(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6543703
(24)【登録日】2019年6月21日
(45)【発行日】2019年7月10日
(54)【発明の名称】ダウンホール坑井機器へのワイヤレス電力伝送
(51)【国際特許分類】
E21B 41/00 20060101AFI20190628BHJP
E21B 47/00 20120101ALI20190628BHJP
E21B 49/00 20060101ALI20190628BHJP
G01V 1/00 20060101ALI20190628BHJP
【FI】
E21B41/00
E21B47/00
E21B49/00
G01V1/00 C
【請求項の数】18
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-521025(P2017-521025)
(86)(22)【出願日】2015年6月30日
(65)【公表番号】特表2017-527724(P2017-527724A)
(43)【公表日】2017年9月21日
(86)【国際出願番号】US2015038521
(87)【国際公開番号】WO2016014221
(87)【国際公開日】20160128
【審査請求日】2017年2月24日
(31)【優先権主張番号】14/735,227
(32)【優先日】2015年6月10日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/018,749
(32)【優先日】2014年6月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506018363
【氏名又は名称】サウジ アラビアン オイル カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100088616
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 一平
(74)【代理人】
【識別番号】100154829
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 成
(74)【代理人】
【識別番号】100132403
【弁理士】
【氏名又は名称】永岡 儀雄
(72)【発明者】
【氏名】アフマド,タルハ,ジャマール
【審査官】
田中 洋介
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2014/035785(WO,A1)
【文献】
特開2006−242955(JP,A)
【文献】
特開2007−218897(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0194947(US,A1)
【文献】
特開平06−261008(JP,A)
【文献】
特開2003−274577(JP,A)
【文献】
特開平07−294658(JP,A)
【文献】
特許第2831149(JP,B2)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0205080(US,A1)
【文献】
米国特許第4839644(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21B 41/00−41/10
E21B 47/00−49/10
G01V 1/00−1/52
H02J 50/00−50/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
坑井孔内で坑井チュービングに取り付けられたダウンホール電気機器への前記坑井チュービングを介したワイヤレス電力伝送装置であって、
(a)前記坑井チュービングの壁を介してガイド波エネルギがダウンホールを進むように、電力をガイド波エネルギに変換し、前記ガイド波エネルギを前記坑井チュービングに伝達するために前記坑井チュービングに取り付けられた、トランスデューサモジュールと、
(b)前記坑井孔内で前記坑井孔内での前記電気機器の深さで前記坑井チュービングに取り付けられ、前記坑井チュービングの壁の前記ガイド波エネルギを検知する、動作検知モジュールと、
(c)前記坑井孔内で前記坑井孔内での前記電気機器の前記深さで前記坑井チュービングが取り付けられ、前記検知されたガイド波エネルギを電気エネルギに変換する、電力変換器と、
(d)前記坑井孔内での前記電気機器の前記深さで前記坑井チュービングに取り付けられて、前記検知されたガイド波エネルギから変換された電気エネルギを貯蔵する電力貯蔵ユニットと
を備え、
前記ガイド波エネルギが、誘導音響ラム波エネルギである、装置。
【請求項2】
