特許第6545265号(P6545265)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6545265-タイヤ充填補助の方法および装置 図000008
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6545265
(24)【登録日】2019年6月28日
(45)【発行日】2019年7月17日
(54)【発明の名称】タイヤ充填補助の方法および装置
(51)【国際特許分類】
   B60C 23/04 20060101AFI20190705BHJP
【FI】
   B60C23/04 N
【請求項の数】25
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2017-532066(P2017-532066)
(86)(22)【出願日】2015年12月16日
(65)【公表番号】特表2018-500233(P2018-500233A)
(43)【公表日】2018年1月11日
(86)【国際出願番号】US2015065969
(87)【国際公開番号】WO2016100434
(87)【国際公開日】20160623
【審査請求日】2017年6月15日
(31)【優先権主張番号】62/092,323
(32)【優先日】2014年12月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503193904
【氏名又は名称】ティーアールダブリュー・オートモーティブ・ユーエス・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100117640
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 達己
(72)【発明者】
【氏名】ジュズスウィック,デヴィッド・レオナルド
【審査官】 上谷 公治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−224159(JP,A)
【文献】 特開2014−196032(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 23/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤ状態監視装置であって、
タイヤ動作状態を感知して前記感知したタイヤ動作状態を含むタイヤ状態信号を送信するように構成されるタイヤベースのセンサユニットと、
前記タイヤ状態信号を受信して前記タイヤ動作状態を監視するように構成される車両ベースの制御装置と
を備え、
前記センサユニットおよび前記制御装置のうちの少なくとも1つが、
前記感知した動作状態に基づいて前記タイヤ中の空気のモル数の所定の増加又は減少が起こったことを決定することに反応して、タイヤ圧力調整を実施するタイミングであることを決定する
ように構成されており、
所定の車両状態が存在しない限り、タイヤ圧力調整を実施するタイミングであることの決定が阻止され、前記車両状態が、前記車両が停止していること、車両のイグニションがオンであること、自動変速装置の場合に車両の変速装置がパーキングであること、および、手動式変速装置の場合に車両のパーキングブレーキがかかっていること、を含む、
タイヤ状態監視装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、前記送信されるタイヤ状態信号内の前記タイヤ動作状態が、前記タイヤ中の空気の感知される圧力および温度を含む、装置。
【請求項3】
請求項1に記載の装置において、前記センサユニットおよび前記制御装置のうちの少なくとも1つが、タイヤ圧力調整を実施するタイミングであることを決定した場合に、前記制御装置が、タイヤ充填補助モードに入るように構成されている、装置。
【請求項4】
請求項3に記載の装置において、前記制御装置が、前記タイヤ充填補助モードにある場合に、以下の状態:前記制御装置が前記タイヤ充填補助モードにある状態、タイヤ圧力が所定の圧力未満である状態、タイヤ圧力が前記所定の圧力と等しい状態、および、タイヤ圧力が前記所定の圧力を超える状態、のうちの少なくとも1つの状態を示す視覚アラートおよび可聴アラートのうちの少なくとも1つを提供するように構成される、装置。
【請求項5】
請求項4に記載の装置において、前記所定の圧力が車両の製造業者によって決定される車両プラカードの圧力である、装置。
【請求項6】
請求項4に記載の装置において、前記アラートが、車両ホーンチャープ、車両ライトフラッシュ、車両計器パネル指示、および、車両センターコンソール指示、のうちの少なくとも1つを含む、装置。
【請求項7】
請求項1に記載の装置において、前記センサユニットが、前記タイヤ内の圧力を測定し、所定の時間内での測定した圧力の所定の変化を決定することに反応してタイヤ充填要求モードに入るように、構成される、装置。
【請求項8】
請求項1に記載の装置において、前記センサユニットが、前記タイヤ内の圧力を測定し、圧力値を最後に送信して以降の測定した圧力の所定の変化を決定することに反応してタイヤ充填要求モードに入るように、構成される、装置。
【請求項9】
請求項8に記載の装置において、圧力の前記所定の変化が+/−5.52kPa(0.8psi)〜8.27kPa(1.2psi)であり、前記所定の時間が1〜3秒である、装置。
【請求項10】
請求項8に記載の装置において、前記センサユニットが前記タイヤ状態信号内にタイヤ充填要求を含むように構成され、前記制御装置が、前記タイヤ充填要求指示を含むタイヤ状態メッセージを受信することに反応して空気のモル数の所定の増加又は減少が起きたかどうかを決定するように構成される、装置。
【請求項11】
請求項1に記載の装置において、前記センサユニットが、前記圧力調整を実施するタイミングであるかどうかを決定するように構成される、装置。
【請求項12】
請求項1に記載の装置において、前記タイヤ中の空気のモル数の所定の増加又は減少が起きたことの決定が、
【数1】

に関数的に関連し、ここでは、Pstoredが以前に記憶したタイヤ空気圧力であり、Tstoredが以前に記憶したタイヤ空気温度であり、Pmeasが前記タイヤ中の空気の感知した圧力であり、Tmeasが前記タイヤ中の空気の感知した温度である、装置。
【請求項13】
タイヤベースのセンサユニットおよび車両ベースの制御装置を有するタイヤ状態監視システムを用いて車両タイヤ状態を監視するための方法であって、前記方法が、
前記センサユニットを介してタイヤ動作状態を感知するステップと、
前記感知したタイヤ動作状態を含む信号を、前記センサユニットを介して送信するステップと、
前記制御装置を介して前記信号を受信するステップと、
前記感知した動作状態に基づいて前記タイヤ中の空気のモル数の所定の増加又は減少が起こったことを決定することに反応して、タイヤ圧力調整を実施するタイミングであることを決定するステップと
を含み、
タイヤ圧力調整を実施するタイミングであることを決定するステップが、所定の車両状態の存在を決定することを前提とし、前記車両状態が、前記車両が停止していること、車両のイグニションがオンであること、自動変速装置の場合に車両の変速装置がパーキングであること、および、手動式変速装置の場合に車両のパーキングブレーキがかかっていること、を含む、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法において、前記送信される信号内の前記タイヤ状態が、前記タイヤ中の空気の感知した圧力および温度を含む、方法。
【請求項15】
