(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に記載される例示的な無線通信システム及び機器は、無線通信システムを採用し、ブロードキャストサービスをサポートする。無線通信システムは、音声、データ等の様々なタイプの通信を提供するため、広く展開されている。これらのシステムは、符号分割多元接続(CDMA)、時間分割多元接続(TDMA)、直交周波数分割多元接続(OFDMA)、3GPP LTE(ロングタームエボリューション)無線アクセス、3GPP LTE−A若しくはLTE−アドバンスト(ロングタームエボリューションアドバンスト)、3GPP2 UMB(Ultra Mobile Broadband:超モバイル広帯域)、WiMax、又はその他何らかの変調技術に基づいてよい。
【0008】
特に、以下に記載される例示的な無線通信システム及び機器は、本明細書において3GPPと称する「第3世代パートナーシッププロジェクト」という名称のコンソーシアムにより提供された標準等、1つ以上の標準をサポートするように設計されてよい。標準には、R2-162366, “Beam Forming Impacts”, Nokia and Alcatel-Lucent、R2-163716, “Discussion on terminology of beamforming based high frequency NR”, Samsung、R2-162709, “Beam support in NR”, Intel、R2-162762, “Active Mode Mobility in NR: SINR drops in higher frequencies”, Ericsson、RP-150465, “New SI proposal: Study on Latency reduction techniques for LTE”, Ericsson and Huawei、及びTS 36.213 v13.2.0, “E-UTRA; Physical layer procedures (Release 13)”が含まれる。上掲の標準及び文書は、そのすべてが参照により本明細書に明示的に援用される。
【0009】
図1は、本発明の一実施形態に係る多重アクセス無線通信システムを示している。アクセスネットワーク100(AN)は、複数のアンテナグループを含み、あるグループは104及び106、別のグループは108及び110、また別のグループは112及び114を含む。
図1においては、各アンテナグループに対して、アンテナが2つしか示されていないが、より多くの又はより少ないアンテナが各アンテナグループに利用されてよい。アクセス端末116(AT)は、アンテナ112及び114と通信しており、アンテナ112及び114は、順方向リンク120を介して情報をアクセス端末116に送信するとともに、逆方向リンク118を介して情報をアクセス端末116から受信している。アクセス端末(AT)122は、アンテナ106及び108と通信しており、アンテナ106及び108は、順方向リンク126を介して情報をアクセス端末(AT)122に送信するとともに、逆方向リンク124を介して情報をアクセス端末(AT)122から受信している。FDDシステムにおいては、通信リンク118、120、124、及び126は通信に異なる周波数を使用してよい。例えば、順方向リンク120では、逆方向リンク118によって使用される周波数とは異なる周波数を使用してよい。
【0010】
アンテナの各グループ及び/又はアンテナが通信するように設計されたエリアは、アクセスネットワークのセクターと称することが多い。本実施形態において、アンテナグループはそれぞれ、アクセスネットワーク100によってカバーされるエリアのセクターにおいて、アクセス端末と通信するように設計されている。
【0011】
順方向リンク120及び126を介した通信において、アクセスネットワーク100の送信アンテナは、異なるアクセス端末116及び122に対する順方向リンクの信号対雑音比を改善するために、ビームフォーミングを利用してよい。また、カバレッジにランダムに分散したアクセス端末への送信にビームフォーミングを使用するアクセスネットワークは、1つのアンテナからすべてのそのアクセス端末に送信を行うアクセスネットワークよりも、隣接セルのアクセス端末への干渉が少ない。
【0012】
アクセスネットワーク(AN)は、端末と通信するのに使用される固定局又は基地局でよく、アクセスポイント、Node B、基地局、拡張型基地局、進化型Node B(eNB)、又はその他何らかの専門用語で呼ばれることもある。アクセス端末(AT)は、ユーザ機器(UE)、無線通信デバイス、端末、アクセス端末、又はその他何らかの専門用語で呼ばれることもある。
【0013】
図2は、MIMOシステム200における送信機システム210(アクセスネットワークとしても知られている)及び受信機システム250(アクセス端末(AT)又はユーザ機器(UE)としても知られている)の実施形態の簡易ブロック図である。送信機システム210では、多くのデータストリームのトラフィックデータがデータ源212から送信(TX)データプロセッサ214に提供される。
【0014】
一実施形態において、各データストリームは、それぞれの送信アンテナを介して送信される。TXデータプロセッサ214は、データストリームに対して選択された特定の符号化方式に基づいて、各データストリームについてのトラフィックデータをフォーマット、符号化、及びインターリーブして、符号化データを提供する。
【0015】
各データストリームについての符号化データを、OFDM技術を使用してパイロットデータと多重化してよい。パイロットデータは、代表的には、既知の様態で処理される既知のデータパターンであり、受信機システムでチャネル応答を推定するのに使用されてよい。そして、各データストリームについての多重化パイロット及び符号化データは、データストリームに対して選択された特定の変調方式(例えば、BPSK、QPSK、M−PSK、又はM−QAM)に基づいて変調(すなわち、シンボルマッピング)されて、変調シンボルを提供する。各データストリームについてのデータレート、符号化、及び変調は、プロセッサ230により実行される命令によって決定されてよい。
【0016】
そして、すべてのデータストリームについての変調シンボルはTX MIMOプロセッサ220に与えられ、これが(例えば、OFDMの場合に)変調シンボルをさらに処理してよい。そして、TX MIMOプロセッサ220は、N
T個の変調シンボルストリームをN
T個の送信機(TMTR)222a〜222tに提供する。特定の実施形態において、TX MIMOプロセッサ220は、ビームフォーミング加重をデータストリームのシンボル及びシンボルが送信されているアンテナに適用する。
【0017】
各送信機222は、各シンボルストリームを受信及び処理して1つ以上のアナログ信号を提供し、さらに、アナログ信号を調節(例えば、増幅、フィルタリング、及びアップコンバート)して、MIMOチャネルを介した送信に適した変調信号を提供する。そして、送信機222a〜222tからのN
T個の変調信号がそれぞれ、N
T個のアンテナ224a〜224tから送信される。
【0018】
受信機システム250においては、送信された変調信号はN
R個のアンテナ252a〜252rによって受信され、各アンテナ252からの受信信号は、各受信機(RCVR)254a〜254rに提供される。各受信機254は、それぞれの受信信号を調節(例えば、フィルタリング、増幅、及びダウンコンバート)して、調節された信号をデジタル化してサンプルを与え、さらに、これらのサンプルを処理して対応する「受信」シンボルストリームを提供する。
【0019】
そして、RXデータプロセッサ260は、特定の受信機処理技術に基づいて、N
R個の受信機254からのN
R個の受信シンボルストリームを受信及び処理して、N
T個の「検出」シンボルストリームを提供する。そして、RXデータプロセッサ260は、各検出シンボルストリームを復調、デインターリーブ、及び復号して、データストリームについてのトラフィックデータを復元する。RXデータプロセッサ260による処理は、送信機システム210でのTX MIMOプロセッサ220及びTXデータプロセッサ214により実行される処理と相補的である。
【0020】
プロセッサ270は、どのプリコーディングマトリクス(後述)使用するかを定期的に決定する。プロセッサ270は、マトリクス指標部及びランク値部を含む逆方向リンクメッセージを構築する。
【0021】
逆方向リンクメッセージは、通信リンク及び/又は受信データストリームに関する様々なタイプの情報を含んでよい。そして、逆方向リンクメッセージは、データ源236からの多くのデータストリームについてのトラフィックデータも受信するTXデータプロセッサ238により処理され、変調器280により変調され、送信機254a〜254rにより調節され、送信機システム210に送り戻される。
