(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2配線パターンの幅、厚さ、または、導電率は、前記第1配線パターンの幅、厚さ、または、導電率よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のプリント配線基板。
前記第1配線パターンと前記第2配線パターンとの間を隔てる絶縁層の厚さは、200μm未満であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のプリント配線基板。
前記電源ラインの第2配線パターンと前記接地ラインの第2配線パターンは、各々の電流方向が逆向きとなるように互いにオーバーラップして敷設されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のプリント配線基板。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<スイッチング電源装置>
図1は、スイッチング電源装置の一構成例を示す回路図である。本構成例のスイッチング電源装置1は、半導体装置10と、半導体装置10に外付けされる種々のディスクリート部品(バイパスコンデンサ20、出力インダクタ30、及び、出力コンデンサ40)とを有する。スイッチング電源装置1は、スイッチング出力段(本図の例では、半導体装置10に集積化された出力トランジスタ11Hと同期整流トランジスタ11L)を用いて電源電圧Vccを降圧することにより、所望の出力電圧Voを生成する。
【0020】
半導体装置10は、スイッチング電源装置1の一部として機能するICないしはLSIであり、出力トランジスタ11H及び同期整流トランジスタ11Lと、上側ドライバ12H及び下側ドライバ12Lと、を含む。なお、半導体装置10には、不図示の制御回路や異常保護回路も集積化されている。
【0021】
また、半導体装置10は、装置外部との電気的な接続を確立するための手段として、複数の外部端子(本図の例では、スイッチ端子T10、電源端子T11、及び、接地端子T12)を有する。スイッチ端子T10は、スイッチライン70を外部接続するための外部端子である。電源端子T11は、電源ライン50を外部接続するための外部端子である。接地端子T12は、接地ライン60を外部接続するための外部端子である。
【0022】
出力トランジスタ11Hは、スイッチング出力段の上側スイッチとして機能するPMOSFET[P channel type metal oxide semiconductor field effect transistor]である。出力トランジスタ11Hのソースとバックゲートは、電源端子T11に内部接続されている。出力トランジスタ11Hのドレインは、スイッチ端子T10に内部接続されている。出力トランジスタ11Hのゲートは、上側ゲート信号GHの印加端(上側ドライバ12Hの出力端)に接続されている。出力トランジスタ11Hは、上側ゲート信号GHがハイレベルであるときにオフし、上側ゲート信号GHがローレベルであるときにオンする。
【0023】
同期整流トランジスタ11Lは、スイッチング出力段の下側スイッチとして機能するNMOSFET[N channel type MOSFET]である。同期整流トランジスタ11Lのソースとバックゲートは、接地端子T12に内部接続されている。同期整流トランジスタ11Lのドレインは、スイッチ端子T10に内部接続されている。同期整流トランジスタ11Lのゲートは、下側ゲート信号GLの印加端(下側ドライバ12Lの出力端)に接続されている。同期整流トランジスタ11Lは、下側ゲート信号GLがハイレベルであるときにオンし、下側ゲート信号GLがローレベルであるときにオフする。
【0024】
スイッチング出力段では、出力トランジスタ11Hと同期整流トランジスタ11Lが相補的にオン/オフされる。このようなオン/オフ動作により、スイッチ端子T10(ないしスイッチライン70)には、電源電圧Vccと接地電圧GNDとの間でパルス駆動される矩形波状のスイッチ電圧Vswが生成される。なお、本明細書中における「相補的」という文言は、出力トランジスタ11Hと同期整流トランジスタ11Lのオン/オフ状態が完全に逆転している場合だけでなく、両トランジスタの同時オフ期間(デッドタイム)が設けられている場合も含む。
【0025】
