(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ブレーキセクタは、前記終端位置側から前記駆動ピンが当接して、前記駆動ピンの前記始点位置側へのバウンドを規制する第2当接部を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のシャッタ装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献1の構成では、セクタの移動中において、セクタに対してバランス板から常時負荷が与えられる構成のため、大口径化やシャッタスピードの高速化を実現した上で、バウンドの発生を抑えることが難しかった。
【0007】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みたものであって、大口径化やシャッタスピードの高速化を実現した上で、バウンドを抑えることができるシャッタ装置及び光学機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明のシャッタ装置は、シャッタ開口を有する基板と、
前記シャッタ開口
の開口方向で前記基板に積層されるとともに、前記開口方向に直交する径方向において一方側に配置された一方側セクタと、前記開口方向で前記一方側セクタに対して前記基板と反対側に積層されるとともに、前記径方向において他方側に配置された他方側セクタと、前記他方側セクタに対して前記開口方向で前記一方側セクタとは反対側に配置された押さえ板と、前記一方側セクタ及び前記基板間に介在する基板側受板と、前記一方側セクタ及び前記他方側セクタ間に介在する中間板と、前記他方側セクタ及び前記押さえ板間に介在する押さえ板側受板と、前記
一方側セクタ
及び前記他方側セクタに係合して
、前記シャッタ開口を前記径方向の両側から閉塞しうるように、前記
一方側セクタ
及び前記他方側セクタを往復移動させる駆動ピンと、を備え、前記
一方側セクタ
及び前記他方側セクタは、前記駆動ピンが始点位置にあるとき前記シャッタ開口が開放された開位置となり、前記駆動ピンが前記始点位置と終端位置との間の途中位置から前記終端位置に至る範囲で前記シャッタ開口を閉塞する閉位置となり、前記駆動ピンが前記始点位置から前記終端位置に至る過程で前記始点位置側から当接する第1当接部を有し、
前記駆動ピンが前記第1当接部に当接した後、前記
一方側セクタ
及び前記他方側セクタとともに前記終端位置に向けて移動可能とされたブレーキセクタを備え
、前記ブレーキセクタは、前記開口方向において前記基板側受板及び前記押さえ板側受板間に設けられていることを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、駆動ピンが始点位置から終端位置まで移動する過程において、ブレーキセクタの第1当接部に当接することで、駆動ピンに対して始点位置に向けた負荷(制動力)を与え、駆動ピンを制動することができる。これにより、例えばセクタがストッパに当接したときや、駆動ピンが終端位置で停止したときの衝撃を緩和でき、駆動ピンのバウンドを抑制できる。
特に、駆動ピンが第1当接部に当接するまでは、ブレーキセクタに対して駆動ピンが空走してブレーキセクタから駆動ピンへ制動力が付与されない。そのため、従来のようにセクタに対して常時負荷が与えられている構成に比べて駆動ピンに付与される負荷を低減できる。その結果、大口径化やシャッタスピードの高速化が可能になる。
【0010】
本発明のシャッタ装置において、前記駆動ピンは、前記途中位置から前記終端位置に至る過程で前記第1当接部に当接してもよい。
この構成によれば、駆動ピンが途中位置から終端位置に至る過程で第1当接部に当接するため、セクタが閉位置になった後にブレーキセクタから駆動ピンに制動力が付与される。そのため、セクタの閉動作に影響が及ぶのを抑制し、更なる大口径化やシャッタスピードの高速化を図ることができる。
【0011】
本発明のシャッタ装置において、前記ブレーキセクタは、前記終端位置側から前記駆動ピンが当接して、前記駆動ピンの前記始点位置側へのバウンドを規制する第2当接部を備えていてもよい。
この構成によれば、駆動ピンのバウンド時において、ブレーキセクタの第2当接部に駆動ピンが終端位置側から当接することで、駆動ピンの始点位置への移動が規制され、各セクタが閉位置で留まることになる。その結果、大口径化やシャッタスピードの高速化を図った上で、バウンドの発生を抑制できる。