前記ダウンホール電気機器が、対象の貯留層からデータを取得するセンサを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ダウンホール電気機器が流量制御機構を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記電力変換器から受信された電気エネルギを調整して、前記電力貯蔵ユニットに貯蔵する電力調整回路をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記電力貯蔵ユニットがコンデンサを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記電力貯蔵ユニットが充電式電池を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記坑井チュービングに伝達された前記ガイド波エネルギ上のデータ信号を加えるデータ変調器をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記トランスデューサモジュールが、前記坑井チュービングを環状に取り囲むように結合された音響送信機トランスデューサの円形アレイを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記トランスデューサモジュールが、前記坑井チュービングを環状に取り囲むように結合された音響送信機トランスデューサの複数の軸方向に配置された円形アレイを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
データを地上に伝送するために前記ダウンホール電気機器が取り付けられたテレメトリモジュールをさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
坑井孔内で坑井チュービングに取り付けられたダウンホール電気機器への前記坑井チュービングを介したワイヤレス電力伝送方法であって、
(a)前記坑井孔に隣接する坑口装置で、電力をガイド波エネルギに変換する工程と、
(b)前記ガイド波エネルギを前記坑井チュービングに伝達する工程と、
(c)前記ガイド波エネルギを、前記坑井チュービングの壁を介して前記ダウンホール電気機器に伝導する工程と、
(d)前記坑井孔内での前記ダウンホール電気機器の深さで、前記坑井チュービングの前記ガイド波エネルギを検知する工程と、
(e)前記検知されたガイド波エネルギを電気エネルギに変換する工程と、
(f)前記検知されたガイド波エネルギから変換された前記電気エネルギを、前記ダウンホール電気機器が動作電力として使用するために貯蔵する工程と
を含み、
ガイド波エネルギを伝達する前記(b)工程が、誘導音響ラム波エネルギを伝達する工程を含む方法。
【請求項12】
前記ダウンホール電気機器が、対象の貯留層からデータを取得するセンサを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
テレメトリデータを前記ダウンホールセンサから地上へ伝送する工程をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ダウンホール電気機器が流量制御機構を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記電力変換器から受信された電気エネルギを調整して、前記電力貯蔵ユニットに貯蔵する工程をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記電気エネルギを貯蔵する前記工程が、前記電気エネルギをコンデンサに貯蔵することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記電気エネルギを貯蔵する前記工程が、前記電気エネルギを充電式電池に貯蔵することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記坑井チュービングに伝達された前記ガイド波エネルギ上のデータ信号を変調する工程をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誘導音響ラム波を使用し、坑井内の管状導管が電力伝送媒体として機能する、ダウンホール坑井機器への油井内ワイヤレス電力伝送に関する。
【背景技術】
【0002】
貯留層管理は、坑井内部に恒久的に設置したセンサで捕捉した貯留層データの取得に基づいている。これらのセンサは、監視対象の貯留層と直接的に接触し、長期的かつ連続的な貯留層管理のため、貯留層状態に関するリアルタイムデータを提供してきた。このような貯留層管理システムの1つが、本出願の譲受人が所謂スマート坑井に利用する、恒久的ダウンホール監視システム(PDHMS)である。
【0003】
ダウンホール恒久的設備には、センサと制御バルブの両方が含まれていた。センサは、温度、圧力および多相流量等の坑井の様々な物理的および動的特性を監視する。スマート坑井の場合、センサは、流量制御装置と組み合せ、流体流量を調整し、坑井性能および貯留層挙動を最適化した。このため、センサおよび流量制御装置の両方に電力を供給する必要があった。
【0004】
動作電力が必要な他の恒久的に配備または配置されたダウンホール坑井孔計測装置としては、地震(seismic)または音響の地球特性(earth properties)を監視するセンサ(ジオフォン)、地層圧センサ、光センサ、電磁場センサ、EMセンサ等があった。
