【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、
図18に示す複数のA型バリケード102を配置する柵は、周囲への注意喚起のみであり、転落防止柵として充分に機能していないのが実情である。
【0010】
また、
図19に示す柵や、
図20に示す突っ張り部材B1を用いた柵(特許文献1)においては、以下のような弊害が生じている。
【0011】
すなわち、
図19・
図20に示す柵においては、開口部100の周縁と、立設している単管パイプ103・支柱Cとの距離が非常に短くなっており、開口部100の周縁と単管パイプ103・支柱Cが、極めて近接している。
【0012】
そのため、開口部100内に複数の土止め材(軽量鋼矢板)101を設置する作業において、開口部100の周縁に近接した状態で設置されている単管パイプ103・支柱Cが、作業の邪魔になってしまう事態が生じていた。
【0013】
また、
図19・
図20に示す柵においては、路面マーキングを充分に実施できないという弊害が生じていた。
【0014】
例えば、路面等において実施する試し掘り工事においては、地中に存在している様々な管等の位置を確認して路面に印を付す作業を実施している。
【0015】
具体的には、
図21に示すように、地中に管等が存在していた場合には、その位置を明確に示すために所定の印を付しているが、開口部100の周縁と柵との距離が短いと、現実的に、この印を解り易く表記することができないという事態が生じていた。
【0016】
そして、掘削した路面を埋め戻して、路面の開口部100を閉鎖したとき、
図22に示すように、僅かな印が所定の間隔を保持して記録されるが、地中に存在している管の位置を明確に示す印として、充分に機能していなかった。
【0017】
そこで、本発明は、路面等における開口部の周縁と、柵を構成する部材との間の距離を充分に確保することにより、開口部内に土止め材(軽量鋼矢板)を設置する作業を円滑に実施すると共に、地中に存在している管等の位置を明確に示す路面マーキングを確実に実施すことのできる、路面等の開口部における転落防止柵を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、路面等における開口部の周囲に設置する転落防止柵であり、
当該転落防止柵は、開口部に対向するように配置する基礎部材と、単管パイプを立設可能で、基礎部材に連接する拡張アダプター部材と、路面等における開口部内に配置されて、開口部に対向するように配置された一対の基礎部材を突っ張り状態にして固定するジャッキベース部材とから構成され、
基礎部材は、垂設体を備えている台座板と、台座板から下方に向けて延設した垂下板から形成され、
拡張アダプター部材は、単管パイプの立設板と、立設板から側方に向けて延設した所定の長さの腕部材から形成され、この腕部材は基礎部材の垂設体に連結する接合体を備え、
拡張アダプター部材を連結している基礎部材を開口部に対向するように設置し、ジャッキベース部材の両端部を一対の垂下板に圧接している状態において、
拡張アダプター部材の立設板に単管パイプを立設させ、それぞれの単管パイプに横パイプを組み付けたことを特徴とする。
【0019】
請求項1に記載の、路面等の開口部における転落防止柵に係る発明によれば、単管パイプを立設可能で、基礎部材に連接する拡張アダプター部材が存在し、この拡張アダプター部材は所定の長さの腕部材を備えていることから、路面等における開口部の周縁と、単管パイプとの間の距離を充分に確保することができる。
【0020】
その結果、開口部内に複数の土止め材(軽量鋼矢板)を設置する作業を実施する際に、開口部の周囲に設置した単管パイプが作業の邪魔になってしまう事態が回避して、複数の土止め材(軽量鋼矢板)を設置する作業を円滑に実施できる。
【0021】
また、路面等における開口部の周縁と、単管パイプとの間の距離を充分に確保できることから、地中に存在している管等の位置を示す路面マーキングを確実に実施すことができる。
【0022】
この様に、本発明によれば、路面等における開口部の周縁と、単管パイプとの間の距離を充分に確保した状態で、路面等における開口部を囲むようにして柵を構築することができ、歩行者や作業者等の転落を確実に防止することができる。
【0023】
請求項2に係る発明は、路面等における開口部に設置する転落防止柵であり、
当該転落防止柵は、開口部に対向するように配置する基礎部材と、単管パイプを立設可能で、基礎部材に連接する拡張アダプター部材と、路面等における開口部内に配置されて、開口部に対向するように配置された一対の基礎部材を突っ張り状態にして固定するジャッキベース部材とから構成され、
基礎部材は、垂設体を備えている台座板と、台座板から下方に向けて延設した垂下板から形成され、
拡張アダプター部材は、単管パイプの立設板と、立設板から側方に向けて延設した所定の長さの腕部材から形成され、この腕部材は基礎部材の垂設体に連結する接合体を備え、
拡張アダプター部材を連結している基礎部材を開口部に対向するように設置し、ジャッキベース部材の両端部を一対の垂下板に圧接している状態において、
開口部に配置されている任意の位置の拡張アダプター部材の立設板に単管パイプを立設させ、それぞれの単管パイプに横パイプを組み付けたことを特徴とする。
【0024】
請求項2に記載の、路面等の開口部における転落防止柵に係る発明によれば、路面等における開口部の周縁と、単管パイプとの間の距離を充分に確保した状態で、路面等における開口部の任意の位置に部分的な柵を構築することができ、必要に応じた特定部分において、歩行者や作業者等の転落を確実に防止することができる。
【0025】
請求項3に係る発明は、基礎部材の垂設体と拡張アダプター部材の接合体は、いずれも筒状に形成され、拡張アダプター部材の接合体内に、基礎部材の垂設体を挿入可能であることを特徴とする。
【0026】
請求項3に記載の、路面等の開口部における転落防止柵に係る発明によれば、基礎部材の垂設体と拡張アダプター部材の接合体は、いずれも筒状に形成され、拡張アダプター部材の接合体内に、基礎部材の垂設体を挿入可能であるので、作業者は、基礎部材に拡張アダプター部材を簡単に連結できる。
【0027】
請求項4に係る発明は、拡張アダプター部材の腕部材は、長さ調節可能に形成されていることを特徴とする。
【0028】
請求項4に記載の、路面等の開口部における転落防止柵に係る発明によれば、拡張アダプター部材の腕部材は、長さ調節可能に形成されているので、必要に応じて、路面等における開口部の周縁と単管パイプとの間の距離を適宜調節することができる。
【0029】
請求項5に係る発明は、拡張アダプター部材を形成する単管パイプの立設板は、単管パイプを立設した状態で支持する単管パイプ用保持部を備えていることを特徴とする。
【0030】
請求項5に記載の、路面等の開口部における転落防止柵によれば、拡張アダプター部材を形成する単管パイプの立設板は、単管パイプを立設した状態で支持する単管パイプ用保持部を備えているので、作業者は、単管パイプを立設した状態で、拡張アダプター部材に簡単に取り付けることができる。
【0031】
請求項6に係る発明は、拡張アダプター部材を形成する単管パイプの立設板は、幅木材を支持する幅木材用保持部を備えていることを特徴とする。
【0032】
請求項6に記載の、路面等の開口部における転落防止柵に係る発明によれば、拡張アダプター部材を形成する単管パイプの立設板は、幅木材を支持する幅木材用保持部を備えているので、必要に応じて、拡張アダプター部材間に幅木材を設置することができる。