特許第6545377号(P6545377)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6545377
(24)【登録日】2019年6月28日
(45)【発行日】2019年7月17日
(54)【発明の名称】ダイヤフラム変位流量計
(51)【国際特許分類】
   G01F 1/28 20060101AFI20190705BHJP
【FI】
   G01F1/28 C
【請求項の数】18
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-519336(P2018-519336)
(86)(22)【出願日】2015年10月14日
(65)【公表番号】特表2018-530759(P2018-530759A)
(43)【公表日】2018年10月18日
(86)【国際出願番号】US2015055463
(87)【国際公開番号】WO2017065760
(87)【国際公開日】20170420
【審査請求日】2018年5月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】500205770
【氏名又は名称】マイクロ モーション インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ランハム, グレゴリー トリート
【審査官】 森 雅之
(56)【参考文献】
【文献】 特許第5269285(JP,B2)
【文献】 実開昭58−110819(JP,U)
【文献】 特開昭60−104221(JP,A)
【文献】 特表昭57−500391(JP,A)
【文献】 特許第5923813(JP,B2)
【文献】 特公昭58−22967(JP,B2)
【文献】 特公平3−27257(JP,B2)
【文献】 国際公開第2009/072117(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流量計(5)であって、
プロセス材料の流れを受け入れるように構成されたハウジング(28)と、
該ハウジング(28)内に配置され、プロセス材料の流れによって撓み可能であるダイヤフラム(18)であって、プロセス材料が通過することを許すように構成された開口(42)と、プロセス材料が通過することを許すように構成された第2の開口(50)を有する感知リング(20)を備えたダイヤフラム(18)と、
感知リング(20)の位置によってダイヤフラム(18)の撓みを検知するように構成された磁気センサ(48)を備え、
プロセス流体の流れを測定するように構成される、流量計(5)。
【請求項2】
センサ(48)はホール効果センサである、請求項に記載の流量計(5)。
【請求項3】
更に、センサ(48)に近接して配置された磁石(52)を含む、請求項1又はに記載の流量計(5)。
【請求項4】
更に、流量計(5)を受け入れるように構成されたベース(12)を備える、請求項1乃至に記載の流量計(5)。
【請求項5】
センサ(48)はベース(12)に配置される、請求項に記載の流量計(5)。
【請求項6】
更に、プロセス材料の温度を検知するように構成された温度センサ(34)を備える、請求項1乃至に記載の流量計(5)。
【請求項7】
温度センサ(34)はベース(12)内に配置される、請求項に記載の流量計(5)。
【請求項8】
更に、関連するデータを構成する流量計を備えたデータ送信器(56)と、ベース(12)を備えたデータ受信器(58)を備え、データ送信器(56)に関連するデータはデータ受信器(58)と通信可能である、請求項4、5及び7の何れかに記載の流量計(5)。
【請求項9】
ダイヤフラム(18)の撓みはプロセス材料の流れに比例する、請求項1乃至の何れかに記載の流量計(5)。
【請求項10】
流量計を介してプロセス材料の流れを測定する方法であって、
プロセス材料の流れを受け入れるように構成され、内部に配置されたダイヤフラムを有するハウジングを付与する工程と、
ダイヤフラム上に感知リングを付与する工程と
感知リングの位置を検知してダイヤフラムの撓みを検知するように構成された磁気センサを付与する工程と、
プロセス材料が通過することを許すように構成される開口をダイヤフラムに形成し、プロセス材料が通過することを許すように構成される第2の開口を感知リングに形成する工程と、
