【文献】
Appl. Biochem. Biotechnol.,2011年,Vol.165,pp.845-855
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記大腸菌由来のN‐アセチルグルタミン酸シンターゼが、配列番号1のアミノ酸配列で構成される、請求項1に記載のプトレシンまたはオルニチン生産能を有するコリネバクテリウム属微生物。
前記大腸菌由来のアセチルオルニチンデアセチラーゼが、配列番号3のアミノ酸配列で構成される、請求項1に記載のプトレシンまたはオルニチン生産能を有するコリネバクテリウム属微生物。
前記コリネバクテリウム属微生物が、コリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum )である、請求項1に記載のプトレシンまたはオルニチン生産能を有するコリネバクテリウム属微生物。
前記コリネバクテリウム属微生物が、さらにホスホトランスアセチラーゼ(phosphotransacetylase)及び酢酸キナーゼ(acetate kinase)オペロン(pta‐ackA operon)の活性が内在的活性に比べて強化された、請求項1に記載のプトレシンまたはオルニチン生産能を有するコリネバクテリウム属微生物。
前記ホスホトランスアセチラーゼ及び酢酸キナーゼオペロンが、配列番号5または配列番号7のアミノ酸配列で構成される、請求項5に記載のプトレシンまたはオルニチン生産能を有するコリネバクテリウム属微生物。
前記コリネバクテリウム属微生物が、さらに大腸菌由来のアセチルCoA合成酵素(acetyl‐CoA synthetase, acs)の活性が導入されたものである、請求項1に記載のプトレシンまたはオルニチン生産能を有するコリネバクテリウム属微生物。
前記コリネバクテリウム属微生物が、さらにオルニチンデカルボキシラーゼ(ornithine decarboxylase, ODC)の活性が導入されたものである、請求項1に記載のプトレシンまたはオルニチン生産能を有するコリネバクテリウム属微生物。
前記コリネバクテリウム属微生物が、さらにi)オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ(ArgF)、ii)グルタミン酸エクスポーターまたはiii)オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ及びグルタミン酸エクスポーターの活性が内在的活性に比べて弱化された、請求項1に記載のプトレシンまたはオルニチン生産能を有するコリネバクテリウム属微生物。
前記コリネバクテリウム属微生物が、さらにアセチルγグルタミルリン酸レダクターゼ(ArgC)、アセチルグルタミン酸シンターゼまたはオルニチンアセチルトランスフェラーゼ(ArgJ)、アセチルグルタミン酸キナーゼ(ArgB)、及びアセチルオルニチンアミノトランスフェラーゼ(ArgD)で構成される群から選択される1種以上の活性が内在的活性に比べて強化された、請求項1に記載のプトレシンまたはオルニチン生産能を有するコリネバクテリウム属微生物。
前記コリネバクテリウム属微生物が、さらにアセチルトランスフェラーゼの活性が内在的活性より弱化された、請求項1に記載のプトレシンまたはオルニチン生産能を有するコリネバクテリウム属微生物。
前記アセチルトランスフェラーゼが、配列番号30または31のアミノ酸配列で構成されるタンパク質である、請求項12に記載のプトレシンまたはオルニチン生産能を有するコリネバクテリウム属微生物。
前記コリネバクテリウム属微生物が、さらにプトレシンエクスポーターの活性が内在的活性より強化された、請求項1に記載のプトレシンまたはオルニチン生産能を有するコリネバクテリウム属微生物。
前記プトレシンエクスポーターが、配列番号26または配列番号28のアミノ酸配列で構成されるタンパク質である、請求項14に記載のプトレシンまたはオルニチン生産能を有するコリネバクテリウム属微生物。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一様態は、大腸菌由来のN‐アセチルグルタミン酸シンターゼ(N-acetylglutamate synthase)及び大腸菌由来のアセチルオルニチンデアセチラーゼ(Acetylornithine deacetylase)の活性が導入された、プトレシンまたはオルニチン生産能を有するコリネバクテリウム属微生物を提供する。
【0016】
本発明の一つの具体例は、前記大腸菌由来のN‐アセチルグルタミン酸シンターゼが、配列番号1のアミノ酸配列で構成されるものである、プトレシンまたはオルニチン生産能を有するコリネバクテリウム属微生物を提供する。
【0017】
本発明のもう一つの具体例は、前記大腸菌由来のアセチルオルニチンデアセチラーゼが、配列番号3のアミノ酸配列で構成されるものである、プトレシンまたはオルニチン生産能を有するコリネバクテリウム属微生物を提供する。
【0018】
本発明のもう一つの具体例は、前記コリネバクテリウム属微生物が、コリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)、コリネバクテリウム・アンモニアゲネス(Corynebacterium ammoniagenes)、コリネバクテリウム・サーモアミノゲネス(Corynebacterium thermoaminogenes)、ブレビバクテリウム・フラバム(Brevibacterium flavum)及びブレビバクテリウム・ラクトファーメンタム(Brevibacterium lactofermentum)からなる群から選択されるものである、プトレシンまたはオルニチン生産能を有するコリネバクテリウム属微生物を提供する。
【0019】
本発明のもう一つの具体例は、前記コリネバクテリウム属微生物が、さらにホスホトランスアセチラーゼ(phosphotransacetylase)及び酢酸キナーゼ(acetate kinase)オペロン(pta‐ackA operon)の活性が内在的活性に比べて強化された、プトレシンまたはオルニチン生産能を有するコリネバクテリウム属微生物を提供する。
【0020】
本発明のもう一つの具体例は、前記ホスホトランスアセチラーゼ及び酢酸キナーゼオペロンが、配列番号5または配列番号7のアミノ酸配列で構成されるものである、プトレシンまたはオルニチン生産能を有するコリネバクテリウム属微生物を提供する。
【0021】
本発明のもう一つの具体例は、前記コリネバクテリウム属微生物が、さらに大腸菌由来のアセチルCoA合成酵素(acetyl‐CoA synthetase, acs)の活性が導入された、プトレシンまたはオルニチン生産能を有するコリネバクテリウム属微生物を提供する。
【0022】
本発明のもう一つの具体例は、前記アセチルCoA合成酵素が、配列番号9のアミノ酸配列で構成されるものである、プトレシンまたはオルニチン生産能を有するコリネバクテリウム属微生物を提供する。
【0023】
本発明のもう一つの具体例は、前記コリネバクテリウム属微生物が、さらにオルニチンデカルボキシラーゼ(ornithine decarboxylase, ODC)の活性が導入されるものである、プトレシンまたはオルニチン生産能を有するコリネバクテリウム属微生物を提供する。
【0024】
本発明のもう一つの具体例は、 前記コリネバクテリウム属微生物が、さらにi)オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ(ArgF)、ii)グルタミン酸エクスポーターまたはiii)オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ及びグルタミン酸エクスポーターの活性が内在的活性に比べて弱化された、プトレシンまたはオルニチン生産能を有するコリネバクテリウム属微生物を提供する。
【0025】
本発明のもう一つの具体例は、 前記コリネバクテリウム属微生物が、さらにアセチルγグルタミルリン酸レダクターゼ(ArgC)、アセチルグルタミン酸シンターゼまたはオルニチンアセチルトランスフェラーゼ(ArgJ)、アセチルグルタミン酸キナーゼ(ArgB)、及びアセチルオルニチンアミノトランスフェラーゼ(ArgD)で構成される群から選択される1種以上の活性が内在的活性に比べて強化された、プトレシンまたはオルニチン生産能を有するコリネバクテリウム属微生物を提供する。
【0026】
本発明のもう一つの具体例は、前記コリネバクテリウム属微生物が、さらにアセチルトランスフェラーゼの活性が内在的活性より弱化された、プトレシンまたはオルニチン生産能を有するコリネバクテリウム属微生物を提供する。
【0027】
本発明のもう一つの具体例は、前記アセチルトランスフェラーゼが、配列番号30または配列番号31のアミノ酸配列で構成されるタンパク質である、プトレシンまたはオルニチン生産能を有するコリネバクテリウム属微生物を提供する。
【0028】
本発明のもう一つの具体例は、前記コリネバクテリウム属微生物が、さらにプトレシンエクスポーターの活性が内在的活性より強化された、プトレシンまたはオルニチン生産能を有するコリネバクテリウム属微生物を提供する。
【0029】
本発明のもう一つの具体例は、 前記プトレシンエクスポーターが、配列番号26または配列番号28のアミノ酸配列で構成されるタンパク質である、プトレシンまたはオルニチン生産能を有するコリネバクテリウム属微生物を提供する。
【0030】
本発明の他の様態は、
(i)前記プトレシンまたはオルニチン生産能を有するコリネバクテリウム属微生物を培地で培養する段階;及び
(ii)前記培養された微生物または培地からプトレシンまたはオルニチンを回収する段階を含む、プトレシンまたはオルニチンの生産方法を提供する。
本発明の一つの具体例は、前記コリネバクテリウム属微生物が、コリネバクテリウム・グルタミカムである、プトレシンまたはオルニチンの生産方法を提供する。
【0032】
本発明の一様態は、大腸菌由来のN‐アセチルグルタミン酸シンターゼ(N-acetylglutamate synthase)及び大腸菌由来のアセチルオルニチンデアセチラーゼ(Acetylornithine deacetylase)の活性が導入された、プトレシンまたはオルニチン生産能を有するコリネバクテリウム属微生物に関する。
【0033】
本発明で使用される用語、「N‐アセチルグルタミン酸シンターゼ(N-acetylglutamate synthase)」は、グルタミン酸とアセチルCoAからN‐アセチルグルタミン酸が生成される反応を媒介する酵素であって、生成されるN‐アセチルグルタミン酸はオルニチンとアルギニンとの前駆体として用いられる。
【0034】
本発明でN‐アセチルグルタミン酸シンターゼは、例えば、配列番号1のアミノ酸配列を含むタンパク質、または前記配列と70%以上、具体的には80%以上、より具体的には90%以上、より一層具体的には95%以上、さらに具体的には98%以上、最も具体的には99%以上の相同性を示すアミノ酸配列であって、実質的にN‐アセチルグルタミン酸シンターゼとしての活性を有するタンパク質であれば、制限なく含まれてもよい。
【0035】
また、微生物の種または菌株に応じて、前記活性を示すタンパク質のアミノ酸配列に差が存在する場合があるため、本発明でN‐アセチルグルタミン酸シンターゼは由来に限定されないが、例えば、大腸菌由来であってもよい。前記配列と相同性を有する配列として実質的に配列番号1のタンパク質と同一であるか、または相応する生物学的活性を有するアミノ酸配列であれば、一部の配列が欠失、変形、置換または付加されたアミノ酸配列を有する場合も、本発明の範囲に含まれるのは自明である。
【0036】
