特許第6545103号(P6545103)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6545103
(24)【登録日】2019年6月28日
(45)【発行日】2019年7月17日
(54)【発明の名称】心臓弁修復用のシステム
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/24 20060101AFI20190705BHJP
【FI】
   A61F2/24
【請求項の数】10
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2015-554185(P2015-554185)
(86)(22)【出願日】2014年1月27日
(65)【公表番号】特表2016-504136(P2016-504136A)
(43)【公表日】2016年2月12日
(86)【国際出願番号】EP2014051544
(87)【国際公開番号】WO2014114798
(87)【国際公開日】20140731
【審査請求日】2017年1月24日
(31)【優先権主張番号】13152768.1
(32)【優先日】2013年1月25日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】61/756,670
(32)【優先日】2013年1月25日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/756,633
(32)【優先日】2013年1月25日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13152774.9
(32)【優先日】2013年1月25日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】13152770.7
(32)【優先日】2013年1月25日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】61/756,649
(32)【優先日】2013年1月25日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13152769.9
(32)【優先日】2013年1月25日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】61/756,657
(32)【優先日】2013年1月25日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13152771.5
(32)【優先日】2013年1月25日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】61/756,663
(32)【優先日】2013年1月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515203310
【氏名又は名称】メドテンシア インターナショナル エルティーディー オーワイ
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】ケラーネン,オリ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィルタネン,ヤニ
(72)【発明者】
【氏名】ピュー,マーク
(72)【発明者】
【氏名】オキャロル,ジェル
(72)【発明者】
【氏名】モラン,エイドリアン
【審査官】 小原 一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−515488(JP,A)
【文献】 特表2011−506017(JP,A)
【文献】 特表2008−523886(JP,A)
【文献】 米国特許第06355030(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
僧帽弁を修復するため医療用システムであって:
仮弁体、
交連ロケータ装置、及び
弁輪形成インプラント(30)
を含み、
ここで、交連ロケータ装置は、カテーテルと、前記カテーテルの内部で少なくとも部分的に配置される拡張部材と、を含み、
拡張部材は、少なくとも1つの交連に位置づけられるために前記カテーテルの遠位端から相対的に拡張自在な測定側端部を含み、
前記交連ロケータ装置は、少なくとも1つの交連の位置を特定し、且つ前記僧帽弁を修復するための前記弁輪形成インプラント(30)の形状及び/又は大きさに関係する測定値を提供するためのものであり、交連ロケータ装置と仮弁体は接続され、
仮弁体は、交連ロケータ装置の中心に接続されており、それによって、交連ロケータ装置が少なくとも1つの交連に位置づけられるために拡張されるとき、仮弁体が交連ロケータ装置の内部で、その中心から拡張される、
ことを特徴とする医療用システム。
【請求項2】
前記弁輪形成インプラントが螺旋形状を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の医療用システム。
【請求項3】
前記交連ロケータ装置が、2つの対向する交連の位置を特定するのに適する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の医療用システム。
【請求項4】
交連ロケータ装置が、楕円錐形を持つ拡張部材を備える、ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1つに記載の医療用システム。
【請求項5】
仮弁体は、拡張部材の楕円錐形の断面のほぼ中心位置に配置される、ことを特徴とする請求項4に記載の医療用システム。
【請求項6】
医療用システムは更に、腱索収集ユニット(11)を備える、ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1つに記載の医療用システム。
【請求項7】
拡張自在かつ収縮性であり、心房内に位置づけられる心房支援部材を更に備えており、ここで、心房支援部材、仮弁体、及び交連ロケータ装置が接続される、ことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1つに記載の医療用システム。
【請求項8】
拡張部材(21)は、少なくとも部分的にカテーテル(5)の内部に配置される、ことを特徴とする請求項4乃至7の何れか1つに記載の医療用システム。
【請求項9】
前記カテーテル(5)を備えており、前記カテーテル(5)は操作側端部と遠位端を有し、前記拡張部材は、少なくとも1つの交連との付着のためにカテーテル(5)の遠位端から相対的に拡張自在な測定側端部を有する、ことを特徴とする請求項8に記載の医療用システム。
【請求項10】
弁輪形成インプラント(30)の形状及び/又は大きさの選択に関連する測定値は、心臓弁に位置づけられた時にカテーテル(5)の遠位端から少なくとも1つの交連までの、拡張部材(21)の測定側端部の少なくとも1つの延出長に基づく、ことを特徴とする請求項9に記載の医療用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願>
本出願は、2013年1月25日出願の特許出願「A medical device and method for facilitating selection of an annuloplasty implant」、2013年1月25日出願の特許出願「A valve for short time replacement, for taking over the function of and/or for temporary or partial support of a native valve in a heart」、2013年1月25日出願の特許出願「A medical system, and a device for collecting chordae and/or leaflets」、及び2013年1月25日出願の特許出願「Temporary atrium support device」に関するものである。
【0002】
<発明の分野>
本発明は、全体的に心臓弁修復の分野に関する。より具体的に、本発明は僧帽弁修復に関する。
【背景技術】
【0003】
<関連技術の詳細>
心臓弁修復は、時間的に厳しく且つ困難な手順であるということが知られている。今日における既知のシステムと方法は、作業に長時間を要し、且つ、作業を行う医療スタッフには非常に高度なものである。それ故、患者の生命は、医療スタッフの技術と、心臓弁に関連した問題の発見の時間に大いに依存する。
【0004】
故に、より容易且つ迅速な方法で心臓弁修復を行う新たなシステムと方法が、必要とされている。従って、心臓弁修復のための改善されたシステムと方法が、好都合である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
従って、本発明の例は、好ましくは、添付の特許請求の範囲に従い、心臓弁を修復するシステムと方法を提供することにより、単独で又は任意の組み合わせにおいて、上述のような当該技術分野における1以上の欠陥、欠点、又は問題を、軽減し、緩和し、又は排除することに努める。
【0006】
本発明の態様に従い、心臓弁修復のためのシステムと方法が開示される。
【0007】
本発明の第1の態様に従い、システムが提供され、僧帽弁を修復するためのこの医療用システムは、仮弁体(temporary valve)、交連ロケータ装置(commissure locator device)(交連ロケータ装置と仮弁体は接続される)、及び弁輪形成インプラントを備える。
