(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
A.第1実施形態:
A1.全体構成:
図1は、本発明の第1実施形態である地図表示システムのハードウェア構成を示す図である。第1実施形態の地図表示システムは、地図サーバ150と、携帯電話200と、を含む。
【0018】
携帯電話200は、GPSユニット201と、表示パネル202と、音声出力部203と、振動機構204と、通信部205と、入力部206と、主制御部210と、通話制御部220とを有している。
【0019】
GPSユニット201は、GPS(Global Positioning System/全地球測位システム)の衛星からの電波を受信するためのアンテナを含むユニットである。GPSのアンテナが受信する電波に基づいて、GPSユニット201は、携帯電話200の現在位置を表す位置情報を生成することができる。また、GPSユニット201は、衛星からの電波に基づいて、現在時刻を表す時刻情報を生成することができる。
【0020】
表示パネル202は、画像を表示することができる液晶ディスプレイである。表示パネル202は、表示している画像に応じてパネルの一部に接触されることによりユーザからの指示を受けとることができるタッチパネル206aを備えている。具体的には、表示パネル202は、液晶ディスプレイの上に透明のタッチパネル206aが重ねられて構成される。ユーザは、たとえば、表示パネル202の表面を指で押したり、表示パネル202の表面に接触した状態で指を動かすことにより、画像の表示を制御するための操作を行うことができる。なお、本明細書において、「画像」とは、狭義の画像のほか、文字、記号等を含む概念である。
【0021】
音声出力部203は、スピーカを含む装置であって、経路案内などのユーザへのメッセージやメロディなどを音声で出力できる装置である。振動機構204は、所定のパターンの振動でユーザの注意を促すことができる装置である。
【0022】
入力部206は、上記タッチパネル206aと、ハードウェアとしてのカーソルキー206bを含む。ユーザは、タッチパネル206aだけでなく、カーソルキー206bの周辺部を押してカーソルを移動させ、カーソルキー206bの中央部を押してONの操作を行うことによっても、携帯電話200に情報を入力することができる。
【0023】
通信部205は、インターネットINTを介して地図サーバ150と通信を行い、情報を送受信することができる。
【0024】
主制御部210は、携帯電話200の各部を制御するための制御ユニットである。主制御部210は、入力部206を介して携帯電話200に入力された情報に基づいて、携帯電話200の各部を制御することができる。主制御部210は、それらの制御に使用されるCPU211、RAM212、ROM213を備えている。
【0025】
より具体的には、主制御部210は、CPU211でアプリケーションソフトウェアを実行することによって携帯電話200の各部を制御する。主制御部210は、たとえば、GPSユニット201が生成した位置情報を含む所定の形式のデータを、通信部205を介して地図サーバ150に送信することができる。そして、主制御部210は、地図サーバ150から地図データを入手して、その地図データが表す地図を表示パネル202に表示することができる。
【0026】
地図サーバ150は、通信部152と、制御部154と、記憶部155とを有している。地図サーバ150は、通信部152を使用して、インターネットINTを介して携帯電話200と通信を行うことができる。記憶部155は、地図データベース156およびアイコン・データベース157を格納している。制御部154は、地図サーバ150の各部を制御する。
【0027】
地図データベース156は、携帯電話200において表示パネル202に地図画像を表示するために携帯電話200に送信される地図画像データを格納している。地図データベース156は、様々な縮尺の地図画像データを、縮尺および位置の情報と対応付けて格納している。制御部154は、携帯電話200から受け取った地点、縮尺等を表すデータに基づいて、携帯電話200が要求する領域の地図画像であって、予め定められた大きさの地図画像を表す地図画像データを特定し、通信部152を介して携帯電話200に送信する。
【0028】
アイコン・データベース157は、地物アイコンと、領域アイコンと、代替地物アイコンと、のデータを格納している。地物アイコンと領域アイコンと代替地物アイコンとは、地図データベース156が格納している地図データの地図の上に重畳して表示されるアイコンである。
【0029】
地物アイコンは、地図上において地物を表すアイコンである。地物アイコンは、地物アイコンが表す地物の特徴を表す形状を有する。すなわち、地物アイコンは、それぞれの地物に応じた固有の形状を有している。地物アイコンは、地物アイコンが表す地物が存在する位置の情報(たとえば、緯度および経度の情報)や、種類(たとえば、遊園地、博物館、景勝地、飲食店など)を表す情報と対応づけられて、アイコン・データベース157に格納されている。さらに、地物アイコンは、対応する地物が存在する領域を表す1以上の領域アイコンと対応づけられてアイコン・データベース157に格納されている。
【0030】
代替地物アイコンは、地物アイコンと同様に、地図上において地物を表すアイコンである。代替地物アイコンは、他の1以上の代替地物アイコンと共通する形状を有している。より具体的には、代替地物アイコンは、代替地物アイコンが表す地物の種類(たとえば、遊園地、博物館、景勝地、観光案内所、飲食店など)に応じた形状を有している。このため、代替地物アイコンは、その代替地物アイコンが表す地物の特徴を表す形状を有していない。代替地物アイコンは、代替地物アイコンが表す地物が存在する位置の情報(たとえば、緯度および経度の情報)や、種類を表す情報と対応づけられて、アイコン・データベース157に格納されている。さらに、代替地物アイコンは、対応する地物が存在する領域を表す1以上の領域アイコンと対応づけられてアイコン・データベース157に格納されている。
【0031】
領域アイコンは、地図上において領域(たとえば、ある観光エリアや行政区画)を表すアイコンである。領域アイコンは、領域アイコンが表す領域内に存在する地物を表す地物アイコンの一つと同一の形状を有する。なお、本明細書において「形状が同一」とは、二つの形状が相似関係にある場合や、色彩が異なる場合をも含む。また、一方の形状F1と相似関係にある形状や色彩が異なる形状に、他の形状が付加されて構成されている形状F2も、形状F1と「同一の形状」に含む。第1実施形態においては、領域アイコンは、大きさも色彩も、地物アイコンの一つと同じであるものとする。
【0032】