本発明のN‐アセチルグルタミン酸シンターゼをコードするポリヌクレオチドは、前記N‐アセチルグルタミン酸シンターゼタンパク質と同様の活性を有する限り、配列番号1のアミノ酸配列または前記配列と70%以上、具体的には80%以上、より具体的には90%以上、より一層具体的には95%以上、さらに具体的には98%以上、最も具体的には99%以上の相同性を示すタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含んでもよく、例示的には配列番号2のポリヌクレオチド配列を含んでもよい。
【0037】
本発明で使用される用語、「アセチルオルニチンデアセチラーゼ(Acetylornithine deacetylase)」は、アセチルオルニチンの加水分解を媒介してアセテートとオルニチンが生成される反応を媒介する酵素である。
【0038】
本発明でアセチルオルニチンデアセチラーゼは、配列番号3のアミノ酸配列を含むタンパク質、または前記配列と70%以上、具体的には80%以上、より具体的には90%以上、より一層具体的には95%以上、さらに具体的には98%以上、最も具体的には99%以上の相同性を示すアミノ酸配列であって、実質的にアセチルオルニチンからアセチル基とオルニチンとを分離させる活性を有するタンパク質であれば、制限なく含まれてもよい。
【0039】
また、微生物の種または菌株に応じて、前記活性を示すタンパク質のアミノ酸配列に差が存在する場合があるため、本発明でアセチルオルニチンデアセチラーゼは由来に限定されないが、例えば、大腸菌由来であってもよい。前記配列と相同性を有する配列として実質的に配列番号3のタンパク質と同一であるか、または相応する生物学的活性を有するアミノ酸配列であれば、一部の配列が欠失、変形、置換または付加されたアミノ酸配列を有する場合も、本発明の範囲に含まれるのは自明である。
【0040】
本発明のアセチルオルニチンデアセチラーゼをコードするポリヌクレオチドは前記アセチルオルニチンデアセチラーゼタンパク質と同様の活性を有する限り、配列番号3のアミノ酸配列または前記配列と70%以上、具体的には80%以上、より具体的には90%以上、より一層具体的には95%以上、さらに具体的には98%以上、最も具体的には99%以上の相同性を示すタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含んでもよく、例示的には配列番号4のポリヌクレオチド配列を含んでもよい。
【0041】
また、本発明のN‐アセチルグルタミン酸シンターゼまたはアセチルオルニチンデアセチラーゼをコードするポリヌクレオチドは、配列番号2または4のポリヌクレオチド配列または前記ポリヌクレオチド配列から由来されたプローブ(probe)と厳格な条件(stringent conditions)で混成化されてもよく、正常的に機能するN‐アセチルグルタミン酸シンターゼまたはアセチルオルニチンデアセチラーゼをコードする変異型であってもよい。前記で用語「厳格な条件」とは、ポリヌクレオチド間の特異的な混成化を可能にする条件を意味する。例えば、このような厳格な条件は文献(例えば、J. Sambrook et al., 同上)に具体的に記載されている。
【0042】
前記で用語、「相同性」は、与えられたアミノ酸配列またはポリヌクレオチド配列と一致する程度を意味し、パーセンテージで表示されてもよい。本明細書で、与えられたアミノ酸配列またはポリヌクレオチド配列と同一であるか、または同様の活性を有するその相同性配列が「%相同性」と表示される。例えば、スコア(score)、同一性(identity)及び類似度(similarity)などのパラメータ(parameter)を計算する標準ソフトウェア、具体的にBLAST 2.0を用いたり、定義された厳格な条件下でサザン混成化実験により配列を比較することによって確認することができ、定義されている適切な混成化条件は、当該技術の範囲内であり、当業者によく知られている方法(例えば、J. Sambrook et al., Molecular Cloning, A Laboratory Manual, 2nd Edition, Cold Spring Harbor Laboratory press, Cold Spring Harbor, New York, 1989; F.M. Ausubel et al., Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, Inc., New York)で決定されてもよい。
【0043】
一方、本発明の微生物は天然型または変異型を両方含み、その例としては、 例としては、エシェリキア属(Escherichia sp.)、 赤痢菌属(Shigella sp.)、シトロバクター属(Citrobacter sp.)、サルモネラ属(Salmonella sp.)、エンテロバクター属(Enterobacter sp.)、エルシニア属(Yersinia sp.)、クレブシエラ属(Klebsiella sp.)、エルウィニア属(Erwinia sp.)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium sp.)、ブレビバクテリウム属(Brevibacterium sp.)、ラクトバチルス属(Lactobacillus sp.)、セレノマナス属(Selenomanas sp.)、ビブリオ属(Vibrio sp.)、シュードモナス属(Pseudomonas sp.)、ストレプトマイセス属(Streptomyces sp.)、アルカノバクテリウム属(Arcanobacterium sp.)、アルカリゲネス属(Alcaligenes sp.)などに属する微生物であってもよい。具体的に、本発明の微生物はコリネバクテリウム属に属する微生物であってもよく、より具体的には、コリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum )、コリネバクテリウム・アンモニアゲネス(Corynebacterium ammoniagenes)、コリネバクテリウム・サーモアミノゲネス(Corynebacterium thermoaminogenes)、ブレビバクテリウム・フラバム(Brevibacterium flavum)及びブレビバクテリウム・ラクトファーメンタム(Brevibacterium lactofermentum)からなる群から選択されるものであってもよく、さらに具体的には、コリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum )であってもよいが、これに限定されない。
【0044】
特に、本発明の用語、「プトレシンまたはオルニチン生産能を有するコリネバクテリウム属微生物」は、コリネバクテリウム属微生物であって、プトレシンまたはオルニチンの生産能が天然的にあるか、プトレシンまたはオルニチンの生産能のない親菌株にプトレシンまたはオルニチンの生産能が付与された微生物を意味する。
【0045】
前記プトレシンまたはオルニチン生産能が付与されるか、または生産する微生物は、特にこれに制限されないが、グルタミン酸からオルニチンまでの生合成経路を強化するために、グルタミン酸をアセチルグルタミン酸(N-acetylglutamate)に転換するアセチルグルタミン酸シンターゼ、またはアセチルオルニチンをオルニチンに転換するオルニチンアセチルトランスフェラーゼ(ArgJ)、アセチルグルタミン酸をアセチルグルタミルリン酸(N‐acetylglutamyl phosphate)に転換するアセチルグルタミン酸キナーゼ(ArgB)、アセチルグルタミルリン酸をアセチルグルタミン酸セミアルデヒド(N-acetylglutamate semialdehyde)に転換するアセチルγグルタミルリン酸レダクターゼ(ArgC)、アセチルグルタミン酸セミアルデヒドをアセチルオルニチン(N‐acetylornithine)に転換するアセチルオルニチンアミノトランスフェラーゼ(ArgD)の活性を内在的活性に比べて増加させるように変形させてプトレシンの生合成原料として用いられるオルニチンの生産性が向上されたものであってもよい。
【0046】
また、前記微生物はオルニチンにおいて、アルギニンの合成に関与するオルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ(ornithine carbamoyltransfrase, ArgF)、グルタミン酸の排出に関与するタンパク質、及び/またはプトレシンをアセチル化させるタンパク質の活性を内在的活性に比べて弱化させるように変異されて/変異されるか、オルニチンデカルボキシラーゼ(ornithine decarboxylase, ODC)の活性を導入するように変形されたものであってもよい。
【0047】
本発明の用語、「活性が導入」されることは、微生物内に存在しないか、または不備したタンパク質の活性が該当微生物に新たに導入されるか、または増大されることを意味することができ、具体的に微生物に存在しないタンパク質をコードする遺伝子を発現可能に微生物内に挿入または伝達するか、微生物内で発現ができないか、またはほとんどできなかったタンパク質に対して発現を強化する変異を誘導することを含むが、前記例に制限されない。
【0048】
一方、本発明で活性が導入されるか、活性化強化されるか、または活性が弱化されるなどの変異は、形質転換という過程を介して起ってもよく、本発明で用語、「形質転換」は、特定のタンパク質をコードするポリヌクレオチドや活性が強いか弱いプロモーター配列などを含むベクターを宿主細胞内に導入して、宿主細胞内で前記ポリヌクレオチドがコードするタンパク質が発現するようにしたり、または宿主細胞の染色体の変異を誘導することを意味する。また、前記ポリヌクレオチドは、標的タンパク質をコードするDNA及びRNAを含む。前記ポリヌクレオチドは、宿主細胞内に導入されて発現または変異を誘導することができるものであれば、どのような形態で導入されるものであっても構わない。例えば、前記ポリヌクレオチドは、それ自体で発現されて、必要なすべての要素を含む遺伝子構造体である発現カセット(expression cassette)の形態で宿主細胞に導入されてもよい。前記発現カセットは、通常、前記ポリヌクレオチドに作動可能に連結されているプロモーター(promoter)、転写終結シグナル、リボソーム結合部位、及び翻訳終結シグナルを含んでもよい。前記発現カセットは、それ自体の複製が可能な発現ベクター形態であってもよい。また、前記ポリヌクレオチドは、それ自体の形態で宿主細胞に導入され、宿主細胞で発現に必要な配列と作動可能に連結されているものであってもよく、これに限定されない。
【0049】
また、本発明で使用される用語、「作動可能に連結」されたというのは、本発明の特定タンパク質をコードするポリヌクレオチドの転写を開始及び媒介するようにするプロモーター配列と前記遺伝子配列が機能的に連結されていることを意味する。
【0050】
本発明で使用される用語、「ベクター」は、適切な宿主内で目的タンパク質を発現させられるように、適切な調節配列に作動可能に連結された前記目的タンパク質をコードするポリヌクレオチドの塩基配列を含有するDNA製造物を意味する。前記調節配列は、転写を開始することができるプロモーター、このような転写を調節するための任意のオペレーター配列、適切なmRNAリボソーム結合部位をコードする配列、及び転写及び解読の終結を調節する配列を含む。ベクターは、適切な宿主細胞内に形質転換された後、宿主ゲノムに関係なく複製または機能することができ、ゲノム自体に組み込まれる。
【0051】
