(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
<第一の実施形態>
以下、図面を参照しながら実施形態について詳しく説明する。
まず、本発明の第一の実施形態による制御装置を備える空調システムに用いられる室外機の構成について説明する。
図1に示すように、本実施形態による室外機1(対象装置)は、交流電源10と、AC(Alternative Current)−DC(Direct Current)コンバータ20と、インバータ30と、モータ40と、制御装置50と、を備える。
【0014】
交流電源10は、交流電圧を生成し、AC−DCコンバータ20に出力する。
AC−DCコンバータ20は、リアクトル201と、整流ダイオードスタック202と、キャパシタ203と、を備える。
AC−DCコンバータ20が備える整流ダイオードスタック202は、交流電源10から入力した交流電圧を整流する。
リアクトル201とキャパシタ203は、交流電源10の高調波を抑制する平滑化フィルタを構成し、整流ダイオードスタック202による整流後の電圧のリップルを低減する。
そして、AC−DCコンバータ20は、整流後の直流電圧をインバータ30に出力する。
【0015】
インバータ30は、AC−DCコンバータ20から入力した直流電圧をモータ40を駆動するための交流電圧に変換する。インバータ30は、例えば、6つのスイッチング素子により構成される。スイッチング素子301〜306のそれぞれは、制御装置50から制御電圧を入力し、入力した制御電圧がHi状態の場合にオン状態(導通状態)、入力した制御電圧がLo状態の場合にオフ状態(非導通状態)に切り替える。そして、インバータ30は、モータ40を駆動するU相の電圧、V相の電圧、W相の電圧のそれぞれを生成する。制御電圧は、例えば、
図2に示すようなPWM(Pulse Width Modulation)信号である。制御電圧は、インバータ30がモータ40を駆動する電圧の1周期に比べて十分に短い周期の電圧である。制御電圧は、インバータ30がモータ40に出力する交流電圧の振幅が各タイミングで適切な大きさになるように、制御信号の1周期毎にパルス幅が変化する。
スイッチング素子301〜306のそれぞれは、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)やパワーMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)である。
【0016】
モータ40は、インバータ30が出力する交流電圧に応じて動作する。モータ40は、例えば、空調機のコンプレッサ用のコンプレッサモータである。
【0017】
制御装置50は、検知部501と、電圧検知部502と、2つのA/D(Analog to Digital)変換回路503、504(A/D変換部)と、駆動信号発生部505と、トランジスタ回路506と、A/D変換判定部507(判定部)と、を備える。
【0018】
検知部501は、室外機1における電流または電圧を検出する。例えば、検知部501は、抵抗であり、モータ40に流れる三相交流電流であるモータ電流を検出する。例えば、スイッチング素子301、304、306がオン状態、スイッチング素子302、303、305がオフ状態である場合、スイッチング素子301〜306を制御する制御電圧に応じた電流が、スイッチング素子301からU相に対応する配線を経由してモータ40に入力され、モータ40からV相とW相のそれぞれに対応するそれぞれの配線を経由して2つのスイッチング素子304、306に出力される。したがって、検知部501は、スイッチング素子301、304、306がオン状態、スイッチング素子302、303、305がオフ状態である場合、スイッチング素子301からU相に対応する配線を経由してモータ40に入力される電流を検出することができる。
【0019】
また、例えば、スイッチング素子301、303、306がオン状態、スイッチング素子302、304、305がオフ状態である場合、スイッチング素子301〜306を制御する制御電圧に応じた電流が、2つのスイッチング素子301、303からU相とV相のそれぞれに対応するそれぞれの配線を経由してモータ40に入力され、モータ40からW相に対応する配線を経由してスイッチング素子306に出力される。したがって、検知部501は、スイッチング素子301、303、306がオン状態、スイッチング素子302、304、305がオフ状態である場合、モータ40からW相に対応する配線を経由してスイッチング素子306に出力される電流を検出することができる。
【0020】
また、例えば、スイッチング素子302、303、306がオン状態、スイッチング素子301、304、305がオフ状態である場合、スイッチング素子301〜306を制御する制御電圧に応じた電流が、スイッチング素子303からV相に対応する配線を経由してモータ40に入力され、モータ40からU相とW相のそれぞれに対応するそれぞれの配線を経由して2つのスイッチング素子302、306に出力される。したがって、検知部501は、スイッチング素子302、303、306がオン状態、スイッチング素子301、304、305がオフ状態である場合、スイッチング素子303からV相に対応する配線を経由してモータ40に入力される電流を検出することができる。