【0008】
本発明の第2の態様に従い、僧帽弁を修復する方法が提供され、該方法は、1つの操作で、仮弁体に接続される交連ロケータ装置の使用により仮弁体を位置決めして、交連ロケータ装置の使用により弁輪形成インプラントの大きさ及び/又は形状を測定する工程、僧帽弁に弁輪形成インプラントを位置決めする工程、及び、僧帽弁を修復するために僧帽弁に弁輪形成インプラントを固定する工程を含む。
【0009】
本発明の更なる例は、従属請求項において定義され、ここで、本発明の第2の態様及び次の態様に関する特徴は、変更すべき個所を変更した第1の態様に関するものである。
【0010】
本発明の幾つかの例は、1つの操作で、弁輪形成インプラントを位置決めして、且つ弁輪形成インプラントの形状及び/又は大きさを決定することを提供する。
【0011】
本発明の幾つかの例はまた、弁輪形成インプラントを配置する際に、迅速且つ容易な方法で医療スタッフが心臓機能を維持することを提供する。
【0012】
本発明の幾つかの例はまた、継続する方法に関する決定を、ストレスをかけずに行うことができるように、僧帽弁に関する問題を迅速に解決することを提供し、又は患者を一時的に安定させる。
【0013】
本発明の幾つかの例はまた、交連ロケータ装置と仮弁体の容易な配向を提供する。
【0014】
本発明の幾つかの例はまた、心室から心房まで、及び/又は心房から心室まで、血液がより安全且つ確実に流れるために、仮弁体へと集められ且つ誘導される血液を提供する。
【0015】
本発明の幾つかの例はまた、非常に安定した構造を提供する。
【0016】
本発明の幾つかの例はまた、心房間の血流の方向に、交連ロケータ装置と仮弁体を更に固定することを提供する。
【0017】
本発明の幾つかの例はまた、より多くの空間が心房に作られることで、弁輪形成インプラントを適応させるためのより多くの自由度を外科医に与えられるため、弁輪形成インプラントを位置決め及び固定するための、外科医にとってより容易な方法を提供する。
【0018】
本発明の幾つかの例はまた、僧帽弁での更なる固定を提供する。
【0019】
本発明の幾つかの例はまた、患者における逆流などの、弁の欠陥を迅速且つ容易に修復することを提供する。
【0020】
用語「含む(comprises/comprising)」は、本明細書で使用される場合に、明示された特徴、整数、工程、又は要素を特定すると見なされるが、1以上の他の特徴、整数、工程、要素、又はそれらの群の存在又は追加を妨げないことが、強調されねばならない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明の例が可能である、これら及び他の態様、特徴、及び利点は、本発明の例の以下の説明、添付の図面に行われる言及から明白であり、且つ解明されることとなる。
図1】僧帽弁を修復するための医療用システム(1)の側面図である。
図2】僧帽弁を修復するための医療用システム(1)の側面図である。
図3】僧帽弁を修復するための医療用システム(1)の側面図である。
図4】僧帽弁を修復するための医療用システム(1)の側面図である。
図5】僧帽弁を修復する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<好ましい例の記載>
本発明の具体的な例はここで、添付の図面を参照すると共に記載される。しかし、本発明は、多くの異なる形態で実施され得るものであり、且つ、本明細書で説明される例に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの例は、本開示が徹底的且つ完全なものとなり、且つ本発明の範囲を当業者に十分に伝えるように、提供される。添付の図面にて例証される例の詳述において使用される用語は、本発明を制限するようには意図されていない。図中、同様の数字は、同様の要素を指す。
【0023】
以下の記載は、僧帽弁修復のための方法に適用可能な本発明の例に注目する。しかし、本発明は本出願に限定されるものではないが、例えば大動脈弁修復を含む、多くの他のタイプの弁の修復に適用されることもある。
【0024】
図1に示される本発明の例において、僧帽弁(2)を修復するための医療用システム(1)は、仮弁体(10)、交連ロケータ装置(20)(交連ロケータ装置(20)と仮弁体(10)は接続される)、及び弁輪形成インプラント(30)を備える。上述の医療用システム(1)を使用することにより、最低限の装置(10)、(20)、及び(30)が使用される必要があり、それにより、外科医又は同様の医療スタッフは、弁輪形成インプラント(30)の配置時に迅速且つ容易な方法で心臓機能を維持し、且つ、弁輪形成インプラント(30)の適切な大きさ及び/又は形状を選択することができる。これにより、弁の問題により不安定な患者にストレスを掛けることなく、継続する方法に関する決定を行うことができるように、僧帽弁(2)に関する問題を迅速に解決すること、又は患者を一時的に安定させることが可能となる。
【0025】
図1にはまた、この例において医療用システム(1)に使用される全ての器具(10)、(20)、及び(30)のための送達装置である、配置カテーテル(5)も示される。別の例において、配置カテーテル(5)は送達装置の一部である。故に、送達カテーテル(5)は、交連ロケータ装置(20)、仮弁体(10)、及び/又は弁輪形成インプラント(30)の送達に利用されてもよい。加えて、送達カテーテル(5)は、外科医によって、身体における又は身体の外側にある所望の位置から僧帽弁(2)に、回転され、角度を付けられ、及び/又はさもなくば進められることが可能である。僧帽弁(2)へのそのようなアクセスは、1つの例において、経大腿的(transfemoral)であり、別の例では経先端的(transapical)である。
【0026】
一例において、交連ロケータ装置(20)は、配置カテーテル(5)などの、近位端と遠位端を持つカテーテル(5)を備える。交連ロケータ装置(20)は更に、図2に示されるように、操作側端部と測定側端部を持つカテーテル(5)の内部で少なくとも部分的に配置される、拡張部材(21)を備える。拡張部材(21)の測定側端部は、僧帽弁(2)などの、心臓弁の少なくとも1つの交連との付着のために、カテーテル(5)の遠位端から相対的に(relative)拡張自在である。弁輪形成インプラント(30)の形状及び/又は大きさの選択に関係する測定は、心臓弁に位置決めされるカテーテル(5)の遠位端から少なくとも1つの交連までの、拡張部材(21)の測定側端部の少なくとも1つの延出長に基づく。弁輪形成インプラント(30)の形状及び/又は大きさの選択に関係する測定値(measure)を提供する、交連ロケータ装置(20)の使用によって、交連ロケータ装置(20)の操作者は、容易且つ確実な方法で、弁輪形成インプラント(30)の形状及び/又は大きさを容易に選択する。
【0027】
一例において、交連ロケータ装置(20)は、楕円錐形(oval cone)を持つ拡張部材(21)を備える。楕円錐形の拡張部材(21)を持つ交連ロケータ装置(20)の使用によって、交連ロケータ装置(20)は、弁の組織の大部分又は全てに接している。この接触により、交連ロケータ装置(20)と仮弁体(10)の容易な配向が可能となる。更に、楕円錐形の拡張部材(21)により、心室から心房まで、及び/又は心房から心室まで、血液がより安全且つ確実に流れるために、血液を収集して仮弁体(10)へと誘導することが可能となる。従って、他のタイプよりも、交連ロケータ装置(20)での漏出は少ない。楕円錐形の部材は、一例において、少なくとも1枚の拡張シートで形成される。別の例において、楕円錐形の部材は、様々な、編まれる、拡張する、及び/又は織り合わされた形状の部材で形成される。
【0028】
別の例において、拡張部材(21)は、ロッド、又は代替的にポール、及び/又は、カテーテル(5)に配置することが可能な、円筒状、円形、又は長方形の土台を持つ、他の長くて薄い部材である。一例において、拡張部材(21)は、カテーテル(5)から少なくとも1つの交連の方へ外側へと垂直に拡張されるロッドである。別の例において、拡張部材(21)は、葉形などの半円形状であり、半円形状は、少なくとも1つの交連の方に向けられ、少なくとも1つの交連での付着のための跳ね返り作用を持つ。
【0029】
別の例において、拡張部材(21)は、少なくとも1つの交連との付着のために、カテーテル(5)に回転自在に配置される。別の例において、拡張部材(21)は、カテーテル(5)に摺動自在に配置される。これらの配置は、拡張部材(21)とカテーテル(5)の容易な使用と動作を可能にする。代替的に、この配置により、容易な使用と互いの独立した動作が可能となる。
【0030】
拡張部材(21)は、カテーテル(5)及び心臓に適合する、及びカテーテル(5)及び心臓において使用するのに適切な材料で作られ、材料はチタニウム、ニチノール、ポリマー、炭素繊維、布地等であり、これらは全て、固体形態にあるか、又は編まれた或いはサンドイッチ構造の形態にある。拡張部材(21)は、少なくともカテーテル(5)と同じくらいの長さと、カテーテル(5)から少なくとも1つの交連までの距離を有する。拡張部材(21)は好ましくは、カテーテル(5)の近位端により操作側端部にて操作されるほど、且つ、カテーテル(5)の遠位端にある測定側端部にて拡張自在のままであるほどの十分な長さであり、即ち、拡張部材(21)は、操作者による使用時に、カテーテル(5)の両端でカテーテル(5)から(out of and from)拡張する。
【0031】