本発明で使用されるベクターは、宿主細胞内で複製可能なものであれば特に限定されず、当業界に知られている任意のベクターを用いてもよい。通常使用されるベクターの例としては、天然の状態であるか、組み換えされた状態のプラスミド、コスミド、ウイルス及びバクテリオファージが挙げられる。例えば、ファージベクターまたはコスミドベクターとして、pWE15、M13、MBL3、MBL4、IXII、ASHII、APII、t10、t11、Charon4A、及びCharon21Aなどを用いてもよく、プラスミドベクターとして、pBR系、pUC系、pBluescriptII系、pGEM系、pTZ系、pCL系及びpET系などを用いてもよい。本発明で使用可能なベクターは、特に制限されるものではなく、公知の発現ベクターを用いてもよい。具体的には、pDZ、pDZTn、pACYC177、pACYC184、pCL、pECCG117、pUC19、pBR322、pMW118、pCC1BACベクターなどを用いてもよい。
【0052】
このように、細菌内染色体挿入用ベクターを介して、染色体内に目的タンパク質をコードするポリヌクレオチドを変異されたポリヌクレオチドに置換することができる。前記ポリヌクレオチドの染色体内への挿入は、当業界で公知の任意の方法、例えば相同組み換えにより行うことができるが、これに限定されない。本発明のベクターは、相同組み換えを起こして染色体に挿入されるため、前記染色体に導入されたかどうかを確認するための選別マーカー(selection marker)をさらに含んでもよい。選別マーカーは、ベクターで形質転換した細胞を選択、すなわち目的ポリヌクレオチドが挿入されたかどうかを確認するためのものであり、薬物耐性、栄養要求性、細胞毒性剤に対する耐性、または表面タンパク質の発現などの選択可能表現型を付与するマーカーを用いてもよい。選択剤(selective agent)で処理された環境においては、選択マーカーを発現する細胞のみ生存するか、または他の表現形質を示すので、形質転換した細胞を選別することができる。
【0053】
本発明のコリネバクテリウム属微生物は、さらにホスホトランスアセチラーゼ(phosphotransacetylase)及び酢酸キナーゼ(acetate kinase)オペロン(pta‐ackA operon)の活性が内在的活性に比べて強化された、プトレシンまたはオルニチン生産能を有するコリネバクテリウム属微生物であってもよい。
【0054】
本発明でホスホトランスアセチラーゼ(phosphotransacetylase)及び酢酸キナーゼ(acetate kinase)オペロン(pta‐ackA operon)は、グルコースやピルビン酸から生成されたアセチルCoAがアセチルリンを経て、アセテートに転換される代謝経路とその反対方向の代謝経路を可逆的に媒介する遺伝子を含むオペロンである。
【0055】
本発明で、ホスホトランスアセチラーゼ及び酢酸キナーゼオペロンは、配列番号5または7のアミノ酸配列を含むタンパク質、または前記配列と70%以上、具体的には80%以上、より具体的には90%以上、より一層具体的には95%以上、さらに具体的には98%以上、最も具体的には99%以上の相同性を示すアミノ酸配列であって、実質的にアセテートからアセチルCoAが生成される反応を媒介するタンパク質であれば、制限なく含まれてもよい。
【0056】
また、微生物の種または菌株に応じて、前記活性を示すタンパク質のアミノ酸配列に差が存在する場合があるため、本発明でホスホトランスアセチラーゼ及び酢酸キナーゼオペロンは由来に限定されない。前記配列と相同性を有する配列として実質的に配列番号5または7のタンパク質と同一であるか、または相応する生物学的活性を有するアミノ酸配列であれば、一部の配列が欠失、変形、置換または付加されたアミノ酸配列を有する場合も、本発明の範囲に含まれるのは自明である。
【0057】
本発明のホスホトランスアセチラーゼ及び酢酸キナーゼオペロンをコードするポリヌクレオチドは配列番号5または7のアミノ酸配列または前記配列と70%以上、具体的には80%以上、より具体的には90%以上、より一層具体的には95%以上、さらに具体的には98%以上、最も具体的には99%以上の相同性を示すタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含んでもよく、最も具体的には配列番号6または8のポリヌクレオチド配列を含んでもよい。
【0058】
本発明の用語、「活性が強化」されるのは、タンパク質自体の活性が新たに導入されたり増大され、本来の機能以上の効果を導出することを含むことだけではなく、内在的遺伝子活性の増加、内部または外部の要因から内在的遺伝子の増幅、前記遺伝子発現の抑制調節因子の欠失、遺伝子コピー数の増加、外部からの遺伝子の導入、発現調節配列の変形、特にプロモーターの交替または変形及び遺伝子内の突然変異による酵素活性の増加などにより、その活性が増加されることを含む。
【0059】
具体的には、本発明で活性増加は、
1)前記酵素を暗号化するポリヌクレオチドのコピー数増加、
2)前記ポリヌクレオチドの発現が増加するように発現調節配列の変形、
3)前記酵素の活性が強化されるように染色体上のポリヌクレオチド配列の変形、または
4)その組み合わせによって強化されるように変形する方法などにより行ってもよいが、これに限定されない。
【0060】
前記1)ポリヌクレオチドのコピー数の増加は、特にこれに限定されないが、ベクターに作動可能に連結された形態で行われるか、宿主細胞内の染色体内に挿入されることによって行われてもよい。具体的に、本発明の酵素を暗号化するポリヌクレオチドが作動可能に連結された、宿主に関係なく複製されて機能することができるベクターが宿主細胞内に導入されることによって行われるか、前記ポリヌクレオチドが作動可能に連結された、宿主細胞内の染色体内に前記ポリヌクレオチドを挿入することができるベクターが宿主細胞内に導入されることで前記宿主細胞の染色体内の前記ポリヌクレオチドのコピー数を増加する方法で行うことができる。
【0061】
次に、2)ポリヌクレオチドの発現が増加するように発現調節配列の変形は、特にこれに限定されないが、前記発現調節配列の活性をさらに強化するようにポリヌクレオチド配列を欠失、挿入、非保存的または保存的置換またはこれらの組み合わせで配列上の変異を誘導して行うか、さらに強い活性を有するポリヌクレオチド配列に交替することによって行うことができる。前記発現調節配列は、特にこれに限定されないが、プロモーター、オペレーター配列、リボソーム結合部位をコードする配列、転写及び解読の終結を調節する配列などを含んでもよい。
【0062】
前記ポリヌクレオチド発現単位の上部には、本来のプロモーターの代わりに強力な異種プロモーターが連結されてもよく、前記強力なプロモーターの例としては、CJ7プロモーター、lysCP1プロモーター、EF‐Tuプロモーター、groELプロモーター、aceAあるいはaceBプロモーターなどがあり、より具体的には、コリネバクテリウム由来のプロモーターであるlysCP1プロモーター(特許文献4)、あるいはCJ7プロモーター(特許文献5及び特許文献6)と作動可能に連結されて前記酵素をコードするポリヌクレオチドの発現率を向上させることができるが、これに限定されない。
【0063】
また、3)染色体上のポリヌクレオチド配列の変形は、特にこれに制限されないが、前記ポリヌクレオチド配列の活性をさらに強化するようにポリヌクレオチド配列を欠失、挿入、非保存的または保存的置換またはこれらの組み合わせで発現調節配列上の変異を誘導して行うか、さらに強い活性を有するように改良したポリヌクレオチド配列に交替することによって行うことができる。
【0064】
特に、本発明で前記ホスホトランスアセチラーゼ及び酢酸キナーゼオペロン(pta‐ackA operon)の活性が内在的活性に比べて強化されることは、前記オペロンの細胞内コピー数の増加、前記オペロンの発現調節配列に変異を導入する方法、前記オペロン上の遺伝子の発現調節配列を活性が強力な配列に交替する方法、前記オペロンを構成する酵素の活性が増加するように突然変異された遺伝子で染色体上の前記酵素を暗号化する遺伝子を代替する方法及び前記オペロンを構成する酵素の活性が強化されるように前記酵素を暗号化する染色体上の遺伝子に変異を導入させる方法で構成される群から選択されるいずれか一つ以上の方法を介してなすものであってもよい。具体的に、前記ホスホトランスアセチラーゼ及び酢酸キナーゼオペロン上の遺伝子の発現調節配列を活性が強力な配列に交替する方法は、前記ホスホトランスアセチラーゼ及び酢酸キナーゼオペロンの内在的プロモーターの代わりに、例えば、CJ7プロモーター、lysCP1プロモーター、EF‐Tuプロモーター、groELプロモーター、aceAあるいはaceBプロモーターなどに交替してもよいが、これに限定されない。
【0065】
本発明で使用される用語、「内在的活性」とは、本来微生物が変形されてない状態で有している酵素の活性状態を意味し、「内在的活性に比べて強化」されたことは、活性を示す遺伝子が導入されたり、または当該遺伝子のコピー数の増加、前記遺伝子発現の抑制調節因子の欠失または発現調節配列の変形、例えば、改良されたプロモーターの使用などのような操作が行われる前の微生物が有する活性に比べて、操作が行われた以降の微生物が有する活性が増加した状態を意味する。
【0066】
本発明のコリネバクテリウム属微生物は、さらに大腸菌由来のアセチルCoA合成酵素(acetyl‐CoA synthetase, acs)の活性が導入された、プトレシンまたはオルニチン生産能を有するコリネバクテリウム属微生物であってもよい。
【0067】
本発明で、アセチルCoA合成酵素(acetyl‐CoA synthetase, acs)は、ATP、アセテート及びCoAからアセチルCoAが生成される反応を媒介する酵素である。
【0068】
本発明でアセチルCoA合成酵素は、配列番号9のアミノ酸配列を含むタンパク質、または前記配列と70%以上、具体的には80%以上、より具体的には90%以上、より一層具体的には95%以上、さらに具体的には98%以上、最も具体的には99%以上の相同性を示すアミノ酸配列であって、実質的にアセチルCoA合成を媒介する活性を有するタンパク質であれば、制限なく含まれてもよい。
【0069】
また、微生物の種または菌株に応じて、前記活性を示すタンパク質のアミノ酸配列に差が存在する場合があるため、本発明でアセチルCoA合成酵素は由来に限定されないが、例えば、大腸菌由来であってもよい。前記配列と相同性を有する配列として、実質的に配列番号9のタンパク質と同一であるか、相応する生物学的活性を有するアミノ酸配列であれば、一部配列が欠失、変形、置換または付加されたアミノ酸配列を有する場合も、本発明の範囲に含まれるのは自明である。
【0070】
本発明のアセチルCoA合成酵素をコードするポリヌクレオチドは、配列番号9のアミノ酸配列、または前記配列と70%以上、具体的には80%以上、より具体的には90%以上、より一層具体的には95%以上、さらに具体的には98%以上、最も具体的には99%以上の相同性を示すタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含んでもよく、最も具体的には、配列番号10のポリヌクレオチド配列を含んでもよい。
【0071】
本発明のコリネバクテリウム属微生物は、さらにオルニチンデカルボキシラーゼ(ornithine decarboxylase、ODC)の活性が導入されるものである、プトレシン生産能を有するコリネバクテリウム属微生物であってもよい。
【0072】