【0021】
また、例えば、スイッチング素子302、303、305がオン状態、スイッチング素子301、304、306がオフ状態である場合、スイッチング素子301〜306を制御する制御電圧に応じた電流が、2つのスイッチング素子303、305からV相とW相のそれぞれに対応するそれぞれの配線を経由してモータ40に入力され、モータ40からU相に対応する配線を経由してスイッチング素子302に出力される。したがって、検知部501は、スイッチング素子302、303、305がオン状態、スイッチング素子301、304、306がオフ状態である場合、モータ40からU相に対応する配線を経由してスイッチング素子302に出力される電流を検出することができる。
【0022】
また、例えば、スイッチング素子302、304、305がオン状態、スイッチング素子301、303、306がオフ状態である場合、スイッチング素子301〜306を制御する制御電圧に応じた電流が、スイッチング素子305からW相に対応する配線を経由してモータ40に入力され、モータ40からU相とV相のそれぞれに対応するそれぞれの配線を経由して2つのスイッチング素子302、304に出力される。したがって、検知部501は、スイッチング素子302、304、305がオン状態、スイッチング素子301、303、306がオフ状態である場合、スイッチング素子305からW相に対応する配線を経由してモータ40に入力される電流を検出することができる。
【0023】
また、例えば、スイッチング素子301、304、305がオン状態、スイッチング素子302、303、306がオフ状態である場合、スイッチング素子301〜306を制御する制御電圧に応じた電流が、2つのスイッチング素子301、305からU相とW相のそれぞれに対応するそれぞれの配線を経由してモータ40に入力され、モータ40からV相に対応する配線を経由してスイッチング素子304に出力される。したがって、検知部501は、スイッチング素子301、304、305がオン状態、スイッチング素子302、303、306がオフ状態である場合、モータ40からV相に対応する配線を経由してスイッチング素子304に出力される電流を検出することができる。
【0024】
なお、スイッチング素子301、303、305がオン状態かつスイッチング素子302、304、306がオフ状態である場合、または、スイッチング素子302、304、306がオン状態かつスイッチング素子301、303、305がオフ状態である場合のモータ電流は、モータの還流電流(同時にHi状態または同時にLo状態になった場合にモータ巻線コイルが電流を流そうとする電流)がスイッチング素子301〜306のそれぞれに接続されているダイオードを流れる。また、モータ電流の2周期の平均値は0であることが予め定まり、検知部501が検出する電流は、振幅が0アンペアを中心にプラス側とマイナス側に振れる疑似正弦波となる。
【0025】
電圧検知部502は、検知部501が検出した電流に対応する電圧を検出する。例えば、電圧検知部502は、検知部501が検出した電流に対応する電圧を、
図3に示すように、振幅の中心が基準電圧(例えば、2.5ボルト)と一致する交流電圧に変換してb1、a1、b2,a2、b3、a3、・・・といったタイミングで出力する。
図3において、横軸は位相を示している。また、縦軸は振幅を示している。
図3に示すU相、V相、W相のそれぞれに対応する交流電圧は、振幅が1.5ボルトであり、互いに位相が120度ずれている。
【0026】
2つのA/D変換回路503、504のそれぞれは、電圧検知部502が出力する電圧を所定のタイミング毎に取得する。
U相、V相、W相のそれぞれに対応する交流電圧が
図4に示す位相関係にある場合、0度〜60度において最も高い電圧であるU相に対応する電圧Aは、スイッチング素子301からU相に対応する配線を経由してモータ40に入力され、モータ40からV相とW相のそれぞれに対応するそれぞれの配線を経由して2つのスイッチング素子304、306に出力される電圧である。また、0度〜120度において最も低い電圧であるW相に対応する電圧Bは、2つのスイッチング素子301、303からU相とV相のそれぞれに対応するそれぞれの配線を経由してモータ40に入力され、モータ40からW相に対応する配線を経由してスイッチング素子306に出力される電圧である。また、60度〜180度において最も高い電圧であるV相に対応する電圧Aは、スイッチング素子303からV相に対応する配線を経由してモータ40に入力され、モータ40からU相とW相のそれぞれに対応するそれぞれの配線を経由して2つのスイッチング素子302、306に出力される電圧である。また、120度〜240度において最も低い電圧であるU相に対応する電圧Bは、2つのスイッチング素子304、306からV相とW相のそれぞれに対応するそれぞれの配線を経由してモータ40に入力され、モータ40からU相に対応する配線を経由してスイッチング素子302に出力される電圧である。また、180度〜300度において最も高い電圧であるW相に対応する電圧Aは、スイッチング素子305からW相に対応する配線を経由してモータ40に入力され、モータ40からU相とV相のそれぞれに対応するそれぞれの配線を経由して2つのスイッチング素子302、304に出力される電圧である。また、240度〜360度において最も低い電圧であるV相に対応する電圧Bは、スイッチング素子301〜306を制御する制御電圧に応じた電流が、2つのスイッチング素子301、305からU相とW相のそれぞれに対応するそれぞれの配線を経由してモータ40に入力され、モータ40からV相に対応する配線を経由してスイッチング素子304に出力される電圧である。
