特許第6543852号(P6543852)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6543852
(24)【登録日】2019年6月28日
(45)【発行日】2019年7月17日
(54)【発明の名称】コンタクトレンズ着脱器具
(51)【国際特許分類】
   G02C 7/04 20060101AFI20190705BHJP
   G02C 13/00 20060101ALI20190705BHJP
【FI】
   G02C7/04
   G02C13/00
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-144367(P2015-144367)
(22)【出願日】2015年7月21日
(65)【公開番号】特開2017-26760(P2017-26760A)
(43)【公開日】2017年2月2日
【審査請求日】2018年6月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】315008027
【氏名又は名称】中川 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100105670
【弁理士】
【氏名又は名称】栫 生長
(74)【復代理人】
【識別番号】100099634
【弁理士】
【氏名又は名称】平井 安雄
(72)【発明者】
【氏名】中川 伸一
【審査官】 植野 孝郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−197832(JP,A)
【文献】 米国特許第4332408(US,A)
【文献】 実開昭48−10459(JP,U)
【文献】 特許第5726355(JP,B1)
【文献】 特開2003−107413(JP,A)
【文献】 実開昭61−156917(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0236655(US,A1)
【文献】 特開2012−220620(JP,A)
【文献】 特開平1−181865(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02C 1/00−13/00
A61F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼球にソフトコンタクトレンズを着脱するコンタクトレンズ着脱器具において、
釣鐘状の変形材料からなり、先端の開口部における縁部の少なくとも2箇所の部分が他の部分に比べて相対的に薄く形成された変形部を有しており、前記ソフトコンタクトレンズと前記縁部とが密着した状態で釣鐘の内部を負圧にして、前記変形部を釣鐘の内部方向に変形させて前記ソフトコンタクトレンズを剥ぎ取る剥取部と、
前記剥取部に連結し、押圧力を加えることで前記剥取部における前記釣鐘の内部を負圧にする本体部とを備えることを特徴とするコンタクトレンズ着脱器具。
【請求項2】
請求項1に記載のコンタクトレンズ着脱器具において、
前記開口部における縁部の外側形状又は内側形状のいずれか一方が真円状であり、いずれか他方が楕円状であることを特徴とするコンタクトレンズ着脱器具。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のコンタクトレンズ着脱器具において、
前記本体部が、
左右方向からの押圧力により相互に接近する方向に可動する一対の第1の部位と、
前記第1の部位への押圧力に伴って支点を中心に左右に回動しながら相互に遠ざかる方向に可動する一対の第2の部位と、
前記第2の部位に挟持され、当該第2の部位の可動に伴って前記釣鐘内部の空気を引き込む引込部とを備えることを特徴とするコンタクトレンズ着脱器具。
【請求項4】
請求項3に記載のコンタクトレンズ着脱器具において、
前記回動による前記剥取部の前後方向の位置ずれを補正する補正手段を備えることを特徴とするコンタクトレンズ着脱器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直接手を触れることなくソフトコンタクトレンズを着脱するコンタクトレンズ着脱器具に関する。