【0005】
通常、これらの恒久的に配備されたシステムは、地上から引かれたケーブルで装置への電力供給を行っていた。装置は坑井内部の数千フィートの深さに設置するため、ケーブルを使用すると非常にコストが高く、設置にも時間がかかった。したがって、ケーブルの使用は望ましくなかった。さらに、ケーブルは、坑井チュービングと一体化していても、坑井チュービングとケーシングとのアニュラス(annulus)に間隔を置いて配置されていても、坑井孔内でチュービングストリングに沿って使用することが困難であった。またケーブルを使用すると、信頼性に問題があり、設置が複雑で、坑井流体からの腐食によるケーブル断線のリスクがあり、坑井孔内部でチュービングストリングが動くことによる激しい摩耗等の欠点があった。このため、管状導管(プロダクションチュービングまたはケーシング)を伝送媒体として使用し、地上から坑井内部へ無線で電力伝送を提供してケーブルやケーブルに係る問題を排除する、多くの技術が提案されてきた。
【0006】
電磁気に基づく電力伝送方法によって、導電性ケーシングまたはチュービングに電気信号を注入して、坑井の底に電気双極子源を形成することが可能になった。米国特許第4,839,644号明細書は、チュービング−ケーシング電気伝導伝送システムを開示しており、チュービングおよびケーシングの絶縁システムが同軸線路として機能して、電力とデータの両方を伝送するものである。当該システムは誘導結合技術を使用し、電流注入にトロイドを使用した。この方法では、ケーシングとチュービングとのアニュラスに、原油などの実質的に非導電性の流体が必要であった。
【0007】
米国特許出願公開第2003/0058127号明細書では、電気絶縁した導電性ケーシングを使用して、地上と恒久的ダウンホール装置との間に電気的接続を確立した。電流を流して、ダウンホール機器に電力を供給した。米国特許第6,515,592号明細書も同様に、坑井内で導電性導管を使用し、導管の一部分を電気絶縁し、導管の被包部と隣接部分は導管の間隙(conduit gap)で隔離していた。ダウンホール装置は絶縁部分に結合され、電力とデータの両方が伝送できるものであった。米国特許第7,114,561号明細書は、地上とダウンホールモジュールとの間の電力およびデータ通信経路のために金属坑井ケーシングを使用し、地層地面が帰還路として電気回路を完成するものであった。
【0008】
米国特許第8,009,059号明細書は、地上圧力波発生器で通電されるダウンホールセンサと、ダウンホールの機械−電気エネルギ変換器とを開示した。エネルギ変換器は、磁歪材料または圧電結晶の形態であった。米国特許第8,358,220号明細書は、ケーシングまたはチュービングを伝送媒体として使用し、電磁結合に基づく技術を使用した坑井孔通信システムについて記載した。
【0009】
欧州特許第1918508号明細書では、光ファイバケーブルおよび太陽電池を坑井内部に配置する技術を開示している。坑井孔内で太陽光が光ファイバケーブルで伝送され、その結果、伝送された光が太陽電池を照射し、太陽電池がダウンホール坑井機器で使用する電気を発生させた。欧州特許第1448867号明細書は、油圧エネルギを電気エネルギに変換するダウンホール発電機について開示している。
【0010】
他の坑井内部電力伝送方法は、欧州特許第0721053号明細書、米国特許第6,415,869号明細書、欧州特許第1252416号明細書、国際公開第2002/063341号、欧州特許第2153008号明細書、米国特許第7,488,194号明細書、米国特許第8,353,336号明細書、米国特許第5,744,877号明細書および国際公開第2011/087400号に記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
トロイドを使用してケーシング、チュービングまたはドリルストリングへ電流を注入する方法は、誘導結合できる電力量が制限されていた。また、電流はケーシングを介する最短経路を進むので、電流ループが局所的であった。従来のシステムはまた、坑井底で所望の電流密度を実現するために、坑口装置を必ず非常に高い電位に維持しなければならないという欠点があった。したがって、知られている限りでは、従来技術は操作や設計が非常に複雑で、電力伝達が限られ、伝送距離が短く、伝送効率が低い等の制限があった。
【課題を解決するための手段】
【0012】
簡潔には、本発明は、坑井孔の坑井チュービングに取り付けられたダウンホール電気装置へ坑井チュービングを介してワイヤレス電力伝送するための新しい改善された装置を提供する。装置は、坑井チュービングの壁を介したダウンホール進行のため、電力をガイド波エネルギに変換すると同時に、ガイド波エネルギを坑井チュービングに伝達するために坑井チュービングに取り付けられた、トランスデューサモジュールを含む。装置は、坑井孔内で坑井孔内での電気機器の深さで坑井チュービングに取り付けられ、坑井チュービングの壁のガイド波エネルギを検知する、動作検知モジュールと、坑井孔内で坑井孔内での電気機器の深さで坑井チュービングに取り付けられ、検知されたガイド波エネルギを電気エネルギに変換する、電力変換器と、をさらに含む。装置は、坑井孔内での電気機器の深さで坑井チュービングに取り付けられて、検知されたガイド波エネルギから変換された電気エネルギを貯蔵する、電力貯蔵ユニットをさらに含む。
