(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の双方向リアルタイム対話に基づくインターネットショッピングシステム及びその方法は、いわゆる旧来のネット通販やテレビショッピングとは異なる。本発明では、サービス提供者(受注者)が、リアルタイムで加入者(発注者)の顔と声とを確認しながら、購買行動を遂行する。
【0016】
テレビネットを介した販売に代表されるように、商品情報が一方通行となるいわゆるインターネット通販等やテレビショッピングとは全く異なるものであり、双方向通信に基づく双方向リアルタイム対話による販売・受注を提案するものである。要は、店に出向いて店主や店員と相談して購入する替わりに、在宅にしてテレビネットを介してそれと同一の購入行動を遂行するものであり、購買までの最新のデジタルネットワーク双方向通信技術と、購買後の商品の宅配という従前のアナログ技術を、ミックスした形態である。
【0017】
地デジ対応テレビの接続先をインターネット上の専用サービスを供給するサーバのみに限定することで、安全でテレビのリモコンで簡単に操作できるサービスとして供給が可能となる。また、Webカメラを搭載し、テレビ電話として顔が見えるやり取りにすることで、コミュニケーションはとりやすくなり、その結果見守りとしても活用ができる。
【0018】
サービスの供給側は専用サーバへの登録制にして、高齢者世帯地域でビジネスを行っている先を中心とすることで、きめ細かなサービスを提供することができ、見守りの役割を担ってもらうことができる。このシステムに付加機能としてあらかじめ登録しておいた先への異常告知機能や、一定時間テレビの電源が入らなかった場合の異常感知警告機能を搭載して、人的労力を軽減した見守りが実現できる。
【0019】
本システムを導入することで高齢者世帯には簡単にインターネットショッピングの利便性が提供でき、本システムを通して購入された物品は、配達・集金することによって更に訪問見守りとなる。また、本システムで構築されたテレビ電話機能は、遠方の家族とのテレビ電話や、同システムを契約している世帯同士のコミュニケーションの場としても活用でき、相互見守りの機能としても効果が得られる。
【0020】
本発明の双方向リアルタイム対話に基づくインターネットショッピングシステムは、地デジ対応テレビと、地デジ対応テレビを表示装置とし、Webカメラで撮影した現在の加入者の映像とマイクで取得した現在の加入者の音声とを送信可能なように、加入者専用クラウドサーバと光回線を介してインターネット接続する加入者端末と、少なくともテレビ番組の選択、及び、地デジ対応テレビに表示される選択画面に従ったインターネット接続、に関する加入者の指示が入力される加入者端末リモコンと、加入者にサービスを提供するサービス提供者が、加入者専用クラウドサーバとインターネット接続して、加入者の現在の映像または音声を確認しながらサービスに関する加入者とのリアルタイムでのコミュニケーションを可能とするサービス提供者端末と、を備えることを特徴とする。
【0021】
これにより、独居高齢者等の加入者が在宅状態で、商店主等のサービス提供者と、旧来の地元商店街における買い物(対面販売・受注)と同様に、インターネットを介した疑似対面(インターネットテレビ電話)による買い物が可能となる。また、地元商店主等のサービス提供者は、典型的には加入者の顔と声とを視覚と聴覚とを駆使して確認しながら販売・受注のコミュニケーションをリアルタイムでできるので、独居高齢者等の加入者の健康状態や安否等を容易に把握可能となる。
【0022】
独居高齢者等の加入者(会員)においては、複雑でミスのない細かな操作を必要とするパソコンやタブレット端末、スマートフォン等は使用できない場合であっても、通常は、テレビ番組のチャンネル選択とその視聴等は可能である。このため、テレビ番組のチャンネル選択と同程度の容易さで、テレビを介してインターネットに接続可能な加入者端末リモコンの操作構成とする。
【0023】
