(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、2次元バーコード等の2次元画像として示された識別コードを読み取る場合、1次元バーコードと比べて情報量が多く、撮像時間及びデコード時間が長くなる。従って、デコード要求の入力からデコード結果の出力までの読取時間(応答時間)が長くなるという問題がある。
【0006】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、デコード要求に係る入力部を、撮像開始入力を受け付ける撮像開始入力部と、デコード要求の入力を受け付けるデコード要求入力部との二つの異なる外部入力インタフェースで構成し、撮像開始入力部が撮像開始入力を受け付けた場合に連続して撮像データの生成を開始し、更にデコード要求の入力を受け付けたときに、直前又は直後の撮像データに基づいて識別コードをデコードする。これにより、読取時間を短縮することが可能な読取装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本願記載の読取装置は、撮像により生成された撮像データから、2次元画像として示された識別コードを読み取ってデコードする読取装置であって、撮像により撮像データを生成する撮像部と、前記撮像部に、連続撮像により一定の間隔で連続
した撮像データの生成
の開始及び終了をさせる入力を受け付ける、第1の外部入力インタフェースとなる
撮像入力部と、前記撮像部が生成した撮像データを記録可能な記録部と、前記記録部に記録された撮像データから識別コードを読み取ってデコードを開始させるデコード要求の入力を受け付ける、第1と異なる第2の外部入力インタフェースとなるデコード要求入力部とを備え、前記
撮像入力部から撮像データの生成を開始する入力を受け付けた場合に、前記撮像部に、連続して撮像データを生成させる手段と、前記撮像部の撮像により生成された撮像データを前記記録部に記録する手段と、連続撮像中に、前記デコード要求入力部からデコード要求の入力を受け付けたときに、デコード要求の入力の受付の直前に前記記録部に記録された撮像データ又はデコード要求の入力の受付の直後に前記記録部に記録される撮像データを読み取る撮像データ読取手段と、読み取った撮像データから2次元画像として示された識別コードを読み取る手段と、読み取った識別コードをデコードする手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、本願記載の読取装置において、前記撮像データ読取手段が読み取る撮像データが、デコード要求の入力の受付の直前に記録された撮像データか、デコード要求の入力の受付の直後に記録される撮像データかを選択する設定を受け付ける手段を更に備え、前記撮像データ読取手段は、受け付けた設定に基づいて選択した撮像データを読み取ることを特徴とする。
【0009】
本願記載の読取装置は、連続撮像により撮像データを都度記録し、デコード要求の入力を受け付けたタイミングでデコードを行うので、デコード要求の入力を受け付けてからデコードするまでの時間を短縮することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、読取装置は、撮像開始入力を受け付ける撮像開始入力部と、デコード要求の入力を受け付けるデコード要求入力部との、二つの異なる外部入力インタフェースを備えている。読取装置は、撮像開始入力部から撮像開始入力を受け付けた場合に、連続して撮像データを生成する。そして、デコード要求の入力を受け付けたときに、デコード要求の入力の受付の直前の撮像データ又はデコード要求の入力の受付の直後の撮像データに基づいて、識別コードをデコードする。これにより、デコード要求の入力を受け付けてから撮像を開始する装置と比べ、デコード要求の入力を受け付けてからデコードをするまでの時間を短縮することが可能である等、優れた効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具現化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0013】
<ハードウェア構成>
図1A及び
図1Bは、本発明に係る読取装置の外観の一例を示す概略斜視図である。
図1Aは、前方右上からの視点で示す概略斜視図であり、
図1Bは、後方左上からの視点で示す概略斜視図である。本発明に係る読取装置1は、例えば、識別コードを読み取るバーコードリーダを用いて構成される。バーコードリーダ等の読取装置1が読み取る識別コードは、1次元バーコード、2次元バーコード等の識別コードであり、2次元バーコードとしては、例えば、クイックレスポンス(QR)コードが用いられる。
【0014】