また、スイッチング出力段では、上記の同期整流方式に限らず、同期整流トランジスタ11Lに代えて整流ダイオードを用いたダイオード整流方式を採用してもよい。
【0026】
上側ドライバ12Hは、電源端子T11と接地端子T12との間に接続されており、不図示の制御回路から入力される上側ドライバ制御信号に応じて上側ゲート信号GHを生成する。
【0027】
下側ドライバ12Lは、電源端子T11と接地端子T12との間に接続されており、不図示の制御回路から入力される下側ドライバ制御信号に応じて下側ゲート信号GLを生成する。
【0028】
なお、上側ドライバ12Hと接地端子T12との間を接続する内部配線、及び、下側ドライバ12Lと電源端子T11との間を接続する内部配線には、寄生抵抗成分13a及び13bが各々付随している。また、電源端子T11、スイッチ端子T10、及び、接地端子T12には、寄生インダクタンス成分14x〜14zが各々付随している。
【0029】
バイパスコンデンサ20は、半導体装置10の電源変動を抑制するための手段であり、電源ライン50と接地ライン60との間に接続されている。なお、バイパスコンデンサ20には、キャパシタンス成分21のほかに、等価直列抵抗成分22と等価直列インダクタンス成分23が含まれている。バイパスコンデンサ30としては、素子サイズが小さく、等価直列抵抗成分22や等価直列インダクタンス成分23が小さく、かつ、動作温度範囲の広い積層セラミックコンデンサなどを用いることが望ましい。
【0030】
出力インダクタ30と出力コンデンサ40は、スイッチ電圧Vswを整流及び平滑して出力電圧Voを生成するLCフィルタを形成する。出力インダクタ30の第1端は、スイッチライン70に接続されている。出力インダクタ30の第2端と出力コンデンサ40の第1端は、いずれも出力ライン80に接続されている。出力コンデンサ40の第2端は、接地ライン60に接続されている。なお、出力インダクタ30には、インダクタンス成分31のほかに、等価直列抵抗成分32が含まれている。また、出力コンデンサ40には、キャパシタンス成分41のほかに、等価直列抵抗成分42と等価直列インダクタンス成分43が含まれている。
【0031】
電源ライン50は、電源電圧Vccの印加端と電源端子T11との間を電気的に接続するためのプリント配線である。電源ライン50には、寄生インダクタンス成分51と寄生抵抗成分52が付随している。
【0032】
接地ライン60は、接地端(接地電圧GNDの印加端)と接地端子T12との間を電気的に接続するためのプリント配線である。接地ライン60には、寄生インダクタンス成分61と寄生抵抗成分62が付随している。
【0033】
スイッチライン70は、出力インダクタ30の第1端とスイッチ端子T10との間を電気的に接続するためのプリント配線である。スイッチライン70には、寄生インダクタンス成分61と寄生抵抗成分62が付随している。
【0034】
出力ライン80は、出力インダクタ30の第2端及び出力コンデンサ40の第1端と出力電圧Voの出力端との間を電気的に接続するためのプリント配線である。出力ライン80にも、他のプリント配線と同様、寄生インダクタンス成分と寄生抵抗成分が付随している。ただし、本図では、図示の便宜上、その描写が省略されている。
【0035】
<プリント配線基板(第1実施形態)>
図2は、スイッチング電源装置1を搭載するプリント配線基板100の第1実施形態を示す平面図である。本図において、プリント配線基板100上にパターニングされた電源ライン50、接地ライン60、スイッチライン70、及び、出力ライン80は、いずれも実線で描写されている。一方、半導体装置10、バイパスコンデンサ20、出力インダクタ30、及び、出力コンデンサ40は、いずれも破線で透過的に描写されている。
【0036】
半導体装置10の底面には、複数の外部端子がアレイ状に並べられている。スイッチ端子T10、電源端子T11、及び、接地端子T12は、それぞれ複数個ずつ(本図の例では、スイッチ端子T10が12個、電源端子T11が8個、接地端子T12が4個)設けられており、それぞれが半導体装置10の内部で共通に接続されている。このような構成とすることにより、各端子に付随する寄生インダクタンス成分14x〜14zや各端子とプリント配線基板100とのボンディング部分に付随する寄生抵抗成分52〜72を低減することができる。
【0037】
