(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
固定された第1端部およびパラメータの値に応じて移動する第2端部を有し、前記パラメータの値に応じて伸縮する棒グラフ状の画像を表示するパラメータ表示部をさらに備え、
前記操作画面表示部は、前記被操作部が操作されていないとき、前記被操作部を前記第2端部に一致する位置に表示する、
請求項1または請求項2に記載のパラメータ制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、この発明が適用される端末装置である携帯電話機1およびオーディオシステム3の構成を示す図である。
【0020】
携帯電話機1はいわゆるスマートフォンと言われる機種が好適である。携帯電話機(スマートフォン)1は、携帯通信網である3G/4G通信機能を有するとともに、無線LAN(Wi−Fi)通信機能を有しており、Wi−Fiルータ5を介してネットワーク6に接続される。ネットワーク6には、オーディオシステム3のマスタ装置となるレシーバ4も接続されている。レシーバ4は、音・映像信号の受信、送信などを行う。
【0021】
携帯電話機1は、アプリケーションプログラム(アプリ)であるオーディオシステムコントローラプログラム50(以下、単にプログラム50とする)を起動することにより、
図2に示すオーディオシステムコントローラ100(以下、単にコントローラ100とする)として機能し、ユーザの操作に応じて、ネットワーク6経由でレシーバ4を制御する。その制御機能は、入力ソースの選択、電源のオン/オフ、ボリューム(音量)値の上下などである。コントローラ100におけるボリューム値の制御は、コントローラ100に表示されるスライダ418に対するスライド操作(ドラック操作)によって行われる。
【0022】
オーディオシステム3は、マスタ装置となるレシーバ4にスピーカ12及びテレビ(TV)13が接続された構成である。レシーバ4、セットトップボックス(STB)10、及びDVDプレーヤ11は、ネットワーク6に接続されている。レシーバ4は、複数のオーディオソースからいずれかを選択し、そのオーディオソースの再生(受信)映像をテレビ13に出力するとともに、再生(受信)映像をスピーカ12に出力(送信)する。オーディオソースの選択、ボリューム値の上下等は、レシーバ4の操作パネルを直接操作して行うことが可能であるが、上述のように、携帯電話機1を用いて行うことも可能である。なお、オーディオシステム3の構成は図示のものに限定されない。
【0023】
次に、プログラム50が実行される携帯電話機1の構成を説明する。携帯電話機1は、バス26上に、制御部20、操作部30、メディアインタフェース31、Wi−Fi通信回路32および3G/4G通信回路33を有している。制御部20は、CPU21、ROM(フラッシュメモリ)22、RAM23、画像プロセッサ24および音声プロセッサ25を含んでいる。画像プロセッサ24には、ビデオRAM(VRAM)40が接続され、VRAM40には表示部41が接続されている。表示部41は、液晶のディスプレイを含み、待ち受け画面や電話番号などを表示する。また、後述のコントローラ100の画面も表示部41に表示される。音声プロセッサ25には、D/Aコンバータを含むアンプ42が接続され、アンプ42にはスピーカ16が接続されている。
【0024】
画像プロセッサ24は、待ち受け画面や電話番号等などの種々の映像を生成するGPU(Graphics Processing Unit,グラフィックス・プロセッシング・ユニット)を備えている。画像プロセッサ24は、プログラム50が起動された場合には、CPU21の指示に従ってオーディオシステムコントローラの画像を生成し、これをVRAM40上に展開する。VRAM40上に展開された画像は表示部41に表示される。
【0025】
音声プロセッサ25は、通話音声をエンコード/デコードするDSP(Digital Signal Processor:デジタル・シグナル・プロセッサ)を有している。音声プロセッサ25は、デコード/生成した音声をアンプ42に出力する。アンプ42は、この音声信号を増幅してスピーカ16に出力する。
【0026】
Wi−Fi通信回路32は、Wi−Fiルータ5との間でIEEE802.11g規格の無線通信を行い、レシーバ4などのネットワーク6上の機器とデータやメッセージの送受信を行う。レシーバ4との間は、DLNA(Digital Living Network Alliance)に類して規定されたフォーマットでメッセージを交換する。3G/4G通信回路33は、携帯電話通信網を介して、音声通話およびデータ通信を行う。データ通信によってアプリケーションプログラムのダウンロードが行われる。なお、アプリケーションプログラムは、3G/4G通信でダウンロードするのみならず、Wi−Fi通信やUSBなどのインタフェース経由で取得するようにしてもよい。