読取装置1は、直方体状をなし、前面には、識別コードが示された撮像対象を撮像する撮像部11が配設されている。撮像部11は、CCD(Charge Coupled Device )、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor :相補型金属酸化膜半導体)等の撮像素子11a(
図3参照)、撮像対象に対して光を照射するLED(Light Emitting Diode)等の発光素子11b(
図3参照)、その他の様々な構成を備えている。
【0015】
読取装置1の背面には、第1接続部12、第1表示部13、第2表示部14、第1操作部15、第2操作部16等の各種機構が配設されている。第1接続部12は、メンテナンス用機器等の外部の機器と通信可能に接続するUSB(Universal Serial Bus)デバイスポート等の通信ポートである。第1表示部13及び第2表示部14は、LED等の複数の発光素子を用いて構成され、配設した発光素子の点灯状況に基づいて各種情報を表示するユーザインタフェースである。第1操作部15及び第2操作部16は、押しボタンを用いて構成され、使用者の操作を受け付けるユーザインタフェースである。即ち、第1操作部15及び第2操作部16は、第1の外部入力インタフェース及び第2の外部入力インタフェースとして扱うことが可能である。
【0016】
読取装置1の左側面には、第2接続部17が配設されている。第2接続部17は、ホスト機器等の外部の機器と通信可能に接続するRS−232等の通信規約に基づく通信ポート、並びにホスト機器等の接続された外部機器から各種信号の入力を受け付ける入力端子及び外部機器へ各種信号を出力する出力端子を含む多機能I/Oポート等の各種入出力インターフェースを有している。
【0017】
図2は、本発明に係る読取装置1の外観の一例を示す概略背面図である。背面には、第1表示部13である4個の発光素子が2行2列に並べて配設されている。そして、例えば、位置に関する情報を表示するユーザインタフェースとして用いられる。
【0018】
また、読取装置1の背面には、第1表示部13の上方に第2表示部14である3個の発光素子が、水平方向に直列に並べて配置されている。これら第2表示部14の3個の発光素子は、例えば、動作状態を表示するユーザインタフェースとして用いられる。具体的には、左端の発光素子は、識別コードの読取が失敗だった場合に点灯する「NG」を示し、中央の発光素子は、読取中「BUSY」を示し、そして、右端の発光素子は、読取成功「OK」を示す。なお、右端の発光素子の右側には、電源が供給されている場合に点灯する電源表示部が配設されている。
【0019】
第1操作部15は、撮像部11に撮像データを生成させる撮像開始入力を行うための撮像開始入力部として機能する。即ち、使用者が、第1操作部15を押下する操作を行うことにより、読取装置1は、一定の間隔で連続して撮像データを生成する撮像を開始する。なお、撮像により生成された撮像データは記録される。
【0020】
第2操作部16は、識別コードのデコードを開始させるデコード要求の入力を行うためのデコード要求入力部として機能する。即ち、使用者が、第2操作部16を押下する操作を行うことにより、読取装置1は、識別コードのデコードを開始する。
【0021】
図3は、本発明に係る読取装置1の内部構成の一例を示すブロック図である。読取装置1は、装置全体を制御するMPU(Micro Processing Unit )等の制御部10を備えている。制御部10は、前述した撮像部11、第1接続部12、第2接続部17、第1表示部13、第2表示部14、第1操作部15及び第2操作部16等の各部と各種信号及び情報をやりとりし、各種制御を行う。また、制御部10は、制御において一時的に発生するデータ、例えば、撮像により生成された撮像データを記録するレジスタ等の内部メモリ10aを備え、更に、ROM(Read Only Memory)100、RAM(Random Access Memory)101等の記録部と情報のやりとりを行う。
【0022】
ROM100は、不揮発性のメモリであり、制御部10が制御に用いるプログラム及びデータ等の各種情報が記録される。なお、ROM100としては、読取専用の記録素子に限らず、フラッシュメモリを用いたEEPROM等の読み書き可能な記録素子を用いても良い。
【0023】
RAM101は、揮発性のメモリであり、制御部10が制御を行う際に一時的に発生するデータ、例えば、撮像により生成された撮像データ等の各種情報が記録される。
【0024】
なお、各種データの記録先として、内部メモリ10a、ROM100及びRAM101のいずれを選択するかについては、適宜、設定することが可能である。
【0025】
以上のように構成された読取装置1は、撮像部11が撮像した画像に基づいて識別コードの読み取りを実行する。
図4は、本発明に係る読取装置1が撮像した撮像範囲内の画像の一例を概念的に示す説明図である。撮像範囲は、初期設定において、1280dot×960dotに設定されており、この撮像範囲内の画像から2次元バーコード等の識別コードを読み取ることができる。