本発明では、「オルニチンデカルボキシラーゼ」は、オルニチンのデカルボキシル化(decarboxylation)を媒介してプトレシン生産する酵素を意味する。コリネバクテリウム属微生物には、前記プトレシン生合成酵素がないが外部からオルニチンデカルボキシラーゼ(ornithine decarboxylase、ODC)を導入するとプトレシン合成され、細胞外にプトレシンが排出される。外部から導入されうるオルニチンデカルボキシラーゼは、前記活性さえ有すれば微生物の由来に関係なく本発明で活用されうるが、具体的には、大腸菌由来が導入されうる。
【0073】
本発明のコリネバクテリウム属微生物は、さらにi)オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ(ArgF)、ii)グルタミン酸エクスポーターまたはiii)オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ及びグルタミン酸エクスポーターの活性が内在的活性に比べて弱化された、プトレシンまたはオルニチン生産能を有するコリネバクテリウム属微生物であってもよい。コリネバクテリウム属において、グルタミン酸エクスポーターはNCgl1221であってもよい。
【0074】
また、本発明のコリネバクテリウム属微生物は、さらにアセチルγグルタミルリン酸レダクターゼ(ArgC)、アセチルグルタミン酸シンターゼまたはオルニチンアセチルトランスフェラーゼ(ArgJ)、アセチルグルタミン酸キナーゼ(ArgB)、及びアセチルオルニチンアミノトランスフェラーゼ(ArgD)で構成される群から選択される1種以上の活性が内在的活性に比べて強化された、プトレシンまたはオルニチン生産能を有するコリネバクテリウム属微生物であってもよい。
【0075】
また、本発明のコリネバクテリウム属微生物は、さらにアセチルトランスフェラーゼの活性、具体的に、NCgl1469の活性が内在的活性より弱化された、プトレシン生産能を有するコリネバクテリウム属微生物であってもよい。
【0076】
最後に、本発明のコリネバクテリウム属微生物は、さらにプトレシンエクスポーターの活性、具体的に、NCgl2522の活性が内在的活性より強化された、プトレシン生産能を有するコリネバクテリウム属微生物であってもよい。
【0077】
本発明の用語、「活性弱化」されることは、タンパク質自体の活性が減少されるか、または不活性化されて、本来の機能以下の効果を導出することを含むことだけではなく、内在的遺伝子活性の減少、前記遺伝子発現の抑制調節因子の活性化、遺伝子コピー数の減少、発現調節配列の変形、特にプロモーターの交替または変形及び遺伝子内の突然変異による酵素活性の不活性化または減少などによりその活性が弱化されることを含む。
【0078】
具体的には、本発明の活性弱化は、例えば、
1)前記タンパク質をコードするポリヌクレオチドの一部または全体の欠失、
2)前記ポリヌクレオチドの発現が減少するように発現調節配列の変形、
3)前記タンパク質の活性が弱化されるように染色体上の前記ポリヌクレオチド配列の変形、及び
4)これらの組み合わせから選択された方法によって達成することができ、これに限定されない。
【0079】
具体的に、タンパク質を暗号化するポリヌクレオチドの一部または全体を欠失する方法は、細菌内の染色体挿入用ベクターを介して染色体内の内在的目的タンパク質を暗号化するポリヌクレオチドを、一部ポリヌクレオチド配列が欠失されたポリヌクレオチドまたはマーカー遺伝子に交替することにより行うことができる。前記「一部」とは、ポリヌクレオチドの種類によって相異するが、具体的には、1〜300個、より具体的には、1〜100個、さらに具体的には、1〜50個である。
【0080】
また、発現調節配列を変形する方法は、前記発現調節配列の活性をさらに弱化するようにポリヌクレオチド配列を欠失、挿入、非保存的または保存的置換またはこれらの組み合わせで発現調節配列上の変異を誘導して行うか、さらに弱い活性を有するポリヌクレオチド配列に交替することにより、行うことができる。前記発現調節配列には、プロモーター、オペレーター配列、リボソーム結合部位をコードする配列、及び転写と解読の終結を調節する配列を含む。
【0081】
さらに、染色体上のポリヌクレオチド配列を変形する方法は、前記酵素の活性をさらに弱化するようにポリヌクレオチド配列を欠失、挿入、非保存的または保存的置換、またはこれらの組み合わせで配列上の変異を誘導して行うか、さらに弱い活性を有するように改良されたポリヌクレオチド配列に交替することにより、行うことができる。
【0082】
それだけではなく、前記酵素のポリヌクレオチドの発現を抑制する調節因子を欠失する方法は、発現抑制因子のポリヌクレオチドを一部のポリヌクレオチド配列が欠失されたポリヌクレオチドまたはマーカー遺伝子に交替することにより行うことができる。前記「一部」とは、ポリヌクレオチドの種類によって相異するが、具体的には、1〜300個、より具体的には、1〜100個、さらに具体的には、1〜50個である。
【0083】
ここで、前記アセチルγグルタミルリン酸レダクターゼ(ArgC)、アセチルグルタミン酸シンターゼまたはオルニチンアセチルトランスフェラーゼ(ArgJ)、アセチルグルタミン酸キナーゼ(ArgB)、及びアセチルオルニチンアミノトランスフェラーゼ(ArgD)、オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ(ArgF)、グルタミン酸の排出に関与するタンパク質及びオルニチンデカルボキシラーゼ(ODC)は、特にこれに制限されないが、具体的にはそれぞれ配列番号32、33、34、35,36,37または38のアミノ酸配列またはこれと70%以上、より具体的には80%以上、さらに具体的には90%以上の相同性を有するアミノ酸配列を含んでもよい。また、プトレシンをアセチル化させるタンパク質は、特にこれに制限されないが、具体的には配列番号30または31のアミノ酸配列、またはこれと70%以上、より具体的には80%以上、さらに具体的には90%以上の相同性を有するアミノ酸配列を含んでもよい。
【0084】
また、本発明でプトレシンエクスポーターは配列番号26または28のアミノ酸配列、またはこれと70%以上、より具体的には80%以上、さらに具体的には90%以上の相同性を有するアミノ酸配列を含んでもよい。
【0085】
前記タンパク質の中で、アセチルγグルタミルリン酸レダクターゼ(ArgC)、アセチルグルタミン酸シンターゼまたはオルニチンアセチルトランスフェラーゼ(ArgJ)、アセチルグルタミン酸キナーゼ(ArgB)、及びアセチルオルニチンアミノトランスフェラーゼ(ArgD)、オルニチンデカルボキシラーゼ(ODC)及びプトレシンエクスポーターの活性強化は、例えば、前記タンパク質をコードするポリヌクレオチドのコピー数の増加、前記ポリヌクレオチドの発現が増加するように発現調節配列の変形、前記酵素の活性が強化されるように染色体上の前記ポリヌクレオチド配列の変形、前記酵素のポリヌクレオチドの発現を抑制する調節因子の欠失及びこれらの組み合わせから選択される方法により、達成されてもよい。
【0086】
また、オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ(ArgF)及びグルタミン酸の排出に関与するタンパク質、及びプトレシンをアセチル化させるタンパク質の活性弱化は、前記タンパク質をコードするポリヌクレオチドの一部または全体の欠失、前記ポリヌクレオチドの発現が減少するように発現調節配列の変形、前記タンパク質の活性が弱化されるように染色体上の前記ポリヌクレオチド配列の変形、及びこれらの組み合わせから選択される方法により、達成されてもよい。
【0087】
もう一つの様態として、本発明は、
(i)前記プトレシンまたはオルニチン生産能を有するコリネバクテリウム属微生物を培地で培養する段階;及び
(ii)前記培養された微生物または培地からプトレシンまたはオルニチンを回収する段階を含む、プトレシンまたはオルニチンの生産方法を提供する。
【0088】
前記の方法において、前記微生物を培養する段階は、特にこれに限定されないが、公知の回分式培養方法、連続式培養方法、流加式培養方法などによって行ってもよい。ここで、培養条件は、特にこれに限定されないが、塩基性化合物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたはアンモニア)または酸性化合物(例えば、リン酸または硫酸)を用いて、適正pH(例えば、pH5〜9、具体的には、pH6〜8、最も具体的には、pH6.8)を調節してもよく、酸素または酸素含有ガス混合物を培養物に導入させて好気性条件を維持してもよく、培養温度は20〜45℃、具体的には25〜40℃を維持してもよく、約10〜160時間培養してもよい。前記培養によって生産されたプトレシンまたはオルニチンは培地中に分泌されるか細胞内に残留してもよい。
【0089】
さらに、用いられる培養用培地で炭素共給源としては、糖及び炭水化物(例えば、グルコース、スクロース、ラクトース、プロクトース、マルトース、糖蜜、澱粉及びセルロース)、油脂及び脂肪(例えば、大豆油、ひまわり油、ピーナッツ油及びココナッツ油)、脂肪酸(例えば、パルミチン酸、ステアリン酸、及びリノール酸)、アルコール(例えば、グリセロール、及びエタノール)及び有機酸(例えば、酢酸)などを個別に使用したり、または混合して使用することができるが、これに限定されない。窒素供給源としては、窒素含有有機化合物(例えば、ペプトン、酵母抽出液、肉汁、麦芽抽出液、トウモロコシ浸漬液、大豆泊粉と尿素)、または無機化合物(例えば、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、及び硝酸アンモニウム)などを個別に使用したり、または混合して使用することができるが、これに制限されない。リン供給源としてリン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、これ対応するナトリウム含有塩などを個別に使用したり、または混合して使用することができるが、これに限定されない。また、その他の金属塩(例えば、硫酸マグネシウムまたは硫酸鉄)、アミノ酸及びビタミンのような必須成長促進物質を含んでもよい。
【0090】
本発明の前記培養段階で生産されたプトレシンまたはオルニチンを回収する方法は培養方法、例えば、回分式、連続式または流加式培養方法などによって当該分野に公知された適切な方法を用いて培養液から目的物質を収集してもよい。
【0091】
(実施例)
以下、本発明を実施例を通じてより詳細に説明する。しかし、これらの実施例は、本発明を例示的に説明するためのもので、本発明の範囲がこれらの実施例に限定されるものではない。
【0092】
実施例1:大腸菌由来のargA及び大腸菌由来のargEのプトレシン生産菌株内の導入及びそのプトレシン生産能の確認
1‐1.ATCC13032基盤のプトレシン生産菌株のトランスポゾン遺伝子内への大腸菌由来のargA及び大腸菌由来のargEを同時に導入した菌株の製作
コリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032基盤のプトレシン生産菌株に大腸菌由来のargA及び大腸菌由来のargEの遺伝子を挿入して、プトレシン生産能が向上するかどうかを確認するために、argAとargEを前記菌株のトランスポゾン遺伝子内に導入した。
【0093】
コリネバクテリウム属微生物のトランスポゾン遺伝子部位を用いて染色体内への遺伝子導入を可能にする形質転換用ベクターとしてはpDZTn(特許文献7)を用い、プロモーターは、lysCP1プロモーター(特許文献4、配列番号39)を用いた。
【0094】