領域アイコンは、領域アイコンが表す領域の位置の情報(たとえば、地図データベース156においてその領域を表すポリゴンの各頂点の緯度および経度の情報)や種類(たとえば、観光エリアや、県、市、町、村などの行政区画)を表す情報と対応づけられて、アイコン・データベース157に格納されている。また、領域アイコンは、領域アイコンを表すべき地図上の位置の情報と対応づけられて、アイコン・データベース157に格納されている。
【0033】
領域アイコンは、複数の地物アイコンと対応づけられてアイコン・データベース157に格納されている。ある領域アイコンに対応づけられている地物アイコンは、対応する地物が、その領域アイコンが表す領域内に含まれている地物アイコンである。また、一部の領域アイコンは、他の複数の領域アイコンと対応づけられてアイコン・データベース157に格納されている。ある領域アイコンAに対応づけられている領域アイコンBの領域は、その対応する領域のすべてが、領域アイコンAが表す領域内に含まれている領域アイコンである。そのような場合には、領域アイコンBの領域内に存在する地物の地物アイコンは、領域アイコンAと領域アイコンBのいずれにも対応づけられて、アイコン・データベース157に格納されている。
【0034】
アイコン・データベース157は、さらに、地物アイコン、領域アイコン、および代替地物アイコンに対応づけられた名称表記のデータを格納している。地物アイコンおよび領域アイコンの名称表記は、対応する地物アイコンまたは領域アイコンが表す地物の名称(正式名称のほか、略称や通用名を含む)を表す。領域アイコンの名称表記は、対応する領域アイコンが表す領域の名称(正式名称のほか、略称や通用名を含む)を表す。
【0035】
さらに、アイコン・データベース157に格納されている地物アイコンと領域アイコンとは、地図上に表示される際の優先度の情報と対応づけられて、アイコン・データベース157に格納されている。「優先度」とは、複数のアイコンについて、ある縮尺の地図上で表示すると、地図上において互いの表示が重複するという関係がある場合に、各アイコンについて、優先的に表示すべき程度を表すパラメータである。異なる地物アイコンまたは領域アイコンが同一の優先度を有している場合がある。ただし、領域アイコンは、地物アイコンよりも高い優先度を有している。また、領域アイコンAと領域アイコンBとが対応づけられている場合には、いずれかの優先度が他方の優先度より高い。そして、ある領域アイコンBに対応する領域のすべてが、他の領域アイコンAに対応する領域内に含まれる場合には、領域アイコンAの優先度は、領域アイコンBの優先度よりも高い。
【0036】
A2.地図を表示する処理:
図2は、携帯電話200の表示パネル202に地図を表示するために、携帯電話200と、地図サーバ150と、において行われる処理を示すフローチャートである。
図2に示される地図表示方法によって、表示パネル202に地図が表示される。
図2によって表示パネル202に表示される地図は、地図上に地物アイコンや領域アイコンが表示される「観光地図」である。
【0037】
ステップS210aにおいて、ユーザは、まず、入力部206を操作して、携帯電話200に対して、観光地図を表示すべき旨の要求を行う。具体的には、ユーザは、タッチパネル206aを操作して、携帯電話200上で動いている地図表示用アプリケーションソフトウェアに、たとえば、現在位置を中心とする観光地図を表示すべき旨の指示を行う。また、すでに観光地図以外の地図(たとえば、地物の固有の形状を表す地物アイコンが表示されていない通常の地図)を表示パネル202に表示している状態において、表示している地図と同じ範囲を観光地図で表示すべき旨の指示を、地図表示用アプリケーションソフトウェアに対して行うこともできる。
【0038】
携帯電話200の主制御部210は、ユーザから入力された情報に基づいて、表示すべき地図の中心地点を決定し、観光地図を生成すべき旨の指示とともに、通信部205を介して、中心地点の情報を地図サーバ150に送信する。
【0039】
また、携帯電話200の主制御部210は、表示すべき地図の縮尺の情報も、地図サーバ150に送信する。中心地点と縮尺の情報を地図サーバ150に送信する際に、携帯電話200の表示パネル202に地図を表示していない場合には、主制御部210は、あらかじめ定められた縮尺の情報を、地図サーバ150に送信する。一方、すでに観光地図以外の地図を表示パネル202に表示している状態において、表示している地図と同じ範囲を観光地図で表示すべき旨の指示を、ユーザが携帯電話200に行った場合には、主制御部210は、表示している地図の中心地点と縮尺を、地図サーバ150に送信する。
【0040】
ステップS110aにおいて、地図サーバ150の制御部154は、通信部152を介して、携帯電話200から送信された情報を受信する。そして、地図サーバ150の制御部154は、携帯電話200から受信した情報に基づいて、地図データベース156を参照して、指定された中心地点と縮尺とを有し、携帯電話200の表示パネル202の画面サイズに対応している地図のデータを生成する。携帯電話200の表示パネル202の画面サイズの情報は、ステップS210aにおいて地図サーバ150に送信されてもよい。また、携帯電話200の表示パネル202の画面サイズの情報は、携帯電話のIDと対応づけてあらかじめ地図サーバ150に保存されており、ステップS210aにおいて携帯電話のIDが地図サーバ150に送信されてもよい。
【0041】
具体的には、制御部154は、携帯電話200から受信した中心地点および縮尺の情報と、画面サイズと、に基づいて、表示すべき地図の範囲を決定し、その範囲を有する地図画像のデータを地図データベース156から取得する。この時点では、取得されたデータが表す地図は、地物アイコン、代替地物アイコン、および領域アイコンを含んでいない。
【0042】
ステップS130aにおいて、地図サーバ150の制御部154は、表示すべき地図の範囲に含まれる地物の地物アイコンまたは代替地物アイコン、および表示すべき地図の範囲に含まれる領域の領域アイコンを決定する。より具体的には、制御部154は、ステップS110aで決定した表示すべき地図の範囲に基づいて、アイコン・データベース157を参照して、表示すべき地図の範囲に含まれる地物の地物アイコンおよび代替地物アイコンを選択する。また、制御部154は、ステップS110aで決定した表示すべき地図の範囲に基づいて、アイコン・データベース157を参照して、表示すべき地図の範囲に領域全体が含まれる領域の領域アイコンを選択する。
【0043】
ステップS140aにおいて、地図サーバ150の制御部154は、ステップS110aで作成されている観光地図の上に、ステップS130aで選択された地物アイコン、代替地物アイコンおよび領域アイコンを重畳した地図を表す観光地図データを生成する。
【0044】