【0026】
<ソフトウェア処理>
次に、本発明に係る読取装置1の各種処理について説明する。
図5は、本発明に係る読取装置1の設定処理の一例を示すフローチャートである。設定処理とは、デコードの対象となる撮像データが、デコード要求の入力の受付の直前に撮像(記録)された撮像データか、デコードの入力の受付の直後に撮像(記録)された撮像データかを選択する設定を行う処理である。使用者は、外部入力インタフェースである第1操作部15或いは第2操作部16を操作して、又は第1接続部12或いは第2接続部17を介して他の装置から設定を入力することにより、読取装置1は設定の入力を受け付ける。
【0027】
設定の入力を受け付けた読取装置1は、ROM100に記録している各種プログラムを実行する制御部10の制御により、設定処理を実行する。即ち、制御部10は、設定の入力を受け付け(S101)、受け付けた入力内容を設定する(S102)。入力内容の設定は、例えば、ROM100、RAM101等の記録部に設定を示す設定情報を記録することにより実行される。
【0028】
このようにして、設定処理が実行される。
【0029】
図6は、本発明に係る撮像処理の一例を示すフローチャートである。使用者が、撮像開始入力部として第1操作部15を押下する操作をすることにより、読取装置1は、撮像開始入力部から撮像開始入力に基づく命令を受け付けて、撮像処理を開始する。
【0030】
読取装置1は、ROM100に記録している各種プログラムを実行する制御部10の制御により、撮像処理を実行する。即ち、制御部10は、第1の外部入力インタフェースとして機能する撮像開始入力部(第1操作部15)から撮像開始入力を受け付け(S201)、撮像部11に連続して撮像を行う連続撮像を開始させる(S202)。ステップS201において、制御部10は、撮像開始命令として撮像開始入力部からの信号を受け付ける。ステップS202は、制御部10から撮像部11に撮像開始命令を出力する処理である。撮像開始命令を受け付けた撮像部11は、一定の間隔で連続して撮像データの生成及び撮像データの記録を繰り返し実行する連続撮像を開始する。
【0031】
ステップS202にて開始される連続撮像において、内部メモリ10a、RAM101、その他例えば撮像部11が備えているメモリ等の記録素子の記録領域の一部又は全部が、撮像データを記録する記録部として用いられる。記録部には、撮像毎に生成されるフレーム単位の画像データとして撮像データを記録可能な記録領域が確保されており、撮像データは画像データとして記録部に記録される。
【0032】
制御部10の制御により撮像部11は、撮像により撮像データを生成する(S203)。ステップS203は、発光素子11bにて撮像対象に対して光を照射し、撮像素子11aにて受光した光を電気信号に変換する撮像を行い、撮像により得られた電気信号に基づき撮像データを生成する処理が実行される。
【0033】
制御部10は、撮像部11の撮像により生成した撮像データを記録部に記録する(S204)。ステップS204の記録部への撮像データの記録は、先入れ先出し方式(FIFO;First In, First Out )、リングバッファ方式等の方式にて実行される。即ち、記録部に記録されている撮像データが、直近に撮像された所定数フレーム分の撮像データとなるように、撮像データを更新しながら記録部への記録が実行される。
【0034】
そして、制御部10は、ステップS202へ戻り、以降の処理を繰り返す。即ち、制御部10は、撮像部11に、一定の間隔で連続して撮像データを生成させる処理を実行させる。そして、制御部10は、連続して生成される撮像データを、常に直近の複数フレーム分の撮像データが記録された状態を維持するように記録部に記録する。そして、第1操作部15の更なる押下等の入力を受け付けた場合、受け付けた入力を撮像停止命令として割込処理を実施し、撮像処理を終了する。
【0035】
このようにして撮像処理が実行される。
【0036】
図7は、本発明に係る読取装置1の第1デコード処理の一例を示すフローチャートである。連続撮像中に、使用者がデコード要求入力部として第2操作部16を押下する操作をすることにより、読取装置1は、デコード要求入力部からデコード要求の入力に基づく命令を受け付けて、デコード処理を開始する。なお、第1デコード処理は、デコードの対象となる撮像データが、デコード要求の入力の受付の直前に記録された撮像データであると設定されている場合に実行されるデコード処理である。
【0037】
読取装置1は、ROM100に記録している各種プログラムを実行する制御部10の制御により、第1デコード処理を実行する。即ち、制御部10は、第2の外部入力インタフェースとして機能するデコード要求入力部(第2操作部16)からデコード要求の入力を受け付け(S301)、記録部に記録されている撮像データのうちで、直前に記録された撮像データを読み取る(S302)。ステップS302では、直近で記録部に記録された最新の撮像データが読み取られる。ステップS302にて読み取られる撮像データは、画像データである。