拡張部材(21)の別の例において、拡張部材(21)は、拡張部材(21)の測定側端部がカテーテル(5)の遠位端から(out and from)のみ拡張し、拡張部材(21)の操作側端部がカテーテル(5)の近位端と同じ高さで(at level with)配置されるほどの長さを有し、即ち、拡張部材(21)は、操作者による使用時に、カテーテル(5)の遠位端にてカテーテル(5)からのみ拡張する。操作自在な拡張部材(21)の使用により、操作者は、心臓弁にあるカテーテル(5)から、少なくとも1つの交連までの距離を測定し、その距離に基づいて弁輪形成インプラント(30)の大きさ及び/又は形状を定める。
【0032】
拡張部材(21)は、一例において、拡張部材(21)の操作側端部にて示される、弁輪形成インプラント(30)の形状及び/又は大きさに関係する測定値を含む。弁輪形成インプラント(30)の大きさ及び/又は形状に関係する測定値を示す、拡張部材(21)の操作側端部を備えることにより、操作者は、自身がどの弁輪形成インプラント(30)を選択すべきかについて、迅速且つ容易に、視覚的に確認することができる。
【0033】
別の例において、拡張部材(21)は、僧帽弁(2)の交連の各々に対して分離自在な2つのセクションを備える。僧帽弁(2)にある2つの交連に対して分離自在な2つのセクションの使用により、2つの交連間の距離は、直ちに、且つ、2つの分離自在なセクションの無い拡張部材(21)を使用する場合よりも速く測定される。
【0034】
他の例において、2つの分離自在なセクションは、カテーテル(5)の近位端の方向に沿って拡張する平面に位置合わせされるカテーテル(5)から拡張する(upon extension)。2つの分離自在なセクションが、カテーテル(5)の方向と平行な平面において位置合わせされ且つ拡張されることにより、2つのセクションは、カテーテル(5)の方向で分割された位置合わせのため、更に容易に制御されることとなる。
【0035】
また別の例において、2つの分離自在なセクションは、対向する傾斜した分離角度で分けられる。2つのセクションが対向する傾斜した分離角度で分かれることにより、2つの分離自在なセクションは、交連の方へと外側に同じ距離を拡張し、故に、それらの同時拡張のため、2つの交連との付着が更に容易になる。
【0036】
2つの分離自在なセクションは、一例において、完全に連続する拡張部材(21)である。2つの分離自在なセクションが完全に連続する拡張部材(21)であることで、2つの分離自在なセクションは、操作者によって行われる拡張部材(21)の回転及び/又は拡張などの操作により良く反応する。加えて、拡張部材(21)と2つの分離自在なセクションが1片で作られるため、拡張部材(21)の製造に必要なものが大幅に減少させられる。一例において、耐折損性の増加及び/又は回転力の向上などの、2つの分離自在なセクション及び拡張部材(21)の機械的な態様は、拡張部材(21)と2つの分離自在なセクションが互いに依存してサイズ合わせ及び/又は成形されるため、大きく改善される。
【0037】
代替的に、2つの分離自在なセクションは、拡張部材(21)の測定側端部に接合される。2つの分離自在なセクションが拡張部材(21)の測定側端部に接合することが可能となることにより、それらは、拡張部材(21)とは異なる材料で製造されてもよく、故に、曲変形、回転、及び/又は生体適合性に関する他の材料特性を有する。
【0038】
別の例において、拡張部材(21)は、c形又は爪状の端部を更に含む2つの分離自在なセクションを備える。この爪状の端部は、少なくとも1つの交連にて位置合わせされた時に弁膜の縁を包含するほどの十分な大きさであり、それにより、拡張部材(21)は少なくとも1つの交連にて更に固定される
【0039】
一例において、交連ロケータ装置(20)は、拡張部材(21)に加えられる操作力の検出のための、拡張部材(21)に接続される力検出ユニットを更に備える。拡張部材(21)に加えられる操作力を検出するための力検出ユニットを使用することにより、拡張部材(21)が少なくとも1つの交連と付着するか、又はそれと又はそれに接触する際の、より一層確実な指標(indication)を得ることが可能となる。
【0040】
拡張部材(21)の更なる例において、拡張部材(21)の測定側端部は、弁輪形成インプラント(30)のための少なくとも1つの交連にてアンカーを付けるための固着手段を備える。代替的に、1つのアンカーは1つの交連に取り付けられる。拡張部材(21)が、弁輪形成インプラント(30)のためのアンカーを取り付けるための固着手段を備えることにより、少なくとも1つの交連の場所を検出すること、及び、局在化の後、交連にてアンカーを取り付けることが可能となり、それにより弁輪形成インプラント(30)を固着することが可能となる。これにより、少なくとも1つの交連が見出され、且つ弁輪形成インプラント(30)の大きさ及び/又は形状が選択された後に、弁輪形成インプラント(30)の迅速な配置が可能となる。一例において、固着手段は、鉤爪であるか、又はアンカーを把持することが可能な同様のものである。
【0041】
一例において、アンカーは少なくとも1つの誘導ユニット又はリングを備える。アンカーとして少なくとも1つの誘導ユニット又はリングを使用することにより、弁輪形成インプラント(30)は、好ましくは螺旋状のリングの形状を有しており、アンカーの使用により心臓弁にて適所に回転する。例えば、アンカーとしてリングを使用する場合、弁輪形成インプラント(30)は、リングを通って挿入され、リングの中で摺動して、交連にて弁輪形成インプラント(30)を固定する。一例において、アンカーは、心房に配置され、螺旋状のリングの上部を捕えて誘導する。別の例において、アンカーは心室に配置され、螺旋状のリングの下部を捕えて誘導する。また別の例において、アンカーは心房と心室の両方に配置され、螺旋状のリングの上部及び下部と、輪の一部を捕える。これにより、螺旋状のリングが、異なる方法で、交連にある異なる進入点から固着されることが可能となり、適切な場所での螺旋状のリングの安定化が提供される。
【0042】
上記で考察したように、一例において、固着手段は、少なくとも1つの交連にある弁輪形成インプラントのためのガイドとして使用されるアンカー、即ち誘導手段を備える。別の例において、アンカーは、アンカーが少なくとも1つの交連に付けられる前に、少なくとも1つの交連にある弁輪形成インプラントを誘導する手段の代わりに、及び/又はそれに加えて使用される。これにより、少なくとも1つの交連に置かれ、且つ同時に少なくとも1つの交連でのアンカーの取り付けを回避する際に、医療デバイス(1)を取り外すことなく、容易な方法で、ユーザーは弁輪形成インプラントの正確な大きさを測定し、且つ弁輪形成インプラントを適所に誘導することが可能となり、故に、患者における弁輪形成インプラントの配置時間を少なくすることが可能となる。この例において、誘導のための手段は好ましくは一般的に開放型又はc形であり、この形状により、少なくとも1つの交連に誘導のための手段を取り付けることなく心臓の適所に弁輪形成インプラントを誘導することが可能となり、且つ、弁輪形成インプラントがc形の開口部を通って患者に移植された後の誘導のための手段の取り外しが可能となる。図8bは、適所にインプラントを誘導するための、一般的に開放型又はC形である、誘導手段を備える拡張部材を示す。使用され得る他の形状は、実質的にループ形状、三角形状、リング形状、又は、弁輪形成インプラントを適所に誘導することを可能にし、及び/又は弁輪形成インプラントが心臓に移植される際に誘導のための手段を取り外すことを可能にする任意の他の適切な形状である。拡張部材は、交連に置かれる拡張部材の2つの側部それぞれに、誘導手段を備えてもよい。
【0043】
拡張部材(21)の更なる例において、拡張部材(21)の測定側端部は、1つのコヒーレント部材(coherent member)として成形及び/又は形成される。拡張部材(21)は故に、連続的な単一又は一片のループ、即ち閉鎖した設計として形成されてもよい。一片の閉鎖した設計から形成される拡張部材(21)の使用により、該部材は、その構築において更に一層安定し、且つ、心臓での操作が更に容易となる。更に、連続的なループは、組織(anatomy)の特に効果的な安定化と、インプラントが弁に置かれ得る精度の改善を提供する。更に、連続的なループは、突出、縁、ねじれ等がある場合に危険となる、心臓中の腱索に対する望まれない干渉を最小限にする。拡張部材は、カテーテルの遠位端からの方向に外側に向かって湾曲する遠位部を有する、連続的なループを備えてもよい。そのような湾曲した形状は、滑らかな形状のため、任意の腱索を傷つける危険性を更に減らす。一例において、遠位部は、拡張部材上にある2つの誘導手段を架橋する。これは、弁を効果的に安定させる非外傷性の拡張部材を提供し、一方で同時に、インプラントのための誘導手段を提供する。使用の目的及び使用の様式は、本出願に記載される拡張部材の他の例と同じである。従って、測定、拡張、材料などは同じであり、同じ方法で作用する。
【0044】
