(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
透光性の基板に、透光性の導電材料で形成された第1の電極層と第2の電極層とが形成され、複数の前記第1の電極層が第1の方向に並び、複数の前記第2の電極層が第1の方向と交差する第2の方向に並んでいる入力装置において、
前記第1の電極層と前記第2の電極層のいずれか一方の電極層どうしを連結する連結部が前記透光性の導電材料で一体に形成され、前記連結部の上に第1の絶縁層と第1のブリッジ接続層が重ねて形成されて、前記第1のブリッジ接続層によって他方の電極層どうしが導通されており、
複数の前記第2の電極層には、その内部に第1の方向に延びる配線通路を有して、前記配線通路で分割された2つの区分電極層を有するものが含まれており、
前記配線通路内を通過する配線層が、他の前記第2の電極層に導通し、
前記配線層の上に第2の絶縁層と第2のブリッジ接続層が形成されて、前記第2のブリッジ接続層によって前記2つの区分電極層どうしが導通されており、
前記配線通路が形成されていない前記第2の電極層の領域内に、開口部が形成されていることを特徴とする入力装置。
透光性の基板に、透光性の導電材料で形成された第1の電極層と第2の電極層とが形成され、複数の前記第1の電極層が第1の方向に並び、複数の前記第2の電極層が第1の方向と交差する第2の方向に並んでいる入力装置において、
前記第1の電極層と前記第2の電極層のいずれか一方の電極層どうしを連結する連結部が前記透光性の導電材料で一体に形成され、前記連結部の上に第1の絶縁層と第1のブリッジ接続層が重ねて形成されて、前記第1のブリッジ接続層によって他方の電極層どうしが導通されており、
複数の前記第2の電極層には、その内部に第1の方向に延びる複数の配線通路を有して、前記配線通路で分割された複数の区分電極層からなるものが含まれ、
それぞれの前記配線通路内を通過する配線層が、他の前記第2の電極層に導通し、
それぞれの前記配線層の上に第2の絶縁層と第2のブリッジ接続層が形成されて、前記第2のブリッジ接続層によって前記区分電極層のうちの隣り合うものどうしが導通されていることを特徴とする入力装置。
透光性の基板に、透光性の導電材料で形成された第1の電極層と第2の電極層とが形成され、複数の前記第1の電極層が第1の方向に並び、複数の前記第2の電極層が第1の方向と交差する第2の方向に並んでいる入力装置において、
前記第1の電極層と前記第2の電極層のいずれか一方の電極層どうしを連結する連結部が前記透光性の導電材料で一体に形成され、前記連結部の上に第1の絶縁層と第1のブリッジ接続層が重ねて形成されて、前記第1のブリッジ接続層によって他方の電極層どうしが導通されており、
複数の前記第2の電極層には、その内部に第1の方向に延びる配線通路を有して、前記配線通路で分割された2つの区分電極層からなるものが含まれており、
前記配線通路内を通過する配線層が、他の前記第2の電極層に導通し、
前記配線層の上に第2の絶縁層と第2のブリッジ接続層が形成されて、前記第2のブリッジ接続層によって前記2つの区分電極層どうしが導通されており、
前記配線層が、前記第1の電極層と対向する領域を通過し、この位置にある前記第1の電極層と前記配線層との間に、導電材料で形成された保護層が設けられていることを特徴とする入力装置。
【背景技術】
【0002】
携帯用電子機器などには、静電容量を検知する入力装置が設けられており、この入力装置は、カラー液晶パネルなどの表示パネルの前方に重ねられて配置されている。
【0003】
入力装置は、透光性の基板に複数の透光性の電極層が形成されており、電極層は、第1の方向に接続されている第1の電極層と第2の方向に接続されている第2の電極層とを有している。第1の電極層と第2の電極層の一方の電極層に駆動電力が与えられると、他方の電極層から検知出力が得られ、指などが入力装置のどの箇所に接近しているのかを検知できるようになる。
【0004】
この種の入力装置には、1つの基板の同じ表面に、第1の電極層と第2の電極層の双方が形成されて、基板数を減らして薄型化できるようにしたものがある。
【0005】
この入力装置では、前記基板の表面に、第1の電極層に接続される第1の配線層(リード層)と、第2の電極層に接続される第2の配線層(リード層)とを形成することが必要になるが、第1の電極層が第1の方向で接続され、第2の電極層が第2の方向で接続されているため、第1の配線層を基板の第1の方向の縁部で引き回し、第2の配線層を基板の第2の方向の縁部で引き回すことが必要になる。基板の互いに直交する2つの辺に配線領域を形成すると、この配線領域が検知領域として機能しないデッド領域となる。また、表面パネルに入力装置が取り付けられる場合に、配線領域を加飾層で覆うことが必要になり、この加飾層を設ける分だけ表示パネルの表示領域が狭くなる課題があった。
【0006】