【0038】
撮像データを読み取った制御部10は、撮像データから識別コードを読み取り(S303)、読み取った識別コードをデコードする(S304)。ステップS303は、画像データである撮像データのうちから識別コードを特定して切り出す処理である。ステップS304は、読み取った識別コードに対して、二値化処理、各種フィルタリング処理等の処理を実行し、所定のアルゴリズムにて符号列に変換する処理である。
【0039】
そして、制御部10は、識別コードをデコードした結果を出力し(S305)、デコード処理を終了する。ステップS305のデコード結果の出力は、例えば、第2接続部17、出力端子19等の通信インタフェースを経た他の装置への送信として実行される。
【0040】
図8は、本発明に係る読取装置1の信号処理の一例を示す概念図である。
図8は、撮像処理及び第1デコード処理が実行される場合の信号処理の例を概念的に示している。読取装置1は、撮像開始命令として撮像開始入力部からの信号Sc を受け付けると、連続して撮像データの生成及び記録を開始する。
図8では、撮像データの生成及び記録に要した期間をTs1、Ts2、Ts3、…として示している。
図8に示すように、撮像データの生成及び記録は、一定の間隔で連続して実行される。
【0041】
読取装置1は、連続撮像中に、デコード要求入力部からデコード要求Ds1の入力を受け付けると、直前に記録された撮像データを読み取ってデコードし、デコード結果R1 を出力する。
図8において、デコード要求Ds1の入力に対して直前に記録された撮像データとは、期間Ts1の間に生成及び記録された撮像データであり、デコードには
図8中Td1として示す時間を要する。即ち、デコード要求Ds1の入力からデコード時間Td1が経過後、デコード結果R1 が出力される。同様にして、デコード要求Ds2の入力に対し、期間Ts4の間に生成及び記録された撮像データのデコード結果R2 が、入力からデコード時間Td2の経過後、出力される。また、デコード要求Ds3の入力に対し、期間Ts8の間に生成及び記録された撮像データのデコード結果R3 が、入力からデコード時間Td3の経過後、出力される。
【0042】
第1デコード処理は、デコード要求の入力後、速やかに撮像データを出力したい場合に有効な処理であり、デコード要求の入力後、一定の時間が経過した後に撮像データが出力される。このようにして、第1デコード処理が実行される。
【0043】
図9は、本発明に係る読取装置1の第2デコード処理の一例を示すフローチャートである。第2デコード処理は、デコードの対象となる撮像データが、デコード要求の入力の受付の直後に記録される撮像データであると設定されている場合に実行されるデコード処理である。
【0044】
読取装置1は、ROM100に記録している各種プログラムを実行する制御部10の制御により、第2デコード処理を実行する。即ち、制御部10は、第2の外部入力インタフェースとして機能するデコード要求入力部(第2操作部16)からデコード要求の入力を受け付け(S401)、デコード要求を受け付けた直後に記録部に記録された撮像データを記録部から読み取る(S402)。ステップS402では、デコード要求直後に記録部に記録される最新の撮像データが読み取られる。
【0045】
撮像データを読み取った制御部10は、撮像データから識別コードを読み取り(S403)、読み取った識別コードをデコードし(S404)、デコードした結果を出力して(S405)、デコード処理を終了する。
【0046】
図10は、本発明に係る読取装置1の信号処理の一例を示す概念図である。
図10は、撮像処理及び第2デコード処理が実行される場合の信号処理の例を概念的に示している。読取装置1は、撮像開始命令として撮像開始入力部からの信号Sc を受け付けると、連続して撮像データの生成及び記録を開始する。
【0047】
読取装置1は、連続撮像中に、デコード要求入力部からデコード要求Ds1の入力を受け付けると、直後に記録される撮像データを読み取ってデコードし、デコード結果R1 を出力する。
図10において、デコード要求Ds1の入力に対して直後に記録される撮像データとは、期間Ts2の間に生成及び記録された撮像データであり、デコードには
図10中Td1として示す時間を要する。即ち、デコード要求Ds1の入力から待ち時間Tw1後に、デコード時間Td1が経過後、デコード結果R1 が出力される。同様にして、デコード要求Ds2の入力に対し、期間Ts5の間に生成及び記録された撮像データのデコード結果R2 が、入力から待ち時間Tw2、更にデコード時間Td2の経過後、出力される。また、デコード要求Ds3の入力に対し、期間Ts8の間に生成及び記録された撮像データのデコード結果R3 が、入力からデコード時間Td3の経過後、出力される。即ち、デコード要求の入力と撮像データの記録とが同時であった場合、実質的に待ち時間は無しとなる。