商店主等のサービス提供者は、例えば八百屋である場合にはウェアラブルカメラ及びヘッドホン及びマイク(例えば、ヘッドセット)を装着してその日の種々の店頭に陳列された野菜類を映像で加入者にリアルタイム送信して、注文を受けてもよい。また、商店主等のサービス提供者は、例えば魚屋である場合にはウェアラブルカメラ等を装着してその日の新鮮な店頭に陳列された魚類を映像で加入者にリアルタイム送信して、注文を受けてもよい。注文を受けた品は、サービス提供者が加入者宅を訪問して、その日のうちに配達及び集金してもよい。また、加入者への物品販売・受注のみならず、あん摩やマッサージ、針灸、クリーニングなど、加入者への各種役務の提供についても同様である。
【0024】
また、商店主等のサービス提供者側から、独居高齢者等の加入者へアクセスし、いわゆる御用聞きのように、インターネットテレビ電話を介した疑似対面による、受注や広告を行ってもよい。この場合でも、サービス提供者は、本来の目的である商品の販売・受注等とともに、加入者の安否を疑似対面により確認することが可能となる。
【0025】
また、加入者専用クラウドサーバは、当該サービスの提供のための専用サーバとして、加入者が所有する加入者端末やサービス提供者等の所有するサービス提供者端末等予め登録された特定者のみの間でのみ利用されるものとし、この意味で閉じた(クローズド)なネットワークを構築する。
【0026】
また、現在の加入者の映像を撮影するWebカメラと、現在の加入者の音声を取得するマイクとは、それぞれ地デジ対応テレビに備えられてもよいし、加入者端末に備えられてもよいし、加入者端末リモコンに備えられてもよい。加入者の現在の映像と音声とをリアルタイムに取得して送信できるように構成されればよいのであるから、例えば無線通信(ブルートゥース(登録商標)等)で、地デジ対応テレビまたは加入者端末または加入者端末リモコンと接続されたWebカメラ及びマイクとし、リアルタイムで取得した映像や音声を加入者端末を介して加入者専用クラウドサーバへ送信できる構成としてもよい。
【0027】
また、本発明の双方向リアルタイム対話に基づくインターネットショッピングシステムは、好ましくはサービス提供者が加入者とのコミュニケーション中に加入者の異変に気付いた場合に、サービス提供者のトリガに基づいてサービス提供者端末から送信された警告信号を加入者専用クラウドサーバが受信すると、加入者専用クラウドサーバが保安サービス提供者に自動通報することを特徴とする。
【0028】
サービス提供者は、加入者と典型的にはインターネットテレビ電話を利用した疑似対面に基づく受注を行う。このため、加入者の様子や状態を視認することができ、また、その生声を聞くことが可能であり、サービス提供者が加入者の健康状態等の異常を感得し易いものとなる。
【0029】
従って、視認や声に基づいて異常を察知したサービス提供者は、サービス提供者端末を介して加入者専用クラウドサーバへ警告信号を送信する。警告信号は、サービス提供者端末に設けられた警告ボタンや安否要確認ボタン等を押圧することで送信される構成としてもよい。
【0030】
警告信号を受信した加入者専用クラウドサーバは、当該加入者について、当該加入者と予め関連付けされた保安サービス提供者に対し、警告信号が通報されたこと、すなわち当該加入者に何らかの異常が察知されたことを、自動的に通報する構成とする。このサービスは、加入者等の限定された特定者のみで構成される閉じたネットワークを用いたサービスであるので、いわゆるいたずらやいやがらせ等による警告信号の通報は限りなく排除される。
【0031】
また、本発明の双方向リアルタイム対話に基づくインターネットショッピングシステムは、さらに好ましくは、保安サービス提供者は、警備会社または医療機関または加入者の家族のいずれかであることを特徴とする。
【0032】
これにより、警備会社の警備員が異常が感得された加入者宅へ迅速に安否確認に駆けつけたり、医療関係者が応急治療または救急処置のために迅速に駆けつけたり、家族の構成員が加入者宅へ加入者の状況確認に訪問したり、することが可能となる。
【0033】
また、本発明の双方向リアルタイム対話に基づくインターネットショッピングシステムは、さらに好ましくは地デジ対応テレビの電源が所定の期間オンされない場合に、加入者端末は加入者専用クラウドサーバを介して、予め登録された所定の通報先に通報することを特徴とする。
【0034】
加入者端末は、対応する加入者の地デジ対応テレビが、予め設定された所定期間だけ電源オンされない場合を検知する。そして、地デジ対応テレビが、当該所定期間連続して一度もオン操作されない場合には、加入者端末は加入者の何らの操作を受けることなく自動的に、加入者専用クラウドサーバを介して予め登録された所定の通報先に通報する。