特許文献1に記載されたタッチスクリーンパネルでは、Y方向に連続する第2感知電極と、第2感知電極どうしをY方向へ連結する第2接続パターンが一体に形成され、第2接続パターンの両側にX方向に並ぶ第1感知電極が互いに独立して形成されている。また、駆動パターンが、第1感知電極と第2感知電極との間を通過してY方向へ連続して延びている。第2接続パターンと駆動パターンは絶縁層で覆われており、絶縁層の上に形成された第1接続パターンによって、X方向に隣接する第1検知電極どうしが互いに接続されている。
【0007】
このタッチスクリーンパネルは、駆動パターンが第1接続パターンの下側を通過することで、第2感知電極に接続される駆動配線と、駆動パターンを介して第1感知電極に接続される駆動配線とを、基板のY方向に向く縁部にのみに引き出すことができる。
【0008】
特許文献2に記載されたタッチパネルは、基板の表面に、X方向に並ぶ複数の第1の電極と第1の電極どうしを連結する第1の導線が一体に形成されている。それぞれの第1の電極に開口部が形成されており、開口部の内部に第2の電極が互いに独立して形成されている。第1の電極の上には絶縁層が形成され、この絶縁層の上に第2の導線が形成され、第2の導線によってY方向で隣り合う第2の電極層どうしが接続されている。
【0009】
基板の表面には、Y方向に延びる導電セグメントが設けられて、それぞれの導電セグメントが第1の導線に接続されているが、接続すべきでない第1の導線と導電セグメントとの交差部では、第1の導線の表面に前記絶縁層が形成され、この絶縁層の上に形成された第3の導線を介して導電セグメントどうしが接続されている。
【0010】
このタッチパネルでは、X方向に導通している第1の電極に接続された導電セグメントがY方向に延びているため、第1の電極に接続されるリード線と、第2の電極に接続されるリード線を、基板のY方向の縁部にのみ引き回すことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
特許文献1に記載されたタッチスクリーンパネルでは、第1感知電極に導通する駆動パターンが、第2感知電極の側方に近接した位置を通過している。そのため、駆動パターンと第2感知電極との間で静電容量が形成され、駆動パターンと第2感知電極との対向部が感度領域となる。指などが接近すると、駆動パターンと第2感知電極との間に検知出力が発生することになり、この出力が、第1感度電極と第2感度電極との静電容量の変化を検知する本来の検知出力に対して検出ノイズとして重畳することになる。
【0013】
特許文献2に記載されたタッチパネルは、第1の電極に導通する導電セグメントがY方向に延びる配線層(リード層)として機能しているが、この導電セグメントが、開口部内に位置している第2の電極から離れているため、導電セグメントと第2の電極との静電結合が弱くなり、特許文献1に記載のような本来感度を持つべきでない領域が感度領域となる課題は生じにくい。
【0014】
しかし、特許文献2に記載されたタッチパネルは、Y方向に延びる導電セグメントが、X方向に隣り合う第1の電極の間を通過しているため、X方向に隣り合う第1の電極を導電セグメントを通過させるために離して配置することが必要となり、電極の密集配置が難しくなる。
【0015】
また、第1の電極に形成された開口部の中に第2の電極を配置するという複雑な構造を採用しているため、第2の電極どうしを接続している第2の導線の数を、1つの第1の電極に対して2箇所ずつ設けることが必要になる。よって、電極数を多くすると第2の導線の数および第2の導線の下に形成される絶縁ブロックの数が多くなり、背後に設けられる表示パネルを表示したときに、多くの第2の導線と絶縁ブロックが目視されやすく目立つようになり、表示品質を損いやすい。
【0016】
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、基板の縁部での配線領域を減らして表示領域(入力領域)の面積を拡大できるようにし、しかも配線層と電極層との間に不要な感度が形成される現象を抑制でき、さらに表示品質も良好に保つことができる入力装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、透光性の基板に、透光性の導電材料で形成された第1の電極層と第2の電極層とが形成され、複数の前記第1の電極層が第1の方向に並び、複数の前記第2の電極層が第1の方向と交差する第2の方向に並んでいる入力装置において、
前記第1の電極層と前記第2の電極層のいずれか一方の電極層どうしを連結する連結部が前記透光性の導電材料で一体に形成され、前記連結部の上に第1の絶縁層と第1のブリッジ接続層が重ねて形成されて、前記第1のブリッジ接続層によって他方の電極層どうしが導通されており、
前記第2の電極層の内部に第1の方向に延びる配線通路が形成されて、前記配線通路内を通過する配線層が、他の前記第2の電極層に導通しており、
前記第2の電極層を前記配線通路で区分した区分電極層と、前記配線層のいずれか一方の層が前記配線通路内で連続し、その連続部の上に第2の絶縁層と第2のブリッジ接続層が形成されて、前記第2のブリッジ接続層によって他方の層が導通されていることを