別の例において、拡張部材(21)は弁尖リミッターを備える。弁尖リミッターは、限定されないが、コヒーレントな拡張部材(21)のみと使用されるが、本出願に開示される他のタイプの拡張部材も、弁尖リミッターを備える場合がある。弁尖リミッターは、弁尖の心房の中への異常な動作(脱出症など)を制限する。そのような異常な動作は、弁尖の動作を通常制限する1つの腱索又は幾つかの腱索が、完全に破壊され、且つ、弁尖が故に左心房及び/又は左心室の中を自由に移動する場合に、生じることもある。弁尖リミッターは、拡張部材(21)により拡張する材料で作られており、及び/又は、拡張部材(21)と同じ材料で作られてもよい。弁尖リミッターはまた、カテーテル(5)へと曲げられ、捻転され、又はさもなくば折りたたまれて、その後、カテーテル(5)から放たれた時に所望の形状をとることが可能なものでもよい。代替的に、弁尖リミッターは、拡張部材(21)を持つカテーテル(5)から出た時の跳ね返り動作及び/又は跳ね返り力によって拡張される。弁尖リミッターの一例は、拡張部材(21)の2つの固着点間に拡張し、且つ、拡張部材(21)の固着点の交差平面から横方向に突出するクロスバーである。弁尖リミッターは、一片で、又は複数の片で作られてもよく、及び/又は、多くの異なる形状及び/又は様々な配置を有する。心房への動作を妨げる際に弁尖を制限するが傷つけない形状の一例は、鈍端を持つ拡張部材(21)から弁尖の方へと外側に向かう単純な直線状の突出部を備えており、これは、心房への動作を妨げる際に、動作を制限することができるが、弁尖を傷つけない。好ましくは、拡張部材(21)は2つの弁尖リミッターを有しており、その1つは、拡張部材(21)が交連に配置される場合に各弁尖のための拡張部材(21)の各側部上にある。しかし、弁尖リミッターは1つだけの場合がある。このことは、1つの弁尖が既に傷つけられ、且つ弁輪形成インプラントの大きさを測定及び/又は決定する手順を開始する際に自由に動作すると知られる場合に、当てはまり得る。仮弁体(10)は、一例において、短時間の置換のためのものであり、それは人工弁でもよく、本来の僧帽弁(2)の内部に位置付けられる。仮弁体(10)の送達を容易にし、且つ仮弁体(10)の位置決めを可能にするために、仮弁体(10)は、送達用に折り畳み自在であり及び/又は送達後に拡張自在であってもよい。これは、少なくとも部分的に可撓性の仮弁体(10)の使用によって達成されてもよい。仮弁体(10)は、少なくとも部分的に折り畳み自在及び/又は少なくとも部分的に拡張自在なチューブを備える。更に、仮弁体(10)はフランジを備える。フランジは、送達中に可撓性であってもよく、好ましくは、一旦仮弁体(10)が移植されるとある程度硬くなる。フランジは、弁が僧帽弁(2)のものである場合に、例えば左心房から左心室までの場所から仮弁体(10)が移動するのを、且つ、弁が大動脈弁のものである場合に、例えば上行大動脈から大動脈弓(aortic arc)までの場所から仮弁体(10)が移動するのを妨げる。
【0045】
仮弁体(10)は、一例において、入口側と出口側を有するチューブを備える一方向弁である。チューブは可撓性でもよい。可撓性チューブの使用がチューブと他の僧帽弁(2)の修復装置の間の干渉を妨げるため、これは都合がよい場合がある。代替的に、チューブは硬くてもよく、又は少なくともある程度硬くてもよい。仮弁体(10)は更に、チューブの入口側に取り付けられ、且つチューブの内部に位置付けられる、可撓性内部スリーブを備えてもよい。可撓性内部スリーブは、ゴムなどの可撓性材料で作られてもよい。一方向弁は以下のように作動する;チューブの内部の圧力がチューブの入口側での圧力と同様の場合、弁は部分的に開放している。なぜならば、可撓性内部スリーブは、出口側と接する可撓性内部スリーブの外側に対するもののように、入口側と接するスリーブの内部に対する、およそ同様の圧力を有し、故に、弁を部分的に開放状態にする。チューブ内部の圧力がチューブの入口での圧力、又はその外側での圧力よりも大きくなる場合、仮弁体(10)は部分的に閉じる。これは、チューブ内部の圧力、可撓性内部スリーブの外側の圧力、及び左心室における圧力が、チューブの入口の圧力、可撓性内部スリーブの内側の圧力、及び左心房における圧力よりも大きくなるように、チューブの内部の圧力が増加したためである。チューブ内部の圧力がチューブの入口の圧力及び/又はその外側の圧力よりも大きくなる場合、弁は、可撓性内部スリーブが共に収縮することで閉じる。そして、チューブ内部の圧力がチューブの入口の圧力又はその外側の圧力よりも小さくなると、仮弁体(10)が開く。これは、チューブ内部の圧力と可撓性内部スリーブの外側の圧力が、チューブの入口の圧力又はその外側の圧力、及び可撓性内部スリーブの内側の圧力よりも小さいためである。チューブ内部の圧力がチューブの入口の圧力又はその外側の圧力よりも小さくなる場合、弁と可撓性内部スリーブが開く。故に、単純であるが、確実な置換弁は、上述のような仮弁体(10)の構築によって得られる。一方向弁は更に、拡張自在であってもよいフランジを備える場合がある。一例において、フランジは拡張自在なバルーンである。
【0046】
一例において、仮弁体(10)は、楕円錐形の拡張部材(21)の断面の、ほぼ中心位置に配置される。交連ロケータ装置(20)の楕円錐形の拡張部材(21)の中心に仮弁体(10)を置くことにより、非常に安定した構築を達成する。加えて、仮弁体(10)と交連ロケータ装置(20)を通る血液の流れが、最大限にされる。仮弁体(10)と交連ロケータ装置(20)は、一例において、互いに対してそれぞれの土台にて接続される。別の例において、仮弁体(10)は、仮弁体(10)の外面によって、交連ロケータ装置(20)の内面に接続される。
【0047】
別の例において、図3に示されるように、医療用システム(1)は更に、腱索収集ユニット(11)を備える。腱索収集ユニットを使用することにより、医療用システム(1)は更に、心房間の血流の方向に固定される。
【0048】
幾つかの例において、仮弁体(10)は、腱索を収集して仮弁体(10)の方へと配置するための、腱索収集ユニット(11)を備える。仮弁体(10)は、腱索を収集して仮弁体(10)の方へと配置することにより、所望の位置にて固定、保持、及び/又は安定され得る。故に、仮弁体(10)の確実な固定が達成され得る。
【0049】
一例において、収集ユニット(11)は、腱索を収集して弁(10)の方へと配置するために使用される。収集ユニット(11)は、チューブと共に、1つの必須部分を形成し得る。代替的に、収集ユニット(11)は、チューブに取り付け自在であるか、又はチューブに取り付けられてもよい。幾つかの例において、収集ユニット(11)は、単一アーム又は単一フックを備える。代替的に又は加えて、収集ユニット(11)は、リング及び/又は流体で満ちたバルーンを備える。収集ユニット(11)は、流体を充填可能な、又は流体で満ちたバルーンを備える。収集ユニット(11)は、流体を充填可能な又は流体で満ちたバルーンに加えて、単一アームを備える。
【0050】
幾つかの例において、弁(10)は、腱索を収集して弁(10)の方へと配置するための、収集ユニット(11)を備える。弁は、腱索を収集して弁(10)の方へと配置することにより、所望の位置にて固定、保持、及び/又は安定され得る。故に、弁(10)の確実な固定が達成され得る。
【0051】
収集ユニット(11)の使用によって、生体弁の迅速且つ容易な置換が達成され得る。更に、仮弁体の迅速且つ容易な位置決めが、得られる場合もある。それ故、収集ユニットの使用は、手術に関連する決定を行うためのより多くの時間、手術の準備のためのより多くの時間、及び/又は手術又は医療介入を行うためのより多くの時間を与えることに貢献する場合がある。故に、弁の置換又は修復の全体的な性能が向上するかもしれない。腱索によって固定される、適切な寸法を持つ弁が、任意の心室壁に対して圧力をかけないため、弁(10)の形状と弁(10)の正確な寸法測定と共に、腱索による弁の固定は、都合がよい場合がある。故に、心室壁に対する損傷はない。弁(10)の外部に小さな漏出が存在し得るが、これは、数分、数時間、又は数日などの短期間の間、許容可能であり得る。
【0052】
弁は故に、特定の例において、腱索を収集して弁の方へ配置するための収集ユニットを備える場合がある。弁は故に、収集ユニットにより、及び腱索を前記弁の方へと配置することにより、所望の位置にて固定、保持、及び/又は安定され得る。一例において、収集ユニットはクリップを備え、腱索及び/又は弁尖は、前記クリップにより弁の方へと適所に維持される。クリップは螺旋形を形成するものでもよい。クリップは、特に螺旋形である場合に、収集ユニットと一体になるか、又は収集ユニットに接続されてもよく、別個の片ではない。従って、幾つかの例において、収集ユニット(11)はクリップを備える場合がある。腱索は、クリップにより弁(10)の方へと適所に維持される。クリップは、リング又はリング状の構造として形成されてもよい。代替的に、クリップは、螺旋形として形成又は成形されてもよい。それにより、クリップは、適所へと容易に回転することができる。回転は好ましくは、クリップなどの収集ユニットが、特に螺旋形である場合に収集ユニットと一体になると、弁と共に行われる。腱索及び/又は弁尖は、前記収集ユニットにより弁の方へと適所に維持され、且つ前記クリップにより固定される。クリップの単純な及び/又は迅速な配置がそれにより可能となるため、これは都合がよい場合がある。更に、クリップの確実な固定、単純な及び/又は迅速な配置が、可能になる。代替的に、クリップが、特に螺旋形である場合に、別個の片であり、且つ、弁と一体とならないか又はそれと接続されない場合に、収集ユニットは、適所へと別々に回転する場合がある。その後、クリップは、腱索及び/又は弁尖にて適所で後に(the latter)固定するための収集ユニットに適用され得る。
【0053】
幾つかの例において、収集ユニットは、リング又はリング状の構造として成形される。リング状ユニットは、送達のためにロッド状構造までに延長され、且つ、送達又は移植に際してリング状構造に変更自在であってもよい。故に、収集ユニットが送達を容易にするので、リングとして成形される収集ユニットを備えることが、都合の良い場合がある。
【0054】
幾つかの例において、収集ユニットは、流体で満ちたバルーンである。流体で満ちたバルーンはリング状でもよい。バルーンの使用により送達が容易となり、且つバルーンを安定させるために及び/又はバルーンに幾つかの剛性を与えるために流体が使用され得るので、収集ユニットとしての流体で満ちたバルーンの使用は、都合がよい場合がある。一例において、バルーンは、生体弁での送達に際して、又は送達後に、流体で満たされる。