また、電源ライン50、接地ライン60、及び、スイッチライン70は、いずれもできる限り太く短いパターンとされている。このような構成とすることにより、それぞれに付随する寄生成分(寄生インダクタンス成分51〜71や寄生抵抗成分52〜72)を低減することができる。
【0038】
また、バイパスコンデンサ20は、半導体装置10の直近(電源端子T11や接地端子T12の直近)に配置されている。このような構成とすることにより、電源ライン50や接地ライン60に付随する寄生成分(寄生インダクタンス成分51〜61や寄生抵抗成分52〜62)の影響を極力受けずに済む。
【0039】
このように、第1実施形態のプリント配線基板100(ないしこれに搭載される半導体装置10)では、外部端子の並列化、太く短い配線パターニング、及び、半導体装置10とバイパスコンデンサ20との直近接続により、プリント配線に付随する寄生成分の低減が図られている。
【0040】
また、電源ライン50と接地ライン60は、スイッチライン70を挟むように分離して設けられている。このような構成とすることにより、電源ライン50と接地ライン60との間が直接ショートし難くなるので、安全性を高めることが可能となる。
【0041】
ただし、電源ライン50や接地ライン60に大電流が流れる場合には、上記の構成を採用してもなお、各々に付随する寄生成分(寄生インダクタンス成分51〜61や寄生抵抗成分52〜62)の影響が無視できなくなり、スイッチ電圧Vswのハイレベル低下やリンギングを生じるおそれがあった。
【0042】
なお、先にも述べたように、第1実施形態のプリント配線基板100では、電源端子T11や接地端子T12を複数並列に用いて、電源ライン50や接地ライン60を太く形成することにより、各々に付随する寄生成分の低減が図られていた。
【0043】
ただし、複数の外部端子がパッケージの底面でアレイ状に並べられたグリッドアレイ型の半導体装置10において、電源端子T11や接地端子T12をパッケージの外縁付近だけでなくパッケージの中央付近にも設ける場合には、電源ライン50や接地ライン60をパッケージの外縁からさらに内側まで延伸する必要がある。
【0044】
電源ライン50や接地ライン60の延伸部分には、当然のことながら、その長さに応じた寄生成分が付随する。そのため、電源端子T11や接地端子T12の配設位置がパッケージの外縁部から離れる(中央部に近付く)ほどインピーダンス的に不利となり、その増設効果が薄れるという問題があった。
【0045】
<プリント配線基板(第2実施形態)>
以下では、主に
図3〜
図6を参照しながら、プリント配線基板100の第2実施形態について詳細に説明する。
【0046】
図3は、プリント配線基板100の第2実施形態を示す平面図であり、特に、プリント配線基板100の表面に形成された第1配線層を示している。本図において、第1配線層にパターニングされた第1電源ラインP1と第1接地ラインG1は、いずれも実線で描写されている。一方、半導体装置10とその外部端子(電源端子T11a〜T11d及び接地端子T12a〜T12dを含む)は、いずれも破線で透過的に描写されている。
【0047】
図4は、
図3と同じく、プリント配線基板100の第2実施形態を示す平面図であり、特に、プリント配線基板100の内部(第1配線層よりも下層)に形成された第2配線層を示している。本図において、第2配線層にパターニングされた第2電源ラインP2と第2接地ラインG2は、いずれも実線で描写されている。一方、第1配線層にパターニングされた先出の第1電源ラインP1と第1接地ラインG1、並びに、半導体装置10に設けられた電源端子T11a〜T11dと接地端子T12a〜T12dは、いずれも破線で透過的に描写されている。
【0048】
図5は、プリント配線基板100を
図3及び
図4のα1−α1’線(一点鎖線)で切断したときの縦断面図を示している。また、
図6は、プリント配線基板100を
図3及び
図4のα2−α2’線(二点鎖線)で切断したときの縦断面図を示している。
【0049】
各図で示したように、第2実施形態のプリント配線基板100は、多層基板110と、これに敷設された電源ライン50及び接地ライン60とを有する。電源ライン50は、第1電源ラインP1と、第2電源ラインP2と、層間接続部P3x及びP3yと、を含む。接地ライン60は、第1接地ラインG1と、第2接地ラインG2と、層間接続部G3x〜G3zと、を含む。