【0013】
本発明は、坑井孔内で坑井チュービングに取り付けられたダウンホール電気機器への坑井チュービングを介したワイヤレス電力伝送のための新しい改善された方法を提供する。本発明では、坑井孔に隣接する坑口装置で、電力がガイド波エネルギに変換され、ガイド波エネルギが坑井チュービングに伝達される。ガイド波エネルギは、坑井チュービングの壁を介してダウンホール電気機器に伝導される。坑井チュービングのガイド波エネルギは、坑井孔内での電気機器の深さで検知され、電気エネルギに変換される。検知されたガイド波エネルギから変換された電気エネルギは、ダウンホール電気機器が動作電力として使用するために貯蔵される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】坑井ボアホール内に配置された本発明によるダウンホール坑井機器装置へのワイヤレス電力伝送の概略図である。
【0015】
【0016】
【
図3】本発明によるダウンホール坑井機器装置へのワイヤレス電力伝送の概略電気回路図である。
【0017】
【0018】
【0019】
【
図6】本発明によるダウンホール坑井機器へのワイヤレス電力伝送におけるビームフォーミングの概略図である。
【0020】
【
図7】
図6に示すビームフォーミングに関連して適用される時間遅延の概略図である。
【0021】
【
図8】
図2に示す構造の代替的実施形態の概略図である。
【0022】
【
図9】
図1のダウンホール坑井機器装置へのワイヤレス電力伝送の変更実施形態の概略図である。
【0023】
【
図10】
図9の装置の一部の概略電気回路図である。
【0024】
【発明を実施するための形態】
【0025】
図面の文字Aは概して、本発明によるダウンホール坑井機器へのワイヤレス電力伝送装置を示す。装置Aは、坑井内へ電力伝達するため音響誘導ラム波を伝送し、坑井ケーシングまたはドリルストリング等のプロダクションチュービングまたは他の導管Tを伝送媒体として、坑井孔20内に概略的に示すダウンホール機器Eに動作電力を伝達する。ダウンホール坑井機器Eは、坑井孔20内に配置またはチュービングTに取り付けられたセンサの形をとってもよい。センサは坑井孔20に隣接する対象貯留層からリアルタイムデータを取得し、連続的または自動的な貯留層管理を可能にする。ダウンホール坑井機器Eはさらに、坑井孔20内の流体流量を調整するバルブなどの電気機械式流量制御機構の形をとってもよい。
【0026】
装置Aは地上トランスデューサモジュールSを含み、地上で発生した電力を誘導振動波エネルギに変換する音響送信機トランスデューサ26のアレイを含む取り付けフレームまたはカラー24を備える。地上トランスデューサモジュールSは、フレームまたはカラー24で坑井チュービングTに取り付けられ、ガイド波エネルギを伝達する。ガイド波エネルギは、坑井チュービングTの円筒壁22を介してダウンホールを進む。ダウンホール坑井機器Eを設置した対象の深さで、ダウンホール動作検知モジュールDを坑井孔20内の坑井チュービングTに取り付ける。ダウンホール動作検知モジュールDは、坑井チュービングの壁のガイド波エネルギを検知するものであり、音響受信機トランスデューサアレイRを含む。音響受信機トランスデューサアレイRは、坑井チュービングTの壁で検知したガイド波エネルギに応答して電気信号を形成する音響受信機トランスデューサ28のアレイを含む取り付けフレーム27またはカラーを備える。
【0027】
坑井孔22内で、ダウンホール坑井機器Eの深さで、坑井チュービングTに電力変換器Pを取り付ける。電力変換器Pは、検知したガイド波エネルギを電気エネルギに変換する。坑井孔内での電気機器の深さで坑井チュービングTに電力/エネルギ貯蔵ユニットSを取り付け、検知したガイド波エネルギから電力変換器Pで変換した電気エネルギを貯蔵する。
【0028】
本発明では、ガイド波エネルギは、ラム波として知られている誘導弾性波または音響振動波の形をとる。ラム波は、縦波に類似し、圧縮化と希薄化があるが、チュービングTの円筒壁または内側もしくは外側シートまたはパイプ表面により跳ね返されて、導波路型効果を引き起こす。ラム波の振動エネルギは、弾性運動エネルギの形であり、導管Tの長手方向軸と平行の垂直面内の管状導管Tの円筒壁を粒子運動として進む。このようなラム波のガイド波エネルギは、ケーシングまたはプロダクションチュービングTの管状導管の形状および寸法によって誘導される。
【0029】
本発明のチュービング型構造で音響ラム波は、その波長がチュービング寸法と比較して大きければ捕捉される。音響ラム波は、境界で連続的に反射することにより、長距離を伝播できる波束を形成する。波束の形がラム波モードとなり、ラム波モードが異なると伝播特性も異なる。ガイド波の利点は、長距離を伝播可能な点である。