基本の構造としている。
【0018】
本発明の入力装置は、第2の電極層に導通する配線層が、第2の電極層に形成された配線通路内を通過しているため、配線層と第1の電極層との静電結合を弱めることができ、配線層と第1の電極層との間に、不必要な感度領域が形成されるのを防止できる。
【0019】
また、配線層は第2の電極層の内部を通過しているので、配線層を第1の方向へ引き出すための通路を第2の電極層の外部に形成する必要がなくなる。そのため、配線層の存在にかかわらず、第2の電極層の配置ピッチなどを適正に設定できるようになる。
【0020】
本発明は、前記配線通路が形成されていない前記第2の電極層の領域内に、開口部が形成されている
ことを特徴としている。また、前記第1の電極層の領域内
にも、開口部が形成されていることが好ましい。
【0021】
上記発明では、配線通路を有する第2の電極層と、配線通路を有しない他の電極層とで電極層の面積に大きな差が生じるのを防止できるようになり、それぞれの電極層での感度を揃えやすくなる。
【0022】
本発明の入力装置は、前記配線通路内を複数の前記配線層が通過しており、それぞれの前記配線層が異なる前記第2の電極層に導通しているものとして構成できる。
【0023】
また本発明は、前記第2の電極層に複数の前記配線通路が形成されて、それぞれの前記配線通路内を前記配線層が通過しており、それぞれの前記配線層が異なる前記第2の電極層に導通している
ことを特徴としている。
【0024】
本発明の入力装置は、前記配線通路は、前記第2の電極層を第2の方向に二分する中央部に形成されていることが好ましい。
【0025】
上記構成では、第2の電極層の両側に位置する第1の電極層のそれぞれと配線層との距離を均等に離すことができるようになる。
【0026】
本発明の入力装置は、前記第1の絶縁層と前記第2の絶縁層は同じ材料で同じ工程で形成され、前記第1のブリッジ接続層と前記第2のブリッジ接続層は、同じ材料で同じ工程で形成されていることが好ましい。
【0027】
例えば、本発明の入力装置は、前記第1の電極層と前記第2の電極層は四角形であり、四角形の角部が第1の方向と第2の方向へ向けられている。
【0028】
さらに、本発明の入力装置は、前記配線層が、前記第1の電極層と対向する領域を通過しており、この位置にある前記第1の電極層と前記配線層との間に、導電材料で形成された保護層が設けられている
ことを特徴としている。
【0029】
この場合に、前記保護層は、前記第1の電極層と同じ透光性の導電材料で形成されていることが好ましい。
【0030】
また、第1の方向に間隔を空けて配置されている前記保護層どうしを連結する保護連結層が、前記配線通路内を通過しているものとして構成できる。
【0031】
さらに、前記保護層が前記第2の電極層と連続して形成されているものとして構成できる。
【発明の効果】
【0032】
本発明の入力装置は、第2の電極層に導通する配線層が、第2の電極層に形成された配線通路内を通過しているため、配線層と第1の電極層とを離して配置できるようになり、配線層と第1の電極層との間に、不必要な感度領域が形成されにくくなり、検出精度を高めることができるようになる。
【0033】
また、配線層は第2の電極層の内部を通過しているので、配線層を第1の方向へ引き出すための通路を第2の電極層の外部に形成する必要がなくなる。そのため、配線層の存在にかかわらず、第2の電極層を配置しやすくなり、例えば第2の電極層の配置ピッチを適正に設定できるようになる。
【0034】
さらに、第1の電極層と配線層との間に保護層を形成することで、第1の電極層と配線層との間の静電容量を低減でき、検知ノイズを低減できるようになる。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1にタッチパネル1が示されている。タッチパネル1は、表面パネル2とその下に位置する本発明の入力装置10とから構成されている。
【0037】
表面パネル2は、携帯用電話機、ナビゲーション装置、ゲーム装置、通信装置などの各種電子機器のケースの一部を構成している。表面パネル2はアクリル系などの透光性の合成樹脂材料やガラスで形成されており、表面パネル2の外部から機器内部を透視できる。
【0038】
入力装置10は、透光性の基板11を有している。基板11はPET(ポリエチレン・テレフタレート)などの樹脂シートである。表面パネル2と入力装置10は、OCA(透明粘着性接着剤)を介して接着される。
【0039】
入力装置10は、Y方向が第1の方向で、X方向が第2の方向である。
図1と
図2に示すように、入力装置10は、第1の方向(Y方向)の一方の縁部10y側にのみ配線領域Hが設けられており、配線領域H以外の領域が検知領域Sとなっている。電子機器のケース内には、カラー液晶パネルなどの表示パネル5が収納されており、表示パネル5の表示画面を、表面パネル2と入力装置10の検知領域Sを透して外部から目視することが可能である。よって、検知領域Sが表示領域でもある。