【0013】
本発明のシャッタ装置において、前記ブレーキセクタは、錘部を備えていてもよい。
この構成によれば、ブレーキセクタが錘部を備えているため、ブレーキセクタの慣性を錘部の重さで調整できる。これにより、駆動ピンに対して所望の制動力を付与することができる。
【0014】
また、本発明の光学機器は、上記本発明のシャッタ装置を備えていることを特徴とする。
この構成によれば、上述したシャッタ装置を備えているため、大口径化やシャッタスピードの高速化を図り、高性能な光学機器を提供できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、大口径化やシャッタスピードの高速化を実現した上で、バウンドの発生を抑えることができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[光学機器]
図1は、光学機器100のブロック図である。
図1に示すように、光学機器100は、例えばデジタルカメラ等として用いられるものであって、シャッタ装置1と、制御部101と、撮像素子102と、を備えている。
【0018】
制御部101は、光学機器100の全体の動作を司るものであって、CPUやROM、RAM等を備えている。
撮像素子102は、例えばCCDやCMOSイメージセンサ等であって、光により形成された被写体像を電気信号に変換する。
なお、光学機器100は、
図1には図示していないが、焦点距離を調整するためのレンズ等も備えている。
【0019】
<シャッタ装置>
図2はシャッタ装置1において、押さえ板4を取り外した状態を示す平面図である。
図3はシャッタ装置1の分解斜視図である。なお、
図2では、後述する中受板57の図示を省略するとともに、後述するブレーキセクタ65を鎖線で示している。
図2、
図3に示すように、シャッタ装置1は、シャッタ開口2を有する基板3と、基板3に重ね合わされるとともに、基板3との間にシャッタ室Sを画成する押さえ板4と、シャッタ室S内に収納され、シャッタ開口2を開閉する複数枚のセクタ(第1セクタ6及び第2セクタ7)と、を備えている。なお、本実施形態において、基板3及び押さえ板4は、平面視で環状を呈し、互いに同軸上に配置されている。したがって、以下の説明では、基板3及び押さえ板4の軸線Oに沿う方向を軸方向といい、軸方向における押さえ板4側を前方、基板3側を後方という。また、軸線Oに直交する方向を径方向といい、軸線周りの方向を周方向という。
【0020】
基板3は、底壁部11と、底壁部11の外周縁から前方に向けて立設された周壁部12と、を有している。底壁部11における径方向の中央部には、底壁部11を軸方向に貫通する上述したシャッタ開口2が形成されている。底壁部11の後面には、各セクタ6,7及び後述するブレーキセクタ65に係合して、これらセクタ6,7及びブレーキセクタ65を往復移動させるためのアクチュエータ14(
図3参照)が配設されている。アクチュエータ14の図示しない出力軸には、駆動ピン13が連結されている。駆動ピン13は、底壁部11に形成された挿通孔15を通して底壁部11の前側に突出している。なお、図示の例において、挿通孔15は、アクチュエータ14の出力軸を中心とする円弧状とされるとともに、径方向に沿って延びる長孔とされている。これにより、駆動ピン13は、挿通孔15内において、径方向の外側端縁に近接又は当接する始点位置(
図2参照)と、径方向の内側端縁に近接又は当接する終端位置(
図6等参照)と、の間をアクチュエータ14の駆動に伴い往復移動可能とされている。
【0021】
底壁部11において、上述した挿通孔15に対して周方向の両側に位置する部分には、一対の第1支持ピン21が前側に向けて立設されている。また、底壁部11において、各第1支持ピン21と挿通孔15との間に位置する部分には、一対の第2支持ピン22が前側に向けて立設されている。
【0022】
図3に示すように、押さえ板4は、基板3の底壁部11に対して軸方向に間隔をあけて対向する天壁部31と、天壁部31の外周縁から後方に向けて立設された周壁部32と、を備えている。天壁部31における径方向の中央部には、天壁部31を軸方向に貫通するとともに、シャッタ開口2よりも大径の逃げ孔33が形成されている。
