052】
検知部211は、所定の時間間隔で装置本体20の稼働状態を監視する(装置本体の監視。ステップ10)。
【0053】
利用者はリモコン装置26を用いて、所望の楽曲を選択する。(楽曲の選択。ステップ11)。楽曲送信部201は、ステップ11で選択された楽曲に対応する楽曲IDを操作パネル21に送信する(楽曲IDの送信。ステップ12)。カラオケ装置2は、選択された楽曲の演奏を行う(楽曲の演奏。ステップ13)。
【0054】
記憶部21bは、ステップ10で送信された楽曲IDを記憶する(楽曲IDの記憶。ステップ14)。
【0055】
(エラー検知)
ここで、検知部211がエラーを検知した場合、以下の動作を行う。
図6Bは、カラオケシステム1のエラー検知時の動作例を示すフローチャートである。
【0056】
検知部211は、装置本体20のエラーを検知する(エラー検知。ステップ20)。この場合、検知部211は、ステップ14で記憶された楽曲IDをサーバ3に送信する(楽曲IDの送信。ステップ21)。
【0057】
データ送信部301は、ステップ21で送信された楽曲IDに応じて、記憶部31に記憶されている当該楽曲IDに対応する楽曲データを操作パネル21に送信する(楽曲データの送信。ステップ22)。
【0058】
データ処理部212は、音響処理装置22を制御し、ステップ22で送信された楽曲データに基づいて楽曲を演奏させる(楽曲の演奏。ステップ23)。
【0059】
このように、本実施形態に係るカラオケシステム1によれば、故障等により装置本体20が使用できない状況が生じても、操作パネル21が装置本体20の代わりとして機能し、カラオケ演奏等を行うことができる。従って、利用者は引き続きカラオケ歌唱を楽しむことができる。また、エラーが生じた時点で既に複数の楽曲が予約されている場合であっても、サーバ3の記憶部31は予約された楽曲情報を保持している。従って、楽曲を再度選び直す等の手間がかからない。
【0060】
ところで、操作パネル21の記憶部21bは装置本体20から送信された複数の楽曲情報を記憶している場合もありうる。たとえば、記憶部21bは、楽曲A〜楽曲Eの順に楽曲IDを記憶しているとする。
【0061】
ここで、検知部211が楽曲Cの歌唱前にエラーを検知したとする。この場合、上述の処理によれば、検知部211は、楽曲A〜楽曲Eに対応する楽曲情報をサーバ3に送信する。一方、楽曲A及び楽曲Bは既に歌唱済みであるため、その楽曲データは要求する必要はない。
【0062】
そこで、装置本体20の制御部20aは、演奏が完了した楽曲については完了信号を操作パネル21に送信することも可能である。そして、操作パネル21は、完了信号を元に記憶部21bに記憶されている楽曲IDを削除する。
【0063】
この場合、一旦、操作パネル21の記憶部21bに記憶された楽曲IDに対応する楽曲であっても、既に歌唱が済んだ楽曲の楽曲IDはサーバ3に送信されない。従って、操作パネル21は、予約された楽曲のうち、まだ歌唱されていない楽曲のみを演奏させることができる。
【0064】
<第2実施形態>
図7及び
図8を参照して、第2実施形態に係るカラオケシステム1について説明する。第1実施形態と同様の構成については詳細な説明を省略する。
【0065】
従来のカラオケ装置においては、楽曲の演奏中(利用者の歌唱中)にエラーが生じると、それ以降、楽曲の演奏はできない。一方、第1実施形態に係るカラオケシステム1によれば、演奏中のカラオケ楽曲を改めて演奏させることができる。ところで、既に途中まで歌唱している歌唱者は、演奏が途切れた時点から歌唱を始めたいと考える場合もある。そこで、本実施形態では、楽曲の演奏中にエラーを検知した場合に、演奏が途切れた時点から演奏を再開させる構成について述べる。
【0066】
(装置本体)
図7は、本実施形態に係る装置本体20のソフトウエア構成例を示す図である。
図7に示すように、制御部20aは、所定のプログラムが実行されることにより、楽曲送信部201及び時刻信号送信部202として機能する。
【0067】
時刻信号送信部202は、通信部20cを介し、選択された楽曲の演奏を開始させる時刻を示す時刻信号を操作パネル21に送信する。複数の楽曲が予約されている場合、時刻信号送信部202は、各楽曲の演奏を開始する度に時刻信号を操作パネル21に送信する。
【0068】
(操作パネル)
図8は、本実施形態に係る操作パネル21のソフトウエア構成例を示す図である。
図8に示すように、制御部21aは、所定のプログラムが実行されることにより、検知部211、データ処理部212、及び取得部213として機能する。
【0069】
取得部213は、時刻信号送信部202から送信された時刻信号の示す時刻からエラーの検知時までの経過時間を取得する。
【0070】
たとえば、時刻信号送信部202は、楽曲Aの演奏を開始させる時刻(20時00分)を示す時刻信号を操作パネル21に送信する。取得部213は、当該時刻信号が示す時刻からエラーが検知されるまでの経過時間を計測する。たとえば、検知部211が20時02分にエラーを検知したとする。この場合、取得部213は、時刻信号が示す時刻からエラーを検知するまでの時間(2分)を経過時間として取得する。
【0071】