【0027】
したがって、A/D変換回路503は、0度〜60度においてスイッチング素子301、304、306がオン状態、スイッチング素子302、303、305がオフ状態となる所定のタイミング毎(例えば、
図4におけるa1、a2、a3、・・・のそれぞれ隣り合う時間間隔毎)に電圧検知部502から
図3における電圧Aを取得する。また、A/D変換回路503は、60度〜180度においてスイッチング素子302、303、306がオン状態、スイッチング素子301、304、305がオフ状態となる所定のタイミング毎に電圧検知部502から
図3における電圧Aを取得する。また、A/D変換回路503は、180度〜300度においてスイッチング素子302、304、305がオン状態、スイッチング素子301、303、306がオフ状態となる所定のタイミング毎に電圧検知部502から
図3における電圧Aを取得する。こうすることで、A/D変換回路503は、
図4に示す電圧A、すなわち、インバータ30からU相、V相、W相のそれぞれに対応する配線を経由してモータ40に入力されるそれぞれの電圧のうちの最大電圧に対応する電圧Aを所定のタイミング毎に取得することができる。
【0028】
また、例えば、A/D変換回路504は、0度〜120度においてスイッチング素子301、303、306がオン状態、スイッチング素子302、304、305がオフ状態となる所定のタイミング毎(例えば、
図4におけるb1、b2、b3、・・・のそれぞれ隣り合う時間間隔毎)に電圧検知部502から
図3における電圧Bを取得する。また、A/D変換回路504は、120度〜240度においてスイッチング素子302、303、305がオン状態、スイッチング素子301、304、306がオフ状態となる所定のタイミング毎に電圧検知部502から
図3における電圧Bを取得する。また、A/D変換回路504は、240度〜360度においてスイッチング素子301、304、305がオン状態、スイッチング素子302、303、306がオフ状態となる所定のタイミング毎に電圧検知部502から
図3における電圧Bを取得する。こうすることで、A/D変換回路504は、
図4に示す波形B、すなわち、モータ40からU相、V相、W相のそれぞれに対応する配線を経由して出力されるそれぞれの電圧のうちの
最小電圧に対応する電圧Bを所定のタイミング毎に取得することができる。
【0029】
A/D変換回路503は、取得した電圧A(アナログ値)をデジタル値に変換する。そして、A/D変換回路503は、デジタル値を駆動信号発生部505とA/D変換判定部507とに出力する。
また、A/D変換回路504は、取得した電圧B(アナログ値)をデジタル値に変換する。そして、A/D変換回路504は、デジタル値を駆動信号発生部505とA/D変換判定部507とに出力する。
【0030】
駆動信号発生部505は、インバータ30を構成するスイッチング素子301〜306を制御する制御信号を生成する。駆動信号発生部505は、例えば、スイッチング素子301〜306を制御するPWM信号を生成する。このとき、駆動信号発生部505は、A/D変換回路503から入力したデジタル値が示す電圧Aと、A/D変換回路504から入力したデジタル値が示す電圧BとをPWM信号の生成にフィードバックしてもよい。
駆動信号発生部505は、生成した制御信号をトランジスタ回路506を介してインバータ30に出力する。また、駆動信号発生部505は、生成した制御信号をA/D変換判定部507に出力する。
【0031】
トランジスタ回路506は、駆動信号発生部505から入力した制御信号をインバータ30を駆動できる信号に変換してインバータ30に出力する。トランジスタ回路506は、例えば、バッファ回路であり、
図2で示したような各タイミングに適した制御信号をインバータ30に出力する。
【0032】
室外機1において、検知部501は、モータ40に流れるモータ電流を検出する。2つのA/D変換回路503、504は、検知部501が検出したモータ電流に対応する電圧をアナログ値からデジタル値に変換する。A/D変換判定部507は、2つのA/D変換回路503、504のそれぞれによる変換後のデジタル値を一定期間加算して2分の1倍した値の平均値を算出する。そして、A/D変換判定部507は、予め定まるモータ電流の一定期間の平均値0に基づいて決定された基準電圧(例えば、2.5V)と、算出した平均値との差が所定範囲(例えば、1.5V〜3.5V)外である場合に、2つのA/D変換回路503、504のうちの少なくとも1つが正常動作していないと判定する。
【0033】
次に、本実施形態による室外機1が行う処理について説明する。
なお、ここでは、
図1で示した室外機1を例に処理について説明する。
【0034】
まず、室外機1が交流電源10の出力する単相交流電圧を整流して直流電圧を生成し、生成した直流電圧からモータ40を駆動する交流電圧を生成する通常状態の処理について説明する。