【0022】
送信機システム210では、受信機システム250からの変調信号がアンテナ224により受信され、受信機222により調節され、復調器240により復調され、RXデータプロセッサ242により処理されて、受信機システム250により送信された逆方向リンクメッセージを抽出する。そして、プロセッサ230は、ビームフォーミング加重を決定するのにどのプリコーディングマトリクスを使用するかを決定し、そして、抽出されたメッセージを処理する。
【0023】
図3を参照すると、この図は、本発明の一実施形態による通信デバイスの代替的な簡易機能ブロック図を示している。
図3に示されるように、無線通信システムにおける通信デバイスは、
図1のUE(若しくはAT)116及び122又は
図1の基地局(若しくはAN)100を実現するのに利用可能であり、無線通信システムは、LTEシステムであることが好ましい。通信デバイスは、入力デバイス302、出力デバイス304、制御回路306、中央演算処理装置(CPU)308、メモリ310、プログラムコード312、及びトランシーバ314を含んでよい。制御回路306は、CPU308を介してメモリ310内のプログラムコード312を実行することにより、通信デバイスの動作を制御する。通信デバイス300は、キーボード、キーパッド等の入力デバイス302を介してユーザにより入力された信号を受信することができ、モニタ、スピーカ等の出力デバイス304を介して画像及び音を出力することができる。トランシーバ314は、無線信号を受信及び送信するのに使用され、受信信号を制御回路306に伝達するとともに、制御回路306により生成された信号を無線で出力する。無線通信システムにおける通信デバイス300は、
図1のAN100を実現するのにも利用可能である。
【0024】
図4は、本発明の一実施形態による
図3に示すプログラムコード312の簡易ブロック図である。本実施形態において、プログラムコード312は、アプリケーションレイヤ400、レイヤ3部402、及びレイヤ2部404を含み、レイヤ1部406に結合されている。レイヤ3部402は一般的に、無線リソース制御を実行する。レイヤ2部404は一般的に、リンク制御を実行する。レイヤ1部406は一般的に、物理的接続を実行する。
【0025】
3GPP R2−162366において議論されているように、より低い周波数帯(例えば、現在のLTE帯<6GHz)では、必要なセルカバレッジを、下り共通チャネルを送信するためのワイドセクタビームを形成することによって提供してよい。しかし、より高い周波数(>>6GHz)でワイドセクタビームを利用すると、同じアンテナ利得ではセルカバレッジが縮小される。したがって、より高い周波数帯で必要なセルカバレッジを提供するためには、増加した経路損失を補償するために、より高いアンテナ利得が必要とされる。ワイドセクタビームでアンテナ利得を増加させるためには、より多いアンテナアレイ(数十から数百までのアンテナ素子の数)が高利得ビームを形成するのに使用される。
【0026】
高利得ビームはワイドセクタビームに比べて狭いため、下り共通チャネルを送信するための複数のビームが、必要なセルエリアをカバーするために必要とされる。アクセスポイントが形成することができる同時高利得ビームの数は、利用するトランシーバのアーキテクチャのコスト及び複雑さによって制限されることがある。実際には、より高い周波数では、同時高利得ビームの数は、セルエリアをカバーするために必要なビームの総数よりもはるかに少ない。言い換えると、アクセスポイントは、任意の所与の時点でビームのサブセットを使用することによってセルエリアの一部のみをカバーすることが可能である。
【0027】
3GPP R2−163716において議論されているように、ビームフォーミングは一般的に、指向性信号の送信/受信の場合にアンテナアレイにおいて使用される信号処理技術である。ビームフォーミングによれば、特定の角度での信号が強め合う干渉を経験する一方で、他の信号が弱め合う干渉を経験するように、アンテナのフェーズドアレイ(phased array)における素子を組み合わせることによって、ビームを形成することができる。複数のアンテナアレイを使用して、異なるビームを同時に利用することができる。
【0028】
ビームフォーミングは一般的に、3つのタイプの実装に分類することができる。デジタルビームフォーミング、ハイブリッドビームフォーミング及びアナログビームフォーミングである。デジタルビームフォーミングの場合、ビームはデジタル領域で生成される。すなわち、各アンテナ素子の重み付けは、(例えば、TXRU(トランシーバユニット)に接続されている)ベースバンドによって制御されることができる。したがって、各サブバンドのビーム方向をシステムの帯域幅に渡って異なるように調整することが非常に容易である。また、ビーム方向を時々変更するのに、OFDM(直交周波数分割多重)シンボル間でいかなるスイッチング時間を必要としない。方向がすべてのカバレッジをカバーするすべてのビームが同時に生成されることができる。しかし、この構造は、TXRU(トランシーバ/RFチェーン)とアンテナ素子との間に(ほぼ)1対1のマッピングを必要とし、アンテナ素子の数が増加し、システム帯域幅が増加する(熱の問題も存在する)につれて、かなり複雑になる。
【0029】
アナログビームフォーミングの場合、ビームはアナログ領域で生成される。すなわち、各アンテナ素子の重み付けは、RF(無線周波数)回路内の振幅/位相シフタによって制御されることが可能である。重み付けは純粋に回路によって制御されるため、同じビーム方向をシステム帯域幅全体に適用する。また、ビーム方向を変更すべき場合は、スイッチング時間が必要とされる。アナログビームフォーミングによって同時に生成されるビームの数は、TXRUの数に依存する。所与のサイズのアレイに対して、TXRUが増加すると、各ビームのアンテナ素子が減少することがあり、それにより、より広いビームが生成されることになることに留意されたい。要するに、アナログビームフォーミングは、デジタルビームフォーミングの複雑さ及び熱問題を回避することができる、一方、動作がより制限される。ハイブリッドビームフォーミングは、アナログビームフォーミングとデジタルビームフォーミングの間の妥協点とみなすことができる。ここで、ビームはアナログ領域及びデジタル領域の両方から来ることができる。3つのタイプのビームフォーミングを
図5に示す。
【0030】
3GPP R2−162709において議論されているように、eNB(進化型Node B)は、複数のTRP(集中型又は分散型のいずれか一方)を有することができる。各TRP(送信/受信ポイント)は、複数のビームを形成することができる。ビームの数及び時間/周波数領域における同時ビームの数は、TRPでのアンテナアレイ素子の数及びRFに依存する。
【0031】
NRについての可能性のあるモビリティタイプは次のように列挙することができる。
・TRP内(Intra-TRP)モビリティ
・TRP間(Inter-TRP)モビリティ
・NR eNB間(Inter-NR eNB)モビリティ
3GPP R2−162762において議論されているように、ビームフォーミングに純粋に依存し、より高い周波数で動作するシステムの信頼性は挑戦的なものとなるかもしれない。カバレッジが時間及び空間の両方の変動に対してより敏感になるかもしれないためである。その結果として、狭リンクのSINR(信号対干渉雑音比)は、LTEの場合よりもはるかに急速に低下する可能性がある。
【0032】
アクセスノードにおいて数百の数の素子を備えるアンテナアレイを使用して、ノード当たり数十又は数百の候補ビームを備えたかなり規則的なグリッドオブビーム(grid-of-beam)カバレッジパターンを生成してよい。そのようなアレイからの個々のビームのカバレッジエリアは、幅数十メートルのオーダーにまで小さくなることがある。結果として、現在のサービングビームエリアの外側のチャネル品質の低下が、LTEによって提供されるようなワイドエリアカバレッジの場合よりもより急速になる。
【0033】
RAN1#85会議におけるビームフォーミングについてのいくつかの合意は以下の通りである。
【0034】
合意
・ NRでは、次の3つのビームフォーミング実装が検討されることになっている。
− アナログビームフォーミング
− デジタルビームフォーミング
− ハイブリッドビームフォーミング
− 注:NRのための物理層手順設計は、TRP/UEで採用されるビームフォーミング実装に関してUE/TRPに依存しないことができるが、効率を損なわないためにビームフォーミング実装特有の最適化を追求するかもしれない。
・ RAN1は、これらのチャネル/信号/測定/フィードバックについて、マルチビームベースのアプローチとシングルビームベースのアプローチの両方を検討する。
− 初期アクセス信号(同期信号とランダムアクセスチャネル)