【0040】
図2以下では、入力装置10が配線領域Hを図示上方に向けた姿勢で示されている。入力装置10は、第2の方向(X方向)に向く縁部10xに配線領域Hが形成されていないため、検知領域(表示領域)Sを、入力装置10の縁部10xにきわめて接近する位置まで広げることができ、配線のためのデッドスペースを無くすることができる。
【0041】
図2に示すように、基板11の共通の表面に、第1の方向(Y方向)に延びる第1の電極列20と、第2の方向(X方向)に延びる第2の電極列30が形成されている。
【0042】
第1の電極列20では、複数の第1の電極層21と、第1の電極層21をY方向に連結する(接続する)連結部22とが一体に形成されている、第1の電極列20はy1,y2,y3の3列設けられているが、この数は入力装置10の面積に応じて選択される。
【0043】
第1の電極層21は、正方形(または菱形)であり、正方形の角部がX方向とY方向に向けられており、連結部22は、Y方向に隣接する第1の電極層21の角部どうしを連結している。
【0044】
第2の電極列30は、x1,x2,x3,x4の4列に沿ってX方向に向けて均等なピッチで規則的に配列するとともに、ya,yb,yc,ydの各列に沿ってY方向へ均等なピッチで規則的に配列している。X方向とY方向の各列の数は入力装置10の面積に応じて選択される。第2の電極層31は正方形(または菱形)であり、各角部がX方向とY方向に向けられている。第1の電極層21と第2の電極層31の四角形の各辺の大きさは互いに一致している。
【0045】
第2の電極層31には、その中央部に配線通路32が形成されているものがあり、配線通路32が形成されている第2の電極層に符号31Aを付して、配線通路32を有しない第2の電極層31と区別している。
【0046】
第2の電極層31Aでは、配線通路32がY方向に直線的に延びて形成されている。配線通路32は、第2の電極層31AをX方向に均等に分割できるよう、X方向での中央部に形成されている。第2の電極層31Aは、配線通路32によって2つの区分電極層33,33に分割されている。
【0047】
第1の電極層21と連結部22および第2の電極層31,31Aは、同じ透光性の導電材料で形成されている。透光性の導電材料は、ITO(酸化インジウムスズ)層、銀ナノワイヤに代表される金属ナノワイヤ層、メッシュ状に形成された薄い金属層、あるいは導電性ポリマー層などで形成されている。
【0048】
図3には、y1列の第1の電極列20とx2列の第2の電極列30との交差部の積層構造が断面図で示されている。
【0049】
この交差部では、第1の電極列20の連結部22を覆う透光性の第1の絶縁層41が形成されており、第1の絶縁層41の上に第1のブリッジ接続層42が形成されている。第1のブリッジ接続層42によって、連結部22のX方向の両側に隣接する第2の電極層31どうしが接続されて導通されている。第1の電極列20と第2の電極列30の全ての交差部に、前記絶縁層41と第1のブリッジ接続層42が形成されており、x1列に並んでいる第2の電極層31(31A)がX方向に連結されている。同様にx2,x3,x4列においても、第2の電極層31(31A)がX方向に連結されている。
【0050】
透光性の第1の絶縁層41はノボラック樹脂またはノボラック樹脂とアクリル樹脂とで構成されている。第1のブリッジ接続層42は、アモルファスのITO層の下地層の上に、Au(金)、Au合金、CuNi合金(銅・ニッケル合金)、Ni(ニッケル)などの導電性金属材料が重ねられ、さらに好ましくはアモルファスのITO層の保護層で覆われている。
【0051】
第1の電極層21と連結部22および第2の電極層31がITO層で形成される場合には、これらを結晶性のITOで形成することで、第1の電極層21と連結部22および第2の電極層31を構成する結晶性のITOと、第1の絶縁層32を構成するアモルファスのITOとを選択してエッチングすることが可能になる。
【0052】
なお、第1の電極列20と第2の電極列30との交差部において、X方向に隣接する第2の電極層31(31A)どうしを連結する連結部が第2の電極層と一体に形成されて、複数の第2の電極層31(31A)がX方向に連続して形成されていてもよい。この場合には、互いに独立する第1の電極層21が前記連結部を挟んでY方向の両側に配置され、第2の電極層31(31A)を連結する前記連結部の上に第1の絶縁層41と第1のブリッジ接続層42が形成されて、第1のブリッジ接続層42によって、Y方向に隣接する第1の電極層21どうしが接続される。
【0053】
図2に示すように、基板11のY方向の一端に形成された配線領域Hには、y1列の第1の電極層21と一体に形成された第1の配線層25aと、y2,y3列の第1の電極層21のそれぞれと一体に形成された第1の配線層25b,25cが形成されている。また、配線領域Hには、第2の電極列30のそれぞれに導通する第2の配線層35a,35b,35c,35dが形成されている。