請求項13に記載の方法において、前記センサユニットおよび前記制御装置のうちの少なくとも1つが、タイヤ圧力調整を実施するタイミングであることの決定した場合に、前記制御装置がタイヤ充填補助モードに入るステップをさらに含む、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法において、前記タイヤ充填補助モードにある場合に前記制御装置を介して視覚アラートおよび可聴アラートのうちの少なくとも1つを提供するステップであって、以下の状態:前記制御装置が前記タイヤ充填補助モードにあること、タイヤ圧力が所定の圧力未満であること、タイヤ圧力が前記所定の圧力に等しいこと、および、タイヤ圧力が前記所定の圧力を超えること、のうちの少なくとも1つを示す、ステップをさらに含む、方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法において、前記所定の圧力が、車両の製造業者によって決定される車両プラカードの圧力である、方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法において、視覚アラートおよび可聴アラートのうちの前記少なくとも1つが、車両ホーンチャープ、車両ライトフラッシュ、車両計器パネル指示、および、車両センターコンソール指示、のうちの少なくとも1つを含む、方法。
【請求項19】
請求項13に記載の方法において、前記センサユニットを介して前記タイヤ内の圧力を測定するステップをさらに含み、前記センサセンサユニットが、値を最後に送信して以降の測定した圧力の所定の変化を決定することに反応してタイヤ充填要求モードに入るように構成される、方法。
【請求項20】
請求項13に記載の方法において、前記センサユニットを介して前記タイヤ内の圧力を測定することをさらに含み、前記センサユニットが、所定の時間内での測定した圧力の所定の変化を決定することに反応してタイヤ充填要求モードに入るように構成される、方法。
【請求項21】
請求項13に記載の方法において、圧力の前記所定の変化が+/−5.52kPa(0.8psi)〜13.79kPa(2.0psi)であり、前記所定の時間が1〜3秒である、方法。
【請求項22】
請求項13に記載の方法において、前記センサユニットが前記タイヤ状態信号内にタイヤ充填要求を含むように構成され、前記方法が、前記タイヤ充填要求を含むタイヤ状態メッセージを受信することに反応して空気のモル数の所定の増加又は減少が起きたかどうかを前記制御装置を介して決定するステップをさらに含む、方法。
【請求項23】
請求項14に記載の方法において、モル数の所定の増加又は減少を決定するステップが、決定を行うステップであって、ここではモル数が
【数2】

に関数的に関連し、ここでは、Pstoredが以前に記憶したタイヤ空気圧力であり、Tstoredが以前に記憶したタイヤ空気温度であり、Pmeasが前記タイヤ中の空気の感知した圧力であり、Tmeasが前記タイヤ中の空気の感知した温度である、ステップを含む、方法。
【請求項24】
請求項14に記載の方法において、前記圧力調整を実施するタイミングであることを決定するステップが、前記センサユニットによって実施される、方法。
【請求項25】
請求項14に記載の方法において、前記圧力調整を実施するタイミングであることを決定するステップが、前記制御装置によって実施される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本出願は、2014年12月6日の出願日の「TIRE FILL ASSIST METHOD AND APPARATUS」と題されるJuzswikの米国仮特許出願第62/092323号の利益を主張するものであり、その主題の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002]本発明は、車両のタイヤを膨張/収縮させるのに運転手を補助する、タイヤ充填補助の方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]タイヤ状態監視システムが知られている。タイヤ状態監視システムは、車両のタイヤを適切な膨張圧力で維持するのに車両の操作者を補助することにより、車両の安全性を向上させ、タイヤの摩耗を軽減するのを補助し、CO排出を削減するのを補助する。その理由は、適切に膨張したタイヤの場合に車両がより効率的に走るからである。既知のタイヤ状態監視システムは、温度および圧力などのタイヤの状態を測定するための、タイヤの内側に設置される(例えば、タイヤリムに取り付けられる)タイヤベースのセンサを有することができる。タイヤベースのセンサに動作可能に結合されるタイヤベースの送信機が、車両ベースの受信機ユニットに無線信号を送信する。送信される信号が、タイヤ識別コードとして機能することができる固有のセンサ識別コードと併せて、温度情報および圧力情報の両方を含むことができる。車両ベースの受信機ユニットが、タイヤ状態信号、受信したタイヤ識別コードを監視し、感知したタイヤ状態が所定の範囲内にない場合に車両の操作者に対して警告を出すように車両運転室内のディスプレイデバイスを制御する。車両ベースの受信機ユニットがさらに、固有のタイヤ識別コードを使用してタイヤロケーションを受信したタイヤ状態信号に結び付けることにより、どのタイヤロケーションが許容範囲外のタイヤ状態(out−of−limit tire condition)(例えば、過圧状態または不足圧力状態)を有するのかを示すことができる。
【0004】
[0004]特定のクラスの車両に適用可能であるタイヤ監視システムのための(例えば、the United Nations Economic Commission for Europe(UNECE)のTransportation Divisionの、具体的にはregulation EC R64.02)特定の規制が提案されている。これらの規制は、車両のタイヤのいずれか1つのタイヤにおける所定のパーセンテージの圧力損失(例えば、20%の圧力損失)時にタイヤ圧力監視システムが車両の操作者に対して警告を提供しなければならないことを求めている。タイヤ圧力は温度に左右されることから、パーセンテージの圧力損失を検出することが困難である場合がある。世界の特定の地理的エリアでは、単純に周囲温度の変化を理由としてタイヤ圧力が大きいパーセンテージで変化する可能性があり、これは具体的には使用中のタイヤ温度の上昇と共に起こる場合などである。タイヤ圧力に影響を与える4つの主要なファクタは、タイヤ温度、周囲温度、環境大気圧および車両負荷状態である。タイヤ温度は使用時に変化するものであり、周囲温度は経時的におよび場所に応じて変化するものであり、環境大気圧は高度および天候に従って変化するものであり、車両負荷は使用状態によって変化するものである。通常の車両運転時に低温のタイヤの圧力値を確立することは困難であり、これは具体的には、車両の操作者が高温のタイヤを推奨圧力値まで膨張させる場合などである。
【0005】
[0005]いくつかの提案されているシステムは、車両の静止時のタイヤ圧力の変化に反応してタイヤ充填補助オペレーションを自動で開始する。例えば高温のディスクロータまたは稼働中の車両のエンジンによりタイヤが加熱されることを理由として、圧力の変化時(例えば、圧力増加時)に問題が起こる。このような場合、温度変動を原因として圧力測定が潜在的に誤ったものとなる可能性がある。このようなタイヤ充填補助システムは車両の操作者のための可聴および/または視覚フィードバックを使用する可能性があることから、タイヤ補助システムが不適切に開始されることで操作者を混乱させる可能性がある。
【0006】
[0006]これに対応して、いくつかのタイヤ状態監視システムが、タイヤ中の空気のモル数または質量を監視することにより圧力増加または圧力減少を検出するために、理想気体の法則を採用する。理想気体の法則はPV=nRTであり、ここでは、Pが圧力、Vが体積、nがモル数、Rが問題となる気体の理想気体定数であり、Tが温度である。タイヤの体積が一定であると仮定すると、VおよびRが定数として無視され得、方程式が簡略化されてn=P/Tとなる。したがって、この単純化された方程式を使用して、タイヤ中の空気のモル数(n)が、TCMセンサから受信される測定される圧力(P)および温度(T)の情報に関数的に関係するものとして監視され得る。このようなシステムの例が、2003年9月2日発行の「TIRE PRESSURE MONITORING SYSTEM WITH PRESSURE GAUGE OPERATING MODE FOR INDICATING WHEN AIR PRESSURE WITHIN A TIRE IS WITHIN A PREDETERMINED PRESSURE RANGE」と題されるJuzswikの米国特許第6,612,165号および2014年8月26日発行の「METHOD AND APPARATUS FOR DETERMINING TIRE CONDITION USING IDEAL GAS LAW」と題されるJuzswikの米国特許第8,818,619号に開示される。これらの両方の特許の開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第6,612,165号明細書
