(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
被包装物を収納する収納凹部の開口部周縁から外側に突設されるフランジ部を有した多層構造の容器本体における前記フランジ部に、環状の切込溝を形成するノッチ刃であって、
前記容器本体を構成する多層構造の少なくとも1層を切断する切込深度で前記切込溝を形成する環状の刃部と、
中心軸が前記刃部の中心軸に対して同軸上に位置し、かつ弾性部材を介して前記刃部に対して偏芯可能に設けられ、前記容器本体の収納凹部の内壁面に少なくとも3点以上で接触する当接部と、
前記当接部が前記収納凹部の内面に当接して、前記当接部の中心軸が前記刃部の中心軸上からずれた際に、前記弾性部材の復元力により前記当接部の中心軸上に前記刃部の中心軸を位置決めする位置決め手段と、
を具備したことを特徴とするノッチ刃。
被包装物を収納する収納凹部の開口部周縁から外側に突設されるフランジ部を有した多層構造の容器本体における前記フランジ部に、環状の切込溝を形成するノッチ形成装置であって、
前記容器本体を構成する多層構造の少なくとも1層を切断する切込深度で前記切込溝を形成する環状の刃部、および、中心軸が前記刃部の中心軸に対して同軸上に位置し、かつ弾性部材を介して前記刃部に対して偏芯可能に設けられ前記容器本体の収納凹部の内壁面に少なくとも3点以上で接触する当接部を備えたノッチ刃と、
前記ノッチ刃を支持する上型と、
前記容器本体を支持可能な下型と、
前記当接部が前記収納凹部の内面に当接して、前記当接部の中心軸が前記刃部の中心軸上からずれた際に、前記弾性部材の復元力により前記当接部の中心軸上に前記刃部の中心軸が位置する状態に、位置決めする位置決め手段と、
を具備したことを特徴とするノッチ形成装置。
被包装物を収納する収納凹部の開口部周縁から外側に突設されるフランジ部を有した多層構造の容器本体における前記フランジ部に、環状の切込溝を形成するノッチ形成方法であって、
前記容器本体を構成する多層構造の少なくとも1層を切断する切込深度で前記切込溝を形成する環状の刃部と、中心軸が前記刃部の中心軸に対して同軸上に位置し、かつ弾性部材を介して前記刃部に対して偏芯可能に設けられ前記容器本体の収納凹部の内壁面に少なくとも3点以上で接触する当接部とを備えたノッチ刃を用い、
前記当接部を前記容器本体の収納凹部の内面に当接して、前記当接部の中心軸が前記刃部の中心軸上からずれた際に、前記弾性部材の復元力により前記容器本体の当接部の中心軸上に前記刃部の中心軸が位置する状態に、位置決めする位置決め工程と、
前記位置決め工程の後に前記刃部を前記フランジ部に当接させて前記切込溝を形成する切込溝形成工程と、を実施する
ことを特徴とするノッチ形成方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、多層シートから容器本体を製造する工程は、多層シートに対して幅方向で容器本体の形状が複数列設けられるように複数を一括で熱成形した後、切込溝を設ける刃を複数有した型で一括して切込溝を設け、容器本体毎に切り出している。ここで、製造された容器本体の開口部の中心と切込溝との位置関係がずれてしまうと、切込溝の位置およびトップフィルムとの熱融着の位置が重なり、適切に層間剥離できなくなってしまい、良好に開封できなくなるおそれがある。このため、容器本体の製造工程において、切込溝を形成する際、複数の刃の位置を容器本体毎に微調整しており、作業が煩雑である。このことにより、容器本体のより効率的な製造が望まれている。
【0005】
本発明は、切込溝を所定の位置に効率よく形成できるノッチ刃、加工装置、ノッチ形成装置、
および、ノッチ形成方
法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のノッチ刃は、被包装物を収納する収納凹部の開口部周縁から外側に突設されるフランジ部を有した多層構造の容器本体における前記フランジ部に、環状の切込溝を形成するノッチ刃であって、前記容器本体を構成する多層構造の少なくとも1層を切断する切込深度で前記切込溝を形成する環状の刃部と、中心軸が前記刃部の中心軸に対して同軸上に位置し
、かつ弾性部材を介して前記刃部に
対して偏芯可能に設けられ、前記容器本体の収納凹部の内壁面に少なくとも3点以上で接触する当接部と、前記当接部が前記収納凹部の内面に当接
して、前記当接部の中心軸が前記刃部の中心軸上からずれた際に、前記弾性部材の復元力により前記
当接部の中心軸上に前記刃部の中心軸を位置決めする位置決め手段と、を具備したことを特徴とする。
【0007】