【背景技術】
【0002】
ソフトコンタクトレンズを取り外す場合、指先でレンズを挟み取る必要があるため、爪などで眼球を傷付けてしまう場合がある。また、直接眼球に指が触れることもあるため、外出先などでやむを得ず汚れた手でレンズの取り外しを行ってしまうと、雑菌などが混入して目の病気などを発症してしまう場合もある。
【0003】
上記のような問題に関して、例えば特許文献1に示す技術が開示されている。特許文献1に示す技術は、シリコンゴム製の吸盤部1と、L字形の頸部21を持つ合成樹脂製の操作部2とから成り、吸盤部1の周面11の下方の変形部12は、他の部分に比べて薄く成形され、薄く成形された変形部12は、吸着面13とソフトレンズ3の間の空間の気圧が下がるにつれ、ソフトレンズ3の周面を他の周面部分より引きつけ、その結果、吸盤部1の変形部12は、他の周面部分に比べてより大きく変形し、ソフトレンズ3の周面の下部31をめくり上げ、レンズを取り外しやすくするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−197832号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に示す技術は、周面の下方部分が変形することでソフトレンズをめくり上げる構成であるため、指を使った場合(親指と人差し指で抓み取る通常の取り外し方)と感覚が異なり、装着者が違和感を感じてしまう可能性がある。また、特許文献1に示す技術は吸盤部の形状が側面方向から見て三日月状となっているため、変形部を十分に変形させるためには強い吸引力が必要となり、力の制御が難しくなってしまう。
【0006】
本発明は、釣鐘状の変形材料の開口部を変形させて、左右方向からソフトコンタクトレンズを挟み込みながら剥ぎ取ることで、指を使った場合の動作に近い感覚で違和感なくソフトコンタクトレンズの着脱を行うコンタクトレンズ着脱器具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るコンタクトレンズ着脱器具は、眼球にソフトコンタクトレンズを着脱するコンタクトレンズ着脱器具において、釣鐘状の変形材料からなり、先端の開口部における縁部の少なくとも2箇所の部分が他の部分に比べて相対的に薄く形成された変形部を有しており、前記ソフトコンタクトレンズと前記縁部とが密着した状態で釣鐘の内部を負圧にして、前記変形部を釣鐘の内部方向に変形させて前記ソフトコンタクトレンズを剥ぎ取る剥取部と、前記剥取部に連結し、押圧力を加えることで前記剥取部における前記釣鐘の内部を負圧にする本体部とを備えるものである。
【0008】
このように、本発明に係るコンタクトレンズ着脱器具においては、釣鐘状の変形材料からなり、先端の開口部における縁部の少なくとも2箇所の部分が他の部分に比べて相対的に薄く形成された変形部を有しており、前記ソフトコンタクトレンズと前記縁部とが密着した状態で釣鐘の内部を負圧にして、前記変形部を釣鐘の内部方向に変形させて前記ソフトコンタクトレンズを剥ぎ取る剥取部と、前記剥取部に連結し、押圧力を加えることで前記剥取部における前記釣鐘の内部を負圧にする本体部とを備えるため、指を使った場合と同様の動作でソフトコンタクトレンズを2箇所から挟み込むように剥ぎ取ることができ、装着者が違和感なく且つ指を使わずにソフトコンタクトレンズを取り外すことができるという効果を奏する。
【0009】
また、剥取部が釣鐘状になっているため、吸引による変形部への力を効果的に伝えることができ、力の制御が容易になるという効果を奏する。
【0010】
さらに、本体部は、押圧力を加えることで、剥取部における釣鐘の内部を負圧にするため、指を使った場合と同じ動作を本体部に対して行うことで、装着者が違和感のない操作でソフトコンタクトレンズを取り外すことができるという効果を奏する。
【0011】
本発明に係るコンタクトレンズ着脱器具は、前記開口部における縁部の外側形状又は内側形状のいずれか一方が真円状であり、いずれか他方が楕円状とするものである。
【0012】