【0027】
操作部30は、表示部41上に形成されたタッチパネルを含み、タッチパネルに対するタッチ操作やスライド操作等を検出する。メディアインタフェース31にはメモリカード15が接続される。メモリカード15は、たとえばマイクロSDカードである。3G/4G通信回路33によってサーバからダウンロードされたアプリケーションプログラムは、メモリカード15またはROM22に保存される。この携帯電話機1では、
図1に示すように、プログラム50(アプリケーションプログラム)がメモリカード15に保存されている。
【0028】
プログラム50は、プログラム本体に加えてプログラムの実行に必要なデータを含んでいる。プログラムの実行に必要なデータは、たとえば、コマンドテーブルなどである。コマンドテーブルは、オーディオシステム3に対する制御内容とその制御内容を表すコマンドを対応づけたテーブルである。コマンドテーブルには、AVレシーバの電源をオン/オフする、音量を上げる/下げる、入力ソースとしてDVDプレーヤ/STBを選択する、などのコマンドが記憶されている。なお、オーディオシステム3に対する制御内容を表すコマンドは、コマンド記憶場所に対応づけられていてもよい。
【0029】
ROM22には、この携帯電話機1の通話やアプリケーションプログラムを実行するための基本プログラムが記憶されている。また、ROM22はフラッシュメモリであり、基本プログラムのほか、ダウンロードされたアプリケーションプログラムなどを記憶することも可能である。RAM23には、CPU20がプログラム50を実行する際に使用されるワークエリアが設定される。ワークエリアには、たとえば、各種データのタイマエリア、カウンタエリア、フラグエリアなどが設けられる。
【0030】
携帯電話機1は、メモリカード15に保存されているプログラム50との協働によって、
図2に示すようなコントローラ100を構成し、Wi−Fi経由でレシーバ4にコマンドメッセージを送信してレシーバ4を制御する。
【0031】
図2の機能ブロック図を参照して、携帯電話機1(ハードウェア)にプログラム50が読み込まれることによって実現されるコントローラ100について説明する。コントローラ100は、操作画面表示部110、操作検出部120、メッセージ編集送信部130および状態取得部140を有している。
【0032】
操作画面表示部110は、制御部20、VRAM40、表示部41およびプログラム50の協働によって実現され、携帯電話機1の表示部41に、各種の操作画面を表示する。操作画面表示部110は、本発明の操作画面表示部に相当する。
【0033】
操作検出部120は、制御部20、操作部30およびプログラム50の協働によって実現される。操作検出部120は、表示部41に表示された操作画面に対する操作、たとえば、タッチ操作やスライド操作を検出する。操作検出部120で検出された操作情報は、操作画面表示部110、メッセージ編集送信部130などに入力される。操作検出部120は、本発明の操作検出部に相当する。
【0034】
メッセージ編集送信部130は、制御部20、Wi−Fi通信回路32およびプログラム50の協働によって実現される。メッセージ編集送信部130は、操作検出部120から入力された操作情報に基づき、その操作情報(制御内容)に対応するコマンドをコマンドテーブルから読み出してコマンドメッセージを編集する。そして、そのコマンドメッセージをレシーバ4に送信する。メッセージ編集送信部130は、本発明のパラメータ更新部に相当する。
【0035】
状態取得部140は、制御部20、Wi−Fi通信回路32およびプログラム50の協働によって実現される。状態取得部140は、レシーバ4に対して問い合わせを行い、レシーバ4の動作状態を取得する。動作状態とは、そのとき選択されている入力ソース、ボリューム値などである。この問い合わせは、コントローラ100の起動時またはレシーバ4の起動時、および、適宜(たとえば5秒毎、コマンドメッセージの送信直後など)に行われる。取得したボリューム値は、
図3に示す操作画面400の表示に反映される。
【0036】
図3は、操作画面表示部110によって表示される操作画面400の例を示す図である。この操作画面400は表示部41に表示される。ユーザは、表示部41に重ねられたタッチパネル(操作部30)で操作画面400を操作することができる。