【0054】
第1の配線層25a,25b,25cと第2の配線層35a,35b,35c,35dは、前記配線領域Hで引き回され、配線領域Hに設けられたコネクタ部に導通している。
【0055】
図2に示すように、第2の配線層35aは、x1列とya列との交点に位置する第2の電極層31と一体に形成されている。
【0056】
第2の配線層35bは、x2列とyb列の交点に位置する第2の電極層31と一体に形成されている。この第2の配線層35bは、x1列とyb列の交点に位置する第2の電極層31Aに形成された配線通路32の内部を通過してY方向へ直線的に延びて配線領域Hに至っている。
【0057】
第2の配線層35cは、x3列とyc列の交点に位置する第2の電極層31と一体に形成されている。この第2の配線層35cは、x2列とyc列の交点に位置する第2の電極層31Aに形成された配線通路32と、x1列とyc列の交点に位置する第2の電極層31Aに形成された配線通路32の内部を通過してY方向へ直線的に延びて配線領域Hに至っている。
【0058】
第2の配線層35dは、x4列とyd列の交点に位置する第2の電極層31と一体に形成されている。この第2の配線層35dは、x3列とyd列の交点に位置する第2の電極層31Aに形成された配線通路32と、x2列とyd列の交点に位置する第2の電極層31Aに形成された配線通路32、およびx1列とyd列の交点に位置する電極層31Aに形成された配線通路32の内部を通過してY方向へ直線的に延びて配線領域Hに至っている。
【0059】
第2の配線層35aは、x1列に位置する第2の電極列30を構成する各第2の電極層31(31A)と導通しており、第2の配線層35b,35c,35dは、x2,x3,x4列に位置する第2の電極列30を構成する各第2の電極層31(31A)とそれぞれが導通している。
【0060】
第2の配線層35a,35b,35c,35dは、いずれも第2の電極層31を構成する透光性の導電材料によって、第2の電極層31と一体に形成されている。
【0061】
図4は、x3列とyd列の交点に位置する第2の電極層31Aの断面構造を示している。
【0062】
第2の電極層31Aは、配線通路32によって、区分電極層33,33に二分されている。配線通路32と第2の配線層35dの上に第2の絶縁層43が形成され、その上に第2のブリッジ接続層44が形成されている。配線通路32で分割されている区分電極層33,33は第2のブリッジ接続層44によって接続されており、これにより第2の電極層31Aは全体が1つの電極層として機能できるようになっている。
これは、他の場所に設けられた第2の電極層31Aの全てにおいて同じである。
【0063】
図4に示す第2の絶縁層43は、
図3に示す第1の絶縁層32と同じ材料で同じ工程で形成されている。
図4に示す第2のブリッジ接続層44は、
図3に示す第1のブリッジ接続層42と同じ材料で同じ工程で形成されている。
【0064】
入力装置10の製造工程は、基板11の表面にITOなどの透光性の導電材料が形成された素材が使用され、この導電材料がエッチングされて、第1の電極列20、第2の電極列30、第1の配線層25a,25b,25cおよび第2の配線層35a,35b,35c,35dが形成される。
【0065】
その後に、基板11上にノボラック樹脂とアクリル樹脂との樹脂層が形成され、フォトリソ工程で、第1の絶縁層41と第2の絶縁層43が同時にパターニングされる。さらにブリッジ接続層用の積層体が形成され、エッチング工程によって、第1のブリッジ接続層42と第2のブリッジ接続層44が同時に形成される。
【0066】
図2に示す入力装置10では、入力装置10と表面パネル2を透して外部から、表示パネル5の表示画像を目視できる。この表示を見ながら表面パネル2に指を触れることで、入力装置10を操作することができる。
【0067】
この入力装置10は、第1の電極列20と第2の電極列30との間に静電容量が形成されている。第1の電極列20と第2の電極列30のいずれか一方の電極列に順番にパルス状の駆動電力が与えられ、駆動電力が与えられたときに他方の電極列に流れる検知電流が検出される。指が接近すると、指と電極層との間に静電容量が形成されるため、前記検出電流が変化する。この検出電流の変化を検知することで、表面パネル2のどの箇所に指が接近しているかを検出することができる。
【0068】
第2の電極層31Aには、Y方向に貫通する配線通路32が形成されているため、配線通路32を有しない電極層よりも実質的に面積が小さくなり、検知動作において、電極層ごとに感度がばらつくおそれがある。そこで、
図2に示す実施の形態では、配線通路32が形成されていない第2の電極層31に開口部31bが形成されて、配線通路32を有する第2の電極層31Aと配線通路32を有していない第2の電極層31とで面積の差があまり生じないようにしている。
【0069】
さらに、第1の電極層21にも開口部21bが形成されて、第1の電極層21と第2の電極層31Aとで面積の差が大きく相違しないようにしている。