観光地図データが表す地図においては、地物アイコンと代替地物アイコンは、それらが表す地物の地図上の位置に表示される。地物の地図上の位置は、地物アイコンおよび代替地物アイコンと対応づけられて、アイコン・データベース157に格納されている。また、観光地図データが表す地図においては、領域アイコンは、アイコン・データベース157において、その領域アイコンと対応づけて格納されている、その領域アイコンを表示すべき地図上の位置に表示される。
【0045】
ただし、表示すべき地図の範囲内に含まれる地物の地物アイコンおよび代替地物アイコン、ならびに表示すべき地図の範囲内に含まれる領域の領域アイコンを、上記各位置に表示した場合に、複数の地物アイコン、代替地物アイコンまたは領域アイコンが重複する場合には、地図サーバ150の制御部154は、以下のような処理を行う。すなわち、地図サーバ150の制御部154は、それら互いに重複する地物アイコン、代替地物アイコンまたは領域アイコンにおいて、優先度の低いアイコンを、当該地図において表示しないこととする。そのようにして、表示される地物アイコン、代替地物アイコンまたは領域アイコンが互いに重複しない観光地図データを、制御部154は生成する。
【0046】
このような処理を行うことにより、ユーザは、観光エリアを表す領域アイコンによって、大領域を表す地図内におけるその観光エリアの場所を把握しつつ、その観光エリアの領域アイコンと重複しない地物アイコンによって、それらの地物アイコンが表す個別の地物のイメージおよび場所を把握することができる。
【0047】
その後、地図サーバ150の制御部154は、通信部152を介して、観光地図データを携帯電話200に送信する。
【0048】
ステップS240aにおいて、携帯電話200の主制御部210は、通信部205を介して、観光地図データを受信し、地物アイコン、代替地物アイコンおよび領域アイコンが重畳された観光地図を表示する。
【0049】
図3は、
図2のステップS240aにおいて携帯電話200の表示パネル202に表示される観光地図の一例Mp01を示す図である。観光地
図Mp01は、観光エリアとしての十和田湖エリアAr01のうちの一部の領域を表す地図である。
図3の観光地
図Mp01において、十和田湖小学校は、小学校を表す共通のアイコンと「十和田湖小」という表記とによって表されている。また、宿泊施設である慶和、和田荘、とわだこ亭、とわだこ遊山は、宿泊施設を表す共通のアイコンと、各宿泊施設の名称を表す表記と、によって表されている。これらの表示は、
図2のステップS110aにおいて地図データベース156を参照して生成される地図データに含まれている。すなわち、これらのアイコンは、本明細書における地物アイコンおよび代替地物アイコンではない。
【0050】
一方、アイコンIc01〜Ic03および名称表記An01〜An03は、
図2のステップS130aにおいてアイコン・データベース157を参照して抽出され、ステップS140aにおいて観光地図に重畳されるデータによって、表示される。地物アイコンIc01は、地物としての「乙女の像」を表すアイコンである。地物アイコンIc01は、「乙女の像」の特徴を表す形状を有している。地物アイコンIc01は、地図上において、地物としての「乙女の像」が存在する位置に表示される。地物アイコンIc01は、「乙女の像」という名称表記An01とともに、地図上に表示される。
【0051】
地物アイコンIc02は、地物としての「八甲田スキー場」を表すアイコンである。地物アイコンIc02は、「八甲田スキー場」の特徴を表す形状を有している。地物アイコンIc02は、地図上において、地物としての「八甲田スキー場」が存在する位置に表示される。地物アイコンIc02は、「八甲田スキー場」という名称表記An02とともに、地図上に表示される。
【0052】
代替地物アイコンIc03は、地物としての「十和田ビジターセンター」を表すアイコンである。代替地物アイコンIc03は、地図上において、地物としての「十和田ビジターセンター」が存在する位置に表示される。代替地物アイコンIc03は、「十和田ビジターセンター」という名称表記An03とともに、地図上に表示される。代替地物アイコンIc03は、カメラを模した形状を有している。このカメラを模した形状のアイコンは、観光案内所一般を表すアイコンである。このため、このカメラを模した形状のアイコンは、他の観光案内所やビジターセンターを地図上で表す際にも使用される。代替地物アイコンIc03は、「十和田ビジターセンター」の特徴を表す形状を有していない。
【0053】
アイコンIc01〜Ic03がそれぞれ表す「乙女の像」、「八甲田スキー場」、および「十和田ビジターセンター」は、観光エリアとしての「十和田湖エリア」内に含まれる地物である。
【0054】
図2のステップS255aにおいて、ユーザが、タッチパネル206aを操作して、観光地図のスクロールや拡大、縮小を指示したか否かが判定される。観光地図のスクロール拡大、または縮小が指示されなかった場合には、処理はステップS265に進む。
【0055】
図2のステップS255aにおいて、観光地図のスクロール拡大、または縮小が指示された場合には、再度、地図の中心地点の情報や縮尺の情報が、携帯電話200から地図サーバ150に送信される(
図2の「S1a」参照)。そして、ステップS110aにおいて、地図サーバ150が、再度、観光地図の地図データを生成する。その後、ステップS130a以下の処理が行われる。
【0056】
なお、観光地図のスクロールの指示は、たとえば、観光地図が表示されている液晶ディスプレイ上のタッチパネル206aの1点を押圧しつつスライドさせることによって、入力される。観光地図の拡大の指示は、たとえば、タッチパネル206aの2点を押圧しつつ、それらの押圧点が互いに離れるようにスライドさせることによって、入力される。観光地図の縮小の指示は、たとえば、タッチパネル206aの2点を押圧しつつ、それらの押圧点が互いに近づくようにスライドさせることによって、入力される。携帯電話200の主制御部210は、それらの入力に基づいて、地図の中心地点や縮尺を決定し、それらの情報を地図サーバ150に送信する。
【0057】
図4は、ステップS240aにおいて携帯電話200の表示パネル202に表示される観光地図の一例Mp02を示す図である。観光地
図Mp02は、
図2のステップS255aにおいて、観光地図の縮小が指示された場合に、ステップS110a〜S140aを経て、ステップS240aにおいて表示される地図である。観光地
図Mp02は、観光地
図Mp01で示される領域Ar01を含むより広い領域Ar02を観光地
図Mp01よりも小さい縮尺で示す地図である。なお、
図4の観光地
図Mp02は、
図3の観光地
図Mp01と中心を同じくし、観光地
図Mp01よりも縮尺が小さい地図である。観光地
図Mp01において表示されていたアイコンIc01〜Ic03および名称表記An01〜An03は、