このように、本発明に係るコンタクトレンズ着脱器具においては、開口部における縁部の外側形状又は内側形状のいずれか一方が真円状であり、いずれか他方が楕円状であるため、開口部の縁部に厚みの差を形成して変形部を効率よく変形させることが可能になるという効果を奏する。
【0013】
本発明に係るコンタクトレンズ着脱器具は、前記本体部が、左右方向からの押圧力により相互に接近する方向に可動する一対の第1の部位と、前記押圧部位への押圧力に伴って支点を中心に左右に回動しながら相互に遠ざかる方向に可動する一対の第2の部位と、前記第2の部位に挟持され、当該第2の部位の可動に伴って前記釣鐘内部の空気を引き込む引込部とを備えるものである。
【0014】
このように、本発明に係るコンタクトレンズ着脱器具においては、本体部が、左右方向からの押圧力により相互に接近する方向に可動する一対の第1の部位と、前記押圧部位への押圧力に伴って支点を中心に左右に回動しながら相互に遠ざかる方向に可動する一対の第2の部位と、前記第2の部位に挟持され、当該第2の部位の可動に伴って前記釣鐘内部の空気を引き込む引込部とを備えるため、指を使った場合と同じ動作を押圧箇所に対して行うことで、装着者が違和感のない操作でソフトコンタクトレンズを取り外すことができるという効果を奏する。
【0015】
本発明に係るコンタクトレンズ着脱器具は、前記回動による前記剥取部の前後方向の位置ずれを補正する補正手段を備えるものである。
【0016】
このように、本発明に係るコンタクトレンズ着脱器具においては、回動による前記剥取部の前後方向の位置ずれを補正するため、剥取部における開口部の位置を固定した状態でソフトコンタクトレンズの取り外しを行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1の実施形態に係るコンタクトレンズ着脱器具の全体斜視図である。
図2】第1の実施形態に係るコンタクトレンズ着脱器具の平面図である。
図3】利用者が押圧部位を押圧した場合のコンタクトレンズ着脱器具の上面図及び側面図である。
図4】剥取部の開口部の形状を示す図である。
図5】剥取部の前後方向の位置ずれを説明する図である。
図6】第2の実施形態に係るコンタクトレンズ着脱器具における前後方向の位置を補正する場合の構成を示す図である。
図7】第3の実施形態に係るコンタクトレンズ着脱器具における剥取部の構造を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を説明する。また、本実施形態の全体を通して同じ要素には同じ符号を付けている。
【0019】
(本発明の第1の実施形態)
本実施形態に係るコンタクトレンズ着脱器具について、図1ないし図4を用いて説明する。本実施形態に係るコンタクトレンズ着脱器具はソフトコンタクトレンズ(以下、単にレンズという)の装着及び取り外しを行いものであり、特に、手でレンズを直接触ることなく、手で行う場合と同様の取り外し動作でレンズの取り外しを安全且つ簡単に行うことが可能である。
【0020】
図1は、本実施形態に係るコンタクトレンズ着脱器具の全体斜視図、図2は、本実施形態に係るコンタクトレンズ着脱器具の平面図である。図2(A)は、コンタクトレンズ着脱器具の上面図であり、図2(B)は、コンタクトレンズ着脱器具の側面図である。コンタクトレンズ着脱器具1は、レンズの凸面に当接させるための開口部2を先端部に有する釣鐘状の剥取部3と、連接管5を介して剥取部3に連接され、利用者の操作に応じて剥取部3における釣鐘内部の圧力を制御する本体部4とを備える。
【0021】
剥取部3における開口部2の縁部6は、少なくとも2箇所(例えば、開口部2の左右又は上下等)で他の部分に比べて相対的に薄く形成された変形部7a,7bを有しており、剥取部3における釣鐘の内部が負圧になった場合に、変形部7a,7bが釣鐘の内側方向に変形する構造となっている。
【0022】
本体部4は、剥取部3と連接管5で連接され変形材料(例えば、プラスチック等)で形成された吸引部8と、吸引部8の両側面を対向して固定する挟持部9a,9bと、吸引部8の後端側に挟持部9a,9bの開閉動作の軸となる軸部10と、挟持部9a,9bから軸部10に延出し当該軸部10を中心に回動動作が可能に設置されている接合板11a,11bとを備える。