図5に示す本実施形態による室外機1がモータ40を駆動する交流電圧を生成する通常状態の処理フローについて以下で説明する。
室外機1が備える交流電源10は、位相が180度ずれた単相交流電圧をAC−DCコンバータ20に出力する。
【0035】
AC−DCコンバータ20が備える整流ダイオードスタック202は、交流電源10から単相交流電圧を入力する(ステップS1)。整流ダイオードスタック202は、入力した単相交流電圧を全波整流する(ステップS2)。
【0036】
リアクトル201とキャパシタ203は、平滑化フィルタを構成し、整流後の電圧を平滑化する(ステップS3)。そして、リアクトル201とキャパシタ203は、平滑化後の直流電圧をインバータ30に出力する。
【0037】
インバータ30は、直流電圧を入力すると、入力した直流電圧からモータ40を駆動するための交流電圧を生成する(ステップS4)。インバータ30は、生成した交流電圧をモータ40に出力する。
モータ40は、インバータ30から交流電圧を入力すると、入力した交流電圧に応じて動作する(ステップS5)。
【0038】
次に、室外機1が通常状態の処理と並行に行う2つのA/D変換回路503、504の異常を検出する処理について説明する。
図6に示す本実施形態による室外機1が通常状態の処理と並行に行う2つのA/D変換回路503、504の異常を検出する処理フローについて以下で説明する。
【0039】
室外機1が行うステップS5の処理に続けて、A/D変換判定部507は、モータ40が運転中であるか否かを判定する(ステップS6)。具体的には、A/D変換判定部507は、例えば、駆動信号発生部505から駆動信号発生部505がトランジスタ回路506に制御信号を出力しているか否かの情報を取得する。そして、A/D変換判定部507は、駆動信号発生部505からトランジスタ回路506に制御信号を出力していることを示す情報を取得した場合、モータ40が運転中であると判定する。また、A/D変換判定部507は、駆動信号発生部505からトランジスタ回路506に制御信号を出力していないことを示す情報を取得した場合、モータ40が運転中ではないと判定する。
【0040】
A/D変換判定部507は、モータ40が運転中ではないと判定した場合(ステップS6、NO)、室外機1の処理を終了させる。
また、A/D変換判定部507は、モータ40が運転中であると判定した場合(ステップS6、YES)、2つのA/D変換回路503、504のそれぞれに検知部501が通常状態において検出しているモータ電流の上側と下側のそれぞれに対応する電圧を取得させる指示信号を出力する。なお、モータ電流の上側に対応する電圧とは、インバータ30からU相、V相、W相のそれぞれに対応する配線を経由してモータ40に入力されるそれぞれの電圧のうちの最大電圧に対応する電圧(
図4で示した電圧A)である。また、モータ電流の下側に対応する電圧とは、モータ40からU相、V相、W相のそれぞれに対応する配線を経由して出力されるそれぞれの電圧のうちの最大電圧に対応する電圧(
図4で示した電圧B)である。
【0041】
通常状態において、検知部501は、モータ40に流れるモータ電流を検出している。また、電圧検知部502は、検知部501が検出したモータ電流に対応する電圧を検出している。
2つのA/D変換回路503、504のそれぞれは、A/D変換判定部507から指示信号を入力すると、駆動信号発生部505からトランジスタ回路506に出力する制御信号のタイミング情報を取得する。そして、2つのA/D変換回路503、504のそれぞれは、駆動信号発生部505がトランジスタ回路506に出力する制御信号のタイミング情報に基づいて、電圧検知部502が出力するモータ電流の上側と下側のそれぞれに対応する電圧を所定のタイミング毎に取得する(ステップS7)。具体的には、2つのA/D変換回路503、504のそれぞれは、駆動信号発生部505がトランジスタ回路506に出力する制御信号のタイミング情報により、
図2で示したような各タイミングにおいてU相、V相、W相のそれぞれがオン状態であるかオフ状態であるかがわかる。したがって、例えば、U相、V相、W相のそれぞれに対応する電圧が
図4に示す位相関係にある場合、A/D変換回路503は、0度〜60度においてスイッチング素子301、304、306がオン状態、スイッチング素子302、303、305がオフ状態となる所定のタイミング毎(例えば、
図4におけるa1、a2、a3、・・・のそれぞれ隣り合う時間間隔毎)に電圧検知部502が出力する電圧Aを取得する。また、A/D変換回路503は、60度〜180度においてスイッチング素子302、303、306がオン状態、スイッチング素子301、304、305がオフ状態となる所定のタイミング毎に電圧検知部502から電圧Aを取得する。また、A/D変換回路503は、180度〜300度においてスイッチング素子302、304、305がオン状態、スイッチング素子301、303、306がオフ状態となる所定のタイミング毎に電圧検知部502が出力する電圧Aを取得する。こうすることで、A/D変換回路503は、
図4に示す電圧A、すなわち、インバータ30からU相、V相、W相のそれぞれに対応する配線を経由してモータ40に入力されるそれぞれの電圧のうちの最大電圧に対応する電圧Aを所定のタイミング毎に取得することができる。