この発明では、刃部と一体的に設けられた当接部が容器本体の収納凹部の内壁面に少なくとも3点以上で当接されることで、容器本体の開口部の中心軸上に刃部の中心軸を位置決めできる。前記当接部は、前記内壁面と少なくとも3点以上で当接されていれば、容器本体の開口部の中心軸上に刃部の中心軸を位置決めできる。当接される箇所は3点以上設けられていれば、特に限定されないが、例えば、当接部が内壁面に沿って線状に当該内壁面と当接しても良く、内壁面に沿って面状に当接しても構わない。なお、当接箇所の面積を広く設ける方が位置決め精度が向上するため、好ましい。
このことにより、当接部の中心軸と刃部の中心軸とを同軸上に位置させた簡単な構成で、容器本体の開口部の中心軸と刃部の中心軸とを自動的に同軸上に位置することが可能となり、切込溝を所定の位置に自動的で確実に形成できる。このため、例えば複数の容器本体に切込溝を設ける場合でも、刃部と容器本体との位置がそれぞれ自動的に決まるので、切込溝をそれぞれ所定の位置に効率よく形成できる。
なお、環状とは、丸形状の他、複数の角部を有する多角形状も含む。
【0008】
そして、本発明では、前記当接部は、外周面が前記収納凹部の内周面に面にて接触可能に形成されたことが好ましい。
この発明では、当接部の外周面を収納凹部の内周面に面で接触した状態に当接部を収納凹部に挿入することにより、容器本体の開口部の中心軸と刃部の中心軸とが同軸上に位置することとなる。このため、簡単な構成で容易に位置決めができる。
【0009】
また、本発明では、前記当接部は、軟質部材にて形成されたことが好ましい。
この発明では、収納凹部の内面に当接する当接部を軟質部材にて形成することで、収納凹部の内面を損傷することなく、当接部を収納凹部内に挿入して内面に当接させることが容易にできる。
【0010】
さらに、本発明では、前記刃部を加熱する加熱手段を備え、前記当接部は、耐熱性材料にて形成された構成とすることが好ましい。
この発明では、刃部により切込溝を形成する際の加熱手段による加熱で、当接部が損傷することを防止でき、切込溝を所定の位置に設けることができる。特に、当接部が軟質部材であれば、熱により当接部が劣化するなどにより軟質機能が損なわれるなどの不都合もなく、位置決めの際に収納凹部の内面を損傷せずに位置決めできる。
【0011】
また、本発明では、前記位置決め手段は、貫通孔と、この貫通孔より径小に形成され前記貫通孔に嵌挿され、前記刃部を前記開口部の開口面に沿った方向で移動可能に前記刃部を支持する棒状の支持部材とを備えた構成とすることが好ましい。当該棒状の支持部材は当該当接部の周囲に少なくとも3点以上設けられることで、好適に刃部の容器本体に対する位置決めが達成される。当該棒状の支持部材は、3点以上あれば、特に問題は無いが、位置決め精度の観点から4点以上設けることがより好ましい。また、当該棒状の支持部材の直径が当該貫通孔より径小に形成され前記貫通孔に嵌挿されることで、刃部が容器本体に対し、相対的に移動することができる。
この発明では、貫通孔より径小に形成され貫通孔に嵌挿された棒状の支持部材にて刃部を支持するので、刃部を開口部の開口面に沿った方向に移動可能に支持することが、簡単な構成で得られる。
【0012】
本発明の加工装置は、凹部と、前記凹部の開口縁から外側に突設されるフランジ部とを有した積層構造の容器本体における前記フランジ部に、環状の溝を形成する加工装置であって、前記容器本体を構成する積層構造の少なくとも1層を切断して前記溝を形成する環状の加工部と、中心軸が前記加工部の中心軸に対して同軸上に位置し、かつ弾性部材を介して前記加工部に対して偏芯可能に設けられ、前記凹部の内面に接触する当接部と、前記当接部が前記凹部の内面に当接して、前記当接部の中心軸が前記
加工部の中心軸上からずれた際に、前記弾性部材の復元力により前記当接部の中心軸上に前記加工部の中心軸を位置決めする手段と、を具備したことを特徴とする。
この発明では、加工部と一体的に設けられた当接部が容器本体の凹部の内面に当接されることで、容器本体の開口の中心軸上に加工部の中心軸を位置決めできる。なお、当接部および位置決めする手段は、当接部が容器本体の内面に当接することで、位置決めする手段が容器本体の開口の中心軸上に加工部の中心軸を位置決めするいずれの構成が適用できる。
このことにより、容器本体の開口の中心軸と加工部の中心軸とを自動的に同軸上に位置することが可能となり、溝を所定の位置に自動的で確実に形成できる。このため、例えば複数の容器本体に溝を設ける場合でも、加工部と容器本体との位置がそれぞれ自動的に決まるので、溝をそれぞれ所定の位置に効率よく形成できる。
【0013】
本発明のノッチ形成装置は、本発明のノッチ刃と、前記ノッチ刃を支持する上型と、前記容器本体を支持可能な下型と、を具備したことを特徴とする。
【0014】
この発明では、切込溝を所定の位置に自動的で確実に形成可能な本発明のノッチ刃を備えているので、切込溝を所定の位置に効率よく形成できる。
【0015】