【0055】
幾つかの例において、収集ユニットは2つのフック又はアームを備える。代替的に、収集ユニットは、複数(4つなど)のフック又はアームを備える。フック又はアームは好ましくは、弁(10)の周囲で等距離に位置付けられ、即ち、フック又はアームは好ましくは、弁(10)に沿って等距離で外部に配置される。
【0056】
幾つかの例において、収集ユニットは、弁(10)の回転中に腱索を収集して弁(10)の方へ配置する。回転は好ましくは反時計回りの回転である。弁(10)の回転は、2軸の操縦自在なカテーテルなどのカテーテルを回転させることにより作動され得る。故に、腱索の迅速且つ容易な収集が達成され得る。更に、弁の迅速且つ容易な固定が達成され得る。加えて、操縦で自在なカテーテルにより、患者の身体の外側からの腱索の迅速且つ容易な収集が、達成され得る。更に、時計回り又は反時計回りなどの回転方向を指定することにより、誤差が生じにくくなる手順、及び故に、弁の更に迅速且つ容易な固定が、得られることもある。加えて、弁(10)と腱索の確実な固定が達成され得る。
【0057】
幾つかの例において、フック、アーム、又はワイヤーを含む収集ユニットにより、腱索の収縮を行う。操縦自在なカテーテル又はワイヤーの第1端部は、送達カテーテルの副ルーメン(side lumen)を出る。その後、操縦自在なカテーテルは、任意の心室壁に触れることなく、腱索を包囲するようにユーザーによって動かされ且つ操作される。カテーテルの端部は、進められ及び/又は回転されるように、送達カテーテルから離れて心室壁の方へ向かう半径方向に移動する。一旦カテーテルが全ての腱索を包囲し、360度の範囲の空間(coverage of the space)が達成されると、操縦カテーテル又はワイヤーの端部ユニットが動かされ、それにより腱索をまとめる。動作は、カテーテル又は弁(10)の回転を含む場合があり、そこで、腱索を把持するカテーテルの端部の曲率は、弁の方へとそれらをまとめる。送達カテーテルは、操縦自在なカテーテル又はワイヤーの全体の配置中に定常的に保持される。
【0058】
別の例において、流体を充填可能な又は流体で満ちた2つのバルーンを備える収集ユニットにより、腱索の収縮を行う。送達カテーテルは2つの副ルーメンを持っており、それらは、送達カテーテルの周囲で等距離で(即ち、180度離れて)配置される。2つのバルーンカテーテルは、送達カテーテルの副ルーメンを出る。その後、バルーンカテーテルは、腱索を過ぎて心室壁の方へと操作及び移動される。一旦2つのバルーンカテーテルが心室壁と腱索の間の位置にあれば、バルーンは膨張するか、又は流体で満たされてもよい。バルーンが膨張するか、又は流体で満たされると、バルーンは心室壁と腱索の間の空間を満たし、心室壁から遠ざけて中心の方へと及び互いの方へと腱索を押し、即ち、バルーンは腱索を閉じ込めて、生体弁を締めて、腱索を送達カテーテルの方へと持っていく。バルーンの表面には溝が設けられ、この溝は、バルーンが完全に膨張する又は液体で満ちた場合に中空のチャンネルを形成する。その後、これらチャンネルは配置中にリング又は置換弁を誘導し得る。
【0059】
幾つかの例において、医療用システムは、人工弁を送達するための操縦自在なカテーテル;弁輪形成装置(弁の機能を向上させるため、弁輪形成を行う、即ち、弁の環を作り変えるために使用され得る);人工弁に向かう位置で腱索をロックするための、ロケーション弁エキスパンダー(location valve expander)及び/又はクリップを備える。これにより、生体弁の迅速且つ容易な置換が可能となり得る。更に、それにより、一時的な人工弁の迅速且つ容易な位置決めを可能にし得る。
【0060】
幾つかの例において、カテーテルは、弁(10)を送達するために、鼠径部から進入し、静脈経路を介して、経中隔的に右心房に進む。
【0061】
本明細書に記載される医療用システムは、生体弁の短期間の置換のために、及び/又は、鼓動する心臓の手術中の一時的な使用のために、利用され得る。本明細書に記載される装置は、生体弁の短期間の置換のために、及び/又は、鼓動する心臓の手術中の一時的な使用のために、利用され得る。弁(10)は、鼓動する心臓の手術中に利用されてもよい。故に、システム、装置及び/又は弁(10)は、鼓動する心臓の手術を可能にすることもある。更に、弁(10)は、救命介入、急性の弁尖及び/又は腱索の破裂における介入の間に利用されてもよい。
【0062】
システム、装置、及び/又は弁(10)は、例えば鼓動する心臓の手術中に、漏出の減少、及び/又は逆流の最小化を提供し得る。更に、システム、装置、及び/又は弁(10)は、解剖学的に正確な位置でのインプラント又は弁(10)の正確な位置決めを可能にするかもしれない。更に、本明細書に記載される弁(10)を送達するために使用される手順は、仮弁体(10)の、精密な送達、位置決め、及び固定を可能にする。
【0063】
それ故、腱索収集ユニット(11)の使用は、手術に関連する決定を行うためのより多くの時間、手術の準備のためのより多くの時間、及び/又は手術又は医療介入を行うためのより多くの時間を与えることに貢献する場合がある。故に、弁修復の全体的な性能が向上するかもしれない。交連ロケータ装置(20)と共に腱索による仮弁体(10)の固定が都合の良い場合があり、なぜなら、これが任意の心室壁に押し迫らないためである。故に、心室壁に対する損傷はない。
【0064】
幾つかの例において、腱索収集ユニット(11)はクリップを備える場合がある。腱索は、クリップにより仮弁体(10)の方へと適所に維持される。クリップは、リング又はリング状の構造として形成されてもよい。代替的に、クリップは、螺旋形として形成又は成形されてもよい。それにより、クリップは、適所へと容易に回転することができる。クリップの単純な及び/又は迅速な配置がそれにより可能となるため、これは都合がよい場合がある。更に、クリップの確実な固定、単純な及び/又は迅速な配置が、可能になる。
【0065】
また他の例において、腱索収集ユニット(11)は、リング又はリング状の構造として成形される。リング状ユニットは、送達用のロッド状構造までに延長され、且つ、送達又は移植に際してリング状構造に変更自在であってもよい。故に、腱索収集ユニット(11)が送達を容易にするので、リングとして成形される腱索収集ユニット(11)を備えることが、都合の良い場合がある。
【0066】
他の例において、仮弁体(10)は、腱索を収集して仮弁体(10)の方へと配置するための腱索収集ユニット(11)を備えており、腱索収集ユニット(11)は流体で満ちたバルーンである。流体で満ちたバルーンはリング状でもよい。バルーンの使用により送達が容易となり、且つバルーンを安定させるために及び/又はバルーンに幾つかの剛性を与えるために流体が使用され得るので、腱索収集ユニット(11)としての流体で満ちたバルーンの使用は、都合のよい場合がある。一例において、バルーンは、生体弁での医療用システム(1)送達に際して、又は送達後に、流体で満たされる。
【0067】
別の例において、腱索収集ユニット(11)は、フック、アーム、又はワイヤーにより腱索を収縮させることを含む。操縦自在なカテーテル又はワイヤーの第1端部は、送達カテーテル(5)の副ルーメンを出る。その後、操縦自在なカテーテルは、任意の心室壁に触れることなく、腱索を包囲するようにユーザーにより動かされ且つ操作される。カテーテルの端部は、進められ及び/又は回転されるように、送達カテーテル(5)から離れて心室壁の方へ向かう半径方向に移動する。一旦カテーテルが全ての腱索を包囲し、360度の範囲の空間が達成されると、操縦カテーテル又はワイヤーの端部ユニットが動かされ、それにより腱索をまとめる。送達カテーテル(5)は、操縦自在なカテーテル又はワイヤーの全体の配置中に定常的に保持される。
【0068】
また別の例において、腱索収集ユニット(11)は、流体を充填可能な又は流体で満ちた2つのバルーンを備える。送達カテーテル(5)は2つの副ルーメンを持っており、それらは、送達カテーテル(5)の周囲で等距離で(即ち、180度離れて)配置される。2つのバルーンカテーテルは、送達カテーテル(5)の副ルーメンを出る。その後、バルーンカテーテルは、腱索を過ぎて心室壁の方へと操作及び移動される。一旦2つのバルーンカテーテルが心室壁と腱索の間の位置にあれば、バルーンは膨張するか、又は流体で満たされてもよい。バルーンが膨張するか、又は流体で満たされると、バルーンは心室壁と腱索の間の空間を満たし、心室壁から遠ざけて心室の中心の方へと及び互いの方へと腱索を押し、即ち、バルーンは腱索を閉じ込めて、生体弁を締めて、腱索を送達カテーテル(5)の方へと持っていく。バルーンの表面には溝が設けられ、この溝は、バルーンが完全に膨張する又は液体で満ちた場合に中空のチャンネルを形成する。その後、これらチャンネルは配置中に弁輪形成インプラント(30)又は置換弁を誘導し得る。
【0069】
幾つかの例において、腱索収集ユニット(11)は2つのフック又はアームを備える。代替的に、腱索収集ユニットは、複数(4つなど)のフック又はアームを備える。フック又はアームは好ましくは、仮弁体(10)の周囲で等距離に位置付けられ、即ち、フック又はアーム腕は好ましくは、仮弁体(10)に沿って等距離で外部に配置される。腱索収集ユニットの一例において、ユニットは、流体を充填可能な又は流体で満ちた2つのバルーンを備える。収集ユニットは、流体を充填可能な又は流体で満ちたバルーンに加えて、2つのアームを備える。代替的に、腱索収集ユニットは、複数(4つなど)の、流体を充填可能な又は流体で満ちたバルーンを備える。流体を充填可能な又は流体で満ちたバルーンは好ましくは、仮弁体(10)の周囲で等距離に位置付けられ、即ち、流体を充填可能な又は流体で満ちたバルーンは好ましくは、仮弁体(10)に沿って等距離で外部に配置される。