ハウジングを通ってプロセス材料を流す工程と、
プロセス材料の流れ力を用いてダイヤフラムを撓ませる工程と、
プロセス材料の流れを測定する工程を備える、方法。
【請求項11】
ダイヤフラムの撓みはプロセス材料の流れに比例する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
センサはホール効果センサである、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
更に、センサに近接して磁石を置く工程を備える、請求項10乃至12の何れかに記載の方法。
【請求項14】
更に、流量計を受け入れるように構成されたベースを付与する工程を備える、請求項10乃至13の何れかに記載の方法。
【請求項15】
センサはベースに配置される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
更に、プロセス材料の温度を検知するように構成された温度センサを付与する工程を備える、請求項10乃至15の何れかに記載の方法。
【請求項17】
温度センサはベース内に配置される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
更に、流量計を備えたデータ送信器を付与する工程と、
データ送信器を用いてデータを送信する工程と、
ベースを備えたデータ受信器を付与する工程と、
データ受信器を用いてデータを受信する工程とを備える、請求項14乃至16の何れかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下に記載された実施形態は、流体流れの分野に関し、より詳細には、改善されたダイヤフラム変位流量計、及び関連する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
流量計及び流量センサは、多くの用途で利用されており、幾つか例を挙げると、医療産業、化学工業、自動車産業、及び食品及び飲料産業に採用されている。非常に低コストの流量計の解決策を持つことが望ましいことが多く、一部の環境では使い捨て流量計が必要である。例えば、医療環境では、流量計は生体有害物質で汚染されている可能性があり、使用後にオートクレーブまたは廃棄が必要となり、どちらも高価になる。
【0003】
低コスト流量計と考えられる現在の技術は、蠕動ポンプ流量計、タービン流量計及び差圧流量計を含む。これらの流量計は低コストと考えられているが、まだ比較的高価である。蠕動ポンプのチューブ以外は、一般に使い捨てとは考えられない。
【0004】
蠕動ポンプから流量を得ることができることは周知である。蠕動ポンプを通る流れは、ポンプの回転速度に比例するとして計算される。流量は単に回転速度に較正係数を乗算することによって計算することができる。さらに、チューブを交換することにより、再較正が必要になることがあり、これは操作コストを増大させる。
【0005】
差圧流量計は、導管内の狭窄部を利用して、狭窄部を横切る圧力降下を生成する。流量計を通る流れが増加するにつれて、圧力低下が増加し、より容易に測定可能である。このような流量計に適用されるベルヌーイ(Bernoulli)の式は、狭窄部の圧力降下が流量の二乗に比例すると述べている。狭窄部の前後の圧力を測定することにより、圧力降下が測定され、流量と関連付けられる。しかし、差圧センサは、典型的には、低差圧/低流量では低い精度を示す。また、摩耗や蓄積によって精度が低下することがある。さらに、これらの流量計は一般に、そのコストのために使い捨て可能であるとは考えられない。
【0006】
タービン流量計もまた、当該技術分野において周知であり、種々の用途において使用される。例えば、タービンは流量計本体の円筒形ボア内に配置され、流体がボアを通過し、これにより、流体の流量に実質的に比例する速度でタービンが回転する。しかし、低い流量にて、タービン速度と流量との関係が非線形になる傾向があり、流量計の精度が低下する。例えば、磁気ピックアップコイルがタービンの回転を検出するために使用される場合、検出可能な電流変化を誘発するのに十分な磁気抵抗の変化は、低速ではほとんど存在しない。従って、磁気ピックアップコイルタービン流量計は、低流量システムにとっては不適切な選択である。