【0035】
予め設定された所定期間は、例えば1日でもよいし、3日でもよいし、1週間でもよいし、時間単位であってもよい。また、所定の通報先は、高齢者等の加入者の家族であってもよい。高齢者等の加入者は、テレビを見る場合においてもインターネットショッピングをする場合においても、必ず地デジ対応テレビを利用するため、通常は、一定以上の頻度で地デジ対応テレビの電源をオンにする。
【0036】
しかし、加入者が独居高齢者である場合に例えば、健康状態が悪化したり典型的には寝込んでしまったりした場合には、当該地デジ対応テレビの電源すらオンにできない状況が生じている場合も懸念される。このような場合には、当該地デジ対応テレビのオンされない連続期間を計算するタイマー等により、加入者端末がこれを検知し、家族等の関係者に自動通報する構成とする。通報を受けた家族等は、加入者の安否確認に加入者宅を訪問することも可能となるし、個別に加入者に連絡をとることも可能となる。
【0037】
また、本発明の双方向リアルタイム対話に基づくインターネットショッピングシステムは、さらに好ましくは予め登録された所定の通報先は、加入者専用クラウドサーバを介して、電源が所定の期間オンされない地デジ対応テレビに対応する加入者端末にアクセスし、当該加入者端末に対応するWebカメラまたはマイクを介した加入者の映像または音声の少なくともいずれか一つをリアルタイムで取得することを特徴とする。
【0038】
これにより、通報を受けた家族等の通報先関係者は、加入者宅に設置されたWebカメラやマイクを好ましくは遠隔操作して映像や音声を取得することにより、遠方からでも直接加入者を訪問することなく迅速に、加入者の安否状態の確認をすることが可能となる。また、閉じたネットワーク内における特定者からの遠隔操作であるので、外部の第三者からの遠隔操作等により、加入者のプライバシーが不当に侵害される畏れもない。
【0039】
加入者宅のWebカメラやマイクは、当該加入者の加入者端末から通報があった場合にのみ、かつ当該通報先からのみ、遠隔操作による電源オンやさらに好ましくはカメラアングルや集音レベルの設定等の映像及び音取得に関する各種設定及び当該映像及び音の取得を可能とすることが好ましい。この場合には、迅速な対応が優先されるので、識別ID及びパスワード等による遠隔操作の許可でもよいが、家族関係者のIPアドレス等固有識別符号等を加入者端末に予め設定しておき、当該設定されたIPアドレス等固有識別符号等からは、当該IPアドレス等固有識別符号等への通報後、遠隔操作可能にすることが好ましい。通報先の家族等の確認後、必要に応じて、当該家族等が医療機関や警備会社等に連絡をとって緊急対応することも可能となる。
【0040】
また、本発明の双方向リアルタイム対話に基づくインターネットショッピングシステムは、さらに好ましくは第一の地デジ対応テレビと第一の加入者端末と第一の加入者端末リモコンとを有する第一の加入者と、第二の地デジ対応テレビと第二の加入者端末と第二の加入者端末リモコンとを有する第二の加入者と、の間で、加入者専用クラウドサーバを介して、映像及び音声に基づくコミュニケーションを可能とすることを特徴とする。
【0041】
これにより、加入者同士の映像と音声とを用いたコミュニケーションが各々在宅において可能となるので、日常会話を通して、相互の安否確認を行うことが可能となり、より好ましい。いわゆる井戸端会議のような近隣ご近所における立ち話等な日常会話であっても、独居高齢者にはおっくうである場合もあり、そもそも同世代の独居高齢者が高齢者の徒歩圏で考えた場合には比較的遠隔である場合もある。例えば、たかだか数十メートルから数百メートル程度の場合であっても、高齢者にとっては距離的なバリアが健常若者の考えるそれよりはるかに大きいこともあり得る。
【0042】
本発明のよるシステムを用いれば、このような距離的バリアを克服し、高齢者独居老人等の加入者間で相互にインターネットテレビ電話による会話を遂行できる。また、現実世界における会話のように、簡単な操作でリアルタイムで相手の顔を見て声を聞いて話ができるので、お互いの健康状態や安否等を互いに把握し易いものとなり、好ましい。
【0043】