【0050】
第1電源ラインP1と第1接地ラインG1は、いずれも多層基板110の表面(第1配線層)に形成された第1配線パターンに相当する。
図3で示すように、第1電源ラインP1は、電源電圧Vccの印加端に繋がる幹線部P1aと、幹線部P1aから分岐した支線部P1bとを含む。同様に、第1接地ラインG1は、接地電圧GNDの印加端(接地端)に繋がる幹線部G1aと、幹線部G1aから分岐した支線部G1bとを含む。
【0051】
支線部P1b及びG1bは、それぞれ、幹線部P1a及びG1aから半導体装置10の搭載位置に向けて延伸されており、半田などを用いて電源端子T11a〜T11d及び接地端子T12a〜T12dと各々接続される。
【0052】
なお、第1配線層に形成された第1電源ラインP1と第1接地ラインG1には、そのライン厚d1について、半導体装置10のグリッドピッチd11に応じた制約がある。
【0053】
図7は、第1配線層の厚さ制限を説明するための縦断面図である。本図で示すように、互いに隣接するグリッド201とグリッド202との間隔(=グリッドピッチ)をd11とし、グリッド半径をd12とし、第1配線層203及び204のテーパをd13として定義した場合、グリッド201とグリッド202との干渉(短絡)を避けるためには、次の(1)式で表される条件を満たす必要がある。
【0055】
一般に、第1配線層203及び204のライン厚d1が大きくなるほど、テーパd13も大きくなる。従って、第1電源ラインP1と第1接地ラインG1のライン厚d1は、半導体装置10のグリッドピッチd11に応じた上限値未満に設計しなければならない。
【0056】
また、グリッド間の干渉(短絡)を避けるためには、支線部P1b及びG1bのライン幅w1についても、半導体装置10のグリッドピッチd11に応じた上限値未満に設計しなければならないという制約がある。すなわち、半導体装置10のグリッドピッチd11が狭いほど支線部P1b及びG1bのライン幅w1も狭くなり、各々に付随する寄生成分(寄生インダクタンス成分や寄生抵抗成分)が大きくなる。
【0057】
そのため、一列に並ぶ電源端子T11a〜T11d及び接地端子T12a〜T12dについては、幹線部P1a及びG1aから遠いものほどインピーダンス的に不利となる。より具体的には、幹線部P1a及びG1aに最も近い電源端子T11a及び接地端子T12aがインピーダンス的に最も有利となり、逆に、幹線部P1a及びG1aから最も遠い電源端子T11d及び接地端子T12dがインピーダンス的に最も不利となる。
【0058】
そこで、電源ライン50及び接地ライン60は、それぞれ、第1配線層にパターニングされた先述の第1電源ラインP1及び第1接地ラインG1に加えて、さらに、第2配線層にパターニングされた第2電源ラインP2及び第2接地ラインG2を含む。
【0059】
第2電源ラインP2と第2接地ラインG2は、いずれも多層基板110の内部(第2配線層)に形成された第2配線パターンに相当する。
図4に即して述べると、第2電源ラインP2は、第1電源ラインP1の支線部P1bに対してオーバーラップするようにレイアウトされている。同様に、第2接地ラインG2は、第1接地ラインG1の支線部G1bに対してオーバーラップするようにレイアウトされている。なお、第2接地ラインG2については、第1接地ラインG1の幹線部G1aに対してもオーバーラップするようにレイアウトされている。
【0060】
ただし、第2電源ラインP2と第2接地ラインG2を異なるレイアウトとした理由は、レイアウトのバリエーションを単一の図面で描写する、という便宜上の理由に過ぎない。従って、第2電源ラインP2を第1電源ラインP1の幹線部P1aと支線部P1bの双方に対してオーバーラップさせてもよいし、若しくは、第2接地ラインG2を第1接地ラインG1の支線部G1bに対してのみオーバーラップさせてもよい。
【0061】
第1電源ラインP1と第2電源ラインP2との間は、層間接続部P3x及びP3y(ビアなど)を用いて電気的に接続されている。層間接続部P3xは、幹線部P1aに最も近い電源端子T11aの直近(支線部P1bの根元側)に設けられている。層間接続部P3yは、幹線部P1aから最も遠い電源端子T11dの直近(支線部P1bの末端側)に設けられている。すなわち、層間接続部P3x及びP3yは、電源端子列の両端間をバイパスするように第1電源ラインP1と第2電源ラインP2との間を電気的に導通する。