【0007】
例えば、医療産業では、体液が通過する幾つかの数の医療機器で使用できる流量計が必要とされている。一旦、医療プロセスが完了したら、流量計を加圧滅菌又は廃棄する必要がある。現行の蠕動ポンプは選択される方法ではあるが、これらの装置は、上記のように、比較的高価であり、特に信頼できるものではなく、不正確である傾向がある。
【0008】
以下に記載された実施形態は、正確で安価で使い捨ての流量計を提供する。本発明の目的は、正確であるが安価である流体流れを測定する実施形態を提供することにある。本発明の目的は、使い捨てである流体流れ測定用の実施形態を提供することにある。本発明の目的は、ダイヤフラムの変位を利用して流体の運動量を測定するための実施形態を提供することにある。これら及び他の目的はここに提供され、当該技術分野における進歩が達成される。
【発明の概要】
【0009】
発明の要約
実施形態に従った流量計が付与される。流量計は、プロセス材料の流れを受け入れるように構成されたハウジングを備える。ハウジング内にダイヤフラムが配置され、該ダイヤフラムはプロセス材料の流れによって撓み可能である。ダイヤフラムの撓みを検知するようにセンサが構成され、流量計はプロセス流体の流れを測定するように構成される。
【0010】
実施形態に従って、流量計を介してプロセス材料の流れを測定する方法が付与される。方法は、プロセス材料の流れを受け入れるように構成されたハウジングを付与する工程と、該ハウジング内に配置されたダイヤフラムを有する工程と、ダイヤフラムの撓みを検知するように構成されたセンサを付与する工程を備える。方法はまた、ハウジングを通ってプロセス材料を流す工程と、プロセス材料の流れ力を用いてダイヤフラムを撓ませる工程と、プロセス材料の流れを測定する工程を備える。
【0011】
態様
一態様に従って、流量計は、プロセス材料の流れを受け入れるように構成されたハウジングと、該ハウジング内に配置されたダイヤフラムを備え、該ダイヤフラムはプロセス材料の流れによって撓み可能である。ダイヤフラムの撓みを検知するようにセンサが構成され、流量計はプロセス流体の流れを測定するように構成される。
【0012】
好ましくは、ダイヤフラムは感知リングを備える。
好ましくは、センサは感知リングの位置を検知するように構成されている。
好ましくは、センサは磁気センサである。
好ましくは、センサはホール効果センサである。
好ましくは、センサは赤外線センサである。
好ましくは、感知リングは、鉄部分を含む。
好ましくは、感知リングは、磁性部分を含む。
好ましくは、流量計は、センサに近接して配置された磁石を含む。
好ましくは、流量計は、流量計を受け入れるように構成されたベースを備える。
好ましくは、センサはベースに配置される。
【0013】
好ましくは、ダイヤフラムはプロセス材料が通過することを許すように構成された開口を備える。
好ましくは、流量計はプロセス材料の温度を検知するように構成された温度センサを備える。
好ましくは、温度センサはベース内に配置される。
好ましくは、ダイヤフラムは、関連するデータを構成する流量計を備えたデータ送信器と、ベースを備えたデータ受信器を備え、データ送信器に関連するデータはデータ受信器と通信可能である。
好ましくは、ダイヤフラムの撓みはプロセス材料の流れに比例する。
【0014】
一態様に従って、流量計を介してプロセス材料の流れを測定する方法は、プロセス材料の流れを受け入れるように構成されたハウジングを付与する工程と、該ハウジング内に配置されたダイヤフラムを有する工程と、ダイヤフラムの撓みを検知するように構成されたセンサを付与する工程と、ハウジングを通ってプロセス材料を流す工程と、プロセス材料の流れ力を用いてダイヤフラムを撓ませる工程と、プロセス材料の流れを測定する工程を備える。
【0015】
好ましくは、ダイヤフラムの撓みはプロセス材料の流れに比例する。
好ましくは、方法はダイヤフラム上に感知リングを付与する工程を備える。
好ましくは、センサは感知リングの位置を検知するように構成されている。
好ましくは、センサは磁気センサである。
好ましくは、センサはホール効果センサである。
好ましくは、センサは赤外線センサである。
好ましくは、感知リングは、鉄部分を含む。
好ましくは、感知リングは、磁性部分を含む。