図3は、再生制御画面を示している。再生制御画面では、ユーザは、選択されたオーディオソースのスタート/停止、および、ボリューム値の上下のコントロールをすることが可能である。この図において、操作画面400の中央にウィンドウ410が形成されている。ウィンドウ410内には、選択されたオーディオソースに対応付られた画像411、再生ボタン群412、棒グラフ表示エリア414、棒グラフ415、スライダ表示エリア417、及びスライダ418が表示されている。
【0037】
タッチパネル(操作部30)には、表示部41上のタッチ操作やスライド操作(タッチしたまま移動する操作)の位置を把握するため、座標軸が設定されている。本実施形態では、タッチパネル(操作部30)の図示左上を原点とし、原点から図示右方にX軸、原点から図示下方にY軸をそれぞれ設定している。タッチ操作やスライド操作は、手指Fがタッチパネル(操作部30)に接触している位置の座標の変化として把握される。なお、以下の説明では、
図3に図示した姿勢の方向(上下左右)で表示部41内の部品の位置を説明する。
【0038】
再生ボタン群412は、再生・停止ボタン、早送りボタン、巻き戻しボタンを有している。各ボタンのタッチ操作が操作検出部120によって検出され、その操作情報がメッセージ編集送信部130に伝達される。メッセージ編集送信部130は、再生ボタンがタップされると、そのときの再生状態に応じて再生開始コマンドまたは停止コマンドがレシーバ4に送信される。また、早送りボタンがタップ(タッチ)されると、そのときの再生状態に応じて次曲コマンドまたは早送りコマンドがレシーバ4に送信される。また、巻き戻しボタンがタップされると、そのときの再生状態に応じて前曲コマンドまたは巻き戻しコマンドが送信される。
【0039】
棒グラフ表示エリア414には、現在のボリューム値に対応した長さの棒グラフ415が表示される。棒グラフ表示エリア414は、X軸方向に伸びている。棒グラフ表示エリア414は、本発明のパラメータ表示部に相当する。
【0040】
棒グラフ415は、ボリューム値を表すグラフである。棒グラフ415は、棒グラフ表示エリア414の左端を原点として、ボリューム値が上昇するのに応じて右方(X軸の正の方向)に伸び、ボリューム値が下降するのに応じて左方(X軸の負の方向)に縮む。ボリューム値は、棒グラフ415の右端の位置によって表される。つまり、ボリューム値は、棒グラフ415の左端から右端までの長さによって表される。棒グラフ415の左端を第1端部415A、棒グラフ415の右端を第2端部415Bとする。
【0041】
スライダ表示エリア417は、棒グラフ表示エリア414の全体をカバーしており、そのときのボリューム値またはユーザの操作に応じた位置にスライダ418が表示される。
【0042】
スライダ418は、スライド操作によってボリューム値を上昇及び下降させるためのものである。
図3では、スライダ418は、棒グラフ415の第2端部に重ねて配置されている。ユーザのスライド操作により、スライダ418をX軸に沿って右方及び左方に移動させることが可能である。スライダ418を右方に移動させるとボリューム値は上昇し、スライダ418を左方に移動させるとボリューム値は下降する。スライダ418の位置は、座標で把握される。スライダ418の左右方向の移動量は、X座標の変位量として把握される。ユーザがスライダ418を操作している間、スライダ418の周囲には、輪郭線418Aが表示される。輪郭線418Aは、スライダ418が操作状態である旨、および、スライダ418の位置を明確にするために表示される。スライダ418は、本発明の被操作部に相当する。
【0043】
スライダ418がユーザによって右方または左方にスライド操作されると、そのスライド操作の操作情報が操作検出部120によって検出され、メッセージ編集送信部130、及び操作画面表示部110に伝達される。メッセージ編集送信部130は、ボリューム値更新のコマンドメッセージを編集してレシーバ4に送信する。操作画面表示部110は、操作内容に応じて、棒グラフ表示エリア414、及びスライダ表示エリア417の表示内容を更新する。
【0044】
スライダ418が棒グラフ表示エリア414の左端に位置する場合、ボリューム値は最小となる。スライダ418が棒グラフ表示エリア414の右端に位置する場合、ボリューム値は最大となる。ボリューム値は、最小値と最大値の間で段階的に変更可能である。最小値から最大値まで、例えば、100段階に変更可能である。ボリューム値の1段階(1カウント)は、スライダ418の左右方向の移動量、つまりX座標の変位量に関連付けられている。ボリューム値は、操作対象のオーディオ機器(たとえばレシーバ4)において、1段階(1カウント)で、例えば、0.5dBずつ変更される。例えば、スライダ418を現状の位置からボリューム上昇方向(右方)に5カウント移動させると、ボリューム値は2.5dB上昇する。また、スライダ418を現状の位置からボリューム下降方向(左方)に10カウント移動させると、ボリューム値は5.0dB下降する。
【0045】
図4、
図5及び
図6を参照して、本実施形態のコントローラ100によってボリューム値を上昇及び下降させる制御について説明する。スライダ418がボリューム下降方向(左方)に操作された場合、または、ボリューム上昇方向(右方)にゆっくり(閾値以下)操作された場合、ボリューム値、すなわち棒グラフ415の第2端部415B(右端)はスライダ418に完全に追従して同じ位置になる。スライダ418が、ボリューム上昇方向(右方)に閾値以上の速さで操作された場合、ボリューム値は、スライダ418に遅れて追従する。
【0046】
まず、
図4を参照して、ボリューム値を上昇させる制御について説明する。
図4では、スライダ418をX軸に沿って右方にスライド操作して、ボリューム値を上昇させる操作の例を示している。ボリューム上昇方向(X軸に沿って右方)は、本発明の第1方向に相当する。
【0047】
図4(A)、(B)は、ユーザが手指Fでスライダ418をボリューム上昇方向(右方)にスライド操作し、それに伴って、棒グラフ415の右端が、ボリューム上昇方向(右方)に伸びている状態を示している。スライダ418のボリューム上昇方向への移動量をVs1とする。また、棒グラフ415の右端のボリューム上昇方向への位置の変化率、すなわち棒グラフ415のボリューム上昇方向への単位時間当たり(たとえば1秒当たり)の移動量をVg1とする。なお、スライダ418の移動量Vs1は、単位時間の移動量ではなく、ユーザの指の位置に追従(一致)した位置に表示されたスライダ418の位置と、ボリューム値を表す棒グラフ415の右端の位置とのX座標値の差(距離)を表す値である。スライダ418のボリューム上昇方向への移動量Vs1は、本発明の第1方向への操作量に相当する。
【0048】
棒グラフ415の右端は、スライダ418の位置が棒グラフ415の右端よりも右に位置する場合、ボリューム上昇方向へ移動量Vg1でその位置を変化させる。棒グラフ415のボリューム上昇方向への移動速度Vg1は、例えば、単位時間あたりに棒グラフ415の右端が伸びるカウント数で表される。例えば、棒グラフ415の右端が毎秒3カウント伸びる場合は、Vg1=3カウント/秒と表すことができ、毎秒5カウント移動する場合は、Vg1=5カウント/秒と表すことができる。
【0049】
棒グラフ415のボリューム上昇方向への移動速度Vg1すなわちボリューム値の上昇率には、第1閾値Vthが設定されている。第1閾値Vthは、例えば、5カウント/秒である。
図4(A)では、スライダ418の移動量Vs1はV1であり、V1は第1閾値Vth以下である(Vs1=V1≦Vth)。つまり、スライダ418の移動量Vs1は、棒グラフ415の右端が単位時間当たりに移動する最大移動距離の値(Vth)以下である。この場合、棒グラフ415の右端の移動速度Vg1を、スライダ418の移動量Vs1と等しくする(Vg1=Vs1=V1)。このため、スライダ418は、ユーザのスライド操作に伴ってボリューム上昇方向へ移動し、棒グラフ415もスライダ418の移動に伴ってボリューム上昇方向へ伸びる。よって、棒グラフ415の右端(第2端部415B)は、スライダ418に重なった状態でボリューム上昇方向へ移動する。また、ボリューム値は、スライダ418及び棒グラフ415の移動速度に対応して上昇する。つまり、スライダ418のボリューム上昇方向への移動量Vs1(棒グラフ415の右端とスライダ418とのズレ)が、ボリューム値の上昇率の第1閾値Vth以下の場合は、ボリューム値は、スライダ418の動きに合わせて上昇する。
【0050】
図4(B)は、ユーザが手指Fでスライダ418をボリューム上昇方向(右方)に速い速度でスライド操作し、棒グラフ415の右端が、スライダ418の移動速度よりも遅い移動速度でボリューム上昇方向(右方)に伸びている状態を示している。また、同図の状態は、ユーザが手指Fで表示エリア414内の棒グラフ415の右端より右方に離れた位置にタッチした場合にも生じる。すなわち、スライダ418は、スライダ表示エリア417内の手指Fのタッチに完全に追従する。
【0051】
図4(B)では、スライダ418の移動量Vs1はV2であり、V2は第1閾値Vthより大きい(Vs1=V2>Vth)。この場合、棒グラフ415の右端の移動速度Vg1は、スライダ418の移動量Vs1に完全に追従せず、第1閾値Vthと等しくなる(Vg1=Vth)。すなわち、スライダ418は、ユーザのスライド操作に伴ってボリューム上昇方向へ移動するが、棒グラフ415は、スライダ418の移動速度よりも小さい速度でボリューム上昇方向へ伸びる。このため、棒グラフ415の右端は、スライダ418に重ならずに離隔した状態でボリューム上昇方向へ移動する。また、ボリューム値は、スライダ418ではなく、棒グラフ415の移動速度に対応して上昇する。
【0052】
つまり、スライダ418のボリューム上昇方向への移動量Vs1が第1閾値Vthを超えている場合は、ボリューム値は、スライダ418ではなく、棒グラフ415の動きに合わせて上昇する。このため、スライダ418をボリューム上昇側に不用意に大きくスライドさせてしまった場合でも、ボリューム値をゆっくりと上昇させることができる。よって、ボリューム値が短時間で大きく上昇して、突然大音量になることを抑制することができる。ユーザがスライダ418を
図4(B)に示す位置に停止させてタッチ操作を維持した場合、棒グラフ415(ボリューム値)は、第1しきい値Vthの上昇率で徐々にスライダ418の位置に追い付いてくる。
【0053】
図4(C)は、ユーザがスライダ418から手指を離し、操作を終了した瞬間の状態を示している。ユーザがスライド操作を終了すると、ボリューム値の制御、すなわち、棒グラフ415の伸縮制御は終了する。ボリューム値は、スライダ418の操作を停止した時点において、棒グラフ415の右端が達した位置に対応するボリューム値で確定する。
【0054】
図4(D)は、
図4(C)の状態の直後であり、スライダ418が棒グラフ415の右端(第2端部415B)に重なる位置に移動した状態を示している。
図4(C)で説明したように、スライダ418の操作を終了(解除)すると、ボリューム値は、棒グラフ415の右端(第2端部415B)が達した位置に対応するボリューム値で確定する。スライダ418は、確定したボリューム値に対応するように、棒グラフ415の右端(第2端部415B)に重なる位置に僅かな時間で移動する。
【0055】
次に、
図5を参照して、ボリューム値を下降させる制御について説明する。
図5では、スライダ418をX軸に沿って左方(第1方向と反対方向、以下、第2方向ともいう)にスライド操作して、ボリューム値を下降させる操作の例を示している。
【0056】
図5は、ユーザが手指Fでスライダ418をボリューム下降方向(第2方向)にスライド操作し、それに伴って、棒グラフ415の右端が、ボリューム下降方向(第2方向)に縮んでいく状態を示している。スライダ418のボリューム下降方向への移動量をVs2とする。また、棒グラフ415の右端のボリューム下降方向への単位時間当たり(たとえば1秒当たり)の移動量をVg2とする。なお、スライダ418の移動量Vs2は、単位時間の移動量ではなく、ユーザの指の位置に追従(一致)した位置に表示されたスライダ418の位置と、ボリューム値を表す棒グラフ415の右端の位置とのX座標値の差(距離)を表す値である。
【0057】
スライダ418のボリューム下降方向(第2方向)への移動量Vs2には、閾値は設定されていない。このため、スライダ418の移動量Vs2の大きさに関わらず、棒グラフ415の右端の移動速度Vg2は、スライダ418の移動量Vs2と等しくなる(Vg2=Vs2)。すなわち、スライダ418は、ユーザのスライド操作に伴ってボリューム下降方向へ移動し、棒グラフ415もスライダ418の移動に伴ってボリューム下降方向へ縮む。このため、棒グラフ415の右端(第2端部415B)は、スライダ418に重なった状態でボリューム下降方向へ移動する。また、ボリューム値は、棒グラフ415の移動速度に対応して下降する。
【0058】
つまり、スライダ418のボリューム下降方向への移動量Vs2(棒グラフ415の右端とスライダ418とのズレ)の大小に関わらず、ボリューム値は、スライダ418の動きに合わせて下降する。このため、ボリューム値を素早く下降させることが可能となる。
【0059】
図6のフローチャートを参照して、ボリューム値を上昇又は下降させる場合における、本実施形態のコントローラ100の動作を説明する。
【0060】
コントローラ100の動作がスタートすると(スタート)、スライダ418に対するスライド操作が行われたかどうか判定する(S1)。スライダ418に対するスライド操作が検出されると(S1でYES)、操作検出部120で検出された操作情報は、操作画面表示部110、及びメッセージ編集送信部130に入力される。操作画面表示部110は、スライダ418に対する操作内容に応じて、スライダ418の表示位置を更新する(S2)。ユーザがスライダ418を操作している間、スライダ418の周囲には、輪郭線418Aが表示される。操作検出部120は、スライダ418がボリューム上昇方向(第1方向)へ操作されたかどうか判定する(S3)。
【0061】
操作検出部120は、スライダ418がボリューム上昇方向へ操作されたと判定した場合(S3でYES)、スライダ418への操作内容に基づいて、スライダ418の第1方向への移動量Vs1を検出する。また、移動量Vs1が、所定の第1閾値Vth以下であるか否かを判定する(S4)。
【0062】
移動量Vs1が第1閾値Vth以下である場合(S4でYES)、メッセージ編集送信部130は、スライダ418の移動量Vs1に対応したボリューム値上昇に関するコマンドメッセージを編集し、そのコマンドメッセージをレシーバ4に送信する(S5)。操作画面表示部110は、棒グラフ415の移動速度Vg1をスライダ418の移動量Vs1に対応させて、棒グラフ415の表示内容を更新する(S6)。その後、ステップ1(S1)に戻る。
【0063】
一方、スライダ418の移動速度Vs1が第1閾値Vthより大きい場合(S4でNO)、メッセージ編集送信部130は、スライダ418の移動量Vs1ではなく、所定の第1閾値Vthに対応したボリューム値上昇に関するコマンドメッセージを編集し、そのコマンドメッセージをレシーバ4に送信する(S7)。操作画面表示部110は、棒グラフ415の移動速度Vg1を第1閾値Vthに対応させて、棒グラフ415の表示内容を更新する(S8)。その後、ステップ1(S1)に戻る。
【0064】
また、操作検出部120は、ステップ3で、スライダ418がボリューム上昇方向へ操作されなかったと判定した場合(S3でNo)、スライダ418への操作内容に基づいて、スライダ418の第1方向と反対方向への移動量Vs2を検出する。メッセージ編集送信部130は、スライダ418の移動量Vs2に対応したボリューム値の下降に関するコマンドメッセージを編集し、そのコマンドメッセージをレシーバ4に送信する(S9)。操作画面表示部110は、棒グラフ415の移動速度Vg2をスライダ418の移動量Vs2に対応させて、棒グラフ415の表示内容を更新する(S10)。その後、ステップ1(S1)に戻る。
【0065】
また、ステップ1で、スライダ418に対するスライド操作が行われなかったと判定した場合(S1でNo)、スライダ418を棒グラフ415の右端(第2端部415B)に一致させた状態として(S11)、再度ステップ1に戻る。
【0066】
なお、
図3〜
図6の実施形態では、ボリュームを上昇させる場合のみ閾値Vthを設けてゆっくり上昇させているが、ボリュームを下降させる場合にも閾値を設けてゆっくり下降させるようにしてもよい。
【0067】
次に、
図7及び
図8を参照して、本実施形態のコントローラ100によってボリューム値を微調整させる制御について説明する。コントローラ100では、スライダ418をタッチ操作している手指Fを、タッチパネルにタッチしたままスライダ表示エリア417から外れてY軸方向(図示上方)に移動させ、その位置で手指FをX軸方向(図示右方又は図示左方)にスライド操作することにより、ボリューム値を微調整することができる。
図7は、手指Fの移動の形態、および、ボリューム値(棒グラフ415)の変化の形態を示している。スライダ418は、X軸方向に沿った仮想線Y0上で、ボリューム上昇方向(第1方向)、及びボリューム下降方向(第2方向)に操作可能である。スライダ418に対するY軸方向(図示上方)は、ボリューム上昇方向(第1方向)、及びボリューム下降方向(第2方向)のいずれとも異なる方向であり、本発明の第3方向に相当する。
【0068】
尚、この実施形態では、スライダ418をタッチ操作している手指Fを、タッチパネルにタッチしたままスライダ418から外れてY軸方向(図示上方)に移動させた場合に、以下の動作が行われる。スライダ418にタッチ操作せずに、初めからスライダ418から外れた位置にタッチ操作しても、以下の動作は行われない。
【0069】
図7(A)は、スライダ418に手指Fを接触させた状態を示している。棒グラフ表示エリア414には、上述のようにX軸に平行な仮想線Y0が設定されている。仮想線Y0に対してY軸方向に間隔をおいて、仮想線Y1と仮想線Y5が設定されている。仮想線Y1は、仮想線Y0に対してY軸の負方向に配置され、仮想線Y5は、仮想線Y0に対してY軸の正方向に配置されている。仮想線Y5と仮想線Y1とで挟まれる領域を第1仮想領域AR1とする。第1仮想領域AR1は、本発明の通常操作領域に相当する。
【0070】
仮想線Y1の上方には、X軸に平行、かつY軸方向に等間隔をおいた仮想線Y2、Y3、及びY4が設定されている。仮想線Y2、Y3、及びY4は、この順番で設定されている。仮想線Y1及びY2の間には、第2仮想領域AR2が設定されている。同様に、仮想線Y2及びY3の間には、第3仮想領域AR3が設定され、仮想線Y3及びY4の間には、第4仮想領域AR4が設定されている。第2仮想領域AR2、第3仮想領域AR3、及び第4仮想領域AR4は、それぞれ本発明の微調整領域に相当する。
【0071】
図7(B)は、
図7(A)に引き続いて、手指Fをタッチパネル(操作部30)に接触させた状態のまま、手指Fをスライダ418から第4仮想領域AR4までY軸方向にスライド操作した状態を示している。手指FをY軸方向にスライド操作してもスライダ418はY軸方向には移動しない。
図7(B)では、手指Fが第4仮想領域AR4に接触している位置を接触位置419として仮想線で示している。接触位置419は、表示部41には表示されないが、図形等で表示されるようにしてもよい。
【0072】
図7(C)は、
図7(B)に引き続いて、手指F(接触位置419)を第4仮想領域AR4においてX軸方向(図示右方又は図示左方)にスライド操作することにより、ボリューム値を微調整する状態を示している。第4仮想領域AR4で手指F(接触位置419)をX軸方向にスライド操作すると、これに対応してスライダ418もX軸方向に移動する。
【0073】
第4仮想領域AR4における手指F(接触位置419)の位置のX軸方向の移動量を移動量Vf4とし、これに対応するスライダ418の位置の移動量を縮小移動量Vs3とする。移動量Vf4と縮小移動量Vs3との間には、所定の縮小率が予め設定されている。例えば、移動量Vf4:縮小移動量Vs3=4:1のような縮小率(縮小率0.25倍)が設定されている。この場合、手指F(接触位置419)の移動量Vf4に対してスライダ418の縮小移動量Vs3は、1/4となる。
【0074】
また、第3仮想領域AR3における手指F(接触位置419)の移動量を移動量Vf3とすると、例えば、移動量Vf3:縮小移動量Vs3=3:1のような縮小率(縮小率0.33倍)が設定されている。この場合、手指F(接触位置419)の移動量Vf3に対してスライダ418の縮小移動量Vs3は、1/3となる。
【0075】
同様に、第2仮想領域AR2における手指F(接触位置419)の移動量を移動量Vf2とすると、例えば、移動量Vf2:縮小移動量Vs3=2:1のような縮小率(縮小率0.5倍)が設定されている。この場合、手指F(接触位置419)の移動量Vf2に対してスライダ418の縮小移動量Vs3は、1/2となる。
【0076】
このように、微調整領域である仮想領域AR4、AR3及びAR2において手指F(接触位置419)でスライド操作することにより、スライダ418は、手指F(接触位置419)の移動量に対して所定の縮小率で縮小された縮小移動量で操作される。このため、手指F(接触位置419)を大きくスライド操作させながら、スライダ418の位置を微調整することが可能となり、ボリューム値の微調整が容易となる。
【0077】
尚、本発明の通常操作領域に相当する第1仮想領域AR1では、移動量Vf1:縮小移動量Vs3=1:1のような縮小率(縮小率1.0倍)が設定されている。この場合、手指F(接触位置419)の移動量Vf2に対してスライダ418の縮小移動量Vs3は、1であり、変化しない。これは、第1仮想領域AR1はスライダ418に近く、この領域でスライド操作すると手指Fがスライダ418に接触することがあるためである。スライダ418に近い領域では、スライダ418を直接スライド操作する場合と同じ動作とすることにより、ユーザが意図しない動作になることを抑制することができる。
【0078】
図8のフローチャートを参照して、ボリューム値を微調整する場合における、本実施形態のコントローラ100の動作を説明する。
【0079】
コントローラ100の動作がスタートすると(スタート)、操作検出部120は、スライダ418から第3方向(Y軸方向)に離れた領域での移動操作が、第4仮想領域AR4で行われているかどうか判定する(S32)。
【0080】
移動操作が第4仮想領域AR4で行われていると判定されると(S32でYES)、
操作検出部120は、予め第4仮想領域AR4に関連付けられている所定の縮小率(移動量Vf4:縮小移動量Vs3=4:1)を選択する(S32)。そして、操作検出部120は、移動量Vf4と所定の縮小率(Vf4:Vs3=4:1)から、縮小移動量Vs3=Vf4/4を算出する(S33)。操作検出部120で取得された操作情報は、操作画面表示部110、及びメッセージ編集送信部130に入力される。操作画面表示部110は、算出された縮小移動量Vs3に応じて、スライダ418の表示位置を更新する(S34)。
【0081】
メッセージ編集送信部130は、スライダ418の縮小移動量Vs3に対応したボリューム値に関するコマンドメッセージを編集し、そのコマンドメッセージをレシーバ4に送信する(S35)。操作画面表示部110は、スライダ418の縮小移動量Vs3に対応させて棒グラフ415の表示内容を更新し(S36)、スライド操作が解除されると、コントローラ100の動作を終了する(終了)。
【0082】
一方、移動操作が第4仮想領域AR4で行われていない場合(S31でNO)、操作検出部120は、第3操作が第3仮想領域AR3で行われているかどうか判定する(S37)。
【0083】
移動操作が第3仮想領域AR3で行われていると判定されると(S37でYES)、
操作検出部120は、予め第3仮想領域AR3に関連付けられている所定の縮小率(移動量Vf3:縮小移動量Vs3=3:1)を選択する(S38)。そして、操作検出部120は、移動量Vf3と所定の縮小率(Vf3:Vs3=3:1)から、縮小移動量Vs3=Vf3/3を算出する(S39)。続いて、ステップ34(S34)、ステップ35(S35)、及びステップ36(S36)が実行されるが、実行される内容は上述した内容と同様であるため、詳しい説明は省略する。スライド操作が解除されると、コントローラ100の動作を終了する(終了)。
【0084】
また、移動操作が第3仮想領域AR3で行われていない場合(S37でNO)、操作検出部120は、移動操作が第2仮想領域AR2で行われているかどうか判定する(S40)。
【0085】
移動操作が第2仮想領域AR2で行われていると判定されると(S40でYES)、操作検出部120は、予め第2仮想領域AR2に関連付けられている所定の縮小率(移動量Vf2:縮小移動量Vs3=2:1)を選択する(S41)。そして、操作検出部120は、移動量Vf2と所定の縮小率(Vf2:Vs3=2:1)から、縮小移動量Vs3=Vf2/2を算出する(S42)。続いて、ステップ34(S34)、ステップ35(S35)、及びステップ36(S36)が実行されるが、実行される内容は上述した内容と同様であるため、詳しい説明は省略する。スライド操作が解除されると、コントローラ100の動作を終了する(終了)。
【0086】
また、移動操作が第2仮想領域AR2で行われていない場合(S40でNO)、操作検出部120は、移動操作が第1仮想領域AR1で行われているかどうか判定する(S43)。
【0087】
移動操作が第1仮想領域AR1で行われていると判定されると(S43でYES)、操作検出部120は、予め第1仮想領域AR1に関連付けられている所定の縮小率(移動量Vf1:縮小移動量Vs3=1:1)を選択する(S44)。そして、操作検出部120は、移動量Vf1と所定の縮小率(Vf1:Vs3=1:1)から、縮小移動量Vs3=Vf1/1を算出する(S45)。続いて、ステップ34(S34)、ステップ35(S35)、及びステップ36(S36)が実行されるが、実行される内容は上述した内容と同様であるため、詳しい説明は省略する。スライド操作が解除されると、コントローラ100の動作を終了する(終了)。移動操作が第1仮想領域AR1で行われていないと判定された場合は(S43でNO)、ステップ31(S31)に戻る。
【0088】
図7、
図8の実施形態では、手指Fが棒グラフ表示エリア414から上方(Y軸負方向)に仮想領域を設定した例を説明したが、棒グラフ表示エリア414の下方に仮想領域を設定してもよい。また、縮小率の異なる3つの仮想領域を重ねているが、仮想領域の数は3に限定されない(1つであってもよい)。また、複数の仮想領域毎に変化率を変えるのでなく、手指Fの位置と棒グラフ表示エリア414とのY軸方向の距離に応じて無段階的に変化率を算出してもよい。
【0089】
図7、
図8の実施形態では、微調整処理は、スライダ418にタッチした手指Fをタッチパネルから離さないままY方向に移動した場合に実行される。スライダ418にタッチしていなくても、何らかの操作とともに手指Fを棒グラフ415からY方向に離れた位置にタッチした場合に微調整処理が実行されるようにしてもよい。
【0090】
図4から
図6のボリューム値がスライダ418の操作に遅れて追従する機能と、
図7、
図8のボリューム微調整機能を組み合わせてもよい。
【0091】
上記実施形態では、本発明が適用される端末装置として携帯電話機1を例示しているが、端末装置は携帯電話機1に限定されない。たとえば、タブレット、専用のコントローラ端末装置であってもよい。
【0092】
この実施形態では、ボリューム値を例に上げたが、連続して滑らかに上昇/下降させるべきパラメータであれば、他のどのようなパラメータに適用することも可能である。