図4の観光地
図Mp02において表示されていない。そして、観光地
図Mp02においては、領域アイコンRIc01が、名称表記RAn01とともに表示されている。
【0058】
領域アイコンRIc01は、観光エリアとしての「十和田湖エリア」を表すアイコンである。領域アイコンRIc01は、領域アイコンRIc01が表す十和田湖エリアAr01に存在する地物としての「乙女の像」を表す地物アイコンIc01(
図3参照)と同一の形状を有する。領域アイコンRIc01は、アイコン・データベース157内において、領域アイコンRIc01と対応づけられて格納されている位置の情報に基づいて、観光地
図Mp02内に表示される。アイコン・データベース157内において、「十和田湖エリア」に含まれる地物を表す地物アイコンは、領域アイコンRIc01に対応付けて格納されている。観光地
図Mp02が表す範囲には、観光地域としての「十和田湖エリア」の全領域が含まれる。
【0059】
図3の観光地
図Mp01において表示されていたアイコンIc01〜Ic03を、
図4の観光地
図Mp02において表示すると、領域アイコンRIc01と表示領域が重なり合う。このため、領域アイコンRIc01よりも優先度が低いアイコンIc01〜Ic03、ならびにそれらのアイコンに対応付けられている名称表記An01〜An03は、観光地
図Mp02において、表示されない(
図2のステップS140a参照)。
【0060】
このような処理が行われることにより、大領域を表す地図においては、ある観光エリアに含まれる複数の地物のうち有名な地物の特徴を表すアイコンが、その観光エリアのアイコンとして、名称表記とともに表示される(
図4参照)。その結果、大領域を表す地図においても、ユーザは、有名な地物の特徴を表す領域アイコンに基づいて、その観光エリアのイメージと場所とを、直感的に把握することができる。
【0061】
図2のステップS265aにおいて、ユーザが、タッチパネル206aを操作して、観光地図の領域アイコンを特定した入力をしたか否かが判定される。観光地図の領域アイコンを特定した入力は、タッチパネル206aの領域アイコンが表示されている部分をダブルタップすることによって、入力される。「ダブルタップ」とは、タッチパネル上の同一点または所定の距離(たとえば、1cm)内にある2点が、所定時間(たとえば、0.3秒)内に、タップされることによって、実行される。
【0062】
図2のステップS265aにおいて、領域アイコンを特定した入力がされなかった場合には、観光地図を表示した状態で(ステップS240a参照)、
図2の処理は終了する。
【0063】
ステップS265aにおいて、領域アイコンを特定した入力が行われた場合には、指定された領域アイコンの情報が、携帯電話200から地図サーバ150に送信される(
図2の「S2a」参照)。
【0064】
ステップS265aを経てステップS110aの処理が行われる場合には、地図サーバ150の制御部154は、携帯電話200から受信した領域アイコンの情報に基づいて、その領域アイコンに対応づけられてアイコン・データベース157に格納されている地物アイコンの地物の位置を地図上ですべて表示でき、かつ、それまでよりも縮尺が大きくなるように、地図の中心地点および縮尺を決定する。
【0065】
具体的には、領域アイコンに対応づけられた地物アイコンの各地物の地点をすべて含み、縮尺が最小となる矩形形状の領域が、表示すべき地図の領域として決定される。なお、その矩形形状の縦横比は、携帯電話200の表示パネル202の画面サイズの縦横比に対応している。そのように決定された矩形形状の領域の中心が地図の中心地点であり、その矩形形状の領域を携帯電話200の表示パネル202の画面サイズ表示できる縮尺が、地図の縮尺である。このように地図の中心地点および縮尺を決定することにより、表示される地図の多くの部分を使用して、地物アイコンが表示される。その結果、重複のために表示されないアイコンを少なくすることができる。
【0066】
制御部154は、地図データベース156を参照して、決定した中心地点と縮尺とを有し、携帯電話200の表示パネル202の画面サイズに対応している地図のデータを、生成する。その後、ステップS130a以下の処理が行われる。その結果、次にステップS240aで生成される地図は、指定された領域アイコンと対応づけられた地物アイコンであって、直前のステップS240aで表示された地図に表示されていない地物アイコンの少なくとも一部を、地図上の対応する各地物の場所に表示する地図であって、直前のステップS240aで表示された地図よりも縮尺が大きい地図である。
【0067】
図5は、ステップS240aにおいて携帯電話200の表示パネル202に表示される観光地図の一例Mp03を示す図である。
図5の地
図Mp03は、
図4の地
図Mp02が表示されている状態において、
図2のステップS265aにおいて領域アイコンRIc01(
図4参照)を特定した入力がされた場合に、
図2のステップS110a〜S140aを経て、ステップS240aにおいて表示される地図である。
図5の観光地
図Mp03は、領域アイコンRIc01に対応づけられてアイコン・データベース157に格納されている地物アイコンの地物の位置をすべて含む範囲を表示する地図である。観光地
図Mp03においては、アイコンIc01,Ic04,Ic05、ならびに名称表記An01,An04,An05が表示されている。
【0068】
地物アイコンIc01,Ic04,Ic05、ならびに名称表記An01,An04,An05は、
図2のステップS130aにおいてアイコン・データベース157を参照して抽出され、観光地図に重畳されるデータによって、表示される。なお、
図2のステップS130aにおいては、地物アイコンIc02,Ic03(
図3参照)も選択される。しかし、地物アイコンIc02,Ic03は、
図5の観光地図において表示すると、地物アイコンIc01と重複する。そして、地物アイコンIc02,Ic03は、地物アイコンIc01よりも優先度が低い。このため、地物アイコンIc02,Ic03は、
図5の観光地図において表示されない(
図2のステップS140a参照)。
【0069】
地物アイコンIc04は、地物としての「滝ノ沢展望台」を表すアイコンである。地物アイコンIc04は、「滝ノ沢展望台」の特徴を表す形状を有している。地物アイコンIc04は、地図上において、地物としての「滝ノ沢展望台」が存在する位置に表示される。地物アイコンIc04は、「滝ノ沢展望台」という名称表記An04とともに、地図上に表示される。
【0070】
地物アイコンIc05は、地物としての「銚子大滝」を表すアイコンである。地物アイコンIc05は、「銚子大滝」の特徴を表す形状を有している。地物アイコンIc05は、地図上において、地物としての「銚子大滝」が存在する位置に表示される。地物アイコンIc05は、「銚子大滝」という名称表記An05とともに、地図上に表示される。