【0070】
前記入力装置10は、第2の配線層35a,35b,35c,35dが、第2の電極層31Aに形成された配線通路32の内部を通過してY方向へ延びている。第2の配線層35b,35c,35dは、X方向の両側に第2の電極層31Aの区分電極層33,33で挟まれているため、第2の配線層35b,35c,35dと、第1の電極層21とが隣接する領域を減少させることができ、第2の配線層35b,35c,35dと第1の電極層21との静電結合を低下させることができる。そのため、第2の配線層35b,35c,35dの引き回し部分が余分な感度を持つのを抑制でき、第1の電極列20と第2の電極列30との間で検知される本来の検知出力にノイズが重畳しにくくなり、検知精度を高めることが可能になる。
【0071】
また、第2の配線層35b,35c,35dは、第2の電極層31Aの内部を通過しているため、隣り合う電極層の間に第2の配線層を通過させるための通路を形成する必要がない。よって、各電極層21,31の配置が、第2の配線層の引き回しのために制約されることがなく、例えば各電極層21,31を互いに接近して配置することができ、検知動作の分解能を高めることが可能になる。
【0072】
図5は本発明の第2の実施の形態の入力装置110の電極の配置構造を示す部分平面図である。
図5では、
図2に示す第1の実施の形態と同じ構成部分に同じ符号を付して詳しい説明を省略する。
【0073】
図5に示す入力装置110では、第2の配線層35aが、x1列とya列の交点に位置する第2の電極層31Aと一体に形成されている。この第2の電極層31Aには配線通路32が形成されており、前記配線通路32の内部を通過する第2の配線層35bが、x2列とya列の交点に位置する第2の電極層31と一体に形成されている。
【0074】
x1列とyb列の交点に位置する第2の電極層31Aに形成された配線通路32内およびx2列とyb列の交点に位置する第2の電極層31Aに形成された配線通路32内を、2本の第2の配線層35c,35dが通過している。一方の第2の配線層35cは、x3列とyb列の交点に位置する第2の電極層31Aと一体に形成されている。他方の第2の配線層35dは、x3列とyb列の交点に位置する第2の電極層31Aの配線通路32の内部を通過し、x4列とyb列の交点に位置する第2の電極層31と一体に形成されている。
【0075】
x1列とyb列の交点に位置する第2の電極層31Aと、x2列とyb列の交点に位置する第2の電極層31Aは、配線通路32に、第2の配線層35c,35dが2本通過しているため、左右の区分電極層33,33を接続するための第2の絶縁層43と第2のブリッジ接続層44が、2本の第2の配線層35c,35dを跨ぐように形成されている。
【0076】
図2に示す第1の実施の形態の入力装置10は、第2の電極層31Aに形成された配線通路32に第2の配線層が1本のみ通過しているため、第2の電極層31(31A)は、例えばX方向の配列数とY方向の配列数が同数でなければ構成できない。これに対し、
図5に示す第2の実施の形態では、第2の電極層31Aの配線通路32に、第2の配線層が2本または複数本通過しているため、第2の電極層31(31A)の配列数をX方向よりもY方向が多くなるように構成することが可能になる。
【0077】
図6は本発明の第3の実施の形態の入力装置210の電極の配置構造を示す部分平面図である。以下では、
図5に示す第2の実施の形態の入力装置110との相違点のみを説明する。
【0078】
図6に示す入力装置210では、x1列とyb列の交点に位置する第2の電極層31Aと、x2列とyb列の交点に位置する第2の電極層31Aに、2本の配線通路32,32が別々に形成されている。第2の配線層35cは、一方の配線通路32の内部を通過し、第2の配線層35dは、他方の配線通路32の内部を通過している。
【0079】
前記第2の電極層31Aでは、配線通路32が2本形成されているため、電極層が3つの区分電極層33,33,33に分割されている。そして、それぞれの配線通路32において、第2の配線層を跨ぐ第2の絶縁層43と第2のブリッジ接続層44が形成されている。
【0080】
なお、x2列とyb列の交点に位置する第2の電極層31Aでは、一方の配線通路32を覆う第2の絶縁層43ならびに第2のブリッジ接続層44と、他方の配線通路32を覆う第2の絶縁層43ならびに第2のブリッジ接続層44とが、Y方向に距離を空けて形成されている。これにより、近接して配置される2組の第2の絶縁層43ならびに第2のブリッジ接続層44が、あたかも一体となるように目視されて目立ってしまう現象を防止しやすくしている。
【0081】
図7は本発明の変形例を示している。
図7には第2の電極層31Aが示されている。この第2の電極層31Aは、X方向に区分された区分電極層33,33が、連結部37によって連結されている。区分電極層33,33と連結部37は、同じ導電材料で一体に形成されている。配線通路32,32は、連結部37を挟んでY方向に分割されて形成されている。第2の配線層35e,35eは、前記配線通路32,32に配置されているが、連結部37を挟んで分離されている。