また、本発明の双方向リアルタイム対話に基づくインターネットショッピングシステムは、さらに好ましくは地デジ対応テレビと加入者端末と加入者端末リモコンとを使用する独居高齢者(65歳以上)と、パソコンまたはタブレットパソコンまたはスマートフォンを使用する独居高齢者の家族との間で、加入者専用クラウドサーバを介して、映像及び音声に基づくコミュニケーションを可能とすることを特徴とする。
【0044】
家族は、その独居老人に比較して若年であることが想定され、パソコンまたはタブレットパソコンまたはスマートフォンをある程度自由に使えるものと思われる。このため、独居老人等の加入者宅に設置されている加入者端末等を用いなくても、インターネットに接続し、加入者専用クラウドサーバに接続可能である。
【0045】
このため、家族等においては、パソコンまたはタブレットパソコンまたはスマートフォンを用いることにより、時間や場所に大きく制約されることなく、比較的自由に加入者の都合に合わせてインターネットテレビ電話による会話をすることができる構成とする。このため、パソコンまたはタブレットパソコンまたはスマートフォンに、加入者専用クラウドサーバに接続しその加入者端末へのアクセス許可を与えられるように、専用のアプリをインストールするものとしてもよい。
【0046】
また、本発明の双方向リアルタイム対話に基づくインターネットショッピングシステムを用いた方法は、加入者が、地デジ対応テレビの画面表示に従って、加入者端末リモコンを操作して加入者専用クラウドサーバに接続する工程と、サービス提供者が、加入者専用クラウドサーバとインターネット接続して、加入者から、リアルタイムの加入者の映像と音声とに基づいて、提供するサービスに関する受注を受ける工程と、を有することを特徴とする。
【0047】
地デジ対応テレビには、テレビ番組のチャンネル選択と同程度の容易さで加入者端末リモコンを操作可能なように、加入者端末をインターネット接続するか否か、すなわち加入者専用クラウドサーバに接続するか否かをガイドするガイド画面が表示される。加入者は、加入者端末リモコンを用いて地デジ対応テレビ画面上のメニュー等を選択操作するのみで、容易にインターネット接続可能であるものとすることが好ましい。
【0048】
いわゆる従来のインターネット販売等においては、オンライン上において商品の案内や情報提供を含むすべての受注処理が完了し、さらには決済処理まで含めてオンラインで完了する。この一連の従来の購入・受注処理においては、発注者側はクリック等により商品を選択し、クリック等により商品を購入して決済する等のオンライン上の動作処理を行うが、受注者側においては購入時点で通常何らの手数を必要としない。この従来処理は、極めて効率的であり、自動的であり、コストダウンへの寄与も大きいものであり、受注者の手数工数を低減可能である。また、購入者は、時間と場所とを選ばずに、ネット接続さえ可能であれば購入・発注可能である。
【0049】
一方、上記した従来の発注・購入処理ではその処理中において、発注者側と受注者側とのリアルタイムコミュニケーションは存在しない。むしろ、発注者側と受注者側とのリアルタイムコミュニケーションを意図的に排斥することにより、時間と場所とを選ばない購入・発注行動を可能としているものである。
【0050】
しかし、本発明においては、従来インターネット回線を用いたネット通販等では意図的に排斥されてきた、発注者側と受注者側とのリアルタイムコミュニケーションによるメリットに着目し、特に高齢独居老人等の加入者にとっての当該メリットを最大限に発揮可能とさせるものとしたところに特徴の一つがある。地元の商店街が購買の中心として活発に利用されていた時代では、店頭に立つ商店主等の受注者と、老若男女を問わず購入する購買者(発注者)と、の間で相対(あいたい)により文字どおり互いに顔をつきあわせたコミュニケーションをした上で、買うのか買わないのか、どれをいくつ買うのかが決められていた。このような購入行動においては、当人が意識するかしないかに拘わらず、会話相手の身体状況や場合によっては心理状態まで把握可能であった。
【0051】