【0070】
幾つかの例において、仮弁体(10)は、弁尖を収集して仮弁体(10)の方へと配置するための、収集ユニットを備える。これらの例において、仮弁体(10)は、弁尖を収集して仮弁体(10)の方へと配置することにより、所望の位置にて固定、保持、及び/又は安定され得る。一例において、仮弁体(10)は、弁尖を収集して仮弁体(10)の方へと配置することにより、並びに、腱索を収集して仮弁体(10)の方へと配置することにより、所望の位置に固定、保持、及び/又は安定される。幾つかの例において、弁は、腱索と弁尖を収集して仮弁体(10)の方へと配置するための収集ユニットを備える。
【0071】
一例において、図4に示されるように、医療用システム(1)は更に、心房支援装置(40)を備えており、心房支援装置(40)、仮弁体(10)、及び交連ロケータ装置(20)は、接続されている。医療用システム(1)が心房支援装置(40)も備えることにより、より多くの空間が心房に作られ、弁輪形成インプラント(30)を配向するためのより多くの自由度が外科医に与えられるので、弁輪形成インプラント(30)を位置付け且つ固定することは、外科医にとって更に容易となる。加えて、交連ロケータ装置(20)と仮弁体(10)は、また更に、僧帽弁(2)にて固定される。
【0072】
一例において、心房支援装置(40)は、拡張自在且つ収縮性の心房内支援部材を備える。心房内に位置付けられると、支援部材は、心房の収縮と拡張を可能にするほど、弾力的に可撓性である。支援部材は、鼓動する心臓の心房の置換量を実質的に維持する。一時的な心房支援装置(40)の使用によって、心房の虚脱が防がれる。心房の虚脱は、例えば、僧帽弁(2)の修復の実行及び/又は心房の機能と関連して実行される他の手順によって引き起こされる、心房の圧力損失の結果であり得る。心房支援装置(40)は故に、僧帽弁(2)の修復など、心房及び/又は心房自体に関連する手順の間、心房、そして結果として心臓の機能を確保する。
【0073】
心房の標準又は適切な機能を維持するために、心房支援部材の弾力的な可撓性は、幾つかの例において、好ましくは55mlより多く、より好ましくは50mlより多く、また更に好ましくは20mlより多く、及び最も好ましくは15mlより多くの心房の容積を結果としてもたらす。心房支援部材が、変化し得るが予め定めた量よりも決して少なくない容積を持つように、心房支援部材を弾力的に可撓性にすることで、心房支援部材は、心房に最低限の所望の血液がある状態を確保し、従って最小限の血流が確保される。これにより、鼓動する心臓及び/又は心臓の支援装置が、患者の最小限の血液循環を維持することが可能となる。更に、心房支援部材の弾力的な可撓性は、幾つかの例において、好ましくは最大100ml、より好ましくは最大90ml、更に好ましくは最大80ml、及び最も好ましくは最大60mlの心房の容積を結果としてもたらす。心房支援部材の弾力的な可撓性が心房の最大容積より多くの容積を得ることが可能となることで、心房は、最大の心房容積をもたらすように制御される。加えて、最大限の容積に対する心房支援部材の可撓性を定めることによって、心房は、心房の弛緩中に、最大限の容積を取り戻すための再形成を補助される。更に、最大限の容積に対する心房支援部材の可撓性を抑制することよって、過剰な拡張による心房の損傷が少なくされる。
【0074】
故に、心房支援部材は、予め定めた最大限の膨張した断面を持つ場合がある。そのため、心房支援部材はまた、心房に配置された時の予め定めた最小限の収縮した断面を持ち、そのため、最小限の収縮した断面にて心房によって心房支援部材に加えられる圧縮力は、心房に対する支援部材の反力によって補われ且つ弱められ、反力は前記圧縮力のものに等しい。最小限の収縮した断面での反力は故に、予め定めた値に設定され得る。このことは、例えば、特性を定めるための材料のヒートセット手順の間に行うことができる。
【0075】
心房支援部材は、カテーテル(5)を通って心房へと挿入され且つ誘導されることが可能な形状且つ材料のものである。心房支援部材は、一例において、拡張自在なケージ及び/又は代替的にワイヤー、少なくとも1つのチャンネルを備える膨張式部材、及び/又は、心房置換量を実質的に維持することを可能にする穴を含む被膜である。一例において、拡張自在なケージは、心房組織に向かって外側に面するケージリングと心房組織との接触領域がより多くなることを達成するために、少なくとも2つの交差するケージリングを、しかしより好ましくは2つより多くの交差するケージリングを備える。心房支援部材は、血流の入口と出口を備え得る。これにより、自然な血流が妨げられず、一方で置換量が維持されることが確実となる。
【0076】
別の例において、膨張式部材における少なくとも1つのチャンネルは弁を備える。弁は心臓弁型のものであってもよく、即ち、心腔が身体又は肺それぞれに血液を排出する際に閉じられ、且つ再補充段階中に開くものである。少なくとも1つのチャンネルと任意の可能な弁の寸法は、求められる心房の置換に基づいて選択される。同じことが、被膜にある穴の大きさの選択にも適用される。
【0077】
心房支援部材の拡張は、様々な方法で実行されてもよく、心房支援装置(40)は、本発明の範囲から逸脱することなく、心房に一時的に導入されること、且つ、カテーテル(5)から拡張自在であることが可能である、幅広い材料で構成されてもよい。以下に、幾つかの例が提供されるが、これらは限定的なものとして解釈されるべきでない。
【0078】
心房支援部材は好ましくは、生体適合性であり、且つ、心房支援部材がカテーテル(5)及び/又は心房に何らかの損傷を誘発しないような方法で設計される材料で作られる。
【0079】
例えば、心房支援装置(40)は、形状記憶材料を備える。形状記憶材料は、配置された時の第1形状と、形状記憶温度によって作動される第2拡開形状とを有する。形状記憶材料を備える心房支援装置(40)の使用によって、他の拡張技術によるものよりも制御され且つ迅速な方法で、心房支援装置(40)を起動して第2拡開形状に拡張することが可能となる。更に、形状記憶材料により、心房支援装置(40)の拡開形状をより良くカスタム化して、心房の形状により良く適合させることが可能となる。形状記憶材料に適切な材料は、例えば、銅−アルミニウム−ニッケルの合金、ニッケル−チタンの合金、及び/又は他の既知の形状記憶材料である。
【0080】
また別の例において、心房支援部材はヒートセット形状を備える。心房支援部材(101)は伸縮自在にヒートセット形状に戻る。ヒートセット形状の使用によって、所望の形状に対する固有の弾性特性を持ち、且つ、カテーテル(5)によって容易に配置することが可能な、心房支援部材を得ることが可能である。ヒートセット形状に適切な材料は、例えば、ニッケル−チタンの合金、及び/又は他の既知のヒートセット形状材料である。
【0081】
別の例において、心房支援装置(100)は、弁尖の心房への異常な動作(脱出症など)を制限する、弁尖リミッターを備える、及び/又は、弁尖リミッターとして作用する。そのような異常な動作は、弁尖の動作を通常制限する1つの腱索又は幾つかの腱索が、完全に破壊され、且つ、弁尖が故に左心房及び/又は左心室の中を自由に移動する場合に、生じることもある。弁尖リミッターは、心房支援装置(100)により拡張することが可能な材料で作られており、及び/又は、心房支援装置(100)と同じ材料で作られてもよい。代替的に、弁尖リミッターは、カテーテル(50)から出た時の跳ね返りによって拡張される。弁尖リミッターは、拡大し、且つ心房支援装置(100)から横方向に突出するクロスバーであってもよい。弁尖リミッターの数とそれらの配置は、心房支援装置(100)が使用される状況に基づいて選択され、故に、これは多くの異なる形状のものであり、多様な配置を持つ。一例は、動作を制限する心房支援装置(100)から弁尖までの外側への単純な突出部、又は、心房への動作を妨げる場合に弁尖を制限するが損傷を与えない他の適切な形状を持つ。好ましくは、心房支援装置(100)には2つの弁尖リミッターがあり、その1つは、各弁尖のために心房支援装置(100)の各側にある。しかし、1つの弁尖が既に傷つけられ、心房支援装置(100)を配置する手順を開始する際に自由に移動していることが知られる場合、1つの弁尖リミッターしかない場合もある。言及したように、心房支援装置自体は、心房内で拡張した場合には弁尖リミッターとして作用し、他の要素が必要とされないこともある。これにより、取り扱い及び位置決めが容易な、弁尖動作を制限する装置を提供する。
【0082】
一例において、心房支援装置(40)は、少なくとも1つの交連を使用することにより心房支援装置(100)を位置合わせする手段を備える。位置合わせする手段は第1端部と第2端部を備え、位置合わせする手段の第1端部は心房支援部材に接続され、第2端部は、心房支援部材から少なくとも1つの交連の方へと外側に向けられる。心房支援部材を位置合わせする手段は、心房が例えば、心房支援部材よりも大きな容積で緩み、及び/又は、心房支援部材が少なくとも1つのチャンネルを持つ膨張式部材を備える場合に、回転から心房支援部材の位置合わせ及び固定を補助する。一例において、心房が心房支援部材よりも大きな容積で緩む場合、位置合わせする手段は、心房に対して心房支援部材を固定且つ位置合わせし、それにより、心房支援部材は、心臓の拡張及び収縮中に同じ場所に実質的に残り、そして、心房支援部材の任意の回転及び/又は捻転により不必要な損傷が生じない。別の例において、心房支援部材が、肺静脈から僧帽弁(2)まで伸長する少なくとも1つのチャンネルを備えた膨張式部材を備える場合、固着する手段は、血流が肺静脈と僧帽弁(2)の間で固定されるように、心房の拡張と収縮中に心房支援部材が肺静脈と僧帽弁(2)へとチャンネルを位置合わせすることを確実にする。