【0082】
この構成では、連結部37を覆う第2の絶縁層45と第2のブリッジ接続層46がY方向へ延びるようにして形成されており、第2のブリッジ接続層46によって、分離された第2の配線層35e,35eどうしが接続されて導通されている。
図8は本発明の第4の実施の形態の入力装置310を示している。
【0083】
図2に示す第1の実施の形態の入力装置10では、x4列とyd列との交差部に位置する第2の電極層31からY方向に延び出る第2の配線層35dが、xa,xb,xc,xdの各列を通過するときに、その右方向に位置する複数の第1の電極層21のそれぞれの角部と対向する。第2の配線層35cは、xa,xb,xcの各列を通過するときに、X方向の両側に位置する第1の電極層21のそれぞれの角部と対向する。第2の配線層35bは、xa,xbの各列を通過するときに、その両側に位置する第1の電極層21のそれぞれの角部と対向する。そして、第2の配線層35aは、xa列を通過するときに、第1の電極層21の角部と対向する。
【0084】
したがって、第2の配線層35a,35b,35c,35dと第1の電極層21の角部とが対向する部分で、両層の間に静電容量が形成される。第2の配線層は35aよりも35bの方が、第1の電極層21の角部との対向箇所が増え、これは第2の配線層35c,35d,・・・の順に増えていく。1本の第2の配線層と1個の第1の電極層21の角部とが対向する部分はわずかな長さであり、その部分で静電容量がさほど大きくならないが、第2の配線層35dなどのように、第1の電極層21の角部との対向箇所が増えていくと、静電容量の累積値が大きくなり、検知ノイズがやや大きくなる心配がある。
【0085】
そこで、
図8に示す第4の実施の形態の入力装置310では、ya,yb,yc,ydの各列とxa列との交差部、yb,yc,ydの各列とxb列との交差部、yc,ydの各列とxc列との交差部、およびyd列とxd列との交差部において、第2の配線層35a,35b,25c,25dと第1の電極層21との間に保護層51が形成されている。
【0086】
保護層51は、第1の電極層21と第2の電極層31と同じ透光性の導電材料で形成されている。保護層51の形状は特に限定されるものではないが、
図8に示す実施の形態では、保護層51が長方形であり、長辺がY方向に延びるように、第2の配線層35a,35b,35c,35dと平行に形成されている。
【0087】
複数の保護層51のそれぞれは互いに独立しており、第1の電極層21と第2の電極層31および第2の配線層35a,35b,35c,35dのいずれとも接続されることなく分離されている。この保護層51を設けることにより、第2の配線層35a,35b,35c,35dと第1の電極層21との間の静電容量を低減させることができる。
【0088】
図9は前記第4の実施の形態の入力装置310に設けられた保護層の変形例を示している。
【0089】
図9に示す保護層55は、第2の配線層35cと第1の電極層21との間に介在する直線部55aと、第1の電極層21の2つの辺と対向してX方向とY方向の双方に対して斜めに延びる傾斜部55bを有している。この変形例では、第1の電極層21のうちの第2の配線層35cに対向する部分が保護層55によって囲まれているため、第1の電極層21と第2の配線層35cとの間の静電容量をさらに低下させることが可能になる。
【0090】
図10には本発明の第5の実施の形態の形態の入力装置410が示されている。
第5の実施の形態では、第2の配線層35cと第1の電極層21との間に位置する保護層52が、これに最も近い位置にある第2の電極層31または31Aと連続して形成されている。この実施の形態では、保護層52がこれに近い位置にある第2の電極層31または31Aと常に同じ電位となるため、保護層52が個別に帯電するのを防止することができ、第2の配線層と第1の電極層21との間の静電容量を低下させる効果を高めることができる。
【0091】
図11には本発明の第6の実施の形態の形態の入力装置510が示されている。
図11には、yc列に位置する第2の電極層31,31Aと第2の配線層35cのみを取り出して拡大して示している。
【0092】
第6の実施の形態では、第2の配線層35cと第1の電極層21との間に配置されている保護層53どうしが、保護連結層54によって連結されている。保護連結層54は、第2の配線層35cと一緒に配線通路32の内部を通過している。よって、第2の絶縁層43と第2のブリッジ接続層44は、第2の配線層35cと保護連結層54の双方を覆うように形成されている。
【0093】
第6の実施の形態では、複数の保護層53を同一の電位に設定できるため、複数の保護層53が個別に帯電して、保護層53が互いに異なる電位となるのを避けることができ、静電容量を低下させる効果を高めることができる。
【0094】
図12には本発明の第7の実施の形態の入力装置610が示されている。