− システム情報配信
− RRM測定/フィードバック
− L1制御チャネル
− その他はFFS
− 注:NRのための物理層手順設計は、少なくとも、スタンドアロンの初期アクセス手順において同期信号検出のためにTRPにおいてマルチビーム又はシングルビームベースのアプローチが採用されるかどうかによらず可能な限り統一され得る。
− 注:シングルビームアプローチはマルチビームアプローチの特別な場合とすることができる。
− 注:シングルビームアプローチ及びマルチビームアプローチの個別最適化が可能である。
・ マルチビームベースのアプローチ
− マルチビームベースのアプローチでは、TRP/UEのDLカバレッジエリア及び/又はULカバレッジ距離をカバーするために複数のビームが使用される。
− マルチビームベースのアプローチの一例は、ビーム掃引である。
・ ビーム掃引が信号(又はチャネル)に適用される場合、信号(チャネル)は複数のビームで送信/受信され、それらのビームは有限の継続時間における複数のインスタンスに存在する。
− シングル/マルチビームは、単一のインスタンスにおいて送信/受信することができる。
− その他はFFS
・ シングルビームベースのアプローチ
− シングルビームベースのアプローチでは、シングルビームは、LTEセル固有チャネル/RSの場合と同様に、TRP/UEのDLカバレッジエリア及び/又はULカバレッジ距離をカバーするために使用され得る。
・ シングルビームベース及びマルチビームベースのアプローチの両方について、RAN1は追加的に次のことを検討する可能性がある。
− パワーブースト
− SFN
− 繰り返し
− ビームダイバーシティ(マルチビームアプローチの場合のみ)
− アンテナダイバーシティ
− 他のアプローチは排除されない。
・ シングルビームベース及びマルチビームベースのアプローチの組み合わせは除外されない。
合意
・RAN1は、少なくともマルチビームベースのアプローチについてビームフォーミング手順とそのシステムへの影響を検討する。
− マルチビーム及びシングルビームベースのアプローチにおけるオーバーヘッド、レイテンシ等のさまざまなメトリックを最適化するビームフォーミングのための物理層手順
− ビームトレーニング、すなわち送信機ビーム及び/又は受信機ビームのステアリングを必要とするマルチビームベースのアプローチにおける物理層手順
・ 例:周期的/非周期的下り/上りTX/RXビーム掃引信号。ここで、周期的信号は半静的又は動的に設定される可能性がある(FFS)。
・ 例: ULサウンディング信号
・ 他の例は除外されない。
合意
・ TRP内とTRP間のビームフォーミング手順の両方が考慮される。
・ ビームフォーミング手順は、以下の潜在的な使用事例に従って、TRPビームフォーミング/ビーム掃引のあり/なし、及びUEビームフォーミング/ビーム掃引のあり/なしで考慮される。
− UEの移動、UEの回転、ビームブロッキング:
・ TRPでのビームの変更、UEでは同じビーム
・ TRPでは同じビーム、UEでのビームの変更
・ TRPでのビームの変更、UEでのビームの変更
− 他の場合は除外されない。
【0035】
ビーム動作及びTRPのサポートにより、セルは、UEをスケジューリングするための複数の選択肢を有してよい。例えば、同じデータをUEに送信するTRPからの複数のビームが存在してよく、送信についてより高い信頼性を提供することができる。代替的には、複数のTRPからの複数のビームが同じデータをUEに送信する。スループットを向上させるために、単一のTRPがUEに対して異なるビーム上で異なるデータを送信することも可能である。また、複数のTRPが異なるビーム上で異なるデータをUEに送信することができる。
【0036】
LTEシステムでは、UL送信電力は、複数のファクタにより決定され、それらのファクタのうちの1つは、DL経路損失である。経路損失はCRS測定から得られる。さらに、従来のLTE又はLTE−Aでは、DM RSの送信電力は、対応するUL送信、例えばPUSCH(Physical Uplink Shared Channel:物理上り共有チャネル)又はPUCCH(Physical Uplink Control Channel:物理上り制御チャネル)に結び付けられる。SRS(サウンディング参照信号)のための送信電力は、eNBがULチャネルを測定するためのPUSCHに結び付けられる。より詳細な情報は、以下のように、3GPP TS 36.213の第5節に見出すことができる。
【0037】
(外2−1)
(外2−2)
(外2−3)
(外2−4)
(外2−5)
(外2−6)
(外2−7)
(外2−8)
(外2−9)
(外2−10)
(外2−11)
【0038】
“K
PUSCH for TDD Configuration 0-6”と題する、3GPP TS 36.213 v13.2.0の表5.1.1.1−1は、
図6として再現されている。
【0039】
“Mapping of TPC Command Field in DCI format 0/3/4 to absolute and accumulated δ
PUSCH,c values”と題する、3GPP TS 36.213 v13.2.0の表5.1.1.1−2は、
図7Aとして再現されている。
【0040】
“Mapping of TPC Command Field in DCI format 3A to accumulated δ
PUSCH,c values”と題する、3GPP TS 36.213 v13.2.0の表5.1.1.1−3は、
図7Bとして再現されている。
【0041】
(外3−1)
(外3−2)
(外3−3)
(外3−4)
(外3−5)
(外3−6)
(外3−7)
【0042】
“Mapping of TPC Command Field in DCI format 1A/1B/1D/1/2A/2B/2C/2D/2/3 to δ
PUCCH values”と題する、3GPP TS 36.213 v13.2.0の表5.1.2.1−1は、
図8として再現されている。
【0043】
“Mapping of TPC Command Field in DCI format 3A to δ
PUCCH values”と題する、3GPP TS 36.213 v13.2.0の表5.1.2.1−2は、
図9として再現されている。
【0045】
チャネル状態情報(CSI)は、チャネル品質インジケータ(CQI)、PMI(プリコーディング行列インジケータ)、RI(ランクインジケータ)を含んでよい。CSI測定は、CRS又はCSI−RSから測定される。以下の引用から分かるように、CQIは、例えば、誤り率目標、チャネル状態などの特定の仮定の下での手頃な変調および符号化方式の指標であり、チャネルに対する暗黙のフィードバックの一種であり、例えば、特定の信号の信号対干渉雑音比(SINR)によって決定されることができる。
【0046】
代替的には、CQIは、可能な量子化を用いて、実チャネル係数を指示するのに使用されることもできる。PMIは、アンテナ領域での好ましいプリコーディング行列の指標であり、信号品質(ビームフォーミング利得)を拡大する、あるいは異なるアンテナから所与のUEへの複数のストリーム(レイヤ)間の干渉を低減するのに使用されることができる。RIは、UEに対するストリーム(レイヤ)の好ましい又は手頃な数の指標である。より詳細な情報は、以下のように、3GPP TS 36.213の第7.2節に見出すことができる。
【0047】
(外5−1)
(外5−2)
(外5−3)
(外5−4)
(外5−5)
(外5−6)
(外5−7)
(外5−8)
(外5−9)
(外5−10)
(外5−11)
(外5−12)
(外5−13)
(外5−14)
(外5−15)
【0048】
“PDSCH transmission scheme assumed for CSI reference resource”と題する、3GPP TS 36.213 v13.2.0の表7.2.3−0は、
図10として再現されている。
【0049】
“4-bit CQI Table”と題する、3GPP TS 36.213 v13.2.0の表7.2.3−1は、
図11として再現されている。
【0050】
“4-bit CQI Table 2”と題する、3GPP TS 36.213 v13.2.0の表7.2.3−2は、
図12として再現されている。
【0051】
“4-bit CQI Table 3”と題する、3GPP TS 36.213 v13.2.0の表7.2.3−3は、
図13として再現されている。
【0052】
