特許第6544891号(P6544891)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6544891-カラオケシステム 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6544891
(24)【登録日】2019年6月28日
(45)【発行日】2019年7月17日
(54)【発明の名称】カラオケシステム
(51)【国際特許分類】
   G10K 15/04 20060101AFI20190705BHJP
【FI】
   G10K15/04 302D
【請求項の数】1
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-110654(P2014-110654)
(22)【出願日】2014年5月28日
(65)【公開番号】特開2015-225254(P2015-225254A)
(43)【公開日】2015年12月14日
【審査請求日】2017年5月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】511043437
【氏名又は名称】株式会社コシダカホールディングス
(72)【発明者】
【氏名】腰▲高▼ 博
【審査官】 大石 剛
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−275936(JP,A)
【文献】 特開平10−049182(JP,A)
【文献】 特開2003−076379(JP,A)
【文献】 特開平09−138689(JP,A)
【文献】 特開2003−108157(JP,A)
【文献】 特開平07−212714(JP,A)
【文献】 特開2011−033649(JP,A)
【文献】 特開2006−163077(JP,A)
【文献】 特開2007−094244(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツサーバからカラオケ楽曲及びカラオケ背景映像をダウンロード・保存して、利用者からのカラオケ楽曲の再生予約を、予約受付手段を通じて受けて、前記カラオケ楽曲と、前記カラオケ背景映像を組み合わせて再生するカラオケシステムであり、
通常は、再生予約の対象となるカラオケ楽曲毎に、複数の背景映像が予め楽曲データベースにより紐づけられており、再生予約を受け付けた際にカラオケ再生機器が予約されたカラオケ楽曲に紐づけられている複数の背景映像からランダムに選定した背景を当該カラオケ楽曲再生時に組み合わせて再生するカラオケシステムであって、
前記予約受付手段には、カラオケの背景映像を指定できる複数の入力枠を設け、各入力枠は利用者が操作する前は、標準状態に指定されており、標準状態の入力枠が選定された場合には、通常通り、楽曲データベースによって予めカラオケ楽曲に紐づけられた複数の背景映像からランダムに選択され、
利用者がカラオケ再生予約を行う際、入力枠に利用者が指定する背景映像を指定することができ、前記カラオケシステムが背景映像を選択する際、当該利用者が指定した入力枠を選択した場合には、当該入力枠で指定された背景映像を再生するカラオケシステムにおいて、
前記予約受付手段から利用者のカラオケ楽曲再生予約を受けた際に、複数の入力枠をランダムに選択した後、この選択された入力枠の指定に応じて、当該カラオケ楽曲再生時に組み合わせる背景映像を選択する工程を有してなることを特徴とするカラオケシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラオケ音楽に合わせて背景映像を再生し、歌唱を楽しむことが可能なカラオケシステムに関するものであり、更に詳細には、カラオケ音楽に最適な再生映像を選択できるカラオケシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
カラオケは、映像データと歌詞データ及び演奏データとを一曲毎に記憶したビデオディスク等を再生していたレーザーディスク(登録商標)カラオケから、通信カラオケになり、そのカラオケ演奏に対応した背景映像は、複数の背景映像からランダムに選択されて再生されるものが出現してきた。
【0003】
この背景には、レーザーディスク(登録商標)カラオケにおいては、一曲毎に楽曲と背景映像を一致することによる著作権上の処理も発生(通称:シンクロ権)し、レーザーディスク(登録商標)の制作においては著作権処理が煩雑になっていた。
【0004】
また、通信カラオケになって、通信回線を利用してカラオケ楽曲が配信されるようになり、カラオケ楽曲数が急激に増加されるようになったもののネットワーク環境から考えるとカラオケ楽曲のデータ量に対比して背景映像におけるデータ量は、極めて大きいため、配信楽曲に対して、その背景映像の配信が追いつかない状況になっていた。
【0005】
そこで、ジャンルごとに分けられた背景映像を用意し、演奏するカラオケ楽曲のジャンルに合致する複数の背景映像の中からランダムに選択したり、背景映像をキーワードやジャンルで細切れにして、一曲のカラオケ楽曲に対して、キーワードやジャンルで分けた複数の細切れの背景映像をランダムに組み合わせて背景映像などを再生させていた。
【0006】
こうすることで、通信カラオケにおける背景映像の少ないというイメージを解消できるとともに、著作権上の問題も解消できるという利点もあり、業界内では、同じような背景映像の使い回し処理がなされてきた。