本発明のノッチ形成装置は、被包装物を収納する収納凹部の開口部周縁から外側に突設されるフランジ部を有した多層構造の容器本体における前記フランジ部に、環状の切込溝を形成するノッチ形成装置であって、前記容器本体を構成する多層構造の少なくとも1層を切断する切込深度で前記切込溝を形成する環状の刃部、および、中心軸が前記刃部の中心軸に対して同軸上に位置し
、かつ弾性部材を介して前記刃部に
対して偏芯可能に設けられ前記容器本体の収納凹部の内壁面に少なくとも3点以上で接触する当接部を備えたノッチ刃と、前記ノッチ刃を支持する上型と、前記容器本体を支持可能な下型と、前記当接部が前記収納凹部の内面に当接
して、前記当接部の中心軸が前記刃部の中心軸上からずれた際に、前記弾性部材の復元力により前記
当接部の中心軸上に前記刃部の中心軸が位置する状態に、前記ノッチ刃を前記容器本体に対して相対的に移動させる位置決め手段と、を具備したことを特徴とする。
【0016】
この発明では、ノッチ刃に一体として設けられた当接部を容器本体の収納凹部の内壁面に少なくとも3点以上で当接させると、ノッチ刃を容器本体に対して相対的に移動させ、開口部の中心軸上に刃部の中心軸を位置させることができる。このことにより、当接部の中心軸と刃部の中心軸とを同軸上に位置させた簡単な構成のノッチ刃を用いて、容器本体の開口部の中心軸と刃部の中心軸とを自動的に同軸上に位置することが可能となり、切込溝を所定の位置に自動的で確実に形成できる。このため、例えば複数の容器本体に切込溝を設ける場合でも、刃部と容器本体との位置がそれぞれ自動的に決まるので、切込溝を所定の位置に効率よく形成できる。
【0017】
そして、本発明のノッチ形成装置では、前記下型は、前記容器本体を挿入可能に支持する支持凹部を複数有し、前記上型は、前記支持凹部に対応して前記ノッチ刃を複数支持可能に形成されたことが好ましい。
この発明では、容器本体を指示する支持凹部を下型に複数設け、上型に本発明のノッチ刃を支持凹部に対応して複数設けることで、複数の容器本体にそれぞれ切込溝を一動作で形成でき、製造効率を向上できる。
【0018】
本発明のノッチ形成方法は、被包装物を収納する収納凹部の開口部周縁から外側に突設されるフランジ部を有した多層構造の容器本体における前記フランジ部に、環状の切込溝を形成するノッチ形成方法であって、前記容器本体を構成する多層構造の少なくとも1層を切断する切込深度で前記切込溝を形成する環状の刃部と、中心軸が前記刃部の中心軸に対して同軸上に位置し
、かつ弾性部材を介して前記刃部に
対して偏芯可能に設けられ前記容器本体の収納凹部の内壁面に少なくとも3点以上で接触する当接部とを備えたノッチ刃を用い、前記当接部を前記容器本体の収納凹部の内面に当接
して、前記当接部の中心軸が前記刃部の中心軸上からずれた際に、前記弾性部材の復元力により前記容器本体の
当接部の中心軸上に前記刃部の中心軸が位置する状態に、前記ノッチ刃を前記容器本体に対して相対的に移動させる位置決め工程と、前記位置決め工程の後に前記刃部を前記フランジ部に当接させて前記切込溝を形成する切込溝形成工程と、を実施することを特徴とする。
【0019】
この発明では、容器本体の収納凹部の内壁面に接触可能な当接部を有したノッチ刃を用い、当接部を容器本体の収納凹部の内壁面に少なくとも3点以上で当接させると、位置決め手段により容器本体の開口部の中心軸上に刃部の中心軸を位置決めし、刃部をフランジ部に当接させて切込溝を形成する。このため、当接部の中心軸と刃部の中心軸とを同軸上に位置させた簡単な構成のノッチ刃を用いて、容器本体の開口部の中心軸と刃部の中心軸とを自動的に同軸上に位置することが可能となり、切込溝を所定の位置に自動的で確実に形成できる。よって、例えば複数の容器本体に切込溝を設ける場合でも、刃部と容器本体との位置がそれぞれ自動的に決まるので、切込溝を所定の位置に効率よく形成できる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態では、例えば円形の容器を例示するが、この限りではない。
【0026】
[易開封性容器の構成]
図1,2A,2Bは、本発明の容器である易開封性容器1で、この易開封性容器1は、容器本体2と蓋体3とを備えている。容器本体2は、多層シートを成形、具体的には加熱により成形してなるもので、剥離層21および表下層22の2層がこれらの順で積層された積層体である。
ここで、剥離層21は、易開封性容器1に封入される被包装物と接触し、かつ蓋体3のシーラントとヒートシールされる層である。詳細は後述するが、蓋体3とヒートシールされた部分であるヒートシール部23(
図2A,B参照)は、蓋体3と共に容器本体2から剥離される。
剥離層21としては、例えば蓋体3とヒートシールされる材料、好ましくはポリオレフィン系樹脂が好適に用いられる。具体的には、ホモポリプロピレン(HPP)、ランダムポリプロピレン(RPP)、ブロックポリプロピレンなどのポリプロピレン系樹脂や、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)などのポリエチレン系樹脂、直鎖状エチレン−α−オレフィン共重合体などが用いられる。