例えば、お年寄りの馴染みのお客さんが来た場合には、「最近、体調はどう?お変わりなく元気そうですね。」程度のお伺いの声かけや会話の導入及び「おかげさまで、元気でおれます。」程度の返答の会話は、当該商店主と当該お客さんとの間で、普通に行われていたものと推察される。このような直接的な顔合わせである相対の従来会話に基づくメリットを、インターネットテレビ電話により、再度、在宅において再活用しようとするのが本発明である。
【0052】
図1は、本発明の一実施形態に関する、加入者が地デジ対応テレビの電源をオンしてから受注処理が完了するまでの間を簡単に説明するフローチャートである。
図1に基づいて、本発明の一実施形態に関するプロセスを順次以下に説明する。
【0053】
(ステップS110)
独居高齢者等の加入者(本サービスの会員)は、地デジ対応テレビの電源をオンにする。地デジ対応テレビの電源がオンされた場合にはステップS120へと進み、地デジ対応テレビの電源がオンされない場合には本ステップS110で待機する。
【0054】
ここで、図示していないが、仮に、地デジ対応テレビの電源が所定期間以上継続してオンされない待機状態であることを、加入者端末が検知した場合には、所定の通報先に加入者端末から通報するものとできる。所定の通報先は、例えば警備会社または医療機関または加入者の家族等の予め登録された保安サービス提供者であってもよい。
【0055】
(ステップS120)
加入者が、加入者端末リモコンを操作してインターネットに接続する。すなわち、加入者は、地デジ対応テレビに表示されるガイド画面に従って、簡単なボタン押圧操作のみで限定された少数のメニューから選択的指示をすることにより、光回線を介して、加入者専用クラウドサーバに接続する。
【0056】
この場合に、パソコンやスマートフォンのように複雑でミスの許されない精緻な操作をしなければ、インターネットに接続できない構成の加入者端末や地デジ対応テレビであるならば、高齢者等の加入者にとってはハードルが高いと考えられる。テレビのチャンネルを選択するように、加入者端末リモコンの端末一つでインターネットに接続できる構成とし、地デジ対応テレビには例えば、「インターネットに接続しますか?”はい””いいえ”」の二者択一の選択指示を表示させて、リモコンボタンの押圧等により選択入力させる程度の容易さが好ましい。
【0057】
細かな設定や調整は、加入者端末の設置時に、街の電気屋さんが全て設定済みとしておき、加入者が現実に使用する際には細かな指示や調整は不要である構成とする。このように構成すると、加入者端末は、パソコンやスマートフォン等に比較して、その機械的自由度は大きく低減されることとなるが、反面で、高齢者にとってもユーザフレンドリーな使いやすく、わかりやすく、かつ誤操作が大きく低減される機器となる。当該加入者端末からは、新たにIDやパスワード等を加入者自身が何ら入力することなく、ボタン一つで即時インターネットに自動的に接続可能な構成とすることが好ましい。
【0058】
(ステップS130)
加入者がインターネットに接続して、加入者専用クラウドサーバからサービス提供者である例えば八百屋を呼び出したとすると、八百屋は当該呼び出しに応じる(インターネットテレビ電話に出る(例えば、通話ボタンをオンする))ことにより、テレビ電話回線が接続される。すなわち、通話ボタンをオンする等の操作により、八百屋の端末(加入者端末、パソコン、スマートフォン、タブレットパソコン等でもよい)が、加入者専用クラウドサーバに接続されて、電話コールをしている当該加入者と会話可能となる。
【0059】
このようなテレビ電話は、八百屋と加入者とが一対一であってもよいし、八百屋と複数の加入者とが一体多で、井戸端会議や雑談のように構成されるものであってもよい。受注に関する雑談・井戸端会議にあたり、八百屋が、加入者の顔と声とをリアルタイムで確認できることが重要であって、その場合の参加人数の多少は任意である。八百屋は、ある地区の独居老人から電話コールを受けた場合に、当該地区の他の独居高齢者の加入者全員を呼び出して、まとめて一緒にテレビ電話をして、受注を受けてもよい。まとめて受けた受注は、当該地区への配達時にある程度まとめて商品配達できるので、効率的には有効である。
【0060】
(ステップS140)
八百屋は、加入者のリアルタイムの映像と音声とに基づいて、「じゃがいも1個と大根1本とニンジン1本」等を加入者から受注する。インターネットテレビ電話を介して、リアルタイムの現実の加入者の映像と声とに触れる八百屋は、加入者の異変に気が付く機会が比較的大きくなる。八百屋が、仮に異変に気付いた場合には、所定の通報先に八百屋から通報するものとできる。