【0030】
地上トランスデューサモジュールSは、送信端(地上)で音響送信機26(
図2)の位相アレイで形成され、ダウンホール動作検知モジュールDは、受信端(ダウンホール)で音響受信機28のアレイで構成される。モジュールSおよびDの音響トランスデューサアレイは、前述のようにチュービング、ケーシング、ドリルストリング等の管状導管Tに結合された多数のトランスデューサ(例えば8〜64個)で形成される。モジュールSおよびDのトランスデューサの数は、管状導管Tの寸法、音響トランスデューサの寸法および伝達される電力量によって異なってもよい。
【0031】
アレイSおよびDにおける各トランスデューサは、取り付けフレームまたはカラー内のアレイにおいて、トランスデューサ同士が円周方向に離間するよう(
図2)、管状導管20の長手方向軸を横断する共通平面に固定する。トランスデューサを概略的に示すため、
図2は取り付けフレーム24を図示していない。音響送信機トランスデューサ26は、伝送方向に0〜20°の角度で傾斜して管状導管Tに取り付けられることが好ましく、その結果、音響誘導ラム波信号は、導管Tの壁を介して、坑井孔20に沿って下向き方向に一方向に進むことができる。
【0032】
音響トランスデューサ26および28は、たとえば、圧電材料の代わりに、所謂超磁歪材料(GMM)で作ることができる。超磁歪材料は圧電材料よりも伸縮率が約5〜約8倍大きく、エネルギ密度が約10〜約14倍大きい。また、超磁歪材料は動作周波数範囲が広く、使用温度を200℃超とすることができる。超磁歪材料についてのさらなる情報は、たとえば、F.Claeyssen,N.Lhermet,R.Le Letty,P.Bouchilloux,“Actuators,Transducers and Motors Based on Giant Magnetostrictive Materials”,Journal of Alloys and Compounds,Vol.258,pp.61−73,August 1997に記載されている。
【0033】
アップホール音響送信機トランスデューサ26は、入力電気信号に含まれるエネルギを、音響誘導ラム波に変換する。以下に説明するように、送信モジュールSでビームフォーミング技術を使用して、指向性がよく、高出力かつ低周波数の音響誘導ラム波信号を管状導管Tに沿って坑井孔20に送る。音響トランスデューサの動作周波数は、たとえば、約100〜約5000Hzであってよい。
【0034】
送信端(または地上)の地上トランスデューサモジュールS(
図1)の位相アレイ中の各音響送信機トランスデューサ26は、電力増幅器アレイ30の高電圧電力増幅器によって駆動される。アレイ30の電力増幅器は、低振幅信号発生器出力(5Vpp)を、音響送信機トランスデューサ26に必要とされる超高振幅駆動電圧(200〜1000Vpp)に変換する。たとえば、この目的のためにE級電力増幅器を使用することができる。
【0035】
アレイ30の電力増幅器は、コンピュータ34で制御する信号発生器32に接続される。コンピュータ34は、プログラムされたパーソナルコンピュータ(PC)またはフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイもしくはFPGAであってよい。コンピュータ34は、信号発生器32を制御し、ビームフォーミング技術を使用して、高指向性、高出力かつ誘導された音響ラム波信号を導管Tに沿って生成する。アレイ30の電力増幅器は、信号発生器32からの低電圧信号を高電圧かつ大電流の信号に変換して、音響送信機トランスデューサ26を駆動する。供給する総電力は、各トランスデューサにつき50〜500ワットの範囲である。信号発生器32は、上記の音響送信機の周波数範囲に適合した周波数の低電圧矩形波励起信号を生成する。
【0036】
導管Tの壁を介して坑井孔20内を下向きに移動した誘導音響ラム波信号は、ダウンホール動作検知モジュールDで、管状導管Tに結合された音響受信機トランスデューサ28のアレイで受信する。トランスデューサ28の受信機アレイは、給電するダウンホール機器Eに近接して設置する。トランスデューサ28の音響受信機アレイは、環境発電(エナジーハベスティング)システムとして動作するように構成された電力変換器Pに接続する。電力変換器Pは、ダウンホール電力調整として機能し、ダウンホール電力貯蔵ユニットSに貯蔵する電力を供給する。
【0037】
ダウンホール動作検知モジュールDの各音響受信機トランスデューサ28は、誘導音響ラム波信号の一部を受信する。受信信号量は、各受信機トランスデューサ28に対して非線形的に変化する。受信信号の振幅は、伝送距離、管状導管Tの構造的形状および寸法、ならびに任意の金属ツールおよび仕上げ機械設備(completion hardware)の存在に依存する。受信機トランスデューサ28は、受信した音響ラム波信号を電気信号に変換する。電気信号は超低振幅交流電圧(AC)信号であり、関連する電圧増倍器40(
図3)に供給される。本発明では、従来型の電圧増倍器/整流器40を多数使用して、AC電圧をDC電圧に変換できる。その一例は、AC電圧をDC電圧に変換する多段同期電圧増倍器42(