【0027】
表下層22は、剥離層21に隣接して剥離層21の下層を構成し、易開封性容器1の開封に際して剥離層21との間で層間剥離される。
表下層22を構成する具体的な材料としては、例えばオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、および、ポリエステル系樹脂の群から選ばれる少なくともいずれか1種からなる構成とすることが好ましい。
そして、オレフィン系樹脂としては、具体的にはポリプロピレン、ポリエチレンなどが用いられ、特にポリプロピレンが広く流通されて容易に入手でき安価であるとともに高強度である点から好適に用いられる。
ポリスチレン系樹脂としては、具体的には汎用の透明で剛性のあるGPグレードのポリスチレンや、耐衝撃性のHIグレードのポリスチレンなどが用いられ、特にHIグレードのポリスチレンが容器などとして利用する際に要求される耐衝撃性の点から好適に用いられる。
ポリエステル系樹脂としては、具体的には非晶性ポリエステル、結晶性ポリエステルなどが用いられ、特に非晶性ポリエステルが加工性の理由から好適に用いられる。
【0028】
特に、表下層22として、プロピレン単位を少なくとも一部に含む重合体(以下ポリプロピレン系樹脂といい、適宜PPと表す)と、エチレン単位を少なくとも一部に含む重合体(以下ポリエチレン系樹脂といい、適宜PEと表す)とを、PP:PE=30質量%以上99質量%以下:1質量%以上70質量%以下で配合された樹脂組成物を用いることが好ましい。
ここで、質量比PP/PEが0.67より小さくなるとヒートシール時に樹脂溜りが発生して開封不良を発生するという不都合を生じるおそれがある。特に、質量比PP/PEが0.429より少なくなると剛性不足を生じるおそれがあり、質量比PP/PEが99より多くなると柔軟性不足を生じるおそれがある。
そして、ポリプロピレン系樹脂とは、具体的には、ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、およびこれらの混合物の4種類のうちのいずれかから選択されたものである。そして、耐熱性を考慮する場合には、ホモポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレンの順で好ましい。また、他の層とのシール性を考慮する場合には、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ホモポリプロピレンの順で好ましい。
また、ポリエチレン系樹脂とは、具体的には、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンなどが用いられ、特に低密度ポリエチレンが成形加工安定性の理由から好適に用いられる。
【0029】
なお、表下層22には、タルクなどの無機フィラーが添加されてもよい。
また、表下層22は、剥離層21に直接隣接して積層形成されているが、剥離層21と表下層22との間に、接着層などのヒートシールにより流動しない、もしくは流動しにくい比較的に薄膜な層が設けられていてもよい。
【0030】
そして、容器本体2は、所定の深さを有する略円形のカップ形状であって、略円形状の開口部24Aを開口する凹部である収納凹部24を有し、当該開口部24Aの周縁には、外側に張り出すようにフランジ部25が配設されている。易開封性容器1は、フランジ部25と、開口部24Aに対してフランジ部25に載置された蓋体3とがヒートシールされて環状のヒートシール部23が形成され、易開封性容器1の内部が密封状態とされる。さらに、容器本体2には、ヒートシール部23の内側に対して環状の溝、具体的には切込溝としてのノッチ27が、フランジ部25における少なくとも蓋体3が取り付けられる面に臨む一層である剥離層21を切り込む状態に設けられている。
なお、本発明における溝としては、断面V字状や断面U字状など、各種形状とすることができる。また、溝は、切込により形成される場合に限らず、押圧や切削など、各種方法により形成することができる。
【0031】
ここで、ノッチ27は、剥離層21のノッチ27の位置における厚さ方向の一部が残る状態でも、蓋体3を開封した際に剥離層21がノッチ27の位置で切断され、ノッチ27より開口部24A側の剥離層21まで層間剥離しないような深さ以上であれば特に限定されない。特に、表下層22に達する深さ、すなわち剥離層21の厚さ寸法以上の深さに設けられていることが好ましい。
そして、密封状態の易開封性容器1を開封するには、