【0042】
また、例えば、A/D変換回路504は、0度〜120度においてスイッチング素子301、303、306がオン状態、スイッチング素子302、304、305がオフ状態となる所定のタイミング毎(例えば、
図4におけるb1、b2、b3、・・・のそれぞれ隣り合う時間間隔毎)に電圧検知部502から電圧Bを取得する。また、A/D変換回路504は、120度〜240度においてスイッチング素子302、303、305がオン状態、スイッチング素子301、304、306がオフ状態となる所定のタイミング毎に電圧検知部502から電圧Bを取得する。また、A/D変換回路504は、240度〜360度においてスイッチング素子301、304、305がオン状態、スイッチング素子302、303、306がオフ状態となる所定のタイミング毎に電圧検知部502から電圧Bを取得する。こうすることで、A/D変換回路504は、
図4に示す波形B、すなわち、モータ40からU相、V相、W相のそれぞれに対応する配線を経由して出力されるそれぞれの電圧のうちの最大電圧に対応する電圧Bを所定のタイミング毎に取得することができる。
【0043】
A/D変換回路503は、取得した電圧A(アナログ値)をデジタル値に変換する。そして、A/D変換回路503は、デジタル値を駆動信号発生部505とA/D変換判定部507とに出力する。
また、A/D変換回路504は、取得した電圧B(アナログ値)をデジタル値に変換する。そして、A/D変換回路504は、デジタル値を駆動信号発生部505とA/D変換判定部507とに出力する。
【0044】
A/D変換判定部507は、A/D変換回路503から電圧A(モータ電流の上側に対応する電圧)に対応するデジタル値を入力する。また、A/D変換判定部507は、A/D変換回路504から電圧B(モータ電流の下側に対応する電圧)に対応するデジタル値を入力する。そして、A/D変換判定部507は、入力した電圧Aに対応するデジタル値と電圧Bに対応するデジタル値を一定期間加算して2分の1倍した値の平均値を算出する(ステップS8)。ここでの一定期間は、平均値が予め定まる、例えば、
図3で示した360度を1周期として2周期分の期間などである。A/D変換判定部507は、入力した電圧Aと電圧Bを一定期間加算して2分の1倍した値の平均値を算出すると基準電圧(
図3で示した電圧の場合、2.5ボルト)となることが予め定まる。
A/D変換判定部507は、算出した平均値と、予め定まるモータ電流の一定期間の平均値に基づいて決定された基準値との差が所定範囲内であるか否かを判定する(ステップS9)。
【0045】
A/D変換判定部507は、算出した平均値と、予め定まるモータ電流の一定期間の平均値に基づいて決定された基準値との差が所定範囲外である場合(ステップS9、NO)、A/D変換回路503及び504の少なくとも一方が正常動作していないと判定する。例えば、A/D変換判定部507は、モータ電流の2周期に対応する期間に2つのA/D変換回路503、504のそれぞれから入力したデジタル値を一定期間加算して2分の1倍した値の平均値を算出する。そして、A/D変換判定部507は、算出した平均値と、電圧検知部502が用いる基準電圧2.5ボルトとの差が1ボルト以上である場合に、A/D変換回路503が正常動作していないと判定する。
そして、A/D変換判定部507(制御部)は、制御装置50を搭載している機器である室外機1の動作を停止(異常停止)させる(ステップS10)。
【0046】
また、A/D変換判定部507は、算出した平均値と、予め定まるモータ電流の一定期間の平均値に基づいて決定された基準値との差が所定範囲内である場合(ステップS9、YES)、正常状態であると判定しステップS6の処理へ戻す。
【0047】
以上、本発明の第一の実施形態による制御装置50を備える室外機1の処理フローについて説明した。上述の室外機1の処理において、検知部501は、モータ40に流れるモータ電流を検出する。電圧検知部502は、検知部501が検出した電流に対応する電圧を検出する。2つのA/D変換回路503、504のそれぞれは、電圧検知部502が検出した電圧をアナログ値からデジタル値に変換する。A/D変換判定部507は、2つのA/D変換回路503、504のそれぞれによる変換後のデジタル値を一定期間加算して2分の1倍した値の平均値を算出する。そして、A/D変換判定部507は、算出した平均値と、予め定まるモータ電流の一定期間の平均値0に基づいて決定された基準電圧(例えば、2.5V)との差が所定範囲(例えば、1.5V〜3.5V)外である場合に、2つのA/D変換回路503、504が正常動作していないと判定する。そして、A/D変換判定部507は、制御装置50を搭載している機器である室外機1の動作を停止させる。
【0048】
このようにすれば、インバータ30がモータ40を駆動する室外機1において、2つのA/D変換回路503、504の少なくとも1つが正常動作していない、すなわち異常である場合に、その異常を検知することができ、制御装置50を備える室外機1を安全に停止することができる。更には、室外機1を含む空調システムを保護することができる。
【0049】
なお、本発明の第一の実施形態によるA/D変換回路は、複数のA/D変換回路に限定するものではない。A/D変換回路が高速動作し、モータ電流の上側に対応する電圧である電圧Aとモータ電流の下側に対応する電圧である電圧Bを1つのA/D変換回路で取得でき、電圧Aと電圧Bのそれぞれを区別して処理できる限り、