具体的に、前記N‐アセチルグルタミン酸シンターゼ(N-acetylglutamate synthase)をコードする大腸菌由来の遺伝子であるargAのポリヌクレオチド配列(配列番号2)を基にargA ORF部位の相同組み換え断片を得るための配列番号11及び12のプライマー対を製作した。また、アセチルオルニチンデアセチラーゼ(Acetylornithine deacetylase)をコードする大腸菌由来の遺伝子であるargEポリペプチド配列(配列番号4)をもとにargE ORF部位の相同組み換え断片を得るための配列番号15及び16のプライマー対を製作し、lysCP1プロモーター(特許文献4)のポリヌクレオチド配列(配列番号39)を基にlysCP1部位の相同組み換え断片を得るための配列番号13及び14のプライマー対を製作した(表1)。
【0096】
まず、argA遺伝子を得るために、大腸菌W3110菌株の染色体を鋳型にし、配列番号11及び12のプライマー対を用いて約1.6kbの遺伝子断片を増幅した。この際、PCR反応は、95℃で30秒の変性、55℃で30秒のアニーリング及び72℃で1分30秒の伸長過程を30回繰り返した。その後、このPCR結果物を0.8%アガロースゲルで電気泳動した後、目的とするサイズのバンドを溶離して精製した。
【0097】
また、KCCM10919P(特許文献4)菌株の染色体を鋳型にし、配列番号13及び14のプライマー対を用いて、95℃で30秒の変性、55℃で30秒のアニーリング及び72℃で30秒の過程を30回繰り返し、lysCP1プロモーター部位を収得した。
【0098】
pDZTnベクターはXhoIを処理して、前記で収得した各PCR産物を融合(Fusion)クローニングした。融合クローニングはIn‐Fusion(R) HD Cloning Kit(Clontech)を用いた。その結果として得られたプラスミドをpDZTn‐lysCP1‐argAと命名した。
【0099】
次に、argE遺伝子を得るために、前記と同様の方法で大腸菌W3110菌株の染色体を鋳型にし、配列番号15及び16のプライマー対を用いて、約1.4kbの遺伝子断片を増幅してPCR産物を収得し、前記lysCP1プロモーター部位と融合クローニングした。その結果として得られたプラスミドをpDZTn‐lysCP1‐argEと命名した。
【0100】
次に、前記プラスミドpDZTn‐lysCP1‐argAをKCCM11240P(特許文献8)に電気穿孔法(electroporation)で導入して形質転換体を収得し、前記形質転換体をカナマイシン(25μg/ml)とX‐gal(5‐bromo‐4‐chloro‐3‐indolin‐D‐galactoside)が含有されたBHIS平板培地(Braine heart infusion 37g/L、ソルビトール91g/L、寒天2%)に塗抹して培養することにより、コロニーを形成させた。これから形成されたコロニーの中で、青色のコロニーを選択することにより、前記プラスミドpDZTn‐lysCP1‐argAが導入された菌株を選別した。
【0101】
前記選別された菌株をCM培地(グルコース 10g/L、ポリペプトン 10g/L、酵母エキス 5g/L、牛肉エキス 5g/L 、塩化ナトリウム 2.5g/L、ウレア 2g/L、pH6.8)で振とう培養(30℃、8時間)し、それぞれ10
−4から10
−10まで順次希釈した後、X‐gal含有固体培地に塗抹して培養し、コロニーを形成させた。形成されたコロニーの中から比較的低い割合で示される白色のコロニーを選択することにより、2次交差(crossover)によってargAをコードする遺伝子が導入された菌株を最終選別した。最終選別された菌株を対象に配列番号12及び13のプライマー対を用いてPCRを行い、argAをコードする遺伝子が導入されたことを確認し、前記コリネバクテリウム・グルタミカム変異株をKCCM11240P Tn:lysCP1‐argAと命名した。
【0102】
前記製作されたargAの導入菌株にargEを導入するため、前記で製作したpDZTn‐lysCP1‐argEを前記と同様の方法でKCCM11240P Tn:lysCP1‐argAに形質転換し、最終選別された菌株を対象に配列番号13及び16のプライマー対を用いてPCRを行い、トランソポゾン内にargEが導入されたことを確認した。
【0103】
これから選別されたコリネバクテリウム・グルタミカム変異株をKCCM11240P Tn:lysCP1‐argA Tn:lysCP1‐argEと命名した。
【0104】
1‐2.ATCC13869基盤のプトレシン生産菌株のトランスポゾン遺伝子内への大腸菌由来のargA及び大腸菌由来のargEを同時に導入した菌株の製作
コリネバクテリウム・グルタミカムATCC13869基盤のプトレシン生産菌株であるDAB12‐aΔNCgl1469(特許文献8)をDAB12‐bと命名し、大腸菌由来のargAと大腸菌由来のargE遺伝子挿入がプトレシン生産能の向上に関与するかどうかを確認するために、argAとargEをトランスポゾン遺伝子内に導入した。
【0105】
前記で製作したpDZTn‐lysCP1‐argAを前記実施例1‐1と同様にコリネバクテリウム・グルタミカムDAB12‐bに形質転換し、トランスポゾン内にargAが導入されたことを確認した。これからargAが導入されたものと選別されたコリネバクテリウム・グルタミカム変異株をDAB12‐b Tn:lysCP1‐argAと命名した。
【0106】
その後、前記製作されたargA導入菌株にargEを導入するため、前記で製作したpDZTn‐lysCP1‐argEを前記実施例1‐1と同様の方法でDAB12‐b Tn:lysCP1‐argAに形質転換し、トランスポゾン内にargEが導入されたことを確認した。これから選別されたコリネバクテリウム・グルタミカム変異株をDAB12‐b Tn:lysCP1‐argA Tn:lysCP1‐argEと命名した。
【0107】
1‐3.大腸菌由来のargA及び大腸菌由来のargEの遺伝子が導入されたプトレシン生産コリネバクテリウム菌株のプトレシン生産能の評価
プトレシン生産菌株に大腸菌由来のargA及び大腸菌由来のargEの導入がプトレシン生産に及ぼす効果を確認するために、前記実施例1‐1及び1‐2で製作したコリネバクテリウム・グルタミカム変異株を対象にプトレシン生産能を比較した。
【0108】
具体的に、前記実施例1‐1及び1‐2で製作した2種のコリネバクテリウム・グルタミカム変異株(KCCM11240P Tn:lysCP1‐argA Tn:lysCP1‐argE; DAB12‐b Tn:lysCP1‐argA Tn:lysCP1‐argE)と2種の親菌株(KCCM11240P; DAB12‐b)をそれぞれ1mMアルギニン含有のCM平板培地(グルコース 1%、ポリペプトン 1%、酵母エキス 0.5%、牛肉エキス 0.5% 、塩化ナトリウム 0.25%、ウレア 0.2%、50%水酸化ナトリウム100μL、アガー2%、pH6.8、1L基準)に塗抹し、30℃で24時間培養した。
【0109】
これから培養された各菌株を25mlの力価培地(グルコース 8%、大豆タンパク質0.25%、トウモロコシ固形物0.50%、(NH
4)
2SO
4 4%、KH
2PO
40.1%、MgSO
4・7H
2O 0.05%、ウレア 0.15%、ビオチン100μg、チアミン塩酸塩3mg、パントテン酸カルシウム3mg、ニコチン酸アミド3mg、CaCO
35%、1L基準)に一白金耳程度を接種した後、これを30℃で200rpmで50時間振とう培養した。すべての菌株の培養時の培地に1mMアルギニンを添加した。各培養物から生産されたプトレシン濃度を測定し、その結果を下記表2に示した。
【0111】
前記表2に示したように、大腸菌由来のargA及び大腸菌由来のargEの遺伝子が同時に導入された2種のコリネバクテリウム・グルタミカム変異株すべてでプトレシン生産量が9.8%以上増加したことを確認した。
【0112】
実施例2:大腸菌由来のargA及び大腸菌由来のargEが導入されたプトレシン生産菌株のpta‐ackAの強化及びそのプトレシン生産能の確認
2‐1.ATCC13032基盤のプトレシン生産菌株におけるpta‐ackA プロモーター置換菌株の製作
前記実施例1で製作した大腸菌由来のargA及び大腸菌由来のargEの遺伝子が導入されたプトレシン生産菌株に、さらにホスホトランスアセチラーゼ(phosphotransacetylase)及び酢酸キナーゼ(acetate kinase)(pta‐ackA)活性を強化して、そのプトレシン生産能に及ぼす影響を確認した。
【0113】
そのため、染色体内のpta‐ackAオペロンのプロモーターを内在的プロモーターより活性が強いプロモーター、具体的に開始コドンの前にlysCP1プロモーター(特許文献4)を導入した。
【0114】
まず、lysCP1プロモーターを含み、前記プロモーターの両末端部位は染色体上のpta‐ackAの元々の配列を有する相同組み換え断片を収得した。具体的に、lysCP1プロモーターの5’‐末端部位はコリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032のゲノムDNAを鋳型にし、配列番号17及び18のプライマー対を用いたPCRを行って収得した。この際、PCR反応は、95℃で30秒の変性、55℃で30秒のアニーリング及び72℃で30秒の伸長過程を30回繰り返した。
【0115】
また、lysCP1プロモーター部位は、配列番号14及び19のプライマー対を用いて同様の条件でPCRを行って収得し、lysCP1プロモーターの3’‐末端部位はコリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032のゲノムDNAを鋳型にし、配列番号20及び21のプライマー対を用いて同様の条件でPCRを行って収得した。前記プロモーター収得に用いたプライマーは、前記表1及び下記表3に示したとおりである。
【0117】
前記で収得した各PCR産物をXbaIで処理したpDZベクターに融合クローニングした。融合クローニングはIn‐Fusion(R) HD Cloning Kit(Clontech)を用いた。その結果として得られたプラスミドをpDZ‐lysCP1‐1’pta ackAと命名した。
【0118】
前記で製造したプラスミドpDZ‐lysCP1‐1’pta ackAをKCCM11240P及び実施例1‐1で製作したコリネバクテリウム・グルタミカム変異株KCCM11240P Tn:lysCP1‐argA Tn:lysCP1‐argEにそれぞれ電気穿孔法(electroporation)で導入して形質転換体を収得し、前記形質転換体をカナマイシン(25μg/ml)とX‐gal(5‐bromo‐4‐chloro‐3‐indolin‐D‐galactoside)が含有されたBHIS平板培地(Braine heart infusion 37g/L、ソルビトール91g/L、寒天2%)に塗抹して培養することにより、コロニーを形成させた。これから形成されたコロニーの中で、青色のコロニーを選択することにより、前記プラスミドpDZTn‐lysCP1‐1’pta argAが導入された菌株を選別した。
【0119】
前記選別された菌株をCM培地(グルコース 10g/L、ポリペプトン 10g/L、酵母エキス 5g/L、牛肉エキス 5g/L 、塩化ナトリウム 2.5g/L、ウレア 2g/L、pH6.8)で振とう培養(30℃、8時間)し、それぞれ10
−4から10
−10まで順次希釈した後、X‐gal含有固体培地に塗抹して培養し、コロニーを形成させた。形成されたコロニーの中から比較的低い割合で示される白色のコロニーを選択することにより、2次交差(crossover)によって最終的にpta‐ackAプロモーターがlysCP1に置換された菌株を選別した。