図2Aに示すように、易開封性容器1の蓋体3の外周縁に舌片状に設けられた開封開始部3Aにおいて蓋体3を上部に引き上げるようにする。このことにより、多層構造の容器本体2の剥離層21と表下層22との層間で剥離し、ノッチ27の位置まで剥離層21が剥離する。そして、ノッチ27の位置に層間剥離が至ってから蓋体3のみが剥がされる。このため、蓋体3と容器本体2のフランジ部25とが強固に接着されていてもイージーピールが可能となり、易開封性容器1が簡便に開封される。
【0032】
また、容器本体2のフランジ部25の厚さ寸法は、好ましくは200μm以上2000μm以下、より好ましくは250μm以上600μm以下、特に好ましくは300μm以上500μm以下とする。
ここで、フランジ部25の厚さ寸法が200μmより薄くなると容器としての剛性が下がるという不都合を生じるおそれがあり、2000μmより厚くなると、多くの材料が必要となって製造コスト(原料費)が上がるという不都合を生じるおそれがあることから、上記範囲に設定される。
【0033】
蓋体3は、本実施形態にあっては、易開封性容器1の外部に現れる外層32と、容器本体2の剥離層21とヒートシールされるシール層31からなる積層体である。
蓋体3を構成する外層32は、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、二軸延伸ナイロンフィルム(O−Ny)などを使用することができる。また、シール層31は、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)などの樹脂組成物を使用することができる。
そして、容器本体2と蓋体3とをヒートシールすることで、剥離層21とシール層31とが融着してヒートシール部23が形成され、開封の際には、応力に対して弱い容器本体2の剥離層21がノッチ27から外周側で表下層22と層間剥離される。
【0034】
ここで、易開封性容器1を製造するにあって、
図3に示すような環状シール盤4を備えたシール装置40を用いる。容器本体2のフランジ部25と蓋体3とを融着して易開封性容器1を密封状態とするには、容器本体2のフランジ部25に蓋体3を重ね合わせ、この蓋体3の上面から、シール装置40の加熱状態の環状シール盤4を押圧することによりヒートシールが実施される。
すなわち、容器本体2のフランジ部25と蓋体3とのヒートシールは、
図3に示すように、容器本体2のフランジ部25に蓋体3を重ね合わせ、当該蓋体3の上部から、加熱状態の環状シール盤4を
図3中の矢印方向に押圧することにより実施され、これにより、容器本体2のフランジ部25に現れた剥離層21と蓋体3のシール層31が融着される。
【0035】
本実施形態の易開封性容器1を製造するために使用される環状シール盤4は、環状のシール部4Aと、平板状の基盤部4Bとを備えている。環状シール盤4を構成する材料は特に限定されないが、例えば、アルミ、鉄、銅などの伝熱性を有する金属、またはこれらの合金から適宜選択することができる。基盤部4Bの厚みや形状は特に限定されず、シール装置に合わせて、適宜変更したものを好適に用いることができる。
【0036】
シール部4Aは、特に限定されないが、例えば、円型、楕円型、多角型、ひょうたん型、涙型など、目的とする容器のフランジ形状に合わせて、適宜変更することができる。
シール部4Aには、フランジ部25の上面に対して平行な平面である平面部4A1が内周側に設けられ、平面部4A1の外周側には平面部4A1に連続して、外周側に向かってフランジ部25の上面から離間する方向に傾斜した離間部4A2が設けられている。なお、平面部4A1の内周縁には、面取り用のR加工された凸曲面4A3が設けられているが、設けなくてもよい。
【0037】
このうち、環状シール盤4の外周縁側に形成される離間部4A2における、フランジ部25の上面に対して内周縁から外周縁に向かって形成されることとなる傾斜角、すなわち被ヒートシール面23Aとなる水平面に対する離間部4A2の角度(θ)は環状シール盤4のシール部4Aの幅によって異なるが、2°以上20°以下、好ましくは3°以上15°以下、より好ましくは6°以上12°以下と設定することが好ましい。
この離間部4A2の角度が2°より小さいと、ヒートシール時にシール部4Aを押圧した場合であっても、被ヒートシール面23Aと離間部4A2との間隔が十分でなくなり、平面部4A1に遅れることなく、ほぼ同時に離間部4A2が被ヒートシール面23Aを押圧し、離間部4A2に対応するヒートシール部23に樹脂を流動させることができないおそれがある。一方、離間部4A2の角度が20°を超えると、平面部4A1との境界の周辺がなだらかでなく尖ってしまい、シール時もしくは開封時に蓋体3が切断されてしまうおそれがあり、易開封性が損なわれるおそれがある。
【0038】
また、離間部4A2は、幅寸法hがヒートシール部23の断面の幅H(