図4)である。多段同期電圧増倍器42は電力調整回路Rの適切な数の個別の増倍段44から構成され、電力調整回路Rは、DC電圧をダウンホール電力貯蔵ユニットSへ貯蔵するのにより適した形に変換する。増倍段44は、典型的には3〜5個に変更できる。適切な増倍器としては低電圧相補型金属酸化膜半導体(CMOS)整流器の形をとってもよく、たとえば、Mandal,S.;Sarpeshkar,R.,“Low−Power CMOS Rectifier Design for RFID Applications”,Circuits and Systems I:Regular Papers,IEEE Transactions on,Vol.54,No.6,pp.1177,1188,June 2007に記載されたタイプ等がある。電圧増倍段44の回路の詳細を
図5に示す。
【0038】
CMOS整流器44は、超低入力電圧振幅で動作可能なものから選択される。本発明により直面する状況において、入力振幅は非常に低く、通常、単一の段42ではDC出力電圧が不十分である。したがって、多数の段42をチャージポンプ型トポロジにカスケード接続して、出力DC電圧を増加させる。
【0039】
受信機トランスデューサ28からの出力は、ポンプコンデンサC
p(
図3)を介して増倍器40から各整流器段42に並列に供給され、DC出力は電圧加算器46内で直列に合算して、増倍器42からの合計出力DC電圧を生成する。
【0040】
電圧加算器46の出力電圧は、変化する振幅を有するが、DC−DC変換器48により、電力/エネルギ貯蔵ユニットSのダウンホール電力貯蔵装置50を定電圧で充電することができる。DC−DC変換器48として低ドロップアウトレギュレータ(LDO)を使用し、変化する電圧加算器出力を、きれいすなわち低ノイズで一定の出力電圧に変換する。本発明の変換器48に適する低ドロップアウトレギュレータは、たとえば、Paul Horowitz and Winfield Hill(1989).“The Art of Electronics.”Cambridge University Press.pp.343−349.ISBN 978−0−521−37095−0、およびJim Williams(March 1,1989).“High Efficiency Linear Regulators”に記載されているタイプである。このタイプの低ドロップアウトレギュレータは、非常に小さい入力−出力差動電圧で動作可能である。また、このような低ドロップアウトレギュレータをDC−DC変換器として使用すると、低最小動作電圧、高効率動作、低熱放散が実現できる。
【0041】
電力/エネルギ貯蔵ユニットSのダウンホール電力貯蔵装置50は、所謂スーパーキャパシタまたは電気化学キャパシタの形をとることができ、または高圧高温ダウンホール環境で動作する充電式電池の形をとってもよい。電力/エネルギ貯蔵ユニットSからの出力は、ダウンホール坑井機器Eに使用でき、エネルギ管理スイッチングモジュール52を介して、ダウンホール・センサ・モジュール、ダウンホール機器Eのダウンホール制御装置、またはダウンホール・テレメトリ・モジュールR(
図11)を動作させる。エネルギ管理スイッチングモジュール52は、低電圧電力遮断モジュール54によって制御されるスイッチとして動作する。
【0042】
低電圧電力遮断モジュール54は電圧センサであり、ダウンホール電力貯蔵装置50内の電力貯蔵庫がダウンホール坑井機器Eの検知/制御モジュール58(
図9)に電力を供給する前に、電力貯蔵庫を最小値に充電する。低電圧電力遮断モジュール54はさらに、電力貯蔵装置50からの出力電力が一定の値を下回る場合に、電力貯蔵装置50からダウンホール坑井機器Eの検知/制御モジュールへの電力貯蔵装置接続を遮断する。このように、エネルギ管理スイッチングモジュール52および低電圧電力遮断モジュール54は、電力貯蔵装置50に十分な電力がある場合にだけ、電力貯蔵装置50をダウンホール検知/制御モジュール58またはダウンホール・テレメトリ・モジュールRに接続し、そうでない場合には、接続を遮断する。
【0043】
[ビームフォーミング]
モジュールSの音響送信機トランスデューサ26のアレイを管状導管Tに結合し、坑井孔20に沿って管状導管T内に高指向性の誘導音響ラム波を送るために使用する。管状導管Tの壁厚により大きく変化する位相速度で特定のガイド波モードを励起するよう音響送信機26を動作する。
【0044】
物理学で分散として知られている現象により、周波数と共に変化する速度で伝播する波の性質がわかる。分散曲線は、速度変化と周波数との関係を示す。分散的な音波の使用を避けるため、速度が一定または分散曲線の平坦部にあるように、伝送誘導音響ラム波の波モードの周波数を選択する。分散曲線は、導管の直径および導管壁の厚みに基づき、様々な導管Tについて計算およびプロットする。管状導管の分散曲線の一例は、http://www.twi.co.uk/news−events/bulletin/archive/2008/november−december/corrosion−detection−in−offshore−risersusing−guided−ultrasonic−waves/に記載されている。