押さえ板4は、周壁部32を基板3の周壁部12に軸方向で突き合わせた状態で、基板3に組み付けられている。そして、基板3及び押さえ板4により画成された空間がセクタを収納するシャッタ室Sを画成している。
【0023】
セクタ6,7は、軸方向に積層された第1セクタ6及び第2セクタ7を一対ずつ備えている。なお、第1セクタ6及び第2セクタ7は、シャッタ開口2を径方向の両側から閉塞しうるように、始点位置において上述した駆動ピン13及び軸線Oを通り、径方向に沿って延びる対称線Lを中心にして両側にそれぞれ一枚ずつ配設されている。したがって、以下の説明では、上述した対称線Lに対して一方側(
図2中左側)に位置する第1セクタ6及び第2セクタ7を一組の一方側セクタ群41とし、対称線Lに対して他方側(
図2中右側)に位置する第1セクタ6及び第2セクタ7を一組の他方側セクタ群42として説明する。また、以下の説明では、主に一方側セクタ群41について説明し、他方側セクタ群42において一方側セクタ群41と対応する構成には同一の符号を付して説明を省略する場合がある。
【0024】
一方側セクタ群41において、第1セクタ6は、平面視で円弧状を呈し、対称線Lに対して一方側からシャッタ開口2を取り囲むように配設されている。第1セクタ6の基端部には、上述した第1支持ピン21のうち、対称線Lに対して他方側に位置する第1支持ピン21が挿通された第1支持孔44が形成されている。第1セクタ6の基端部において、第1支持孔44に対して対称線L寄りに位置する部分には、上述した第2支持ピン22のうち、対称線Lに対して他方側に位置する第2支持ピン22が挿通されたガイド孔45が形成されている。ガイド孔45は、第1支持孔44を中心とする円弧状の長孔とされている。また、第1セクタ6の基端部において、対称線L上に位置する部分には、上述した駆動ピン13が挿通された第1カム孔46が形成されている。第1カム孔46は、第1支持ピン21及び駆動ピン13を通る直線に沿って延びる長孔とされている。
【0025】
第2セクタ7は、曲率半径が上述した第1セクタ6よりも大きい円弧状を呈し、対称線Lに対して一方側からシャッタ開口2を取り囲むように配設されている。第2セクタ7の基端部には、上述した第2支持ピン22のうち、対称線Lに対して他方側に位置する第2支持ピン22が挿通された第2支持孔51が形成されている。第2セクタ7の基端部において、対称線L上に位置する部分には、上述した駆動ピン13が挿通された第2カム孔52が形成されている。第2カム孔52は、第2支持ピン22及び駆動ピン13を通る直線に沿って延びる長孔とされている。
【0026】
図4はシャッタ装置1の部分断面図である。
図2〜
図4に示すように、一方側セクタ群41は、基板3の底壁部11との間に基板側受板54を介在させた状態で第1セクタ6及び第2セクタ7の順で積層されている。そして、一方側セクタ群41の各セクタ6,7は、アクチュエータ14の駆動に伴う駆動ピン13の移動により、対応する支持ピン21,22周りに回動可能に構成されている。なお、基板側受板54は、平面視で環状を呈し、一方側セクタ群41の移動時において、第1セクタ6と基板3との干渉を抑制する。
【0027】
図2、
図3に示すように、他方側セクタ群42において、第1セクタ6は、対称線Lに対して他方側からシャッタ開口2を取り囲むように配設されている。第1セクタ6の第1支持孔44には、第1支持ピン21のうち対称線Lに対して一方側に位置する第1支持ピン21が挿通されている。第1セクタ6のガイド孔45には、第2支持ピン22のうち対称線Lに対して一方側に位置する第2支持ピン22が挿通されている。また、第1セクタ6の第1カム孔46には、駆動ピン13が挿通されている。
【0028】
他方側セクタ群42において、第2セクタ7は、対称線Lに対して他方側からシャッタ開口2を取り囲むように配設されている。第2セクタ7の第2支持孔51には、第2支持ピン22のうち対称線Lに対して一方側に位置する第2支持ピン22が挿通されている。また、第2セクタ7の第2カム孔52には、駆動ピン13が挿通されている。
【0029】
図3、
図4に示すように、他方側セクタ群42は、一方側セクタ群41との間に中受板57を介在させた状態で第2セクタ7及び第1セクタ6の順で積層されている。他方側セクタ群42の各セクタ6,7は、アクチュエータ14の駆動に伴う駆動ピン13の移動により、対応する支持ピン21,22周りに一方側セクタ群41の各セクタ6,7とは逆方向に回動可能に構成されている。なお、中受板57は、平面視で環状を呈し、各セクタ群41,42の移動時において、一方側セクタ群41(第2セクタ7)と他方側セクタ群42(第1セクタ6)との干渉を抑制する。