【特許文献2】米国特許第8,818,619号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
[0007]本発明の一態様によると、タイヤ状態監視システムのタイヤ充填補助モードが、特定の車両状態の下でのタイヤ中の空気のモル数の所定の変化に反応して、開始される。
[0008]本発明の別の態様によると、タイヤ圧力およびタイヤ温度が、タイヤ状態監視システム(TCMS:tire condition monitoring system)の一部を形成するタイヤ状態センサから既知となる。単純化された形態の理想気体の法則に依存して、タイヤ中の(圧力変化とは対照的な)空気のモル数の変化が、最新の圧力および温度と記憶された圧力および温度との間の差に関数的に関連するものとして決定され得る。モル数の変化に反応して、タイヤ充填補助モードが開始され得る。
【0009】
[0009]一態様によると、タイヤ状態監視装置が、タイヤ動作状態を感知して、感知したタイヤ動作状態を含むタイヤ状態信号を送信するように構成されるタイヤベースのセンサを有する。この装置が、タイヤ状態信号を受信してタイヤ運転状態を監視するように構成される車両ベースの制御装置をさらに有する。センサおよび制御装置のうちの少なくとも1つが、感知した運転状態に基づいてタイヤ中の空気のモル数の所定の変化が起こったことを決定することに反応して、タイヤ圧力調整状態が存在することを決定するように構成される。
【0010】
[0010]別の態様によると、単独でまたは上記の態様のうちの任意の態様との組合せで、送信されるタイヤ状態信号内のタイヤ動作状態がタイヤ中の空気の感知される圧力および温度を含むことができる。
【0011】
[0011]別の態様によると、単独でまたは上記の態様のうちの任意の態様との組合せで、制御装置が、タイヤ圧力調整状態が存在することを決定することに反応してタイヤ充填補助モードに入るように構成され得る。
【0012】
[0012]別の態様によると、単独でまたは上記の態様のうちの任意の態様との組合せで、制御装置が、タイヤ充填補助モードにある場合に、以下の状態のうちの少なくとも1つの状態を示す視覚アラートおよび可聴アラートのうちの少なくとも1つを提供するように構成され得る:制御装置がタイヤ充填補助モードにある状態、タイヤ圧力が所定の圧力未満である状態、タイヤ圧力が所定の圧力に等しい状態、および、タイヤ圧力が所定の圧力を超える状態。
【0013】
[0013]別の態様によると、単独でまたは上記の態様のうちの任意の態様との組合せで、所定の圧力が車両の製造業者によって決定される車両プラカードの圧力であってよい。
[0014]別の態様によると、単独でまたは上記の態様のうちの任意の態様との組合せで、アラートが、車両のホーンチャープ(horn chirp)、車両ライトフラッシュ、車両計器パネル指示、および、車両センターコンソール指示、のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0014】
[0015]別の態様によると、単独でまたは上記態様のうちの任意の態様との組合せで、センサが、タイヤ内の圧力を測定し、所定の時間内での測定した圧力の所定の変化を決定することに反応してタイヤ充填要求モードに入るように、構成され得る。
【0015】
[0016]別の態様によると、単独でまたは上記態様のうちの任意の態様との組合せで、センサが、タイヤ内の圧力を測定し、圧力値を最後に送信して以降の測定した圧力の所定の変化を決定することに反応してタイヤ充填要求モードに入るように、構成され得る。
【0016】
[0017]別の態様によると、単独でまたは上記態様のうちの任意の態様との組合せで、圧力の所定の変化が+/−5.52kPa(0.8psi)〜8.27kPa(1.2psi)であってよく、所定の時間が1〜3秒であってよい。
【0017】
[0018]別の態様によると、単独でまたは上記態様のうちの任意の態様との組合せで、センサがタイヤ状態信号内にタイヤ充填要求を含むように構成され得、制御装置が、タイヤ充填要求指示を含むタイヤ状態メッセージを受信することに反応して空気のモル数の変化が起きたかどうかを決定するように、構成され得る。
【0018】
[0019]別の態様によると、単独でまたは上記態様のうちの任意の態様との組合せで、センサが、圧力調整状態が存在するかどうかを決定するように構成され得る。
[0020]別の態様によると、単独でまたは上記態様のうちの任意の態様との組合せで、所定の車両状態が存在しない限り、タイヤ圧力調整状態の存在の決定が阻止され得る。車両状態が、車両が停止していること、車両のイグニションがオンであること、自動変速装置の場合に車両の変速装置がパーキングであること、および、手動式変速装置の場合に車両のパーキングブレーキがかかっていること、を含むことができる。
【0019】
[0021]別の態様によると、単独でまたは上記態様のうちの任意の態様との組合せで、タイヤ中の空気のモル数の所定の変化が起きたことの決定が
【0020】
【数1】
【0021】
に関数的に関連してよく、ここでは、Pstoredが以前に記憶したタイヤ空気圧力であり、Tstoredが以前に記憶したタイヤ空気温度であり、Pmeasがタイヤ中の空気の感知した圧力であり、Tmeasがタイヤ中の空気の感知した温度である。
【0022】
[0022]別の態様によると、単独でまたは上記態様のうちの任意の態様との組合せで、タイヤベースのセンサおよび車両ベースの制御装置を有するタイヤ状態監視システムを用いて車両タイヤ状態を監視するための方法が、センサを介してタイヤ運転状態を感知することを含むことができる。この方法が、感知したタイヤ運転状態を含む信号を、センサを介して送信することと、制御装置を介して信号を受信することとをさらに含むことができる。この方法が、感知した運転状態に基づいてタイヤ中の空気のモル数の所定の変化が起こったことを決定することに反応して、タイヤ圧力調整状態が存在することを決定することをさらに含むことができる。
【0023】
[0023]別の態様によると、単独でまたは上記態様のうちの任意の態様との組合せで、送信される信号内のタイヤ状態がタイヤ中の空気の感知した圧力および温度を含むことができる。
【0024】
[0024]別の態様によると、単独でまたは上記態様のうちの任意の態様との組合せで、この方法が、タイヤ圧力調整状態の存在の決定に反応して制御装置がタイヤ充填補助モードに入るステップをさらに含むことができる。
【0025】
[0025]別の態様によると、単独でまたは上記態様のうちの任意の態様との組合せで、この方法が、タイヤ充填補助モードにある場合に制御装置を介して視覚アラートおよび可聴アラートのうちの少なくとも1つを提供することをさらに含むことができる。視覚アラートおよび可聴アラートのうちの少なくとも1つが、制御装置がタイヤ充填補助モードにあること、タイヤ圧力が所定の圧力未満であること、タイヤ圧力が所定の圧力に等しいこと、または、タイヤ圧力が所定の圧力を超えること、を示すことができる。
【0026】
[0026]別の態様によると、単独でまたは上記態様のうちの任意の態様との組合せで、所定の圧力が車両の製造業者によって決定される車両プラカードの圧力であってよい。