【0045】
ビームフォーミング技術を使用して、高指向性、高出力かつ誘導された音響ラム波信号を導管に沿って生成する。ビームフォーミングは、指向性信号の送受信のため位相センサアレイで使用する技術である。送信時にアレイの指向性を変えるため、ビームフォーマは各送信機において信号の位相、タイミング遅延および相対振幅を制御し、波面に建設的および相殺的干渉パターンを生成する。このように信号強度および伝送距離が向上した指向性を有しかつ高出力の信号を形成できる。伝送動作およびビームフォーミングは、導管の物理的寸法(直径、壁厚)に応じて最適化する。
【0046】
モジュールSのトランスデューサ26の音響送信機アレイは位相アレイであり、各送信機トランスデューサは、コンピュータ34の管理下にある信号発生器32で励起信号の位相、振幅およびタイミングを変えることによって、個別に制御される。ビームフォーミングは、モジュールSのアレイ中の各送信機トランスデューサ26に送信する励起信号に時間遅延を加えて、送信されたエネルギを特定の方向に集中させることによって、実現される。
【0047】
図6において60で概略的に示すように、伝送されたエネルギは、管状導管Tの壁をラム波として進む。
図6において、管状導管は平面板として概略的に示され、送信機トランスデューサ26は、平面的に描写した導管Tの上部に沿って概略的に図示される。
【0048】
コンピュータ34の管理下の信号発生器32で励起信号の遅延バージョンを生成し、アレイ中の隣接する送信機トランスデューサ26に適用する。このとき、各トランスデューサ26で指向性音響ビームを生成し、管状導管Tに沿ってその円筒壁を介して進行し、集束ビーム62として到達するようにする。
図6の個別の送信機トランスデューサ26の時間遅延量64を棒グラフ形式にしたものを
図7に概略的に示す。
【0049】
このように、別個の送信機によって送信された音響信号は、連係して建設的に結合し、より大きな振幅の単一の集束ビーム音響信号62(
図6)を生成する。音響送信機トランスデューサ26の信号間の遅延を正確に制御することによって、様々な角度、焦点距離および焦点サイズのビームが生じる。たとえば、遅延和などのビームフォーミング技術を地上コンピュータ34内部で実施できるが、他のビームフォーミング技術を使用してもよいことが理解されるべきである。
【0050】
[動作]
一例として、モジュールSのアレイ中の音響送信機26の数は32個である。この数は、伝送媒体の大きさに応じて変更できることが理解されるべきである。4個の送信機トランスデューサからなる連続した各群にビームフォーミングが適用されるが、この個数も変更できる。すなわち、4個の連続した送信機トランスデューサ26からなる各群が、音響誘導ラム波の単一指向性ビームを各群から形成するように動作することを意味する。したがって、この例では、合計8つの誘導音響ラム波ビームが伝送され、管状導管Tに沿って鉛直下向きに進行する。
【0051】
伝送された誘導音響ラム波は狭ビーム状であるが、坑井孔20内を管状導管Tに沿って非常に長い距離を進むので分散する。坑井孔20内の所望の位置にある坑井孔20内のモジュールDの音響円形受信機アレイが、伝送された誘導音響ラム波のビームを検知する。モジュールDの音響受信機アレイ中の音響受信機トランスデューサ28は、モジュールSの音響送信機アレイと同一の周波数範囲(約100〜約5000Hz)で動作する。モジュールDの音響受信機トランスデューサ28全てで受信された音響信号は、次いで、上記の方法で、交流(AC)電圧信号に変換される。各音響受信機トランスデューサ28のAC電圧は、電圧増倍器アレイ40の当該電圧増倍器でDC電圧に変換される。アレイ40の各増倍器でのDC出力電圧振幅は、受信機トランスデューサ28で受信した音響信号の振幅に応じて異なる。アレイ40中の増倍器群のDC電圧を電圧加算器44で合計する。DC−DC変換器48からの出力電圧は、ダウンホール電力貯蔵装置50を充電し、ダウンホール電力貯蔵装置50からの電力をダウンホール坑井機器Eに使用することができる。
【0052】
[複数送信機アレイ]
本発明の別の実施形態では、上下に間隔を置いて配置された、音響送信機トランスデューサ26および126(
図8)の複数音響位相送信機アレイが、モジュールSに設けられる。音響送信機トランスデューサ26および126は、管状導管Tに結合され、ダウンホール機器Eを動作するため坑井孔20に沿って伝達する電力量を向上させる。
図8にはアレイを2つ示すが、3つ以上のアレイを設けてもよいことが理解されるべきである。
図8に示すように、送信機トランスデューサ26および126のような円形アレイで複数の位相送信機アレイを使用することができる。すなわち、管状導管Tの長手方向に間隔をあけた位置で互いに軸方向に平行な状態で配置されている。上記のビームフォーミング技術をコンピュータ34内部で実施し、複数アレイの送信機トランスデューサ26および126を動作させる。すなわち、個々の送信機トランスデューサ26の信号の位相、タイミング遅延および相対振幅を制御し、上記のようなビームフォーミングおよび信号の建設的干渉を発生させる。これにより、管状導管Tを介して伝達可能な電力量を増加させることができる。