好ましくは、方法は、センサに近接して磁石を置く工程を備える。
【0016】
好ましくは、方法、流量計を受け入れるように構成されたベースを付与する工程を備える。
好ましくは、センサはベースに配置される。
好ましくは、方法はダイヤフラムに開口を形成する工程を備え、開口はプロセス材料が通過することを許すように構成される。
好ましくは、プロセス材料の温度を検知するように構成された温度センサを付与する工程を備える。
好ましくは、温度センサはベース内に配置される。
好ましくは、方法は流量計を備えたデータ送信器を付与する工程と、データ送信器を用いてデータを送信する工程と、ベースを備えたデータ受信器を付与する工程と、データ受信器を用いてデータを受信する工程とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0017】
全ての図面上で、同じ参照符号は同じ要素を表す。図面は必ずしも、寸法通りではない。
図1】実施形態に従った流量計を示す。
図2】ベースを有する図1の流量計の断面図である。
図3A】増加した流体力を受ける流量計のダイヤフラムを示す。
図3B】増加した流体力を受ける流量計のダイヤフラムを示す。
図3C】増加した流体力を受ける流量計のダイヤフラムを示す。
図3D】増加した流体力を受ける流量計のダイヤフラムを示す。
図4】実施形態に従った流量計のダイヤフラムである。
図5】他の実施形態に従った流量計のダイヤフラムである。
図6】センサ電圧とダイヤフラムの変位の間の関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1図6及び以下の記述は特定の例を記載して、ダイヤフラム流量計及び関連する方法の実施形態の最良のモードを作り使用する方法を当業者に開示する。進歩性を有する原理を開示する目的で、いくつかの従来の態様は単純化されたか省略された。
当業者は、これらの例示から本発明の範囲内にある変形例を理解するだろう。当業者は、下記に述べられた特徴が種々の方法で組み合わされて、本発明の多数の変形例を形成することを理解するだろう。その結果、本発明は、下記に述べられた特定の例にではなく特許請求の範囲とそれらの等価物によってのみ限定される。
【0019】
図1及び図2は、実施形態に従った流量計5を示す。図2は、図1の流量計5の断面図を示し、またベース12を示す。流量計5はセンサアセンブリ10を備える。センサアセンブリ10は、プロセス材料の流量に応答する。プロセス材料は、流体、流体混合物、粒子を含む流体、スラリー等である。少なくともリード14、16、60を介して、メータ電子機器(図示せず)が流量計5に接続されて、経路26を介して、流量及び温度の情報を本発明に関係が無い他の情報と共に付与する。センサアセンブリ10は、ダイヤフラム18と該ダイヤフラム18に取り付けられた少なくとも1つの感知リング20を含む。実施形態において、ダイヤフラム18はダイヤフラム取付部22に取り付けられる。他の実施形態にて、ダイヤフラムは第1の端部キャップ24又は第2の端部キャップ30に取り付けられる。
【0020】
一実施形態において、ハウジング28が、第1の端部キャップ24と第2の端部キャップ30との間に配置される。いくつかの実施形態では、ハウジング28は透明材料であってもよい。別の実施形態では、ハウジング28は、第1の端部キャップ24又は第2の端部キャップ30、または第1及び第2の端部キャップ24、30の組み合わせによって画定される。一実施形態では、ハウジング28及び端部キャップ24、30は、流量計5が使い捨て可能であると考えられるようにプラスチックなどの安価な材料で作られているが、金属、ポリマー、セラミック、及び当該技術分野で知られている他の材料が考えられる。温度導管32が、第1の端部キャップ24内に配置されているように示されているが、第2の端部キャップ30及び/又はハウジング28内にあることも考えられる。第1の端部キャップ24は、そこに取り付けられた第1のポート36を有していてもよく、第2の端部キャップ30は、そこに取り付けられた第2のポート38を有していてもよい。一実施形態では、ポート36、38の少なくとも1つは、端部キャップ24、30によって画定される。ポート36、38は、夫々流量計5の内部及び外部への流体経路を提供する。一実施形態では、第2のポート38は、第1のポート36以上の面積を有する。