【0062】
同様に、第1接地ラインG1と第2接地ラインG2との間は、層間接続部G3x〜G3z(ビアなど)を用いて電気的に接続されている。なお、層間接続部G3xは、幹線部G1aに最も近い接地端子T12aの直近(支線部G1bの根元側)に設けられている。一方、層間接続部G3yは、幹線部G1aから最も遠い接地端子T12dの直近(支線部G1bの末端側)に設けられている。すなわち、層間接続部G3x及びG3yは、接地端子列の両端間をバイパスするように第1接地ラインG1と第2接地ラインG2との間を電気的に導通する。また、層間接続部G3zは、幹線部G1aの直下に設けられている。
【0063】
ここで、第2電源ラインP2及び第2接地ラインG2は、第1電源ラインP1及び第1接地ラインG1と異なり、半導体装置10のグリッドピッチd11に応じた制約を受けることなく、比較的自由にライン幅w2やライン厚d2を設計することが可能である。
【0064】
例えば、第2電源ラインP2及び第2接地ラインG2を支線部P1b及びG1bよりも幅広(w2>w1)とすることにより、第2電源ラインP2及び第2接地ラインG2の寄生成分を支線部P1b及びG1bの寄生成分よりも小さく抑えることが可能となる。
【0065】
また、第2電源ラインP2及び第2接地ラインG2を支線部P1b及びG1bよりも肉厚(d2>d1)とすることによっても、第2電源ラインP2及び第2接地ラインG2の寄生成分を支線部P1b及びG1bの寄生成分よりも小さく抑えることが可能となる。
【0066】
また、例えば、第1電源ラインP1及び第1接地ラインG1を一般的な銅箔や銅メッキ(σ=59.0[S/m]@20℃)で形成する一方、第2電源ラインP2及び第2接地ラインG2をより導電率の高い銀箔や銀メッキ(σ=61.4[S/m]@20℃)で形成することもできる。このような素材選択を行うことによっても、第2電源ラインP2及び第2接地ラインG2の寄生成分を支線部P1b及びG1bの寄生成分よりも小さく抑えることが可能となる。
【0067】
なお、第1配線パターン(=第1配線層に形成された第1電源ラインP1及び第1接地ラインG1)と第2配線パターン(=第2配線層に形成された第2電源ラインP2及び第2接地ラインG2)との間を隔てる絶縁層の厚さd3(すなわち、層間接続部P3x及びP3y、並びに、層間接続部G3x〜G3zの高さ)は、できるだけ小さい方がよい。より具体的に述べると、絶縁層の厚さd3は、200μm未満とすることが望ましく、特に100μm以下(例えば80μm)とすることが望ましい。このような構成とすることにより、層間接続部P3x及びP3yの寄生成分、並びに、層間接続部G3x〜G3zの寄生成分を小さく抑えることが可能となる。
【0068】
このように、幹線部P1aと電源端子T11a〜T11dとの間、及び、幹線部G1aと接地端子T12a〜T12dとの間には、高インピーダンスの支線部P1b及びG1bを介する主経路だけでなく、より低インピーダンスの第2電源ラインP2及び第2接地ラインG2を介するバイパス経路が形成されている。
【0069】
すなわち、電源ライン50及び接地ライン60については、高インピーダンスの支線部P1b及びG1bに対して、より低インピーダンスのバイパス経路を並設するように、部分的な多層構造が採用されている。
【0070】
従って、電源端子列及び接地端子列の並列使用に際して、幹線部P1a及びG1aに近い電源端子及び接地端子だけでなく、幹線部P1a及びG1aから遠い電源端子及び接地端子についても、これらを有効に利用することができるようになる。
【0071】
図8は、スイッチ電圧Vswの波形図である。なお、実線は第2実施形態の挙動を示しており、破線は第1実施形態の挙動を示している。本図で示すように、第2実施形態の構成を採用することにより、スイッチ電圧Vswのハイレベル低下やリンギングを効果的に抑制することができるので、より安定なスイッチング動作を実現することが可能となる。
【0072】
特に、電源ライン50や接地ライン60に大電流が流れる場合には、各々に付随する寄生成分(寄生インダクタンス成分51〜61や寄生抵抗成分52〜62)の影響が顕在化しやすいので、第2実施形態の構成を採用することが望ましいと言える。
【0073】