[0027]別の態様によると、単独でまたは上記態様のうちの任意の態様との組合せで、視覚アラートおよび可聴アラートのうちの少なくとも1つが、車両ホーンチャープ、車両ライトフラッシュ、車両計器パネル指示、および、車両センターコンソール指示、のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0027】
[0028]別の態様によると、単独でまたは上記態様のうちの任意の態様との組合せで、この方法が、センサを介してタイヤ内の圧力を測定することをさらに含むことができる。センサが、値を最後に送信して以降の測定した圧力の所定の変化を決定することに反応してタイヤ充填要求モードに入るように、構成され得る。
【0028】
[0029]別の態様によると、単独でまたは上記態様のうちの任意の貸与との組合せで、この方法が、センサを介してタイヤ内の圧力を測定することをさらに含むことができる。センサが、所定の時間内での測定した圧力の所定の変化を決定することに反応してタイヤ充填要求モードに入るように、構成され得る。
【0029】
[0030]別の態様によると、単独でまたは上記態様のうちの任意の態様との組合せで、圧力の所定の変化が+/−5.52kPa(0.8psi)〜13.79kPa(2.0psi)であってよく、所定の時間が1〜3秒であってよい。
【0030】
[0031]別の態様によると、単独でまたは上記態様のうちの任意の態様との組合せで、センサがタイヤ状態信号内にタイヤ充填要求を含むように構成され得る。この方法が、タイヤ充填要求を含むタイヤ状態メッセージを受信することに反応して空気のモル数の変化が起きたかどうかを、制御装置を介して決定することを含むことができる。
【0031】
[0032]別の態様によると、単独でまたは上記態様のうちの任意の態様との組合せで、タイヤ圧力調整状態の存在を決定することが、所定の車両状態の存在を決定することに基づいてよい。車両状態が、車両が停止していること、車両のイグニションがオンであること、自動変速装置の場合に車両の変速装置がパーキングであること、および、手動式変速装置の場合に車両のパーキングブレーキがかかっていること、を含むことができる。
【0032】
[0033]別の態様によると、単独でまたは上記態様のうちの任意の態様との組合せで、モル数の変化の決定が決定を行うことを含むことができ、ここでは、モル数が
【0033】
【数2】
【0034】
に関数的に関連してよく、ここでは、Pstoredが以前に記憶したタイヤ空気圧力であり、Tstoredが以前に記憶したタイヤ空気温度であり、Pmeasがタイヤ中の空気の感知した圧力であり、Tmeasがタイヤ中の空気の感知した温度である。
【0035】
[0034]別の態様によると、単独でまたは上記態様のうちの任意の態様との組合せで、圧力調整状態が存在するかどうかを決定することが、センサによって実施され得る。
[0035]別の態様によると、単独でまたは上記態様のうちの任意の態様との組合せで、圧力調整状態が存在するかどうかを決定することが、制御装置によって実施され得る。
【0036】
[0036]本発明の関連する技術分野の当業者には、添付図面を参照する以下の説明を読むことにより本発明の上記のおよび他の特徴および利点が明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】[0037]本発明の例示の一実施形態によるタイヤ状態監視システムを有する車両を示す概略図である。
図2】[0038]本発明の例示の一実施形態による、図1のタイヤ状態監視システムの一部分を示す概略図である。
図3】[0039]本発明の例示の実施形態による、図1のタイヤ状態監視システムによって実施され得る制御プロセスを示すフローチャートである。
図4】[0040]本発明の例示の実施形態による、図1のタイヤ状態監視システムによって実施され得る制御プロセスを示す別のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0038】
[0041]図1が、本発明の例示の一実施形態による、タイヤ状態監視(TCM:tire condition monitoring)システム10を有する車両12を示す。TCMシステム10はタイヤ圧力監視(TPM:tire pressure monitoring)システムと称されもよい。TCM/TPMという表記が交換可能であるということならびにシステムまたはその構成要素のためのいずれの表記の使用もそれらのそれぞれの機能または能力において追加または省略を行うものでないということを理解した上で、本説明ではシステム10およびその構成要素のTCMという表記が一貫して維持される。
【0039】
[0042]TCMシステム10が、圧力および温度を含めたタイヤ運転状態を測定および監視するように、ならびに、車両のタイヤに関連する特定の状態が存在する場合に車両の操作者に指示を提供するように、設計される。例えば、TCMシステム10が、膨張圧力が所定の値未満まで低下する場合にタイヤ低圧力アラートを提供することができるかまたは膨張圧力が所定の値を超える場合にタイヤ高圧力アラートを提供することができる。本発明の一態様によると、TCMシステム10がさらに、後でさらに詳細に説明するように、タイヤを膨張または収縮させるときに車両の操作者を補助することができる。
【0040】
[0043]図1を参照すると、車両12が、車両の右前(FR:front right)角部と、車両の左前(FL:front left)角部と、車両の右後ろ(rear right)角部と、車両の左後ろ(RL:rear left)角部とにそれぞれ位置する4つのタイヤ14を有する。各タイヤ14が関付けられるタイヤ状態監視(TCM:tire condition monitoring)センサ20を有し、このタイヤ状態監視センサ20が既知の手法でその関連付けられるタイヤのホイールに設置される。TPMセンサ20はTCMシステム10のホイールベースの構成要素である。TCMセンサ20はタイヤ圧力監視(TPM)センサと称されてもよい(TCM/TPMの表記の均等性に関する上記の説明を参照されたい)。
【0041】
[0044]各TCMセンサ20が、そのタイヤの関連する圧力および温度をそれぞれ感知するための、関連付けられる圧力センサ/トランスデューサおよび温度センサ/トランスデューサを有する。各TCMセンサ20が、例えば車両が動いているかどうかを決定するために、センサの移動を測定するように動作する加速度計をさらに有することができる。各TCMセンサ20が、無線のタイヤ状態信号を送信するための電波送信機(図示せず)をさらに有する。各TCMセンサ20から送信される信号は、搬送波周波数として当技術分野で知られる無線周波数(RF:radio frequency)信号上で搬送される、振幅シフトキー(AKS:amplitude shift key)、周波数シフトキー(FSK:frequency shift key)などの、デジタル符号変調のフォーマットの形態であってよい。
【0042】
[0045]各TCMセンサ20から送信されるタイヤ状態信号は、通常、固有のTCMセンサ送信機識別(ID:identification)情報と併せて、関連付けられるタイヤ14のための感知した圧力および温度情報を含む符号信号である。各TCMセンサ20ユニットが関連付けられる送信機IDを有し、各TCMセンサユニットが1つのタイヤに関連付けられることから、送信機IDがタイヤIDとしても機能することができ、本明細書ではタイヤIDとも称され得る。
【0043】
[0046]TCMシステム10が、各TCMセンサ20からの信号を受信および処理するための1つまたは複数の車両ベースの構成要素30をさらに有する。車両ベースのTCM構成要素30は、例えば、TCM受信機/制御装置32(以下、TCM制御装置)、および、車両の操作者に可聴アラートおよび/または視覚アラートを提供するための車両アラートモジュール36を有することができる。TCM制御装置32が、TCMセンサ20からの信号を受信するためのアンテナ34を有する。TCM制御装置32が、必要な周辺回路、制御プロセスの必要な機能を実行するように設計される別個の回路、または、本発明の特定の機能を実行するように設計される特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)と併せて、マイクロコンピュータ、マイクロプロセッサを備えるECUを例えば有することができる。