【0083】
心房支援部材を位置合わせする手段は、一例では1対の突出部であり、これは心房支援部材から外側に突出している。心房支援部材を位置合わせする1対の突出部を使用することによって、単純であるが更に効果的な装置の位置合わせが達成される。例えば、心房支援部材は、交連及び/又は僧帽弁(2)及び肺静脈など、心房における適切な位置合わせの部位にて及び/又はその中で、1対の突出部を単純に使用することにより、容易に位置合わせされる。幾つかの例において、心房支援部材は心房に部分的に接している。心房支援装置(40)を心房に部分的に接している状態を可能にすることによって、支援装置は、例えば、心房のより大きなセクションを支援することを選択するか、又は、心房のより小さなセクションを支援することを選択する。代替的に、心房支援部材は、心房のほぼ全体と接している。支援装置を心房全体に接触させることによって、心房の虚脱の最大限の支援と予防を確実にする。
【0084】
心房支援部材は、部分的な接触又は略完全な接触を提供するための、又は心房に付着した状態にするための様々な方法で設計されてもよい。このような設計では、例えば、心房支援部材は、バナナ形状のように、拡張時に曲げられる。拡張時、心房支援部材は球状であってもよい。拡張時、心房支援部材はバルブ状であってもよい。代替的に、心房支援装置(40)は複数の心房支援部材を備える。複数の心房支援部材の使用によって、心房支援装置(40)の全体形状と大きさをカスタム化して、単一の心房支援部材よりも優れて心房の形状に適応させることが可能である。更に、心房支援装置(40)の、心臓の鼓動中の心房の拡張及び収縮との更に優れた適合性を可能にする、心房の異なる場所で異なる可撓性を持つ心房支援部材を備えることが可能である。
【0085】
また別の例において、心房支援装置(40)は更に、挿入部位から心臓弁にある固定部位へと弁輪形成インプラント(30)を誘導する手段を備える。心房支援装置(40)が誘導手段を更に備えることによって、心臓弁に弁輪形成インプラント(30)を配置する際に操作者を支援することが可能となる。これにより、操作者が弁輪形成インプラント(30)を固定するために他の装置を導入する必要がある場合と比較して、弁輪形成インプラント(30)のより迅速な取り付けが可能となる。
【0086】
一例において、心房支援装置(40)の誘導手段は、心房支援部材の外面に配置される、少なくとも1つの環状部材である。少なくとも1つの環状部材の使用は、適所に弁輪形成インプラント(30)を誘導するための、単純であるが効果的な解決策を提供する。心房支援部材の外面は、心房の組織に面する表面である。心房支援部材の外面上の少なくとも1つの環状部材の配置は、例えば、外面に、外面上に、又は外面を通って環状部材を取り付けることによって達成される。
【0087】
別の例において、誘導する手段は、心房支援部材の外面に沿って配置されるチャンネルである。誘導手段としてのチャンネルの使用は、特に、心房支援部材が、シート、被膜、又は他のシェル形の心房支援部材である場合に、有益である。そのような場合、弁輪形成インプラント(30)は、心房支援装置(40)の外面に沿って配置されるチャンネルに沿って、所望の心臓部位へと誘導される。チャンネルは好ましくは、一貫性のあるチャンネルであるが、区分されたチャンネルでもよい。
【0088】
また別の例において、誘導する手段は、心房支援部材にある複数の穴である。弁輪形成インプラント(30)を誘導する心房支援部材における穴の使用は、心房支援部材を介して実行され、弁輪形成インプラント(30)を位置付ける際に心房支援部材が組織及び/又は心房の他の部分を保護することを可能にする。加えて、複数の穴の使用は、弁輪形成インプラント(30)が心房支援部材より小さな直径を有し、且つ最低限のひずみが弁輪形成インプラント(30)に及ぼされる場合に、誘導を提供する。
【0089】
また代替的な例において、心房支援部材は、例えば、膨張式部材又は別の略固形の物体を備えており、誘導する手段は、心房支援部材を通って配置される少なくとも1つのチャンネルである。心房支援部材を通る少なくとも1つのチャンネルの使用は、心房を保護し、且つ複数の穴のように最低限のひずみを及ぼすための、同じ解決策を提供する。加えて、心房支援部材を通る少なくとも1つのチャンネルは、所望の心臓部位への、弁輪形成インプラント(30)のより正確且つ単純な誘導を確実にする。
【0090】
僧帽弁(2)を修復するための方法(100)の一例が、図5に示され、これは、1つの操作で、仮弁体(10)に接続される交連ロケータ装置(20)の使用により仮弁体(10)を位置決めして、交連ロケータ装置(20)の使用により弁輪形成インプラント(30)の大きさ及び/又は形状を測定する工程(110)を含む。方法は更に、僧帽弁(2)に弁輪形成インプラント(30)を位置決めする工程(120)、及び、僧帽弁(2)を修復するために僧帽弁(2)に弁輪形成インプラント(30)を固定する工程(130)を含む。上述の方法(100)を使用することにより、逆流などの弁の欠点を迅速且つ容易に修復することが可能になる。
【0091】
一例において、工程(110)は、好ましくは最小限に侵襲的に、患者の僧帽弁(2)にカテーテル(5)の遠位端を位置決めする工程を含む。方法は更に、カテーテル(5)の遠位端から相対的に拡張部材(21)の測定側端部を拡張する工程、測定側端部を、患者の僧帽弁(2)などの心臓弁の少なくとも1つの交連と付着した状態にする工程を含む。弁輪形成インプラント(30)の形状及び/又は大きさは、カテーテル(5)の遠位端から少なくとも1つの交連まで相対的な、拡張部材(21)の少なくとも1つの延出長に基づく。カテーテル(5)と拡張部材(21)を備える弁輪形成インプラント(30)の形状及び/又は大きさの選択を容易にするために交連ロケータ装置(20)を使用することによって、カテーテル(5)から相対的な拡張部材(21)の拡張に基づいて弁輪形成インプラント(30)の大きさ及び/又は形状を定めることが可能となる。
【0092】
一例において、カテーテル(5)は、心臓弁のほぼ中心位置に位置付けられる。その後、拡張部材(21)は、カテーテル(5)の近位端から、カテーテル(5)を通り、カテーテル(5)の遠位端を出るように操作者が拡張部材(21)を押すことによって、カテーテル(5)の遠位端から拡張する。拡張した拡張部材(21)の測定側端部は、交連に位置づけられ、交連に並置され、又は、交連に接している。
【0093】
拡張部材(21)の位置決めは、カテーテル(5)に対して拡張部材(21)を回転させること、カテーテル(5)の内部で拡張部材(21)を摺動すること、カテーテル(5)と拡張部材(21)の同時動作、及び/又はカテーテル(5)の同時動作などの多くの方法で行われ、ここで、カテーテル(5)の動作が行われると拡張部材(21)がカテーテル(5)と同じように移動するように、拡張部材(21)とカテーテル(5)が係合される。
【0094】
ほぼ中心位置から交連までの、拡張部材(21)の拡張した長さは、操作者に、弁輪形成インプラント(30)の大きさ及び/又は形状に関する測定値を与える。拡張した長さは、一例において、弁輪形成インプラント(30)の半径のための基準として使用される。別の例において、心臓弁が拡張部材(21)の拡張した長さと対称的であるという仮説が、弁輪形成インプラント(30)の幅のための基準として使用される。
【0095】
弁輪形成インプラント(30)の形状及び/又は大きさの選択を容易にする方法の別の例において、弁輪形成インプラント(30)の形状及び/又は大きさの基礎は、カテーテル(5)から2つの交連までの相対的な拡張部材(21)の測定側端部の拡張により、僧帽弁(2)の2つの交連間で測定された弁幅に基づかせられる。2つの交連間の距離に基づき弁輪形成インプラント(30)の選択を定めることにより、弁輪形成インプラント(30)の適合は、1つの交連のみの使用時よりも優れるようになる。一例において、2つの交連間の幅は、1つの交連から別の交連まで拡張部材(21)を掃引することにより測定される。
【0096】
別の例において、幅は、交連の方へと分離自在な拡張部材(21)の2つの分離自在なセクションを配置することにより、2つの交連間で得られる。交連の方へと分離自在な2つの分離自在なセクションを備える拡張部材(21)の使用は、任意の現在知られている方法よりも正確且つ迅速に測定されている交連間の幅を結果としてもたらす。2つの分離自在なセクションを備える拡張部材(21)の使用によって交連間の幅を得る場合、操作者は、心臓弁にカテーテル(5)を位置決めして、拡張部材(21)を拡張する。2つの分離自在なセクションは、操作者によってカテーテル(5)の遠位端を通過して、カテーテル(5)を通ってカテーテル(5)の近位端から拡張部材(21)を押すと、交連の方へと外側に分離する。拡張部材(21)の押された距離、即ち、拡張部材(21)と2つの分離自在なセクションの拡張した距離に依存して、交連の幅を知ることができる。2つの分離自在なセクションの分離は好ましくは、予め定めた角度で行われ、及び/又は、交連間の幅を測定する際に予め定めた角度で定まる。カテーテル(5)からの拡張部材(21)の拡張は、カテーテル(5)の近位端から、及び/又は、近位端でカテーテル(5)の側壁を通るなど、様々な方法で行われてもよい。
【0097】