図7に示すように、1つのA/D変換回路503が検知部501の検出したモータ電流に基づく電圧をアナログ値からデジタル値に変換するものであってよい。そして、A/D変換回路503が出力するデジタル値に基づいて、A/D変換判定部507が、A/D変換回路503の異常動作を判定するものであってよい。
【0050】
<第二の実施形態>
次に、本発明の第二の実施形態による制御装置を備える空調システムに用いられる室外機の構成について説明する。
図8に示すように、本発明の第二の実施形態による室外機1は、第一の実施形態による室外機1と同様に交流電源10と、AC−DCコンバータ20と、インバータ30と、モータ40と、制御装置50と、を備える。
ただし、第二の実施形態による制御装置50は、第一の実施形態による制御装置50に加え、検知部508をさらに備える。
【0051】
また、検知部501はスイッチング素子302と交流電源10のマイナス電圧側端子との間に接続されている。そのため、インバータ30におけるU相に対応する電流は、V相とW相に対応する電流から独立して、スイッチング素子302から検知部501を介して交流電源10のマイナス電圧側端子に流れ込む。
【0052】
また、検知部508はスイッチング素子304と交流電源10のマイナス電圧側端子との間に接続されている。そのため、インバータ30におけるV相に対応する電流は、U相とW相に対応する電流から独立して、スイッチング素子304から検知部508を介して交流電源10のマイナス電圧側端子に流れ込む。
【0053】
また、スイッチング素子306は、交流電源10のマイナス電圧側端子に直接接続されている。そのため、インバータ30におけるW相に対応する電流は、U相とV相に対応する電流から独立して、スイッチング素子306から直接交流電源10のマイナス電圧側端子に流れ込む。
【0054】
上記の構成とすることで、検知部501は、U相に対応する電流を単独に検出することができる。また、検知部508は、V相に対応する電流を単独に検出することができる。
【0055】
次に、室外機1が通常状態の処理と並行に行う2つのA/D変換回路503、504の異常を検出する処理について説明する。なお、室外機1が交流電源10の出力する単相交流電圧を整流して直流電圧を生成し、生成した直流電圧からモータ40を駆動する交流電圧を生成する通常状態の処理については、第一の実施形態による処理と同様に考えることができる。
図9に示す本実施形態による室外機1が通常状態の処理と並行に行う2つのA/D変換回路503、504の異常を検出する処理フローについて以下で説明する。
【0056】
室外機1が行うステップS5の処理に続けて、A/D変換判定部507は、モータ40が運転中であるか否かを判定する(ステップS21)。具体的には、A/D変換判定部507は、例えば、駆動信号発生部505から駆動信号発生部505がトランジスタ回路506に制御信号を出力しているか否かの情報を取得する。そして、A/D変換判定部507は、駆動信号発生部505からトランジスタ回路506に制御信号を出力していることを示す情報を取得した場合、モータ40が運転中であると判定する。また、A/D変換判定部507は、駆動信号発生部505からトランジスタ回路506に制御信号を出力していないことを示す情報を取得した場合、モータ40が運転中ではないと判定する。
【0057】
A/D変換判定部507は、モータ40が運転中ではないと判定した場合(ステップS21、NO)、室外機1の処理を終了させる。
また、A/D変換判定部507は、モータ40が運転中であると判定した場合(ステップS21、YES)、A/D変換回路503に検知部501が通常状態において検出しているモータ電流のU相に対応する電圧を取得させる指示信号を出力し、A/D変換回路504に検知部508が通常状態において検出しているモータ電流のV相に対応する電圧を取得させる指示信号を出力する。なお、モータ電流のU相に対応する電圧とは、例えば、
図10に示す電圧Uである。また、モータ電流のV相に対応する電圧とは、例えば、
図10に示す電圧Vである。また、モータ電流のW相に対応する電圧とは、例えば、
図10に示す電圧Wである。
【0058】
2つのA/D変換回路503、504のそれぞれは、A/D変換判定部507から指示信号を入力すると、駆動信号発生部505からトランジスタ回路506に出力する制御信号のタイミング情報を取得する。
A/D変換回路503は、駆動信号発生部505がトランジスタ回路506に出力する制御信号のタイミング情報に基づいて、電圧検知部502が出力するモータ電流のU相に対応する電圧Cを所定のタイミング毎に取得する(ステップS22)。また、A/D変換回路504は、駆動信号発生部505がトランジスタ回路506に出力する制御信号のタイミング情報に基づいて、電圧検知部502が出力するモータ電流のV相に対応する電圧Dを所定のタイミング毎に取得する(ステップS23)。
【0059】
A/D変換回路503は、取得した電圧C(アナログ値)をデジタル値に変換する。そして、A/D変換回路503は、デジタル値を駆動信号発生部505とA/D変換判定部507とに出力する。