【0030】
各セクタ6,7は、駆動ピン13の移動に伴い、シャッタ開口2を完全に開放する開位置からシャッタ開口2を完全に閉塞する閉位置の間を往復回動する。この場合、各セクタ6,7は、駆動ピン13が始点位置にあるとき開位置となり、始点位置と終端位置との間の途中位置から終端位置に至る範囲で閉位置となる。すなわち、本実施形態において、セクタ6,7は、駆動ピン13が
図5に示す途中位置に到達した時点で、各セクタ群41,42における第2セクタ7の内周縁同士が重なり合ってシャッタ開口2を完全に閉塞する。その後、セクタ6,7は、駆動ピン13が途中位置から
図6に示す終端位置に移動するまでの間でさらに閉方向に移動して各セクタ群41,42の第2セクタ7同士が軸方向で重なり合う。
【0031】
図2、
図3に示すように、底壁部11において、各第1支持ピン21に対して対称線L側とは反対側に位置する部分には、閉位置ストッパ61が各別に配設されている。閉位置ストッパ61は、駆動ピン13が終端位置(各セクタ6,7が閉位置)にあるときに各セクタ6,7の基端縁に当接して、各セクタ6,7の閉方向への移動を規制する。また、底壁部11において、閉位置ストッパ61に対して対称線L側とは反対側に位置する部分には、開位置ストッパ62が各別に配設されている。開位置ストッパ62は、駆動ピン13が始点位置(各セクタ6,7が開位置)にあるときに各セクタ6,7の外周縁に当接して、各セクタ6,7の開方向への移動を規制する。なお、各セクタ6,7の回動範囲の規制は、駆動ピン13が挿通孔15の内周縁に当接することで行っても構わない。
【0032】
ここで、他方側セクタ群42の前側には、駆動ピン13を制動するブレーキセクタ65が積層されている。具体的に、ブレーキセクタ65は、基部66と、基部66から片持ち状に延設された錘部67と、を有している。基部66には、上述した第1支持ピン21のうち、対称線Lに対して他方側に位置する第1支持ピン21が挿通された支持孔71が形成されている。ブレーキセクタ65は、駆動ピン13の移動に応じて第1支持ピン21周りに回動可能とされている。基部66のうち、支持孔71に対して対称軸L寄りに位置する部分には、上述した第2支持ピン22のうち、対称線Lに対して他方側に位置する第2支持ピン22が挿通されたガイド孔72が形成されている。
【0033】
ブレーキセクタ65の基部66において、対称線L上に位置する部分には、上述した駆動ピン13が遊挿された制動孔74が形成されている。制動孔74は、駆動ピン13の移動方向に沿って延びる長孔であり、上述したガイド孔72よりも幅広に形成されている。制動孔74は、駆動ピン13の移動方向における終端位置側に向けて拡大されている。すなわち、上述した駆動ピン13は、始点位置にあるとき、制動孔74の内周縁のうち、駆動ピン13の移動方向における始点位置側の端縁(以下、始点側当接部(第2当接部)74aという)に近接又は当接している。また、駆動ピン13は、上述した途中位置に到達した時点で、制動孔74の内周縁のうち、駆動ピン13の移動方向における終端位置側の端縁(以下、終端側当接部(第1当接部)74bという)に当接し、途中位置から終端位置に至る過程においてブレーキセクタ65を各セクタ6,7とともに、第1支持ピン21周りに回動させる。これにより、ブレーキセクタ65は、各セクタ6,7の開位置から閉位置に向かう回動動作に対して時間差で回動し始めるように構成されている。
【0034】
錘部67は、平面視で短冊状とされ、一方側セクタ群41に倣って延設されている。なお、錘部67の寸法(例えば、長さや厚さ等)は、ブレーキセクタ65に作用させる慣性によって適宜調整が可能である。また、錘部67は、駆動ピン13が始点位置(ブレーキセクタ65の始点位置)にあるときに上述した開位置ストッパ62に当接することで、ブレーキセクタ65の開方向への移動が規制される。
【0035】
図3、
図4に示すように、ブレーキセクタ65の前側には、押さえ板側受板75を介して上述した押さえ板4が配設されている。押さえ板側受板75は、平面視で環状を呈し、各セクタ6,7やブレーキセクタ65の移動時において、ブレーキセクタ65と押さえ板4との干渉を抑制する。
【0036】
<シャッタ装置の動作>
次に、上述したシャッタ装置1の動作について説明する。