なお、第2実施形態では、説明を簡単とすべく、半導体装置10の電源端子列及び接地端子列として、電源端子T11〜T11dと接地端子T12a〜T12dが1列ずつ直線状に並んだ構成を例に挙げたが、各々の配列パターンはこれに限らず、例えば、電源端子列と接地端子列の配列方向が途中で曲がっていてもよいし、或いは、2方向以上に分岐していてもよい。また、電源端子列や接地端子列の直列数ないし並列数も一切不問である。
【0074】
また、先にも説明したように、第2電源ラインP2及び第2接地ラインG2は、それぞれ、支線部P1b及びG1bの末端部を幹線部P1a及びG1a(ないしは支線部P1b及びG1bの根元部)までバイパスするための低インピーダンス経路として設けられている。従って、このようなバイパス機能が得られる限り、第2電源ラインP2及び第2接地ラインG2のレイアウトも任意である。
【0075】
<プリント配線基板(第3実施形態)>
以下では、
図9〜
図12を参照しながら、プリント配線基板100の第3実施形態について詳細に説明する。
【0076】
図9は、プリント配線基板100の第3実施形態を示す平面図であり、特に、プリント配線基板100の表面に形成された第1配線層を示している。本図において、第1配線層にパターニングされた第1電源ラインP1と第1接地ラインG1は、いずれも実線で描写されている。一方、半導体装置10とその外部端子(電源端子T11a〜T11d及び接地端子T12a〜T12dを含む)は、いずれも破線で透過的に描写されている。
【0077】
図10は、
図9と同様、プリント配線基板100の第3実施形態を示す平面図であり、特に、プリント配線基板100の内部(第1配線層よりも下層)に形成された第2配線層を示している。本図において、第2配線層にパターニングされた第2電源ラインP2と第2接地ラインG2は、いずれも実線で描写されている。一方、第1配線層にパターニングされた先出の第1電源ラインP1と第1接地ラインG1、並びに、半導体装置10に設けられた電源端子T11a〜T11dと接地端子T12a〜T12dは、いずれも破線で透過的に描写されている。
【0078】
図11は、プリント配線基板100を
図9及び
図10のβ1−β1’線(一点鎖線)で切断したときの縦断面図を示している。また、
図12は、プリント配線基板100を
図9及び
図10のβ2−β2’線(二点鎖線)で切断したときの縦断面図を示している。
【0079】
各図で示したように、第3実施形態のプリント配線基板100では、先の第2実施形態(
図3〜
図6)をベースとしつつ、層間接続部P3a〜P3d及びG3a〜G3dが追加されている。層間接続部P3a〜P3dは、それぞれ、電源端子T11a〜T11dの直下に形成されている。同様に、層間接続部G3a〜G3dは、それぞれ、接地端子T12a〜T12dの直下に形成されている。
【0080】
このような構成であれば、先の第2実施形態と比べて、電源端子T11a〜T11d及び接地端子T12a〜T12dをより有効に利用することができるようになるので、電源ライン50及び接地ライン60の寄生成分をさらに効果的に低減することが可能となる。
【0081】
<プリント配線基板(第4実施形態)>
以下では、主に
図13〜
図16を参照しながら、プリント配線基板100の第4実施形態について詳細に説明する。
【0082】
図13は、プリント配線基板100の第4実施形態を示す平面図であり、特にプリント配線基板100の内部(第1配線層よりも下層)に形成された第2配線層を示している。本図において、第2配線層にパターニングされた第2電源ラインP2は、実線で描写されている。一方、第1配線層にパターニングされた先出の第1電源ラインP1と第1接地ラインG1、並びに、半導体装置10に設けられた電源端子T11a〜T11dと接地端子T12a〜T12dは、いずれも破線で透過的に描写されている。
【0083】
図14は、
図13と同じく、プリント配線基板100の第4実施形態を示す平面図であり、特に、プリント配線基板100の内部(第2配線層よりもさらに下層)に形成された第3配線層を示している。本図において、第3配線層にパターニングされた第2接地ラインG2は、実線で描写されている。一方、第1配線層にパターニングされた第1電源ラインP1と第1接地ラインG1、並びに、半導体装置10に設けられた電源端子T11a〜T11dと接地端子T12a〜T12dは、いずれも破線で透過的に描写されている。
【0084】