また、A/D変換回路504は、取得した電圧D(アナログ値)をデジタル値に変換する。そして、A/D変換回路504は、デジタル値を駆動信号発生部505とA/D変換判定部507とに出力する。
【0060】
2つのA/D変換回路503、504のそれぞれが取得するそれぞれの電圧C、Dのモータ電流の1周期における平均値は0であることが予め定まっている。そのため、A/D変換判定部507は、A/D変換回路503から入力した電圧Cに対応するデジタル値を一定期間(例えば、モータ電流の2周期)加算して平均値を算出する(ステップS24)。
A/D変換判定部507は、A/D変換回路503が算出した平均値と、予め定まるモータ電流の一定期間の平均値に基づいて決定された基準値(例えば、2.5ボルト)との差が所定範囲(例えば、1.5ボルト〜3.5ボルト)内であるか否かを判定する(ステップS25)。
【0061】
A/D変換判定部507は、A/D変換回路503が算出した平均値と、予め定まるモータ電流の一定期間の平均値に基づいて決定された基準値(例えば、2.5ボルト)との差が所定範囲(例えば、1.5ボルト〜3.5ボルト)外である場合(ステップS25、NO)、A/D変換回路503が正常動作していないと判定する。
そして、A/D変換判定部507(制御部)は、制御装置50を搭載している機器である室外機1の動作を停止(異常停止)させる(ステップS26)。
【0062】
また、A/D変換判定部507は、A/D変換回路503が算出した平均値と、予め定まるモータ電流の一定期間の平均値に基づいて決定された基準値との差が所定範囲内である場合(ステップS25、YES)、A/D変換回路504から入力した電圧Dに対応するデジタル値を一定期間(例えば、モータ電流の1周期)加算して平均値を算出する(ステップS27)。
【0063】
A/D変換判定部507は、A/D変換回路504が算出した平均値と、一定期間における予め定まるモータ電流の平均値に基づいて決定された基準値との差が所定範囲(例えば、1.5ボルト〜3.5ボルト)内であるか否かを判定する(ステップS28)。
【0064】
A/D変換判定部507は、A/D変換回路504が算出した平均値と、予め定まるモータ電流の一定期間の平均値に基づいて決定された基準値との差が所定範囲(例えば、1.5ボルト〜3.5ボルト)外である場合(ステップS28、NO)、A/D変換回路504が正常動作していないと判定する。
そして、A/D変換判定部507(制御部)は、制御装置50を搭載している機器である室外機1の動作を停止(異常停止)させる(ステップS26)。
【0065】
また、A/D変換判定部507は、A/D変換回路504が算出した平均値と、予め定まるモータ電流の一定期間の平均値に基づいて決定された基準値との差が所定範囲(例えば、1.5ボルト〜3.5ボルト)内である場合(ステップS28、YES)、正常状態であると判定しステップS21の処理に戻す。
【0066】
以上、本発明の第二の実施形態による制御装置50を備える室外機1の処理フローについて説明した。上述の室外機1の処理において、検知部501は、モータ40に流れるモータ電流を検出する。電圧検知部502は、検知部501が検出した電流に対応する電圧を検出する。A/D変換回路503は、電圧検知部502が検出したU相のモータ電流に対応する電圧Cをアナログ値からデジタル値に変換する。A/D変換回路504は、電圧検知部502が検出したV相のモータ電流に対応する電圧Dをアナログ値からデジタル値に変換する。A/D変換判定部507は、A/D変換回路503による変換後の電圧Cに対応するデジタル値の平均値を算出する。そして、A/D変換判定部507は、算出した平均値と、予め定まるモータ電流の一定期間の平均値0に基づいて決定された基準電圧(例えば、2.5V)との差が所定範囲(例えば、1.5V〜3.5V)外である場合に、A/D変換回路503が正常動作していないと判定する。また、A/D変換判定部507は、A/D変換回路504による変換後の電圧Dに対応するデジタル値の平均値を算出する。そして、A/D変換判定部507は、算出した平均値と、予め定まるモータ電流の一定期間の平均値0に基づいて決定された基準電圧(例えば、2.5V)との差が所定範囲(例えば、1.5V〜3.5V)外である場合に、A/D変換回路504が正常動作していないと判定する。そして、A/D変換判定部507は、制御装置50を搭載している機器である室外機1の動作を停止させる。
【0067】
このようにすれば、インバータ30がモータ40を駆動する室外機1において、A/D変換回路503またはA/D変換回路504が正常動作していない、すなわち異常である場合に、その異常を検知することができ、制御装置50を備える室外機1を安全に停止することができる。更には、室外機1を含む空調システムを保護することができる。
【0068】
なお、本発明の第二の実施形態によるA/D変換回路は、複数のA/D変換回路に限定するものではない。A/D変換回路が高速動作し、U相に対応する電圧CとV相に対応する電圧Dを1つのA/D変換回路で取得でき、U相に対応する電圧とV相に対応する電圧C、Dのそれぞれを区別して処理できる限り、
図11に示すように、1つのA/D変換回路503が検出したモータ電流のU相に対応する電圧CとV相に対応する電圧Dをアナログ値からデジタル値に変換するものであってよい。そして、A/D変換回路503が出力するデジタル値に基づいて、A/D変換判定部507が、A/D変換回路503の異常動作を判定するものであってよい。