【0071】
「乙女の像」、「滝ノ沢展望台」、「銚子大滝」(
図5参照)、ならびに「八甲田スキー場」、「十和田ビジターセンター」(
図4参照)は、観光エリアとしての十和田湖エリアAr01内に存在する地物である。そして、アイコンIc01〜Ic05は、領域アイコンRIc01に対応づけられてアイコン・データベース157に格納されている。
【0072】
このような処理を行うことにより、大領域を表す地図が表示されている状態において(
図4参照)、領域アイコンで表される観光エリアに興味を持ったユーザは、簡易な入力で、その観光エリアのより詳細な情報を、その観光エリア内の個別の地物アイコンを通じて知ることができる(
図5参照)。
【0073】
なお、本実施形態における携帯電話200と地図サーバ150とから構成される地図表示システムが、[課題を解決するための手段]における「地図表示装置」に相当する。表示パネル202が「出力部」に相当する。入力部206が「入力部」に相当する。主制御部210が「主制御部」に相当する。観光地
図Mp01が「第1の地図」に相当する。十和田湖エリアAr01が「第1の領域」に相当する。地物アイコンIc01,Ic02が「地物アイコン」に相当する。観光地
図Mp02が「第2の地図」に相当する。領域Ar02が「第2の領域」に相当する。領域アイコンRIc01が「領域アイコン」に相当する。名称表記RAn01が「名称表記」に相当する。
【0074】
記憶部155が「記憶部」に相当する。観光地
図Mp03が「第3の地図」に相当する。地物アイコンIc04,Ic05が「第2の地図に表示されていない地物アイコン」に相当する。
【0075】
B.第2実施形態:
第2実施形態は、
図2のステップS265aを経て行われるステップS110aの処理が、第1実施形態とは異なる。第2実施形態の他の点は、第1実施形態と同じである。
【0076】
図6は、
図2のステップS265aを経て行われる処理の結果、表示される観光地図の概要を示す説明図である。
図6は、上段に示す地
図Mp1が表示されている状態から、
図2のステップS265aにおいて、領域アイコンを特定した入力が行われるたびに新たに表示される地
図Mp2,Mp3,Mp41,Mp42を示している。なお、
図6は、アイコンの表示の遷移を示すための概念的な図である。このため、
図6においては、地図上の名称表記の表示は省略する。
【0077】
地
図Mp1は、領域Ar11の範囲を表す地図である。地
図Mp1においては、領域アイコンRIc11,RIc12が表示されている。この状態から領域アイコンRIc11がダブルタップされると、
図2のステップS265aにおいて、指定された領域アイコンRIc11の情報が、携帯電話200から地図サーバ150に送信される(
図2の「S2a」参照)。
【0078】
図2のステップS110aにおいて、地図サーバ150の制御部154は、携帯電話200から受信した領域アイコンの情報に基づいて、以下のように地図の中心地点と縮尺とを決定する。すなわち、その領域アイコンが地
図Mp1に表示されており、自らの優先度がその領域アイコンの優先度よりも低いために、地
図Mp1において表示されていないすべての領域アイコンおよび地物アイコンを特定する。そのような領域アイコンおよび地物アイコンは、前回のステップS140aの処理内容を記憶部155に記録しておくことにより、または現在表示されている観光地図についてステップS140aの処理内容を再現することにより、特定することができる。そして、そのような領域アイコンおよび地物アイコンの地物の位置を地図上ですべて表示でき、かつ、それまでよりも縮尺が大きくなるように、地図の中心地点および縮尺を決定する。
【0079】
具体的には、特定された領域アイコンの地点および地物アイコンの各地物の地点をすべて含み、縮尺が最小となる矩形形状の領域が、表示すべき地図の領域として決定される。なお、その矩形形状の縦横比は、携帯電話200の表示パネル202の画面サイズの縦横比に対応している。そのように決定された矩形形状の領域の中心が地図の中心地点であり、その矩形形状の領域を携帯電話200の表示パネル202の画面サイズ表示できる縮尺が、地図の縮尺である。このように地図の中心地点および縮尺を決定することにより、表示される地図の多くの部分を使用して、地物アイコンおよび領域アイコンが表示される。その結果、重複のために表示されないアイコンを少なくすることができる。
【0080】
制御部154は、地図データベース156を参照して、決定した中心地点と縮尺とを有し、携帯電話200の表示パネル202の画面サイズに対応している地図のデータを、生成する。その後、
図2のステップS130a以下の処理が行われる。その結果、ステップS240aにおいては、地
図Mp2が表示される。
【0081】
地
図Mp2は、領域Ar21の範囲を示す地図である。なお、
図6の例では、地
図Mp2が示す領域Ar21は、地
図Mp1が示す領域Ar11のうちの左下側の1/4の領域である。しかし、
図6は、第2実施形態における地図表示処理の概要を示しているものであり、
図2のステップS265aの前後において表示される二つの観光地図は、そのような関係を有するものに限られない。以下、地
図Mp2〜Mp5の関係についても同様である。
【0082】
地
図Mp2においては、領域アイコンRIc11と、領域アイコンRIc21〜RIc23が表示されている。一方、地
図Mp1においては、領域Ar21を含む領域Ar11の地図が示されているにもかかわらず、領域アイコンRIc21〜RIc23は、表示されていない。これは、以下の理由による。すなわち、領域アイコンRIc21〜RIc23の優先度が、領域アイコンRIc11の優先度よりも低い。そして、地
図Mp1において領域アイコンRIc21〜RIc23を表示すると、領域アイコンRIc11と重複する。このため、地
図Mp1においては、領域アイコンRIc21〜RIc23は、表示されない(
図2のステップS140a参照)。地
図Mp2においては、そのような、地
図Mp1において表示されない領域アイコンRIc21〜RIc23が表示される。
【0083】
同様に、地
図Mp2が表示されている状態において、領域アイコンRIc21がダブルタップされると、地
図Mp3が表示される(
図2のステップS265a〜S240a参照)。地
図Mp3は、領域Ar31の範囲を示す地図である。表示される地図の中心地点と縮尺の決定方法は、上述のとおりである。
【0084】
地
図Mp3においては、領域アイコンRIc21と、領域アイコンRIc31,RIc32が表示されている。一方、地
図Mp2においては、領域Ar31を含む領域Ar21の地図が示されているにもかかわらず、領域アイコンRIc31,RIc32は、表示されていない。これは、領域アイコンRIc21が領域アイコンRIc31,RIc32よりも高い優先度を有しており、地