【0061】
所定の通報先は、例えば警備会社または医療機関または加入者の家族等の予め登録された保安サービス提供者であってもよい。所定の通報先は、加入者専用クラウドサーバに予め当該加入者と関連付けされて記憶・登録されていてもよいし、当該加入者端末に設定されている構成としてもよい。八百屋のトリガに基づいて、加入者専用クラウドサーバまたは当該発注者である独居高齢者の加入者端末から、所定の通報先に警告メール、警告コール等通知が伝達されるものとする。
【0062】
また、受注した商品等は、八百屋が後に配達して加入者に届けることができる。この場合でも、配達することにより八百屋が加入者の安否を直接確認可能であるというメリットが生じる。本発明のシステムを利用すると、インターネットテレビ電話という便利ツールを容易かつ簡単に利用しつつ、人と人との面談・接触を直接・間接に組み入れることができるので、ディジタル技術の便利さとアナログ的なメリットとが融合された作用・効果を生じる。
【0063】
さらに、受注に際し、加入者の商品選択の余地を広げるため、八百屋がヘッドセット及びカメラを装着して、現に店頭に並べられたその日の野菜類を撮影して当該撮影映像を加入者が確認しながら、どのじゃがいもを選ぶか、どの大根を選ぶか、どのニンジンを買うか等、会話に基づいて決定できるようにしてもよい。すなわち、一昔前の商店八百屋の店頭に並べられた陳列野菜の前で、店主と客が行っていた購買行動をそのまま、インターネットテレビ電話を介して行うものとできる。「今日のレタスは新鮮な群馬県産でおいしいよ!今日朝一の採れ採れだよ!」等の紹介を、現実にレタスを撮影しながら、八百屋が行うことができる。
【0064】
図2は、本発明のシステムを利用したビジネスモデル全体の概念の概要について説明する図であり、
図2(a)が地域自治体の支援を受けながら運営会社が専用クラウドサーバを管理する業務フローを説明する図であり、
図2(b)が高齢者に対して簡単に本サービスを提供するツールについて説明する図である。
【0065】
図2(a)に示すように、地域自治体から推進を受けて本サービスに関する閉じたネットワークの構築が為される。老人宅には地元電気店が、加入者端末等ハードウェアの設置やそのメンテナンスを行い、運営会社が加入者専用クラウドサーバを運営することで、老人は本サービスを享受できる。
【0066】
サービスを提供する地元商店(例えば八百屋)等は、運営会社が加入者専用クラウドサーバを介して商品(例えば野菜)の受注を、インターネットテレビ電話を使用して受ける。また、地域内のみで提供・供給不可能な各種サービスについては、地域外企業から提供される構成として当該地域外企業を参加させることもできる。
【0067】
地元商店や地域外企業がサービス提供(受注)の際に得た老人の見守り情報等は、地元商店や地域外企業から、加入者専用クラウドサーバを介して地元診療所等に伝達される。独居老人や老々介護家庭に対する支援対応は、訪問介護も含めて万年的に人手不足であったところ、インターネットを介して「テレビ電話」により日常的に地元商店等が接触・干渉することにより、見守り情報取得等の最低限のサービスを確保可能となる。また、サービス提供の中心は、地域の商店や企業を中心とすることで、地域活性化の効果も得られるものとなる。
【0068】
また、
図2(b)に示すように、多くの老人はスマートフォンやタブレット端末、パソコンを自由自在に操作することができず、現状ではインターネットのサービスを享受できていない。本システムを利用すれば、簡単な操作で容易にインターネットテレビ電話のサービスを享受することが可能となる。老人であっても、テレビとそのリモコン操作によるチャンネル選択や電源オン・オフは可能であるため、限定したネットワーク接続サービスとすることで、簡単なボタンのオン操作等により、インターネット接続を可能な加入者端末を構築するものとする。
【0069】
図3(a)は、Webカメラとマイクを利用したインターネットテレビ電話によるリアルタイム対面会話による実現可能な利便性について説明する図であり、
図3(b)はグループへの加入者に限定したクローズドなネットワークとし他からの接続はシャットアウトすることでセキュリティーが安心であることを説明する図である。