図2A,B参照)に対し、0.2H以上0.8H以下の幅で形成されることが好ましく、より好ましくは0.4H以上0.6H以下である。離間部4A2の幅寸法hが0.2Hよりも小さくなると、平面部4A1によって押圧されて外周側に流動される樹脂が多くなるとともに、平面部4A1に遅れて当接する離間部4A2の幅が狭すぎて、樹脂を離間部4A2に対応するヒートシール部23に緩やかに移動させることが難しくなる。その結果、ヒートシール部23の外周縁近傍に樹脂溜まりが形成され易くなり、得られた易開封性容器1の開封時にこの樹脂溜まりが引っかかって、ヒートシール部23の外側で抵抗が大きくなり、易開封性容器1の開封を円滑に行うことが困難となるおそれがある。また、離間部4A2の幅寸法hが0.8Hよりも大きくなると、被ヒートシール面23Aと平行な平面部4A1の幅が狭くなり、被ヒートシール面23Aを十分に押圧できなくなり、容器本体2と蓋体3とのヒートシールが十分でなく、易開封性容器1の密封性が不十分になるおそれがある。また、離間部4A2の外周端と被ヒートシール面23Aとの離間距離が大きくなるため、外周端に対応する位置までヒートシールしようとすると、平面部4A1における押圧力が強くなりすぎ、容器本体2や蓋体3を破損してしまうおそれがある。
なお、幅Hは、特に限定されないが、例えば0.8mm以上3.0mm以下、さらに好ましくは0.9mm以上2.5mm以下、特に好ましくは1mm以上2mm以下を好適に用いている。
【0039】
また、環状シール盤4に内周縁側に形成される凸曲面4A3に施されるR加工としては環状シール盤4のシール部4Aの幅によって異なるが、平面部4A1との境界の周辺が尖ることなくなだらかで、シール時もしくは開封時に蓋体3が切断されてしまわないいわゆる面取りとされるR加工が好ましい。
【0040】
[ノッチ形成装置の構成]
次に、容器本体2のフランジ部25にノッチ27を形成する加工装置であるノッチ形成装置について図面に基づいて説明する。
図4はノッチ形成装置の下型の平面図、
図5は下型の一部を切り欠いた端面断面図、
図6はノッチ形成装置の上型の底面図、
図7は上型の一部を切り欠いた端面断面図、
図8は上型のノッチ形成部を示す一部を切り欠いた側面図、
図9はノッチ形成部を示す平面図である。
【0041】
ノッチ形成装置5は、下型6と、上型7と、下型6および上型7間に設けられ下型6および上型7を対向方向すなわち上下方向に沿った相対的な移動を案内するガイド部8と、下型6および上型7を上下方向に移動させる図示しない駆動装置とを備えている。
下型6は、例えば3列で等間隔に容器本体2が形成された多層シートを保持する。この下型6には、平面視で長方形状で長手方向の両端部にガイド部8がそれぞれ設けられた下型台座61と、下型台座61の上面に設けられた下型取付台座部62と、内面が容器本体2の外形と同形状の支持凹部63Aを有し、下型取付台座部62の上面に例えば3列7行で等間隔にねじ63Bにて取り付け固定された複数のホルダー部63とを備えている。
【0042】
上型7は、下型6に保持された多層シートに、容器本体2にそれぞれ対応してノッチ27を形成する。この上型7は、平面視で長方形状に形成され、長手方向の両端部にガイド部8がそれぞれ設けられた上型台座71と、上型台座71の下面に設けられた上型取付台座部72と、エアーシリンダー73と、エアーシリンダー73に取り付けられ後述するノッチ刃85Bから付着する多層シートを押し離すプッシュプレート74と、上型取付台座部72の下面に例えば3列7行で等間隔に配置された複数のノッチ形成部80とを備えている。
ノッチ形成部80は、位置決め手段としての自動偏芯ガイド部81と、上型取付台座部72の下面に自動偏芯ガイド部81により水平方向に移動自在に取り付けられたノッチ刃ベース82と、ノッチ刃ベース82にねじ83Aにて固定された取付板83と、取付板83の下面にねじ84Aにて固定された断熱板84と、断熱板84の下面にねじ85Aにて固定された環状の加工部である刃部としてのノッチ刃85Bを有した本発明のノッチ刃であるノッチ刃プレート85と、ノッチ刃プレート85に設けられた加熱手段としてのヒーター86と、ノッチ刃プレート85の中央に突設された柱部85Cに水平方向に移動可能に取り付けられ、外周面が容器本体2の内周面に対応した当接部としての製品ガイド部87と、製品ガイド部87とノッチ刃プレート85との間に配設された弾性部材であるコイルばね88とを備えている。
そして、ノッチ刃85Bは、容器本体を構成する多層構造の少なくとも1層を切断する切込深度のノッチ27を形成可能に、断面三角形状の環状に形成されている。なお、ノッチ刃85Bは、断面三角形状に限られるものではなく、断面半円形状、断面半楕円形状など、ノッチ27の深さや幅などの寸法、ノッチ27が形成される多層シートの組成や物性などにより適宜設定される。
【0043】