【0023】
挟持部9a,9bは、接合板11a,11bが延出している箇所のさらに後端側に押圧部位12a,12bを有しており、この押圧部位12a,12bを相互に接近する方向(以下、内側方向という)に押圧することで、軸部10を中心として挟持部9a,9bの先端部位13a,13bが相互に離隔する方向(以下、外側方向という)に可動する。先端部位13a,13bの可動に伴い、吸引部8が外側方向に引っ張られ、その張力により吸引部8が変形すると共に、吸引部8内が負圧の状態となる。
【0024】
剥取部3の開口部2にレンズが密着している状態で上記のように吸引部8内が負圧になると、それに伴い剥取部4の釣鐘内部が負圧になる。その結果、釣鐘内部に掛かる圧力により剥取部3の変形部7a,7bが内側方向に変形してレンズを剥ぎ取る機能が実現される。
【0025】
利用者の動作に伴うコンタクトレンズ着脱器具1の機能について、図3及び図4を用いてさらに詳細に説明する。図3は、利用者が押圧部位12a,12bを押圧した場合のコンタクトレンズ着脱器具1の上面図及び側面図を示す。図4は、剥取部3における変形部7a,7bが変形する様子を示す図である。
【0026】
図3に示すように、剥取部3の開口部2をレンズに密着させた状態で、利用者が指で押圧部位12a,12bを内側方向に押圧する動作(指で直接レンズを剥ぎ取る際のレンズを摘む動作に相当)を行うと、当該動作に伴って先端部位13a,13bが軸部10を中心として回動するように外側方向に可動し、吸引部8が変形すると共に吸引部8の内部が負圧になる。この吸引部8の内部圧力により剥取部3の釣鐘内部の空気が連接管5を介して吸引部3に引き込まれ、釣鐘内部が負圧になる。
【0027】
釣鐘内部が負圧になると、その圧力により図4に示すように、剥取部3の開口部2における変形部7a,7bが釣鐘の内部方向に変形する。この変形部7a,7bの動作が指の代わりとなり、左右方向からレンズを摘んで眼球から剥ぎ取る。レンズが取り外された後は、指の押圧力を弱めることで吸引部8の復元力により挟持部9a,9bが元の状態に戻る。吸引部8の復元に伴って剥取部3における釣鐘内部の圧力が大気圧となり、変形部7a,7bも復元され、剥取部3とレンズとが分離される。
【0028】
このように、指で直接レンズを剥ぎ取る際のレンズを摘む動作と同様の動作を押圧部位12a,12bに対して行うことで、指で直接レンズを触ることなく、剥取部3の変形部7a,7bにより違和感なくレンズを取り外すことが可能となる。
【0029】
なお、図4(A)に示すように、剥取部3の開口部2における縁部6の外側形状を真円状とし、内側形状を楕円状とすることで、縁部6の左右2箇所に変形部7a,7bを形成するようにしてもよい。また、剥取部3の開口部2における縁部6の外側形状を楕円状とし、内側形状を真円状とすることで、縁部6の2箇所に変形部7a,7bを形成するようにしてもよい。この場合、外側形状の楕円における長径が垂直方向となるように(楕円が縦長となるように)構成することで縁部6の左右2箇所に変形部7a,7bを形成することが可能となる。
【0030】
また、押圧部位12a,12bへの指による押圧動作、及び、変形部7a,7bによるレンズを剥ぎ取る動作は、いずれもレンズ装着者の左右方向に対して加力、可動することが最も違和感なくレンズを取り外すことができるが、装着者の好みによっては、必ずしも左右方向に対しての押圧部位12a,12bへの加力、及び、変形部7a,7bの可動に限定される必要はない。
【0031】
(本発明の第2の実施形態)
本実施形態に係るコンタクトレンズ着脱器具について、図5及び図6を用いて説明する。本実施形態に係るコンタクトレンズ着脱器具は、剥取部3の前後方向の位置ずれを補正する手段を備えるものである。なお、本実施形態において、前記第1の実施形態と重複する説明は省略する。
【0032】
図5は、剥取部3の前後方向の位置ずれを説明する図である。図5(A)は通常時(レンズの着脱動作を行わない時)の状態を示し、図5(B)はレンズ着脱時の状態を示している。図からわかるように、押圧部位12a,12bが押圧されることで先端部位13a,13bが可動し、その結果、吸引部8の形状が変形し剥取部3の位置が本体部4の方向に後退する。つまり、剥取部3がレンズを摘み取る前にレンズから乖離してしまい、レンズを剥ぎ取ることができなくなる可能性がある。