【0048】
第2デコード処理は、デコード要求を入力した時点での撮像データを出力したい場合に有効な処理であり、デコード要求をした時点で撮像処理が行われている撮像データが出力される。このようにして、第2デコード処理が実行される。
【0049】
以上詳述したように、読取装置1は、連続撮像により撮像データを連続的に記録し、デコード要求の入力を受け付けたタイミングでデコードを行い、デコード結果を出力する。従って、デコード要求の入力を受け付けてから撮像を開始する装置と比べ、デコード要求の入力を受け付けてからデコードを行い、デコード結果を出力するまでの時間を短縮することが可能である等、優れた効果を奏する
【0050】
従って、デコード要求から短時間でデコード結果の出力が必要となるシステム、例えば、無人搬送車(AGV:Automatic Guided Vehicle)、天井走行式無人搬送車(OHT:Overhead Hoist Transfer )等の作業用の無人走行システムにおいて、搬送車の位置決め、モータの位置決め等の作業に使用することで、安全性の向上等の目的を達成することが可能である。また、撮像対象となるワークと読取装置1の撮像部11との相対速度が速いシステム、例えば、複数のサンプルを円周上に配置した円形状のサンプル台を高速で回転させてサンプルに貼付されている識別コードを読み取るシステム、直線状に配置された複数のワークを撮像部11が高速移動しながら撮像するシステム等のシステムに有効である。
【0051】
本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、他のいろいろな形態で実施することが可能である。そのため、上述した実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。更に、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【0052】
例えば、前記実施形態では、撮像開始入力部からの撮像開始入力として、第1の外部入力インタフェースである第1操作部15を押下し、デコード要求入力部からのデコード要求入力として、第2の外部入力インタフェースである第2操作部16を押下する形態を示したが、本発明はこれに限るものではなく様々な形態に展開することが可能である。
【0053】
例えば、第1接続部12、第2接続部17等の第1の外部入力インタフェースに接続された他の装置からの信号の入力を、撮像開始入力及びデコード要求入力とする等、様々な形態に展開することが可能である。具体的には、マスタ装置となるホスト機器等の外部機器を第2接続部17に接続し、読取装置1をスレイブ装置として用いるシステムにおいて、第2接続部17に含まれる多機能I/Oポートの6チャネルのうちチャネル1〜2を入力端子に割り当て、チャネル3〜6を出力端子に割り当てる。そして、第2接続部17を介して接続されるホスト機器等の外部機器からチャネル1により入力信号(パルス信号)を受け付けた場合、撮像開始入力部(チャネル1)からの撮像開始入力として受け付け、チャネル2により入力信号(パルス信号)を受け付けた場合、デコード要求入力部(チャネル2)からのデコード要求入力として受け付ける等、様々な形態に展開することが可能である。
【0054】
また、例えば、第2接続部17にマスタ装置となる外部機器を接続するシステムにおいて、第2接続部17に含まれるRS−232ポートを撮像開始入力部及びデコード要求入力部とし、RS−232ポートを介して、16進コードで形成される撮像開始命令及びデコード要求命令を外部機器から受け付ける等、様々な形態に展開することが可能である。
【0055】
さらに、上述した様々な形態を複合して用いることも可能である。具体的には、第1操作部15を、撮像開始入力を受け付ける第1の外部入力インタフェースとし、第2接続部17のチャネル2を、デコード要求入力を受け付ける第2の外部入力インタフェースとする等、様々な形態に展開することが可能である。
【0056】
さらに、前記実施形態では、デコードすべく読み取る撮像データが、デコード要求の入力の受付の直前に記録された撮像データか、デコード要求の入力の受付の直後に記録される撮像データかの選択を予め設定する形態を示したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、デコード要求の入力の受け付けた時期が、撮像データの生成及び記録の開始から所定時間以内であれば、直前に記録された撮像データをデコードし、撮像データの生成及び記録の開始から所定時間以降で当該撮像データの記録が終了するまでの間であれば、直後に記録される撮像データをデコードする等、様々な形態に展開することが可能である。