図Mp2において領域アイコンRIc31,RIc32を表示すると、領域アイコンRIc21と重複するためである。地
図Mp3においては、そのような、地
図Mp2において表示されない領域アイコンRIc31,RIc32が表示される。
【0085】
さらに、地
図Mp3が表示されている状態において、領域アイコンRIc31がダブルタップされると、地
図Mp41が表示される(
図2のステップS265a〜S240a参照)。地
図Mp41は、領域Ar41の範囲を示す地図である。表示される地図の中心地点と縮尺の決定方法は、上述のとおりである。
【0086】
地
図Mp41においては、地物アイコンIc41〜Ic43が表示されている。地物アイコンIc43は、領域アイコンRIc31と同じ形状を有する。すなわち、領域アイコンRIc31が、地物アイコンIc41〜Ic43のうち、もっとも有名な地物に対応している地物アイコンIc43と同じ形状を有しているものである。
【0087】
地
図Mp3においては、領域Ar41を含む領域Ar31の地図が示されているにもかかわらず、地物アイコンIc41〜Ic43は、表示されていない。これは、領域アイコンが地物アイコンよりも高い優先度を有しており、地
図Mp3において地物アイコンIc41〜Ic43を表示すると、領域アイコンRIc31と重複するためである。地
図Mp41においては、そのような、地
図Mp3において表示されない地物アイコンIc41〜Ic43が表示される。
【0088】
一方、地
図Mp3が表示されている状態において、領域アイコンRIc21がダブルタップされると、地
図Mp42が表示される(
図2のステップS265a〜S240a参照)。地
図Mp42は、領域Ar42の範囲を示す地図である。表示される地図の中心地点と縮尺の決定方法は、上述のとおりである。
【0089】
地
図Mp42においては、地物アイコンIc44〜Ic46が表示されている。地物アイコンIc46は、領域アイコンRIc21と同じ形状を有する。すなわち、領域アイコンRIc21が、地物アイコンIc44〜Ic46のうち、もっとも有名な地物に対応している地物アイコンIc46と同じ形状を有しているものである。
【0090】
地
図Mp3においては、領域Ar42を含む領域Ar31の地図が示されているにもかかわらず、地物アイコンIc44〜Ic46は、表示されていない。これは、領域アイコンが地物アイコンよりも高い優先度を有しており、地
図Mp3において地物アイコンIc44〜Ic46を表示すると、領域アイコンRIc21と重複するためである。地
図Mp42においては、そのような、地
図Mp3において表示されない地物アイコンIc44〜Ic46が表示される。
【0091】
このように、指定された領域アイコンによって表示されないこととなっているアイコンが、より縮尺の大きい地図において表示されるように、新たに表示する地図の範囲を決定することもできる(地
図Mp3と、地
図Mp41の地物アイコンIc41,Ic42参照)。このような処理を行うことにより、大領域を表す地図が表示されている状態において(地
図Mp1参照)、領域アイコンで表される観光エリアに興味を持ったユーザは、簡易な入力で、その観光エリア内の表示されていないアイコンを表示させることにより、その観光エリアのより詳細な情報を知ることができる(Mp2〜Mp41,42参照)。
【0092】
本実施形態における地物アイコンIc41〜Ic46が、[課題を解決するための手段]における「地物アイコン」に相当する。領域アイコンRIc21,RIc31が「領域アイコン」に相当する。地
図Mp3が「第2の地図」に相当する。領域Ar31が「第2の領域」に相当する。地
図Mp41,Mp42が「第3の地図」に相当する。領域Ar41,Ar42が「第3の領域」に相当する。
【0093】
C.第3実施形態:
図7は、東京都江東区青海の近辺の地図を最小の縮尺から4段階小さい縮尺までで表示した場合に表示される地物アイコンおよび領域アイコンを表で示したものである。
図7においては、具体的なアイコンの表示は省略する。そして、地図上で表示される地物アイコンを、対応する名称表記で示す(例.シンボルプロムナード公園、潮風公園)。
【0094】
また、
図7においては、地図上で表示される領域アイコンを、その領域アイコンと同一の形状を有する地物アイコンが対応する名称表記で示す。そして、領域アイコンについては、その領域アイコンが表す領域の名称表記を、括弧つきで示す。たとえば、
図7において、「第1」の行に示されている「シンボルプロムナード公園(青海エリア)」という表記は、(i)「青海エリア」を表す領域アイコンが、「シンボルプロムナード公園」の地物アイコン(「最大」の欄参照)と同形状のアイコンであり、(ii)その領域アイコンが、「第1」の縮尺の地図において表示されることを意味する。
【0095】
図7に示すように、青海近辺の地図をもっとも大きい縮尺で表示した場合(拡大して表示した場合)に、たとえば、シンボルプロムナード公園の地物アイコンが表示されたとする。
【0096】
その後、縮尺を小さくしてより広い領域の地図を表示させると(
図2のステップS255a参照)、次の段階で表示される地図においては、
図7の「第1」の欄に示すように、シンボルプロムナード公園の地物アイコンと同じ形状の領域アイコンが、「青海エリア」を表す領域アイコンとして表示される。そして、お台場海浜公園の地物アイコンと同じ形状の領域アイコンが、「海浜公園エリア」を表す領域アイコンとして表示される。さらに、潮風公園の地物アイコンが表示される。
【0097】
さらに縮尺を小さくしてより広い領域の地図を表示させると(
図2のステップS255a参照)、次の段階で表示される地図においては、
図7の「第2」の欄に示すように、シンボルプロムナード公園の地物アイコンと同じ形状の領域アイコンが、「青海・テレコムセンターエリア」を表す領域アイコンとして表示される。なお、「青海エリア」は、「青海・テレコムセンターエリア」に含まれる。また、潮風公園の地物アイコンと同じ形状の領域アイコンが、「お台場エリア」を表す領域アイコンとして表示される。なお、潮風公園は、「お台場エリア」内にある。
【0098】
さらに縮尺を小さくしてより広い領域の地図を表示させると(
図2のステップS255a参照)、次の段階で表示される地図においては、
図7の「第3」の欄に示すように、東京ビッグサイトの地物アイコンと同じ形状の領域アイコンが、「有明エリア」を表す領域アイコンとして表示される。なお、「有明エリア」を表す領域アイコンの優先度は、「青海・テレコムセンターエリア」を表す領域アイコンの優先度よりも高い。また、潮風公園の地物アイコンと同じ形状の領域アイコンが、「お台場エリア」を表す領域アイコンとして表示される。
【0099】