【0033】
そこで、本実施形態においては、吸引部8が変形しても剥取部3の位置が本体部4の方向に後退しないように位置を補正する。図6は、本実施形態に係るコンタクトレンズ着脱器具における前後方向の位置を補正する場合の構成を示す図である。図6(A)は吸引部8の形状を蛇腹状にした場合の構成を示しており、図6(B)は図6(A)において連結棒を用いてより確実に補正する場合の構成を示しており、図6(C)は図6(A)においてフックを用いてより確実に補正する場合の構成を示している。
【0034】
本実施形態においては、図6(A)に示すように、吸引部8が外側方向及び内側方向に伸縮自在となるように形成された蛇腹状となるのが好ましい。そうすることで、押圧部位12a,12bへの押圧に伴って、吸引部8の後方側の面61の伸縮率と前方側の面62の伸縮率との差により、吸引部8が前方側の面を押し出されるように可動し、剥取部3の位置が後退するのを防止することが可能となる。
【0035】
また、より確実に位置補正を行う場合には、図6(B)や図6(C)に示すように、軸部10と吸引部8の後方側の面61との距離を一定に保持する。図6(B)では、軸部10と面61とを連結棒63で接続して固定する。そうすることで、押圧部位12a,12bへの押圧があった場合であっても、面61と軸部10との距離が一定に保持される。そして、面61が連結棒63に支持されることで、蛇腹状の吸引部8が後退することを防止することができる。
【0036】
図6(C)の場合も同様に、軸部10と吸引部8の後方側の面61との距離を一定に保持する。具体的には、面61にフック64を通すための孔が空いた突起部65を設け、挟持部9a又は挟持部9bのいずれかにフック64を固着する。フック64は、軸部10を中心として弧を描くように湾曲して配置されるように突起部65の孔に挿通される。こうすることで、押圧部位12a,12bへの押圧があった場合であっても、フック64の円弧で面61が押し出されるように作用し、結果として蛇腹状の吸引部8が後退することを防止することができる。
【0037】
なお、吸引部8は必ずしも蛇腹状に形成される必要はないが、面61を支持する力が面62にそのまま伝わるように吸引部8の各部位の形状、材質、硬度(変形度)が調整されていることが望ましい。
【0038】
また、使用者によっては、剥取部3が徐々に後退することで効果的に眼球からレンズを取り外せる場合もある。その場合には、連結棒63やフック64を設けずに、吸引部8の蛇腹の伸縮率で後退距離が調整されるようにしてもよい。
【0039】
(本発明の第3の実施形態)
本実施形態に係るコンタクトレンズ着脱器具について、図7を用いて説明する。本実施形態に係るコンタクトレンズ着脱器具は、剥取部3の開口部2の形状が、変形部7a,7bにおいて前方に突出しているものである。なお、本実施形態において、前記各実施形態と重複する説明は省略する。
【0040】
図7は、本実施形態に係るコンタクトレンズ着脱器具における剥取部の構造を示す図である。図7(A)は剥取部3の全体斜視図、図7(B)は剥取部3の上面図、図7(C)は剥取部3の側面図である。図7に示すように、剥取部3の開口部2の形状が全体的に湾曲しており、レンズの凸部と密着しやすい形状となっている。また、変形部7a,7bの箇所において前方向(レンズ着脱時における眼球側)への凸状体71a,71bが形成されており、この凸状体71a,71bによりレンズが摘みやすくなっている。すなわち、指の動作により近い状態を実現している。
【符号の説明】
【0041】
1 コンタクトレンズ着脱器具
2 開口部
3 剥取部
4 本体部
5 連接部
6 縁部
7a,7b 変形部
8 吸引部
9a,9b 挟持部
10 軸部
11a,11b 接合板
12a,12b 押圧部位
13a,13b 先端部位
63 連結棒
64 フック
65 突起部
71a,71b 凸状体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7