【0053】
[電力信号上で変調されたデータ]
本発明の別の実施形態(
図9)では、データ信号を連続的な音響誘導ラム波電力波形上で変調することができる。したがって、データおよび電力の両方を、坑井孔に沿って伝送することができる。データ信号は、ダウンホールセンサおよび制御装置用のコマンドおよび制御信号を含むことができる。
図9の実施形態では、チュービングTのダウンホール設備に低電力制御モジュール58が含まれている。
図10に示すように、制御モジュール58は、復調器70と、デコーダ72と、中央制御ユニット74とを含む。地上に示されているような信号発生器32および電力増幅器アレイ30がダウンホール機器にも含まれる場合には、データもダウンホールから地上に伝送することができる。
【0054】
データは、連続電力信号が「1」を表し、無信号が「0」を表す、単純なオンオフキーイング(OOK)変調技術で、デジタル形式に変調することができる。データは、電力貯蔵装置50内のダウンホール貯蔵庫に十分な電力がある場合にだけ、地上に伝送される。データ伝送効率を向上させるために、周波数シフトキーイング(FSK)または直交振幅変調(QAM)などのより高度な変調技術を使用することもできるが、復調器70およびデコーダ72の実装がより複雑になる。復調されたデータは、地上で受信され、たとえば、超低電力マイクロコントローラによってデコードされる。
【0055】
[ダウンホールテレメータ]
本発明の別の実施形態では、テレメトリモジュールR(
図11)を装置Aのダウンホール設備に含む。それ以外は
図1または
図9に示すものと同じである。テレメトリモジュールRは、ダウンホール機器のセンサで検知した坑井データを地上へ返送し、記録、評価できるようにする。音響通信および/または電磁通信に基づくワイヤレス・テレメトリ・システムについて、多数の従来のテレメトリ技術をテレメトリモジュールTに使用してもよい。本発明によれば、多数の従来の音響および/または電磁ワイヤレス・ボアホール・テレメトリ・システムを使用することができる。
【0056】
音響に基づく例は、以下の特許明細書に記載されている。例えば、米国特許第5,050,132号明細書、米国特許第5,124,953号明細書、米国特許第5,128,901号明細書、米国特許第5,148,408号明細書、米国特許第5,995,449号明細書、米国特許第5,293,937号明細書等である。電磁気に基づく方法の例としては、米国特許第6,272,916号明細書および米国特許第5,941,307号明細書が挙げられる。
【0057】
上記の事項から、本発明が、ダウンホール設備用ワイヤレス電力伝送の範囲および効率を改善することがわかる。本発明は、電動ダウンホール石油機器、またはセンサ(圧力、温度、多相流量計など)、流量制御機構、アクチュエータまたは流入制御などのバルブ(ICV)等の装置に電力を伝送する機能を提供する。
【0058】
ワイヤレス給電装置を利用することで、複雑な設置を簡素化し、当該装置の設置および回収に係る運用コストを減少させることができる。また、本発明は、坑井孔内での電力伝送ケーブルを使うことで生じる問題を回避することができる。すなわち、信頼性、複雑な設置手順、腐食により生じるケーブル断線のリスク、坑井孔内部のチュービングストリングの動きによる激しい摩耗等の問題を回避することができる。
【0059】
誘導音響ラム波を使用する本発明は、ラム波に使用する周波数が低いため、導管材料への波の吸収が低いといった利点を提供する。また、坑井孔内の導管−流体境界での音響インピーダンス不整合が高いため、導管からのラム波漏洩が低い。すなわち、エネルギの大部分が、エネルギ密度を減衰させることなく導管を下って伝播することができる。
【0060】
本発明によると、伝送距離が長い、深い坑井について、音響エネルギ伝達は電磁電力伝送よりも効率がよい。所与の寸法の送受信機で比較すると、誘導音響ラム波に基づくシステムは、電磁気に基づくシステムより顕著に送信周波数が低く、高い指向性を有する。このように、誘導音響ラム波に基づくシステムは、高指向性、長い伝送距離、小型のシステム寸法を実現できる。
【0061】
当該事項において平均的な知識を有する者が、本明細書で述べた結果を再現することができるように、本発明を十分に説明した。しかし、当該技術分野、本明細書における本発明の主題におけるあらゆる当業者は、本明細書における請求に記載されていない変更形態を実行して、これらの変更形態を決められた構造に適用することができ、あるいは同一の製造プロセスにおいて、以下の特許請求の範囲における請求事項を必要とするが、このような構造は、本発明の範囲内に含まれるものとする。
【0062】
添付の特許請求の範囲に記載した本発明の趣旨または範囲から逸脱することなく、上記に詳細に説明した本発明の改良または変更を加えることができることが、留意および理解されるべきである。