【0021】
温度導管32は、温度測定装置に流体接触する。一実施形態では、温度センサ34が温度導管32内に配置される。一実施形態では、熱伝導材料が温度導管32内に配置され、温度導管32は温度センサ34と熱的に連通することができる。一実施形態では、温度センサ34は抵抗温度検出器を含む。一実施形態では、熱伝導部材は、プロセス材料と接触するように端部キャップ24、30を通って突出してもよく、また、流量計5から外部に延在することもできる。一実施形態では、リード14は、温度センサ34と通信可能に繋がり、温度データを受信するように構成されたメータ電子機器又は他の装置に温度に関連する情報を提供することができる。
【0022】
プロセス材料は第1のポート36に導入され、第1のポート36は第1の端部キャップ24を通過し、ダイヤフラム18の第1の側面40に接触する。プロセス材料の圧力は、以下により詳細に説明するように、ダイヤフラム18を変形させる。ダイヤフラム18の開口42により、プロセス材料が流量計5の第1のチャンバ44から流量計5の第2のチャンバ46へ通過することが可能となる。プロセス材料が開口42を通過するとき、幾つかの実施形態では、感知リング20によって画定された第2の開口50を通過することができる。第2のチャンバ46に入るプロセス材料は、その後、第2のポート38を介して流量計5を出ることができる。
【0023】
ダイヤフラム18は可撓性材料を用いて構成される。一実施形態では、ダイヤフラムはゴムであるが、当該技術分野で知られている他のプラスチック、フィルム、ポリマー、金属、及び適切なダイヤフラム材料が考えられる。プロセス材料が第1のポート36に流入すると、プロセス材料はダイヤフラム18に力を加え、ダイヤフラム18を第2のチャンバ46に向かって変位させる。感知リング20がダイヤフラム18に取り付けられているので、感知リング20も変位する。図3A-図3Dを見ると、図3Aは流れのない状態を示しているが、図3Bでは流れは存在する。流れは図3Cにおいてさらに増加し、図3Dにおいてさらに増加する。流れが増加すると、ダイヤフラム18に作用する力が増大し、その結果、たわみが増大することが明らかである。一実施形態において、ダイヤフラム18に作用する力Fは以下のように記載される。
【数1】
ここで、
ρは流体の質量密度、
Vは流速、
Aはダイヤフラムの面積、
は抗力係数である。
【0024】
感知リング20の撓みを検出するためにセンサ48が付与される。センサ48は、感知リング20のセンサ48からの距離の変化に起因する磁界の変化を検出する。図4によって図式的に示される実施形態において、感知リング20は磁気的であり、センサ48は、流量計5を通る流体の流れによって感知リングが変位されると、感知リング20の磁界強度の変化を検知する。図5において、感知リング20は鋼のような鉄系材料から作られるが、これに限定されない。センサ48に加えて、磁石52が設けられ、センサ48に近接して感知リング20の反対側に配置される。他の実施形態では、感知リング20は、磁性部分と非磁性部分とを含む組立体である。これらの実施形態では、非磁性部分は、鉄又は非鉄であってもよい。センサ48は例えばホール効果センサであるが、これに限定されない。他の実施形態において、センサ48はダイヤフラム18の撓みを機械的に検知する。図5では、磁石52は感知リング20の反対側でセンサ48に近接しているが、感知リング20に対するセンサ48及び磁石52の任意の相対角度又は位置が考えられる。他の実施形態において、センサ48は赤外線検知器であり、ダイヤフラム18の変位を感知する。
【0025】
出力電圧は、磁場の変化に応答してセンサ48によって生成され、この変化は、感知リング20の変位に起因する。図2において、センサ48はベース12内に示されるが、例えばハウジング28内又は端部キャップ24、30内のような他の箇所も考えられ、これらに限定されない。感知リング20の変位は流速に比例し、磁界は感知リング20の変位に比例するので、流速に比例した出力電圧が発生する。流れ対変位の傾斜は、主として、ダイヤフラム18の弾性と開口42、50の大きさとの関数であることが理解されるだろう。図6は、ダイヤフラム18の変位テストを付与することによってこの関係を示す。ダイヤフラムの変位と電圧との間に実質的に線形な関係が存在するのは明白であり、傾向線54で示される。線形の応答範囲は、ダイヤフラム18のサイズ及び/又は弾性を変更し、及び/又は従って開口42、50のサイズを変更することによって調整され得ることが理解されるだろう。
【0026】
実施形態における流量
【数1A】
は以下の式から導出される。
【数2】
ここで、
Dは流体の密度、
Vは流速である。
ダイヤフラム18に作用する力に比例する出力電圧により、流速Vが導出される。このようにして、式(1)を式(2)に代入することによって、流速を導出することができる。
【数3】
この式は、以下に簡略化される。
【数4】
このようにして、体積流量はプロセス材料流れの結果である力から導出される。
【0027】
図2に戻り、一実施形態にて、ベース12は、温度センサ34及びセンサ48を含み、流量計5の部分がより簡単で製造コストが低く、使い捨て可能であると考えられる。これらの実施形態において、温度センサ34は、上述したように、流体導管及び/又は熱伝導材料を含む温度導管32を介してプロセス材料と熱伝導可能に繋がっている。同様に、流量計5は、ベース12に設置されたときにセンサ48に近接して配置されてもよい。
【0028】
幾つかの実施形態において、流量計5は、流量計5に関する情報を含むデータ送信器56を有する。ベース12は、データ受信器58によってデータ送信器56の情報を収集し/読み取ることができる。データ送信器56の情報は、モデル番号、シリアル番号、メータ仕様、メータ互換性、較正情報、又は当該技術分野で知られている他の関連情報のうちの少なくとも1つであり得る。この情報は、流量計5から、ベース12を介して、流量計5及びベース12が取り付けられたメータ電子機器又は任意のシステムに中継される。データ送信器56は、ラベル、バーコード、RFIDタグ、SIMカード、集積回路、磁気ストリップ、又は格納されたデータを通信する任意の手段であってもよい。同様に、データ受信器58は、スキャナ、バーコードリーダ、RFIDリーダ、SIMリーダ、電子的接続を受け入れるためのポート、磁気ストリップリーダ、又は格納されたデータを受信する他の任意のインタフェースであってもよい。例えば、流量計5はベース12内に配置され、流量計5に取り付けられたRFID内の情報は、ベース内のRFIDリーダによって読み取られるが、これに限定されない。較正情報又は他の情報はベース12に電子的に繋がったデバイスに通信され、流量計算において適切な較正データ及びモデルデータが使用されるので、正確な流れ読み取り値が計算される。同様に、流量計5の製品仕様は、ベース12と電子的に繋がったデバイスに通信され得る。例えば、特定の所望の用途に適合しない流量範囲を有する流量計5がベース12に設置されれば、異なる仕様を有する流量計5が使用されるべきであることをユーザに知らせる通知又は警報がトリガされるが、これに限定されない。
【0029】
ベース12はまた、流量計5へ/流量計5から、ベース12が接続されたデバイスへ/デバイスから情報を提供し、処理し、格納し、中継し、表示し及び受け入れるメモリ、コンピュータ可読媒体、集積回路、増幅器、フィルタ、信号プロセッサ、インタフェース及び任意の関連した電子機器を含むことに注意すべきである。
【0030】
上記の実施形態の詳細な記述は、本発明の範囲内にある発明者によって熟考された全ての実施形態の完全な記述ではない。実際に当業者は、さらに実施形態を作成するために上記実施形態のある要素が種々に組み合わせられるかもしれないし除去されるかもしれないことを認識している、そしてそのような、さらなる実施形態は現在の記述の範囲及び開示の範囲内にある。現在の記述の範囲及び開示の範囲内にある追加の実施形態を作成するために、上記実施形態の全部或いは一部が組み合わせられるかもしれないことも当業者には明白である。
【0031】
このように、発明の特定の実施形態と例がここに説明の目的から記載されているが、関連技術の当業者が理解するように、出願の範囲内で種々の均等な修正が可能である。ここに付与された開示は他のデバイス及び方法に適用され、上記及び添付の図面に示された実施形態のみではない。従って、上記の実施形態の範囲は、添付の特許請求の範囲から決定されるべきである。


図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6