自動偏芯ガイド部81は、ノッチ刃ベース82の四角に設けられた貫通孔82Aと、貫通孔82Aより径小で貫通孔82Aを介してノッチ刃ベース82を上型取付台座部72に水平方向に移動可能に取り付ける棒状の支持部材であるボルト81Aと、貫通孔82Aより径大でノッチ刃ベース82を支持する座板81Bとにより構成されている。
製品ガイド部87は、例えばシリコンゴム、ナイロンやデルリンなどの樹脂素材など、容器本体2の内面に挿入された際に容器本体2を傷付けない軟質部材にて、容器本体2の収納凹部24の内壁面に少なくとも3点以上で接触可能に略円錐台形状に形成されている。さらに、製品ガイド部87は、ヒーター86の加熱により損傷しない耐熱性材料にて形成されている。特に、シンタクチック材料が、容器本体2の保護および耐熱性の点で好適である。
【0044】
[ノッチ形成動作]
次に、上記ノッチ形成装置5を用いたノッチ27の形成動作について説明する。
あらかじめ3列で所定間隔に容器本体2が形成された多層シートを、ノッチ形成装置5の下型6と上型7との間に繰り出す。そして、下型6を上昇させ、ノッチ27が形成されていない容器本体2を下型6の各ホルダー部63の支持凹部63A内に挿入させ、下型6に多層シートを保持させる。
【0045】
この後、下型6をさらに上昇させ、製品ガイド部87を容器本体2の開口部24Aから収納凹部24内に挿入させる。
この製品ガイド部87の挿入の際、多層シートに形成された容器本体2の位置が多少ずれて形成されていた場合、製品ガイド部87の外周面の一部が収納凹部24の内面の偏った一部に当接し、内面を滑動しつつ挿入されることとなる。このことにより、製品ガイド部87が収納凹部24の内面から反力を受け、コイルばね88の付勢に抗してノッチ刃プレート85に対して製品ガイド部87が偏芯した状態となって収納凹部24内に挿入される。
【0046】
さらに、コイルばね88の弾性変形された復元力が、自動偏芯ガイド部81により、ノッチ形成部80を上型取付台座部72に対して水平方向に移動させ、収納凹部24の中心に製品ガイド部87の中心が位置する状態となる。すなわち、ノッチ刃プレート85のノッチ刃85Bの中心と容器本体2の開口部24Aの中心とが同芯上に位置して、製品ガイド部87が容器本体2内に完全に嵌った状態となる。
この状態で、下型6がさらに上昇されると、ヒーター86により加熱されたノッチ刃85Bがフランジ部25に相当する位置に当接し、開口部24Aと同芯上にノッチ27が形成される。
【0047】
この後、下型6の下降とともに、エアーシリンダー73の駆動によりプッシュプレート74を下降させる。このプッシュプレート74の下降により、ノッチ刃85Bに多層シートが付着していた場合、ノッチ刃85Bから多層シートが押し離される。そして、下型6が元の待機位置まで下降し、プッシュプレート74が元の待機位置まで上昇した後、多層シートを繰り出し、上記動作を繰り返す。
なお、容器本体2は、ノッチ形成装置5から繰り出されノッチ27が形成された多層シートから、図示しない切断装置にて別途切り出し形成される。
【0048】
[実施形態の効果]
上述したように、本実施形態では、製品ガイド部87の中心軸とノッチ刃85Bの中心軸とを同軸上に位置させたノッチ刃プレート85を用い、製品ガイド部87を容器本体2の収納凹部24の内面に当接させると、自動偏芯ガイド部81により容器本体2の開口部24Aと同芯軸上にノッチ刃85Bを位置決めする。
このため、多層シートに容器本体2が位置ずれして形成されたとしても、容器本体2の位置ずれに対してノッチ刃プレート85それぞれを位置調整する作業が必要なく、ノッチ27を所定の位置に自動的で確実に形成できる。したがって、ノッチ27を所定の位置に効率よく形成できる。
【0049】
そして、上記実施形態では、製品ガイド部87を外周面が収納凹部24の内周面と同形状に形成している。このことにより、製品ガイド部87を外周面が収納凹部24の内周面に面にて接触させることができる。
このため、製品ガイド部87を収納凹部24に挿入することにより、容器本体2の開口部24Aとノッチ刃85Bとが同芯軸上に位置することとなる。したがって、簡単な構成でノッチ刃85Bを容易に所定の位置に位置決めできる。
【0050】
また、上記実施形態では、収納凹部24の内面に当接する製品ガイド部87を軟質部材にて形成している。
このため、収納凹部24の内面を損傷することなく、製品ガイド部87を収納凹部24内に挿入して内面に当接させることが容易にできる。
【0051】
さらに、上記実施形態では、製品ガイド部87を耐熱性材料にて形成している。
このため、ノッチ刃85Bによりノッチ27を形成する際のヒーター86による加熱で、製品ガイド部87が損傷することを防止でき、ノッチ27を所定の位置に設けることができる。特に、製品ガイド部87が軟質部材であれば、熱により劣化するなどにより軟質機能が損なわれるなどの不都合もなく、位置決めの際に収納凹部24の内面を損傷せずに位置決めできる。