【0044】
[0047]車両システムの構成およびアーキテクチャは多様であってよいことから、図1ではTCMシステム10が概略的に示される。しかし、実装され得る車両ベースのTCM構成要素30の1つの特定の構成が図2に示される。この構成では、TCM制御装置32が、TCMセンサ20、ならびに、車両安全システム/盗難防止システムおよびキーレスイグニションシステムなどの他の無線車両システムからの無線信号を受信および処理することができる無線周波数のハブモジュール(RFHM:radio frequency hub module)である。RFHM32が、車両制御装置のエリアネットワークまたはCANバス40を介して、一般にボディ制御モジュール(BCM:body control module)と称される車両制御モジュール38と通信する。RFHM32および/またはBCM38がさらに、CANバス40を介して車両アラートモジュール36と通信することができ、車両アラートモジュール36が、車両の計器類(例えば、インストルメントクラスタ)、情報コンソールディスプレイ、車両のホーン、セキュリティチャープデバイス、車両のライト、または、それらの組合せの形態であってよい。
【0045】
[0048]TCM制御装置32が、車両イグニションの状態つまりオンであるかまたはオフであるか、車両の変速装置がパーキングであるかどうか、パーキングブレーキがかかっているかどうか、車両の速度、などの、1つまたは複数の車両の状態を監視するように構成される。TCMセンサ22からの受信した圧力および温度の情報に反応して、TCM制御装置32が、タイヤ状態情報を車両の操作者に提供するように車両アラートモジュール36を制御する。各TCMセンサ20が固有のIDを有することから、TCM制御装置32が、各TCMセンサから受信した信号を車両上の関連付けられるタイヤロケーションに結び付けることができ、それにより、そのタイヤ状態の情報に関連するのがどのタイヤであるのかの指示を提供することができる。
【0046】
[0049]TCMシステム10が、TCMセンサ20から受信されるデータにより決定されるタイヤ14の動作状態を監視するように動作可能である。これらの状態には、例えば、タイヤ膨張圧力、温度、および、タイヤが動いているかどうか、が含まれてよい。監視される状態に基づいて、TCMシステム10が、タイヤの最新の膨張圧力、または、タイヤのうちの1つまたは複数のタイヤが低圧力状態を有するというアラート、などの、情報/アラートを車両の操作者に提供することができる。TCMシステム10が、上で言及した米国特許第6,612,165号および米国特許第8,818,619号に記載されるように、任意の既知の手法でこの機能を実行することができる。
【0047】
[0050]本発明の一態様によると、TCMシステム10がさらに、車両の操作者が圧力調整を実施するタイミングつまり車両のタイヤを膨張または収縮させるタイミングを決定することができる。タイヤ圧力調整を決定することに反応して、TCMシステム10が補助モードに入ることができ、適切な膨張圧力に達していないこと、適切な膨張圧力に達したことおよび適切な膨張圧力を超えたことなどの指示を操作者に出すことにより、膨張プロセスまたは収縮プロセスにおいて車両の操作者を補助することができる。
【0048】
[0051]これらの圧力調整イベントの圧倒的大多数が収縮イベントとは対照的な膨張イベントであることから、この状態を説明するのに「タイヤ充填」という用語が使用される。この用語はシステムをタイヤ膨張イベントのみに限定することを意味されず、むしろ、空気を追加する場合であろうと空気を除去する場合であろうと、タイヤに対して操作者が任意の圧力調整を実施することを示すものである。タイヤ充填状態に反応して、TCMシステム10がタイヤ充填補助(TFA:tire fill assist)モードに入ることができ、ここでは、TCMシステムが、タイヤ圧力調整を行うことにおいて車両の操作者を補助する指示および/またはフィードバックを提供する。
【0049】
TCMセンサ、TFAオペレーション
[0052]TCMセンサは、タイヤ状態を感知または測定してそれらの状態に関連するデータを送信するのに、多様な形で動作することができる。例えば、一構成では、TCMセンサ20が、パークモード、ローカライズモード、ドライブモードおよびインタラムモード、の4つの主要なモードで動作することができる。パークモードおよびインタラムモードは、TCMセンサ20が、車両が停止している(つまり、モーション=0)ことを検出する場合にのみ、行われる。ローカライズモードおよびドライブモードは、TCMセンサ20が、車両が移動している(つまり、モーション=1)ことを検出する場合にのみ、行われる。
【0050】
[0053]各モードで、TCMセンサ20が、所定のペースで感知されるタイヤ動作状態を測定および送信することができる。例えば、多様な動作モードでこのような測定および送信のうちのいくつかを実施するようにTCMセンサ20を構成することができる場合のいくつかのペースが表1に示される。
【0051】
【表1】
【0052】
[0054]動作中、TCMセンサ20が初期化されてパークモードとなる。車両のモーション時、センサ20がパークモードからローカライズモードに入る。ローカライズモードでは、TCMセンサ20がTCM制御装置32にデータを送信し、制御装置が、このデータを使用して、各センサに関連付けられるタイヤ位置(つまり、FL、FR、RL、RR、(図1を参照))を決定する。例えば、TCM制御装置32が、TCMセンサ20から受信されるデータ(例えば、センサID、検出されるモーション、ローカライズモード)、ならびに、車両のアンチロックブレーキ(ABS:anti−lock brake)システムからのホイール回転情報などの他の車両情報を使用することにより、車両上のTCMセンサ20の位置を決定することができる。
【0053】
[0055]ローカライズモードは任意の既知の手法で実施され得る。ローカライズモードで実施され得るタイヤロケーション識別手法の例が、「METHOD AND APPARATUS FOR ASSOCIATING TIRES WITH TIRE LOCATIONS OF A VEHICLE」と題されるJuzswikの米国特許第6,879,252号および「METHOD AND APPARATUS FOR DETERMINING IDENTIFIABLE TIRE POSITION LOCATION IN A TIRE PRESSURE MONITORING SYSTEM」と題されるJuzswikの米国特許第7,948,364(B2)号に開示されており、その開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0054】
[0056]ローカライズモードが完了するかまたは時間切れになると、車両が動いている場合、TCMセンサ20がドライブモードに入り、ここでは、TCMセンサ20が、車両が止まるようになるまで、この状態を維持する。車両が動いており、したがって、ドライブモードまたはローカライズモードのいずれかにおいて停止するようになると、TCMセンサ20がインタラムモードに入る。車両が例えば15分といったように途切れない所定の時間で停止すると(モーション=0)、TCMセンサ20がパークモードに入る。インタラムモード中に車両のモーションが生じると、TCMセンサ20がインタラムモードに入る前のモードに戻り、これはドライブモードまたはローカライズモードのいずれかである。
【0055】
[0057]各モードで、TCMセンサ20がデータを収取し、表1に従ってタイヤ状態(TC:tire condition)メッセージを送信する。したがって、例えば、ドライブモードにある場合、TCMセンサ20が16秒ごとに圧力を測定および記憶し、64秒ごとにそのタイヤ圧力および温度をTCM制御装置32に送信する。TCM制御装置32が送信される圧力データおよび温度データを受信し、センサIDに対応するタイヤロケーションにそのデータを割り当て、任意の適用可能な車両システムおよびディスプレイを更新する。