また、本発明の第二の実施形態によるA/D変換回路は、上述のU相に対応する電圧CまたはV相に対応する電圧Dの代わりに、W相に対応する電圧Eをアナログ値からデジタル値に変換するものであってよい。この場合、A/D変換回路が取得する電圧Eのモータ電流の1周期における平均値の0からのずれに基づいて、A/D変換回路の異常動作を判定すればよい。
【0069】
<第三の実施形態>
次に、本発明の第三の実施形態による制御装置を備える空調システムに用いられる室外機の構成について説明する。
図12に示すように、本発明の第三の実施形態による室外機1は、第一の実施形態による室外機1と同様に交流電源10と、AC−DCコンバータ20と、インバータ30と、モータ40と、制御装置50と、を備える。
ただし、第三の実施形態による制御装置50は、第一の実施形態による制御装置50に加え、センサ509と、2つのマルチプレクサ510、511と、センサ電圧変換部512とをさらに備える。
【0070】
センサ509は、室外機1におけるモータ40のモータ電流以外の電流または電圧を検出する。センサ509は、例えば、室外機1が備えるモータ40以外のモータのモータ電流を検出する。また、センサ509は、例えば、室外機1が備えるモータ40以外のモータを駆動するインバータの出力電圧を検出する。
【0071】
マルチプレクサ510は、電圧検知部502またはセンサ509をA/D変換回路503に接続し、電圧検知部502が検出した交流電圧、及びセンサ509が検出した室外機1における電流または電圧のうちの何れかをA/D変換回路503に出力する。
【0072】
マルチプレクサ511は、電圧検知部502またはセンサ509をA/D変換回路504に接続し、電圧検知部502が検出した電圧、及びセンサ509が検出した室外機1における電流または電圧のうちの何れかをA/D変換回路504に出力する。
【0073】
センサ電圧変換部512は、センサ509が検出した室外機1における電流または電圧を対応する電圧に変換する。そして、センサ電圧変換部512は、変換後の電圧をマルチプレクサ510を介してA/D変換回路503に出力する。また、センサ電圧変換部512は、変換後の電圧をマルチプレクサ511を介してA/D変換回路504に出力する。
ここで、一対のA/D変換回路503、504が取得する電圧の一定期間における平均値が予め定まる場合、第一の実施形態や第二の実施形態と同様の方法によりA/D変換回路503やA/D変換回路504の異常を検出することができる。そして、A/D変換判定部507は、制御装置50を搭載している機器である室外機1の動作を停止させることができる。
【0074】
このようにすれば、インバータ30がモータ40を駆動する室外機1において、A/D変換回路503またはA/D変換回路504が正常動作していない、すなわち異常である場合に、その異常正常動作していないことを検知することができ、制御装置50を備える室外機1を安全に停止することができる。更には、室外機1を含む空調システムを保護することができる。
【0075】
なお、本発明の第三の実施形態によるA/D変換回路は、複数のA/D変換回路に限定するものではない。第一の実施形態や第二の実施形態と同様に、A/D変換回路が高速動作し、1つのA/D変換回路で電圧が適切に取得でき、電圧のそれぞれを区別して処理できる限り、
図13に示すように、1つのA/D変換回路503が電圧をアナログ値からデジタル値に変換するものであってよい。そして、A/D変換回路503が出力するデジタル値に基づいて、A/D変換判定部507が、A/D変換回路503の異常を判定するものであってよい。
【0076】
また、本発明の実施形態による電圧検知部502は、検知部501の代わりに配置されたカレントトランスなどの電流センサが検出する電流に基づいて、モータ電流を検出するものであってもよい。
【0077】
また、本発明の実施形態による室外機1の処理フローは、三相交流モータに対応する三相交流電圧についての処理を例に説明したが、それに限定するものではない。例えば、室外機1の処理フローは、二相交流電圧や四相以上の交流電圧についての処理であってもよい。ただし、室外機1が二相交流電圧や四相以上の交流電圧についての処理を行う場合、各電圧の位相差は、三相交流電圧の位相差120度とは異なる。また、検知部の数やA/D変換回路の数などが異なる場合がある。
【0078】
なお、本発明の実施形態における処理フローは、適切な処理が行われる範囲において、処理の順番が入れ替わってもよい。
【0079】
なお、本発明の実施形態について説明したが、上述の室外機1が備える制御装置50は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
【0080】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0081】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。また、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができるものである。