(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書で用いられた用語は、単に特定の実施例を説明するために使用されたものであって、本発明を限定する意図ではない。また、単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味ではない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「含む」又は「有する」などという用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定するためのものであって、一つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものの存在又は付加可能性を予め排除しないものと理解されるべきである。また、明細書全体において、「上に」とは、対象部分の上又は下に位置することを意味するものであり、必ずしも重力方向を基準に上側に位置することを意味するものではない。
【0013】
また、組み合わせとは、各構成要素間の接触関係において、各構成要素間の物理的に直接接触している場合だけを意味するのではなく、他の構成が各構成要素間に介在して、その他の構成に構成要素がそれぞれ接触している場合までを包括する概念として使用する。
【0014】
図面に示された各構成のサイズ及び厚さは、説明の便宜のために任意に示したものであって、本発明は必ずしも図示されたものに限定されない。
【0015】
図面において、L方向は第1方向又は長さ方向、W方向は第2方向又は幅方向、T方向は第3方向又は厚さ方向と定義することができる。
【0016】
以下では、添付の図面を参照し、本発明の実施例によるコイル部品及びその製造方法について詳細に説明する。添付図面を参照して説明するにあたり、同一であるか、又は対応する構成要素に対しては同一の図面符号を付与し、これに対する重複説明は省略する。
【0017】
コイル部品
電子機器には、様々な種類の電子部品が用いられるが、このような電子部品の間には、ノイズ除去などを目的に、様々な種類のコイル部品が適切に用いられることができる。
【0018】
すなわち、電子機器のコイル部品は、パワーインダクタ(Power Inductor)、高周波インダクタ(HF Inductor)、通常のビーズ(General Bead)、高周波用ビーズ(GHz Bead)、コモンモードフィルタ(Common Mode Filter)などで用いられることができる。
【0019】
以下では、本発明の一実施例によるコイル部品を説明する。便宜上、コイル部品がインダクタ(Inductor)部品であることを例に挙げて説明するが、かかる説明により、インダクタ部品以外のコイル部品が本発明の範囲から除外されることを意味するものではない。
【0020】
図1は本発明の一実施例によるコイル部品を概略的に示す斜視図であり、
図2は
図1のI−I'線に沿った断面を示す図であり、
図3は
図2のA部分を拡大して示す図である。また、
図4は、本発明の一実施例によるコイル部品の変形例の一部を示すものであって、
図2のA部分に対応する部分を示す図である。
【0021】
図1〜
図3を参照すると、本発明の一実施例によるコイル部品1000は、磁性体部100、コイル部200、及び外部電極310、320を含む。
【0022】
磁性体部100は、本実施例によるコイル部品1000の外観をなし、内部にコイル部200を埋設する。
【0023】
磁性体部100の形状には制限がないが、例えば、全体的に六面体形状に形成されることができる。
【0024】
磁性体部100が六面体形状である場合、磁性体部100は、第1方向において互いに向かい合う第1面及び第2面、第2方向において互いに向かい合う第3面及び第4面、第3方向において向かい合う第5面及び第6面を含む。
【0025】
磁性体部100は、磁性材料が樹脂に分散されたものであればよい。すなわち、磁性体部100は、磁性材料が樹脂に分散された磁性シートを一つ以上積層することによって形成されることができる。
【0026】
磁性材料はフェライト又は金属磁性粉末であることができる。
【0027】
フェライトは、一例として、Mn−Zn系フェライト、Ni−Zn系フェライト、Ni−Zn−Cu系フェライト、Mn−Mg系フェライト、Ba系フェライト、又はLi系フェライトなどであればよい。
【0028】
金属磁性粉末は、一例として、鉄(Fe)、ケイ素(Si)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、及びニッケル(Ni)からなる群より選択されたいずれか一つ以上を含むことができる。
【0029】
金属磁性粉末は、非晶質又は結晶質であることができる。例えば、金属磁性粉末は、Fe−Si−B−Cr系非晶質金属であればよいが、必ずしもこれに制限されるものではない。
【0030】
フェライト及び金属磁性粉末はそれぞれ、平均直径が、約0.1μm〜30μmであればよいが、これに制限されるものではない。
【0031】
磁性体部100は、樹脂に分散された2以上の磁性材料を含むことができる。一例として、磁性体部100は、互いに異なる2以上の金属磁性粉末を含むことができる。ここで、互いに異なる金属磁性粉末とは、金属磁性粉末が、平均直径、材料、及び形状のうちいずれかで互いに区別され得ることを意味する。
【0032】
樹脂は、エポキシ樹脂やポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂であることができるが、これに制限されるものではない。
【0033】
磁性体部100は、後述するコイル部200を貫通するコア110を含むことができる。コア110は、磁性シートがコイル部200の貫通孔(
図13のTH)を充填することによって形成されることができるが、これに制限されるものではない。
【0034】
外部電極310、320は、本実施例によるコイル部品1000が、電子機器に実装されるとき、コイル部品1000を電子機器と電気的に連結させる。
【0035】
外部電極310、320は、磁性体部100の表面において互いに離隔して配置される第1外部電極310及び第2外部電極320を含む。第1外部電極310と後述するコイル部200の第1コイルパターン21とが連結され、第2外部電極320と第2コイルパターン22とが連結されることができる。
【0036】
第1外部電極310は、磁性体部100の第1面に配置され、磁性体部100の第3、第4、第5及び6面のそれぞれの一部に延長形成されることができるが、これに制限されるものではない。第2外部電極320は、磁性体部100の第2面に配置され、磁性体部100の第3、第4、第5及び6面のそれぞれの一部に延長形成されることができるが、これに制限されるものではない。
【0037】
外部電極310、320はそれぞれ、導電性樹脂層と、導電性樹脂層上に形成された導体層と、を含むことができる。導電性樹脂層は、ペースト印刷などで形成されることができ、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、及び銀(Ag)からなる群より選択されたいずれか一つ以上の導電性金属と熱硬化性樹脂を含むことができる。導体層は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、及びスズ(Sn)からなる群より選択されたいずれか一つ以上を含むことができ、例えば、ニッケル(Ni)層とスズ(Sn)層が順にメッキによって形成されたものであればよい。
【0038】
必要に応じて、外部電極310、320は、コイル部200と外部電極310、320の間に形成された先メッキ層(図示せず)を含むことができる。先メッキ層(図示せず)は、第1外部電極310と第1コイルパターン21を連結する第1先メッキ層(図示せず)と、第2外部電極320と第2コイルパターン22を連結する第2先メッキ層(図示せず)と、を含むことができる。
【0039】
先メッキ層(図示せず)は、導電性物質、例えば、銅(Cu)を含むことができる。
【0040】
コイル部200は、磁性体部100に埋設され、内部絶縁層10、コイルパターン21、22、絶縁壁31、32、外部絶縁層41、42、及び連結部50を含む。
【0041】
内部絶縁層10は、第1コイルパターン21と第2コイルパターン22を支持するとともに、第1コイルパターン21と第2コイルパターン22を分離する。
【0042】
内部絶縁層10は、エポキシ樹脂のような熱硬化性絶縁樹脂、ポリイミドのような熱可塑性絶縁樹脂、感光性絶縁樹脂、又はこれらに無機フィラーのような補強材が含浸された絶縁樹脂で形成されることができる。例えば、内部絶縁層10は、感光性絶縁樹脂を含むPID(Photo Imageable Dielectric)フィルム又は半田レジスト(Solder Resist)で形成されることができるが、これに制限されるものではない。
【0043】
無機フィラーとしては、シリカ(SiO
2)、アルミナ(Al
2O
3)、炭化ケイ素(SiC)、硫酸バリウム(BaSO
4)、タルク、泥、マイカ粉、水酸化アルミニウム(AlOH
3)、水酸化マグネシウム(Mg(OH)
2)、炭酸カルシウム(CaCO
3)、炭酸マグネシウム(MgCO
3)、酸化マグネシウム(MgO)、窒化ホウ素(BN)、ホウ酸アルミニウム(AlBO
3)、チタン酸バリウム(BaTiO
3)、及びジルコン酸カルシウム(CaZrO
3)からなる群より選択された少なくとも一つ以上を用いることができる。
【0044】
コイル部200を比較的薄型化するために、内部絶縁層10は、ガラス繊維を含まないことが好ましい。
【0045】
内部絶縁層10が感光性絶縁樹脂を含む場合、フォトリソグラフィ(photolithography)工程を行うことができる。これにより、プリプレグ(prepreg)などの非感光性絶縁層にホールを加工する場合よりも微細ホールの実現に有利である。
【0046】
コイルパターン21、22は、内部絶縁層10の一面に配置された第1コイルパターン21と、内部絶縁層10の他面に配置された第2コイルパターン22と、を含む。
【0047】
コイルパターン21、22はそれぞれ平面コイル状であることができ、それぞれ少なくとも2以上のターン(turn)数を有することができる。コイルパターン21、22はそれぞれ、導電性物質、例えば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pd)、又はこれらの合金などを含むことができ、一般的に、銅(Cu)を含むことができるが、これに制限されるものではない。
【0048】
コイルパターン21、22は、メッキで形成されることができる。この場合、コイルパターン21、22は、電解メッキ層だけを含む。すなわち、本発明の場合、電解メッキ層を形成するための無電解メッキ層又はシード金属箔のようなシード層を含んでいない。これについては後述する。
【0049】
絶縁壁31、32は、第1コイルパターン21の各ターン(turn)の間に配置される第1絶縁壁31と、第2コイルパターン22の各ターン(turn)の間に配置される第2絶縁壁32と、を含む。
【0050】
絶縁壁31、32は、エポキシ樹脂のような熱硬化性絶縁樹脂、ポリイミドのような熱可塑性絶縁樹脂、感光性絶縁樹脂、又はこれらに無機フィラーのような補強材が含浸された絶縁樹脂で形成されることができる。例えば、絶縁壁31、32は、感光性絶縁樹脂を含むPID(Photo Imageable Dielectric)フィルム又は半田レジスト(Solder Resist)で形成されることができるが、これに制限されるものではない。
【0051】
外部絶縁層41、42は、第1コイルパターン21及び第1絶縁壁31上に配置される第1外部絶縁層41と、第2コイルパターン22及び第2絶縁壁32上に配置される第2外部絶縁層42と、を含む。
【0052】
外部絶縁層41、42は、エポキシ樹脂のような熱硬化性絶縁樹脂、ポリイミドのような熱可塑性絶縁樹脂、感光性絶縁樹脂、又はこれらに無機フィラーのような補強材が含浸された絶縁樹脂で形成されることができる。例えば、外部絶縁層41、42は、ABF(Ajinomoto Build−up Film)で形成されることができるが、これに制限されるものではない。
【0053】
連結部50は、第1コイルパターン21と第2コイルパターン22を互いに連結するように内部絶縁層10を貫通し、その結果、同一方向に回転する一つのコイルを形成することができるようにする。
【0054】
連結部50は、第1導電層51と、第1導電層51の融点よりも低い融点を有する第2導電層52と、を含む。
【0055】
第1導電層51は、電気的特性に優れ、第2導電層52の融点よりも高い融点を有する銅(Cu)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、金(Au)、白金(Pt)などで形成されることができる。一例として、第2コイルパターン22及び第1導電層51はともに銅で形成されることができるが、この場合、両方とも同種の材料で形成されるため相互間の結合力が向上する。
【0056】
第2導電層52は、第1導電層51の融点よりも融点が低い。第2導電層52は、半田材料からなることができる。ここで、「半田」とは、半田を用いることができる金属材料を意味し、鉛(Pb)を含む合金であってもよく、鉛を含まなくてもよい。例えば、半田は、スズ(Sn)、銀(Ag)、銅(Cu)、又はこのうち選択された金属の合金であることができる。具体的には、本発明の実施例で使用される半田は、半田全体に対するスズ(Sn)の含有量が90%以上であるスズ、銀及び銅を成分として含む合金であることができる。
【0057】
第2導電層52は、後述するコイル基板(
図11のCS1及びCS2)を一括積層するとき、少なくとも一部が溶融して、コイル基板間の圧力の不均一を緩和することができる。
【0058】
第2導電層52は、一括積層時の温度及び圧力により、少なくとも一部が溶融されるため、第1導電層51及び/又は第1コイルパターン21を構成する物質と容易に反応することができる。したがって、連結部50は、第1コイルパターン21と第2導電層52との間及び/又は第1導電層51と第2導電層52との間に形成された金属間化合物層53をさらに含むことができる。金属間化合物層53により、第1コイルパターン21と第2導電層52との間の結合力が向上する。
【0059】
絶縁壁31、32は、コイルパターン21、22の両面のうち少なくとも一つから突出し、内部絶縁層10及び外部絶縁層41、42のうち少なくとも一つに挿入された突出部Pを含む。
【0060】
図3を参照すると、第1絶縁壁31は、第1コイルパターン21の下面と上面からそれぞれ突出している突出部Pを含む。これにより、突出部Pはそれぞれ、内部絶縁層10と第1外部絶縁層41に挿入される。第2絶縁壁32にも、上述した突出部Pが形成されることができる。一方、凹部Rは、絶縁壁31、32の突出部Pと相補的にコイルパターン21、22に形成されることができる。
【0061】
コイルパターン21、22の凹部Rは、本発明の一実施例によるコイル部品の製造方法による特有の構成である。これは、コイルパターン21、22を電解メッキで形成した後、各コイル基板CS1、CS2に残存するシード層を除去することになるが(
図9及び10を参照)、このとき、シード層とコイルパターン21、22の一部が除去されるためである。
【0062】
一括積層時の圧力及び温度により、コイルパターン21、22の凹部Rには、内部絶縁層10、第1外部絶縁層41及び第2外部絶縁層42の一部が充填される。
【0063】
一方、以上では、突出部Pと凹部Rが、第1絶縁壁31の上面と下面、第2絶縁壁32の上面と下面の両方に形成されることを前提に説明したが、突出部Pと凹部Rの形成位置は、製造方法を変更することにより多様に変更されることができる。
【0064】
一例として、突出部Pは、第1絶縁壁31の上面及び第2絶縁壁32の下面にのみ形成されることもできる。又は、突出部Pは、第1絶縁壁31の上面、第2絶縁壁32の上面及び下面にのみ形成されることもできる。又は、
図4のように、突出部Pは、第1絶縁壁31の上面及び下面、第2絶縁壁32の下面にのみ形成され、第2絶縁壁32の上面には形成されなくてもよい。これについては、本発明の一実施例によるコイル部品の製造方法で詳細に説明する。
【0065】
絶縁壁31、32の一面の表面粗さと絶縁壁31、32の他面の表面粗さとは互いに異なればよい。一例として、
図3を参照すると、第2絶縁壁32の下面の表面粗さは、第2絶縁壁32の上面の表面粗さよりも高ければよい。
【0066】
第2絶縁壁32は、第2コイルパターン22を形成するためのシード層の一面に形成される。このとき、シード層の一面には、表面処理(CZ treatment)がされていることができる。したがって、第2絶縁壁32を形成するためにPIDフィルムなどをシード層の一面に積層する場合、シード層の一面の表面粗さがPIDフィルムなどの下面に転写される。結果的には、第2絶縁壁32の下面の表面粗さが、第2絶縁壁32の上面の表面粗さよりも高くなる。上述の説明は、第1絶縁壁31にも同様に適用されることができる。
【0067】
本実施例によるコイル部品1000に適用される内部絶縁層10は、ガラス繊維を含んでいない。すなわち、通常のコイル部品に用いられるコア基板を用いることなく、プリント回路基板のコアレス工法を用いることで、内部絶縁層10を薄型化することができる。
【0068】
したがって、本実施例によるコイル部品1000は、比較的薄型化されたコイル部200を実現することができる。これにより、同一のサイズのコイル部品と比較すると、本実施例の場合、磁性体部100の体積が増加してインダクタンス(Ls)が増加する。
【0069】
コイル部品の製造方法
図5〜
図14は、本発明の一実施例によるコイル部品の製造工程を順に示す図である。
【0070】
図5〜
図14を参照すると、本発明の一実施例によるコイル部品の製造方法は、第1コイル基板及び第2コイル基板を形成する段階と、第1コイル基板と第2コイル基板を一括積層する段階と、後加工段階と、を含む。
【0071】
以下では、コイル基板を形成する段階と、コイル基板を接合する段階と、を分けて説明する。
【0072】
(コイル基板を形成する段階)
以下では、第2コイル基板の製造方法を例を挙げて説明し、第1コイル基板の製造方法についての説明は省略する。第1コイル基板の製造方法には、第2コイル基板の製造方法についての説明が同様に適用されることができる。
【0073】
一方、
図6〜
図9には、支持基板Cの一面にのみ後述する工程が行われるように示されているが、これは、説明の便宜且つ図面の図示上の便宜のためのものに過ぎない。したがって、支持基板Cの他面にも同一の工程が行われることができる。又は、支持基板Cの一面には、第2コイル基板を形成する工程が行われ、支持基板Cの他面には、第1コイル基板を形成するための工程が行われることができる。
【0074】
まず、
図5を参照すると、支持基板を用意する。
【0075】
支持基板Cは、コアレス工法を行うために使用される通常の副資材であることができる。すなわち、支持基板Cは、支持コアS、支持コアSの両面に形成されたキャリア金属箔CF1、及びキャリア金属箔CF1に形成された極薄金属箔CF2を含むことができる。
【0076】
支持コアSは、プリプレグ(Prepreg、PPG)で形成されることができるが、これに制限されるものではない。キャリア金属箔CF1及び極薄金属箔CF2はそれぞれ、銅(Cu)を含むことができるが、これに制限されるものではない。
【0077】
支持基板Cは、キャリア金属箔CF1と極薄金属箔CF2との間に形成された離型層(図示せず)をさらに含むことができるが、これに制限されるものではない。
【0078】
次に、
図6を参照すると、支持基板の一面に第2絶縁壁32を形成する。
【0079】
第2絶縁壁32は、第2絶縁壁形成用絶縁フィルムを支持基板の一面に形成した後、絶縁フィルムに開口Oを形成することによって形成されることができる。開口Oは、第2コイルパターン22の形状及び位置に対応するように形成される。
【0080】
第2絶縁壁形成用絶縁フィルムが感光性絶縁樹脂を含む場合、開口Oは、フォトリソグラフィ工程で形成されることができる。
【0081】
第2絶縁壁形成用絶縁フィルムが非感光性絶縁樹脂を含む場合、開口Oは、レーザードリルで形成されることができる。又は、開口Oは、第2絶縁壁形成用絶縁フィルムの上面にドライフィルムのような感光性材料を積層してフォトリソグラフィ工程を行い、感光性材料に第2絶縁壁形成用絶縁フィルムの開口に対応する位置にレジスト開口を形成した後、レジスト開口を介して露出している第2絶縁壁形成用絶縁フィルムを選択的に除去することによって形成されることができる。
【0082】
一方、本段階は、支持基板Cの一面にメッキ層を形成する段階と、メッキ層の一面を表面処理する段階と、をさらに含むことができる。この場合、第2絶縁壁32は、メッキ層の一面に形成される。これにより、表面処理されたメッキ層の一面の表面粗さが第2絶縁壁形成用絶縁フィルムの下面に転写される。結果的には、第2絶縁壁32の下面の表面粗さが、第2絶縁壁32の上面の表面粗さと異なり得る。
【0083】
次に、
図7を参照すると、隣接する第2絶縁壁32の間に第2コイルパターンを形成する。
【0084】
第2コイルパターン22は、第2絶縁壁32の開口Oに形成される。第2コイルパターン22は、支持基板Cの極薄金属箔CF2又は極薄金属箔CF2に形成されたメッキ層をシード層として電解メッキを介して形成される。
【0085】
本段階は、第2絶縁壁32を覆うように過メッキする段階と、第2絶縁壁32の上面が露出するように、過メッキされた電解メッキ層を研磨する段階と、をさらに含むことができる。
【0086】
これにより、第2コイルパターン22と第2絶縁壁32を含む第2コイル基板CS2が支持基板Cの一面に形成されることができる。以下では、説明の便宜のために、第2コイル基板CS2が、内部絶縁層10と連結部50を含むことを前提に説明する。
【0087】
次に、
図8を参照すると、第2コイル基板に内部絶縁層10を形成し、内部絶縁層10を貫通する連結部を形成する。
【0088】
内部絶縁層10は、内部絶縁層形成用絶縁フィルムを第2コイル基板CS2の上面に積層するか、又は液状の内部絶縁層形成用絶縁材料を第2コイル基板CS2の上面に塗布することにより形成されることができる。
【0089】
内部絶縁層形成用絶縁フィルムは、感光性絶縁樹脂を含むPIDフィルム又は半田レジストフィルムであることができるが、これに制限されるものではない。
【0090】
内部絶縁層10は、後述する一括積層工程時に完全硬化(C−stage)される。これにより、内部絶縁層10は、一括積層工程まで半硬化状態(B−stage)を維持する。
【0091】
連結部50は、内部絶縁層10を貫通する。内部絶縁層10が感光性樹脂を含む場合には、連結部50は、内部絶縁層10にフォトリソグラフィ工程で開口部を形成し、開口部に第1導電層51及び第2導電層52を形成することによって形成されることができる。
【0092】
開口部の内壁には、第1導電層を形成するための別途の無電解メッキ層が形成されることができるが、これに制限されるものではない。すなわち、開口部は、第2コイルパターン22を露出させるため、第1導電層51は、ボトムアップ(Bottom−up)方式でメッキ形成されることができる。
【0093】
第2導電層52は、第1導電層51の融点よりも低い融点の金属、例えば、半田で形成されることができる。第2導電層52は、半田を開口部内にメッキするか、又は半田ペーストを開口部に充填した後、半田ペーストを乾燥することにより開口部内に形成されることができる。
【0094】
半田又は半田ペーストは、スズ、銀、銅、又はこのうち選択された金属の合金を主成分とすることができる。また、本発明で使用される半田ペーストには、フラックス(flux)が含まれなくてもよい。
【0095】
半田ペーストには、比較的高い温度(例えば、800℃)で固まる焼結型、及び比較的低い温度(例えば、200℃)で固まる硬化型がある。本実施例に使用される半田ペーストは、第2導電層52の形成時に内部絶縁層10が完全硬化されることを防止するために、比較的低い温度で固まる硬化型を用いることができる。
【0096】
半田ペーストは、比較的高い粘度を有するものであればよく、開口部内に挿入される際に、その形状を維持することができる。また、半田ペーストは、金属粒子を有し、かかる粒子によって、開口部に挿入された第2導電層52の表面は凸凹していればよい。
【0097】
次に、
図9を参照すると、第2コイル基板の一面に保護層PLを形成した後、支持基板Cを分離する。
【0098】
保護層PLは、熱可塑性樹脂を含む部材であることができる。保護層PLは、一括積層工程を行うまで第2コイル基板CS2を保護する。保護層PLは、離型層を含み、第2コイル基板CS2の一面に離型層が付着されるように配置される。
【0099】
支持基板Cは、キャリアの金属箔CF1と極薄金属箔CF2との間の界面が分離されて、第2コイル基板CS2から除去されることができる。すなわち、支持基板Cが第2コイル基板CS2から除去されても、支持基板Cの極薄金属箔CF2は第2コイル基板CS2の他面に残存することができる。
【0100】
次に、
図10を参照すると、第2コイル基板の他面に残存する極薄金属箔CF2を除去する。
【0101】
極薄金属箔CF2はフラッシュエッチング又はハーフエッチングなどを介して除去されることができる。一方、上述のように、極薄金属箔CF2の一面にメッキ層を形成した場合、本段階においてメッキ層は極薄金属箔CF2とともに除去される。
【0102】
極薄金属箔CF2及び第2コイルパターン22がすべて銅を含む場合、極薄金属箔CF2とともに第2コイルパターン22の一部が除去される。これにより、第2コイルパターン22には凹部Rが形成され、第2絶縁壁32には凹部Rと相補的に突出部Pが形成される。
【0103】
本実施例の場合、第2コイルパターン22及び第2絶縁壁32の上面側には、内部絶縁層10及び保護層PLが形成されているため、凹部R及び突出部Pは第2コイルパターン22の下面、及び第2絶縁壁32の下面にのみ形成される。
【0104】
一方、凹部R及び突出部Pは、上述した製造工程の順序を任意に変更することにより、任意の位置に形成されることができる。
【0105】
一例として、第2コイル基板CS2に保護層PLを形成しない状態で、第2コイル基板CS2と支持基板Cを分離した場合、第2コイル基板CS2の下面に残存する極薄金属箔CF2を除去する際に、第2コイルパターン22の上面及び下面の両方に凹部Rが形成されることもできる。
【0106】
まず、
図11を参照すると、第1コイル基板CS1、第2コイル基板CS2、第1外部絶縁層41、及び第2外部絶縁層42を
、第1コイル基板CS1と第2コイル基板CS2との間に内部絶縁層10を介在して整列する。
【0107】
第1コイル基板CS1及び第2コイル基板CS2のそれぞれに付着された保護層は除去される。
【0108】
図示されていないが、第1コイル基板CS1、第2コイル基板CS2、第1外部絶縁層41、及び第2外部絶縁層42のそれぞれには、基準孔が加工されていることができ、かかる基準孔を基準に、第1コイル基板CS1、第2コイル基板CS2、第1外部絶縁層41、及び第2外部絶縁層42が整列されることができる。
【0109】
次に、
図12を参照すると、第1コイル基板CS1、第2コイル基板CS2、第1外部絶縁層41、及び第2外部絶縁層42を
、第1コイル基板CS1と第2コイル基板CS2との間に内部絶縁層10を介在して一括加圧及び加熱する。
【0110】
本段階において、温度は180〜200℃に設定され、プレス圧力は30〜50kg/cm
2に設定されることができるが、これに制限されるものではない。すなわち、一括積層時の温度及び圧力は、内部絶縁層10又は第2導電層52の成分などによって異なって設定されることができる。特に、一括積層時の温度は、第2導電層52の融点以上とすることができる。
【0111】
一括積層時の温度及び圧力により第2導電層52の一部が溶融される。また、一括積層時の圧力により、第2導電層52の上部が四方に所定の距離だけ広がることができる。この場合、一括積層後の第2導電層52の広がりにより、連結部50の上部断面積を連結部50の下部断面積よりも大きくすることができる。すなわち、一括積層時の圧力により、第2導電層52が半硬化状態(B−stage)の内部絶縁層10の内側に広がることができる。
【0112】
一括積層時に第2導電層52が溶融されるため、第2導電層52と第1導電層51との間及び/又は第2導電層52と第1コイルパターン21との間には、金属間化合物層53が形成されることができる。
【0113】
また、半硬化状態にあった内部絶縁層10と外部絶縁層41、42は、一括積層後に完全硬化状態になる。
【0114】
(後加工段階)
まず、
図13を参照すると、貫通孔THを加工する。
【0115】
貫通孔THは、コイル部200を貫通するように、
図12の点線に沿って形成されることができる。貫通孔THは、レーザードリル又はCNCドリルを用いてコイル部200に形成されることができる。
【0116】
一方、図示していないが、
図12の左側及び右側には、コイルパターン21、22が形成されていない絶縁壁形成用絶縁フィルム及び内部絶縁層10を有することができる。この部分は、本段階で貫通孔THとともに除去されることができる。
【0117】
次に、
図14を参照すると、磁性体部100を形成する。
【0118】
磁性体部100は、コイル部200の両面に磁性シートを積層することによって形成されることができるが、これに制限されるものではない。
【0119】
コイル部200の両面に配置された磁性シートを加熱及び加圧する。このとき、磁性シートの少なくとも一部が流動して、コイル部200の貫通孔THを充填してコア110を形成することができる。
【0120】
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明の範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
【解決手段】本発明のコイル部品は、磁性体部100及び磁性体部100の内部に埋設されたコイル部200を含む。コイル部200は、内部絶縁層10と、内部絶縁層10の両面に配置されたコイルパターン21、22と、コイルパターン21、22の各ターン(turn)の間に配置される絶縁壁31、32と、絶縁壁31、32及びコイルパターン21、22上に配置される外部絶縁層41、42と、第1導電層及び第1導電層の融点よりも低い融点の第2導電層を含み、内部絶縁層10の両面に配置されたコイルパターン21、22を互いに連結するように内部絶縁層10を貫通する連結部50と、を含む。