【0120】
最終選別された菌株を対象に配列番号19及び21のプライマー対を用いてPCRを行い、染色体内のpta‐ackAの開始コドン前にlysCP1プロモーターが導入されたことを確認した。この際、PCR反応は、95℃で30秒の変性、55℃で30秒のアニーリング及び72℃で1分の伸長過程を30回繰り返した。
【0121】
これから選別されたコリネバクテリウム・グルタミカム変異株をそれぞれKCCM11240P lysCP1‐1’pta‐ackA及びKCCM11240P Tn:lysCP1‐argA Tn:lysCP1‐argE lysCP1‐1’pta‐ackAと命名した。
【0122】
2‐2.ATCC13869P基盤のプトレシン生産のコリネバクテリウム菌株におけるpta‐ackAプロモーター置換菌株の製作
前記実施例2‐1に開示された方法を用いて、コリネバクテリウム・グルタミカムATCC13869由来のpta‐ackAをコードする遺伝子及びそこから発現されるタンパク質配列を確認するために、コリネバクテリウム・グルタミカムATCC13869のゲノムDNAを鋳型にし、配列番号17及び22のプライマー対を用いてPCRを行った(表3及び4)。この際、PCR反応は、95℃で30秒の変性、55℃で30秒のアニーリング及び72℃で3分の伸長過程を30回繰り返した。
【0123】
ここから収得されたPCR産物を電気泳動で分離した後、配列分析を行った結果、コリネバクテリウム・グルタミカムATCC13869由来のpta‐ackAをコードする遺伝子は、配列番号8で記載されるポリヌクレオチド配列を含み、ここからコードされるタンパク質は配列番号7で記載されるアミノ酸配列を含むことを確認した。
【0124】
一方、コリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032由来のpta‐ackAのアミノ酸配列(配列番号5)とコリネバクテリウム・グルタミカムATCC13869由来のpta‐ackAアミノ酸配列とを比較した結果、これらは99.4%の配列相同性を有することを確認した。
【0126】
まず、lysCP1プロモーターを含み、前記プロモーターの両末端部位は染色体上のpta‐ackAの元々の配列を有する相同組み換え断片を収得した。具体的に、lysCP1プロモーターの5’‐末端部位はコリネバクテリウム・グルタミカムATCC13869のゲノムDNAを鋳型にし、配列番号17及び23のプライマー対を用いたPCRを行って収得した。この際、PCR反応は、95℃で30秒の変性、55℃で30秒のアニーリング及び72℃で30秒の伸長過程を30回繰り返した。また、lysCP1プロモーター部位は、配列番号14及び19のプライマー対を用いて同様の条件でPCRを行って収得し、lysCP1プロモーターの3’‐末端部位はコリネバクテリウム・グルタミカムATCC13869のゲノムDNAを鋳型にし、配列番号20及び21のプライマー対を用いて同様の条件でPCRを行って収得した。プロモーター置換に用いられたプライマーは、前記表1、表3及び表4に示したとおりである。
【0127】
前記で収得した各PCR産物をXbaIで処理したpDZベクターに融合クローニングした。融合クローニングはIn‐Fusion(R) HD Cloning Kit(Clontech)を用いた。その結果として得られたプラスミドをpDZTn‐lysCP1‐2’pta ackAと命名した。
【0128】
前記で製造したプラスミドpDZTn‐lysCP1‐2’pta ackAを前記実施例2‐1と同様にDAB12‐b及び前記実施例1‐2で製作したコリネバクテリウム・グルタミカム変異株DAB12‐b Tn:lysCP1‐argA Tn:lysCP1‐argEにそれぞれ形質転換して、染色体内のpta‐ackAの開始コドン前にlysCP1プロモーターが導入されたことを確認した。前記コリネバクテリウム・グルタミカム変異株をそれぞれDAB12‐b lysCP1‐2’pta‐ackA及びDAB12‐b Tn:lysCP1‐argA Tn:lysCP1‐argE lysCP1‐2’pta‐ackAと命名した。
【0129】
2‐3.pta‐ackAの強化菌株のプトレシン生産能の評価
大腸菌由来のargAと大腸菌由来のargEが導入されたプトレシン生産菌株におけるpta‐ackAの強化が及ぼす効果を確認するために、前記実施例2‐1及び2‐2で製作したコリネバクテリウム・グルタミカム変異株を対象にプトレシン生産能を比較した。
【0130】
具体的に、4種のコリネバクテリウム・グルタミカム変異株(KCCM11240P lysCP1‐1’pta‐ackA; KCCM11240P Tn:lysCP1‐argA Tn:lysCP1‐argE lysCP1‐1’pta‐ackA; DAB12‐b lysCP1‐2’pta‐ackA; DAB12‐b Tn:lysCP1‐argA Tn:lysCP1‐argE lysCP1‐2’pta‐ackA)と4種の親菌株( KCCM11240P; KCCM11240P Tn:lysCP1‐argA Tn:lysCP1‐argE; DAB12‐b; DAB12‐b Tn:lysCP1‐argA Tn:lysCP1‐argE)をそれぞれ1mMアルギニン含有のCM平板培地(グルコース 1%、ポリペプトン 1%、酵母エキス 0.5%、牛肉エキス 0.5% 、塩化ナトリウム 0.25%、ウレア 0.2%、50%水酸化ナトリウム100μL、アガー2%、pH6.8、1L基準)に塗抹し、30℃で24時間培養した。これから培養された各菌株を25mlの力価培地(グルコース 8%、大豆タンパク質0.25%、トウモロコシ固形物0.50%、(NH
4)
2SO
4 4%、KH
2PO
40.1%、MgSO
4・7H
2O 0.05%、ウレア 0.15%、ビオチン100μg、チアミン塩酸塩3mg、パントテン酸カルシウム3mg、ニコチン酸アミド3mg、CaCO
35%、1L基準)に一白金耳程度を接種した後、これを30℃で200rpmで98時間振とう培養した。すべての菌株の培養時の培地に1mMアルギニンを添加した。各培養物から生産されたプトレシン濃度を測定し、その結果を下記表5に示した。
【0132】
前記表5に示したように、KCCM11240P及びDAB12‐bにそれぞれpta‐ackAを強化するとき、プトレシン生産量は同等の水準であった。しかし、大腸菌由来のargAと大腸菌由来のargEの遺伝子が同時に導入された2種(KCCM11240P Tn:lysCP1‐argA Tn:lysCP1‐argE; DAB12‐b Tn:lysCP1‐argA Tn:lysCP1‐argE)のコリネバクテリウム・グルタミカム変異株にそれぞれpta‐ackAを強化したとき、プトレシン生産量は親菌株に比べて14.3%以上増加したことを確認した。また、前記変異株の基準では4%以上増加したことを確認した。
【0133】
ここで、本発明者は、プトレシン生産菌株であるコリネバクテリウム・グルタミカムKCCM11240Pで大腸菌由来のargA及び大腸菌由来のargEの活性を導入してpta‐ackAの活性を強化したプトレシン生産性が向上された前記コリネバクテリウム属微生物(Corynebacterium glutamicum KCCM11240P Tn:lysCP1‐argA Tn:lysCP1‐argE :lysCP1‐1'pta‐ackA)をCC01‐1145と命名し、ブダペスト条約下に2014年11月21日付で韓国微生物保存センター( Korean Culture Center of Microorganisms, KCCM)に寄託して、寄託番号KCCM11606Pを付与された。
【0134】
実施例3:大腸菌由来のargA及び大腸菌由来のargEが導入されたプトレシン生産菌株の大腸菌由来のacsの導入及びそのプトレシン生産能の確認
3‐1.ATCC13032基盤のプトレシン生産菌株のトランスポゾン遺伝子内への大腸菌由来のacs導入菌株の製作
大腸菌由来のargA及び大腸菌由来のargEが導入されたATCC13032基盤のプトレシン生産菌株で大腸菌由来のアセチルCoA合成酵素(acetyl‐CoA synthetase、acs)遺伝子を導入してプトレシン生産能が向上するかどうかを確認するために、lysCP1プロモーターを用いて、acsをトランスポゾン遺伝子内に導入した。
【0135】
具体的に、前記acsをコードする遺伝子の配列番号10で記載されるポリヌクレオチド配列を基に、acs ORF部位の相同組み換え断片を得るための配列番号24及び25のプライマー対とlysCP1部位の相同組み換え断片を得るための配列番号13及び14のプライマー対を、前記表1及び下記表6のように製作した。
【0137】
具体的に、acs遺伝子を収得するために、大腸菌W3110菌株の染色体を鋳型にし、配列番号24及び25のプライマー対を用いて、約2kbの遺伝子断片を増幅した。この際、PCR反応は、95℃で30秒の変性、55℃で30秒のアニーリング及び72℃で1分30秒の伸長過程を30回繰り返した。その後、このPCR結果物を0.8%アガロースゲルで電気泳動した後、目的とするサイズのバンドを溶離して精製した。
【0138】
また、lysCP1プロモーター部位はKCCM10919P(特許文献4)菌株の染色体を鋳型にし、配列番号13及び14のプライマー対を用いて、95℃で30秒の変性、55℃で30秒のアニーリング及び72℃で30秒の過程を30回繰り返して収得した。
【0139】
pDZTnベクターはXhoIを処理して、前記で収得した各PCR産物を融合クローニングした。融合クローニングはIn‐Fusion(R) HD Cloning Kit(Clontech)を用いた。その結果として得られたプラスミドをpDZTn‐lysCP1‐acsと命名した。
【0140】
次に、前記プラスミドpDZTn‐lysCP1‐acsをKCCM11240P及び実施例1‐1で製作したコリネバクテリウム・グルタミカム変異株であるKCCM11240P Tn:lysCP1‐argA Tn:lysCP1‐argEにそれぞれ電気穿孔法(electroporation)で導入して形質転換体を収得し、前記形質転換体をカナマイシン(25μg/ml)とX‐gal(5‐bromo‐4‐chloro‐3‐indolin‐D‐galactoside)が含有されたBHIS平板培地(Braine heart infusion 37g/L、ソルビトール91g/L、寒天2%)に塗抹して培養することにより、コロニーを形成させた。これから形成されたコロニーの中で、青色のコロニーを選択することにより、前記プラスミドpDZTn‐lysCP1‐acsが導入された菌株を選別した。
【0141】
前記選別された菌株をCM培地(グルコース 10g/L、ポリペプトン 10g/L、酵母エキス 5g/L、牛肉エキス 5g/L 、塩化ナトリウム 2.5g/L、ウレア 2g/L、pH6.8)で振とう培養(30℃、8時間)し、それぞれ10
−4から10
−10まで順次希釈した後、X‐gal含有固体培地に塗抹して培養し、コロニーを形成させた。形成されたコロニーの中から比較的低い割合で示される白色のコロニーを選択することにより、2次交差(crossover)によってacsをコードする遺伝子が導入された菌株を最終選別した。最終選別された菌株を対象に配列番号13及び25のプライマー対を用いてPCRを行い、acsをコードする遺伝子が導入されたことを確認し、前記コリネバクテリウム・グルタミカム変異株をそれぞれKCCM11240P Tn:lysCP1‐acs及びKCCM11240P Tn:lysCP1‐argA Tn:lysCP1‐argE Tn:lysCP1‐acsと命名した。
【0142】