一般に、ビームフォーミングの場合に物理レイヤ手順はマルチビームに基づくアプローチを必要とする。eNBは、より高い周波数でより高い経路損失を克服するためにビームフォーミングを実行する。1つの時間又は1つのシンボル時間で、eNBは、アナログ又はハイブリッドビームフォーミングの制限により、すべてのeNBビームではなく、eNBビームの一部を生成する。送信スケジューリングのため、eNBは、UEのビーム情報、例えば、どのeNBビームがUEに適格であるかを必要とする。適格なチャネル品質を有するeNBビームとは、あるしきい値より大きいRSRP(Reference Signal Received Power:参照信号受信電力)若しくはSINRを有するビーム、又はあるしきい値よりも小さい経路損失(PL)を有するビームを意味してよい。代替的には、適格なチャネル品質を有するeNBビームとは、最良のチャネル品質を有するeNBビームと比較して、あるしきい値よりも小さいRSRP若しくはSINR又はPL(絶対)差を有するビームを意味してよい。
【0053】
eNBは、SRSでビーム掃引を実行して、UEの適格なeNBビーム情報を取得してよい。代替的には、UEは、eNBビーム測定を実行し、そして、適格なeNBビーム情報をeNBに報告することができる。同様に、UEは、ビームフォーミングを実行する、すなわち、UEビームを形成する能力を有し、より多くの電力利得を得てよい。
【0054】
マルチビームに基づくアプローチでは、UL RS(Reference Signal:参照信号)電力を決定する方法についての考慮を必要とする。UL RSは、復調のためのUL RS、チャネル測定のためのUL RS、及びビーム管理のためのUL RSを含んでよい。復調のためのUL RSは、UL DMRSでよい。チャネル測定のためのUL RSは、サウンディングRSでよい。ビーム管理のためのUL RSは、サウンディングRS又は新しいUL RSでよい。
【0055】
異なる機能特性及び要件を考慮して、異なる電力制御メカニズムを適用してよい。
【0056】
復調のためのUL RSは、上りデータ及び/又は制御チャネルの復調のためのものであるため、復調のためのUL RSの送信電力は、関連付けられた上りデータ及び/又は制御チャネルの送信電力として決定されるものとする。
【0057】
ULチャネル測定のためのUL RSに関しては、ULチャネルを測定する際にTRP又はeNBを支援するという動機づけがある。LTE又はLTE−Aにおいては、SRSがULチャネル測定に利用される。そして、SRS電力は、例えば、いくつかの構成された電力パラメータを共有し、閉ループ電力制御調整状態を共有する、PUSCHに関連付けられる。マルチビームに基づくアプローチの場合、1つの可能な方向は、チャネル測定のためのUL RSの送信電力を決定するためにULデータチャネルを関連付けることである。
【0058】
チャネル測定のためのUL RSは、サウンディング参照信号でよい。異なるUEビーム上のチャネル測定のためのUL RSの送信電力は、異なってよい。さらに、TPC(Transmit Power Control:送信電力制御)(コマンド)を、ビーム管理、上りデータ及び/又は制御チャネルのためのUL RS、及び/又はULチャネル測定のためのUL RSのためのUL RSの電力制御に適用することができる。TPC(コマンド)は、DL(Downlink:下り)制御シグナリングを介して配信されてよい。
− 上りデータチャネルの電力制御がUEビームごとに実行される場合、UEビームごとに経路損失導出及び/又はTPCコマンドを適用する。UEビームのチャネル測定のためのUL RSの送信電力を同じUEビームの上りデータチャネルに関連付けることができる。より具体的には、チャネル測定のためのUL RSの送信電力を、同じUEビーム上の上りデータチャネルのいくつかの構成された電力パラメータ、経路損失導出又は閉ループ電力制御調整状態のいずれかを共有することを介して決定することができる。リンクされたeNBビーム又はTRPビーム及び各UEビームについて伝搬経路は異なるので、ULチャネル測定のためのUL RSの電力制御をUEビームごとに実行したほうがより正確で適応性がある。
− 上りデータチャネルの電力制御がUEビームごとに実行されない場合、例えば、UEごとに上りデータチャネルの電力制御が実行され、すべてのビームに経路損失導出及びTPCコマンド(enhanced:拡張)を適用する。UEは、どのUEビームが上りデータチャネルに使用されるかにかかわらず、上りデータチャネルにUEビームのチャネル測定のためのUL RSの送信電力を関連付けることができる。より具体的には、UEビームのチャネル測定のためのUL RSの送信電力を、どのUEビームが上りデータチャネル送信に使用されるかにかかわらず、最新の上りデータチャネル送信の送信電力に関連付ける。チャネル測定のためのUL RS送信と同じサブフレーム、スロット、又はミニスロット内に上りデータチャネル送信がある場合、チャネル測定のためのUL RSの送信電力を、上りデータチャネル送信に関連付けてよい。代替的には、UEは、UEビームのチャネル測定のためのUL RSの送信電力を、同じUEビーム上の上りデータチャネルに関連付けることができる。より具体的には、UEビームのチャネル測定のためのUL RSの送信電力を、同じUEビーム上の最新の上りデータチャネル送信の送信電力に関連付ける。チャネル測定のためのUL RS送信と同じサブフレーム、スロット、又はミニスロット内で同じUEビーム上の上りデータチャネル送信がある場合、チャネル測定のためのUL RSの送信電力を、上りデータチャネル送信に関連付けてよい。この関連付けは、チャネル測定のためのUL RSの送信電力決定が、関連付けられた上りデータチャネルのいくつかの構成された電力パラメータ、経路損失導出、又は閉ループ電力制御調整状態のいずれかを共有することを意味する。
【0059】
より具体的には、チャネル測定のためのUL RSは、適格なeNBビーム又はTRPビームにリンクされたUEビーム上で構成又は送信されてよい。検出されたeNBビーム又はTRPビームがない場合、あるいはUEビーム上にリンクされた適格なeNBビーム又はTRPビームがない場合、そのUEビーム上でのチャネル測定のためのUL RS送信をスキップすることを可能としてよい。より具体的には、検出されたeNBビーム又はTRPビームがないこと、又はリンクされた適格なeNBビーム又はTRPビームがないこととは、関連付けられたDL RSが検出されないこと、又は関連付けられたDL RSのチャネル品質がより悪いこと(例えば、RSRPがしきい値よりも低いこと)を意味してよい。代替的には、検出されたeNBビーム又はTRPビームがない、あるいはUEビーム上にリンクされた適格なeNBビーム又はTRPビームがない場合、チャネル測定のためのUL RSがUEビーム上で送信される。
【0060】
ビーム測定のためのUL RSに関しては、UEのための適格なeNBビーム及び/又は適格なUEビームを検出及び/又は追跡する際に、TRP又はeNBを支援するという動機づけがある。すべてのUEビームがビーム測定のためのUL RSに同じ送信電力を共有すると仮定してよい。ビーム管理のためのUL RSの電力制御は、ULチャネル測定のためのUL RSの電力制御とは別個に実行される。より具体的には、ビーム管理のためのUL RSの電力制御は、上りデータ及び/又は制御チャネルに関連付けられなくてよい。さらに、上りデータ及び/又は制御チャネル及びULチャネル測定のためのUL RSではなく、特にビーム管理のためのUL RSの電力制御のTPC(コマンド)を設計することが可能である。TPC(コマンド)をUEビームごとに適用してよい。さらに、TPC(コマンド)をUEビームグループごとに適用してよい。TPC(コマンド)は、DL制御シグナリングを介して配信されてよい。
【0061】
さらに、検出されたeNBビーム又はTRPビームがない場合、あるいはUEビーム上にリンクされた適格なeNBビーム又はTRPビームがない場合、UEは、そのUEビーム上でのビーム管理のためのUL RS送信の一部又はすべての送信機会をスキップすることが可能である。代替的には、UEは、ULチャネル測定のための(定期的な)UL RSを有するUEビームを除いて、ビーム管理のための(定期的な)UL RSを送信してよい。これは、検出されたeNBビーム又はTRPビームがある場合、あるいはUEビーム上にリンクされた適格なeNBビーム又はTRPビームがある場合、UEは、そのUEビーム上でのビーム管理するための(定期的な)UL RS送信の一部又はすべての送信機会をスキップすることを意味してよい。ULチャネル測定のための(定期的な)UL RS送信は、ビーム管理を実行する際にeNB又はTRPを支援することができるからである。より具体的には、検出されたeNBビーム又はTRPビームがないこと、あるいはリンクされた適格なeNBビーム又はTRPビームがないことは、関連付けられたDL RSが検出されないこと、又は関連付けられたDL RSのチャネル品質がより悪い、例えば、RSRPがしきい値よりも低いことを意味してよい。代替的には、検出されたeNBビーム又はTRPビームがない、あるいはUEビーム上にリンクされた適格なeNBビーム又はTRPビームがない場合、ビーム管理のためのUL RSがUEビーム上で送信される。