なお、第4実施形態のプリント配線基板100において、第1配線層のレイアウトは、先の第2実施形態(
図3)と同一であるので、別途新たな図面としての描写は割愛する。
【0085】
図15は、プリント配線基板100を
図13及び
図14のγ1−γ1’線(一点鎖線)で切断したときの縦断面図を示している。また、
図16は、プリント配線基板100を
図13及び
図14のγ2−γ2’線(二点鎖線)で切断したときの縦断面図を示している。
【0086】
各図で示したように、第4実施形態のプリント配線基板100では、先の第2実施形態(
図3〜
図6)をベースとしつつ、第2電源ラインP2と第2接地ラインG2を異なる配線層に形成し、かつ、各々の電流方向が逆向きとなるように互いにオーバーラップして敷設した構成とされている。
【0087】
このような構成であれば、先の第2実施形態と比べて、第2電源ラインP2と第2接地ラインG2との磁気結合により、相互の寄生成分を相殺することができるので、電源ライン50及び接地ライン60の寄生成分をさらに効果的に低減することが可能となる。
【0088】
なお、第4実施形態の構成については、先の第3実施形態(
図9〜
図12)と組み合わせることも可能である。
【0089】
<ICパッケージ>
図17〜
図19は、それぞれ、ICパッケージのバリエーションを示す図である。
【0090】
図17にはPGA[pin grid array]パッケージが描写されている。半導体装置10をPGAパッケージとした場合、半導体装置10の外部端子(スイッチ端子T10、電源端子T11、及び、接地端子T12など)がピンとなり、各々がパッケージの底面でアレイ状に並べられる。
【0091】
図18にはBGA[ball grid array]パッケージが描写されている。半導体装置10をBGAパッケージとした場合には、半導体装置10の外部端子が半田ボールとなり、各々がパッケージの底面でアレイ状に並べられる。
【0092】
図19にはLGA[land grid array]パッケージが描写されている。半導体装置10をLGAパッケージとした場合には、半導体装置10の外部端子が電極パッドとなり、各々がパッケージの底面でアレイ状に並べられる。
【0093】
<電子機器への適用例>
図20〜
図22は、それぞれ、プリント配線基板100(ないしこれに搭載される半導体装置10)を有する電子機器のバリエーションを示す図である。
【0094】
図20の電子機器Aは、半導体装置10に集積化ないしは外部接続されるスイッチング出力段を用いて電源電圧Vccから所望の出力電圧Voを生成するスイッチング電源装置A1と、出力電圧Voの供給を受けて動作する負荷A2とを有する。半導体装置10は、先述のプリント配線基板100(本図には明示せず)に搭載され、スイッチング電源装置A1の一部として機能する。
【0095】
図21の電子機器Bは、半導体装置10に集積化ないしは外部接続されるスイッチング出力段を用いてデジタル信号Sdを送信する送信装置B1と、デジタル信号Sdを受信する受信装置B2とを有する。半導体装置10は、先述のプリント配線基板100(本図には明示せず)に搭載され、送信装置B1の一部として機能する。
【0096】
図22の電子機器Cは、半導体装置10に集積化ないしは外部接続されるスイッチング出力段を用いてモータ駆動信号U、V、Wを生成するモータ駆動装置C1と、モータ駆動信号U、V、Wの供給を受けて回転するモータC2を有する。半導体装置10は、先述のプリント配線基板100(本図には明示せず)に搭載され、モータ駆動装置C1の一部として機能する。
【0097】
このように、半導体装置10(ないしこれを搭載するプリント配線基板100)は種々のアプリケーションに適用することが可能である。
【0098】
図23は、スマートフォンの外観図である。スマートフォンXは、
図20で示した電子機器Aの一例であり、半導体装置10(ないしこれを搭載するプリント配線基板100)を用いたスイッチング電源装置A1を好適に搭載することが可能である。
【0099】
<その他の変形例>
なお、本明細書中に開示されている種々の技術的特徴は、上記実施形態のほか、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち、上記実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。