3‐2.ATCC13869基盤のプトレシン生産菌株のトランスポゾン遺伝子内への大腸菌由来のacs導入菌株の製作
前記実施例3‐1のように、前記製作したpDZTn‐lysCP1‐acsを前記実施例3‐1と同様にDAB12‐b及び実施例1‐2で製作したコリネバクテリウム・グルタミカム変異株DAB12‐b Tn:lysCP1‐argA Tn:lysCP1‐argEにそれぞれ形質転換し、トランスポゾン内にacsが導入されたことを確認した。
【0143】
これから選別されたコリネバクテリウム・グルタミカム変異株をそれぞれDAB12‐b Tn:lysCP1‐acs及び DAB12‐b Tn:lysCP1‐argA Tn:lysCP1‐argE Tn:lysCP1‐acsと命名した。
【0144】
3‐3.大腸菌由来のacs導入菌株のプトレシン生産能の評価
大腸菌由来のargAと大腸菌由来のargEが導入されたプトレシン生産菌株におけるacsの導入が及ぼす効果を確認するために、前記実施例3‐1及び3‐2で製作したコリネバクテリウム・グルタミカム変異株を対象にプトレシン生産能を比較した。
【0145】
具体的に、4種のコリネバクテリウム・グルタミカム変異株(KCCM11240P Tn:lysCP1‐acs; KCCM11240P Tn:lysCP1‐argA Tn:lysCP1‐argE Tn:lysCP1‐acs ; DAB12‐b Tn:lysCP1‐acs; DAB12‐b Tn:lysCP1‐argA Tn:lysCP1‐argE Tn:lysCP1‐acs)と4種の親菌株(KCCM11240P; KCCM11240P Tn:lysCP1‐argA Tn:lysCP1‐argE ;DAB12‐b; DAB12‐b Tn:lysCP1‐argA Tn:lysCP1‐argE)をそれぞれ1mMアルギニン含有のCM平板培地(グルコース 1%、ポリペプトン 1%、酵母エキス 0.5%、牛肉エキス 0.5% 、塩化ナトリウム 0.25%、ウレア 0.2%、50%水酸化ナトリウム100μL、アガー2%、pH6.8、1L基準)に塗抹し、30℃で24時間培養した。これから培養された各菌株を25mlの力価培地(グルコース 8%、大豆タンパク質0.25%、トウモロコシ固形物0.50%、(NH
4)
2SO
4 4%、KH
2PO
40.1%、MgSO
4・7H
2O 0.05%、ウレア 0.15%、ビオチン100μg、チアミン塩酸塩3mg、パントテン酸カルシウム3mg、ニコチン酸アミド3mg、CaCO
35%、1L基準)に一白金耳程度を接種した後、これを30℃で200rpmで98時間振とう培養した。すべての菌株の培養時の培地に1mMアルギニンを添加した。各培養物から生産されたプトレシン濃度を測定し、その結果を下記表7に示した。
【0147】
前記表7に示したように、KCCM11240P及びDAB12‐bにそれぞれacsを導入したとき、プトレシン生産量は同等の水準であった。しかし、大腸菌由来のargAと大腸菌由来のargEの遺伝子が同時に導入された2種(KCCM11240P Tn:lysCP1‐argA Tn:lysCP1‐argE; DAB12‐b Tn:lysCP1‐argA Tn:lysCP1‐argE)のコリネバクテリウム・グルタミカム変異株にそれぞれacsを導入したとき、プトレシン生産量は親菌株に比べて13.5%以上増加したことを確認した。また、前記変異株よりは3.4%以上増加したことを確認した。
【0148】
実施例4:プトレシン排出能が増加したプトレシン生産菌株における大腸菌由来のargA、argEの導入、pta‐ackAプロモーターの置換及びそのプトレシン生産能の確認
4‐1.プトレシン排出能が増加した菌株における大腸菌由来のargA、argEの導入及びpta‐ackAプロモーター置換菌株の製作
プトレシン排出能が増加したKCCM11401P(特許文献9)菌株を基盤に大腸菌由来のargA及び大腸菌由来のargEの導入とコリネpta‐ackA の活性強化により、プトレシン生産能が向上するかどうかを確認するために、菌株を製作した。
【0149】
具体的には、前記実施例1‐1で製作したpDZTn‐lysCP1‐argAを前記実施例1‐1と同様にKCCM11401Pに形質転換してトランスポゾン内にargAが導入されたことを確認して、これから選別されたコリネバクテリウム・グルタミカム変異株をKCCM11401P Tn:lysCP1‐argAと命名した。
【0150】
また、前記実施例1‐1で製作したargA導入菌株にargEを導入するために、実施例1‐1で製作したpDZTn‐lysCP1‐argEを同様にKCCM11401P Tn:lysCP1‐argAに形質転換してトランスポゾン内にargEが導入されたことを確認して、これから選別されたコリネバクテリウム・グルタミカム変異株をKCCM11401P Tn:lysCP1‐argA Tn:lysCP1‐argEと命名した。
【0151】
次に、前記実施例2‐1で製作したpDZTn‐lysCP1‐1’pta‐ackAを前記実施例2‐1と同様にKCCM11401P Tn:lysCP1‐argA Tn:lysCP1‐argEに形質転換してトランスポゾン内にpta‐ackAが導入されたことを確認して、これから選別されたコリネバクテリウム・グルタミカム変異株をKCCM11401P Tn:lysCP1‐argA Tn:lysCP1‐argE lysCP1‐1’pta‐ackAと命名した。
【0152】
4‐2.プトレシン排出能が増加した菌株における大腸菌由来のargA、argEの導入及びpta‐ackAプロモーターの置換菌株のプトレシン生産能の評価
プトレシン排出能が増加したコリネバクテリウム・グルタミカム生産菌株に大腸菌由来のargAと大腸菌由来のargEの導入及びpta‐ackAの活性強化が及ぼす効果を確認するために、前記実施例4‐1で製作したコリネバクテリウム・グルタミカム変異株を対象にプトレシン生産能を比較した。
【0153】
具体的に、コリネバクテリウム・グルタミカム変異株(KCCM11401P Tn:lysCP1‐argA Tn:lysCP1‐argE、KCCM11401P Tn:lysCP1‐argA Tn:lysCP1‐argE lysCP1‐1’pta‐ackA)と親菌株(KCCM11401P)をそれぞれ1mMアルギニン含有のCM平板培地(グルコース 1%、ポリペプトン 1%、酵母エキス 0.5%、牛肉エキス 0.5% 、塩化ナトリウム 0.25%、ウレア 0.2%、50%水酸化ナトリウム100μL、アガー2%、pH6.8、1L基準)に塗抹し、30℃で24時間培養した。これから培養された各菌株を25mlの力価培地(グルコース 8%、大豆タンパク質0.25%、トウモロコシ固形物0.50%、(NH
4)
2SO
4 4%、KH
2PO
40.1%、MgSO
4・7H
2O 0.05%、ウレア 0.15%、ビオチン100μg、チアミン塩酸塩3mg、パントテン酸カルシウム3mg、ニコチン酸アミド3mg、CaCO
35%、1L基準)に一白金耳程度を接種した後、これを30℃で200rpmで98時間振とう培養した。すべての菌株の培養時の培地に1mMアルギニンを添加した。各培養物から生産されたプトレシン濃度を測定し、その結果を下記表8に示した。
【0155】
前記表8に示したように、プトレシン排出能が増加したKCCM11401Pに大腸菌由来のargAと大腸菌由来のargEを導入したとき 、親菌株に比べて生産量が11.9%増加し、さらにpta‐ackAを強化したときは、親菌株に比べて生産量が16.1%増加したことを確認した。
【0156】
実施例5:オルニチン生産菌株における大腸菌由来のargA及び大腸菌由来のargEの導入、及びそのオルニチン生産能の確認
5‐1.KCCM11137P基盤のオルニチン生産菌株のトランスポゾン遺伝子内への大腸菌由来のargA及び大腸菌由来のargEが同時に導入した菌株の製作
コリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032基盤のオルニチン生産菌株であるKCCM11137P(特許文献3)に大腸菌由来のargAと大腸菌由来のargEの遺伝子を挿入して、オルニチン生産能が向上するかどうかを確認するために、前記実施例1‐1で製作したベクターを用いて、argAとargEをトランスポゾン遺伝子内に導入した。
【0157】
まず、実施例1‐1で製作したプラスミドpDZTn‐lysCP1‐argAをKCCM11137Pに電気穿孔法(electroporation)で導入して形質転換体を収得し、前記形質転換体をカナマイシン(25μg/ml)とX‐gal(5‐bromo‐4‐chloro‐3‐indolin‐D‐galactoside)が含有されたBHIS平板培地(Braine heart infusion 37g/L、ソルビトール91g/L、寒天2%)に塗抹して培養することにより、コロニーを形成させた。これから形成されたコロニーの中で、青色のコロニーを選択することにより、前記プラスミドpDZTn‐lysCP1‐argAが導入された菌株を選別した。
【0158】
前記選別された菌株をCM培地(グルコース 10g/L、ポリペプトン 10g/L、酵母エキス 5g/L、牛肉エキス 5g/L 、塩化ナトリウム 2.5g/L、ウレア 2g/L、pH6.8)で振とう培養(30℃、8時間)し、それぞれ10
−4から10
−10まで順次希釈した後、X‐gal含有固体培地に塗抹して培養し、コロニーを形成させた。形成されたコロニーの中から比較的低い割合で示される白色のコロニーを選択することにより、2次交差(crossover)によってargAをコードする遺伝子が導入された菌株を最終選別した。最終選別された菌株を対象に配列番号12及び13のプライマー対を用いてPCRを行い、argAをコードする遺伝子が導入されたことを確認し、前記コリネバクテリウム・グルタミカム変異株をKCCM11137P Tn:lysCP1‐argAと命名した。
【0159】
前記製作されたargAの導入菌株にargEを導入するため、前記実施例1‐1で製作したpDZTn‐lysCP1‐argEを同様の方法でKCCM11137P Tn:lysCP1‐argAに形質転換し、トランソポゾン内にargEが導入されたことを確認した。
【0160】
これから選別されたコリネバクテリウム・グルタミカム変異株をKCCM11137P Tn:lysCP1‐argA Tn:lysCP1‐argEと命名した。
【0161】
5‐2.大腸菌由来のargA及び大腸菌由来のargEの遺伝子が導入されたコリネオルニチン生産菌株のオルニチン生産能の評価
オルニチン生産菌株におけるargAとargEを導入するとき、オルニチン生産に及ぼす効果を確認するために、前記実施例5‐1で製作したコリネバクテリウム・グルタミカム変異株を対象にオルニチン生産能を比較した。
【0162】
具体的に、1種のコリネバクテリウム・グルタミカム変異株(KCCM11137P Tn:lysCP1‐argA Tn:lysCP1‐argE)と1種の親菌株(KCCM11137P)をそれぞれ1mMアルギニン含有のCM平板培地(グルコース 1%、ポリペプトン 1%、酵母エキス 0.5%、牛肉エキス 0.5% 、塩化ナトリウム 0.25%、ウレア 0.2%、50%水酸化ナトリウム100μL、アガー2%、pH6.8、1L基準)に塗抹し、30℃で24時間培養した。これから培養された各菌株を25mlの力価培地(グルコース 8%、大豆タンパク質0.25%、トウモロコシ固形物0.50%、(NH
4)
2SO
4 4%、KH
2PO
40.1%、MgSO
4・7H
2O 0.05%、ウレア 0.15%、ビオチン100μg、チアミン塩酸塩3mg、パントテン酸カルシウム3mg、ニコチン酸アミド3mg、CaCO