【0007】
ところが、カラオケ利用者のニーズは、歌唱するカラオケ楽曲の曲目が上位数パーセントに集中するためジャンルやキーワードによる使い回しの映像を再生していると、見飽きた背景映像が目立ち、飽きがくるものである。そこで
たまには新しい背景映像で歌ってみたいという要望が高まっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第3274762号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1は、必要最小限の映像データを用いて数多くの演奏データに対して適切な背景画を表示すること、特に、そのイメージ、曲調が複数の映像ジャンルに跨る演奏データに対して必要最小限の映像データによって適切な背景画を表示することを目的としたものであって、選択されたカラオケ楽曲に対応する複数の映像ジャンルを識別する映像ジャンル識別手段を備えていて、選択されたカラオケ楽曲の再生に際して映像ジャンル識別手段によって識別された複数の映像ジャンルに基づき映像データ読出手段を制御して、第1映像データ記憶手段と第2映像データ記憶手段とから交互に編集映像データを読み出して組み合わせて、背景映像とする編集映像データ読出制御手段として構成されるものである。
【0010】
従って、ある程度はバラエティな映像になるもののどうしても提供者側のお仕着せによるものでありオリジナリティ感が味わえない背景映像となり、不満が残るものであった。またカラオケ楽曲は、利用者によって同じ歌でもいろいろな感情があるものであり、画一的なものでもないので、楽曲のイメージも歌唱者によって幅があることがわかってきた。そこで、第一の目的として、少なくともカラオケシステム提供者側の背景映像であっても、背景映像を複数の中から選択させる機能を持たせること、さらに第二の目的として、背景映像選択肢に利用者が選択した映像(自分や仲間の提供した映像も含む)を加えることで、背景映像における楽しみに広がりを持たせてなるカラオケシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のカラオケシステムは、コンテンツサーバからカラオケ楽曲及びカラオケ背景映像をダウンロード・保存して、利用者からのカラオケ楽曲の再生予約を、予約受付手段を通じて受けて、前記カラオケ楽曲と、前記カラオケ背景映像を組み合わせて再生するカラオケシステムであり、通常は、再生予約の対象となるカラオケ楽曲毎に、複数の背景映像が予め楽曲データベースにより紐づけられており、再生予約を受け付けた際にカラオケ再生機器が予約されたカラオケ楽曲に紐づけられている複数の背景映像からランダムに選定した背景を当該カラオケ楽曲再生時に組み合わせて再生するカラオケシステムとして構成されている。
【0012】
そして、前記予約受付手段には、カラオケの背景映像を指定できる複数の入力枠図3中のバー参照)を設け、各入力枠は利用者が操作する前は、標準状態に指定されており、標準状態の入力枠が選定された場合には、通常通り、楽曲データベースによって予めカラオケ楽曲に紐づけられた複数の背景映像からランダムに選択され、利用者がカラオケ再生予約を行う際、入力枠に利用者が指定する背景映像を指定することができ、前記カラオケシステムが背景映像を選択する際、当該利用者が指定した入力枠を選択した場合には、当該入力枠で指定された背景映像を再生するカラオケシステムにおいて、前記予約受付手段から利用者のカラオケ楽曲再生予約を受けた際に、複数の入力枠をランダムに選択した後、この選択された入力枠の指定に応じて、当該カラオケ楽曲再生時に組み合わせる背景映像を選択する工程を有してなるものである。
【発明の効果】
【0013】
背景映像を楽曲に対して、一対一に一致させるのではなく、背景映像の選択肢に加えることで、著作権を適切に処理することができるとともに、カラオケ演奏の際に自分が指定した背景映像が、確実に再生出来るかどうかが演奏されるまでわからないというゲーム性も加味され飽きのこない効果も生まれることになった。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明のカラオケシステムのイメージ説明図。
図2】本発明のカラオケシステムの楽曲予約画面の入力説明図。
図3】本発明のカラオケシステムにおける背景映像を指定する際の入力説明図。
図4】本発明のカラオケ演奏の際の背景映像選択フロー説明図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明のカラオケシステム1を図面に基づいて説明する。まず図1に示すように本発明のカラオケシステム1は、コンテンツサーバ2からカラオケ楽曲及びカラオケ背景映像ダウンロードして蓄積、又は都度コンテンツサーバ2からダウンロードして、カラオケ楽曲と、カラオケ背景映像をこのカラオケ楽曲に組み合わせて再生するカラオケシステム1が構成されている。
【0016】
そして、図1に示すようにカラオケ装置の内部は、コンテンツサーバ2から配信を受けたカラオケ楽曲を記憶する楽曲記憶手段3と、コンテンツサーバ2から配信を受けたカラオケ背景映像をダウンロードして、カラオケ用背景映像を記憶する背景映像記憶手段4と、コンテンツサーバ2と通信を行いカラオケ楽曲及びカラオケ背景映像のダウンロード及び操作手段7の情報を受け付ける通信手段5とを有して、さらにカラオケ楽曲とそれに組み合わされたカラオケ背景映像をセットにして再生するカラオケ演奏手段6と、さらにカラオケ背景映像を特定の楽曲に対して複数の背景映像の選択肢からランダムに選択させて再生させる背景映像選択手段から構成されている。