【0062】
図14は、UEの観点からの例示的な一実施形態によるフローチャート1400である。ステップ1405において、UEは、第1の電力制御メカニズムに基づいて、第1のUL RSの第1の送信電力を導出する。ステップ1410において、UEは、第2の電力制御メカニズムに基づいて、第2のUL RSの第2の送信電力を導出する。ステップ1415において、UEは、第1の送信電力で第1のUL RSを送信する。ステップ1420で、UEは、第2の送信電力で第2のUL RSを送信する。
【0063】
図15は、UEの観点からの例示的な一実施形態による、フローチャート1500である。ステップ1505において、UEは、第1の電力制御メカニズムに基づいて、第1のUL RSの第1の送信電力を導出する。ここで、第1の電力制御メカニズムに基づいて第1の送信電力を導出することは、上りデータチャネルに関連付けられる。ステップ1510において、UEは、第2の電力制御メカニズムに基づいて第2のUL RSの第2の送信電力を導出する。ここで、第2の電力制御メカニズムに基づいて第2の送信電力を導出することは、上りデータチャネルに関連付けられない。ステップ1515において、UEは、第1の送信電力で第1のUL RSを送信する。ステップ1520において、UEは、第2の送信電力で第2のUL RSを送信する。
【0064】
一実施形態では、ステップ1525に示すように、UEは、第1のTPC(コマンド)を受信する。ここで、第1のTPC(コマンド)を、第1のUL RSの第1の電力制御メカニズムに適用し、かつ上りデータチャネルに適用する。さらに、ステップ1530において、UEは、第2のTPC(コマンド)を受信する。ここで、第2のTPC(コマンド)を、第2のUL RSの第2の電力制御メカニズムに適用するが、上りデータチャネル及び第1のUL RSの第1の電力制御メカニズムには適用しない。
【0065】
一実施形態では、第1のUL RS及び第2のUL RSは、異なる特性を有する異なる機能に使用されることができる。例えば、第1のUL RSをチャネル測定に使用することができる。例えば、第2のUL RSをビーム管理に使用することができる。第1のUL RS及び第2のUL RSは、異なる種類又はタイプの参照シグナリングとすることができる。例えば、第1のUL RSは、サウンディング参照信号とすることができる。例えば、第2のUL RSは、サウンディング参照信号とすることができる。第2のUL RSのサウンディング参照信号は、第1のUL RSとは異なる種類又はタイプとすることができる。代替的には、第2のUL RSは、DMRS(DeModulation Reference Signal:復調用参照信号)及びサウンディング参照信号ではないようにすることができる。
【0066】
一実施形態では、第1の電力制御メカニズムの場合、第1のUL RSの第1の送信電力の導出は、上りデータチャネルに関連付けられることができる。第1の電力制御メカニズムの場合、第1のUL RSの第1の送信電力導出は、関連付けられた上りデータチャネルのいくつかの構成された電力パラメータ、経路損失導出、又は閉ループ電力制御調整状態のいずれかを共有することができる。第1の電力制御メカニズムに基づいた第1の送信電力の導出は、関連付けられた上りデータチャネルのいくつかの構成された電力パラメータ、経路損失導出、及び閉ループ電力制御調整状態のうちの少なくとも1つを使用する。
【0067】
第1の電力制御メカニズムの場合、上りデータチャネルの電力制御がUEビームごとに実行される場合、UEビームの第1のUL RSの第1の送信電力は、同じUEビームの上りデータチャネルと関連付けられることができる。代替的には、第1の電力制御メカニズムの場合、上りデータチャネルの電力制御がUEごとに実行される場合、どのUEビームが上りデータチャネルに使用されるかにかかわらず、UEビームの第1のUL RSの第1の送信電力は、上りデータチャネルに関連付けられることができる。代替的には、あるいは追加的には、UEビームの第1のUL RSの第1の送信電力は、どのUEビームが上りデータチャネル送信に使用されるかにかかわらず、最新の上りデータチャネル送信に関連付けられることができる。
【0068】
一実施形態では、第1の電力制御メカニズムの場合、第1のUL RS送信と同じサブフレーム、スロット、又はミニスロットで上りデータチャネル送信がある場合、第1のUL RSの第1の送信電力は上りデータチャネル送信に関連付けられることができる。第1の電力制御メカニズムの場合、上りデータチャネルの電力制御がUEごとに行われる場合、UEビームの第1のUL RSの第1の送信電力は、同じUEビーム上の上りデータチャネル(又は最新の上りデータチャネル)に関連付けられることができる。
【0069】
一実施形態では、第1の電力制御メカニズムの場合、第1のUL RS送信と同じサブフレーム、スロット、又はミニスロットにおける同じUEビーム上に上りデータチャネル送信がある場合、第1のUL RSの第1の送信電力は、上りデータチャネル送信に関連付けられることができる。
【0070】
一実施形態では、UEは、第1のTPC(Transmit Power Control:送信電力制御)(コマンド)を受信する。第1のTPC(コマンド)は、DL(ダウンリンク)制御シグナリングを介して配信されることができる。第1のTPC(コマンド)を第1のUL RSの第1の電力制御メカニズムに適用することができる。代替的には、あるいは追加的には、第1のTPC(コマンド)を上りデータチャネルの電力制御に適用することができる。代替的には、あるいは追加的には、第1のTPC(コマンド)を上り制御チャネルに適用することができる。
【0071】
一実施形態では、UEは、検出されたeNBビーム又はTRPビームがない、あるいはUEビーム上にリンクされた適格なeNBビーム又はTRPビームがない場合、そのUEビーム上での第1のUL RS送信をスキップすることができる。第1の電力制御メカニズムの場合、異なるUEビーム上の第1のUL RSの第1の送信電力は異なることができる。
【0072】
一実施形態では、第2のUL RSの第2の送信電力の導出を、第1のUL RSの第1の送信電力の導出とは別に実行することができる。第2の電力制御メカニズムの場合、第2のUL RSの第2の送信電力の導出は、上りデータ及び/又は制御チャネルに関連付けられなくてもよい。第2の電力制御メカニズムの場合、異なるUEビームの第2のUL RSの第2の送信電力は同じにすることができる。
【0073】
一実施形態では、UEは、第2のTPC(コマンド)を受信する。第2のTPC(コマンド)は、DL制御シグナリングを介して配信されることができる。第2のTPC(コマンド)を、UEビームごとに、又はUEビームグループごとに適用することができる。代替的には、あるいは追加的には、第2のTPC(コマンド)を、(具体的には)第2のUL RSの第2の電力制御メカニズムに適用することができる。しかし、第2のTPC(コマンド)を、上りデータ及び/又は制御チャネル、及び/又は第1のUL RSの第1の電力制御メカニズムに適用しなくてよい。
【0074】
一実施形態では、検出されたeNBビーム又はTRPビームがない、あるいはUEビーム上にリンクされた適格なeNBビーム又はTRPビームがない場合、UEは、そのUEビーム上での第2のUL RSの(一部又はすべての)送信機会をスキップすることができる。代替的には、UEビーム上で任意の検出されたeNBビーム又はTRPビームがある、あるいはリンクされた適格なeNBビーム又はTRPビームがある場合、UEは、そのUEビーム上での第2のUL RSの一部又はすべての送信機会をスキップすることができる。UEビーム上で検出されたeNBビーム又はTRPビームがないとは、UEビーム上でDL RSが検出されないこと、又はDL RSの測定されたチャネル品質がより悪いことを意味することができる。UEビーム上にリンクされた適格なeNBビーム又はTRPビームがないとは、関連付けられたDL RSがUEビーム上で検出されないこと、又はDL RSの測定されたチャネル品質がより悪いことを意味することができる。DL RSのより悪いチャネル品質とは、DL RSの測定されたRSRPがしきい値よりも低いことを意味することができる。DL RSは、ビーム参照信号とすることができる。
【0075】
適格なチャネル品質を有するeNBビーム又はTRPビームとは、UEが、あるしきい値より大きいRSRP又はSINRで、あるいはあるしきい値よりも小さい経路損失で、eNBビーム又はTRPビームを受信することを意味することができる。
【0076】
一実施形態では、UEは、(定期的な)第1のUL RSを有するUEビーム上を除いて(定期的な)第2のUL RSを送信することができる。
【0077】
図3及び
図4に戻って参照すると、
図14に示し、上述したUEの例示的な一実施形態においては、デバイス300は、メモリ310に記憶されたプログラムコード312を含む。CPU308はプログラムコード312を実行して、UEが(i)第1の電力制御メカニズムに基づいて第1のUL RSの第1の送信電力を導出することと、(ii)第2の電力制御メカニズムに基づいて第2のUL RSの第2の送信電力を導出することと、(iii)第1の送信電力で第1のUL RSを送信することと、(iv)第2の送信電力で第2のUL RSを送信することと、を可能にする。さらに、CPU308は、プログラムコード312を実行して、上述の活動及びステップ又は本明細書で説明したその他のすべてを実行することができる。
【0078】
図3及び
図4に戻って参照すると、
図15に示し、上述したUEの例示的な一実施形態においては、デバイス300は、メモリ310に記憶されたプログラムコード312を含む。CPU308は、プログラムコード312を実行して、UEが(i)第1の電力制御メカニズムに基づいて第1のUL RSの第1の送信電力を導出することであって、第1の電力制御メカニズムに基づいて第1の送信電力を導出することは上りデータチャネルに関連付けられる、導出することと、(ii)第2の電力制御メカニズムに基づいて第2のUL RSの第2の送信電力を導出することであって、第2の電力制御メカニズムに基づいて第2の送信電力を導出することは、上りデータチャネルに関連付けられない、導出することと、(iii)第1の送信電力で第1のUL RSを送信することと、(iv)第2の送信電力で第2のUL RSを送信することと、を可能にする。
【0079】
一実施形態では、CPU308は、プログラムコード312を実行して、さらにUEが(i)第1のTPC(コマンド)を受信することであって、第1のTPC(コマンド)を、第1のUL RSの第1の電力制御メカニズムに適用し、かつ上りデータチャネルに適用する、受信することと、(ii)第2のTPC(コマンド)を受信することであって、第2のTPC(コマンド)を、第2のUL RSの第2の電力制御メカニズムに適用するが、上りデータチャネル及び第1のUL RSの第1の電力制御メカニズムには適用しない、受信することと、を可能にする。
【0080】
さらに、CPU308は、プログラムコード312を実行して、上述の活動及びステップ又は本明細書で説明したその他のすべてを実行することができる。
【0081】
(初期アクセスの場合)ランダムアクセス中に、ランダムアクセスに使用されるいくつかのビームの初期送信電力を決定してよい。例示的な
図16及び
図17に示すように、RA(ランダムアクセス)手順中、送信電力P1を有するUEビームB2が見出される。これは、TRPが受信しきい値P
RXを超える受信電力でUEビームB2上のUL送信を検出できることを意味する。さらに、同じTRPに対して、UEビームB3は適格なUEビームとなる候補ビームとして見なされるが、UEビームB1及びB4はそうではない。そして、TRPでの受信電力が受信しきい値P
RXよりも低いため、すべての候補UEビームが送信電力P1で見出されることができるわけではない。
【0082】
したがって、すべての候補UEビームを検出する際にTRPを支援するために、以下のアプローチを考慮し、使用するができる。
【0083】
第1のアプローチ − 概して、第1のアプローチは、
図16及び
図17の例における、例えばUEビームB1〜B4である各UEビーム上でビーム管理のためのUL RSの送信電力に対して特定電力値を使用することである。特定電力値を構成又は指定する(configured or specified)ことができる。さらに、経路損失を送信電力導出のために考慮しなくてよい。より具体的には、ビーム管理のためのUL RSの送信電力が、特定電力値として設定される。代替的には、経路損失を送信電力導出のために考慮してよく、経路損失をeNBビーム又はTRPビームのDL RS測定結果から導出してよい。より具体的には、ビーム管理のためのUL RSの送信電力が、特定電力値+経路損失として設定される。DL RSはBRS(ビーム参照信号)でよい。
【0084】
さらに、検出されたeNBビーム又はTRPビームがない場合、又はUEビーム上にリンクされた適格なeNBビーム又はTRPビームがない場合、UEは、そのUEビーム上でのビーム管理のためのUL RSの一部又はすべての送信機会をスキップすることが可能である。
【0085】
第2のアプローチ − 概して、第2のアプローチは、ビーム管理のためのUL RSの送信電力導出が、eNB又はTRP検出のためのUEビームの必要なUL送信電力を含むことである。eNB又はTRP検出のためのUEビームの必要なUL送信電力とは、eNB又はTRPが受信しきい値を超える受信電力でUL RSを受信できることを意味する。さらに、ビーム管理のためのUL RSの送信電力導出は、オフセットを含む。より具体的には、オフセットは適格なビーム基準である。適格なチャネル品質を有するeNBビーム又はTRPビームとは、最良のチャネル品質を有するeNBビーム又はTRPビームと比較して、適格なビーム基準よりも小さいRSRP、SINR、又はPL(絶対)差を有するeNBビーム又はTRPビームを意味する。例えば、送信電力P1を有するUEビームB2は、RA手順中に導出される。そして、UEビームB2上でのビーム管理のためのUL RSの送信電力はP1+オフセットである。同様に、UEビームB3、B1及びB4上でのビーム管理のためのUL RSの送信電力は、P1+オフセットである。これは、ビーム管理のためのUL RSの(初期の)送信電力が、ランダムアクセス手順から導出されたUEビームの必要なUL送信電力及びオフセットから導出されることを意味する。
【0086】
ビーム管理のためのUL RSの送信電力導出は、受信しきい値を超える受信電力でのeNB又はTRP検出のためのUEビームの必要なUL送信電力を含んでよい。表されるP1、Px、Py、Pzは、受信しきい値P
RXを超える受信電力でのeNB又はTRP検出のためのUEビームB2、B1、B3、B4上での必要なUL送信電力である。UEの移動又は回転により、伝搬損失が変化するため、P1、Px、Py、Pzの値が変化することがある。そして、ビーム管理のためのUL RSの送信電力導出は、min(P1、Px、Py、Pz)を含んでよい。より具体的には、ビーム管理のためのUL RSの送信電力導出をmin(P1、Px、Py、Pz)+オフセットから導出してよい。代替的には、UEビーム2が最良のチャネル品質を有するeNBビーム又はTRPビームと関連付けられる場合、ビーム管理のためのUL RSの送信電力導出は、P1を含んでよい。より具体的には、ビーム管理のためのUL RSの送信電力導出をP1+オフセットから導出してよい。
【0087】
より具体的には、受信しきい値を超える受信電力でのeNB又はTRP検出のためのUEビームの必要なUL送信電力をeNBビーム又はTRPビームのDL RSを測定することから導出してよい。したがって、P1、Px、Py、PzをeNBビーム又はTRPビームのDL RSを測定することから導出してよい。DL RSはBRSでよい。
【0088】
検出されたeNBビーム又はTRPビームがない、あるいはUEビーム上にリンクされた適格なeNBビーム又はTRPビームがない場合、Pcmax又は値なしとして決定することができる。値なしとは、ビーム管理のためのUL RSの送信電力決定に値が含まれていないことを意味する。例えば、ビーム管理のためのUL RSの送信電力導出は、min(P1、Py)を含んでよく、ここで、UEビームB2及びB3は適格なeNBビーム又はTRPビームにリンクされ、UEビームB1及びB4はいかなる適格なeNBビーム又はTRPビームともリンクされない。
【0089】
検出されたeNBビーム又はTRPビームがない、あるいはUEビームB1及びUEビームB4上にリンクされた適格なeNBビーム又はTRPビームがないため、Px及びPzは、ビーム管理のためのUL RSの送信電力決定に含まれない。より具体的には、ビーム管理のためのUL RSの送信電力導出を、min(P1,Py)+オフセットから導出してよい。代替的には、検出されたeNBビーム又はTRPビームがない、あるいはUEビーム上にリンクされた適格なeNBビーム又はTRPビームがない場合で、UEビームについてPcmaxが決定された場合、ビーム管理のためのUL RSの送信電力導出は、min(P1,Px,Py,Pz)を含んでよい。より具体的には、ビーム管理のためのUL RSの送信電力導出は、min(P1,Px,Py,Pz)+オフセットから導出してよい。
【0090】
さらに、ビーム管理のための必要最小限のUEビーム出力として特定値を構成又は指定することができる。より具体的には、ビーム管理のためのUL RSの送信電力導出は、Max(特定値,min(P1,Px,Py,Pz)+オフセット)から導出してよい。検出されたeNBビーム又はTRPビームがない場合、又はUEビームB1及びUEビームB4にリンクされた適格なeNBビーム又はTRPビームがない場合、ビーム管理のためのUL RSの送信電力導出は、Max(特定電力値、min(P1,Py)+オフセット)又はMax(特定値、min(P1,Px,Py,Pz)+オフセット)から導出してよい。