第7の実施の形態の入力装置610は、
図5に示した第2の実施の形態の入力装置110と同様に、x1列とyb列との交差部およびx2列とyb列との交差部に位置している第2の電極層31Aの配線通路32に、第2の配線層が35cと35dの2本通過している。同様に、yc列、yd列、ye列、・・・においても、第2の電極層31Aに2本の第2の配線層が通過している部分が存在する。
【0095】
この入力装置610は、
図2に示した第1の実施の形態の入力装置10と同様に、第1の電極層21に開口部21bが形成され、第2の電極層31に開口部31bが形成されている。そして、xa,xb,xc,・・・の各列と、ya,yb,yc,・・・の各列との交差部では、それぞれ2本の第2の配線層の両側であって第1の電極層21との対向部に保護層51が形成されている。保護層51は、第1の電極層21および第2の電極層31,31Aとは独立して形成されている。
【0096】
図12に示す実施の形態では、xa,xb,xc,・・・の各列において、X方向に隣り合う第1の電極層21の間に2本の第2の配線層が通過しているが、この2本の配線層と第1の電極層21との間に保護層51を形成することで、第2の配線層35a,35b,35c,・・・と第1の電極層21との間の静電容量を低下させることが可能になる。
【0097】
図13は、前記保護層51の効果を示すシミュレーション結果である。
このシミュレーションは、
図12に示す保護層51を有する第7の実施の形態の入力装置610と、
図5に示す保護層を有しない第2の実施の形態の入力装置110とを比較したものである。
図13(A)が、保護層51を有する入力装置610に関する結果で、
図13(B)が保護層51を有していない入力装置110に関する結果である。
【0098】
シミュレーションでは、第1の電極層21と第2の電極層31のそれぞれの1辺を3mm、第2の配線層35a,35b,・・・の幅寸法を45μm、
図5に示すように、保護層51を設けていないときの、第2の配線層と第1の電極層21の角部とのX方向の距離δを30μmとした。前記距離は、第2の配線層と第1の電極層21との対向部の全ての部分で同じ値である。また、保護層51は、X方向の幅寸法を500μm、Y方向の長さ寸法を1.2mmとした。さらに開口部21bと31bは3mm×0.18mmとした。
【0099】
図13に示すシミュレーションでは、第1の電極列20をy1からy12までの12列とし、第2の電極列30をx1からx21までの21列とした。
【0100】
この入力装置を用いた検知動作では、第1の電極列20がy1,y2,y3,・・・の順に駆動電極として選択されて順番に駆動電圧が印加される。y1の第1の電極列20が駆動電極として選択されている期間中に、第2の電極列30がx1,x2,x3,・・・列の順に選択されて検知電極となり、x1,x2,x3,・・・の列の順に出力が検知される。次に、y2の第1の電極列20が駆動電極として選択されている期間中に、第2の電極列30がx1,x2,x3,・・・の順に選択されて検知電極として出力が検知される。これがy3,y4,y5,・・・の順番で進行することで、表面パネル2に指が接近した位置をX−Y座標上で検知することが可能になる。
【0101】
図13に示すシミュレーションは、y1の第1の電極列20が駆動電極として選択されている期間中に、第2の電極列30をx1,x2,x3,x4,・・・の順に検知電極として選択し、x1,x2,x3,x4,・・・の順に選択した第2の電極列30とy1列の電極列20との間の静電容量をそれぞれ求めた。次に、y2の第1の電極列20が駆動電極として選択されている期間中に、x1,x2,x3,x4,・・・の各第2の電極列30を検知電極として順番に選択し、順番に選択した第2の電極列30とy1列の電極列20との間の静電容量をそれぞれ求めた。これを、y3,y4,y5,・・・,y12の順に繰り返した結果である。
【0102】
図13(A)と
図13(B)は、共に、横軸が、検知電極として順番に選択された第2の電極列30の列x1,x2,x3,・・・,x21を示しており、縦軸は、駆動電極として選択されたy1,y2,y3,・・・,y12の各列の第1の電極列20と、x1,x2,x3,・・・,x21のそれぞれの列の第2の電極列30との間の静電容量(単位はpF)を示している。
【0103】
図13(A)に示すように保護層51を設けたシミュレーション結果では、y12列の第1の電極列20を駆動電極とし、X21列の第2の電極列30を検知電極としたときに、両電極列間の静電容量が最大値CAとなり、CA=0.88pFであった。これに対し、
図13(B)に示すように、保護層51を設けないシミュレーション結果では、y12列の第1の電極列20を駆動電極とし、X21列の第2の電極列30を検知電極としたときに、両電極列間の静電容量が最大値CBとなり、CB=1.07pFであった。
【0104】
保護層51を設けることにより、第2の配線層と第1の電極層21との間の静電容量の累積値の最大値を、18%程度改善することができる。