さらに縮尺を小さくしてより広い領域の地図を表示させると(
図2のステップS255a参照)、次の段階で表示される地図においては、
図7の「第4」の欄に示すように、東京ビッグサイトの地物アイコンと同じ形状の領域アイコンが、「有明・お台場エリア」を表す領域アイコンとして表示される。なお、「有明エリア」は、「有明・お台場エリア」に含まれる。日本橋の地物アイコンと同じ形状の領域アイコンが、「銀座・日本橋エリア」を表す領域アイコンとして表示される。東京タワーの地物アイコンと同じ形状の領域アイコンが、「赤坂・六本木エリア」を表す領域アイコンとして表示される。ハチ公の地物アイコンと同じ形状の領域アイコンが、「澁谷・原宿・表参道エリア」を表す領域アイコンとして表示される。東京スカイツリーの地物アイコンと同じ形状の領域アイコンが、「浅草・両国エリア」を表す領域アイコンとして表示される。
【0100】
このような処理が行われることにより、大領域を表す地図においては、ある観光エリアに含まれる複数の地物のうち有名な地物の特徴を表すアイコンが、その観光エリアのアイコンとして、名称表記とともに表示される(
図7の第1〜第4欄参照)。その結果、大領域を表す地図においても、ユーザは、有名な地物の特徴を表す領域アイコンに基づいて、その観光エリアのイメージと場所とを、直感的に把握することができる。
【0101】
本実施形態におけるシンボルプロムナード公園、潮風公園の地物アイコンが「地物アイコン」に相当する。青海エリアの領域アイコンが「領域アイコン」に相当する。最小縮尺の地図(
図7の最上段参照)が「第1の地図」に相当する。第1の縮尺の地図(
図7の2段目参照)が「第2の地図」に相当する。
【0102】
D.変形例:
D1.変形例1:
上記実施形態においては、各領域アイコンは、領域と対応づけられており、さらに、少なくとも一部の領域アイコンは、他の領域アイコンと対応づけられている。しかし、領域アイコンは、上下関係とともに他の領域アイコンと対応づけられることもできる。そのような態様においては、各領域アイコンは、ポリゴンで表される領域と対応づけられてなくてもよい。また、各領域アイコンは、領域と対応づけられており、他の領域アイコンと対応づけられていない態様とすることもできる。そのような態様においても、領域アイコン同士の上下関係や領域アイコンの領域同士の関係に基づいて、領域アイコンを特定した入力に応じて、他の領域アイコンや地物アイコンを表示することができる(
図4〜
図6参照)。
【0103】
D2.変形例2:
上記第1実施形態においては、領域アイコンは、大きさも色彩も、対応づけられた地物アイコンのうちの一つの地物アイコンと同じである。しかし、領域アイコンは、対応づけられた地物アイコンの一つと相似の形状を有し、地物アイコンよりも地図全体に対する寸法が大きいことが好ましい。また、領域アイコンは、対応づけられた地物アイコンの一つと相似の形状を有し、さらに、領域アイコンが備え地物アイコンが備えない識別用の表示(たとえば、強調表示や影など)を備える態様とすることもできる。
【0104】
D3.変形例3:
上記実施形態においては、アイコン同士が地図上で重複する場合には、優先度の低いアイコンが地図上で表示されない(
図2のステップS140a参照)。しかし、優先度に基づくアイコンの選択は他の態様で行うこともできる。すなわち、アイコン自身の表示範囲を含み、それよりも大きい固有範囲を各アイコンと対応づけて記憶部に保持させ、各アイコンを地図上に配置した場合に固有範囲が重複するときには、優先度の低いアイコンを、地図上で表示しない態様とすることもできる。このような態様とすれば、地図上において、適切に間隔を開けて、アイコンを表示することができる。
【0105】
D4.変形例4:
上記第1実施形態においては、領域アイコンとその領域アイコンに対応づけられた地物アイコンは、重複しない限り、同時に表示されうる。しかし、個別の地物アイコンが表示されていた地図よりも縮尺が小さい地図を表示する場合には、それらの地物アイコンは表示せず、それらの地物アイコンに対応づけられた領域アイコンを表示する態様とすることもできる。
【0106】
なお、領域アイコンは、その領域アイコンに対応づけられた領域のすべてが地図の表示範囲に含まれる場合に、表示されることとすることができる。また、領域アイコンは、地図上に表示された場合に、その領域アイコンに対応づけられた領域の左右の幅の所定の基準割合以上が地図の表示範囲に含まれる場合、またはその領域アイコンに対応づけられた領域の上下の幅の所定の基準割合以上が地図の表示範囲に含まれる場合に、表示されることとすることができる。基準割合は、たとえば、1/2とすることができ、1/3とすることができ、1/4とすることができる。
【0107】
D5.変形例5:
上記実施形態では、領域アイコンの指定はタッチパネルにおけるダブルタップによって行われる。しかし、領域アイコンの指定は他の方法で行われてもよい。たとえば、領域アイコンの指定は、表示されている領域アイコンを1回、タップする(タッチする)ことにより行われることとしてもよいし、表示されている領域アイコンをタップよりも長い時間押圧する「長押し」により行われることとしてもよい。また、地図表示の縮尺を切り換えることを指示する特定のボタンを押した後、領域アイコンをタップすることによって指定してもよい。さらに、領域アイコンの指定は、カーソルを合わせて所定のボタンを押すことによってなされてもよい。ボタンは、ハードウェアとして実現されてもよく、ソフトウェアによってディスプレイ上に表示されてもよい。地物アイコンを指定する場合も、同様である。
【0108】
D6.変形例6:
上記実施形態においては、領域アイコンがダブルタップされた際には、その領域アイコンに関連する表示すべき地物アイコンの各地物の地点や、領域アイコンの地点をすべて含み、縮尺が最小となる矩形形状の領域が地図の領域として決定される。しかし、領域アイコンが指定された際に表示する地図の表示範囲を決定する際には、他の方法で表示範囲を決定することもできる。
【0109】
たとえば、地図上で領域アイコンが指定された際に表示すべき地図の縮尺の候補をあらかじめ離散的に定めておく(たとえば、1/5000、1/10000、1/250000、1/50000など)。そして、地図上で領域アイコンが指定された場合には、それらあらかじめ定められた縮尺のうち、携帯電話200の表示パネル202に表示した場合に、表示すべき地物アイコンの各地物の地点や領域アイコンの地点をすべて含み、最小となる縮尺を、表示される地図の縮尺として、選択する態様とすることができる。また、地図上で領域アイコンが指定された場合には、それらあらかじめ定められた縮尺のうち、そのとき表示されている地図に対して、1段階以上大きい縮尺(たとえば、一段階上、または二段階上)の地図を表示することとしてもよい。たとえば、1/5000以上1/10000未満の縮尺で表示されている地図上で、領域アイコンが指定された場合には、1段階上の縮尺である1/25000の縮尺の地図を表示する。その際、地図の中心地点は、それまでに表示されていた地図の中心地点でもよいし、指定された領域アイコンが表示されている地点でもよい。