【0070】
図3(a)から理解できるように、本システムを利用することでテレビ画面を介した対面でのコミュニケーションが成立する。Webカメラとマイク及びスピーカ(ヘッドホン等でも可)を用いてテレビ電話を可能とする。インターネットに簡単につながる地デジ対応テレビであるので、このようなテレビ電話の設置も容易である。これにより、遠く離れて居住する孫や子と簡単にテレビ電話をしたり、かかりつけの医療機関と互いに顔を見ながらの電話会話も可能となる。
【0071】
サービス提供者(例えば八百屋)である参加企業が、ウェアラブルカメラを装着してその時点で販売している店頭陳列野菜等をリアルタイムで撮影しながら商品を選ぶバーチャルショッピングを行うことも可能となる。また、まる一日のあいだ連続して一度もテレビの電源がオンにされないような場合には、自動的に警告、家族や医療機関に自動で通知する機能を備えることで、より充実した見守り機能として活用できる。
【0072】
また、
図3(b)に示すように、このシステムのネットワークに接続できるのは、加入者とその登録された家族、登録された参加医療機関、登録された参加サービス提供者等に限られており、クローズドであるのでセキュリティーも安心である。グループ限定のネットワーク接続として、他の外部からの接続は全てシャットアウトする。かんたんネット(仮称)の本発明サービスは、かんたんネット参加企業のみのサービス提供とするので、セキュリティーの心配も不要となる。また、インフラは、既存の地デジ対応テレビや光回線及びインターネット回線等を活用するので、加入者端末及び加入者端末リモコンの設置等のみで済み、低価格で経済的な環境構築が可能である。また、加入者とサービス提供者等参加企業のみの限定であるので、安心して接続し利用可能である。
【0073】
また、
図4(a)は本システムで提供可能なサービスについて説明する図であり、
図4(b)は本サービスを受ける過程で必要な環境について説明する図である。
図4(a)において、テレビを介した対面サービスはさらなる拡がりを期待できるところであり、例えば、対面対応できる行政サービス提供、地域電気店の提供可能サービス増による活性化、地域商店の御用聞き対面販売・配達、病院・診療所とのネット問診サービス、家族と顔を見てつながるテレビ電話、テレビ電源との接続感知で見守りサービス、デジカメ画像の保管・アルバムサービス、動画による健康体操配信サービス等が挙げられる。
【0074】
また、既存の地デジ対応テレビに対して、番号だけの押圧で操作できる簡単リモコン操作とすることも可能である。このような簡単な操作により、上述したように、お年寄りに対する様々なサービスが提供可能となる。また、無料サービスと有料サービスとを簡単に選択できる構成としてもよい。ネットショッピングに関しても、配達時に集金し支払ってもらうことにより、カード払いは不要となる。また、配達時のお届けサービスにより、見守り効果も期待できる。
【0075】
また、
図4(b)に示すように、かんたんネットに必要な機器は、既存の地デジ対応テレビと光通信回線と専用チューナー(加入者端末)+簡単リモコン及びWebカメラである。各過程に既にある地デジ対応テレビに専用機器を接続するのみでよい。ケーブルテレビが敷説されていないような地方・地域においても、テレビ電波が届き難いような辺境の地であっても、光回線は網羅されている。このため、専用チューナーにより操作を簡単にして光回線に接続するだけで、テレビ機能と一体化させることができる。複雑な操作が不要であり番号ボタンだけで専用リモコンと専用画面により、誰でも簡単に操作可能とする。
【0076】
また、
図5(a)はテレビを使って産官学の融合で独居老人にサービスを提供し、地域の高齢者には地域が対応することを説明するイメージ図であり、
図5(b)は公的資金でインフラを構築し地域企業からの利用料で運営する本システムの費用の流れについて説明する図である。
【0077】
(第一の実施形態)
図6は、第一の実施形態のシステム構成概要を説明する概念図である。
図6(a)に示すように、インターネット上に専用クラウドサーバ(
図6(a)(1))を設置し、サービス享受者である高齢者世帯(
図6(a)A)に設置した専用端末(
図6(a)(2))を介して地デジ対応テレビ(
図6(a)(3))を光回線(