35%、1L基準)に一白金耳程度を接種した後、これを30℃で200rpmで98時間振とう培養した。すべての菌株の培養時の培地に1mMアルギニンを添加した。各培養物から生産されたオルニチン濃度を測定し、その結果を下記表9に示した。
【0164】
前記表9に示したように、大腸菌由来のargAと大腸菌由来のargEの遺伝子が同時に導入されたコリネバクテリウム・グルタミカム変異株は、オルニチン生産量が親菌株に比べて14.1%増加したことを確認した。
【0165】
実施例6:大腸菌由来のargA及び大腸菌由来のargEが導入されたオルニチン生産菌株におけるpta‐ackAの強化及びそのオルニチン生産能の確認
6‐1.ATCC13032基盤のオルニチン生産菌株におけるpta‐ackAプロモーター置換菌株の製作
大腸菌由来のargA及び大腸菌由来のargEが導入されたATCC13032基盤のオルニチン生産菌株において、pta‐ackAの活性強化によるオルニチン生産能が向上するかどうかを確認するために、染色体内のpta‐ackAオペロンの開始コドンの前にlysCP1プロモーター(特許文献4)を導入した。
【0166】
まず、実施例2‐1で製作したプラスミドpDZTn‐lysCP1‐1’pta‐ackAをKCCM11137P及びKCCM11137P Tn:lysCP1‐argA Tn:lysCP1‐argEにそれぞれ電気穿孔法(electroporation)で導入して形質転換体を収得し、前記形質転換体をカナマイシン(25μg/ml)とX‐gal(5‐bromo‐4‐chloro‐3‐indolin‐D‐galactoside)が含有されたBHIS平板培地(Braine heart infusion 37g/L、ソルビトール91g/L、寒天2%)に塗抹して培養することにより、コロニーを形成させた。これから形成されたコロニーの中で、青色のコロニーを選択することにより、前記プラスミドpDZTn‐lysCP1‐1’pta‐ackAが導入された菌株を選別した。
【0167】
前記選別された菌株をCM培地(グルコース 10g/L、ポリペプトン 10g/L、酵母エキス 5g/L、牛肉エキス 5g/L 、塩化ナトリウム 2.5g/L、ウレア 2g/L、pH6.8)で振とう培養(30℃、8時間)し、それぞれ10
−4から10
−10まで順次希釈した後、X‐gal含有固体培地に塗抹して培養し、コロニーを形成させた。形成されたコロニーの中から比較的低い割合で示される白色のコロニーを選択することにより、2次交差(crossover)によって最終的にpta‐ackAプロモーターがlysCP1に置換された菌株を選別した。最終選別された菌株を対象に配列番号19及び21のプライマー対を用いてPCRを行い、染色体内のpta‐ackA開始コドン前にlysCP1プロモーターが導入されたことを確認した。この際、PCR反応は、95℃で30秒の変性、55℃で30秒のアニーリング及び72℃で1分の伸長過程を30回繰り返した。
【0168】
これから選別されたコリネバクテリウム・グルタミカム変異株をそれぞれKCCM11137P lysCP1‐1’pta‐ackA及びKCCM11137P Tn:lysCP1‐argA Tn:lysCP1‐argE lysCP1‐1’pta‐ackAと命名した。
【0169】
6‐2.pta‐ackA強化菌株のオルニチン生産能の評価
大腸菌由来のargAと大腸菌由来のargEが導入されたオルニチン生産菌株におけるpta‐ackAの強化が及ぼす効果を確認するために、前記実施例6‐1で製作したコリネバクテリウム・グルタミカム変異株を対象にオルニチン生産能を比較した。
【0170】
具体的に、2種のコリネバクテリウム・グルタミカム変異株(KCCM11137P lysCP1‐1’pta‐ackA;KCCM11137P Tn:lysCP1‐argA Tn:lysCP1‐argE lysCP1‐1’pta‐ackAと)と2種の親菌株(KCCM11137P; KCCM11137P Tn:lysCP1‐argA Tn:lysCP1‐argE)をそれぞれ1mMアルギニン含有のCM平板培地(グルコース 1%、ポリペプトン 1%、酵母エキス 0.5%、牛肉エキス 0.5% 、塩化ナトリウム 0.25%、ウレア 0.2%、50%水酸化ナトリウム100μL、アガー2%、pH6.8、1L基準)に塗抹し、30℃で24時間培養した。これから培養された各菌株を25mlの力価培地(グルコース 8%、大豆タンパク質0.25%、トウモロコシ固形物0.50%、(NH
4)
2SO
4 4%、KH
2PO
40.1%、MgSO
4・7H
2O 0.05%、ウレア 0.15%、ビオチン100μg、チアミン塩酸塩3mg、パントテン酸カルシウム3mg、ニコチン酸アミド3mg、CaCO
35%、1L基準)に一白金耳程度を接種した後、これを30℃で200rpmで98時間振とう培養した。すべての菌株の培養時の培地に1mMアルギニンを添加した。各培養物から生産されたオルニチン濃度を測定し、その結果を下記表10に示した。
【0172】
前記表10に示したように、KCCM11137Pにpta‐ackAを強化したとき、オルニチン生産量は増加しなかったが、大腸菌由来のargAと大腸菌由来のargEの遺伝子が同時に導入されたコリネバクテリウム・グルタミカム変異株KCCM11137P Tn:lysCP1‐argA Tn:lysCP1‐argEにpta‐ackAを強化したとき、オルニチン生産量がKCCM11137Pに比べて20.5%増加し、KCCM11137P Tn:lysCP1‐argA Tn:lysCP1‐argEに比べては5.6%増加したことを確認した。
【0173】
実施例7:大腸菌由来のargA及び大腸菌由来のargEが導入されたオルニチン生産菌株の大腸菌由来のacsの導入及びそのオルニチン生産能の確認
7‐1.ATCC11137P基盤のオルニチン生産菌株のトランスポゾン遺伝子内への大腸菌由来のacs導入菌株の製作
大腸菌由来のargA及び大腸菌由来のargEが導入されたATCC13032基盤のオルニチン生産菌株であるKCCM11137P(特許文献3)において、大腸菌由来のacs遺伝子導入によるオルニチン生産能が向上するかどうかを確認するために、lysCP1プロモーターを用いて、acsをトランスポゾン遺伝子内に導入した。
【0174】
まず、実施例3‐1で製作したプラスミドpDZTn‐lysCP1‐acsをKCCM11137P及びKCCM11137P Tn:lysCP1‐argA Tn:lysCP1‐argEにそれぞれ電気穿孔法(electroporation)で導入して形質転換体を収得し、前記形質転換体をカナマイシン(25μg/ml)とX‐gal(5‐bromo‐4‐chloro‐3‐indolin‐D‐galactoside)が含有されたBHIS平板培地(Braine heart infusion 37g/L、ソルビトール91g/L、寒天2%)に塗抹して培養することにより、コロニーを形成させた。これから形成されたコロニーの中で、青色のコロニーを選択することにより、前記プラスミドpDZTn‐lysCP1‐acsが導入された菌株を選別した。
【0175】
前記選別された菌株をCM培地(グルコース 10g/L、ポリペプトン 10g/L、酵母エキス 5g/L、牛肉エキス 5g/L 、塩化ナトリウム 2.5g/L、ウレア 2g/L、pH6.8)で振とう培養(30℃、8時間)し、それぞれ10
−4から10
−10まで順次希釈した後、X‐gal含有固体培地に塗抹して培養し、コロニーを形成させた。形成されたコロニーの中から比較的低い割合で示される白色のコロニーを選択することにより、2次交差(crossover)によってacsをコードする菌株を最終選別した。
【0176】
最終選別された菌株を対象に配列番号13及び25のプライマー対を用いてPCRを行い、acsをコードする遺伝子が導入されたことを確認して、前記コリネバクテリウム・グルタミカム変異株をそれぞれKCCM11137P Tn:lysCP1‐acs及びKCCM11137P Tn:lysCP1‐argA Tn:lysCP1‐argE lysCP1‐acsと命名した。
【0177】
7‐2.大腸菌由来のacs遺伝子導入菌株のオルニチン生産能の評価
大腸菌由来のargAと大腸菌由来のargEが導入されたオルニチン生産菌株におけるacsの導入が及ぼす効果を確認するために、前記実施例7‐1で製作したコリネバクテリウム・グルタミカム変異株を対象にオルニチン生産能を比較した。
【0178】
具体的に、2種のコリネバクテリウム・グルタミカム変異株(KCCM11137P lysCP1‐acs;KCCM11137P Tn:lysCP1‐argA Tn:lysCP1‐argE lysCP1‐acs)と2種の親菌株(KCCM11137P; KCCM11137P Tn:lysCP1‐argA Tn:lysCP1‐argE)をそれぞれ1mMアルギニン含有のCM平板培地(グルコース 1%、ポリペプトン 1%、酵母エキス 0.5%、牛肉エキス 0.5% 、塩化ナトリウム 0.25%、ウレア 0.2%、50%水酸化ナトリウム100μL、アガー2%、pH6.8、1L基準)に塗抹し、30℃で24時間培養した。これから培養された各菌株を25mlの力価培地(グルコース 8%、大豆タンパク質0.25%、トウモロコシ固形物0.50%、(NH
4)
2SO
4 4%、KH
2PO
40.1%、MgSO
4・7H
2O 0.05%、ウレア 0.15%、ビオチン100μg、チアミン塩酸塩3mg、パントテン酸カルシウム3mg、ニコチン酸アミド3mg、CaCO
35%、1L基準)に一白金耳程度を接種した後、これを30℃で200rpmで98時間振とう培養した。すべての菌株の培養時の培地に1mMアルギニンを添加した。各培養物から生産されたオルニチン濃度を測定し、その結果を下記表11に示した。
【0180】
前記表11に示したように、KCCM11137Pにacsを導入したとき、オルニチン生産量は増加しなかったが、大腸菌由来のargAと大腸菌由来のargEの遺伝子が同時に導入されたコリネバクテリウム・グルタミカム変異株KCCM11137P Tn:lysCP1‐argA Tn:lysCP1‐argEにacsを導入したときは、オルニチン生産量がKCCM11137Pに比べて17.9%増加したことを確認した。また、KCCM11137P Tn:lysCP1‐argA Tn:lysCP1‐argEに比べては、3.4%増加したことを確認した。
【0181】
前記の内容を総合すると、プトレシンまたはオルニチンを生産するコリネバクテリウム菌株において、大腸菌由来のargA及び大腸菌由来のargEを導入することを介して、プトレシンとオルニチンの生産量が増加することを確認することができ、さらにコリネバクテリウム内部のpta‐ackA遺伝子の活性を強化させたり、大腸菌由来のacsを導入する場合、プトレシンとオルニチンの生産量がさらに増加することを確認した。
【0182】
以上の説明から、本発明が属する技術分野の当業者は本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更せず、他の具体的な形態で実施できることを理解できるだろう。これに関連し、以上で記述した実施例は、すべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解するべきである。本発明の範囲は、前記の詳細な説明ではなく、後述する特許請求の範囲の意味及び範囲、そしてその等価概念から導出されるすべての変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。