図5〜
図8は、シャッタ装置1の動作を説明するための図であって、
図2に相当する平面図である。
始めに、セクタ6,7の閉動作について説明する。
図2に示すように、駆動ピン13が始点位置にある状態でアクチュエータ14を駆動させると、駆動ピン13が挿通孔15内を径方向の内側(終端位置)に向けて移動する。すると、
図5に示すように、駆動ピン13の移動に伴い、各セクタ6,7が対応する支持ピン21,22周りに回動することで、閉方向に移動する。そして、各セクタ6,7は、駆動ピン13が上述した途中位置に到達した時点で、各セクタ6,7がシャッタ開口2を閉塞する閉位置となる。その後、
図6に示すように、駆動ピン13が途中位置を通過して終端位置に到達する過程で、各セクタ6,7はさらに閉方向に回動することで、閉位置ストッパ61に当接する。これにより、各セクタ6,7の閉方向への回動動作が規制されるとともに、駆動ピン13が終端位置で停止する。
【0037】
ここで、
図2、
図5に示すように、駆動ピン13が終端位置に移動する過程において、始点位置から途中位置までの間は、ブレーキセクタ65における制動孔74の終端側当接部74bと、駆動ピン13との間には隙間が生じている。そのため、駆動ピン13が始点位置から途中位置まで至る間は、駆動ピン13が制動孔74内をブレーキセクタ65に対して空走する。そのため、各セクタ6,7のみが閉方向に移動し、ブレーキセクタ65は駆動ピン13及び各セクタ6,7に対して静止した状態を維持する。これにより、駆動ピン13(アクチュエータ14)には、各セクタ6,7を動作させる負荷のみが作用し、ブレーキセクタ65を動作させる負荷(制動力)は作用しない。
【0038】
その後、駆動ピン13が途中位置に到達した時点で、ブレーキセクタ65における制動孔74の終端側当接部74bに駆動ピン13が始点位置側から当接する。この状態で、
図6に示すように、駆動ピン13が途中位置から終端位置に向けて移動することで、ブレーキセクタ65が第1支持ピン21周りに各セクタ6,7とともに閉方向に回動する。すなわち、駆動ピン13は、途中位置から終端位置に至るまでの間は、各セクタ6,7に加えブレーキセクタ65を動作させる負荷が制動力として作用する。
【0039】
また、
図6、
図7に示すように、駆動ピン13が各セクタ6,7を終端位置まで移動させた時点で、ブレーキセクタ65における制動孔74の始点側当接部74aと、駆動ピン13との間には隙間が生じている。したがって、ブレーキセクタ65は、その慣性によって駆動ピン13に対して第1支持ピン21周りに回動することで、制動孔74の始点側当接部74aが駆動ピン13に接近する。すなわち、ブレーキセクタ65は、制動孔74の始点側当接部74aが終端位置から途中位置の間で駆動ピン13に近接又は当接する位置まで移動する。
【0040】
ところで、
図8に示すように、駆動ピン13は、上述した各セクタ6,7が閉位置ストッパ61に当接したときの衝撃で終端位置から始点位置に向けてバウンドする場合がある。このとき、駆動ピン13がバウンドによって始点位置に向けて移動すると、駆動ピン13がブレーキセクタ65における制動孔74の始点側当接部74aに終端位置側から当接することで、駆動ピン13の始点位置への移動が規制される。これにより、駆動ピン13のバウンドが規制され、各セクタ6,7が閉位置で留まることになる。
【0041】
次に、セクタ6,7の開動作について説明する。
図7に示すように、駆動ピン13が終端位置にある状態でアクチュエータ14を駆動させると、駆動ピン13が挿通孔15内を径方向の外側(始点位置)に向けて移動する。すると、駆動ピン13の移動に伴い、各セクタ6,7が対応する支持ピン21,22周りに回動することで、開方向に移動する。そして、
図2に示すように、駆動ピン13が始点位置に到達した時点で、シャッタ開口2が完全に開放された開位置となる。また、このとき各セクタ6,7は開位置ストッパ62に当接し、開方向への移動が規制される。
【0042】
また、
図7に示すように、駆動ピン13が終端位置から始点位置に移動する過程において、駆動ピン13がブレーキセクタ65における制動孔74の始点側当接部74aに当接すると、ブレーキセクタ65が第1支持ピン21周りに各セクタ6,7とともに開方向に回動する。その後、
図2に示すように、ブレーキセクタ65は、開位置ストッパ62に当接することで、開方向への移動が規制される。
【0043】