図6(a)(4))で限定的に接続し、テレビがインターネットにつながるようにする。パソコンが使えない高齢者でも、専用端末リモコン(
図6(a)(5))を使って操作できることで、簡単に本サービスを使うことができる。
【0078】
更に、地デジ対応テレビ(
図6(a)(3))にはWebカメラ(
図6(a)(6))を設置し、テレビ電話として使える環境を構築する。八百屋等の様々なサービス提供者(
図6(a)B)は、所有しているWebカメラが附属しているパソコン(
図6(a)(7))から専用クラウドサーバ(
図6(a)(1))を介して、高齢者世帯(
図6(a)A)とテレビ電話機能を使って、サービスを供給する。
【0079】
これにより、対面のコミュニケーションが可能となり、結果的にサービス提供者(
図6(a)B)が見守りサービスを提供することになる。このサービスは、専用クラウドサーバ(
図6(a)(1))を介することによって、高齢者世帯(
図6(a)A)からは他のインターネットには接続できない限定したサービスにすることで、管理され、個人を特定できる安全な環境が構築できる。
【0080】
すなわち、高齢者世帯(
図6(a)A)と専用クラウドサーバ(
図6(a)(1))を、専用端末リモコンで簡単に操作できる専用端末(
図6(a)(2))を介して地デジ対応テレビ(
図6(a)(3))に限定的に接続してインターネット環境を構築するシステムと、それを使って守られたテレビ電話機能でコミュニケーションが可能になるシステムを構築する。
【0081】
また、
図6(b)に示すように、このシステムを使って高齢者世帯(
図6(b)A)とサービス提供者B(
図6(b)B)とをつないで対面型、クローズ型のインターネットショッピングができるシステムとする。
【0082】
(第二の実施形態)
図7(a)は第二の実施形態を説明する図である。
図7(a)に示すように、第一の実施形態に示すシステムを使って、サービス提供者(
図7(a)B)と高齢者世帯(
図7(a)A)とのインターネットテレビ電話を介した対面のやりとりの中で、サービス提供者(
図7(a)B)が相手の高齢者の異変に気づいた場合に、専用クラウドサーバに警告を送ることで、専用クラウドサーバに参加している最寄りの警備会社(
図7(a)C)や医療機関(
図7(a)D)、高齢者世帯の家族(
図7(a)E)などに警告やメールが送られるシステムとする。
【0083】
(第三の実施形態)
図7(b)は第三の実施形態を説明する図である。
図7(b)に示すように、第一の実施形態に示すシステムを使って、高齢者世帯(
図7(b)A)で終日など設定した所定期間に連続して一度もテレビの電源が入らないことを検知して、専用クラウドサーバ(
図7(b)(1))に自動的に異常を知らせる警告が発信され、あらかじめ登録された通報先(
図7(b)C)に警告とメールが届くシステム。更に警告を受けた通報先(
図7(b)C)が、専用クラウドサーバ(
図7(b)(1))経由でWebカメラ(
図7(b)(2))の電源を入れて、高齢者の様子を見ることができるシステムとする。
【0084】
(第四の実施形態)
図8(a)は第四の実施形態を説明する図である。
図8(a)に示すように、第一の実施形態に示すシステムを使って、専用クラウドサーバ(
図8(a)(1))と接続されている高齢者世帯(
図8(a)A)から、同じ本サービス享受者(
図8(a)B)とテレビ電話でコミュニケーションをとることができ、そのことでお互いの見守りにもなるシステムとする。
【0085】
(第五の実施形態)
図8(b)は第五の実施形態を説明する図である。
図8(b)に示すように、第一の実施形態に示すシステムを使って、高齢者世帯(
図8(b)A)と遠隔地にいる高齢者世帯の家族(
図8(b)B)とが高齢者世帯(
図8(b)A)側の地デジ対応テレビと高齢者世帯の家族(
図8(b)B)のパソコン、タブレットPC、スマートフォンで、専用クラウドサーバ(
図8(b)(1))を介してテレビ電話ができるシステムとする。
【0086】
上述した各実施形態で説明した双方向リアルタイム対話に基づくインターネットショッピングシステム及びその方法等は、実施形態での説明に限定されるものではなく、本発明の範囲内かつ自明な範囲内で自由にその構成や動作を変更し、組み合わせ適用することが可能である。