【0017】
本発明のカラオケシステム1は、カラオケ演奏におけるカラオケ背景映像が複数のパターンとなる映像の選択肢から選択されて再生されるものであって、特にリモコンとして使用され、通常は携帯電話や情報端末として使用される携帯情報端末でも可能な操作手段8から通信手段5を介してカラオケ利用者からカラオケ演奏予約時にカラオケ背景映像の候補を受け付ける際、指定したカラオケ背景映像を選択肢に加えられるようになっている。
【0018】
また、操作手段8の操作画面で、カラオケ楽曲指定の際に、その他のパラメータも選択ができるようになっている。
例えば、操作手段8は、特定の楽曲を指定すると、図2に示されるような画面に遷移して(画面は上下にスクロールして表示できるようになっている)、曲名、歌手名、歌い出し、発売年、メモなどが表示され、その下部にテンポやキー設定ができ、(スマートフォン等の)携帯端末に「持ち歌登録」したり、「予約用リスト」ボタンで、カラオケ装置への予約用楽曲リストとして蓄積されるようになっている。
【0019】
その際、さらに詳細な設定として、「コーラス」(歌唱)は、1番だけか、2番までか、フルで歌唱するかの設定。「ガイド」は、ガイドメロディの音量の設定で大、中、小、オフかの設定。「採点」は、オン、オフ、本体設定で、採点を行うか、行わないか、及び本体側の設定に委ねるかの設定。「音階表示」は、カラオケの演奏に伴い、歌唱の時に楽譜の代わりにある程度の目安になる歌唱における音高が示される表示のオン、オフ、本体設定で、音階表示を行うか行わないか、及び本体側の設定に委ねるかの設定。「録画」は、[録画]で歌唱者の映像と演奏を伴う歌唱録画、[録音]で歌唱者の演奏を伴う歌唱録音のみ、[オフ]で録画も録音も行わない等の設定ができる。
【0020】
さらに「背景」では、[標準背景]のバー(入力枠)が2本出ているが、デフォルトでは、カラオケ楽曲に対して、背景映像群の中からランダムに1つ選択されるようになっている。このほか、「採点ランキング」ボタンを押下すると、当該楽曲の採点ランキングの上位を示すようになっている。
【0021】
図3において、上述したように利用者による背景映像の指定がない場合にも複数設けられた入力枠から、標準背景は、複数の背景映像からランダムに選択されるが(図3の1)、利用者が1つの入力枠において背景映像を選択した場合、システムが設定する背景映像(標準背景)か、利用者が選択した背景映像(指定背景映像)かが任意に選択される旨を示している(図3の2)。また、利用者が複数の入力枠に指定背景映像を選択してもシステムが複数の指定背景映像の中から選択するようになっている(図3の3)。この図3において、中段(図3の2)に利用者が1つの「指定背景映像」を選択した場合、「標準背景」と並んで表示されているが、カラオケ装置が準備した1つの背景映像に対して、利用者が指定した1つの指定背景映像とから選択させる限定ではない。

【0022】
例えば、標準背景による背景映像として4つの映像が準備されたと仮定し、利用者が1つの指定背景映像が準備された場合、全体の背景映像は、5つの映像からなり、その中から1つを選択する場合、利用者の指定した背景映像が選ばれる背景映像は1/5となる。また利用者が指定した指定背景映像か、カラオケ装置が準備した背景映像どちらで行うか先に選択した場合は、利用者が指定した指定背景映像が、選択される確率は1/2になる。本発明では、これら選択方法についての限定はなく、利用者が指定した指定背景映像が、カラオケシステム内での特定の映像を選択肢に加えられることで足りるということである。
【0023】
次に、楽曲予約から演奏までの状態を示すフローを図4に基づいて説明する。利用者が楽曲を予約する際にその他のパラメータ設定で、背景映像の選択もできるようになっている(ステップ11)。予約順が来て、利用者による背景映像の選択がなかった場合(図3の1)、ステップ12からNの方向でステップ13に遷移すると、カラオケシステムは、予め複数予定された背景映像の中からランダムに背景映像が設定され、カラオケ演奏が実施される。
【0024】
ステップ12で、利用者が特定の背景映像を1つ選択した場合(図3の2)、ステップ14を経由してステップ15に遷移して、システムが準備した背景映像と利用者が指定した背景映像から任意に選択されて背景映像が決定されて、カラオケ演奏が実施される。ここで、利用者が複数の背景映像を選択した場合(図3の3)は、ステップ14からステップ16に遷移して、利用者が指定した複数の背景映像の中からランダムに1つ選択される。
【産業上の利用可能性】
【0025】
以上のように構成された本発明のカラオケシステムによれば、カラオケシステムがランダムに選択するようになっている背景映像の選択肢に、利用者が自ら指定する映像を加えることでいつまでも飽きのこないカラオケ演奏を楽しめ産業上極めて有益なものとなる。
【符号の説明】
【0026】
1・・・カラオケシステム
2・・・コンテンツサーバ
3・・・楽曲記憶手段
4・・・背景映像記憶手段
5・・・通信手段
6・・・カラオケ演奏手段
7・・・背景映像選択手段
8・・・操作手段
図1
図2
図3
図4