一例において、方法は更に、拡張部材(21)に操作力をかけてその間に測定側端部を少なくとも1つの交連端部に付着させるために拡張部材(21)を操作する工程、測定された加えられた操作力に基づき測定側端部が少なくとも1つの交連に付着する時間を示す工程を含む。操作者によって加えられる、拡張部材(21)に対する操作力を測定することによって、少なくとも1つの交連が見出された時の指標は、拡張部材(21)を介する触知できる指標によって、より確実に実行される。加えられる操作力の測定は、例えば、力検出ユニットにより測定されてもよい。
【0098】
一例において、力検出ユニットが使用される場合、力検出ユニットは、測定された加えられた操作力と、測定側端部と少なくとも1つの交連との付着の指標を引き起こすために予め定めた交連値とを比較することにより、少なくとも1つの交連への付着の指標を基づかせる。
【0099】
弁輪形成インプラント(30)の形状及び/又は大きさの選択を容易にする方法の別の例において、指標は、2つの交連間で拡張部材(21)を伸ばすために測定された力に基づく。2つの交連の方へと外側に拡張部材(21)を拡張及び/又は伸ばすために必要とされる力を測定することにより、2つの交連が心房における他の組織と比較して異なる可撓性をもつため、2つの交連が見出された時間を検出することが可能となる。
【0100】
また別の例において、方法は、固着手段を含む拡張部材(21)の使用によって少なくとも1つの交連に少なくとも1つのアンカーを固着する工程を含む。拡張部材(21)を使用することにより少なくとも1つの交連にて少なくとも1つのアンカーを使用することにより、操作者は、一気に弁輪形成装置、及び同じ装置にアンカーを付着させて、アンカーの付着のための第2の器具を使用するのに必要とされる場合と比較して時間を節約することができる。
【0101】
拡張部材(21)を含む交連ロケータ装置(20)を位置決めする上述の方法、及び同時に弁輪形成インプラント(30)の大きさ及び/又は形状を測定する工程はまた、仮弁体(10)に適用可能であり、なぜならば、交連ロケータ装置(20)が位置付けられると仮弁体(10)も位置決めされるように、交連ロケータ装置(20)と仮弁体(10)が接続されるためである。
【0102】
更に明確にするために、一例において、仮弁体(10)を位置決めする工程は、僧帽弁(2)などの生体弁の短時間の置換用に仮弁体(10)を送達するために利用されるカテーテル(5)、及び接続された交連ロケータ装置(20)によって行われる。
【0103】
一旦カテーテル(5)が左心室に入ると、カテーテル(5)は、少なくとも部分的に僧帽弁(2)を通過して部分的に左心房に向かうように、進められる。その後、交連ロケータ装置(20)に接続された仮弁体(10)は、送達カテーテル(5)の端部から配置される。仮弁体(10)と交連ロケータ装置(20)の送達を容易にするために、それらは、送達用に折り畳み自在であり及び/又は送達後に拡張自在である。仮弁体(10)は、交連ロケータ装置(20)の中心に接続され、それにより、位置決め及び測定の工程(110)のために拡張されると、仮弁体(10)は、交連ロケータ装置(20)の中心及び内部に拡張され、交連ロケータ装置(20)が交連の使用により位置決めされるのを可能にする。この配置は、仮弁体(10)と交連ロケータ装置(20)の機能を確保し、交連ロケータ装置(20)が位置決めされると同様に仮弁体(10)も位置決めされるという結果をもたらす。
【0104】
別の例において、位置決めと測定の工程(110)は、仮弁体(10)と交連ロケータ装置(20)を、心房から心室へと下方に動かすことにより、行われる。これにより、外科医が、僧帽弁(2)の適所に、交連ロケータ装置(20)と仮弁体(10)をくさび止めする(wedge)ことを可能にする。交連ロケータ装置(20)は故に、仮弁体(10)と共に拡張され、それにより心房の内部の僧帽弁(2)より大きな幅及び/又は領域を持つようになる。下方へ動かされると、交連ロケータ装置(20)は、例えば楕円錐形の拡張部材(21)を使用する場合に、それ自体で位置決めされ、故に、僧帽弁(2)との容易な位置合わせが行われる。
【0105】
一例において、仮弁体(10)と交連ロケータ装置(20)は、仮弁体(10)と交連ロケータ装置(20)に接続される腱索収集ユニット(11)の使用により、更に固定される。腱索収集ユニット(11)を使用することにより仮弁体(10)を更に固定することで、以前よりも優れた方法で心房間の血液の流れの方向に、仮弁体(10)と交連ロケータ装置(20)が固定される。
【0106】
例えば、一旦仮弁体(10)が生体弁の内部に位置付けられると、腱索収集ユニット(11)による弁(10)の固定のために、複数の腱索が、仮弁体(10)の方へとまとめられてもよい。
【0107】
複数の腱索をまとめることは、幾つかの例において、少なくとも1つの腱索と心臓の心室壁の間の一時的な空間の生成のために、行われる。この一時的な空間内で、弁輪形成インプラント(30)は、送達のために通過してもよい。故に、複数の腱索をまとめることにより、追加の空間が、例えば少なくとも2つの腱索と心臓の心室壁の間に生成されてもよい。追加の空間を通って、弁輪形成インプラント(30)が適所に進められてもよい。弁(10)が位置付けられた後に、弁輪形成インプラント(30)の挿入を行うのが好ましい。
【0108】
複数の腱索は、幾つかの例において、弁(10)の回転又は捻転によってまとめられてもよい。腱索をまとめるための弁(10)の回転は好ましくは、反時計回りの回転など、1つの方向に特定される。弁(10)の回転は、カテーテル(5)を回転させることにより行われてもよい。一例として、2軸の操縦自在なカテーテル(5)は、弁(10)の回転を行うために使用され得る。
【0109】
その後、弁(10)を囲むように、及び/又は弁(10)の方へ腱索を適所に維持するように、クリップが配置されてもよい。幾つかの例において、クリップは、カテーテル(5)から押し出すことにより、及び、押し出し機又は押し出しカテーテルにより適所に配置される。代替的に又は加えて、クリップは、特殊なクリップ誘導チューブにより送達されてもよい。カテーテル(5)はその後、弁輪形成インプラント(30)などの、更なるインプラント又は装置の挿入のために取り外されるか、又は利用されてもよい。
【0110】
別の例において、仮弁体(10)と交連ロケータ装置(20)を位置決めする工程は更に、交連ロケータ装置(20)と仮弁体(10)に接続される心房支援装置(40)の使用によるものを含む。医療用システム(1)を位置付けるために心房支援装置(40)も使用することにより、医療用システム(1)は更に固定され、同時に、弁輪形成インプラント(30)の配置のために心房により多くの空間が生成される。
【0111】
心房支援部材(40)は、交連ロケータ装置(20)と仮弁体(10)に接続され、それにより、交連ロケータ装置(20)と仮弁体(10)がカテーテル(5)から拡張すると、心房支援部材(40)は、それらと共に、及び心房においてそれらの上部で拡張される。心房支援部材(40)は、一例において、心房の全てと多かれ少なかれ接触するように拡張され、それにより、医療用システム(1)は、心房と心室の間の血流の方向に移動することができない。
【0112】
心房の虚脱を心房内で妨げる、心房支援装置(40)の拡張は、心房支援装置(40)に対する力の使用によって実行される。そのような力は、引っ張り力、押し出し力、弾性力、及び/又は膨張力であり得る。
【0113】
別の例において、心房支援装置(40)の拡張は、心房支援装置(40)に形状記憶温度を適用することによって実行される。心房支援装置(40)に対して形状記憶温度を使用することによって、心房支援装置40の拡張が誘発される。形状記憶温度は、例えば、心房の中の血液の温度、又は発熱体の温度で誘発されることが選択される。
【0114】
また別の例において、心房支援装置(40)の拡張は、心房支援装置(40)に気体又は液体を適用することによって実行される。心房支援装置(40)を拡張するための液体の使用により、水又は血液が、心房支援装置(40)の漏出が生じる場合に任意の合併症を減少させる膨張式部材を含む心房支援装置(40)を膨張させることが可能となる。膨張式部材を含む心房支援装置(40)を膨張させるために気体を使用する場合、心房支援装置(40)は心臓手術中に利用可能な手段を使用することにより膨張される。
【0115】
この開示内で、用語「短期間(short−time)」又は「短期間の置換(short−time replacement)」が使用された。生体弁の短期間の置換及び/又は修復は、一時的な置換であると考慮される。そのような一時的な置換は、数分、数時間、又は可能であれば数日までの間続く置換であってもよい。短期間の置換は、内在的ではない、即ち、恒久的に移植されない、本明細書に記載される装置と方法を含む。短期間の置換装置は、使用後に身体から取り外されることを意図される。長期間の置換は、本明細書において、数日、数週間、数か月、又はそれよりも長い間続く置換を意味する。そのような長期間の置換は、内在的な弁輪形成装置などの、恒久的に移植され且つ身体から取り外しができないように意図される装置で行われてもよい。そのような装置に必要な構造上の条件は故に、短期間の使用と長期間の使用とで異なる。
【0116】
本発明の様々な例が本明細書に記載且つ説明された一方で、当業者は、機能を実行するために、及び/又は、結果及び/又は本明細書に記載される1以上の利点を得るために、様々な他の手段及び/又は構造を容易に想到し、そのような変形及び/又は修正の各々が、本発明の範囲内にあると考えられる。更に一般的に、当業者は、本明細書に記載される全てのパラメーター、寸法、材料、及び構成が典型的であることを意味し、且つ、実際のパラメーター、寸法、材料、及び/又は構成は、本発明の教示が使用される特定の出願に依存することを、容易に認識するであろう。
図1
図2
図3
図4
図5