【0056】
[0058]ドライブモードでは、TCMセンサ20が、最新の圧力測定値と、以前に記憶した圧力測定値とを比較する。最も新しく測定された圧力と最後に測定された圧力との間の差が8.27kPa(1.2psi)などの所定の値を超えると、圧力がTCM制御装置32に迅速に送信され、その結果、TCMシステム10が更新され得、車両の操作者が圧力の変化に関するアラートを受けることができる。本発明によると、TPMシステム10が、車両の操作者がタイヤを膨張または収縮させることができる状態を決定することに反応して、タイヤ充填補助(TFA)モードを実施するように構成される。車両の操作者は車両が停止しているときのみタイヤを膨張/収縮させることができることから、TCMセンサ20がインタラムモードまたはパークモードのいずれかにあるときのみTFAモードが利用可能となる。本明細書で説明される例示の実施形態では、TCMセンサ20が、タイヤの充填を行うことができることを決定し、それに反応して、送信されるタイヤ状態メッセージ内にタイヤ充填要求(TFR:tire fill request)フラグを設定する。TCM制御装置32が、操作者が実際にタイヤを膨張または収縮させていることおよびTFRフラグが単に温度変化によって誘発される圧力変化(例えば、タイヤの加熱および冷却)ではないこと、を決定した場合、センサ20からTFRメッセージを受信することに反応して、TCM制御装置32がTFAモードに入ることができ、タイヤを膨張させることの命令を車両の操作者に出すことができる。
【0057】
[0059]表1を参照すると、インタラムモードおよびパークモードにおいて、TCMセンサ20が、車両の操作者のためのフィードバックのためにTFAモードに迅速に入るのを容易にするために、2秒ごとにタイヤ圧力を測定する。TCMセンサ20が、圧力の所定の変化を検出することのみに反応してタイヤ状態メッセージを送信する。インタラムモードまたはパークモードにあるとき、TCMセンサが図3に示されるプロセスに従って動作する。
【0058】
[0060]図3が、センサがタイヤ内の圧力を測定するごとにTCMセンサ20によって実施されるTFMプロセス100を示す。TFMプロセス100は102で開始されてステップ104へと進み、ここでは、TCMセンサ20がパークモードまたはインタラムモードにあるかどうかの決定が行われる。TCMセンサ20がパークモードまたはインタラムモードにない場合、プロセス100がステップ122へと進み、TFRフラグがリセットされ(TFR=0)、プロセスが次の圧力測定のためにステップ102に戻る。ステップ104で、TCMセンサ20がパークモードまたはインタラムモードにある場合、プロセス100がステップ106へと進み、ここでは、ΔPが、測定される圧力(Pmeas)と最後に送信された圧力(Pstored)との間の差の絶対値として、
ΔP=abs[Pmeas−Pstored
に従って計算される。
【0059】
[0061]次いで、プロセス100がステップ108へと進み、ここでは、TFRフラグが設定されている(TFR=1)かどうかの決定が行われる。TFRフラグが設定されていない場合、プロセス100がステップ110へと進み、ここでは、例えば≧8.27kPa(1.2psi)であるといったように、操作者によりタイヤを膨張または収縮させることができることを示すように選択される所定の圧力値(P1)よりΔPが大きいかどうかの決定が行われる。ΔPが閾値P1より大きくない場合、プロセス100が次の圧力測定のためにステップ102に戻る。
【0060】
[0062]ステップ110でΔPが所定の値より大きい(例えば、≧8.27kPa(1.2psi))ことが決定される場合、プロセス100がステップ112へと進み、ここでは、TFRフラグが設定され(TFR=1)、タイヤ状態メッセージがTCM制御装置32に送信される。さらに、ステップ112で、TFRタイマー(例えば、24秒)が開始され、圧力測定ペース(Prate)が増大する(例えば、2秒の代わりに1秒)。送信されるタイヤ状態メッセージが、測定される圧力、温度、TFRフラグを含む。タイヤ状態メッセージが送信されるごとに、TCMセンサ20がPstoredを更新する。プロセス100が、増大した圧力測定ペースでの次の測定のためにステップ102に戻る。
【0061】
[0063]ステップ108でTFRフラグが既に設定されている場合(センサが既にTFRモードにあることを示す)、プロセス100がステップ114へと進み、ここでは、依然として操作者がタイヤを膨張または収縮させることのさらなる指示/確認を行うために選択される第2の所定の値(P2)よりΔPが大きいかどうかの決定が行われる。TFRフラグが既に設定されており、Prateが増大している(1秒)ことから、ΔPのための第2の所定の値は例えば≧5.52kPa(0.8psi)といったように第1の値より小さくてよい(P2<P1)。ΔPがこの閾値P2より大きくない場合、プロセス100がステップ116でTFRタイマーが時間切れであるかどうかを決定する。車両の操作者がタイヤ圧力の調整を止める場合などのようにタイマーが時間切れの場合、ステップ118でTFRフラグがリセットされ、圧力測定ペースが非TFMペース(例えば、2秒)へ戻るように設定される。次いで、プロセスが次の圧力測定のためにステップ102へと進む。
【0062】
[0064]ステップ114でΔPが第2の値より大きい(例えば、≧5.52kPa(0.8psi))ことが決定される場合、プロセス100がステップ120へと進み、ここでは、TFRタイマーが再スタートされ、TFRメッセージがTCM制御装置32へ送信される。TCMセンサ20がPstoredを更新する。プロセス100が、増大した圧力測定ペースでの次の圧力測定のためにステップ102に戻る。
【0063】
TFAモードの決定
[0065]本発明によると、TCMシステム10が、空気がタイヤに追加されているかどうかまたは空気がタイヤから除去されているかどうかおよび温度変化を原因とする圧力変化のみではないかどうかを検出することを目的として、理想気体の法則を使用することにより、TFAモードに入るべきかどうかを決定する。本明細書で説明されるように、任意の所与のタイヤ中の空気のモル数または質量の変化は、単純化された形態の理想気体の法則に関数的に関連する。したがって、空気質量の増加つまりモル数の増加がタイヤの膨張を示し、空気質量の減少つまりモル数の減少がタイヤの収縮を示す。このようにして、TCMシステム10がタイヤ充填状態を検出することができ、それに従って操作者を補助するためにTFAモードに入ることができる。
【0064】
[0066]方程式1が、タイヤ充填補助機能を可能にするためにTCMシステム10が実現することになる関数的等価(functional equivalence)を示す。
【0065】
【数3】
【0066】
[0067]方程式1では、Δnが任意特定のタイヤ中の空気のモル数の変化を示しており、その理由は、これが、以前に記憶されたおよび最新の測定された圧力および温度の値に関数的に関連するからである。ここでは、方程式1が、タイヤ中の空気の質量またはモル数とタイヤ中の空気の圧力および温度の変化との間の関数的関係を表すことに留意されたい。この方程式では、Pmeasが最新の測定される圧力の示数(測定値)であり、Pstoredが以前に記憶された圧力の示数であり、Tmeasが最新の温度の示数であり、Tstoredが以前に記憶された温度の示数である。
【0067】
[0068]方程式1は単純な形態の理想気体の法則を採用する。理想気体の法則はPV=nRTであり、ここでは、Pが圧力であり、Vが体積であり、nが気体のモル数であり、Rがボルツマン定数およびアボガドロ定数に関数的に関連する理想気体定数であり、Tが絶対零度より高い温度である(つまり、0ケルビンより高い)。リム上にある所与のラジアルタイヤの場合、広範囲の温度および圧力においてタイヤの体積は実質的に一定である。Vが一定であると考えられてよく(ラジアルタイヤの場合に当てはまる)、Rが定義によれば一定であることから、理想気体の法則は単純化される形態へと簡略化され、ここでは、n=P/Tに従ってモル数nが圧力および温度に関数的に関連する。nの値は、それ自体はタイヤ中の空気のモルの直接の測定値ではないが、タイヤ中の空気のモルに関数的に関連し、したがって、この値の増加または減少は、タイヤ中の空気のモルの対応する増加または減少に正比例する。
【0068】
[0069]方程式1の計算はTCMシステム10の任意の構成要素によって実施され得、例えば、TCM制御装置32、TCMセンサ20、または、これらの構成要素の組合せによって実施され得る。後で説明する例示の実施形態では、決定がTCM制御装置32によって実施される。決定はTCMセンサ20によっても実施され得ることから、本発明によるTFAモードの決定の実施はこの実施例のみに限定されない。
【0069】
TCM制御装置、TFA状態のオペレーション
[0070]例えば、速度=0である、車両がパーキングに入っている(自動変速装置)、パーキングブレーキがかかっている(手動式変速装置)、イグニションがオンである(ACCまたはRUN)、などいったようなTFAモードが可能であるような車両状態下で、TCM制御装置32が設定されたTFRフラグを有するタイヤ状態メッセージ(本明細書では、TFRメッセージと称される)を受信すると、制御装置がそのTCMセンサ20に対してTFA保留状態を割り当てる。次いで、制御装置32が、そのセンサから最後に受信した非TFAモードのタイヤ状態メッセージからの記憶される圧力値および温度値をPstoredおよびTstoredとして使用して、方程式1の計算を実施する。TFRメッセージ内の受信される圧力値および温度値が方程式1においてPmeasおよびTmeasとして使用される。TCM制御装置32がΔnを計算し、タイヤ中の空気のモル数/質量の増加または減少が所定の値を超えることがこの計算よって示される場合、TCM制御装置32がそのTCMセンサ20のためのTFAモードに入る。モル数の所定の値は、タイヤ圧力の約2.67kPaまたは8.27kPa(1.2psi)などといったような所定の変化に釣り合う変化に関連する値であってよい。
【0070】
[0071]Δnの計算が所定の増加値/減少値に適合しないかまたはそれを超える場合、TCM制御装置がそのセンサのためのTFA保留フラグを維持し、そのセンサからの次のタイヤ状態メッセージを待つ。そのセンサからの次のTFRメッセージを受信すると、TCM制御装置32がΔnを再計算し、そのセンサから最後に受信した非TFAモードのタイヤ状態メッセージからの記憶される圧力値および温度値をやはりPstoredおよびTstoredとして使用するが、新たに受信した値をPmeasおよびTmeasとして使用して、Δnを再計算する。再計算されたΔnがタイヤ充填イベントを示す場合、TCM制御装置32がそのTCMセンサ20のためのTFAモードに入る。示さない場合、TCM制御装置32がそのセンサ20のためのTFA保留状態を維持し、次の送信を待つ。このサイクルは、以下のうちの1つが行われるまで、継続する。
【0071】
・制御装置がセンサのためのTFAモードに入る
・車両状態(速度≠0など)がTFAモードをキャンセルする
・センサがTFRメッセージをそれ以上送らない(つまり、センサがドライブモードにある)
・別のセンサがTFAモードに入る。
【0072】
[0072]複数のタイヤが同時にTFRメッセージを送信することができる。これは、例えば、車両が静止状態となり、エンジンおよびブレーキからの熱がタイヤ中の空気を加熱する場合などの、温度の上昇を理由として圧力が急速に増加する場合に、起こる可能性がある。したがって、TCM制御装置32は、TFA保留状態を複数のタイヤ/センサに同時に割り当てることができる。これが行われるとき、TCM制御装置32が方程式1を介して圧力増加がタイヤ充填イベントを原因とすることを決定する場合、TCM制御装置32が、この状態を満たす第1のタイヤ/センサのためのTFAモードに入る。TCM制御装置32が任意の1つのタイヤ/センサ20のためのTFAモードに入ると、制御装置が、制御装置がTFAモードから出るまで、その時点でTFA保留である他のすべてのタイヤ/センサをTFA保留状態で維持する。以下のうちの1つが行われるまで、TCM制御装置32がTFAモードを維持し、TCMセンサ20を充填することにおいて車両の操作者を補助する:
・車両状態(速度≠0など)がTFAモードをキャンセルする
・センサがTFRメッセージをそれ以上送らない(つまり、センサがドライブモードにある)
・所定の短い時間(例えば、5秒)において補助されるTCMセンサ20からのおよびTFA保留の別のTCMセンサ20からの新しいTFRメッセージがTFAに適さない
・所定の長い時間(例えば、30秒)において補助されるTCMセンサ20から新しいTRFメッセージがない。
【0073】
タイヤ充填補助プロセス
[0001]TCM制御装置32がタイヤ/センサのためのTFAモードに入ると、TCMシステムが、タイヤ膨張/収縮プロセスを補助することを意図される指示を操作者に提供するためのプロセスを実施する。概してTCMシステム10により、またより具体的には、TCM制御装置32により実施されるTFAプロセス150が図4に示される。図4を参照すると、ステップ152において制御装置がセンサのためのTFAモードに入るときにプロセス150が開始され、ステップ154へと進み、ここでは、TCM制御装置32が、TFAモードに入ったことを示すアラートを車両の操作者に対して送ることを開始する。TFAモードのアラートは、視覚アラート、可聴アラート、または、視覚および可聴の両方のアラートであってよい。一実施例では、TFAモードのアラートが、TFAモードの継続時間の間、および、センサ20からの各TFRメッセージを受信した後の一定の時間(例えば、30秒)の間、車両のハザードランプを光らせることを含む。
【0074】
[0002]次いで、プロセス150がステップ156へと進み、ここでは、TFMメッセージ内の受信される圧力値Pmeasが、車両の製造業者によって指示されるプラカードの圧力などの所定の値と比較される。TCM制御装置32が、当技術分野で既知であるように、環境大気圧および他の状態を考慮に入れて、測定される圧力Pmeasを補償することができる。
【0075】
[0003]ステップ156で、プラカードの圧力がいくらかの小さい許容範囲内で達成されることが決定される場合、プロセス150がステップ158へと進み、タイヤ充填アラートが発せられる。タイヤ充填アラートは、視覚アラート、可聴アラート、または、視覚および可聴の両方のアラートであってよい。一実施例では、ステップ158で発せられるタイヤ充填アラートが単一のホーンチャープである。プロセス150がステップ158からステップ152へと戻るように進み、TFRメッセージを介する次の圧力の示数を待ち、上述したようにステップ154および156を介して進む。このようにして、TCM制御装置32が可聴/視覚のTFAモードアラートを操作者に継続して送る。ステップ156でプラカードの圧力が達成されていないことが決定されると、プロセス150がステップ160へと進む。
【0076】
[0004]タイヤが過度に充填されているかどうかまたは不足して充填されているかどうかに関する決定が行われる(例えば、+/−10%などで、所定の量だけプラカードの圧力を超える)。TFAにおいてセンサ20に関連付けられるタイヤが依然として過度にまたは不足して充填されていない場合、プロセス150がステップ152へと戻り、そこからは上述したように進む。TFAにおいてセンサ20に関連付けられるタイヤが過度にまたは不足して充填されている場合、プロセス150がステップ162へと進み、タイヤ過度/不足充填アラートが発せられ、ステップ152へと戻る。このアラートは、視覚アラート、可聴アラート、または、視覚および可聴の両方のアラートであってよい。一実施例では、過度/不足充填アラートが2〜3秒ごとなどの所定の間隔で発せられる二重のホーンチャープであってよく、この間、タイヤ圧力が所定の大きさを超えるように継続して増加する。
【0077】