【0091】
さらに、検出されたeNBビーム又はTRPビームがない場合、又はUEビーム上にリンクされた適格なeNBビーム又はTRPビームがない場合、UEは、そのUE上でのビーム管理のためのUL RS送信の一部又はすべての送信機会をスキップすることが可能である。
【0092】
第3のアプローチ − 概して、第3のアプローチは、ULチャネル測定のための(定期的な)UL RSを有するUEビーム上を除いて、UEがビーム管理のための(定期的な)UL RSを送信することである。これは、検出されたeNBビーム若しくはTRPビームがない、又はUEビーム上にリンクされた適格なeNBビーム又はTRPビームがリンクされている場合、UEが、そのUEビーム上でのビーム管理のための(定期的な)UL RS送信の一部又はすべての送信機会をスキップすることを意味してよい。ULチャネル測定のための(定期的な)UL RS送信は、ビーム管理を実行する際にeNB又はTRPを支援することができるからである。したがって、このアプローチでは、ビーム管理のためのUL RSの送信電力は、特定電力値から決定又は導出される。特定電力値を構成又は指定することができる。さらに、経路損失を送信電力導出のために考慮しなくてよい。代替的には、経路損失を送信電力導出のために考慮し、経路損失をeNBビーム又はTRPビームのDL RS測定結果から導出してよい。DL RSはBRSでよい。
【0093】
より具体的には、検出されたeNBビーム若しくはTRPビームがないこと、又はリンクされた適格なeNBビーム若しくはTRPビームがないことは、関連付けられたDL RSが検出されないこと、又は関連付けられたDL RSのチャネル品質がより悪い、例えば、RSRPがしきい値よりも低いことを意味してよい。
【0094】
図18は、UEの観点からの例示的な一実施形態によるフローチャート1800である。ステップ1805において、UEは、特定電力値に基づいてUL RSの送信電力を導出する。ステップ1810において、UEは、その送信電力でUL RSを送信する。
【0095】
図19は、UEの観点からの例示的な一実施形態によるフローチャート1900である。ステップ1905において、UEは、UL RSの送信電力を導出し、ここで、送信電力の導出は、eNB又はTRP検出のためのUEビームの必要なUL送信電力を含む。ステップ1910において、UEは、その送信電力でUL RSを送信する。
【0096】
図20は、UEの観点からの例示的な一実施形態によるフローチャート2000である。ステップ2005において、UEは、特定電力値に基づいてUL RSの送信電力を導出する。ステップ2010において、UEは、その送信電力で複数のUEビームのうちの第1のUEビーム上でUL RSを送信する。ステップ2015において、UEは、その送信電力で複数のUEビームのうちの第2のUEビーム上でUL RSを送信する。
【0097】
一実施形態では、UL RSは、ビーム管理のためのものとすることができる。UL RSは、サウンディング参照シグナリングとすることができる。代替として、UL RSは、DMRSでもサウンディング参照信号でもない。
【0098】
一実施形態では、UL RSの送信電力の導出は、上りデータ及び/又は制御チャネルと関連付けられていなくてよい。異なるUEビーム上のUL RSの送信電力を同じにすることができる。
【0099】
一実施形態では、TPC(コマンド)を、上りデータ及び/又は制御チャネルのためではなく、特にUL RSの電力制御のために適用することができる。特定電力値を構成又は指定することができる。代替的には、特定電力値を、ランダムアクセス手順から導出された第3のUEビームのUL送信電力とすることができる。UL RSの送信電力の導出は、経路損失を含むことができる。経路損失は、eNBビーム又はTRPビームのDL RS測定結果から導出することができる。DL RSは、ビーム参照信号とすることができる。
【0100】
送信電力は、特定電力値より小さくなくてもよい。(UL RSの)送信電力を特定電力値として設定することができる。代替的には、(UL RSの)送信電力を特定電力値+経路損失として設定することができる。
【0101】
UL RSの送信電力の導出は、オフセットを含むことができる。代替的には、あるいは追加的には、送信電力の導出はオフセットに基づくことができる。このオフセットは、適格なビーム基準とすることができ、ここで、最良のチャネル品質を有するeNBビーム又はTRPビームと比較して、適格なビーム基準よりも小さいRSRP、SINR、又はPL(絶対)差を有するeNBビームである場合、eNBビームは適格なチャネル品質を有すると見なされる。
【0102】
一実施形態では、UL RSの(初期の)送信電力を、ランダムアクセス手順から導出されたUEビームの必要なUL送信電力か及びオフセットから少なくとも導出することができる。eNB又はTRP検出のためのUEビームの必要なUL送信電力とは、eNB又はTRPが受信しきい値を超える受信電力でUL RSを受信することを意味することができる。
【0103】
UL RSの送信電力の導出は、eNB又はTRP検出のためのUEビームの必要なUL送信電力を含むことができ、ここで、UEビームは最良のチャネル品質を有するeNBビーム又はTRPビームに関連付けられている。UL RSの送信電力を、eNB又はTRP検出のためのUEビームの必要なUL送信電力及びオフセットから少なくとも導出することができ、ここで、UEビームは最良のチャネル品質を有するeNBビーム又はTRPビームに関連付けられている。
【0104】
代替的には、あるいは追加的には、UL RSの送信電力の導出は、eNB又はTRP検出のための各UEビームの必要なUL送信電力のうちの最小値を含むことができる。UL RSの送信電力を、eNB又はTRP検出のための各UEビームの必要なUL送信電力のうちの最小値及びオフセットから少なくとも導出することができる。eNB又はTRP検出のためのUEビームの必要なUL送信電力は、UEビーム上のeNBビーム又はTRPビームのDL RSを測定することから導出することができる。
【0105】
一実施形態では、検出されたeNBビーム又はTRPビームがない場合、又はUEビーム上にリンクされた適格なeNBビーム又はTRPビームがない場合、UEは、そのUEビーム上でのUL RSの一部又はすべての送信機会をスキップすることができる。
【0106】
一実施形態では、検出されたeNBビーム又はTRPビームがない場合、又はUEビーム上にリンクされた適格なeNBビーム又はTRPビームがない場合、UEビームの必要なUL送信電力を、Pcmaxとして決定することができる。
【0107】
一実施形態では、検出されたeNBビーム又はTRPビームがない場合、又はUEビーム上にリンクされた適格eNBビーム又はTRPビームがない場合、UEビームの必要なUL送信電力は、UL RSの送信電力の導出に含まれなくてもよい。
【0108】
一実施形態では、特定値を、UL RSの送信電力のために必要最小限の送信電力として構成又は指定することができる。
【0109】
一実施形態では、任意の検出されたeNBビーム又はTRPビームがある場合、あるいはUEビーム上にリンクされた適格なeNBビーム又はTRPビームがある場合、UEは、UEビーム上での(定期的な)UL RSの一部又はすべての送信機会をスキップすることができる。UEは、ULチャネル測定のための(定期的な)UL RS送信を有するUEビーム上を除いて、(定期的な)UL RSを送信することができる。UEビーム上に検出されたeNBビーム又はTRPビームがないことは、UEビーム上でDL RSが検出されないこと、又はDL RSの測定されたチャネル品質がより悪いことを意味することができる。UEビーム上にリンクされた適格なNBビーム又はTRPビームがないことは、関連付けられたDL RSがUEビーム上で検出されないこと、又はDL RSの測定されたチャネル品質がより悪いことを意味することができる。 DL RSの測定されたチャネル品質がより悪いということは、DL RSのRSRPがしきい値よりも低いことを意味する。
【0110】
一実施形態では、適格なチャネル品質を有するeNBビーム又はTRPビームとは、UEが、あるしきい値よりも大きいRSRP若しくはSINR又はあるしきい値よりも小さい経路損失を有するeNBビーム又はTRPビームを受信することを意味することができる。DL RSは、ビーム参照信号とすることができる。
【0111】
図3及び
図4に戻って参照すると、