このように、本実施形態では、ブレーキセクタ65が、駆動ピン13が始点位置から終端位置に至る過程で始点位置側から当接する終端側当接部74bを有する構成とした。
この構成によれば、駆動ピン13が始点位置から終端位置まで移動する過程において、制動孔74の終端側当接部74bに当接することで、駆動ピン13に対して始点位置に向けた負荷(制動力)を与え、駆動ピン13を制動することができる。これにより、セクタ6,7が閉位置ストッパ61に当接したときの衝撃を緩和でき、駆動ピン13のバウンドを抑制できる。
特に、本実施形態では、駆動ピン13が制動孔74の終端側当接部74bに当接するまでは、ブレーキセクタ65に対して駆動ピン13が空走してブレーキセクタ65から駆動ピン13へ制動力が付与されない。そのため、従来のようにセクタに対して常時負荷が与えられている構成に比べて駆動ピン13に付与される負荷を低減できる。これにより、大口径化やシャッタスピードの高速化が可能になる。
【0044】
また、本実施形態では、駆動ピン13が途中位置から終端位置に至る過程で制動孔74の終端側当接部74bに当接するため、セクタ6,7が閉位置になった後にブレーキセクタ65から駆動ピン13に制動力が付与される。そのため、セクタ6,7の閉動作に影響が及ぶのを抑制し、更なる大口径化やシャッタスピードの高速化を図ることができる。
【0045】
また、駆動ピン13のバウンド時において、ブレーキセクタ65における制動孔74の始点側当接部74aに駆動ピン13が当接することで、駆動ピン13の始点位置への移動が規制され、各セクタ6,7が閉位置で留まることになる。その結果、大口径化やシャッタスピードの高速化を図った上で、バウンドを抑制できる。
【0046】
さらに、ブレーキセクタ65に対して前側(積層方向の一方側)に押さえ板側受板75が配設されているため、ブレーキセクタ65の両側にセクタが配設される構成に比べて、セクタ6,7の回動に伴うブレーキセクタ65の連れ回りを抑制できる。これにより、駆動ピン13に対して所望の位置で制動力を付与することができる。
【0047】
また、本実施形態では、ブレーキセクタ65が錘部67を備えているため、ブレーキセクタ65の慣性を錘部67の重さで調整できる。これにより、駆動ピン13に対して所望の制動力を付与することができる。
【0048】
そして、本実施形態の光学機器100では、上述したシャッタ装置1を備えているため、大口径化やシャッタスピードの高速化を図り、高性能な光学機器100を提供できる。
【0049】
なお、本発明の技術範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上述した実施形態では、駆動ピン13が始点位置から終端位置に至る過程において、途中位置においてブレーキセクタ65の終端側当接部74bに当接する構成について説明したが、これに限られない。すなわち、駆動ピン13が始点位置から終端位置に至る過程で終端側当接部74bに当接する構成であれば、途中位置よりも手前側であっても奥側であっても構わない。
【0050】
上述した実施形態では、ブレーキセクタ65における制動孔74の端縁を、駆動ピン13が当接する第1当接部及び第2当接部とした構成について説明したが、これに限らず、第1当接部及び第2当接部は突起等で別々に形成しても構わない。また、ブレーキセクタ65は、少なくとも第1当接部が形成されていれば構わない。
上述した実施形態では、押さえ板側受板75と他方側セクタ群42との間にブレーキセクタ65を配設した構成について説明したが、これに限られない。例えば、中受板57と何れかのセクタ群41,42との間にブレーキセクタ65を配設してもよく、基板側受板54と一方側セクタ群41との間にブレーキセクタ65を配設してもよい。また、一対の受板間にブレーキセクタ65を配設してもよく、各セクタ6,7間にブレーキセクタ65を配設してもよい。
【0051】
上述した実施形態では、第1セクタ6及び第2セクタ7を一対ずつ備える構成について説明したが、これに限らず、セクタ6,7の枚数は適宜設計変更が可能である。
上述した実施形態では、ブレーキセクタ65を一枚備える構成について説明したが、これに限らず、複数枚のブレーキセクタ65を備える構成であっても構わない。
【0052】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各変形例を適宜組み合わせても構わない。