データ処理部212は、サーバ3から受信した楽曲データに基づいて楽曲を演奏させる際、経過時間に応じて楽曲の途中から演奏を開始させる処理を行う。
【0072】
たとえば、上記例で、検知部211がエラーを検知すると、第1実施形態と同様の処理に基づいて、サーバ3から楽曲Aの楽曲データが送信される。なお、この例では、楽曲Aの演奏時間が5分であるとする。
【0073】
データ処理部212は、取得部213で取得した経過時間(2分)に基づいて音響処理装置22を制御し、楽曲Aの2分以降のパートから演奏を開始させる。
【0074】
このようなカラオケシステム1によれば、楽曲の演奏途中でエラーが生じた場合であっても、エラーが生じた時点からカラオケ歌唱を再開することが可能となる。従って、利用者に同じ歌唱を行わせる等のストレスを与えることがない。
【0075】
<第3実施形態>
図9を参照して、第3実施形態に係るカラオケシステム1について説明する。第1実施形態等と同様の構成については詳細な説明を省略する。
【0076】
装置本体20にエラーが生じた場合、一度リセットさせることによってその機能を回復できることがある。そこで、本実施形態では、エラーを検知した場合に装置本体20をリセットさせる処理について述べる。
【0077】
(操作パネル)
図9は、本実施形態に係る操作パネル21のソフトウエア構成例を示す図である。
図9に示すように、制御部21aは、所定のプログラムが実行されることにより、検知部211、データ処理部212、及びリセット信号送信部214として機能する。
【0078】
リセット信号送信部214は、エラーを検知した場合に、通信部21cを介し、装置本体20のリセットを行うためのリセット信号を装置本体20に送信する。
【0079】
装置本体20は、リセット信号に基づいてリセットを行う。リセットは、たとえば、装置本体20の電源をオフし、再起動させる処理である。
【0080】
このようなカラオケシステム1によれば、操作パネル21によって装置本体20をリセットさせることが可能となる。リセットにより装置本体20の機能が回復した場合には、早期に通常の状態(装置本体20による制御)でカラオケ歌唱を行うことができる。
【0081】
<第4実施形態>
図10を参照して、第4実施形態に係るカラオケシステム1について説明する。第1実施形態等と同様の構成については詳細な説明を省略する。
【0082】
従来のカラオケシステムにおいては、装置本体のエラーが検知された以降は、たとえばリモコン装置で楽曲を選択しても当該楽曲の予約自体ができない。一方で、第1実施形態等の構成によって、既に予約された楽曲のカラオケ歌唱が終了した後であっても、新たな楽曲を選択してカラオケ歌唱を行いたいという場面もありうる。そこで、本実施形態では、エラーを検知した後、装置本体20のエラーが解消するまでに操作パネル21を用いて楽曲の選択等を可能とする例について述べる。
【0083】
(操作パネル)
図10は、本実施形態に係る操作パネル21のソフトウエア構成例を示す図である。
図10に示すように、制御部21aは、所定のプログラムが実行されることにより、検知部211、データ処理部212、及び楽曲送信部215として機能する。
【0084】
楽曲送信部215は、エラーを検知した後、装置本体20のエラーが解消するまでに選択された楽曲に対応する楽曲情報をサーバ3に送信する。楽曲の選択は、たとえば、操作パネル21の操作部21eやリモコン装置26を介して行うことができる。楽曲送信部215は「パネル側楽曲送信部」の一例である。
【0085】
サーバ3のデータ送信部301は、楽曲送信部215から送信された楽曲情報に対応する楽曲データを操作パネル21に送信する。
【0086】
データ処理部212は、音響処理装置22を制御し、サーバ3から受信した楽曲データに基づいて楽曲を演奏させる。なお、楽曲送信部215から送信される楽曲情報が複数ある場合には記憶部31で時系列に記憶することができる。すなわち、装置本体20が使用できない場合であっても楽曲の予約が可能となる。
【0087】
このようなカラオケシステム1によれば、装置本体20が使用できない場合でも新たな楽曲の選択及び演奏が可能となる。従って、利用者はエラーが発生した後もカラオケ歌唱を楽しむことができる。
【0088】
上記実施形態は、プログラムが前述した各種の処理をコンピュータ又はマイクロプロセッサに実行させることにより実現可能である。この場合、全ての処理をプログラムとして準備していてもよいし、一部の処理をハードウエアに処理させ残りの処理をプログラムとして準備していてもよい。また、実行可能なプログラムが記憶された非一時的なコンピューター可読媒体を用いて、コンピュータにプログラムを供給することも可能である。なお、非一時的なコンピュータの可読媒体の例は、磁気記録媒体、CD−ROM等がある。
【0089】
上記実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。また、上記実施形態の構成は、適宜組み合わせて実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。それらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。