図18に示し、上述したUEの例示的な一実施形態において、デバイス300は、メモリ310に記憶されたプログラムコード312を含む。CPU308は、プログラムコード312を実行して、UEが(i)特定電力値に基づいてUL RSの送信電力を導出することと、(ii)その送信電力でUL RSを送信することと、を可能にする。さらに、CPU308は、プログラムコード312を実行して、上述の活動及びステップ又は本明細書で説明したその他のすべてを実行することができる。
【0112】
図3及び
図4に戻って参照すると、
図19に示し、上述したUEの例示的な一実施形態において、デバイス300は、メモリ310に記憶されたプログラムコード312を含む。CPU308は、プログラムコード312を実行して、UEが(i)UL RSの送信電力を導出することであって、ここで、送信電力の導出はeNB又はTRP検出のためのUEビームの必要なUL送信電力を含む、導出することと、(ii)その送信電力でUL RSを送信することと、を可能にする。さらに、CPU308は、プログラムコード312を実行して、上述の活動及びステップ又は本明細書で説明したその他のすべてを実行することができる。
【0113】
図3及び
図4に戻って参照すると、
図20に示し、上述したUEの例示的な一実施形態において、デバイス300は、メモリ310に格納されたプログラムコード312を含む。CPU308は、プログラムコード312を実行して、UEが(i)特定電力値に基づいてUL RSの送信電力を導出することと、(ii)その送信電力で複数のUEビームのうちの第1のUEビーム上でUL RSを送信することと、(iii)その送信電力で複数のUEビームのうちの第2のUEビーム上でUL RSを送信することと、可能にする。さらに、CPU308は、プログラムコード312を実行して、上述の活動及びステップ又は本明細書で説明したその他のすべてを実行することができる。
【0114】
概して、本発明に基づいて、UL RS送信電力を、機能特性及び要求に基づいて決定することができる。ビーム管理のためのUL RS送信電力を、UEのために適格なeNBビーム及び/又は適格なUEビームを検出及び/又は追跡する際にTRP又はeNBを支援するように設定することができる。
【0115】
以上、本開示の種々の態様を説明した。当然のことながら、本明細書の教示内容を多種多様な形態で具現化してよく、本明細書に開示されている如何なる特定の構造、機能、又は両者も代表的なものに過ぎない。本明細書の教示内容に基づいて、当業者には当然のことながら、本明細書に開示される態様は、他の如何なる態様からも独立に実装されてよく、これら態様のうちの2つ以上が種々組み合わされてよい。例えば、本明細書に記載された態様のうちの任意の数の態様を用いて、装置が実装されてよく、方法が実現されてよい。追加的に、本明細書に記載された態様のうちの1つ以上の追加又は代替で、他の構造、機能、又は構造と機能を用いて、このような装置が実装されるようになっていてもよいし、このような方法が実現されるようになっていてもよい。上記概念の一部の一例として、いくつかの態様においては、パルス繰り返し周波数に基づいて、同時チャネルが確立されてよい。いくつかの態様においては、パルス位置又はオフセットに基づいて、同時チャネルが確立されてよい。いくつかの態様においては、時間ホッピングシーケンスに基づいて、同時チャネルが確立されてよい。いくつかの態様において、パルス繰り返し周波数、パルス位置又はオフセット、及び時間ホッピングシーケンスに基づいて、同時チャネルが確立されてよい。
【0116】
当業者であれば、多様な異なるテクノロジ及び技術のいずれかを使用して、情報及び信号を表わしてよいを理解するであろう。例えば、上記説明全体で言及されることがあるデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、及びチップは、電圧、電流、電磁波、磁場若しくは粒子、光場若しくは粒子、又はこれらの任意の組み合わせによって表わしてよい。
【0117】
さらに、当業者には当然のことながら、本明細書に開示された態様に関連して説明した種々の例示的な論理ブロック、モジュール、プロセッサ、手段、回路、及びアルゴリズムステップは、電子的ハードウェア(例えば、ソースコーディング又はその他何らかの技術を用いて設計することがあるデジタル実装、アナログ実装、又はこれら2つの組み合わせ)、命令を含む種々の形態のプログラム若しくは設計コード(本明細書においては便宜上、「ソフトウェア」又は「ソフトウェアモジュール」と称されることがある)、又は両者の組み合わせとして実装されてよい。このハードウェア及びソフトウェアの互換性を明確に示すため、種々の例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、及びステップを、概略的にそれぞれの機能の観点から上述した。そのような機能がハードウェアとして実装されるか、ソフトウェアとして実装されるかは、特定用途及びシステム全体に課される設計上の制約によって決まる。当業者であれば、特定各用途に対して、説明した機能を様々なやり方で実装してもよいが、そのような実装の決定は、本開示の範囲からの逸脱の原因として解釈されるべきではない。
【0118】
また、本明細書に開示される態様に関連して説明した種々の例示的な論理ブロック、モジュール、及び回路は、集積回路(「IC」)、アクセス端末、又はアクセスポイント内で実装される、あるいはこれらによって実行されてよい。ICとしては、汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、その他プログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲート若しくはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェアコンポーネント、電気部品、光学部品、機械部品、又は本明細書で説明した機能を実行するように設計されたこれらの任意の組み合わせを含み、IC内、IC外、又はその両方に存在するコード又は命令を実行してよい。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサとしてよいが、代替として、プロセッサは、従来の任意のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又は状態機械としてよい。また、プロセッサは、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと協働する1つ以上のマイクロプロセッサ、又はその他任意のこのような構成である、コンピュータデバイスの組み合わせとして実装されてよい。
【0119】
任意の開示プロセスにおけるステップの如何なる特定の順序又は階層は、実例的な手法の一例であることが了解される。設計の選好に基づいて、プロセスにおけるステップの特定の順序又は階層を、本開示の範囲内に留まりつつ、再構成してよいことが了解される。添付の方法の請求項は、種々のステップの要素を実例的な順序で示しており、提示の特定順序又は階層に限定されることを意図していない。
【0120】
本明細書に開示される態様に関連して記載された方法又はアルゴリズムのステップを、ハードウェアにおいて直接具現化してよく、プロセッサにより実行されるソフトウェアモジュールにおいて具現化してよく、これら2つの組み合わせにおいて具現化してよい。(例えば、実行可能な命令及び関連するデータを含む)ソフトウェアモジュール及び他のデータは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムバーブルディスク、CD−ROM等のデータメモリ、又は当技術分野において知られているその他任意の形態のコンピュータ可読記憶媒体に存在してよい。実例的な記憶媒体がコンピュータ/プロセッサ(本明細書においては便宜上、「プロセッサ」と称されることがある)等の機械に結合されてよい、このようなプロセッサは、記憶媒体からの情報(例えば、コード)の読み出し及び記憶媒体への情報の書き込みが可能である。実例的な記憶媒体は、プロセッサと一体化されてよい。プロセッサ及び記憶媒体は、ASICに存在してよい。ASICは、ユーザ機器に存在していてもよい。代替として、プロセッサ及び記憶媒体は、ディスクリートコンポーネントとしてユーザ機器に存在してよい。さらに、いくつかの態様においては、任意の適当なコンピュータプログラム製品が、本開示の態様のうちの1つ以上に関連するコードを含むコンピュータ可読媒体を含んでもよい。いくつかの態様において、コンピュータプログラム製品は、パッケージング材料を含んでよい。
【0121】
以上、種々の態様に関連して本発明を説明したが、本発明は、さらに改良可能であることが了解される。本願は、概して本発明の原理に従うとともに、本発明が関係する技術分野における既知で慣習的な実施となるような本開示からの逸脱を含む本発明の任意の変形、使用、又は適応を網羅することを意図している。