[0005]本発明の上記の説明から、当業者であれば、改善、変更形態および修正形態に気づくであろう。当技術分野の技術の範囲内にあるこのような改善、変更形態および修正形態は、添付の特許請求の範囲によって包含されることを意図される。
[形態1]
タイヤ状態監視装置であって、
タイヤ動作状態を感知して前記感知したタイヤ動作状態を含むタイヤ状態信号を送信するように構成されるタイヤベースのセンサと、
前記タイヤ状態信号を受信して前記タイヤ動作状態を監視するように構成される車両ベースの制御装置と
を備え、
前記センサおよび前記制御装置のうちの少なくとも1つが、
前記感知した動作状態に基づいて前記タイヤ中の空気のモル数の所定の変化が起こったことを決定することに反応して、タイヤ圧力調整状態が存在することを決定する
ように構成される、タイヤ状態監視装置。
[形態2]
形態1に記載の装置において、前記送信されるタイヤ状態信号内の前記タイヤ動作状態が、前記タイヤ中の空気の感知される圧力および温度を含む、装置。
[形態3]
形態1に記載の装置において、前記制御装置が、タイヤ圧力調整状態が存在することを決定することに反応してタイヤ充填補助モードに入るように構成される、装置。
[形態4]
形態3に記載の装置において、前記制御装置が、前記タイヤ充填補助モードにある場合に、以下の状態:前記制御装置が前記タイヤ充填補助モードにある状態、タイヤ圧力が所定の圧力未満である状態、タイヤ圧力が前記所定の圧力と等しい状態、および、タイヤ圧力が前記所定の圧力を超える状態、のうちの少なくとも1つの状態を示す視覚アラートおよび可聴アラートのうちの少なくとも1つを提供するように構成される、装置。
[形態5]
形態4に記載の装置において、前記所定の圧力が車両の製造業者によって決定される車両プラカードの圧力である、装置。
[形態6]
形態4に記載の装置において、前記アラートが、車両ホーンチャープ、車両ライトフラッシュ、車両計器パネル指示、および、車両センターコンソール指示、のうちの少なくとも1つを含む、装置。
[形態7]
形態1に記載の装置において、前記センサが、前記タイヤ内の圧力を測定し、所定の時間内での測定した圧力の所定の変化を決定することに反応してタイヤ充填要求モードに入るように、構成される、装置。
[形態8]
形態1に記載の装置において、前記センサが、前記タイヤ内の圧力を測定し、圧力値を最後に送信して以降の測定した圧力の所定の変化を決定することに反応してタイヤ充填要求モードに入るように、構成される、装置。
[形態9]
形態8に記載の装置において、圧力の前記所定の変化が+/−5.52kPa(0.8psi)〜8.27kPa(1.2psi)であり、前記所定の時間が1〜3秒である、装置。
[形態10]
形態8に記載の装置において、前記センサが前記タイヤ状態信号内にタイヤ充填要求を含むように構成され、前記制御装置が、前記タイヤ充填要求指示を含むタイヤ状態メッセージを受信することに反応して空気のモル数の変化が起きたかどうかを決定するように構成される、装置。
[形態11]
形態1に記載の装置において、前記センサが、前記圧力調整状態が存在するかどうかを決定するように構成される、装置。
[形態12]
形態1に記載の装置において、所定の車両状態が存在しない限り、タイヤ圧力調整状態の存在の決定が阻止され、前記車両状態が、前記車両が停止していること、車両のイグニションがオンであること、自動変速装置の場合に車両の変速装置がパーキングであること、および、手動式変速装置の場合に車両のパーキングブレーキがかかっていること、を含む、装置。
[形態13]
形態1に記載の装置において、前記タイヤ中の空気のモル数の所定の変化が起きたことの決定が、Pstored/Tstored−Pmeas/Tmeasに関数的に関連し、ここでは、Pstoredが以前に記憶したタイヤ空気圧力であり、Tstoredが以前に記憶したタイヤ空気温度であり、Pmeasが前記タイヤ中の空気の感知した圧力であり、Tmeasが前記タイヤ中の空気の感知した温度である、装置。
[形態14]
タイヤベースのセンサおよび車両ベースの制御装置を有するタイヤ状態監視システムを用いて車両タイヤ状態を監視するための方法であって、前記方法が、
前記センサを介してタイヤ動作状態を感知するステップと、
前記感知したタイヤ動作状態を含む信号を、前記センサを介して送信するステップと、
前記制御装置を介して前記信号を受信するステップと、
前記感知した動作状態に基づいて前記タイヤ中の空気のモル数の所定の変化が起こったことを決定することに反応して、タイヤ圧力調整状態が存在することを決定するステップと
を含む、方法。
[形態15]
形態14に記載の方法において、前記送信される信号内の前記タイヤ状態が、前記タイヤ中の空気の感知した圧力および温度を含む、方法。
[形態16]
形態14に記載の方法において、タイヤ圧力調整状態の存在の決定に反応して前記制御装置がタイヤ充填補助モードに入るステップをさらに含む、方法。
[形態17]
形態16に記載の方法において、前記タイヤ充填補助モードにある場合に前記制御装置を介して視覚アラートおよび可聴アラートのうちの少なくとも1つを提供するステップであって、以下の状態:前記制御装置が前記タイヤ充填補助モードにあること、タイヤ圧力が所定の圧力未満であること、タイヤ圧力が前記所定の圧力に等しいこと、および、タイヤ圧力が前記所定の圧力を超えること、のうちの少なくとも1つを示す、ステップをさらに含む、方法。
[形態18]
形態17に記載の方法において、前記所定の圧力が、車両の製造業者によって決定される車両プラカードの圧力である、方法。
[形態19]
形態17に記載の方法において、視覚アラートおよび可聴アラートのうちの前記少なくとも1つが、車両ホーンチャープ、車両ライトフラッシュ、車両計器パネル指示、および、車両センターコンソール指示、のうちの少なくとも1つを含む、方法。
[形態20]
形態14に記載の方法において、前記センサを介して前記タイヤ内の圧力を測定するステップをさらに含み、前記センサが、値を最後に送信して以降の測定した圧力の所定の変化を決定することに反応してタイヤ充填要求モードに入るように構成される、方法。
[形態21]
形態14に記載の方法において、前記センサを介して前記タイヤ内の圧力を測定することをさらに含み、前記センサが、所定の時間内での測定した圧力の所定の変化を決定することに反応してタイヤ充填要求モードに入るように構成される、方法。
[形態22]
形態14に記載の方法において、圧力の前記所定の変化が+/−5.52kPa(0.8psi)〜13.79kPa(2.0psi)であり、前記所定の時間が1〜3秒である、方法。
[形態23]
形態14に記載の方法において、前記センサが前記タイヤ状態信号内にタイヤ充填要求を含むように構成され、前記方法が、前記タイヤ充填要求を含むタイヤ状態メッセージを受信することに反応して空気のモル数の変化が起きたかどうかを前記制御装置を介して決定するステップをさらに含む、方法。
[形態24]
形態14に記載の方法において、タイヤ圧力調整状態の存在を決定するステップが、所定の車両状態の存在を決定することに基づき、前記車両状態が、前記車両が停止していること、車両のイグニションがオンであること、自動変速装置の場合に車両の変速装置がパーキングであること、および、手動式変速装置の場合に車両のパーキングブレーキがかかっていること、を含む、方法。
[形態25]
形態15に記載の方法において、モル数の変化を決定するステップが、決定を行うステップであって、ここではモル数がPstored/Tstored−Pmeas/Tmeasに関数的に関連し、ここでは、Pstoredが以前に記憶したタイヤ空気圧力であり、Tstoredが以前に記憶したタイヤ空気温度であり、Pmeasが前記タイヤ中の空気の感知した圧力であり、Tmeasが前記タイヤ中の空気の感知した温度である、ステップを含む、方法。
[形態26]
形態15に記載の方法において、前記圧力調整状態が存在するかどうかを決定するステップが、前記センサによって実施される、方法。
[形態27]
形態15に記載の方法において、前記圧力調整状態が存在するかどうかを決定するステップが、前記制御装置によって実施される、方法。
図1
図2
図3
図4