【0052】
そして、上記実施形態では、製品ガイド部87を収納凹部24内に挿入した際に、ノッチ刃85Bを開口部24Aと同芯上に位置させる自動偏芯ガイド部81として、ノッチ刃プレート85を上型取付台座部72に取り付けるボルト81Aを、ノッチ刃プレート85と一体のノッチ刃ベース82に設けた貫通孔82Aより径小に形成し、貫通孔82Aより径大の座板81Bによりノッチ刃ベース82を水平方向に移動自在に支持する構成としている。
このため、簡単な構造で、ノッチ刃85Bを開口部24Aに対して自動的に芯出しでき、従来のノッチ形成装置に製品ガイド部87と簡単な構造の自動偏芯ガイド部81を設けるのみでよく、ノッチ形成装置5を大型化することなく容易に形成できる。
【0053】
また、ノッチ形成装置5として、下型6に支持凹部63Aを有したホルダー部63を複数設け、支持凹部63Aに対応してノッチ刃85Bを有するノッチ刃プレート85を上型7に複数設けた構成としている。
このため、複数の容器本体2を形成した多層シートに、容器本体2のそれぞれに対応してノッチ27を一動作で形成でき、製造効率を向上できる。
【0054】
そして、板状のノッチ刃プレート85にノッチ刃85Bを設けるとともに、ノッチ刃プレート85の中央に、ノッチ刃85Bに同芯となるように製品ガイド部87を取り付ける柱部85Cを設けている。
このため、簡単な構成で、ノッチ27を開口部24Aに対して同芯となるように形成することができる。
【0055】
[変形例]
なお、本発明を実施するための最良の構成などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
したがって、上記に開示した材質、層構成などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの材質などの限定の一部若しくは全部の限定を外した名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【0056】
例えば、易開封性容器1として円形の開口部24Aを有した構成に限らず、例えば
図10に示すような四角形、さらには楕円型、多角型、ひょうたん型、涙型、キャラクター型など、各種形状のものに適用できる。
また、フランジ部25にヒートシール部23の開口部24A側に1つのノッチ27を設けた場合に限らず、例えば
図11に示すように、2つのノッチ27の間にヒートシール部23を設けて層間剥離させる構成としてもよい。
さらに、ヒートシール部23の外周側がフランジ部25の外周縁に亘って形成したが、開封開始部3Aの位置のみフランジ部25の外周縁に亘るいわゆる烏口を形成してもよい。
なお、上記実施形態のように、フランジ部25の外周縁の全周に亘ってヒートシール部23を設けた構成では、開封開始部3Aを設けず、全周のいずれの位置から層間剥離を開始できるようにしてもよい。
【0057】
製品ガイド部87は、外周面が容器本体2の収納凹部24の内周面に対応した略円錐台形に限らず、例えば
図12に示すように、収納凹部24の内面に当接する針金などのガイド部材89を傘の骨組み状に設けた構成などとしてもよい。
【0058】
ノッチ刃ベース82の貫通孔82Aを介して、上型取付台座部72にボルト81Aを取り付けて座板81Bにてノッチ刃ベース82を水平方向に移動可能に支持する構成に限らず、例えばノッチ刃ベース82に一体に設けたボルト81Aを、上型取付台座部72に設けた貫通孔82Aに嵌挿して座板81Bにて支持する逆の構成とするなどしてもよい。
また、ボルト81Aと座板81Bとが一体構成のものでもよい。
さらに、自動偏芯ガイド部81の構成としては、ボルト81Aと貫通孔82Aの関係に限らず、ノッチ刃85Bを移動させるいずれの構成を採用できる。
【0059】
また、ノッチ形成装置5にてノッチ27を形成した後、切断装置にて容器本体2を切り出す工程に限らず、容器本体2を切り出す刃をノッチ形成装置5に設け、ノッチ27の形成とともに容器本体2を切り出す構成としてもよい。
ノッチ形成装置5の下型6として、ホルダー部63についても自動偏芯ガイド部81を設けて多層シートの容器本体の位置に応じてホルダー部63が移動して容器本体2を保持する構成としてもよい。
そして、ホルダー部63としては、3列7行で配置する構成に限らず、多層シートに形成される容器本体2に応じて、適宜配置される。
また、当接部として、外周面が容器本体2の内周面に対応し、収納凹部24の内壁面に少なくとも3点以上で接触可能な製品ガイド部87とし、位置決め手段として自動偏芯ガイド部81としたが、この限りではない。すなわち、当接部としては、収納凹部24の内面に当接可能で、当接部が収納凹部24の内面に1箇所でも当接することで、開口部24Aの中心軸上にノッチ刃85Bの中心軸が位置するように位置決め手段が位置決めするいずれの構成でもよい。