【0110】
また、領域アイコンが指定された際に表示する地図の表示範囲は、以下のように決定することもできる。すなわち、表示すべき地物アイコンの各地物の地点や領域アイコンの地点を地図の領域内にすべて含む縮尺であって、表示すべき複数の地物アイコンのうち二つの地物アイコンが、地図の向かい合う二辺の近傍であって所定の基準に従って決定される範囲内に位置するように、表示範囲を決定する。地図の向かい合う二辺の「近傍」を定める範囲は、その向かい合う二辺の間隔に対する割合で決定することができる。たとえば、地図の向かい合う二辺の「近傍」を定める範囲は、向かい合う二辺の間隔の1/6の範囲でもよく、向かい合う二辺の間隔の1/8の範囲でもよく、向かい合う二辺の間隔の1/10の範囲でもよい。
【0111】
D7.変形例7:
上記第1実施形態においては、領域アイコンがダブルタップされた際には、その領域アイコンに対応づけられてアイコン・データベース157に格納されている地物アイコンの地物の位置を地図上ですべて表示できるように、新たに表示する地図の中心地点および縮尺が決定される。しかし、領域アイコンを特定した指示が入力された場合に新たに表示する地図の中心地点および縮尺は、他の方法で決定することもできる。たとえば、その領域アイコンに対応づけられている領域を地図上ですべて表示でき、それまでに表示されていた地図よりも縮尺が大きくなるように、地図の中心地点および縮尺を決定することができる。このような処理を行うことにより、広域の地図が表示されている状態において、ユーザが、領域アイコンで表される領域に興味を持った場合に、ユーザは容易にその領域全体を、新たに表示される地図を通じて知ることができる。
【0112】
なお、上記態様において、特定された領域アイコンの領域の端が地図の辺の近傍となるように、地図の中心地点および縮尺を決めてもよい。「近傍」の定め方は、上記変形例のとおりとすることができる。
【0113】
D8.変形例8:
上記実施形態においては、観光地図を例に本発明を説明している。しかし、本発明は他の態様で実現することもできる。たとえば、地図上において、なんらかの組織の会員名簿における会員の自宅や職場に、各会員の特徴を表すアイコン(たとえば、顔写真や顔のイラストなど)を表示し、会員が所属する地域支部を表す領域アイコンをより小縮尺の地図において、表示する態様に適用することもできる。地域支部を表す領域アイコンは、各地域支部が管轄する地区に対応づけて、記憶部に保持することができる。地域支部を表す領域アイコンは、各地域支部に所属する各会員のアイコンと対応づけて、記憶部に保持することができる。
【0114】
D9.変形例9:
地図サーバ150の地図データベース156内に格納されている画像データとしての地図画像データは、ラスタデータとして保持されていてもよいし、ベクトルデータとして保持されていてもよい。ユーザが携帯する端末装置としての携帯電話200に送信される地図画像データも、ラスタデータであってもよいし、ベクトルデータであってもよい。さらに、地図データベース156内の地図画像データと、端末装置に送信される地図画像データは、いずれか一方をベクトルデータとし、他方をラスタデータとすることもできる。
【0115】
D10.変形例10:
上記実施例においては、地図表示システムは、その構成要素として、地図サーバ150と、携帯電話200と、を含む。しかし、ユーザが携帯し、ディスプレイを備える携帯端末に、地図サーバ150の機能を備える態様とすることもできる。なお、携帯端末は、電話機能を備えない機器としての、PDA(Personal Data Assistant)やノート型のコンピュータなどとすることもできる。すなわち、携帯端末は、ユーザが携帯でき、データに基づいてユーザに対して所定の出力を行うことができる装置であればよい。
【0116】
すなわち、地図表示装置としての地図表示システムは、その各構成要素が一つの筐体内に収納されている一つの装置であってもよい。また、地図表示装置は、その構成要素が、互いにデータ通信回線で結ばれている2以上の装置として構成されるものとすることもできる。地図を拡大、縮小またはスクロールする機能、領域アイコンを特定した入力に応じて地図を表示する機能などの各機能については、各装置に1以上の任意の機能を割り当てることができる。そして、各機能は、それぞれ一つの装置で実現されてもよく、2以上の装置が協働して実現してもよい。なお、2以上の構成要素が通信回線で結ばれている態様においては、ユーザに対して情報を出力する出力部は、ユーザに携帯されるものであることが好ましい。
【0117】
D11.変形例11:
上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、アプリケーションソフトウェアの機能の一部を制御回路が実行するようにすることもできる。
【0118】
このような機能を実現するコンピュータプログラムは、磁気ディスクやCD−ROM等の、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で提供される。ホストコンピュータは、その記録媒体からコンピュータプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送する。あるいは、通信経路を介してプログラム供給装置からホストコンピュータにコンピュータプログラムを供給するようにしてもよい。コンピュータプログラムの機能を実現する時には、内部記憶装置に格納されたコンピュータプログラムがホストコンピュータのマイクロプロセッサによって実行される。また、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムをホストコンピュータが直接実行するようにしてもよい。
【0119】
この明細書において、ホストコンピュータとは、ハードウェア装置とオペレーションシステムとを含む概念であり、オペレーションシステムの制御の下で動作するハードウェア装置を意味している。コンピュータプログラムは、このようなホストコンピュータに、上述の各部の機能を実現させる。なお、上述の機能の一部は、アプリケーションプログラムでなく、オペレーションシステムによって実現されていても良い。
【0120】
なお、この発明において、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピュータに固定されている外部記憶装置も含んでいる。
【0121】
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。